JPH11209437A - 共重合体ラテックス、その製造方法、およびそれを用いた再剥離性感圧接着剤組成物 - Google Patents

共重合体ラテックス、その製造方法、およびそれを用いた再剥離性感圧接着剤組成物

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JPH11209437A
JPH11209437A JP2282198A JP2282198A JPH11209437A JP H11209437 A JPH11209437 A JP H11209437A JP 2282198 A JP2282198 A JP 2282198A JP 2282198 A JP2282198 A JP 2282198A JP H11209437 A JPH11209437 A JP H11209437A
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JP
Japan
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sensitive adhesive
weight
copolymer latex
conjugated diene
pressure
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Application number
JP2282198A
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English (en)
Inventor
Shigeo Suzuki
重夫 鈴木
Juichi Miyoshi
寿一 三好
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着強度、水濡れ後の接着強度、耐ブロッキン
グ性、表面強度、耐熱性および耐候性等に優れた再剥離
性感圧接着性シートを得ることが可能な、感圧接着剤組
成物中の感圧接着剤として用いられる共重合体ラテック
スを製造する。 【解決手段】共役ジエン系単量体(1)10〜90重量
%、共役ジエン系単量体と共重合可能なエチレン系不飽
和単量体(2)10〜90重量%とを乳化重合させて得
られた共重合体ラテックスからなり、そのゲル分が50
%以下で、かつそのガラス転移温度が−20℃〜−80
℃である共重合体ラテックスは、再剥離性感圧接着剤組
成物の主成分として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一時的に接着する
が必要に応じて容易に剥離できる見開き面を有する折り
畳みシート、重ね合わせシート、例えば情報隠蔽シート
等の親展性を持つハガキ、通知書、カード、帳票等の再
剥離性感圧接着性シートに使用される再剥離性感圧接着
剤組成物、その組成物の主成分として有用な共重合体ラ
テックスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、郵便法の改正に伴い、親展性を有
するハガキシステムが実用化され、普及し始めている。
この親展性を有するハガキシステムは、例えば、個人的
用件、あるいはプリント情報、印刷情報等の各種情報が
記載されたハガキを折り畳み、切り重ね、あるいは別体
同士を重ね合わせする等、各種の重ね合わせ態様で剥離
可能に接着して、該情報を隠蔽した後、郵送し、受取人
が重ね合わせ面を剥離して隠蔽情報を読み取るものであ
る。このような親展性を有するハガキ等の再剥離性感圧
接着性シートは、基体シート上に再剥離性感圧接着剤組
成物を塗布することによって得ることができる。従来、
再剥離性感圧接着剤組成物に使用されている感圧接着剤
の主成分は、自着性を有する天然ゴム系のものであっ
た。この天然ゴム系の感圧接着剤は、天然物ということ
でロット間での性能のバラツキが大きいこと、および天
然ゴム系の感圧接着剤を使用した再剥離性感圧接着性シ
ートは、天然ゴム特有の臭気と有し、かつ水濡れ後の接
着強度が非常に高くなり、剥離する際シートが破れた
り、シート表面がはがれたりして隠蔽情報を読み取るこ
とが不可能になる等の問題点があった。さらに接着性、
表面強度、耐熱性、耐候性、保存安定性等の点において
も満足できるものでなかった。
【0003】このような問題点を解決する方策として、
天然ゴム系の感圧接着剤を合成ゴム系に置き換える検討
が行われている。例えば特開昭62−158771号公
報に記載されているように、アクリロニトリル比率が2
5〜40%のNBRラテックスを使用したり、特開昭6
2−158772号公報に記載されているように、スチ
レン比率が50〜75%のSBRラテックスを使用する
ことが提案されているが、このようなラテックスは接着
性が低いため、多量に使用しないと所望の感圧接着性が
でないこと、ならびにこのようなラテックスを使用して
得られる再剥離性感圧接着性シートは、軽荷重で接着剤
層同士が接触する状態、もしくは接着剤層と基体シート
面が接触する状態で長時間保存された場合にブロッキン
グが生じやすいという点で不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の再剥
離性感圧接着剤では不十分であった水濡れ後の接着強
度、接着性、耐熱性、耐候性、保存安定性、耐ブロッキ
ング性等に優れた再剥離性感圧接着剤組成物、その主成
分である共重合体ラテックスおよびその製造方法を提供
しようとするものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、再剥離
性感圧接着剤として、従来の感圧接着剤では不十分であ
った前記問題点について鋭意研究した結果、単量体成分
として共役ジエン系単量体(1)、共役ジエン系単量体
と共重合可能なエチレン系不飽和単量体(2)を用い、
(1)および(2)の成分比率、ゲル分、およびガラス
転移温度を特定の範囲とする共重合体ラテックスを使用
することによって得られた再剥離性感圧接着性シート
が、水濡れ後の接着強度が変わらないこと、および従来
にない優れた接着性、耐熱性、耐候性、保存安定性、耐
ブロッキング性等を与えることを見出して、本発明を完
成するに至った。すなわち本発明は、(1)共役ジエン
系単量体(1)10〜90重量%、共役ジエン系単量体
と共重合可能なエチレン系不飽和単量体(2)10〜9
0重量%とを乳化重合させて得られたものであり、その
ゲル分が50%以下で、かつそのガラス転移温度が−2
0〜−80℃であることを特徴とする共重合体ラテック
ス、(2)ガラス転移温度が−45〜−75℃である前
記(1)記載の共重合体ラテックス、(3)共役ジエン
系単量体(1)55〜85重量%、共役ジエン系単量体
と共重合可能なエチレン系不飽和単量体(2)15〜4
5重量%とを乳化重合させて得られた前記(1)または
(2)記載の共重合体ラテックス、(4)共役ジエン系
単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体(2)が
アクリロニトリルを含まない単量体である前記(1)〜
(3)のいずれかに記載の共重合体ラテックス、(5)
共役ジエン系単量体(1)10〜90重量%、共役ジエ
ン系単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体
(2)10〜90重量%とを界面活性剤の存在下、40
℃以下で乳化重合させ、重合転化率が20〜85%の範
囲内で重合を停止することを特徴とするゲル分が50%
以下で、かつそのガラス転移温度が−20〜−80℃で
ある共重合体ラテックスの製造方法、(6)界面活性剤
がアニオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面
活性剤を含有するものである前記(5)記載の共重合体
ラテックスの製造方法、(7)アニオン性界面活性剤が
カルボン酸塩を有する界面活性剤であり、ノニオン性界
面活性剤がポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルおよび/またはポリオキシエチレンアルキルアミンで
ある前記(6)記載の共重合体ラテックスの製造方法、
(8)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の共重合体
ラテックスと微粒状充填剤を含有する再剥離性感圧接着
剤組成物、(9)共重合体ラテックス100重量部に対
して微粒状充填剤を100〜500重量部含有してなる
前記(8)記載の再剥離性感圧接着剤組成物、および
(10)微粒状充填剤がシリカゲルまたは澱粉粒子であ
る再剥離性感圧接着剤組成物、である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いる共役ジエン
系単量体(1)としては、例えば1,3−ブタジエン、
イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メ
チル−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。こ
れらの共役ジエン系単量体(1)は、単独で、又は2種
以上を組み合わせて用いられる。本発明においては、特
に、1,3−ブタジエンが好ましく用いられる。このよ
うな共役ジエン系単量体(1)の使用量は、全単量体に
対し、10〜90重量%、好ましくは55〜85重量%
の範囲である。全単量体に対して、共役ジエン系単量体
(1)の使用量が10重量%よりも少ないときは、得ら
れた再剥離性感圧接着性シートの接着強度が低下する。
一方、90重量%よりも多いときは、耐ブロッキング性
が劣る。本発明において用いる共役ジエン系単量体と共
重合可能なエチレン系不飽和単量体(2)としては、例
えばスチレン,α−メチルスチレン,ビニルトルエン,
p−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、例えばア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル等のエチレン系不飽和カルボン
酸アルキルエステル、例えばアクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル化合物、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、
例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボ
ン酸や、それらの無水物、例えばマレイン酸メチル、イ
タコン酸メチル等のジカルボン酸のモノエステル、即
ち、半エステル等のエチレン系不飽和カルボン酸、例え
ばアクリルアミド,メタクリルアミド,N,N−ジメチ
ルアクリルアミド,N−メチロールアクリルアミド等の
エチレン系不飽和カルボン酸アミド化合物、例えばアク
リル酸2−ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル等のエチレン系不飽和カルボン酸ヒドロキシ
アルキルエステル化合物、例えばメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2―ビニル
ピリジン等のエチレン系不飽和アミン、例えば酢酸ビニ
ル等のカルボン酸ビニルエステル類等を挙げることがで
きる。これらの共役ジエン系単量体と共重合可能なエチ
レン系不飽和単量体(2)は、単独で、または2種以上
を組み合わせて用いられる。
【0007】本発明において、これら共役ジエン系単量
体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体(2)の使用
量は、全単量体に対し、10〜90重量%、好ましく
は、15〜45重量%の範囲である。これらは単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。本発明に
おいては、特に芳香族ビニル化合物及び/またはエチレ
ン系不飽和カルボン酸アルキルエステルが好ましく、さ
らに好ましくはスチレン及び/またはメタクリル酸メチ
ルが用いられる。ただし、乳化重合して得られた共重合
体ラテックスのガラス転移温度が、−20℃〜−80℃
に、好ましくは−45℃〜−75℃になる様に、上記共
役ジエン系単量体(1)および共役ジエン系単量体と共
重合可能なエチレン系不飽和単量体(2)から選ばれる
単量体を組み合わせて使用する。本発明の共重合体ラテ
ックスの製造方法においては、従来より知られている乳
化重合の方法、すなわち、例えば、水のような水性媒体
中に単量体混合物、重合開始剤、界面活性剤および重合
連鎖移動剤等を適宜加えて乳化重合が行われる。
【0008】ここに、重合開始剤は、特に制限されるも
のではなく、例えば、過硫酸カリウム,過硫酸ナトリウ
ム,過硫酸アンモニウム等の無機過硫酸塩、例えば、ク
メンハイドロパーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイ
ド,イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、t−
ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過
酸化物、例えば、アゾイソブチロニトリル等のアゾ系の
開始剤等を用いることができる。これらは、単独でまた
は2種以上を組み合わせて使用することができる。特
に、本発明において、上記した重合開始剤は、重亜硫酸
ナトリウム,硫酸第1鉄、アスコルビン酸、ナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元剤と組み合
わせてなるいわゆるレドックス系重合開始剤として使用
することが好ましい。さらに、重合開始剤として有機過
酸化物と還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤
が好ましい。
【0009】本発明の共重合体ラテックスの製造方法に
おいて、重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部
当たりに、通常、0.01〜5重量部程度であり、好ま
しくは、0.03〜3重量部程度である。還元剤を使用
する場合は、還元剤の使用量が重合開始剤の使用量に対
して0.1〜3倍の範囲、好ましくは0.2〜2倍の範
囲になる様にする。本発明に用いられる界面活性剤とし
ては、例えばオレイン酸塩、ステアリン酸塩、ロジン酸
塩等のカルボン酸塩を有する界面活性剤、例えばアルキ
ルりん酸エステル塩、例えばドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウム,ドデシルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム,コハク酸ジア
ルキルエステルスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界
面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリ
オキシエチレンアルキルエステル等のノニオン系界面活
性剤、例えば、ラウリルベタイン,ステアリルベタイン
の塩等のアルキルベタイン型の塩、ラウリル−β−アラ
ニン,ラウリルジ(アミノエチル)グリシン,オクチル
ジ(アミノエチル)グリジンの塩等のアミノ酸型などの
両性界面活性剤を挙げることができる。これらは単独
で、または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0010】本発明においては、これらの界面活性剤の
うち、アニオン性界面活性剤および/またはノニオン性
界面活性剤を使用することが好ましく、特に、アニオン
性界面活性剤としては、カルボン酸塩を有する界面活性
剤が、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルおよび/またはポリオキ
シエチレンアルキルアミンが好ましく用いられる。最も
好ましいものは、カルボン酸塩を有する界面活性剤であ
る。これらの界面活性剤は乳化重合時のみならず、重合
終了後に得られた共重合体ラテックスを一層安定化させ
るためその適量を添加してもよい。このような界面活性
剤の使用量は、用いる全単量体混合物100重量部当た
りに、通常、0.1〜50重量部程度であり、好ましく
は、0.5〜40重量部程度である。本発明に用いられ
る重合連鎖移動剤も、特に制限されるものではなく、例
えば、ヘキシルメルカプタン,オクチルメルカプタン,
n−ドデシルメルカプタン,t−ドデシルメルカプタ
ン,n−ヘキサデシルメルカプタン,n−テトラデシル
メルカプタン等のアルキルメルカプタン類、例えば、四
塩化炭素,四臭化炭素,臭化エチレン等のハロゲン化炭
化水素、例えば、メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエ
ステル,メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエ
ステル,メルカプトプロピオン酸トリデシルエステル等
のメルカプトカルボン酸アルキルエステル、例えば、メ
ルカプト酢酸メトキシブチルエステル,メルカプトプロ
ピオン酸メトキシブチルエステル等のメルカプトカルボ
ン酸アルコキシアルキルエステル、例えば、オクタン酸
2−メルカプトエチルエステル等のカルボン酸メルカプ
トアルキルエステル及びα−メチルスチレンダイマー、
ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジ
ペンテン、アニソール、アリルアルコール等を挙げるこ
とができる。
【0011】これらの重合連鎖移動剤は、単独で、また
は2種以上を組み合わせて用いられる。本発明において
は、アルキルメルカプタン類、四塩化炭素、オクタン酸
2−メルカプトエチルエステル、α−メチルスチレンダ
イマー、ターピノーレン等が好ましく用いられる。本発
明において、これら重合連鎖移動剤の使用量は、全単量
体100重量部に対して、通常、0〜5重量部、好まし
くは、0〜3重量部である。本発明における単量体混合
物、重合開始剤、界面活性剤や重合連鎖移動剤の添加方
法は、一括添加方式、分割添加方式、連続添加方式ある
いはこれらの組み合わせのいずれでもよい。また分割添
加方式の場合、単量体混合物、重合開始剤、界面活性剤
や重合連鎖移動剤の組成と使用量を各段で変化させても
よい。連続添加方式の場合も、単量体混合物、重合開始
剤、界面活性剤や重合連鎖移動剤の組成と使用量を添加
時間とともに連続的に、または断続的に変化させてもよ
い。また、本発明の方法においては、必要に応じて、乳
化重合をエチレンジアミン四酢酸ナトリウム等のキレー
ト剤、ポリアクリル酸ナトリウム、ナフタレン−ホルマ
リン縮合物のスルホン酸塩等の分散剤やピロりん酸カリ
ウム、ピロりん酸ナトリウム、りん酸三ナトリウム、り
ん酸水素二ナトリウム、トリポリりん酸ナトリウム等の
無機塩等の存在下に行ってもよい。
【0012】本発明における重合温度は媒体が凝固しな
い温度以上で40℃以下が好ましく、さらに好ましくは
25℃以下である。重合は、重合転化率が20〜85%
の範囲にある間に停止することが好ましく、重合転化率
40〜80%の範囲で停止することがさらに好ましい。
このような重合温度範囲および重合転化率範囲で乳化重
合することによって、共役ジエン系単量体を使用して
も、分岐の少ない直鎖状のポリマー鎖が得られ、再剥離
性感圧接着剤として優れた性能を発揮する共重合体ラテ
ックスが得られる。共重合体ラテックスの平均粒子径
は、水濡れ後の接着強度、接着性、耐熱性、耐候性、保
存安定性、耐ブロッキング性等を損なわない範囲で選択
でき、例えば、30〜350nm、好ましくは50〜2
50nmである。また、共重合体ラテックスのゲル分
(トルエン不溶分)は、水濡れ後の接着強度、接着性、
耐熱性、耐候性、保存安定性、耐ブロッキング性等を損
なわない範囲であればよく、例えば、50重量%以下、
好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量
%以下である。このようにして、本発明によって得られ
る共重合体ラテックスは、再剥離性感圧接着剤の主成分
として好適に用いることができる。本発明による共重合
体ラテックスを感圧接着剤として用いて再剥離性感圧接
着剤組成物を得るには、従来感圧接着剤の主剤として使
用されている天然ゴムの代わりに本発明による共重合体
ラテックスを使用すればよく、その他の添加物は従来よ
り知られている通常の方法を用いればよい。
【0013】感圧接着剤のその他の添加物としては、例
えば、アクリル系粘着剤、スチレン−ブタジエンゴム、
アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール,ポリメチ
ルメタクリレート等の補助剤が挙げられる。これらの感
圧接着剤の補助剤は、単独で又は2種以上を組み合わせ
て用いられる。本発明においては、アクリル系粘着剤、
スチレン−ブタジエンゴム、ポリビニルアルコールが特
に好ましい。このような感圧接着剤の補助剤の使用量
は、感圧接着剤の主剤100重量部に対して、通常5〜
200重量部、好ましくは20〜150重量部である。
微粒状充填剤は、上記の感圧接着剤や粘着付与剤に耐ブ
ロッキング性や印刷適性の改良を目的として添加される
もので、例えば、合成ゼオライト、シラスバルーン、活
性白土、シリカゲル、酸化チタン、酸化亜鉛、活性アル
ミナゲル、炭酸カルシウム、タルク、クレー、澱粉粒
子、球状アクリル樹脂、球状メタクリル樹脂、球状ポリ
エチレン等が挙げられる。これらの微粒状充填剤は、平
均粒子径が8μm以下のものが好ましく、単独で又は2
種以上を組み合わせて用いられる。本発明においては、
シリカゲルおよび澱粉粒子が特に好ましい。このような
微粒状充填剤の使用量は、感圧接着剤の主剤100重量
部に対して、100〜500重量部、好ましくは150
〜400重量部である。
【0014】以上、本発明の感圧接着剤組成物における
主要成分について説明したが、その他に本発明の感圧接
着剤組成物には、粘着付与剤として、例えば、ロジン系
樹脂およびその誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノ
ール樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、スチレン
系樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クロ
マロンインデン樹脂等や、インクジェット印刷適性等を
向上させるために3級・4級のアンモニウム塩型のカチ
オン性樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリア
ミド・ホルムアルデヒド樹脂、グリオキザール等を添加
したり、印刷時の作業性や耐ブロッキング性の向上を目
的としてポリエチレンワックス、カウナバルワックス等
を適宜配合すればよい。さらに必要に応じて、安定剤、
分散剤,消泡剤、紫外線吸収剤、増粘剤、防腐剤等の通
常の添加剤を配合することができる。このようにして得
られる再剥離性感圧接着剤組成物を基体シートに塗工す
るには、従来から知られている通常の方法によればよ
く、例えば、エアナイフコーター,ブレードコーター,
ロールコーター,バーコーター,フレキソ、グラビアコ
ーター、ダイヘッドコーター、アプリケーター等の塗工
装置を用いればよい。感圧接着剤組成物の塗工面に対す
る塗布量は、乾燥後で0.1g/m2〜20g/m2が
好ましく、さらに1g/m2〜15g/m2が好まし
い。この塗布量にするためにはシングル塗工に限定され
ず、ダブル塗工等を実施してもよい。なお、本発明の感
圧接着剤組成物が塗布される基体シートは、通常紙のほ
かに、合成紙、あるいはポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニル等の合成フ
ィルムであってもよく、これらを用いる場合には基体シ
ートの表面をマット処理、コロナ処理等の表面処理を施
せばよい。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。な
お、実施例において、%および部はすべて重量基準であ
る。 実施例1 共重合体ラテックスの製造 窒素置換した5リットル容量のオートクレーブに、1,
3−ブタジエン70部,スチレン30部,クメンハイド
ロパーオキサイド0.1部,水200部,ロジン酸セッ
ケン4.5部、りん酸三ナトリウム塩0.5部、硫酸第
1鉄0.03部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート0.08部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ムおよびターシャルドデシルメルカプタン0.18部を
仕込み、撹拌しながら、5℃にて反応した。重合転化率
65%(単量体100部当たり)に達した時点で重合停
止剤を添加して反応を止めた。水酸化カリウムを用い
て、pH10.5±0.2に調整した。ついで、反応混
合物に水蒸気を吹き込み、未反応単量体を除去した後、
単量体100部当たりポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル(商品名 花王製エマルゲン810)を1
0部およびポリオキシエチレンアルキルアミン(商品名
花王製アミート320)を5部添加した。さらに、ラ
テックスの固形分濃度を40%まで濃縮して、目的とす
る共重合体ラテックスを得た。
【0016】感圧接着剤組成物の調製 前述した共重合体ラテックス100部にSBRラテック
ス(武田薬品工業製クロスレンSK−72)20部とポ
リビニルアルコール(クラレ製PVA−105)50部
を混合して感圧接着剤とした。この感圧接着剤に澱粉粒
子(日本食品加工製コーンスターチY)120部、シリ
カゲル(富士シリシア化学製サイリシア450)150
部と水を適宜配合して、固形分30%の感圧接着剤組成
物を調製した。 感圧接着剤組成物の塗工 84g/m2の上質紙に前述した感圧接着剤組成物を乾
燥後の塗布量が8g/m2になるようにワイヤーバーで
塗工し、乾燥させ、再剥離性感圧接着性シートを得た。
このようにして得られた再剥離性感圧接着性シートの物
性を測定した。結果を〔表2〕に示す。
【0017】実施例2〜5 〔表1〕に示す単量体組成、重合連鎖移動剤組成、重合
開始剤組成、重合温度および重合を停止した転化率にて
重合を行った以外は、実施例1と同様に乳化重合を行っ
て、共重合体ラテックスを製造し、これを用いて、実施
例1と同様にして再剥離性感圧接着性シートを得、得ら
れた再剥離性感圧接着性シートの物性を測定した。結果
を〔表2〕に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】なお、〔表2〕中の各物性は、以下の方法
にて測定し、評価した。 (1)ゲル分(トルエン不溶分) 得られた共重合体ラテックスをガラスモールドに流し、
厚さ0.3mmのフィルムを作成する。このフィルムを
2〜3mm角に切り、0.4gを精秤する。その試料を
100mlのトルエンに浸せきし、30℃の振とう式恒
温層で6時間振とうする。その後、100メッシュ金網
でろ過し、ろ液の固形分を求め、このゾル固形分よりゲ
ル分を算出する。 (2)カラス転移温度 得られた共重合体ラテックス約10mgを精秤し、示差
走査熱量測定装置(RIGAKU製DSC8230)を
用いて測定した。昇温速度は5℃/分で、試料皿として
アルミニウム試料皿を、基準試料としてアルミナを用い
た。 (3)接着強度 5cm幅のテストサンプルの感圧接着層同士を対接さ
せ、スーパーキャレンダー(線圧100kg/cm、2
5℃、1パス)を通して圧着した後、引張り試験機(島
津製作所製オートグラフAGS50)で剥離強度を測定
した。 (4)水濡れ後の接着強度 (3)と同様にしてテストサンプルを圧着した後、水中
にドブ漬けし、40℃の乾燥機中で完全に乾かす。その
後、(3)と同様に、引張り試験機(島津製作所製オー
トグラフAGS50)で剥離強度を測定した。(3)で
測定した接着強度と比べて差がないものが良好である。 (5)耐ブロッキング性 テストサンプルの感圧接着層と無加工の紙面を対接させ
た後、500kg/cm2の圧力を加え、25℃で30
分放置後、手で剥離して、その状態を判定し、4段階評
価した。
【0021】(6)表面強度 RIテスター(明製作所製)を用いてタックNO.10
の墨インキで数回重ね刷りをし、印刷面のピッキングを
肉眼で判定し、4段階評価した。 (7) 耐熱性 (3)と同様にしてテストサンプルを圧着した後、15
0℃の乾燥機中で1分放置する。その後、(3)と同様
に、引張り試験機(島津製作所製オートグラフAGS5
0)で剥離強度を測定した。(3)で測定した接着強度
と比べて差がないものが良好である。 (8) 耐候性 (3)と同様にしてテストサンプルを圧着した後、フェ
ードメーター中で1時間放置する。その後、(3)と同
様に、引張り試験機(島津製作所製オートグラフAGS
50)で剥離強度を測定した。(3)で測定した接着強
度と比べて差がないものが良好である。
【0022】
【発明の効果】本発明による共重合体ラテックスを感圧
接着剤として感圧接着剤組成物に用いて得られる再剥離
性感圧接着性シートは、接着強度、水濡れ後の接着強
度、耐ブロッキング性、表面強度、耐熱性、耐候性のい
ずれの物性においてもバランスよく優れている。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共役ジエン系単量体(1)10〜90重量
    %、共役ジエン系単量体と共重合可能なエチレン系不飽
    和単量体(2)10〜90重量%とを乳化重合させて得
    られたものであり、そのゲル分が50%以下で、かつそ
    のガラス転移温度が−20〜−80℃であることを特徴
    とする共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】ガラス転移温度が−45〜−75℃である
    請求項1記載の共重合体ラテックス。
  3. 【請求項3】共役ジエン系単量体(1)55〜85重量
    %、共役ジエン系単量体と共重合可能なエチレン系不飽
    和単量体(2)15〜45重量%とを乳化重合させて得
    られた請求項1または2記載の共重合体ラテックス。
  4. 【請求項4】共役ジエン系単量体と共重合可能なエチレ
    ン系不飽和単量体(2)がアクリロニトリルを含まない
    単量体である請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体
    ラテックス。
  5. 【請求項5】共役ジエン系単量体(1)10〜90重量
    %、共役ジエン系単量体と共重合可能なエチレン系不飽
    和単量体(2)10〜90重量%とを界面活性剤の存在
    下、40℃以下で乳化重合させ、重合転化率が20〜8
    5%の範囲内で重合を停止することを特徴とするゲル分
    が50%以下で、かつそのガラス転移温度が−20〜−
    80℃である共重合体ラテックスの製造方法。
  6. 【請求項6】界面活性剤がアニオン性界面活性剤および
    /またはノニオン性界面活性剤を含有するものである請
    求項5記載の共重合体ラテックスの製造方法。
  7. 【請求項7】アニオン性界面活性剤がカルボン酸塩を有
    する界面活性剤であり、ノニオン性界面活性剤がポリオ
    キシエチレンアルキルフェニルエーテルおよび/または
    ポリオキシエチレンアルキルアミンである請求項6記載
    の共重合体ラテックスの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいずれかに記載の共重合体
    ラテックスと微粒状充填剤を含有する再剥離性感圧接着
    剤組成物。
  9. 【請求項9】共重合体ラテックス100重量部に対して
    微粒状充填剤を100〜500重量部含有してなる請求
    項8記載の再剥離性感圧接着剤組成物。
  10. 【請求項10】微粒状充填剤がシリカゲルまたは澱粉粒
    子である再剥離性感圧接着剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003042314A1 (fr) * 2001-11-15 2003-05-22 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Procede de prolongation de la vie en pot d'adhesif polychloropropene aqueux en deux parties
KR101116296B1 (ko) 2009-11-17 2012-03-14 한국신발피혁연구소 재박리가 용이한 탁구 라켓용 수성 접착제 조성물

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