JPH11206067A - モータの自動平衡装置及びこれを備えるモータ - Google Patents
モータの自動平衡装置及びこれを備えるモータInfo
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- JPH11206067A JPH11206067A JP9367648A JP36764897A JPH11206067A JP H11206067 A JPH11206067 A JP H11206067A JP 9367648 A JP9367648 A JP 9367648A JP 36764897 A JP36764897 A JP 36764897A JP H11206067 A JPH11206067 A JP H11206067A
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Abstract
よりも高精度で十分なバランス補正量を確保できるモー
タの自動平衡装置及びこれを備えるモータを提供する。 【解決手段】回転部材であるターンテーブル部31の上
面にターンテーブル部31と同心に凹陥部35を形成
し、同心円状の複数の環状突起36を凹陥部35の底面
に一体に形成して凹陥部35内に径の異なる複数の移動
路37を形成する。複数個の球体38を各移動路37に
それぞれ収容し、凹陥部35の開口した上面を緩衝材3
4により閉塞する。そして、記録ディスクを搭載したモ
ータが所定の回転数に達すると、各移動路37それぞれ
を各球体38がアンバランス位置と対称な位置に移動し
てアンバランスが補正される。このように、複数の移動
路37を形成して各々に球体38を複数個ずつ収容する
ことで、移動路がひとつの場合に比べてより大きなアン
バランス量を補正することが可能になる。
Description
におけるアンバランスを修正するモータの自動平衡装置
及びこれを備えるモータに関する。
そのひとつにデータの記録・再生を行うための記録ディ
スク駆動用のものがある。そして、その記録ディスクに
は、CD、FD、MO、MD、DVD等種々のものがあ
る。これらの記録ディスクは、記録・再生方式やデータ
容量、回転速度、記録密度等の仕様あるいはディスクの
材料、価格が異なるため、各ディスクごとにそれを駆動
するモータとして種々のものが存在する。
し、それに伴う情報の高度化、大容量化によって、その
情報を大量にかつ素早く記録・再生ができること、更に
は低コストであることなどが記録ディスク及びこれを駆
動する駆動装置に対して要求されている。
て登場したが、その利点を生かしCD−ROMとしてコ
ンピュータ用へと用途が拡大した。これにより、データ
容量が増大し、動作時間(シークタイム)の短縮化と共
に記録ディスク側を速く回転させること、即ち記録ディ
スク駆動用モータが高速化されるに至り、最近では音楽
用CDを基準速度として、20倍速を超えるものが実現
化されている。
タの具体的構成について図5を参照して説明する。
1に形成された開口にほぼ円筒状を成す保持部材2の下
端部が嵌着され、保持部材2の底面開口部が閉塞板3に
より閉塞され、スラスト受4が閉塞板3上に載置されて
保持部材2内の底部に配設され、滑り軸受5が保持部材
2の内側に嵌着されている。
着され、このコア7aに巻線7bが巻装されステータ7
を構成している。また、シャフト8が滑り軸受5に嵌入
され、その下端がスラスト受け4に当接し上端部が保持
部材2の上方に突出して配設されている。シャフト8の
上端部にはアルミニウム等の非磁性材から成るハブ部材
9が嵌着され、鉄等の磁性材から成る回転部材であるヨ
ーク部材10がハブ部材9に取り付けられている。
とこの基部の周縁に下方に垂下して一体形成された垂下
部とにより構成され、その基部の中央部に形成された開
口の周りの部分がハブ部材9の下端部に加締めにより取
り付けられている。更に、駆動用マグネット11がヨー
ク部材10の垂下部の内側に嵌入され、ステータ7に相
対向する位置に配設されている。
にターンテーブル部13が形成され、このハブ部材9の
中央にこの上面とほぼ同一面を形成するようにクランプ
マグネット14が埋設され、このクランプマグネット1
4により図示しない駆動装置側のディスク押圧手段が磁
気吸引されて記録ディスクDが固定される。そして、ス
テータ7の巻線7bへの電流の通流方向が制御されてス
テータ7が回転磁界を発生し、この回転磁界と駆動用マ
グネット11との静磁界との吸引及び反発の繰り返しに
よって、静止状態のステータ7に対して駆動用マグネッ
ト11、ヨーク部材10、ハブ部材9及びシャフト8が
回転し、これによりターンテーブル部13及び記録ディ
スクDが一定方向に回転する。
Dでは、その記録面と反対側の面に様々な印刷がなさ
れ、印刷に使用されるインクの重量に起因して記録ディ
スクDの回転時に重量バランスの偏り(アンバランス)
を生じ、モータの回転振れの原因となることがある。こ
の背景には、上述したモータの高速化により、微量なイ
ンクの重量でさえも影響を及ぼすようになっている。
る自動平衡装置として、従来図5に示すように、ハブ部
材9におけるターンテーブル部13の下面とヨーク部材
10の基部とで環状空間の収容部16を形成し、この収
容部16に複数個の球体17を周方向に移動自在に収容
することが行われている。
を載置した状態でモータが所定の回転速度に到達する
と、各球体17がアンバランス位置と対称な位置に移動
し、モータのアンバランスが各球体17により補正され
て回転振れを防止することができるのである。
来の自動平衡装置の場合、各球体17の移動路である収
容部16はひとつであるため、補正し得るアンバランス
量及び補正精度は制限されてしまう。その理由は、補正
可能なアンバランス量は、その球体17の個数、質量及
び移動路半径に依存するからであり、補正精度は移動路
が一つの場合、球体の質量によるからである。
するには、収容部の断面積を大きくして球体17の径を
大きくしたり、個数を増やせるように、或いは質量と径
との積であるアンバランス量を増やすように、収容部1
6の径を大きくせざるを得ない。しかしながら、補正精
度を上げるためには、球体17の径を小さくしなければ
ならず、上述の条件と相反することになる。
えたノートパソコンのように、その駆動装置用のモータ
として小型、薄型を要求されるような場合には、上記し
た自動平衡装置における収容部16は小容積、扁平にす
る必要があり、そこに収容する球体17としても小径の
ものを使用しなければならないため、記録ディスクDの
アンバランス量が一定以上になると十分に補正すること
ができなくなるという問題があった。
タの大型化、厚型化を招くことなく、従来よりも高精度
で十分なバランス補正量を確保できるモータの自動平衡
装置及びモータを提供することにある。
めに、本発明におけるモータの自動平衡装置は、前記回
転部材と同心の環状に形成された複数の移動路と、前記
各移動路内に周方向に移動自在に収容されたバランス体
とを備え、このバランス体は隣接する前記移動路に侵入
しないようにしている。
ィスクを載置した状態で所定の回転速度に達したとき、
各移動路に収容されたバランス体がアンバランス位置と
対称な位置にそれぞれ移動し、ある移動路に配されたバ
ランス体が他の移動路に配されたバランス体のアンバラ
ンス補正上の誤差を補正するように作用して、アンバラ
ンスが補正される。
て、移動路がひとつしかない場合に比べてより広範囲か
つ高精度なアンバランス量を補正することが可能にな
る。尚、複数の移動路とは、回転部材に1つの凹陥部を
設け、この凹陥部内を仕切って2以上の移動路を形成し
て隣接する移動路をバランス体が侵入できないようにす
る構成と、凹陥部を2以上設けて2以上の移動路とする
構成とをいう。
置は、前記各移動路がそれぞれ異なる径を有するように
している。このとき、モータの形状の制約から、回転部
材の軸方向に各移動路の配置スペースをとることができ
ない場合には、各移動路を同一平面内に設ければよい。
平さを維持したまま、回転時のアンバランスを補正する
ことができる。一方、各移動路の配置スペースとして回
転部材の軸方向にしか余裕がない場合には、径の異なる
移動路を軸方向に多段に形成してもよい。
置は、前記各移動路を、前記回転部材の軸方向に多段に
設け、各々の径を同一にしている。この手段は、各移動
路の配置スペースとして、回転部材の軸方向にしか余裕
がない場合において非常に有効である。
か、或いは若干の距離を隔てて形成するかはいずれであ
ってもよく、モータの形状にあわせて選択すればよい。
置は、前記各移動路のうち一部が前記回転部材の軸方向
に多段に設けられて同一径を有し、前記各移動路の残り
がそれぞれ異なる径を有するようにしている。このよう
に同一径の移動路と径の異なる移動路とを組み合わせて
形成すれば、補正可能なアンバランス量も広範囲かつ高
精度にすることが可能になる。
置では、前記バランス体を複数の球体により構成してい
る。このように球体であれば、移動路に収容する際の取
り扱いが非常に容易になると同時に、バランス体とその
被接触面との摩擦が低くなることにより機動性が向上
し、アンバランス補正がとりやすくなる。
置では、前記バランス体を移動路毎に異なる特性を有す
るようにしている。バランス体の異なる特性とは、外形
寸法、質量、比重、硬度、材質、表面状態等に関するこ
とをいう。
補正可能なアンバランス量が大きくなるため、確保でき
る移動路の大きさにあわせてバランス体を変更して補正
可能なアンバランス量の範囲の拡大を容易に行えたり、
バランス体の表面状態をその被接触面にあわせて軟質材
を使用し、硬度を変更したりすることで衝突音を緩和す
ることができ、更には内周側の移動路に質量または比重
の小さいものを、外周側の移動路にその反対のものを各
々配置することで、より高精度な補正を実現するといっ
たことが可能になる。
ったり、流動体や半流動体、粉体等であってもよく、こ
のような流動体等にすると球体のような衝突もなく騒音
が発生することもない。
と、前記静止部材に設けられたステータと、前記静止部
材に対して回転自在に支持され前記ステータに相対向す
る駆動用マグネットとを有する回転部材と、前記回転部
材と同心の環状に形成された複数の移動路と、前記各移
動路にそれぞれ収容され前記各移動路内それぞれを周方
向に移動するバランス体とを備えている。
がひとつしかない場合に比べてより広範囲かつ高精度な
アンバランス量を補正することが可能なモータを提供す
ることができる。
動路が前記回転部材に形成されている。この場合、回転
部材に各移動路を形成することで、回転部材の加工時に
各移動路が形成されるため、移動路の加工作業が簡略化
される。
動路がそれぞれ異なる径を有するようにしている。この
ようにすれば、各移動路を同一平面内に設けることがで
きるため、モータの外観上の扁平さを維持することが可
能になる。
動路を前記回転部材の軸方向に多段に設け、各々の径を
同一にしている。この場合、モータの構造上、各移動路
の配置スペースとして回転部材の軸方向にしか余裕がな
い場合において非常に有効な手段である。
動路のうち一部が前記回転部材の軸方向に多段に設けら
れて同一径を有し、前記各移動路の残りがそれぞれ異な
る径を有するようにしている。このように同一径の移動
路と径の異なる移動路とを組み合わせることで、補正可
能なアンバランス量として広範囲かつ高精度なモータを
提供することが可能になる。
具体的構成の説明に先立ち、本発明の原理について簡単
に説明する。
この球体を収容するために回転部材に設けられた環状の
移動路の直径φを20、22、24、26、28、30
(mm)とそれぞれ変えたときにおける球体の径と補正
可能なアンバランス量(最大値)との関係を表わすグラ
フである。
ほど補正可能なアンバランス量が大きく、また同じ直径
φの移動路であってもそこに収容する球体の径が大きい
ほど補正可能なアンバランス量が大きくなり、補正すべ
きアンバランス量をできるだけ大きくとるには、移動路
の直径φ及び収容する球体の径をできるだけ大きくすれ
ばよいことがわかる。尚、補正可能なアンバランス量
は、バランス体の質量と、回転中心と回転部材(バラン
ス体を含む)の重心までの距離との積で表わされ、ここ
では、球体の質量m、移動路の半径rにより計算するこ
とができる。
つ回転部材を回転させると、共振回転数以上でアンバラ
ンスの補正機能が作用して回転部材の重心位置が変化
し、その回転部材のアンバランス量を相殺することがで
き、アンバランス量による遠心力をゼロにすることがで
きる。また、全アンバランス量と回転部材の角速度の2
乗の積が遠心力であるため、回転速度が速くなればなる
程アンバランス量が問題になるといえる。
形状の制約上、移動路の直径φ及び球体の径にも一定の
制限を加えざるを得ないこととなる。
軸を補正可能なアンバランス量としたときの両者の関係
を示すグラフであり、実線が比重7.8g/cm3のス
テンレス鋼(SUS)から成る直径0.8(mm)の球
体を使用した場合、破線が同じく比重7.8g/cm3
のステンレス鋼(SUS)から成り直径1.0(mm)
の球体を使用した場合を示し、いずれも移動路の半周に
相当する個数の球体を配置したときのものである。
動路数が“1”場合にはその移動路の直径φは30(m
m)であり、移動路数が“2”場合には各移動路の直径
φは外周側から各々30、28(mm)であり、以下移
動路の数が増えると内周側にその直径が2(mm)ずつ
小さくなっている。
も、それを収容する移動路の数を多くするほど補正可能
なアンバランス量が大きく、また同じ数の移動路であっ
てもそこに収容する球体の径が大きいほど補正可能なア
ンバランス量が大きくなることがわかる。
踏まえて、小型、薄型というモータの形状の制約がある
場合においても、基本的に移動路を複数設けることによ
って補正可能なアンバランス量の広範囲化及び高精度化
を図ろうとするものである。そして、可能ならばそれら
の移動路に収容する球体の径をできるだけ大きくすれば
よい。
形態について図3を参照して説明する。図3は第1の実
施形態における薄型モータの右半分の切断正面図であ
り、本実施形態はCD−ROM駆動用モータの例であ
る。
たプリント基板等の固定部材、22は固定部材21に形
成された開口23に下端部が嵌着された静止部材として
の保持部材、24は保持部材22の底面開口部を閉塞し
た閉塞板、25は閉塞板24上に載置されて保持部材2
2内の底部に配設されたスラスト受、26は滑り軸受で
あり、保持部材22の中心部に形成された貫通孔の内側
に嵌着されている。
外側に嵌着して設けられたコア28a及びこのコア28
aに巻装された巻線28bから成るステータ、29は滑
り軸受26に嵌入され下端がスラスト受け25に当接し
上端部が保持部材22の上方に突出して配設された回転
部材としてのシャフト、30はシャフト29の上端部に
嵌着されたアルミニウム等の非磁性材から成る回転部材
としてのハブ部材、31はハブ部材30の外側に一体的
に形成された円盤状のターンテーブル部、32はハブ部
材30に取り付けられた鉄等の磁性材から成る回転部材
であるヨーク部材、33は駆動用マグネットである。
部とこの基部の周縁に下方に垂下して一体形成された垂
下部とにより構成され、基部がターンテーブル部31の
周縁部下端の環状凸部に外嵌されている。また駆動用マ
グネット33は、ヨーク部材32の垂下部の内側に嵌入
され、ステータ28に相対向する位置に配設されてい
る。更に、ターンテーブル部31の上面には緩衝材34
を介して、CD−ROMである記録ディスクDが載置さ
れるようになっている。
部31の上面に形成された環状の凹陥部であり、回転部
材であるターンテーブル部31と同心に形成され、この
凹陥部35の開口した上面側は緩衝材34によって閉塞
されている。更に、36は凹陥部35の底面に一体に形
成された仕切部材である同心円状の複数の環状突起、3
7は各環状突起36により凹陥部35内が仕切られて形
成された径の異なる複数の環状の移動路、38はバラン
ス体としての同一径の球体であり、例えば鋼球から成
り、各移動路37それぞれに複数個ずつ収容されてお
り、これら回転部材における凹陥部35、各環状突起3
6、各移動路37及び各球体38によりアンバランスを
補正する自動平衡装置が構成されている。
部35の深さのほぼ半分程度にした場合を示している
が、凹陥部35の深さと同じか或いは若干小なる高さで
あってもよく、球体38が隣接する移動路37に侵入で
きないように構成されていればよい。但し、凹陥部35
の球体38との当接面(被接触面)は十分な滑らかさと
変形が少ないものでなければならない。また球体38の
径は、各移動路37の軸方向及び径方向の幅よりも若干
小さく設定されていればよく、これにより各球体38は
各移動路37内を周方向に円滑に移動することができる
のである。
範囲は、各移動路37のほぼ半周程度であることが望ま
しい。
搭載したときのモータの動作について説明する。
りモータにアンバランスが生じている場合には、モータ
の始動後、記録ディスクDを搭載したモータの固有振動
数に共振する共振回転数を超えるまでの間、各球体38
は各移動路37内をそれぞれ回転中心とディスクDの重
心の延長線上に移動しようとし、より振動を悪化させて
しまう。そのため、モータはアンバランスの回転状態に
ある。
記録ディスクDを搭載したモータにおいて、回転中心に
対してアンバランスを相殺する位置に各移動路37に収
容された各球体38がそれぞれ配置する。このとき、記
録ディスクDを含めた回転部材のアンバランス量はゼロ
となり、モータの回転軸に不要な遠心力は作用せず、し
かも回転中心、シャフト29の中心線、モータの重心が
一致するため、回転部材は安定して回転する。
拘わらずモータがバランスしている正常な場合には、モ
ータの始動後記録ディスクDを搭載したモータの固有振
動数に共振する共振回転数を越えるまでの間は、上記の
場合と同様に各球体38は振動を拡大するように一ヶ所
に集中するため、モータは不安定な回転となる。しか
し、共振回転数を超える回転数では、各球体38はそれ
ぞれの移動路37内をほぼ等間隔となるように位置する
ため、このようにアンバランスがない場合には、球体3
8自身が回転のバランスを乱さないように分布しモータ
は安定して回転する。
薄型というモータの形状による制約から、複数の移動路
37を設けてそれぞれ複数個の球体38を収容すること
により、従来のように移動路がひとつしかない場合に比
べてより大きなアンバランス量を補正することができ、
装着される記録ディスクDがCD−ROMのようなリム
ーバブルディスクであってその印刷の違い等によってデ
ィスク毎にアンバランス量が異なる場合であっても、そ
れぞれのアンバランス量に対応してこれを補正すること
が可能になり、常にモータをバランス良く回転駆動する
ことが可能となる。
部35を形成し、各環状突起36により凹陥部35を仕
切って径の異なる各移動路37を同一平面内に形成した
ため、外観上モータの大型化、厚型化を招くことがな
く、小型かつ薄型構造を維持することが可能である。
を多くするほど補正可能なアンバランス量も大きく広範
囲かつ高精度な補正がなされるため、図3中に1点鎖線
で示すように、ターンテーブル部31の上面の例えば中
心よりの空きスペースに、各移動路37と同心に直径の
小さい移動路37aを1つ或いは複数並設してそこに複
数個の球体38aを収容してもよく、可能ならばターン
テーブル部31の上面の更に周縁寄りに大径の移動路を
並設してもよく、これにより一層大きなアンバランス量
を補正することが可能になる。
は全て同一径である必要はなく、移動路37毎に収容す
る球体38の径を変えてもよい。
形態について図4を参照して説明する。図4は本発明の
第2の実施形態における薄型モータの右半分の切断正面
図であり、本例もCD−ROM駆動用モータである。但
し、図4において図3と同一符号は同一のもの若しくは
相当するものを示しており、以下において重複した説明
は省略することとし、図3と相違する点についてのみ説
明する。
ク部材32の垂下部の下端に、外側に延伸されて更に上
向きに折り返されて成る折返部40が一体に形成され、
このようにヨーク部材32の垂下部と折返部40とによ
り、駆動用マグネット33の厚みと同程度の深さの環状
の凹陥部41が形成されている。
はターンテーブル部31により閉塞され、更に凹陥部4
1の中央部がリング状の仕切部材42により上下に仕切
られ、凹陥部41内に回転部材であるヨーク部材32の
軸方向に2段の同一径の移動路43が形成されている。
これら両移動路43には、鋼球から成るバランス体とし
ての同一径の球体44が複数個ずつ収容されている。
施形態の場合と同様、各移動路43の軸方向及び径方向
の幅よりも小さく設定され、各球体44は各移動路43
内を周方向へ移動できるように構成されている。
着した状態におけるモータの共振回転数を越えた定格回
転数でモータが回転した場合には、上記した第1の実施
形態の場合と同様に、複数の移動路43に収容された球
体44により大きなアンバランス量を補正できる。
部材32の垂下部の外側に、この垂下部と折返部40と
により凹陥部41を形成し、この凹陥部41内を仕切部
材42により上下に仕切って2段の移動路43を形成す
るため、ターンテーブル部31の上面に第1の実施形態
のような複数の移動路37(図3参照)を形成すること
ができない場合に非常に有効であり、モータの大型化、
厚型化を招くことなくより広範囲かつ高精度なアンバラ
ンス量を補正することが可能になる。
を形成し、この凹陥部41内を仕切って上下2段の移動
路43を形成したため、移動路43の直径や幅等の寸法
決定の自由度は大きくなり、第1の実施形態の場合に比
べて移動路43の直径を大きくしたり、大径の球体44
を用いることが可能になり、より大きなアンバランス量
の補正が可能となる。
ーンテーブル部31の上面に第1の実施形態のような1
つ或いは複数の移動路37を形成してそこに複数個の球
体38を各々収容することが可能であれば、より一層高
精度にアンバランス量を補正することが可能になる。
は全て同一径である必要はなく、移動路43毎に収容す
る球体の径を変え、例えば下段の移動路43には上段よ
りも大径の球体44を収容してもよい。
8、44として鋼球を用いた場合について説明したが、
更に比重の大きい鉛やタングステンなどの重金属を使用
してもよいのは勿論であり、これにより回転時に球体3
8、44に働く遠心力が増加してより大きなアンバラン
ス量を補正することが可能になる。
用環境等を考慮するとともにアンバランスの補正精度の
向上を図るために、上記した金属のほかセラミック、ゴ
ム、プラスチック等の比重の小さい非金属材を用いても
よい。
軟質材を配するようにしてもよく、これにより球体同士
が衝突しても衝突音が発生しにくくなり、衝突に伴う騒
音を防止することができる。例えば、鋼球を樹脂コーテ
ィングした二重構造にしたり、ゴム球であればゴム自体
が軟質材となる。
各移動路37、43の直径や数は、上記した各実施形態
に限定されるものではなく、モータの形状や補正すべき
アンバランス量に応じて適宜設定すればよい。例えば、
内周側の移動路に質量の小さいものを配置して外周側の
移動路に質量の大きいものを配置したり、移動路の幅を
変更して球体の可動量を変えたり、或いはバランス体と
して球体と流動体とを移動路毎とに配置して併用するな
どし、このようにすることでアンバランスの補正精度の
向上を図ることが可能になる。
体を球体38、44とした場合について説明したが、バ
ランス体は必ずしも球体である必要はなく、他の転動体
であったり液体等の流動体や半流動体等であってもよ
く、要するにバランス体が隣接する移動路に侵入しない
構造にし、且つバランス体が各々の移動路を周方向に移
動できるようにすればよく、これにより上記した各実施
形態と同等の効果を得ることができるのは勿論のこと、
球体の場合のような衝突音が発生することもなく静音型
のモータの提供が可能になる。
29が回転するタイプのモータにこの発明を適用した場
合について説明したが、その他にインナーロータタイプ
のモータやシャフトが固定されたタイプのモータにもこ
の発明を適用することができるのは勿論である。
定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにお
いて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能で
あるため、CD−ROM等の記録ディスク駆動用モータ
に限定されるものではない。
よれば、複数の移動路を設けて各々にバランス体を収容
したため、従来のように移動路がひとつしかない場合に
比べて補正可能なアンバランス量の範囲を拡大すること
ができ、交換可能なリムーバブルディスクのようにディ
スク毎に補正すべきアンバランス量が異なりこれまで補
正しきれなかったアンバランス量を補正することがで
き、モータを常に安定して回転することが可能になる。
移動路をそれぞれ異なる径にしたため、モータの形状の
制約上、回転部材の軸方向に各移動路の配置スペースを
とることができない場合に、各移動路を同一平面内に設
けることができ、これによりモータの外観の扁平さを維
持したまま、回転時のアンバランスを補正することが可
能になる。
移動路の配置スペースとして、回転部材の軸方向にしか
余裕がない場合に有効であり、軸方向に多段の移動路を
形成することで広範囲かつ高精度なアンバランス量を補
正することが可能になる。
一径の移動路と径の異なる移動路とを組み合わせること
により、補正可能なアンバランス量を広範囲かつ高精度
にすることが可能になる。
ランス体を複数の球体により構成するため、各球体を移
動路に収容する際に非常に取り扱い易くなり、更にバラ
ンス体の機動性が向上し、アンバランスの補正がとりや
すくなる。
ランス体の特性が移動路毎に異なるため、補正すべきア
ンバランス量の範囲の拡大を容易に行うことができた
り、移動路によってバランス体の被接触面が異なる場合
に、移動路に合わせたバランス体とすることができる。
動路がひとつしかない場合に比べてより広範囲かつ高精
度なアンバランス量を補正することが可能なモータを提
供することができる。
転部材に各移動路を形成することで、回転部材の加工時
に各移動路を同時に形成することができ、移動路の加工
作業を簡略化することが可能になる。
移動路を同一平面内に設けることができるため、モータ
の外観上の扁平さを維持することが可能になる。
モータの構造上、各移動路の配置スペースとして回転部
材の軸方向にしか余裕がない場合において非常に有効で
あり、軸方向に多段の移動路を形成することで広範囲か
つ高精度なアンバランス量を補正することが可能にな
る。
同一径の移動路と径の異なる移動路とを組み合わせるこ
とで、補正可能なアンバランス量として広範囲かつ高精
度なモータを提供することが可能になる。
である。
である。
置)
移動路数が“1”の場合にはその移動路の直径φは30
(mm)であり、移動路数が“2”の場合には各移動路
の直径φは外周側から各々30、28(mm)であり、
以下移動路の数が増えると内周側にその直径が2(m
m)ずつ小さくなっている。
実施形態について図3を参照して説明する。図3は第1
の実施形態における薄型モータの右半分を示し、(a)
はその切断正面図、(b)はその平面図であり、本実施
形態はCD−ROM駆動用モータの例である。
の外側に嵌着して設けられたコア28a及びこのコア2
8aに巻装された巻線28bから成るステータ、29は
滑り軸受26に嵌入され下端がスラスト受け25に当接
し上端部が保持部材22の上方に突出して配設された回
転部材としてのシャフト、30はシャフト29の上端部
に嵌着されたアルミニウム等の非磁性材から成る回転部
材としてのハブ部材、31はハブ部材30の外側に一体
的に形成された円盤状のターンテーブル部、32はター
ンテーブル部31の下面周縁部に取り付けられた鉄等の
磁性材から成る回転部材であるヨーク部材、33は駆動
用マグネットである。
ル部31の上面に形成された環状の凹陥部であり、回転
部材であるターンテーブル部31と同心に形成され、こ
の凹陥部35の開口した上面側は緩衝材34によって閉
塞されている。更に、36は凹陥部35の底面に一体に
形成された仕切部材である同心円状の複数の環状突起、
37は各環状突起36により凹陥部35内が仕切られて
形成された径の異なる複数の環状の移動路、38はバラ
ンス体としての同一径の球体であり、例えば鋼球から成
り、各移動路37それぞれに複数個ずつ収容されてお
り、これら回転部材における凹陥部35、各環状突起3
6、特に図3(b)に示されているように、各移動路3
7及び各球体38によりアンバランスを補正する自動平
衡装置が構成されている。
さを凹陥部35の深さのほぼ半分程度にした場合を示し
ているが、凹陥部35の深さと同じか或いは若干小なる
高さであってもよく、球体38が隣接する移動路37に
侵入できないように構成されていればよい。但し、凹陥
部35の球体38との当接面(被接触面)は十分な滑ら
かさと変形が少ないものでなければならない。また球体
38の径は、各移動路37の軸方向及び径方向の幅より
も若干小さく設定されていればよく、これにより各球体
38は各移動路37内を周方向に円滑に移動することが
できるのである。
数を多くするほど補正可能なアンバランス量も大きく広
範囲かつ高精度な補正がなされるため、図3(a)中に
1点鎖線で示すように、ターンテーブル部31の上面の
例えば中心よりの空きスペースに、各移動路37と同心
に直径の小さい移動路37aを1つ或いは複数並設して
そこに複数個の球体38aを収容してもよく、可能なら
ばターンテーブル部31の上面の更に周縁寄りに大径の
移動路を並設してもよく、これにより一層大きなアンバ
ランス量を補正することが可能になる。
を示し、(a)は切断正面図、(b)は平面図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 静止部材と、前記静止部材に設けられた
ステータと、前記静止部材に対して回転自在に支持され
前記ステータに相対向する駆動用マグネットとを有する
回転部材とを備えて成るモータにおいて、 前記回転部材と同心の環状に形成された複数の移動路
と、前記各移動路内に周方向に移動自在に収容されたバ
ランス体とを備え、このバランス体は隣接する前記移動
路に侵入しないことを特徴とするモータの自動平衡装
置。 - 【請求項2】 前記各移動路がそれぞれ異なる径を有す
ることを特徴とする請求項1に記載のモータの自動平衡
装置。 - 【請求項3】 前記各移動路が、前記回転部材の軸方向
に多段に設けられ、各々の径が同一であることを特徴と
する請求項1に記載のモータの自動平衡装置。 - 【請求項4】 前記各移動路のうち一部が前記回転部材
の軸方向に多段に設けられて同一径を有し、前記各移動
路の残りがそれぞれ異なる径を有することを特徴とする
請求項1に記載のモータの自動平衡装置。 - 【請求項5】 前記バランス体が複数の球体から成るこ
とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のモ
ータの自動平衡装置。 - 【請求項6】 前記バランス体が移動路毎に異なる特性
を有することを特徴とする請求項1ないし5に記載のモ
ータの自動平衡装置。 - 【請求項7】 静止部材と、前記静止部材に設けられた
ステータと、前記静止部材に対して回転自在に支持され
前記ステータに相対向する駆動用マグネットとを有する
回転部材と、前記回転部材と同心の環状に形成された複
数の移動路と、前記各移動路にそれぞれ収容され前記各
移動路内それぞれを周方向に移動するバランス体とを備
えたことを特徴とするモータ。 - 【請求項8】 前記各移動路が前記回転部材に形成され
ていることを特徴とする請求項7に記載のモータ。 - 【請求項9】 前記各移動路がそれぞれ異なる径を有す
ることを特徴とする請求項7または8に記載のモータ。 - 【請求項10】 前記各移動路が、前記回転部材の軸方
向に多段に設けられ、各々の径が同一であることを特徴
とする請求項7または8に記載のモータ。 - 【請求項11】 前記各移動路のうち一部が前記回転部
材の軸方向に多段に設けられて同一径を有し、前記各移
動路の残りがそれぞれ異なる径を有することを特徴とす
る請求項7または8に記載のモータ。
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