JPH11204903A - 積層金属基板 - Google Patents

積層金属基板

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JPH11204903A
JPH11204903A JP604598A JP604598A JPH11204903A JP H11204903 A JPH11204903 A JP H11204903A JP 604598 A JP604598 A JP 604598A JP 604598 A JP604598 A JP 604598A JP H11204903 A JPH11204903 A JP H11204903A
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JP
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adhesive layer
resin
laminated
paper
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JP604598A
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Haruhiro Ibata
治廣 井端
Atsushi Kihara
敦史 木原
Hideki Nakamura
秀樹 中村
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 積層金属基板の基本構成たる接着層につい
て、その絶縁層機能の一層の向上をコスト上昇を可及的
に回避しつつ達成する。 【解決手段】 接着剤層2を介して一方側に金属基板
1、他方側に高電導性金属箔3を積層してなる積層金属
基板において、接着剤層2として、不燃性または難燃性
有機質絶縁紙21の両面に耐熱性熱硬化性樹脂層22が
設けられる。この耐熱性熱硬化性樹脂層22には非電導
性の粒子または繊維を配合することができる。あるい
は、接着剤層として、無機質繊維紙製絶縁層の両面に、
非電導性粒子または繊維を配合した耐熱性熱硬化性樹脂
層が設けられたものを配したものが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子回路基板用素材
として有用な積層金属基板に関し、詳細には、VTR用
キャプスタンモーター回路基板、あるいはCD−ROM
やFDD用フラットモーター等の回路基板に代表される
様な、基板そのものにモーターの軸受孔としての役割が
求められたり、あるいは回転数検出のための磁気回路、
更には電子回路のヒートシンクとしての役割が求められ
る分野に使用される積層金属基板に関するものである。
本発明の積層金属基板は、上記用途の他、該積層金属基
板に電子回路を形成してこれを装置ケーシングの一部と
して一体化利用する様な目的でも使用できるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の積層金属基板の基本構成を
示す断面図で、図中1は金属基板、2は接着層、3は高
電導性金属箔であり、接着層2は金属基板1と高電導性
金属箔3を接着させると共に、金属基板1と高電導性金
属箔3の電気的接触(短絡)を防止するための中間絶縁
層としても作用するものであるが、以下述べる様に、従
来の接着層2は中間絶縁層としての作用に基づく短絡防
止効果の面で種々の問題があり、またコスト面でも問題
があった。そこで本発明はこれらの問題点の改善を目的
とするものである。
【0003】即ち中間絶縁層として作用する接着層が本
発明において最も重要な位置づけが与えられるものであ
り、金属基板及び高電導性金属箔としては従来技術がそ
のまま採用され得る。しかして金属基板としては、鉄板
または珪素鋼板、更にはアルミニュウム板などが用いら
れ、高電導性金属箔としては、銅箔、アルミニュウム
箔、銀箔などが使用される。
【0004】ところで従来の接着層としては、例えば前
記した図6に示す様に、ポリイミドフィルムやガラスク
ロスなどの絶縁作用を主目的とする層(以下絶縁層と言
うことがある)21と、その両側に配された溶媒型エポ
キシ樹脂などの接着作用を主目的とする層(以下接着剤
層と言うことがある)22から構成するのが一般的であ
る。絶縁層21が設けられるのは、高電導性金属箔にエ
ッチング加工を施して回路を形成したときの回路間の短
絡(高電導性金属箔による回路⇔金属基板⇔高電導性金
属箔による回路の通電)を防止するためであり、また接
着剤層22が設けられるのは、例えばIC等の部品を実
装する際のハンダ付け処理における熱影響によって、接
着層の変質・変形、ガス放散、膨張などを生じて回路の
切断や浮き上がりといった事故を生じるのを防止するた
めである。
【0005】重要な構成要素たる接着層の素材として
は、従来より各種合成樹脂が用いられているが、合成樹
脂としては、主に接着作用という観点から、ポリエステ
ル系樹脂やポリイミド系樹脂、或はビニルエステル系樹
脂等の熱硬化性樹脂が用いられている。しかしながら上
記の様な熱硬化性樹脂だけでは、金属基板や高電導性金
属箔自体のミクロな表面凹凸、或は樹脂厚みの不均一、
若しくはダストや気泡の僅かな混入などによって、金属
基板と高電導性金属箔の間で部分的な電気的接触を生じ
て絶縁破壊を起こす場合があることが分かった。そこで
これら熱硬化性樹脂層の間に耐熱性を有する絶縁物を介
装することが考えられ、例えばポリイミドフィルムやガ
ラスクロスを挟み込む技術が一般化するようになってき
た。
【0006】しかしながらポリイミドフィルムは化学的
に安定であるために接着性が低く、これを改質しようと
すれば特殊な表面処理を必要とし、あるいは特殊で高価
な接着剤を必要とするなど、材料自身の高コストとも相
俟って非常に高価なものになるという欠点があった。
【0007】またガラスクロスについては、数μmオー
ダーの極細ガラス繊維を撚糸して織布とするため、素材
自体が高価である他、織目の間に空気が存在しているの
で、ハンダ付け処理時に接着層全体に膨れを生じる危険
がある。そこで予めこれを脱気しておくと共に、織目内
まで樹脂を十分に含浸させることが必要となり、そのた
めガラスクロスを減圧チャンバーの中で加熱・加圧しな
がら数時間を掛けて脱気と接着硬化を行うという極めて
非効率な製造プロセスが必要となっていた。或は特開昭
62−37995や特開平9−136372に示されて
いる様に、ガラスクロスに樹脂を十分含浸させた後、こ
れを半硬化させてプリプレグとしたものを積層するとい
う余分な工程を行うことが必要とされていた。尚脱気操
作と樹脂含浸処理を効率よく行い、且つ不必要に多量の
樹脂を使用しない様するためには、ガラスクロスを絶縁
性が損なわれない限度で可及的に薄くすることが望まれ
るが、素材たるガラス繊維の性質および織布技術の緻密
性により、ガラスクロスを薄くすればするほど材料コス
トが上昇するという問題がある。
【0008】一方溶剤面では、環境汚染や作業者の健康
保全などの観点から、溶剤の大量使用が前提となってい
る従来タイプの樹脂については、これを再考すべき時期
に来ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に着目してなされたものであって、その主たる目的は、
積層金属基板の基本構成たる接着層について、その絶縁
層機能の一層の向上をコスト上昇を可及的に回避しつつ
達成する点にあり、その他の目的は、接着層の接着機能
に関し、上記環境汚染や作業者の健康保全の観点から好
ましい使用態様を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる新規な積
層体構成は、前記主たる目的を達成するものとして、接
着剤層を介して一方側に金属基板、他方側に高電導性金
属箔を積層してなる積層金属基板において、該接着剤層
として、不燃性または難燃性有機質絶縁紙の両面に、必
要ならば非電導性の粒子または繊維を配合してなる耐熱
性熱硬化性樹脂層が設けられたものを配するか、あるい
は該接着剤層として、無機質繊維紙製絶縁層の両面に、
非電導性粒子または繊維を必須的に配合した耐熱性熱硬
化性樹脂層が設けられたものを配することを要旨とする
ものである。なお前記好ましい使用態様としては、必要
に応じ無溶剤型接着剤の使用を提案するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】ポリイミドフィルムやガラスクロ
スについては、前述の様にコスト高を招くという共通の
問題があった。そこでまず本発明者らは、コストの低い
素材として紙に着目した。紙の使用については、前記特
開平9−136372号公報に、一般的なプリント配線
基板用素材として、一行記載的に紹介されているが、こ
れはプリプレグ状態での使用を漠然と述べているだけで
あり、本発明の対象としているような電子回路用基板、
特に金属基板と高電導性金属箔との積層分野への適用可
能性については、全く示唆されていない。即ち金属基板
と高電導性金属箔との間に紙を介装し、且つそれに接着
剤層を組合せて積層したときに、前記従来技術の項で述
べたような欠点、即ちハンダ熱による紙自体及び接着層
全体の変質・変形に基づく接着不良、ハンダ熱による残
存気泡の膨張に基づく接着層の膨れ、更にはこれらに伴
う絶縁不良による金属基板と高電導性金属箔との電気的
短絡といった不都合を生じずに実用できるか否かは、本
発明者らの試行錯誤の結果初めて確認されたものであ
る。特に本発明のように、金属基板を用いるものにあっ
ては、その表面の平滑性確保が困難であることに鑑み、
ガラスエポキシ基板を用いるものや紙フェノール基板を
用いるものでは殆ど問題とならなかった絶縁不良を生じ
易いという欠点を有すると共に、接着用樹脂と金属基板
との接着性が低いという問題もあり、克服しなければな
らない課題は極めて多いものであった。
【0012】本発明に用いる不燃性または難燃性有機質
絶縁紙とは、素材樹脂および製造法あるいは紙加工法な
どにおいて格別の限定を受けるものではなく、例えば素
材面では、ポリエチレン製、ポリプロリレン製、ポリス
チレン製、ポリ塩化ビニル製、ポリエステル製、ポリア
ミド製、ポリスルホン製、ポリアラミド製等が例示さ
れ、製造手段面では、例えばフィルム法合成紙[内部紙
化方式(無延伸フィルム成形法、2軸延伸フィルム成形
法(ミクロボイドの有るものと無いもの)等)、表面紙
化方式(表面処理方式、表面塗工方式等)等]、ファイ
バー法合成紙[スパンボンド紙、合成パルプ紙(直接
法、間接法等)等)]等が示される。また紙加工の面で
は、ラミネート加工、接着加工、熱加工、エンボス加
工、カレンダー加工、コーティング加工などが挙げられ
る。
【0013】これら例示したものの中で不燃性乃至難燃
性の観点および絶縁性の観点から最も好ましいのはポリ
アラミド製であって、特にポリアラミドから短繊維と合
成パルプを作り、これを水中に分散させ抄紙機にかけて
製造されたものは本発明においてもっとも優れた効果を
発揮した。尚この合成紙はその後高温・高圧でカレンダ
ー加工を施して高密度化を図ると共に、内部結合力を高
めたものを用いても良く、若しくはカレンダー加工を施
さないものを用いても良い。尚アラミド紙としては、カ
レンダー加工を施したもの及びカレンダー加工を施して
いないもののいずれを用いても良い。それらは表面粗度
において若干の差を有するが、接着剤の含浸度合いの違
いがあっても、剥離強度は紙繊維間の凝集破壊に依存す
るものであるため、積層金属基板としての耐剥離性には
実質上の違いを生じなかった。
【0014】次に接着剤としては、ハンダ付け時の熱影
響を考慮して、耐熱性の良好な熱硬化性樹脂を挙げるこ
とができる。この様な条件を満足する接着剤としては、
アミノ樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノールホルムア
ルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポリイソシ
アネート樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、熱硬化性アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、あるいは
これらの各種変性樹脂、更にはこれらの複合樹脂等を挙
げることができる。
【0015】尚これらの接着剤は基材樹脂の特性(特に
分子量や硬化剤配合の有無、具体的には、固体であるか
液体であるか、液体である場合において粘性が高いか低
いか、等)によって溶剤が必要である場合と溶剤が不要
である場合がある。前者は塗工作業性の観点からの要請
であるが、これによって環境汚染、作業者への健康被害
を生じるだけでなく、体積収縮に基づく割れなどの不都
合が生じる原因ともなるので、可能な限り溶剤を用いな
いでも使用できるタイプの樹脂、例えばエポキシ樹脂、
アミノ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、ポリイミ
ド樹脂などを用いることが推奨される。これらの中で特
に好ましいのはポリイミド樹脂であるが、就中ビフェニ
ルテトラカルボン酸2無水物を主成分とする変性ポリイ
ミド系樹脂を用いることが特に推奨される。
【0016】絶縁層として、不燃性または難燃性有機質
絶縁紙を用いる場合において、該有機質絶縁紙が絶縁効
果の高いものであるときは、その両面に積層される耐熱
性熱硬化性樹脂の膜厚がやや薄くなったり、若干の膜厚
不均一になっても、金属基板と高電導性金属箔の間で電
気的短絡を生じることはないが、有機質絶縁紙が絶縁効
果の低いものであるときは、前記接着剤用熱硬化性樹脂
の膜厚がやや薄く、あるいは不均一である場合には、金
属基板と高電導性金属箔の間で電気的短絡を生じること
があるので、非電導性の粒子あるいは繊維を該接着剤用
熱硬化性樹脂中に分散させて接着剤用熱硬化性樹脂の膜
厚を所定厚み以上に保持するように構成することが望ま
れる。この様な非電導性の粒子あるいは繊維としては、
ガラスビーズ、ガラス繊維等の様な天然または人工の無
機質粒子または繊維を非限定的に例示することができ
る。但しこれらは熱硬化性樹脂との接着性が若干劣るの
で、接着性改善のための表面処理を施しておくことが望
まれる。無機質粒子または繊維の配合量としては、上記
配合趣旨に鑑み、接着剤層中に10〜50重量%程度と
することが望まれる。下限側については、より好ましく
は20重量%以上、更に好ましくは25重量%以上であ
り、上限側については、より好ましくは45重量%以
下、更に好ましくは40重量%以下とする。
【0017】なおこの様な無機質粒子または繊維を配合
することによって樹脂厚が均一になると、電気的短絡が
より確実に防止されるだけでなく、ハンダ耐熱性も向上
し、更に切断時の端面も一層美麗なものとすることがで
きる。
【0018】本発明における絶縁層作用を有するものと
しては、前記不燃性または難燃性有機質絶縁紙の他、無
機質繊維紙製絶縁層を用いる場合も含んでいる。後者の
例としてはガラス繊維紙が例示されるが、この様なもの
では、有機質絶縁紙に比べて紙の内部に多くの空隙を残
すので、金属基板や高電導性金属箔の表面平滑度が悪い
場合にはガラス繊維紙の空隙を介して両金属が接触し電
気的短絡事故を生じ易くなるので、ガラス繊維紙の両面
に積層される耐熱性熱硬化性樹脂層中に前記した様な非
電導性粒子または繊維を配合して所定厚みを保持するこ
とにより、電気的短絡事故の防止を図ることが推奨され
る。
【0019】本発明の積層金属基板は、前記絶縁層の片
面または両面に前記接着層用樹脂を塗布した後、これに
金属基板や高電導性金属箔を貼り付けても良く、あるい
は金属基板及び高電導性金属箔に夫々前記接着層用樹脂
を塗布した後、前記絶縁層を介してこれらを貼り合わせ
ても良い。あるいは金属基板に前記接着層用樹脂を塗布
した後、前記絶縁層を積層し、更に前記接着層用樹脂を
塗布して最後に高電導性金属箔を貼り付ける方法であっ
ても良い。
【0020】
【実施例】実施例1 クロメート処理を施した厚さ0.8mmの電気亜鉛めっ
き鋼板(金属基板)の上に、接着剤として無溶剤型耐熱
性エポキシ樹脂を厚さ30μmで塗布して群とし、厚
さ50μmで塗布したものを群とした。各群の上記樹
脂上に、更に夫々毎に厚さ2mmのアラミド紙を積層し
たもの(−A群、−A群)、及び密度15g/m2
のガラス繊維紙を積層したもの(−G群、−G群)
を作製した。そして更に−A群、−G群には、やは
り接着剤として無溶剤型耐熱性エポキシ樹脂を厚さ30
μm塗布し、−A群、−G群には、無溶剤型耐熱性
エポキシ樹脂を厚さ50μm塗布した。最後にこれらに
厚さ35μmの電解銅箔を積層し、200℃の加熱ロー
ルにより連続的に加熱圧着した。
【0021】こうして得られた積層金属基板の試料片
(図1参照)について、絶縁破壊耐電圧(以下単に耐電
圧と言うことがある)、剥離強度、ハンダ耐熱性、樹脂
厚の均一性、切断端面の美しさ等の各項目について、夫
々測定ないし観察したところ、表1に示される様な結果
を得た。
【0022】
【表1】
【0023】ハンダ耐熱性の評価 ◎ 膨れ、剥がれ無し ○ 一部に微少膨れあり △ 微少膨れが散在 × 一部に剥がれ有り(以下同様) 樹脂厚の均一性の評価 ◎ 膜厚変動が±5%以内 ○ 膜厚変動が±10%以内 △ 膜厚変動が±15%以内 × 膜厚変動が±15%以上(以下同様) 切断端面の美しさの評価 ◎ 欠け皆無 ○ 一部に微細欠け有り △ 微細欠け散在 × 欠け・剥離多数(以下同様)
【0024】表1に示される様に、アラミド紙を使用し
たものは、耐電圧が3KV以上という優れた絶縁性を示
した。一方ガラス繊維紙を使用したものは、樹脂厚の大
小に関わらず劣った耐電圧を示した。剥離強度について
は、アラミド紙を用いたものよりガラス繊維紙を用いた
ものの方が高い値を示したが、いずれの場合も実用性に
おいて全く問題が無い強度である。
【0025】樹脂厚みについては、樹脂の塗布厚みの違
いによる水準差に関わらず、いずれの試料も変動が大き
かった。この原因としては、樹脂が未凝固あるいは半凝
固の状態で加熱ロールに通された為、ロール間圧力が不
安定となり、膜厚変動を生じたものと考えられる。そし
てこれらの結果として、空隙の多いガラス繊維紙を用い
た試料の一部において絶縁不良を生じたものと推察され
る。
【0026】その他微細加工や切断時の露出端面に樹脂
層の微細な欠けが認められた。この点は金属基板の基本
的性能自体を左右するものではないが、ダスト発生を嫌
う回路基板製造過程を考えると、樹脂破片を生じるのは
好ましいことではない。
【0027】実施例2 接着剤として夫々塗布した無溶剤型耐熱性エポキシ樹脂
中には、いずれも30μm以下の粒度分布を有するガラ
スビーズを夫々30重量%の比率で配合した他は実施例
1と同様に実施して積層金属基板の試料片を製作した
(図2参照)。尚ガラスビーズとしては、予め表面処理
を行って熱硬化性樹脂との接着性を高めておいた。これ
を実施例1と同様に評価したところ、表2に示すような
結果が得られた。表2から明らかであるように、ガラス
ビーズを配合することによって樹脂厚の均一性は極めて
高いものとなり、且つ切断端面も美麗になった。そして
剥離強度には全く悪影響を生じること無く、耐電圧が5
KV以上と高い値を示すようになった。またハンダ耐熱
性については、高温側において非常に良好な結果を示す
ようになった。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3 実施例2におけるガラスビーズの半量(接着剤層の15
重量%に相当)をほう酸アルミニュウム製セラミックフ
ァイバーに置換え、後は実施例2と同様に実施して積層
金属基板の試料片を製作した(図3参照)。尚該セラミ
ックファイバーについても接着性改善処理を施しておい
た。これを実施例1と同様に評価したところ、表3に示
すような結果が得られた。表3から明らかであるよう
に、ガラス繊維紙を使用した試料片では、その剥離強度
が3kg/15mm迄高められた。また切断端面、殊に
微細孔加工の端面が一層美麗なものになった。その他の
項目は実施例2の場合とほぼ同様の評価が得られた。
【0030】
【表3】
【0031】実施例4 クロメート処理を施した厚さ0.8mmの電気亜鉛めっ
き鋼板の上に、耐熱性溶剤希釈型エポキシ系樹脂を厚さ
50μmで塗布した。これを160℃で5分間乾燥し、
厚さ2mmのアラミド紙を積層した後、200℃の加熱
ロールを用いて加熱圧着した。続いてアラミド紙の上に
前記と同様の樹脂を厚さ50μmで塗布した。これを1
60℃で5分間乾燥し、厚さ35μmの電解銅箔を積層
した後、200℃の加熱ロールを用いて加熱圧着した。
得られた積層金属基板の試料片(図4参照)を実施例1
と同様に評価したところ、表4に示すような結果が得ら
れた。表4から明らかであるように、耐電圧が3KVで
あり、剥離強度が1kg/15mmと若干低下した他
は、実施例1のものと同様の評価が得られた。
【0032】
【表4】
【0033】実施例5 実施例2における接着剤について、鋼板への塗布接着剤
樹脂にガラスビーズを配合せず、電解銅箔積層前の塗布
接着剤樹脂にはガラスビーズを配合し、その他は実施例
2と同様に行って積層金属基板を得た(図5参照)。そ
の評価は実施例2とほぼ同様であった。また上記とは逆
に実施例2における接着剤について、鋼板への塗布接着
剤樹脂にはガラスビーズを配合し、電解銅箔積層前の塗
布接着剤樹脂にはガラスビーズを配合しないこととした
他は実施例2と同様に行って積層金属基板を得たものに
ついてもその評価は実施例2とほぼ同様であった。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、絶縁耐電性、剥離強度に優れるだけでなく、ハンダ
耐熱性、切断端面の美麗さにおいても優れた積層金属基
板を安価に得ることができた。また無溶剤型接着剤樹脂
を使用することにより、作業環境の保全に貢献すること
ができる様になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にかかる積層金属基板試料片の断面図
【図2】実施例2にかかる積層金属基板試料片の断面図
【図3】実施例3にかかる積層金属基板試料片の断面図
【図4】実施例4にかかる積層金属基板試料片の断面図
【図5】実施例5にかかる積層金属基板試料片の断面図
【図6】従来の積層金属基板試料片の断面図
【符号の説明】
1 金属基板 2 接着層 21 絶縁層 22 接着剤層 3 高電導性金属箔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤層を介して一方側に金属基板、他
    方側に高電導性金属箔を積層してなる積層金属基板にお
    いて、該接着剤層として、不燃性または難燃性有機質絶
    縁紙の両面に耐熱性熱硬化性樹脂層が設けられたものを
    配することを特徴とする積層金属基板。
  2. 【請求項2】 耐熱性熱硬化性樹脂層に非電導性の粒子
    または繊維を配合してなる請求項1に記載の積層金属基
    板。
  3. 【請求項3】 接着剤層を介して一方側に金属基板、他
    方側に高電導性金属箔を積層してなる積層金属基板にお
    いて、該接着剤層として、無機質繊維紙製絶縁層の両面
    に、非電導性粒子または繊維を配合した耐熱性熱硬化性
    樹脂層が設けられたものを配することを特徴とする積層
    金属基板。
  4. 【請求項4】 接着剤層を構成する耐熱性熱硬化性樹脂
    層が溶剤型または無溶剤型である請求項1〜3のいずれ
    かに記載の積層金属基板。
JP604598A 1998-01-14 1998-01-14 積層金属基板 Withdrawn JPH11204903A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8911848B2 (en) 2011-11-24 2014-12-16 Samsung Electronics Co., Ltd. CCL and method of manufacturing the same
CN107443843A (zh) * 2017-08-02 2017-12-08 四川索朗臣环保科技有限公司 具有耐热防火性能的塑料板

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