JPH11207859A - 金属・ゴム複合体およびその製造方法 - Google Patents

金属・ゴム複合体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11207859A
JPH11207859A JP1035398A JP1035398A JPH11207859A JP H11207859 A JPH11207859 A JP H11207859A JP 1035398 A JP1035398 A JP 1035398A JP 1035398 A JP1035398 A JP 1035398A JP H11207859 A JPH11207859 A JP H11207859A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
metal
composite
coupling agent
silane coupling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1035398A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiyunichirou Suzuki
淳一朗 鈴木
Takehiko Taguchi
武彦 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP1035398A priority Critical patent/JPH11207859A/ja
Publication of JPH11207859A publication Critical patent/JPH11207859A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤を使用することなく金属材料とゴムと
を加硫で充分な強度に接合した金属・ゴム複合体および
その製造方法を提供する。 【解決手段】 オレフィンゴム(EPM,EPDM等)
または水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H
−NBR)などの未架橋ゴム成分、シランカップリング
剤および有機過酸化物を含有するゴム組成物をアルカリ
処理した金属上で加硫成形してなる金属・ゴム複合体、
およびその製造方法。金属としては、鉄、アルミニウム
またはそれらを含有する合金などが使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属・ゴム複合体
に関する。さらに詳しくは、接着剤を使用することなく
金属材料とゴムとを加硫で接着してなる防振ゴムやウェ
ザーストリップのような自動車部品に有用な金属・ゴム
複合体に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】自動車のエンジン等を搭載す
る際に使用される防振ゴムには、エンジンの振動および
それに伴う騒音を軽減する防振性能、エンジンの発生熱
に対する耐熱性およびエンジンを機械的に支える支持性
能(強度)に加えて防振ゴムの支持材となる金属材料等
との接着性が要求される。
【0003】従来、防振ゴムと支持金属との接着は、金
属に下塗り接着剤及び上塗り接着剤を塗布した後、未加
硫ゴムを金属上で直接加硫して行なわれている。しか
し、この方法では接着剤の塗布に有機溶剤を使用するた
め、作業の安全性、労働衛生面、あるいは環境面におい
て問題がある。接着剤として水性接着剤を使用すること
も考えられているが、有機溶剤を使用するのに比べて乾
燥に時間がかかるという欠点があり、経済的に不利であ
る。またこれら接着剤を使用した場合には、その塗布の
際に膜厚にムラが生じるため品質が低下するという問題
もある。これらの問題を解決するために接着剤を使用し
ないで金属とゴムとを接合する複合化方法が提案されて
いる。
【0004】例えば、金属に真ちゅう(黄銅)メッキま
たは亜鉛メッキを施し、ナフテン酸コバルトのようなコ
バルトの有機塩を含有するゴム組成物を用い、硫黄によ
り金属に直接加硫接着を行なう方法が知られている。し
かし、この方法では金属にメッキ処理が必要であり操作
が煩雑となり、またコストも高くなるという問題を有し
ている。
【0005】従って、本発明の目的は、金属・ゴム複合
体における上記の問題を解消し、接着剤を使用すること
なく、かつ簡易な方法により金属とゴムとが良好に接着
した複合体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ゴム組成
物を直接金属に加硫接着する場合において、金属の表面
をアルカリ処理することにより、特定のゴム組成物が前
記金属と良好に接着することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、本発明は以下の金属・ゴム複合
体を提供するものである。 1) 未架橋ゴム成分、シランカップリング剤および有
機過酸化物を含有するゴム組成物を、アルカリ処理した
金属上で加硫成形してなる金属・ゴム複合体。 2) 未架橋ゴム成分が、エチレン−プロピレン−非共
役ジエン共重合体(EPDM)、エチレン−プロピレン
ゴム(EPM)または水素添加アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム(H−NBR)である前記1の金属・ゴム複
合体。 3) 未架橋ゴム成分100重量部に対して、シランカ
ップリング剤を2〜10重量部含有するゴム組成物を使
用する前記1または2の金属・ゴム複合体。 4) シランカップリング剤が、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(2
−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプ
ロピル−トリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプ
ロピル−トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−フェニル
−γ−アミノプロピルトリメトキシシランから選ばれる
1種以上である前記1乃至3のいずれかに記載の金属・
ゴム複合体。 5) 金属が鉄、アルミニウムまたはそれらを含有する
合金である前記1乃至4のいずれかに記載の金属・ゴム
複合体。 6) アルカリ洗浄液により洗浄処理するか、あるいは
アルカリ洗浄液と研磨材とを用いてウェットブラスト処
理した金属上で、接着剤を塗布することなく未架橋ゴム
成分、シランカップリング剤および有機過酸化物を含有
するゴム組成物を加硫成形することを特徴とする金属・
ゴム複合体の製造方法。以下、本発明の金属・ゴム複合
体について詳しく説明する。
【0008】[ゴム]本発明の複合体に使用するゴム
は、未架橋ゴム成分、シランカップリング剤および有機
過酸化物を含有するゴム組成物を架橋してなる。ゴム成
分としては、天然ゴム(NR)、合成ゴムのいずれもが
使用でき、合成ゴムとしては、エチレン−プロピレンゴ
ム(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共
重合体ゴム(EPDM)などのオレフィンゴム、ブタジ
エンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−
ブタジエンゴム(H−NBR)等が使用できる。これら
の中では、EPDM、EPMなどのオレフィンゴムおよ
びH−NBRが常態特性、金属との接着性および動特性
に優れているため金属・防振ゴム複合体としての用途に
適している。
【0009】EPDMに含まれる非共役ジエン成分は、
炭素数5〜20の非共役ジエンであり、例えば1,4−
ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサ
ジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよ
び1,4−オクタジエンや、例えば1,4−シクロヘキ
サジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン
などの環状ジエン、例えば5−エチリデン−2−ノルボ
ルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタ
リル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5
−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が挙げ
られる。上記ジエンの中では、ジクロロペンタジエン、
5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが好ましい。H
−NBRとは、ブタジエンとアクリロニトリルとを重合
して得られるアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)に水素添加処理を施したものである。上記ゴム成分
の中でもEPDMが各種物性を充分に満足するため、本
発明において特に好ましく使用できる。
【0010】本発明で使用するシランカップリング剤と
しては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリメト
キシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシランおよびN−フェニル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは単
独であるいは2種以上を併用することができる。好まし
いシランカップリング剤はγ−メタクリルオキシプロピ
ル−トリメトキシシランである。シランカップリング剤
の配合量はゴム成分100重量部に対して2〜10重量
部である。配合量が2重量部未満だと金属との接着性が
不十分であり、また10重量部を超える配合は物性が低
下する傾向を示し、また、コストの上昇につながる。好
ましい配合量は3〜6重量部である。
【0011】本発明において架橋に用いる有機過酸化物
としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパー
オキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−
ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチル
パーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパー
オキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキ
サイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−
ジ−t−ブチルパーオキシバレレート等が挙げられる。
これらの中では、防振ゴムとして要求されるばね特性、
耐久性などの各種特性のバランスが良好な点から、ジク
ミルパーオキサイドが好ましい。
【0012】本発明では上記成分のほか、従来よりゴム
用の添加剤として使用されている、カーボンブラックな
どの補強材、共架橋剤、架橋助剤、軟化剤、加工助剤、
老化防止剤、充填材等を配合することができる。
【0013】カーボンブラックの配合量は、ゴム成分を
100重量部として30重量部以上、好ましくは30〜
150重量部である。カーボンブラックの配合量が30
重量部未満だと練り加工性の悪化により分散性が低く満
足な耐久性が得られない。
【0014】共架橋剤は過酸化物架橋において、ポリマ
ーのラジカル切断を抑制し架橋効果を向上させるための
添加剤であり、ゴム成分100重量部に対し3〜10重
量部程度用いることができる。共架橋剤の例としては、
テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレンジメ
タクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、
1,4−メチレンジメタクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2,
2′−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジエトキ
シフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、オリゴエ
ステルアクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレー
ト、ジンク(メタ)アクリレート、マグネシウム(メ
タ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート等
の(メタ)アクリレート類、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテー
ト、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート等の
アリル化合物、ジビニルベンゼン、2−ビニルピリジ
ン、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、p−キノ
ンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシ
ム、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、硫黄
等が挙げられる。
【0015】軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑
油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、
ワセリン等の石油系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタ
ネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ;蜜
ロウ、カルナバロウ、ラノリン等のワックス類;リノー
ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等が挙
げらる。その配合量は液状エチレン−プロピレンゴムと
の総量でゴム成分100重量部に対して40重量部程度
まで用いられる。
【0016】老化防止剤(劣化防止剤)としては、フェ
ノール系、イミダゾール系、カルバミン酸金属塩、ワッ
クス等が挙げられ、ゴム成分100重量部に対して0.5
〜10重量部程度配合することができる。
【0017】充填剤としては、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク等が挙げられ、ゴム成分100重量部に対し
て150重量部程度まで配合することができる。以上の
添加剤の他にも従来より知られている慣用の配合剤を用
いることもできる。
【0018】本発明で使用するゴム組成物は、上記のゴ
ム成分、シランカップリング剤、有機過酸化物、および
その他の添加剤を用いて常法により調製することができ
る。すなわち、有機過酸化物を除いた各成分を予備混合
した後、80〜140℃で数分間混練する。その後、混
練物にオープンロール等のロール類を用いて有機過酸化
物を追加混合し、ロール温度40〜70℃で5〜30分
間混練した後分出し、リボン状またはシート状のゴムを
得ることができる。
【0019】[金属・ゴム複合体]本発明の金属・ゴム
複合体は、アルカリ処理してなる金属上で接着剤を塗布
することなく直接上記のゴム組成物を加硫成形すること
により得られる。ここで、アルカリ処理とは、金属表面
をアルカリ洗浄液により洗浄処理するか、あるいはアル
カリ洗浄液と研磨材とを用いてウェットブラスト処理す
るものである。アルカリ洗浄液により洗浄する方法は、
アルカリ洗浄液に被着体とする金属を浸漬、撹拌する
か、超音波洗浄、洗浄液の吹き付け、洗浄液を染込ませ
た布等による拭き取り、あるいはこれらの処理を組み合
わせて行なうことができる。アルカリ洗浄液としては、
例えばケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、苛性ソーダ、炭酸
ソーダなどの水溶液が使用でき、界面活性剤などの他の
添加剤を配合することもできる。使用するアルカリ洗浄
液のpHは通常10〜14程度、濃度は通常0.3〜10
重量%程度である。アルカリ洗浄後は水洗をする。必要
に応じて湯洗あるいは蒸気浴により洗浄し、熱風等によ
り乾燥する。
【0020】アルカリ洗浄液と研磨材とを用いてウェッ
トブラスト処理する方法は、上記のアルカリ洗浄液にシ
リカやアルミナなどの研磨材を混合した処理液を、被着
体とする金属表面に高圧で吹き付けることにより行なう
ことができる。ブラスト処理方法は特に限定されない
が、強力なブラスト処理効果が得られる具体的な方法と
して、タンク内で混合したアルカリ洗浄液と研磨材を、
ブラスト専用ポンプでプロセスガンに供給し、前記プロ
セスガン内で圧縮空気により加速して金属表面に吹き付
ける方法がある。ブラスト処理後は水洗をする。水洗後
は上記と同様に湯洗あるいは蒸気浴により洗浄し、熱風
等により乾燥することができる。
【0021】本発明の複合体で使用する金属は特に限定
されるものではなく、金属・ゴム複合体、特に金属・防
振ゴム複合体としての用途に適した金属、具体例として
は、鉄、アルミニウムあるいはそれらの合金等を使用
し、前記ゴムと強固に接着した複合体を得ることができ
る。合金としては、鉄鋼材料(炭素鋼、ステンレス鋼な
ど)、アルミ合金などが使用できる。
【0022】上記でアルカリ処理した金属とゴム組成物
との接着は、シランカップリング剤および有機過酸化物
を含むゴム成分を前記金属上で接着剤を塗布することな
く加硫成形することによって達成される。具体的にはア
ルカリ処理した金属上に、好ましくは予備成形したゴム
組成物を圧縮成形、押出成形、トランスファー成形、射
出成形などにより押出して圧接し、その後加熱して架橋
させる。架橋温度は150〜180℃が好ましく、また
架橋時間は3〜30分程度である。
【0023】このようにして得られた本発明の金属・ゴ
ム複合体は、ウェザーストリップ、ガスケット、シール
材、免震ゴム、ゴム支承等に利用できる。また、ゴムと
して防振ゴム材料を使用した金属・防振ゴム複合体は、
自動車用防振ゴムの複合構成部材、具体的にはエンジン
マウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバー
マウント、ストラットバークッション、センタベアリン
グサポート、トーショナルダンパー、ステアリングラバ
ーカップリング、テンションロッドブッシュ、ブッシ
ュ、バウンドストッパー、FFエンジンロールストッパ
ー、マフラーハンガー等の各種部材に利用することがで
きる。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明は下記の記載により限定
されるものではない。なお、各実施例および比較例にお
いて、原料および添加剤としては以下のものを使用し
た。
【0025】(1)ゴム成分 (1)EPDM:住友化学工業(株)製エスプレン512
F、(2)EPM:住友化学工業(株)製エスプレン20
1、(3)SBR:住友化学工業(株)製住化SBR#150
0、(4)BR:宇部興産(株)製ウベポールBR−15
0、(5)CR:昭和電工・デュポン(株)製ネオプレン
WRT、(6)NR:RSS#3、(7)NBR:日本ゼオン
(株)製ニポールDN−202、(8)H−NBR:日本
ゼオン(株)製ゼットポール2000L。
【0026】(2)シランカップリング剤 (1)メタクリル基含有シラン(γ−メタクリルオキシプ
ロピル−トリメトキシシラン:信越化学工業(株)製K
BM503)、(2)エポキシ基含有シラン(γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学工業
(株)製KBM403)、(3)アミノ基含有シラン(N
−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン:信越化学工業(株)製KBM603)。
【0027】(3)有機過酸化物 パークミルD(ジクミルパーオキサイド:日本油脂
(株)製)。
【0028】(4)他の添加剤 カーボンブラック(FEF):東海カーボン(株)製シ
ーストSO、 軟化剤:パラフィンオイル、 加硫促進助剤:亜鉛華、ステアリン酸 受酸剤:酸化マグネシウム。
【0029】実施例1 有機過酸化物を除く各成分をバンバリーミキサーを用い
て120℃で5分間混練した。次いで、その混練物にオ
ープンロールを用いて有機過酸化物を追加混合し、50
℃で10分間混練した後分出し、シート状のゴム組成物
を調製した。なお、配合は表1〜表2に示す割合で行な
った。
【0030】
【表1】 *:ゴム成分により架橋効率が異なるため変量した。 **:架橋後のゴムが硬度60前後になるように変量し
た。 ***:ゴム成分としてCRを使用したものは亜鉛華の
代わりに酸化マグネシウムを4重量部配合した。
【0031】得られた配合ゴム組成物を後述のように成
形、架橋して試験片とし、これを用いて以下の方法で常
態特性(破断強度TB(MPa)、破断伸びEB(%)
および硬度HS)および動特性を測定評価した。またア
ルカリ洗浄液を用いたウェットブラスト処理を行なった
鉄鋼材料(S45C)との接着性(接着力および破壊モ
ード)を測定評価した。結果を表2に併せて示す。物性
は以下に記載の方法により測定した。
【0032】1)常態特性 170℃で20分間架橋してなる試験片をダンベル型
(JIS K6301)に成形した後、JIS K6301に記載の方法に
従い、破断強度TB(MPa)および破断伸びEB
(%)を測定した。また、硬度HSについてはJIS K630
1に記載の方法に準じて測定した。
【0033】2)動特性 配合ゴム組成物を170℃で30分間加熱することによ
り架橋した直径50mm、高さ25mmの円柱体形状の
試験片を作製し、その上面および下面に直径60mm厚
さ6mmの円形金具をそれぞれ取り付け、静ばね定数
(Ks)、動ばね定数(Kd100)を測定し、動倍率
(Kd100/Ks)を求め、その値が2以下のものを
○、2〜2.5のものを△、2.5以上のものを×として評価
した。静ばね定数は、上記の円柱体形状の試験片を円柱
の軸方向に7mm圧縮し、2回目の往きの荷重撓み曲線
から1.5mmと3.5mmの撓み時の荷重を読み取り計算し
た。動ばね定数は、試験片を軸方向に2.5mm圧縮し、
この2.5mm圧縮の位置を中心に、下方から100Hz
の周波数により振幅±0.05mmの定変位調和振動を加
え、試験片上方に取り付けたロードセルにて動的荷重を
測定し、JIS K6394に準拠して計算した。動倍率はこれ
らの値の比である。
【0034】3)接着性 ケイ酸ソーダ1.5重量%、リン酸ソーダ1.0重量%および
界面活性剤を含有する水溶液(アルカリ洗浄液)とアル
ミナ(研磨材:平均粒径20μm)をタンク内で混合し
てなる処理液を、ブラスト専用ポンプでプロセスガンに
供給し、前記プロセスガン内で圧縮空気により加速して
金属(鉄鋼材料S45C)の板(60×25×2mm)
表面に10分間吹き付ける。その後、水洗(25℃,2
分間)および湯洗(80℃,1分間)し、熱風で乾燥す
る。この金属板の両端17.5mmにテフロンテープを貼り
付け被着面に配合ゴム組成物を接触させた後、油圧プレ
スを用いて170℃で30分間加熱して架橋を行ない接
着させる。次いでテフロンテープにより接着していない
部分を用いて金属板を水平に固定し、ゴムを上方に50
mm/分の速度で引っ張り、破断させる。破断したとき
の荷重を接着力(N/mm)とし、また破断面の状態(破
壊モード)を測定・評価した。なお、表中、破壊モード
の欄で“RXおよびMY”(XおよびYは0〜100の
数字)は、ゴム部分においてX%破断し、金属とゴムの
界面部分においてY%破断したことを意味し、例えば
“R100”とはゴム部分において100%破断したこ
とを意味する。
【0035】
【0036】表2から明らかなように、EPDM(試料
No.1)、EPM(試料No.2)およびH−NBR(試料N
o.8)が常態特性、動特性および鉄鋼材料(S45C)
との接着性のすべてを満足し、防振ゴムとして好ましく
使用できることがわかる。中でもEPDM(試料No.1)
の値が良好である。
【0037】実施例2 ゴム組成物として実施例1の試料No.1と同様のものを使
用し、被着体金属としてウェットブラストによりアルカ
リ洗浄処理した鉄鋼材料(S45C、SUS304)お
よびアルミニウム合金(A6063)を使用し、実施例1と
同様に接着性について評価した。ウェットブラスト処理
は実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
【0038】
【0039】表3から明らかなように、本発明の複合体
は各種金属に対して良好な接着性を示す。
【0040】実施例3 配合するシランの種類および量を表4に示す通りとした
他は、実施例1試料No.1と同組成のゴム組成物を使用
し、常態物性およびウェットブラストによりアルカリ洗
浄処理した鉄鋼材料(S45C)に対する接着性を測定
・評価した。結果を表4に併せて示す。
【0041】
【0042】表4から明らかなように、シランカップリ
ング剤を配合することにより接着性が向上することが分
かる。従来の方法により金属表面(鉄鋼材料)に接着剤
を塗布し接着して得られる金属・ゴム複合体の接着力は
12.0N/mm、破壊状態はR100であり、本発明によ
る金属・ゴム複合体の接着性が従来法によるものと同等
あるいはそれ以上あることから、強固な接着性の要求さ
れる金属・防振ゴム複合体としても実用上十分な性能を
有していることが分かる。
【0043】実施例4 実施例1の試料No.1において、鉄鋼材料(S45C)表
面の処理方法を以下に示すものに変えて接着性を評価し
た。結果を表5に示す。 (1)アルカリ洗浄処理 ケイ酸ソーダ1.5重量%、リン酸ソーダ1.0重量%および
界面活性剤を含有する水溶液(アルカリ処理液)に金属
(S45C)を80℃で10分間浸漬した後、水洗(4
0℃,2分間)および湯洗(80℃,1分間)し、熱風
で乾燥した。 (2)ウェットブラスト処理 実施例1と同様な方法で行なった。 (3)溶剤脱脂 トルエンで湿らせた布により金属(S45C)表面を拭
き取った。 (4)アルカリ洗浄後ショットブラスト処理 上記(1)の処理をした金属をドラム内に入れ、該ドラ
ム内で徐々に反転撹拌しながら、インペラーからスチー
ルショット(粒径1mm)の投射を30分間行なった。
【0044】
【0045】表5から明らかなように、金属表面を溶剤
脱脂しただけではゴムと接着しない(比較試料No.1)。
それに対して金属表面をアルカリ洗浄あるいはアルカリ
洗浄液を用いてウェットブラスト処理した場合(試料N
o.1,試料No.2)には良好な接着力が得られることがわ
かる。なお、アルカリ洗浄後ショットブラスト処理した
ものでは接着力が得られない(比較試料No.2)。これは
アルカリ洗浄により形成された接着に寄与する処理層が
ショットブラストにより剥がれ落ちてしまうためと考え
られる。
【0046】
【発明の効果】本発明の金属・ゴム複合体は、接着剤を
塗布するという繁雑な処理工程を要せずに、加硫のみで
金属とゴムとを充分な強度に接着したものである。この
ような本発明の複合体は防振ゴム等の自動車部品等に有
用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未架橋ゴム成分、シランカップリング剤
    および有機過酸化物を含有するゴム組成物を、アルカリ
    処理した金属上で加硫成形してなる金属・ゴム複合体。
  2. 【請求項2】 未架橋ゴム成分が、エチレン−プロピレ
    ン−非共役ジエン共重合体(EPDM)、エチレン−プ
    ロピレンゴム(EPM)または水素添加アクリロニトリ
    ル−ブタジエンゴム(H−NBR)である請求項1に記
    載の金属・ゴム複合体。
  3. 【請求項3】 未架橋ゴム成分100重量部に対して、
    シランカップリング剤を2〜10重量部含有するゴム組
    成物を使用する請求項1または2に記載の金属・ゴム複
    合体。
  4. 【請求項4】 シランカップリング剤が、ビニルトリメ
    トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−ト
    リス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリル
    オキシプロピル−トリメトキシシラン、γ−メタクリル
    オキシプロピル−トリエトキシシラン、γ−グリシドキ
    シプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
    シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β
    (アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
    ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−
    フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランから
    選ばれる1種以上である請求項1乃至3のいずれかに記
    載の金属・ゴム複合体。
  5. 【請求項5】 金属が鉄、アルミニウムまたはそれらを
    含有する合金である請求項1乃至4のいずれかに記載の
    金属・ゴム複合体。
  6. 【請求項6】 アルカリ洗浄液により洗浄処理するか、
    あるいはアルカリ洗浄液と研磨材とを用いてウェットブ
    ラスト処理した金属上で、接着剤を塗布することなく未
    架橋ゴム成分、シランカップリング剤および有機過酸化
    物を含有するゴム組成物を加硫成形することを特徴とす
    る金属・ゴム複合体の製造方法。
JP1035398A 1998-01-22 1998-01-22 金属・ゴム複合体およびその製造方法 Pending JPH11207859A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1035398A JPH11207859A (ja) 1998-01-22 1998-01-22 金属・ゴム複合体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1035398A JPH11207859A (ja) 1998-01-22 1998-01-22 金属・ゴム複合体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11207859A true JPH11207859A (ja) 1999-08-03

Family

ID=11747829

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1035398A Pending JPH11207859A (ja) 1998-01-22 1998-01-22 金属・ゴム複合体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11207859A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001098077A2 (en) * 2000-06-20 2001-12-27 Schlegel Corporation Metal substrate with bonded elastomeric layer
US7291241B2 (en) * 2001-02-23 2007-11-06 The Gates Corporation Bonded part and method for producing same
WO2008069238A1 (ja) 2006-12-05 2008-06-12 Nok Corporation ガスケットの製造方法
JP2011111532A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JPWO2021161871A1 (ja) * 2020-02-12 2021-08-19

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001098077A2 (en) * 2000-06-20 2001-12-27 Schlegel Corporation Metal substrate with bonded elastomeric layer
US6428649B1 (en) 2000-06-20 2002-08-06 Schlegel Corporation Method for forming an automotive vehicle weatherseal having a metal substrate with bonded elastomeric layer
WO2001098077A3 (en) * 2000-06-20 2002-08-08 Schlegel Corp Metal substrate with bonded elastomeric layer
US7291241B2 (en) * 2001-02-23 2007-11-06 The Gates Corporation Bonded part and method for producing same
WO2008069238A1 (ja) 2006-12-05 2008-06-12 Nok Corporation ガスケットの製造方法
US8003030B2 (en) 2006-12-05 2011-08-23 Nok Corporation Process for production of gaskets
JP5012812B2 (ja) * 2006-12-05 2012-08-29 Nok株式会社 ガスケットの製造方法
JP2011111532A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JPWO2021161871A1 (ja) * 2020-02-12 2021-08-19
WO2021161871A1 (ja) * 2020-02-12 2021-08-19 Nok株式会社 ガスケット
US20230072950A1 (en) * 2020-02-12 2023-03-09 Nok Corporation Gasket
EP4105294A4 (en) * 2020-02-12 2024-02-28 Nok Corp SEAL

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4397207B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
CA2152423C (en) Highly saturated nitrile rubber, process for producing same, vulcanizable rubber composition, aqueous emulsion and adhesive composition
KR100389218B1 (ko) 고무조성물에대한스테인레스강체의접착력을증강시키기위해스테인레스강체를처리하는방법,이러한방법에의하여수득가능한스테인레스강체,및이를포함하는고무/강체복합물및타이어
JP5179036B2 (ja) 架橋性組成物、その調製方法およびその使用
JP6489118B2 (ja) 高飽和ニトリルゴムのラテックスおよび接着剤組成物
CN106752403A (zh) 一种发泡丁腈橡胶金属复合板及其制备方法
JPS59210960A (ja) 加硫可能なゴム組成物
JPH08100070A (ja) ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと繊維との複合体
US4036804A (en) Adhesive composition
JP2008038059A (ja) ゴム組成物、その複合体、およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP5315838B2 (ja) 接着剤組成物、複合体及び自動車用部材
JPH06116442A (ja) 加硫ゴム組成物の製造方法
JPH11207859A (ja) 金属・ゴム複合体およびその製造方法
SK282185B6 (sk) Za horúca vytvrditeľná reaktívna zmes na báze prírodných a/alebo syntetických elastomérov, spôsob jej výroby a jej použitie
JP2017137414A (ja) 被覆ゴム組成物
JP3403938B2 (ja) ゴム組成物およびこれを用いた伝動ベルト
JP2003012871A (ja) 短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト
JPH09316414A (ja) ゴム接着剤組成物およびゴム複合体の製造方法
JPH11207875A (ja) ポリアミド・防振ゴム複合体およびその製造方法
JP2004250645A (ja) ニトリル共重合ゴム組成物及び架橋成形体
JP2002031179A (ja) 車両用スタビライザブッシュ
JP3620712B2 (ja) 耐燃料油性に優れた加硫ゴム製品の製造法
JP4837817B2 (ja) ゴム組成物と繊維材料との複合体、及びその製造方法
JP4907807B2 (ja) エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び伝動ベルト
Kubo et al. Adhesion between hydrogenated nitrile elastomers and fibers is improved using hydrogenated acrylonitrile-butadiene latex

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040401

A02 Decision of refusal

Effective date: 20040721

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02