JPH11204813A - 光電変換装置の作製方法 - Google Patents
光電変換装置の作製方法Info
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- JPH11204813A JPH11204813A JP10018100A JP1810098A JPH11204813A JP H11204813 A JPH11204813 A JP H11204813A JP 10018100 A JP10018100 A JP 10018100A JP 1810098 A JP1810098 A JP 1810098A JP H11204813 A JPH11204813 A JP H11204813A
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Abstract
質半導体膜とを成膜する工程と、微結晶半導体に不純物
元素を注入する工程とを分離して行うことにより、光電
変換装置の生産性を高める。 【解決手段】絶縁表面を有する基板上に、第1の電極
と、光電変換層と、第2の電極とを積層してなるユニッ
トセルを、一つまたは複数個接続して構成される光電変
換装置の製造方法において、第1の電極を形成する工程
と、N型またはP型の導電型決定不純物元素を添加しな
いで第1の微結晶半導体膜を形成する工程と、実質的に
真性な非晶質半導体膜を形成する工程と、N型またはP
型の導電型決定不純物元素を添加しないで第2の微結晶
半導体膜を形成する工程と、をプラズマCVD法で行
い、P型の導電型決定不純物元素を、前記第2の微結晶
半導体膜に注入する工程と、加熱する工程と、第2の電
極を形成する工程と、を行い光電変換装置を作製する。
Description
力センサーに代表される光電変換装置の作製方法に関す
るものである。
料と比較して、400℃以下の低温で大面積に作製出来
ることや、光電変換層として光を吸収するために必要な
厚さが1μm程度で十分であること等が特徴とされてい
る。このため、シリコン資源の節約や、製造エネルギー
を低減できることが提示され、低コスト材料として従来
から注目を集めてきた。
センサ、フォトセンサ等の光電変換層は、光電変換効率
や光応答性を高めるために、pin接合を形成したダイ
オード型の構造を用いることが一般的であった。ここ
で、p型及びn型の半導体膜と、実質的に真性なi型の
半導体膜のすべてを非晶質シリコン膜で形成することも
可能であるが、良好な光電変換特性を得るために、p型
及びn型の半導体膜に対して、微結晶シリコン材料を用
いると良好な光電変換特性が得られることが知られてい
た。この理由は、この構造の素子において、光吸収とそ
れに伴う電荷の生成はi型の非晶質シリコン膜が担うの
で、p型とn型の半導体膜は高い光透過性有することが
望ましく、かつ、電極と良好なコンタクトを得る為に、
高い導電率を有した材料が要求されている為であった。
このような要求に対し、微結晶シリコン膜は低光吸収性
と、高い導電率を兼ね備えた特性を有した材料てあり適
した材料であった。
ー放電プラズマを用いた化学堆積法(プラズマCVD
法)で作製されている。プラズマCVD法には、反応室
と、反応室を減圧下に保つ排気手段と、原料ガスを導入
するガス導入手段と、反応室内でグロー放電プラズマを
発生させる手段と、基板を保持し加熱する手段と、から
構成されるプラズマCVD装置が用いられる。原料ガス
は、シラン(SiH4 )ガスが通常用いられるが、ジシ
ラン(Si2 H6 )ガスを用いることも可能であり、さ
らに、前記原料ガスを水素ガス(H2 )で希釈して用い
ることもできた。
SiH4 ガスとH2 ガスとの混合ガスが用いられ、Si
H4 ガスに対してH2 ガスの希釈割合を高めた状態で成
膜すると得ることが出来た。p型またはn型の導電型決
定不純物元素を添加しない微結晶シリコン膜は、それ自
身でn型の導電性を示すことが知られているが、通常
は、p型やn型の導電型の制御の為に、前記原料ガスに
p型及びn型の導電型決定元素を含む不純物ガスを成膜
時に同時に添加して作製されている。半導体の分野で
は、p型の導電型決定元素には、ボロン(B)、アルミ
ニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(I
n)に代表される元素が、また、n型の導電型決定元素
には、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)
に代表される元素が知られている。通常のプラズマCV
D法においては、B2 H6 やPH3 に代表される不純物
ガスを前記原料ガスに混合させて成膜されている。この
とき混合される不純物ガスの添加量は、SiH4 に対し
て0.1%から5%程度であり、多くても10%以下の
濃度であった。
陽電池やイメージセンサ等の光電変換装置の基本的な工
程は、基板上に第1の電極を形成し、該第1の電極上に
密接してpin接合から成る光電変換層を形成し、さら
に第2の電極を積層して作製される。pin接合の作製
時には接合界面の特性を良好にするために、通常は真空
を切らずに成膜が実施されている。
ために、前記原料ガスに前記不純物ガスを添加すると、
微量な不純物ガスとその反応生成物が、反応室内やグロ
ー放電プラズマ発生手段の一部である放電電極に残留付
着することが知られていた。ここで連続して、同じ反応
室で不純物ガスを添加せずに、実質的に真性なi型の非
晶質シリコン膜を成膜すると、その残留不純物が離脱し
て、新たに膜中に取り込まれてしまう問題点があった。
実質的に真性なi型の非晶質シリコン膜は、膜中の欠陥
密度がおよそ1×1016/cm3 以下の値となるように
作製される為に、たとえ数10ppmから数100pp
mの濃度で前記不純物元素が取り込まれたとしても、不
純物順位を形成して膜の特性を変えてしまう問題点があ
った。
D装置に複数の反応室を設け、反応室と他の反応室との
間の仕切弁により、それぞれの反応室を分離させた多室
分離型のCVD装置が実用化されている。従って、従来
技術によれば、pin接合を形成するためには、少なく
とも、p型、i型、n型の半導体膜を成膜するための3
つの独立した反応室を設ける必要があった。
室に対応してSiH4 、H2 、B2H6 、PH3 等を導
入するガス導入手段や排気手段やグロー放電プラズマ発
生手段等を設ける必要があり、複雑で大がかりな構成に
なってしまった。そのために、装置の維持管理の面から
も多大な労力が要求されていた。
の導電型の半導体膜を成膜するごとに、反応室から他の
反応室へ、基板の移動と、反応ガスの導入と、反応ガス
の排気との工程が必ず必要となり、この工程を順次繰り
返す必要があった。そのために、光電変換層を形成する
ための時間を短縮することは、おのずと限界があった。
たとえ高速成膜の技術を使って、実成膜時間が短縮させ
ても、基板の搬送や、ガスの導入と排気にかかる時間は
無視出来ない問題となっていた。
て、光電変換層のp/i界面におけるp型不純物濃度を
連続的に変化させて、界面の連続性を形成して接合性を
改善する方法が従来から知られている。従来技術では、
成膜工程において、微量のp型不純物元素を含むガス
を、コンピュター等を使用して精密に制御する必要があ
った。
段として、本発明は、非晶質半導体層及び微結晶半導体
層を形成する工程と、微結晶半導体層に不純物を添加し
て導電型を制御する工程とを分離して光電変換層を形成
する方法を開示する。
光電変換層の作製工程において、その生産性を高める為
に、p型またはn型の導電型決定不純物元素を添加しな
いで作製される第1及び第2の微結晶半導体膜と、実質
的に真性な非晶質半導体膜と、から成る光電変換層を形
成する工程と、前記第1または第2の微結晶半導体膜に
p型の導電型決定不純物元素を注入し、その後加熱処理
を加えて熱活性化させる工程とを有することを特徴とす
る。
体膜と、実質的に真性な非晶質半導体膜と、第2の微結
晶半導体膜と、から成る光電変換層を形成した後で、第
2の微結晶半導体膜の表面から、第2の微結晶半導体膜
と、実質的に真性な非晶質半導体膜の前記第2の微結晶
半導体膜との界面近傍とに、P型の導電型決定不純物元
素を注入して、加熱する工程により、光電変換装置を作
製することを特徴とする。
による不純物ガスの汚染を防ぐ為に、p型またはn型の
導電型決定不純物元素を添加しないで作製される第1及
び第2の微結晶半導体膜に対して、該第1の微結晶半導
体膜と、p型の導電型決定不純物元素が注入された微結
晶半導体膜と、に加熱する工程により、p型とn型の導
電性を有する微結晶半導体膜を得て、光電変換装置を作
製することを特徴とする。
晶シリコン膜が、非晶質半導体膜には非晶質シリコン膜
が、適用されることが最も望ましい実施形態である。ま
た、非晶質半導体膜には、非晶質シリコンカーバイト
膜、非晶質シリコンゲルマニューム膜、非晶質シリコン
スズ膜を適用することも可能である。
法は、イオンドープ法を用いることが、本発明の望まし
い実施形態の一例である。
半導体膜を成膜する工程に対して、p型またはn型の導
電型決定不純物元素を添加することが不要となる。この
ことは、p型及びn型の微結晶半導体膜と実質的に真性
なi型の非晶質半導体膜とを成膜する工程において、前
記不純物による汚染を考慮する必要がなく、例えば、同
一成膜室で連続して成膜することも可能となる。具体的
には、p型及びn型の微結晶シリコン膜と実質的に真性
な非晶質シリコン膜とは、SiH4 ガスまたはSi2 H
6 ガスとH2 ガスとからのみで作製されるため、同一反
応室に設けられた同一のグロー放電プラズマ発生手段に
より成膜することが出来る。さらに、p型及びn型の微
結晶シリコン膜と実質的に真性な非晶質シリコン膜との
作製を、グロー放電プラズマを維持したまま連続して実
施することも可能となる。
結晶半導体膜と実質的に真性なi型の非晶質半導体膜を
成膜する工程において、不純物ガスを導入する必要が無
く、プラズマCVD装置における不純物の汚染の影響が
低減するために、反応室は実質的には一つで済み、プラ
ズマCVD装置の構成を簡略化することができる。
導体膜を形成する工程と、実質的に真性な非晶質半導体
膜を形成する工程と、第2の微結晶半導体膜を形成する
工程と、第2の微結晶半導体膜にP型決定不純物元素を
注入する工程と、第1及び第2の微結晶半導体膜と実質
的に真性な非晶質半導体膜に加熱する工程と、によりp
型及びn型の導電性を示す微結晶半導体膜と、実質的に
真性な非晶質半導体膜とを得ることが出来、pin接合
を形成することが出来る。p型またはn型の導電型決定
不純物元素を添加しない微結晶シリコン膜は、それ自身
でn型の導電性を示す。第1の微結晶半導体膜として、
このn型の導電性を有する微結晶シリコン膜を用いてp
in接合を構成しても、良好な光電変換層が得られるこ
とがわかった。従って、従来の技術であったn型不純物
元素を使用しなくても良い。
と第2の微結晶シリコン膜と実質的に真性な非晶質シリ
コン膜とは、SiH4 ガスとH2 ガスとから作製するこ
とが出来るため、それぞれの膜を作製するときに必ずし
もガスの切り替えをする必要がない。従って、従来の工
程で必要とされていたような、基板の反応室から反応室
への移動や、ガスの導入と排気にかかる時間が不要とな
り、工程処理能力が向上させることができる。
結晶シリコン膜と実質的に真性な非晶質シリコン膜と
は、複数の反応室を有するプラズマCVD装置のそれぞ
れの反応室で、同時に、または、それぞれに、作製する
ことが可能となり、工程処理能力を向上させることが出
来る。
型決定不純物元素を、第2の微結晶半導体膜の表面より
注入することで、p型不純物の膜厚方向の濃度分布を容
易に制御することができる。
るが、本発明は以下の実施例により何ら制限されるもの
ではない。
を、図1で示した太陽電池の工程に従って説明する。基
板101は平坦化された絶縁表面を有し、最高でも45
0℃程度の耐熱温度を有する材質のものであれば良い。
ここでは市販の無アルカリガラスを使用した。
する。第1の電極102は真空蒸着法やスパッタ法に代
表される公知の方法を用いて形成した。第1の電極10
2に用いる材料は、Al、Ag、Ti、Cr、Ni、P
t、から選ばれた光反射性の金属電極で形成すれば良
い。必要な膜厚としては、100nm〜300nm程度あれ
ば十分であるが、この範囲以外の厚さであっても、本発
明の構成要素に何ら関係するものではない。ここでは、
Tiをスパッタ法で300nmの厚さに形成した。(図
1(a) )
変換層となる微結晶シリコン膜及び非晶質シリコン膜を
成膜する工程を行った。p型またはn型の導電型決定不
純物元素を添加せずに第1の微結晶シリコン膜103
と、実質的に真性な非晶質シリコン膜104と、p型ま
たはn型の導電型決定不純物元素を添加せずに第2の微
結晶シリコン膜105aを、プラズマCVD法で形成し
た。(図1(b) )
マCVD装置の概念図である。プラズマCVD装置は従
来技術による構成のもので良く、基板のトランスファー
室201を中心に、基板の搬出搬入室202と複数の反
応室203a、203b、203cがあり、各反応室に
はプラズマ発生手段204が設けられている。また、図
示はしてないが、各反応室には反応室を減圧下に保つ排
気手段と、基板を保持し加熱する手段と、が設けられて
いる。本発明によれば、第1及び第2の微結晶シリコン
層と、実質的に真性な非晶質シリコン層とは、SiH4
ガスとH2 ガスの2種類を供給すれば良いので、同一の
反応室内で、同一の放電手段を用いて作製することが出
来た。従って、図2で示した従来の構成の枚葉式のプラ
ズマCVD装置を使用した場合、複数の反応室のそれぞ
れで同じ成膜を実施することが出来た。
技術による、基板の搬出搬入室と、一つまたは複数個の
反応室を直列に接続した構成の、インライン式のプラズ
マCVD装置を用いても良い。
不純物元素を添加せずに形成する第1の微結晶シリコン
膜103と、第2の微結晶シリコン膜105aは同一条
件で成膜した。具体的には、SiH4 流量2sccm、
H2 流量200sccmとして、圧力を133Paに保
ち、120mW/cm2 のRF(13.56MHz)電
力を投入して成膜を行った。この時基板温度は160℃
に保った。微結晶シリコン膜の成膜条件に関しては、基
本的には公知の技術であり、上記成膜条件のみに限定を
受けるものではない。適用可能な成膜条件の範囲として
は、SiH4 :H2 =1:30〜100、圧力5〜26
6Pa、RF電力密度10〜250mW/cm2 、基板
温度80〜300℃である。堆積膜厚は第1の微結晶シ
リコン膜103は10〜80nm、第2の微結晶シリコ
ン膜105aは5〜50nmの範囲で成膜すれば良く、
本実施例では、第1の微結晶シリコン膜103を30n
mとし、第2の微結晶シリコン膜105aを25nmと
した。
は、SiH4 流量40sccm、H2流量360scc
mとして、圧力を133Paに保ち、48mW/cm2
のRF(13.56MHz)電力を投入して成膜を行っ
た。この時基板温度は160℃に保った。非晶質シリコ
ン膜の成膜条件に関しては、基本的には公知の技術であ
り、上記成膜条件のみに限定を受けるものではない。適
用可能な成膜条件の範囲としては、SiH4 ガスに対す
るH2 ガスの割合は0%から95%の範囲で選択すれば
良く、圧力5〜266Pa、RF電力密度5〜100m
W/cm2 、基板温度80〜350℃である。堆積膜厚
は100〜2000nmの範囲にすることが望ましく、
本実施例では、1000nmの厚さで成膜した。
代わりに、成膜時においてSiH4ガスに加えて、炭素
(C)、ゲルマニューム(Ge)、スズ(Sn)の水素
化物、フッ化物、塩化物からなるガスを導入して、非晶
質シリコンカーバイト膜、非晶質シリコンゲルマニュー
ム膜、非晶質シリコンスズ膜を形成することも可能であ
る。
の導電型決定不純物を導入し、p型微結晶シリコン膜1
05bを形成する工程は、イオンドープ法と、その後の
加熱処理とから行われた。代表的には、微結晶シリコン
膜に対して、p型に価電子制御可能な不純物は、ボロン
(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イ
ンジウム(In)等の周期律表第IIIb族の元素を加えれ
ば良い。イオンドープ法は、前記不純物元素の水素化
物、塩化物、フッ化物等の気体をプラズマ化し、生成さ
れた前記不純物元素をイオン化し、基板に対して加速す
る方向に電界を印加して、基板に注入する方法である。
本実施例では、B2 H6 ガスを用いた。ドーズ量は2.
0×1013〜5.0×1015/cm2 の範囲で行えば良
く、ここでは1.0×1014/cm2 とした。(図1
(c))
注入元素に深さ方向の濃度分布を持ち、この値を適切に
調整することが必要となる。太陽電池の場合、p型層の
厚さによりその最適な条件は異なるが、加速電圧は5〜
25keVの範囲で設定した。本実施例では10keV
とした。ドーズ量1.0×1014/cm2 、加速電圧1
0keVの条件でBを注入したとき、膜中に注入された
Bの濃度は、2次イオン質量分析法により調べられ、ピ
ーク位置の濃度で5×1019/cm3 の濃度が得られ
た。
の量は、ドーズ量にほぼ比例して変化し、ドーズ量を
1.0×1015/cm2 とすれば、5×1020/cm3
の濃度が得られた。
コン膜と、実質的に真性な非晶質シリコン膜の第2の微
結晶シリコン膜との界面近傍の領域と、に前記p型不純
物元素を注入しても良い。太陽電池の技術分野におい
て、p/i界面におけるp型不純物濃度を連続的に変化
させて、その界面の接合特性を改善する方法は従来から
知られた技術である。従来技術では、成膜工程におい
て、微量のp型不純物元素を含むガスを、コンピュータ
等を使用して、精密に制御する必要があったが、本発明
によれば、イオンドープ法の工程において、加速電圧の
みを制御すれば良いので、この界面及びその近傍におけ
る不純物濃度の膜の厚さ方向の制御がより精密に出来る
ようになった。
物元素として作用しないので、加熱処理による活性化の
工程が必要となる。加熱処理の工程は、大気雰囲気中、
窒素雰囲気中、または、水素雰囲気中で行えば良く、温
度は200〜450℃の範囲で可能であり、好ましくは
300〜400℃の範囲で行うと良い。ここでは、30
0℃で2時間の加熱処理を行った。(図1(d))
の変化は実験であらかじめ確認されていた。その結果を
図3に示す。SiH4 ガスと水素ガスとから作製された
微結晶シリコン膜の成膜御の導電率は約5×10-4S/
cmであるが、本発明の構成であるように、p型不純物
を注入して加熱すると導電率を高めることができた。導
電率は、300℃の加熱処理で2〜3×10-0S/cm
まで増加することが確認された。さらに不純物元素を何
ら注入しない微結晶シリコン膜に対して同様に加熱する
と、導電率は、約1.1×10-2S/cmまで増加する
ことが確認された。また、不純物元素をなんら注入しな
い微結晶シリコン膜は、n型の導電性を有していること
が確認された。
コン膜と、実質的に真性な非晶質シリコン膜と、第2の
p型の微結晶シリコン膜とからなる光電変換層を形成す
ることができた。
換層と電極とをそれぞれ分割し、直列に接続する集積化
加工の工程を行った。集積化加工は公知技術により実施
されるものであり、レーザースクライブ法で光電変換層
と電極とに開孔を形成する工程と、スクリーン印刷法で
絶縁樹脂を形成する工程とから成っている。集積化加工
の設計に関する事項は公知例に従うものであり、ここで
は詳細に記述しない。
換層と第1の電極とに形成される絶縁分離用の開孔であ
り、この開孔は同一基板面内上に複数個のユニットセル
を形成する為のものである。第2の開孔108a、10
8bは第1の開孔107a、107bにそれぞれ隣接し
て設けられ、隣り合う第1の電極と第2の電極とを接続
するための開孔である。上記開孔の形成は、レーザース
クライブ法により行った。(図1(e))
スクリーン印刷法で絶縁樹脂を印刷した。絶縁樹脂は、
第1の絶縁樹脂領域109a、109bと第2の絶縁樹
脂領域111a、111bとが形成された。第1の絶縁
樹脂領域109a、109bは、第1の開孔107a、
107b上と該開孔を充填する形で形成され、第2の絶
縁樹脂領域111a、111bは第2の開孔108a、
108bに隣接して設けられる。絶縁樹脂は市販のもの
を使用すれば良いが、アクリル系またはウレタン系のも
のであり、200℃程度で焼成できることが望ましい。
絶縁樹脂の厚さに関しては特に限定される範囲はない
が、ここでは20μmの厚さに形成した。(図1(f))
リコン膜105bと第1の絶縁樹脂領域109a、10
9bと第2の絶縁樹脂領域111a、111bとを覆っ
て形成した。第2の電極106は透明電極であり、真空
蒸着法やスパッタ法に代表される公知の方法を用いれば
良い。具体的には、In2 O3 、SnO2 、ZnO、I
TO膜等を用いれば良く、ここではITO膜をスパッタ
法で70nmの厚さに形成した。(図1(g))
ルに対して分割する第3の開孔112a、112bは、
第2の開孔に隣接して、第2の絶縁樹脂領域上にレーザ
ースクライブ法で形成した。
ので、補助電極113を形成するとさらに望ましい構成
となる。補助電極113a、113bは、第2の電極1
06に密接して設けられ、第2の開孔108a、108
bを覆う形で形成される。補助電極は導電性の高い金属
材料で形成され、ここでは銀(Ag)を櫛形状にスクリ
ーン印刷法で形成した。(図1(h))
0a、110b、110cを直列接続した太陽電池を作
製することができた。本実施例で示した太陽電池の作製
方法は、第1の電極を形成する工程、第1の微結晶シリ
コン膜を形成する工程、実質的に真性な非晶質シリコン
膜を形成する工程、第2の微結晶シリコン膜を形成する
工程、第2の微結晶シリコン膜にP型決定不純物元素を
注入する工程、第1及び第2の微結晶シリコン膜と実質
的に真性な非晶質シリコン膜に加熱する工程、第2の電
極を形成する工程から成り、第1または第2の電極を公
知の方法でパターニングして、基板の表面上の所定の位
置に配列させる工程を加えれば、太陽電池の直列接続構
造や、イメージセンサや、フォトセンサの作製に適用で
きる。
一例を、図1で示した太陽電池の工程に従って説明す
る。基板101は平坦化された絶縁表面を有し、最高で
も450℃程度の耐熱温度を有する材質のものであれば
良い。ここでは市販の無アルカリガラスを使用した。
する。第1の電極102は真空蒸着法やスパッタ法に代
表される公知の方法を用いて形成した。第1の電極10
2に用いる材料は、Al、Ag、Ti、Cr、Ni、P
t、から選ばれた光反射性の金属電極で形成すれば良
い。必要な膜厚としては、100nm〜300nm程度あれ
ば十分であるが、この範囲以外の厚さであっても、本発
明の構成要素に何ら関係するものではない。ここでは、
Tiをスパッタ法で300nmの厚さに形成した。(図
1(a))
変換層となる微結晶シリコン層及び非晶質シリコン層を
成膜する工程を行った。p型またはn型の導電型決定不
純物元素を添加せずに第1の微結晶シリコン膜103
と、実質的に真性な非晶質シリコン膜104と、p型ま
たはn型の導電型決定不純物元素を添加せずに第2の微
結晶シリコン膜105aを、プラズマCVD法で形成し
た。(図1(b))
マCVD装置の概念図である。プラズマCVD装置は従
来技術による構成のもので良く、基板のトランスファー
室201を中心に、基板の搬出搬入室202と複数の反
応室203a、203b、203cがあり、各反応室に
はプラズマ発生手段204が設けられている。また、図
示はしてないが、各反応室には基板加熱手段が設けられ
ており、その他排気手段等の構成は従来の技術に従うも
のである。本発明によれば、第1及び第2の微結晶シリ
コン層と、実質的に真性な非晶質シリコン層とは、Si
H4 ガスとH2ガスの2種類を供給すれば良いので、同
一の反応室内で、同一の放電手段を用いて作製すること
が出来た。従って、図2で示した従来の構成の枚葉式の
プラズマCVD装置を使用した場合、複数の反応室のそ
れぞれで同じ成膜を実施することが出来た。
技術の、基板の搬出搬入室と、一つまたは複数個の反応
室を直列に接続した構成の、インライン式のプラズマC
VD装置を用いても良い。
103と、実質的に真性な非晶質シリコン膜104と、
第2の微結晶シリコン膜105aとは、同じSiH4 ガ
スとH2 ガスとから同一の反応室内で作製することがで
きるので、成膜時の条件を適時変更するだけで、連続成
膜が可能となる。具体的には、前記ガスの混合比と放電
電力と反応ガス圧力を調整すれば良い。
不純物元素を添加せずに形成する第1の微結晶シリコン
膜103と、第2の微結晶シリコン膜105aは同一条
件で作製した。具体的には、SiH4 流量4sccm、
H2 流量400sccmとして、圧力を133Paに保
ち、120mW/cm2 のRF(13.56MHz)電
力を投入して成膜を行った。この時基板温度は160℃
に保った。微結晶シリコン膜の成膜条件に関しては、基
本的には公知の技術であり、上記成膜条件のみに限定を
受けるものではない。適用可能な成膜条件の範囲として
は、SiH4 :H2 =1:30〜100、圧力5〜26
6Pa、RF電力密度10〜250mW/cm2 、基板
温度80〜300℃である。
予め求められている堆積速度を基に堆積時間で決めら
れ、ここでは30nmの厚さとなるようにした。そし
て、SiH4 ガスとH2 ガスの反応ガスの供給とグロー
放電を止めることなしに実質的に真性な非晶質シリコン
膜104の作製を行った。具体的には、SiH4 ガス流
量を4sccmから40sccmへ増加させ、H2 ガス
流量を400sccmから360sccmへ減少させる
と共に、RF電力密度を、120mW/cm2 から48
mW/cm2 へ変化させた。ここで、ガス流量や、RF
電力密度の時間的な変化量は設計上の課題であるのでこ
こでは記載しない。この時基板温度は160℃、圧力は
133Paに保った。
基本的には公知の技術であり、上記成膜条件のみに限定
を受けるものではない。適用可能な成膜条件の範囲とし
ては、SiH4 ガスに対するH2 ガスの割合は0%から
95%の範囲で選択すれば良く、圧力5〜266Pa、
RF電力密度5〜100mW/cm2 、基板温度80〜
350℃である。
厚さも、堆積速度を基に堆積時間で決められ、ここでは
1000nmの厚さとなるようにした。そして、SiH
4 ガスとH2 ガスの反応ガスの供給とグロー放電を止め
ることなしに第2の微結晶シリコン膜105aの作製を
行った。具体的には、SiH4 ガス流量を40sccm
から4sccmへ減少させ、H2 ガス流量を360sc
cmから400sccmへ増加させると共に、RF電力
密度を、4mW/cm2 から120mW/cm2 へ変化
させた。この時基板温度は160℃、圧力は133Pa
に保った。第2の微結晶シリコン膜105aを25nm
となるように設定した。
晶質シリコン膜の代わりに、成膜時においてSiH4 ガ
スに加えて、炭素(C)、ゲルマニューム(Ge)、ス
ズ(Sn)の水素化物、フッ化物、塩化物からなるガス
を導入して、非晶質シリコンカーバイト膜、非晶質シリ
コンゲルマニューム膜、非晶質シリコンスズ膜を形成す
ることも可能である。
って、微結晶シリコン膜から非晶質シリコン膜へと、非
晶質シリコン膜から微結晶シリコン膜へと、構造が連続
的に変化した接合を形成することができた。
の導電型決定不純物を導入し、p型微結晶シリコン膜1
05bを形成する工程は、イオンドープ法と、その後の
加熱処理とから行われた。代表的には、微結晶シリコン
膜に対して、p型に価電子制御可能な不純物は、ボロン
(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イ
ンジウム(In)等の周期律表第IIIb族の元素を加えれ
ば良い。イオンドープ法は、前記不純物元素の水素化
物、塩化物、フッ化物等の気体をプラズマ化し、生成さ
れた前記不純物元素をイオン化し、基板に対して加速す
る方向に電界を印加して、基板に注入する方法である。
本実施例では、B2 H6 ガスを用いた。ドーズ量は2.
0×1013〜5.0×1015/cm2 の範囲で行えば良
く、ここでは1.0×1014/cm2 とした。(図1
(c))
注入元素に深さ方向の濃度分布を持ち、この値を適切に
調整することが必要となる。太陽電池の場合、p型層の
厚さによりその最適な条件は異なるが、加速電圧は5〜
25keVの範囲で設定した。本実施例では10keV
とした。ドーズ量1.0×1014/cm2 、加速電圧1
0keVの条件でBを注入したとき、膜中に注入された
Bの濃度は、2次イオン質量分析法により調べられ、ピ
ーク位置の濃度で5×1019/cm3 の濃度が得られ
た。
の量は、ドーズ量にほぼ比例して変化し、ドーズ量を
1.0×1015/cm2 とすれば、5×1020/cm3
の濃度が得られた。
コン膜と、実質的に真性な非晶質シリコン膜の、連続的
に変化した第2の微結晶シリコン膜との界面近傍の領域
とに前記p型不純物元素を注入しても良い。太陽電池の
技術分野において、p/i界面におけるp型不純物濃度
を連続的に変化させて、その界面の接合性を改善する方
法は従来から知られた技術である。従来技術では、成膜
工程で微量のp型不純物元素を含むガスを、コンピュー
タ等を使用して、精密に制御する必要があったが、本発
明によれば、イオンドープ法の工程において、加速電圧
のみを制御すれば良いので、この界面及びその近傍にお
ける不純物濃度の膜の厚さ方向の制御がよりやりやすく
なった。
物元素として作用しないので、加熱処理による活性化の
工程が必要となる。加熱処理の工程は、大気雰囲気中、
窒素雰囲気中、または、水素雰囲気中で行えば良く、温
度は200〜450℃の範囲で可能であり、好ましくは
300〜400℃の範囲で行うと良い。ここでは、30
0℃で2時間の加熱処理を行った。(図1(d))
×10-4S/cmであり、300℃の加熱処理で2〜3
×10-0まで増加することが確認された。さらに、不純
物元素を何ら注入しない微結晶シリコン膜においても、
導電率は、約1.1×10-2S/cmまで増加すること
が確認された。
換層と電極とをそれぞれ分割し、直列に接続する集積化
加工の工程を行った。集積化加工は公知技術により実施
されるものであり、レーザースクライブ法で光電変換層
と電極とに開孔を形成する工程と、スクリーン印刷法で
絶縁樹脂を形成する工程とから成っている。集積化加工
の設計に関する事項は公知例に従うものであり、ここで
は詳細に記述しない。
換層と第1の電極とに形成される絶縁分離用の開孔であ
り、この開孔により同一基板面内上に複数個の単位セル
が形成される。第2の開孔108a、108bはそれぞ
れ第1の開孔107a、107bに隣接して設けられ、
隣り合う第1の電極と第2の電極とを接続するための開
孔である。以上は、レーザースクライブ法により行っ
た。(図1(e))
スクリーン印刷法で絶縁樹脂を印刷した。絶縁樹脂は、
第1の絶縁樹脂領域109a、109bと第2の絶縁樹
脂領域111a、111bとが形成された。第1の絶縁
樹脂領域109a、109bは、第1の開孔107a、
107b上と該開孔を充填する形で形成され、第2の絶
縁樹脂領域111a、111bは第2の開孔108a、
108bにそれぞれ隣接して設けられる。絶縁樹脂は市
販のものを使用すれば良いが、アクリル系またはウレタ
ン系のものであり、200℃程度で焼成できることが望
ましい。絶縁樹脂の厚さに関しては特に限定される範囲
はないが、ここでは20μmの厚さに形成した。(図1
(f))
リコン膜105bと第1の絶縁樹脂領域109a、10
9bと第2の絶縁樹脂領域111a、111bとを覆っ
て形成した。第2の電極106は透明電極であり、真空
蒸着法やスパッタ法に代表される公知の方法を用いれば
良い。具体的には、In2 O3 、SnO2 、ZnO、I
TO膜等を用いれば良く、ここではITO膜をスパッタ
法で70nmの厚さに形成した。(図1(g))
離する第3の開孔111a、111bは、第2の開孔に
隣接して、第2の絶縁樹脂領域上にレーザースクライブ
法で形成した。
ので、補助電極113a、113bを形成するとさらに
望ましい構成となる。補助電極112は、第2の電極1
06に密接して設けられ、第2の開孔108a、108
bを覆う形で形成される。補助電極は導電性の高い金属
材料で形成され、ここでは銀(Ag)を櫛形状にスクリ
ーン印刷法で形成した。(図1(h))
0a、110b、110cを直列接続した太陽電池を作
製することができた。本実施例で示した太陽電池の作製
方法は、第1の電極を形成する工程、第1の微結晶シリ
コン膜を形成する工程、実質的に真性な非晶質シリコン
膜を形成する工程、第2の微結晶シリコン膜を形成する
工程、第2の微結晶シリコン膜にP型決定不純物元素を
注入する工程、第1及び第2の微結晶シリコン膜と実質
的に真性な非晶質シリコン膜に加熱する工程、第2の電
極を形成する工程から成り、第1または第2の電極を公
知の方法でパターニングして、基板の表面上の所定の位
置に配列させる工程を加えれば、太陽電池の直列接続構
造や、イメージセンサや、フォトセンサの作製に適用で
きる。
一例を、図4に従って、基板側光入射の構造をもつ太陽
電池の工程に従って示す。基板401は平坦化された絶
縁表面を有し、最高でも450℃程度の耐熱温度を有す
る材質のもので、光透過性を有するものであれば良い。
ここでは市販の無アルカリガラスを使用した。
を形成する。第1の電極402は、真空蒸着法やスパッ
タ法や減圧CVD法に代表される公知の方法を用いて形
成した。第1の電極402に用いる材料は、SnO2 、
In2 O3 、ZnO、から選ばれた酸化物金属材料で形
成した。必要な膜厚は、光学的特性と電気的特性を考慮
して、60nm〜120nm程度の厚さであれば十分である
が、この範囲以外の厚さであっても、本発明の構成要素
に何ら関係するものではない。(図4(a))
トセルを形成し、これらを直列接続した集積化構造の太
陽電池サブモジュールを作製するために、公知の技術で
集積化の加工を行った。ここでは、第1の電極402を
幅100μmの幅で、複数個の第1の開孔407a、4
07bで、複数個の第1の電極402a、402b、4
02cに絶縁分離するために、公知のレーザースクライ
ブ加工で行った。(図4(b))
402cと第1の開孔407a、407bを覆って、p
型またはn型の導電型決定不純物元素を添加せずに第2
の微結晶シリコン層405aを、プラズマCVD法で形
成した。この工程で、p型またはn型の導電型決定不純
物元素を添加せずに形成する第2の微結晶シリコン層4
05aは、SiH4 流量2sccm、H2 流量200s
ccmとして、圧力を133Paに保ち、120mW/
cm2 のRF(13.56MHz)電力を投入して成膜
を行った。この時基板温度は160℃に保った。微結晶
シリコン膜の成膜条件に関しては、基本的には公知の技
術であり、上記成膜条件のみに限定を受けるものではな
い。適用可能な成膜条件の範囲としては、SiH4 :H
2 =1:30〜100、圧力5〜266Pa、RF電力
密度10〜250mW/cm2 、基板温度80〜300
℃である。堆積膜厚は第2の微結晶シリコン層305a
は10〜80nmの範囲で成膜した。(図4(c))
た後、一旦プラズマCVD装置の反応室からサンプルを
取り出し、p型の導電型決定不純物を注入する工程は、
イオンドープ法と、その後の加熱処理とから行った。微
結晶シリコン膜に対して、p型に価電子制御可能な不純
物は、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)、インジウム(In)等の周期律表第IIIb族の
元素を加えれば良い。イオンドープ法は、前記不純物元
素の水素化物、塩化物、フッ化物等の気体をプラズマ化
し、生成された前記不純物元素をイオン化し、基板に対
して加速する方向に電界を印加して、基板に注入する方
法である。本実施例では、B2 H6 ガスを用いた。加速
電圧10keVの条件で、ドーズ量は2.0×1013〜
5.0×1015/cm2 の範囲で行えば良く、ここでは
1.0×1014/cm2 とした。(図4(d))
04と、第1の微結晶シリコン膜402を形成する工程
を行った。実質的に真性な非晶質シリコン膜404は、
SiH4 流量40sccm、H2 流量360sccmと
して、圧力を133Paに保ち、48mW/cm2 のR
F(13.56MHz)電力を投入して成膜を行った。
この時基板温度は160℃に保った。非晶質シリコン膜
の成膜条件に関しては、基本的には公知の技術であり、
上記成膜条件のみに限定を受けるものではない。適用可
能な成膜条件の範囲としては、SiH4 ガスに対するH
2 ガスの割合は0%から95%の範囲で選択すれば良
く、圧力5〜266Pa、RF電力密度5〜100mW
/cm2 、基板温度80〜350℃である。堆積膜厚は
100〜2000nmの範囲にすることが望ましく、本
実施例では、1000nmの厚さで成膜した。
代わりに、成膜時においてSiH4ガスに加えて、炭素
(C)、ゲルマニューム(Ge)、スズ(Sn)の水素
化物、フッ化物、塩化物からなるガスを導入して、非晶
質シリコンカーバイト膜、非晶質シリコンゲルマニュー
ム膜、非晶質シリコンスズ膜を形成しても良い。
工程は、実質的に真性な非晶質シリコン膜404から連
続して行わた。成膜条件は、前記第2の微結晶シリコン
膜405aと同一条件で、SiH4 ガスとH2 ガスのみ
を反応室に導入して,同一のグロー放電プラズマ発生手
段を用いて成膜した。(図4(e))
5aに注入されたB元素はこのままではp型不純物元素
として作用しないので、加熱処理による活性化の工程が
必要となる。加熱処理の工程は、大気雰囲気中、窒素雰
囲気中、または、水素雰囲気中で行えば良く、温度は2
00〜450℃の範囲で可能であり、好ましくは300
〜400℃の範囲で行うと良い。ここでは、300℃で
2時間の加熱処理を行った。さらに同時に、前記第1の
微結晶シリコン膜402の導電率も増加し、より高いn
型の導電性を示すことが確認された。加熱することによ
り、p型の導電型を有する微結晶シリコン膜405bを
得ることができた。(図4(f))
質的に真性な非晶質シリコン膜404、第2の微結晶シ
リコン膜405bに対して、第2の開孔408a、40
8bを、第1の開孔407a、407bにそれぞれ隣接
する形でレーザースクライブ法で形成し、複数個の光電
変換層410a、410b、410cを形成した。(図
4(g))
3と第2の開孔408を覆って第2の電極406を形成
した。第2の電極406は真空蒸着法やスパッタ法に代
表される公知の方法を用いれば良い。具体的には、T
i、Al、Ag、Cr等の金属材料から成る単層膜か、
複数の材料を積層させた電極を用いれば良い。ここで
は、Tiをスパッタ法で300nmの厚さに形成した。
(図4(h))
それぞれ隣接して設けられた第2の電極409a、40
9bを分離するための第3の開孔を公知のレーザースク
ライブ法で形成した。(図4(i))
製することができた。本実施例で示した太陽電池の作製
方法は、第1の電極を形成する工程、第2の微結晶シリ
コン膜を形成する工程、第2の微結晶シリコン膜にP型
決定不純物元素を注入する工程、第1の微結晶シリコン
膜を形成する工程、実質的に真性な非晶質シリコン膜を
形成する工程、第1の微結晶シリコン膜を形成する工
程、第1及び第2の微結晶シリコン膜と実質的に真性な
非晶質シリコン膜に加熱する工程、第2の電極を形成す
る工程から成り、第1または第2の電極を公知の方法で
パターニングして、基板の表面上の所定の位置に配列さ
せる工程を加えれば、太陽電池の直列接続構造や、イメ
ージセンサや、フォトセンサの作製に適用できる。
シリコン膜と実質的に真性なi型の非晶質シリコン膜と
を成膜する工程において、p型やn型不純物による汚染
を考慮する必要がなく、例えば、同一成膜室で連続して
成膜することも可能となる。具体的には、p型及びn型
の微結晶シリコン膜と実質的に真性な非晶質シリコン膜
とは、SiH4 ガスまたはSi2 H6 ガスとH2 ガスと
からのみで作製することができるため、同一反応室に設
けられた同一のグロー放電プラズマ発生手段により成膜
することが出来る。このことは、プラズマCVD装置の
構成を簡略化することを可能とする。さらに、p型及び
n型の微結晶シリコン膜と実質的に真性な非晶質シリコ
ン膜との作製を、グロー放電プラズマを維持したまま連
続して実施することも可能となる。
成する工程、第1の微結晶シリコン膜を形成する工程
と、実質的に真性な非晶質シリコン膜を形成する工程
と、第2の微結晶シリコン膜を形成する工程と、第2の
微結晶シリコン膜にP型決定不純物元素を注入する工程
と、第1及び第2の微結晶シリコン膜と実質的に真性な
非晶質シリコン膜に加熱する工程と、によりp型及びn
型の導電性を示す微結晶シリコン膜と、実質的に真性な
非晶質シリコン膜とを得ることが出来、pin接合を形
成することが出来る。従って、従来の技術であったn型
不純物元素を使用しなくても良い。
的に真性な非晶質シリコン膜とは、SiH4 ガスとH2
ガスとから作製することが出来るため、それぞれの膜を
作製するときに必ずしもガスの切り替えをする必要がな
い。従って、従来の工程で必要とされていたような、基
板の反応室から反応室への移動や、ガスの導入と排気に
かかる時間が不要となり、工程処理能力が向上させるこ
とができる。
結晶シリコン膜と実質的に真性な非晶質シリコン膜と
は、複数の反応室を有するプラズマCVD装置のそれぞ
れの反応室で、同時に、または、それぞれに、作製する
ことが可能となり、工程処理能力を向上させることが出
来る。
型決定不純物元素を、第2の微結晶半導体膜の表面より
注入することで、注入時の加速電圧をの制御によりp型
不純物の膜厚方向の濃度分布を容易に制御することが出
来る。
概略図
るプラズマCVD装置の構成を示す概略図
示す微結晶シリコン膜の加熱処理温度による導電率の変
化を示す図
概略図
(n型) 104、404・・・・・・実質的に真性な非晶質シリ
コン膜(i型) 105a、405a・・・・第2の微結晶シリコン膜
(活性化前) 105b、405b・・・・第2の微結晶シリコン膜
(活性化後) 106、406・・・・・・第2の電極 107a、107b、407a、407b・・・第1の
開孔 108a、108b、408a、408b・・・第2の
開孔 109a、109b・・・・第1の絶縁樹脂領域110a 、110b、110c・・・・・・・・ユニッ
トセル 111a、111b・・・・第2の絶縁樹脂領域 112a、112b・・・・第3の開孔 112a、112b・・・・補助電極 201・・・・・・・・・・トランスファー室 202・・・・・・・・・・基板搬出搬入室 203a、203b、203c・・・・・・・・反応室 204・・・・・・・・・・グロー放電プラズマ発生手
段 205・・・・・・・・・・反応ガス供給手段 409a、409b・・・・第3の開孔410a 、410b、410c・・・・・・・・ユニッ
トセル
Claims (17)
- 【請求項1】絶縁表面を有する基板上に、第1の電極
と、光電変換層と、第2の電極とを積層してなるユニッ
トセルを、一つまたは複数個接続して構成される光電変
換装置の製造方法において、 前記光電変換層は、 N型またはP型の導電型決定不純物元素を添加しないで
第1の微結晶半導体膜を形成する工程と、 実質的に真性な非晶質半導体膜を形成する工程と、 N型またはP型の導電型決定不純物元素を添加しないで
第2の微結晶半導体膜を形成する工程と、 P型の導電型決定不純物元素を、前記第2の微結晶半導
体膜に注入する工程と、 加熱する工程と、 から作製され、かつ、前記第1及び第2の微結晶半導体
膜と、実質的に真性な非晶質半導体膜と、を形成する工
程は、 同一の反応室に設けられた、同一のグロー放電プラズマ
発生手段により実施されることを特徴とする光電変換装
置の作製方法。 - 【請求項2】絶縁表面を有する基板上に、第1の電極
と、光電変換層と、第2の電極とを積層してなるユニッ
トセルを、一つまたは複数個接続して構成される光電変
換装置の製造方法において、 前記光電変換層は、 N型またはP型の導電型決定不純物元素を添加しないで
第1の微結晶半導体膜を形成する工程と、 実質的に真性な非晶質半導体膜を形成する工程と、 N型またはP型の導電型決定不純物元素を添加しないで
第2の微結晶半導体膜を形成する工程と、 P型の導電型決定不純物元素を、前記第2の微結晶半導
体膜と、実質的に真性な非晶質半導体膜の前記第2の微
結晶半導体膜との界面近傍と、に注入する工程と、 加熱する工程と、 から作製され、かつ、 前記第1及び第2の微結晶半導体膜と、実質的に真性な
非晶質半導体膜と、を形成する工程は、 同一の反応室に設けられた、同一のグロー放電プラズマ
発生手段により実施されることを特徴とする光電変換装
置の作製方法。 - 【請求項3】絶縁表面を有する基板上に、第1の電極
と、光電変換層と、第2の電極とを積層してなるユニッ
トセルを、一つまたは複数個接続して構成される光電変
換装置の製造方法において、 前記光電変換層は、 N型またはP型の導電型決定不純物元素を添加しないで
第1の微結晶半導体膜を形成する工程と、 実質的に真性な非晶質半導体膜を形成する工程と、 N型またはP型の導電型決定不純物元素を添加しないで
第2の微結晶半導体膜を形成する工程と、 P型の導電型決定不純物元素を、前記第2の微結晶半導
体膜の表面から注入する工程と、 加熱する工程と、 から作製され、かつ、 前記第1及び第2の微結晶半導体膜と、実質的に真性な
非晶質半導体膜と、を形成する工程は、 同一の反応室に設けられた、同一のグロー放電プラズマ
発生手段により実施されることを特徴とする光電変換装
置の作製方法。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項において、第
1及び第2の微結晶半導体膜と、実質的に真性な非晶質
半導体膜と、を形成する工程が、同一の反応室に設けら
れた、同一のグロー放電プラズマ発生手段により、グロ
ー放電プラズマを維持したまま、連続して実施されるこ
とを特徴とする光電変換装置の作製方法。 - 【請求項5】絶縁表面を有する基板上に、第1の電極
と、光電変換層と、第2の電極とを積層してなるユニッ
トセルを、一つまたは複数個接続して構成される光電変
換装置の製造方法において、 前記光電変換層は、 N型またはP型の導電型決定不純物元素を添加しないで
第2の微結晶半導体膜を形成する工程と、 P型の導電型決定不純物元素を、前記第2の微結晶半導
体膜に注入する工程と、 実質的に真性な非晶質半導体膜を形成する工程と、 N型またはP型の導電型決定不純物元素を添加しないで
第1の微結晶半導体膜を形成する工程と、 前記第1及び第2の微結晶半導体膜と、実質的に真性な
非晶質半導体膜と、に加熱処理を施す工程と、 とから作製され、かつ、 前記第1及び第2の微結晶半導体膜と、実質的に真性な
非晶質半導体膜と、を形成する工程は、 同一の反応室に設けられた、同一のグロー放電プラズマ
発生手段により実施されることを特徴とする光電変換装
置の作製方法。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項において、 第1及び第2の微結晶半導体膜と、実質的に真性な非晶
質半導体膜と、を形成する工程が、プラズマCVD装置
で実施されることを特徴とする光電変換装置の作製方
法。 - 【請求項7】請求項6において、 プラズマCVD装置は、複数の反応室を有し、該複数の
反応室のそれぞれで、 第1及び第2の微結晶半導体膜と、実質的に真性な非晶
質半導体膜と、が形成されることを特徴とする光電変換
装置の作製方法。 - 【請求項8】請求項6において、 プラズマCVD装置は、少なくとも一つの基板搬入搬出
室と、複数の反応室と、を有し、前記複数の反応室のそ
れぞれで、 第1及び第2の微結晶半導体膜と、実質的に真性な非晶
質半導体膜と、が形成されることを特徴とする光電変換
装置の作製方法。 - 【請求項9】請求項6において、 プラズマCVD装置は、少なくとも一つの基板搬入搬出
室と、トランスファー室と、複数の反応室と、を有し、
該複数の反応室のそれぞれで、 第1及び第2の微結晶半導体膜と、実質的に真性な非晶
質半導体膜と、が形成されることを特徴とする光電変換
装置の作製方法。 - 【請求項10】請求項1〜9において、 第1及び第2の微結晶半導体膜が、微結晶シリコン膜で
あり、実質的に真性な非晶質半導体膜が、非晶質シリコ
ン膜であることを特徴とする光電変換装置の作製方法。 - 【請求項11】請求項1〜9のいずれか1項において、 第1及び第2の微結晶半導体膜が、微結晶シリコン膜で
あり、実質的に真性な非晶質半導体膜が、 炭素、シリコン、ゲルマニウム、錫、から選ばれた複数
種の元素を構成元素とする、非晶質半導体膜であること
を特徴とする光電変換装置の作製方法。 - 【請求項12】請求項1〜5のいずれか1項において、 P型の導電型決定不純物元素を、第2の微結晶半導体膜
に注入する工程が、イオンドープ法であることを特徴と
する光電変換装置の作製方法。 - 【請求項13】請求項12において、 P型の導電型決定不純物元素が、B、Al、Ga、In
から選ばれた元素であることを特徴とする光電変換装置
の作製方法。 - 【請求項14】請求項1〜5のいずれか1項において、 加熱の温度が、150℃〜450℃であることを特徴と
する光電変換装置の作製方法。 - 【請求項15】請求項1〜14のいずれか1項に記載の
工程を有することを特徴とする太陽電池の作製方法。 - 【請求項16】請求項1〜14のいずれか1項に記載の
工程を有することを特徴とするイメージセンサの作製方
法。 - 【請求項17】請求項1〜14のいずれか1項に記載の
工程を有することを特徴とするフォトセンサの作製方
法。
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JP01810098A JP4346700B2 (ja) | 1998-01-12 | 1998-01-12 | 光電変換装置の作製方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007123684A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Masato Toshima | 基板の処理装置 |
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RU168495U1 (ru) * | 2016-03-31 | 2017-02-06 | федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Новгородский государственный университет имени Ярослава Мудрого" | Кремниевый p-i-n фотодиод с низкими темновыми токами |
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1998
- 1998-01-12 JP JP01810098A patent/JP4346700B2/ja not_active Expired - Fee Related
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RU168495U1 (ru) * | 2016-03-31 | 2017-02-06 | федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Новгородский государственный университет имени Ярослава Мудрого" | Кремниевый p-i-n фотодиод с низкими темновыми токами |
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