JPH11204539A - バイポーラトランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

バイポーラトランジスタおよびその製造方法

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JPH11204539A
JPH11204539A JP10004492A JP449298A JPH11204539A JP H11204539 A JPH11204539 A JP H11204539A JP 10004492 A JP10004492 A JP 10004492A JP 449298 A JP449298 A JP 449298A JP H11204539 A JPH11204539 A JP H11204539A
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germanium
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克矢 小田
Katsuyoshi Washio
勝由 鷲尾
Eiji Oue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ベース抵抗が小さく、エミッタ・ベース間容量
及びコレクタ・ベース間容量が小さく、ベース抵抗のば
らつきが小さい高速動作が可能な自己整合バイポーラト
ランジスタを得る。 【解決手段】単結晶Si−Geの真性ベースとベース引
き出し電極を、真性ベースの成長初期から連続的に形成
される多結晶Si−Geの外部ベースによって自己整合
的に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイポーラトラン
ジスタおよびその製造方法に係り、特に単結晶シリコン
・ゲルマニウムを真性ベース層として用いたバイポーラ
トランジスタおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の単結晶シリコン・ゲルマニウムを
真性ベース層として用いたバイポーラトランジスタは、
例えば1990年 IEDM テクニカル ダイジェス
ト(IEDM Technical Digest)p.607に記載さ
れている。
【0003】この従来例のバイポーラトランジスタの断
面構造を図2に示す。図2において、符号21はシリコ
ン基板を示し、このシリコン基板21上に形成した高濃
度n型埋込層22上に、コレクタ層となる低濃度n型シ
リコン層23のエピタキシャル成長を行った後、コレク
タ・ベース絶縁膜24と多結晶シリコンからなるベース
引き出し多結晶シリコン26とエミッタ・ベース分離絶
縁膜28を形成し、エミッタ・ベース分離絶縁膜28と
ベース引き出し電極26をエッチングして開口部を形成
する。ベース引き出し電極26の側壁を絶縁膜29によ
って覆った後、コレクタ・ベース分離絶縁膜24をエッ
チングし、ベース引き出し電極26のひさしを形成す
る。
【0004】単結晶シリコン・ゲルマニウムをエピタキ
シャル成長し、真性ベース31を形成する。単結晶シリ
コン・ゲルマニウム層のエピタキシャル成長と同時にベ
ース引き出し電極26のせりだしの底面から多結晶シリ
コン・ゲルマニウムからなる外部ベース32が堆積する
ため、成長を続けることにより真性ベース層31とベー
ス引き出し電極26とが外部ベース32を介して接続す
る。外部ベース32とエミッタとの導通を防ぐため、こ
の後さらにエミッタ・ベース分離絶縁膜33を形成す
る。そしてリンが高濃度にドープされたn型多結晶シリ
コン層37を開口部に堆積,アニールを行ってリンを真
性ベース層31へ拡散させることにより、エミッタ層3
5を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の単結晶
シリコン・ゲルマニウムを真性ベース層に用いたバイポ
ーラトランジスタでは、ベース引き出し電極26のせり
だしの下部に形成される多結晶シリコン・ゲルマニウム
層32の表面の凹凸により、単結晶シリコン・ゲルマニ
ウム層31と接触したときの界面に隙間ができる。この
隙間が形成されると、反応ガスが供給されないために、
その後エピタキシャル成長を続けても隙間が埋まること
はない。
【0006】その結果、真性ベース31とベース引き出
し電極26の接続が不完全になるために、ベース抵抗が
増加するという問題がある。また、多結晶シリコン・ゲ
ルマニウム層32の凹凸が一様でないために、トランジ
スタ間でのベース抵抗のばらつきが大きくなるという問
題がある。さらに、真性ベース31とベース引き出し電
極26間を接合するために形成したひさし部分の容量の
ため、回路の高速動作が抑制されるという問題がある。
【0007】本発明の目的は、単結晶シリコン・ゲルマ
ニウム層を真性ベース層として用いたバイポーラトラン
ジスタにおいて、高速動作を可能にするために、外部ベ
ース抵抗が低く、ベース抵抗のばらつきが少なく、かつ
コレクタ・ベース間の容量が小さいバイポーラトランジ
スタおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るバイポーラ
トランジスタは、第1導電型単結晶シリコン層、例えば
図1で言えば、第1のコレクタ領域となる低濃度n型コ
レクタ層3と、上記第1導電型単結晶シリコン層表面上
に設けられた開口部を有する第1の絶縁膜すなわちコレ
クタ・ベース分離絶縁膜4と第2の絶縁膜すなわち第2
のコレクタ・ベース分離絶縁膜5と前記第1導電型と反
対導電型の第2導電型多結晶層すなわちp型多結晶シリ
コンからなるベース引き出し電極7と第3の絶縁層すな
わちエミッタ・ベース分離絶縁膜9とからなる多層膜
と、前記開口部に設けられた第1導電型単結晶シリコン
・ゲルマニウム層すなわち単結晶シリコン・ゲルマニウ
ムからなる低濃度n型コレクタ層12と、上記第1導電
型単結晶シリコン・ゲルマニウム層上に設けられた第2
導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層すなわち単結晶
シリコン・ゲルマニウムからなるp型真性ベース層13
と、上記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層と
前記第2の絶縁膜5と前記第2導電型多結晶層7とのい
ずれとも接して設けられた第2導電型多結晶シリコン・
ゲルマニウム層すなわち多結晶シリコン・ゲルマニウム
からなるp型外部ベース層14とを少なくとも有し、前
記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層13が第
2の絶縁膜5と第2導電型結晶シリコン・ゲルマニウム
層14のみを介して接触することを特徴とするものであ
る。
【0009】前記バイポーラトランジスタにおいて、第
2導電型ベース引き出し層は、多結晶シリコン層又は多
結晶シリコン・ゲルマニウム層とすればよい。
【0010】また、前記第2導電型多結晶シリコン・ゲ
ルマニウムからなる外部ベース層の最も厚い部分の厚
さ、すなわち図1で言えば、p型外部ベース層14の最
も厚い部分の厚さが少なくとも5nmであれば好適であ
る。
【0011】前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニ
ウム層上に設けられ、かつ第2導電型単結晶シリコン・
ゲルマニウム層よりも不純物濃度の低い第2の第2導電
型単結晶層を更に設ければ、すなわち図10に示すよう
に、真性ベース領域13とベース引き出し電極7とが外
部ベース14によって接合した構造に単結晶からなる低
濃度のキャップ層41を更に設ければ好適である。
【0012】この場合、前記第2の第2導電型単結晶層
は、単結晶シリコン層または単結晶シリコン・ゲルマニ
ウム層とすればよい。
【0013】また、前記第2導電型単結晶シリコン・ゲ
ルマニウム層上に設けられた第2の第1導電型単結晶
層、すなわち真性ベース上にエピタキシャル成長を用い
て形成されたエミッタ層となる単結晶層を更に設ければ
好適である。
【0014】この場合、前記第2の第1導電型単結晶層
は、単結晶シリコン層または単結晶シリコン・ゲルマニ
ウム層とすればよい。
【0015】前記いずれかのバイポーラトランジスタに
おいて、前記第2の絶縁膜、すなわち図1で言えば、第
2のコレクタ・ベース分離絶縁膜5がシリコン窒化膜で
あれば好適である。
【0016】更に、前記いずれかのバイポーラトランジ
スタにおいて、前記第3の絶縁膜、すなわち図1で言え
ば、エミッタ・ベース分離絶縁膜9,10がシリコン酸
化膜であれば好適である。
【0017】前記いずれかのバイポーラトランジスタに
おいて、前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム
層中のゲルマニウムの組成比が、前記第1導電型単結晶
シリコン層側から表面に向かうに従い減少するプロファ
イル、すなわち図15及び図17に示すように、ベース
中のゲルマニウム組成比がコレクタ側からエミッタ側に
向かって減少するプロファイルを有すれば好適である。
【0018】或いは、前記第1導電型単結晶シリコン・
ゲルマニウム層中のゲルマニウムの組成比が、前記第1
導電型単結晶シリコン層側から表面に向かうに従い増加
するプロファイル、すなわち図19に示すように、低濃
度コレクタ層中のゲルマニウム組成比がコレクタ側から
エミッタ側に向かって増加するプロファイルを有すれば
好適である。
【0019】或いは、前記第1導電型単結晶シリコン・
ゲルマニウム層中のゲルマニウムの組成比が、前記第1
導電型単結晶シリコン層側から表面に向かうに従い増加
し、表面側でゲルマニウム組成比が一定となるプロファ
イル、すなわち図21に示すように、低濃度コレクタ層
中のゲルマニウム組成比がコレクタ側からエミッタ側に
向かって増加し、低濃度コレクタ層中のベース側でゲル
マニウム組成比が一定となるプロファイルとしてもよ
い。
【0020】また、前記第2導電型単結晶シリコン・ゲ
ルマニウム層および前記第1導電型単結晶シリコン・ゲ
ルマニウム層中のゲルマニウムの組成比が前記第1導電
型単結晶シリコン層側から表面に向かうに従い減少し、
その傾きが前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウ
ム中と前記第1導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層
中とで異なるプロファイル、すなわち図23に示すよう
に真性ベース中と低濃度n型コレクタ層中でゲルマニウ
ム組成比プロファイルの傾きが異なるようにしてもよ
い。
【0021】或いは、前記第2導電型単結晶シリコン・
ゲルマニウム層および前記第1導電型単結晶シリコン・
ゲルマニウム層中のゲルマニウムの組成比が前記第1導
電型単結晶シリコン層側から表面に向かうに従い減少
し、その傾きが前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマ
ニウム中と前記第1導電型単結晶シリコン・ゲルマニウ
ム層中とで異なり、さらに前記第1導電型単結晶シリコ
ン側で上記第1導電型単結晶シリコン側から表面に向か
うに従ってゲルマニウム組成比が増加する領域を有する
プロファイル、すなわち図25に示すように、真性ベー
ス中でのゲルマニウム組成比はコレクタ側からエミッタ
側に向かって減少し、低濃度n型コレクタ層中でのゲル
マニウム組成比がコレクタ側からエミッタ側にかけて初
めは増加して途中から減少するプロファイルとすること
もできる。
【0022】本発明に係るバイポーラトランジスタの製
造方法は、第1導電型単結晶シリコン層と、上記第1導
電型単結晶シリコン層表面上に設けられた開口部を有す
る第1の絶縁膜と第2の絶縁膜と前記第1導電型と反対
導電型の第2導電型多結晶層と第3の絶縁層とからなる
多層膜と、前記開口部に設けられた第1導電型単結晶シ
リコン・ゲルマニウム層と、上記第1導電型単結晶シリ
コン・ゲルマニウム層上に設けられた第2導電型単結晶
シリコン・ゲルマニウム層と、上記第2導電型単結晶シ
リコン・ゲルマニウム層と第2の絶縁膜と第2導電型多
結晶層とのいずれとも接して設けられた第2導電型多結
晶シリコン・ゲルマニウム層と、を少なくとも有し、前
記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層が第2の
絶縁膜と第2導電型結晶シリコン・ゲルマニウム層のみ
を介して接触することを特徴とするバイポーラトランジ
スタの製造方法であって、前記第2導電型単結晶シリコ
ン・ゲルマニウム層を形成する工程が、エピタキシャル
成長によって形成する工程であって、前記エピタキシャ
ル成長を、成長時の温度が500℃〜700℃で、か
つ、成長時の圧力が100Paを超えない条件で行うこ
とを特徴とする。
【0023】また、本発明に係る光受信システムは、光
信号を受け電気信号を出力する受光素子と、上記受光素
子からの電気信号を受ける第1の増幅回路と、上記第1
の増幅回路の出力を受ける第2の増幅回路と、所定のク
ロック信号に同期して前記第2の増幅回路の出力をディ
ジタル信号に変換する識別器とを有する光受信システム
であって、前記第1の増幅回路は、前記受光素子にその
ベースが接続された第1のバイポーラトランジスタと、
上記第1のバイポーラトランジスタのコレクタにベース
が接続されると共にコレクタが前記第2の増幅回路の入
力に接続された第2のバイポーラトランジスタとを有
し、前記第1又は第2のバイポーラトランジスタの少な
くとも一つが前述したいずれかに記載のバイポーラトラ
ンジスタにより構成されたことを特徴とするものであ
る。
【0024】また、前記光受信システムにおいて、前記
第1および第2のバイポーラトランジスタのいずれも
を、前述したいずれかのバイポーラトランジスタにより
構成してもよい。
【0025】さらに、前記第1および第2のバイポーラ
トランジスタが単一の半導体チップ上に形成されると共
に、上記半導体チップと前記受光素子とが単一の基板上
に実装されていれば好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に係るバイポーラトランジ
スタの好適な実施の形態は、シリコン基板上の第1のコ
レクタ領域に形成された第1の絶縁膜の開口部上のみ
に、低濃度の単結晶シリコン・ゲルマニウムからなる第
2のコレクタ層が設けられていて、しかも多結晶シリコ
ンからなるベース引き出し電極と、前記第2のコレクタ
層上に設けられ、かつ、単結晶シリコン・ゲルマニウム
からなる真性ベース領域とが、多結晶シリコン・ゲルマ
ニウムからなる外部ベースを介して接触する構造であ
り、単結晶シリコン・ゲルマニウムと第2の絶縁膜とが
多結晶シリコン・ゲルマニウムを介してのみつながって
いる構造を有するものである。
【0027】このように単結晶シリコン・ゲルマニウム
層からなる真性ベースと第2の絶縁膜との間に多結晶シ
リコン・ゲルマニウムからなる外部ベースを設けたこと
により、真性ベースと外部ベースが、真性ベースの形成
初期からつながる構造となり、更に真性ベースと外部ベ
ースの接触面積が増加するため、つなぎ部分のベース抵
抗のばらつきを低減すると共に、ベース抵抗を低減する
ことができる。しかも、真性ベースと外部ベースの接触
面積が増加することから、ベース引き出し電極のせりだ
しの長さを短縮しても、真性ベースと外部ベースが接触
抵抗を増加させることなく接続できるため、コレクタ・
ベース間容量を低減することができる。しかもエミッタ
・ベースを自己整合的に形成するため、エミッタ・ベー
ス間容量が低減できる。従って、本発明に係るバイポー
ラトランジスタは、高速動作が可能となる。
【0028】また、本発明に係るバイポーラトランジス
タの製造方法の好適な実施の形態は、上記バイポーラト
ランジスタを構成する真性ベース層および低濃度キャッ
プ層の単結晶シリコン・ゲルマニウムをエピタキシャル
成長によって形成するときの温度が500℃以上700
℃以下で、かつ、形成するときの圧力が100Paを超
えないことを特徴とする。
【0029】このようなエピタキシャル成長条件で行う
ことにより、単結晶シリコン上に、単結晶シリコン・ゲ
ルマニウムを成長しても、ゲルマニウムの組成比と成長
膜厚によってはシリコン窒化膜上には多結晶シリコン・
ゲルマニウム層が堆積するが、シリコン酸化膜状には多
結晶シリコン・ゲルマニウムが堆積しないようにするこ
とができる。このため、真性ベースを形成する際に、多
結晶層からなるベース引き出し電極のせりだしの底面
と、第2の絶縁膜の側面のみに多結晶シリコン・ゲルマ
ニウムを形成することができ、真性ベースの成長初期段
階から、真性ベースとベース引き出し電極とが外部ベー
スを介して接続された状態とすることができる。
【0030】以下では、本発明に係るバイポーラトラン
ジスタおよびその製造方法の更に具体的な実施例につ
き、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0031】<実施例1>図1は、本発明に係るバイポ
ーラトランジスタの第1の実施例を示す断面構造図であ
る。以下、図1に示した構造のバイポーラトランジスタ
の製造方法を説明する。
【0032】まず、エミッタおよびコレクタ領域に高濃
度n型埋込層2を形成したp型シリコン基板1の全面に
低濃度n型コレクタ層3をエピタキシャル成長する。
【0033】次いで、シリコン酸化膜からなる第1のコ
レクタ・ベース分離絶縁膜4,シリコン窒化膜からなる
第2のコレクタ・ベース分離絶縁膜5を堆積し、コレク
タ部分に開口部を形成する。多結晶シリコンからなるコ
レクタ引き出し電極8,エミッタの開口部周辺に多結晶
シリコンからなるベース引き出し電極7,シリコン酸化
膜からなるエミッタ・ベース分離絶縁膜9を形成した
後、コレクタ部分を開口して、この開口部にn型のドー
パントであるリンをイオン打ち込みによって注入し、高
濃度n型コレクタ引き出し層6を形成する。
【0034】次いで、第1のコレクタ・ベース分離絶縁
膜4,第2のコレクタ・ベース分離絶縁膜5,ベース引
き出し電極7,エミッタ・ベース分離絶縁膜9の開口部
およびベース引き出し電極の側壁のエミッタ・ベース分
離絶縁膜10を形成する。
【0035】開口部に単結晶シリコン・ゲルマニウムか
らなる低濃度n型コレクタ層12,単結晶シリコン・ゲ
ルマニウムからなるp型真性ベース層13,多結晶シリ
コン・ゲルマニウムからなるp型外部ベース層14を形
成する。
【0036】エミッタ・ベース分離絶縁膜15で外部ベ
ースを覆った後、高濃度n型多結晶シリコンからなるエ
ミッタ電極16を堆積し、アニールを行うことによって
単結晶シリコン・ゲルマニウム層内にエミッタ領域17
を形成する。
【0037】絶縁膜18を堆積した後、絶縁膜のエミッ
タ・ベースおよびコレクタ部分に開口部を形成し、最後
にエミッタ・ベースおよびコレクタの各開口部に電極1
9を形成する。
【0038】なお、上記バイポーラトランジスタにおい
て、ベース引き出し電極7に多結晶シリコン・ゲルマニ
ウムを用いてもよい。以下の実施例でも、これらの層に
関しては同様である。
【0039】ここで、上記のように形成した本実施例の
バイポーラトランジスタのゲルマニウム組成比および不
純物プロファイルを図3に、エネルギーバンド構造を図
4にそれぞれ示す。図3(a)からわかるように、ゲル
マニウムはベース層だけでなくコレクタ領域にも含まれ
ている。その結果、図4に示すように、シリコンとシリ
コン・ゲルマニウムのバンドギャップの違いによるエネ
ルギー障壁はコレクタ・ベース間の空乏層中に含まれる
ことになり、エミッタから注入されたキャリアは、障壁
の影響を受けることなくコレクタへ達することができ
る。なお、図3(b)において、エミッタ領域はリン
(P)の不純物濃度,ベース領域はボロン(B)の不純
物濃度,低濃度n型コレクタ領域にはリン(P)の不純
物濃度,高濃度n型埋込層には砒素(As)の不純物濃
度をそれぞれ示している。
【0040】図5および図6に、本実施例のバイポーラ
トランジスタの要部である活性領域の製造方法のフロー
図を示す。
【0041】高濃度n型埋込層2上に単結晶シリコンか
らなる低濃度n型コレクタ層3をエピタキシャル成長に
より形成する。次に、シリコン酸化膜からなる第1のコ
レクタ・ベース分離絶縁膜4と、シリコン窒化膜からな
る第2のコレクタ・ベース分離絶縁膜5と、多結晶シリ
コン(または、多結晶シリコン・ゲルマニウム)からな
るベース引き出し電極7と、エミッタ・ベース分離絶縁
膜9を形成し、エッチングによりエミッタ・ベース分離
絶縁膜9とベース引き出し電極7の開口部を形成する。
ベース引き出し電極7の側壁にもエミッタ・ベース分離
絶縁膜10を形成した後、リンをイオン打ち込みするこ
とにより開口部の領域のみに第2の低濃度コレクタ領域
11を形成する(図5(a)参照)。
【0042】次いで、異方性エッチングにより第2のコ
レクタ・ベース分離絶縁膜5をエッチングした後、等方
性エッチングにより第1のコレクタ・ベース分離絶縁膜
4をエッチングする(図5(b)参照)。そして、ベー
スコレクタ界面にエネルギー障壁ができないよう、第1
の低濃度n型コレクタ層3上に単結晶シリコン・ゲルマ
ニウムからなる第3の低濃度n型コレクタ層12をエピ
タキシャル成長によって形成する。このとき、単結晶シ
リコン上における単結晶シリコン・ゲルマニウムの成長
開始時間と絶縁膜上における多結晶シリコン・ゲルマニ
ウムの成長開始時間の差を利用し、第2のコレクタ・ベ
ース分離絶縁膜5,第1のエミッタ・ベース分離絶縁膜
9,第2のエミッタ・ベース分離絶縁膜10上に多結晶
シリコン・ゲルマニウムが堆積しない条件で成長を行
う。
【0043】図7にエピタキシャル成長温度が650
℃、且つ成長圧力が1Paの場合、シリコン酸化膜上お
よびシリコン窒化膜上に多結晶シリコン・ゲルマニウム
が堆積を始めるまでに単結晶シリコン上に成長する単結
晶シリコン・ゲルマニウムの膜厚すなわち選択成長の臨
界膜厚と、単結晶シリコン・ゲルマニウム中に含まれる
ゲルマニウムの組成比との関係を示す。
【0044】図7より、シリコンだけの場合(Ge組成
比=0%)でも、単結晶シリコン上に成長する単結晶シ
リコンの厚さが100nm以下ではシリコン酸化膜上お
よびシリコン窒化膜上には多結晶シリコンは堆積しな
い。また、シリコン・ゲルマニウムの場合、ゲルマニウ
ムの組成比を上げるに従いこの膜厚は大きくなり、組成
比が30%では単結晶シリコン上に約200nmの単結
晶シリコン・ゲルマニウムが成長してもシリコン酸化膜
上およびシリコン窒化膜上には多結晶シリコン・ゲルマ
ニウムは堆積しない。従ってこの臨界膜厚以下の低濃度
コレクタ層を選択成長しても、コレクタ・ベース分離絶
縁膜の側壁およびエミッタ・ベース分離絶縁膜上には低
濃度多結晶シリコン・ゲルマニウムは堆積しない(図5
(c)参照)。
【0045】なお、このような成長を行うにはガスソー
スMBE(Molecular Beam Epitaxy)法やCVD(Chemica
l Vapor Deposition)法を用いることができるが、選択
性の制御が良好なことからCVD法がより好適である。
また、温度範囲は、シリコン酸化膜およびシリコン窒化
膜と単結晶シリコンとの選択性が良好に得られる500℃
以上で、上限は結晶欠陥が生じ始める800℃以下の範
囲である。この温度範囲で、成長圧力はシリコン酸化膜
又はシリコン窒化膜上に多結晶シリコン・ゲルマニウム
層が成長を開始する100Pa以下であればよい。
【0046】また、上記選択成長は、塩素ガス(Cl)
や塩酸ガス(HCl)を成長中に供給することによって
も実現可能である。図8に例えばエピタキシャル成長温
度が650℃、且つ成長圧力が10000Paの場合、
シリコン酸化膜上およびシリコン窒化膜上に多結晶シリ
コン・ゲルマニウムが堆積しないために必要なHCl流
量の全原料ガス流量に示す割合と単結晶シリコン・ゲル
マニウム中に含まれるゲルマニウムの組成比の関係を示
す。
【0047】図8より、シリコンだけの場合(Ge組成
比=0%)でも、HCl流量を全原料ガス流量の50%
以上とすることによりシリコン酸化膜上およびシリコン
窒化膜上には多結晶シリコンは堆積しない。また、シリ
コン・ゲルマニウムの場合、ゲルマニウムの組成比を上
げるに従いHCl流量は少なくてよく、組成比が30%
ではHCl流量を全原料ガス流量の20%以上とするこ
とによりシリコン酸化膜上およびシリコン窒化膜上には
多結晶シリコン・ゲルマニウムは堆積しない。
【0048】なお、このような成長を行うにはガスソー
スMBE法やCVD法を用いることができるが、選択性
の制御が良好なことからCVD法がより好適である。ま
た、温度範囲は、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜
と単結晶シリコンとの選択性が良好に得られる500℃
以上で、上限は結晶欠陥が生じ始める800℃以下の範
囲である。
【0049】次いで、等方性エッチングにより第2のコ
レクタ・ベース分離絶縁膜5をエッチングし、ベース引
き出し電極のせりだし7aを形成する(図6(a)参
照)。次いで、高濃度に不純物をドーピングした単結晶
シリコン・ゲルマニウムからなる真性ベース層13を形
成するときには、単結晶シリコン・ゲルマニウムの成長
と共にベース引き出し電極のせりだしの下部7aと、第
2のコレクタ・ベース分離絶縁膜の側壁5aに多結晶シ
リコン・ゲルマニウムからなる外部ベース14が形成さ
れ、成長初期から真性ベース13とベース引き出し電極
7が外部ベース14を介して接続される。このとき単結
晶シリコン上における単結晶シリコン・ゲルマニウムの
成長開始時間と絶縁膜上における多結晶シリコン・ゲル
マニウムの成長開始時間の差、およびシリコン酸化膜上
とシリコン窒化膜上でのシリコンの離脱反応の有無を利
用し、第2のコレクタ・ベース分離絶縁膜の側壁5aに
は多結晶シリコン・ゲルマニウム層が堆積し、第1のエ
ミッタ・ベース分離絶縁膜9,第2のエミッタ・ベース
分離絶縁膜10上には多結晶シリコン・ゲルマニウムが
堆積しない条件で成長を行う。
【0050】図9にエピタキシャル成長温度が600
℃、且つ成長圧力が1Paの場合、シリコン酸化膜上お
よびシリコン窒化膜上での選択成長の臨界膜厚と、単結
晶シリコン・ゲルマニウム中に含まれるゲルマニウムの
組成比との関係を示す。図9より、シリコンだけの場合
(Ge組成比=0%)でも、単結晶シリコン上に成長す
る単結晶シリコンの厚さが50nm以下ではシリコン窒
化膜上には多結晶シリコンが堆積するが、シリコン酸化
膜上には多結晶シリコンは堆積しない。また、シリコン
・ゲルマニウムの場合、ゲルマニウムの組成比を上げる
に従いこの膜厚は大きくなり、組成比が30%では単結
晶シリコン上に約20nmの単結晶シリコン・ゲルマニ
ウムが成長した場合、シリコン酸化膜上およびシリコン
窒化膜上には多結晶シリコン・ゲルマニウムは堆積しな
い。さらに成長を続け、単結晶シリコン上に20〜15
0nmの単結晶シリコン・ゲルマニウムが成長した場
合、シリコン窒化膜上には多結晶シリコンが堆積する
が、シリコン酸化膜上には多結晶シリコン・ゲルマニウ
ムは堆積しない。従ってこの範囲の真性ベース層を選択
成長することにより、シリコン窒化膜からなる第2のコ
レクタ・ベース分離絶縁膜の側壁には多結晶シリコン・
ゲルマニウムが堆積し、シリコン酸化膜からなるエミッ
タ・ベース分離絶縁膜上には低濃度多結晶シリコン・ゲ
ルマニウムは堆積しない(図6(b)参照)。
【0051】なお、このような成長を行うにはガスソー
スMBE法やCVD法を用いることができるが、選択性
の制御が良好なことからCVD法がより好適である。ま
た、温度範囲は、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜
と単結晶シリコンとの選択性が良好に得られる500℃
以上で、上限は結晶欠陥が生じ始める800℃以下の範
囲である。この温度範囲で、成長圧力はシリコン酸化膜
又はシリコン窒化膜上に多結晶シリコン・ゲルマニウム
層が成長を開始する100Pa以下であればよい。
【0052】そして、第2のコレクタ・ベース分離絶縁
膜5の厚さと、高濃度p型単結晶シリコン・ゲルマニウ
ム層13とベース引き出し電極のせりだし下部7aに堆
積した多結晶シリコン・ゲルマニウム層14の膜厚の和
とが等しくなったところで、せりだし部分が完全に埋め
られる。単結晶シリコン・ゲルマニウム層13の厚さ
が、図9のシリコン窒化膜上での選択成長の臨界膜厚以
上になったときから多結晶シリコン・ゲルマニウムから
なる外部ベース14と真性ベース13が接合するため、
多結晶シリコン・ゲルマニウム14の表面の凹凸の影響
を受けにくくなり、ベース抵抗のばらつきを低減するこ
とができる。また、真性ベース13と外部ベース14の
接触面積が増大するために、つなぎ部分のベース抵抗が
低減できる。
【0053】外部ベース14を覆うように第3のエミッ
タ・ベース分離絶縁膜15を形成した後、エミッタの拡
散源およびエミッタ電極となる高濃度n型多結晶シリコ
ン16を堆積し、アニールを行うことによってn型不純
物を単結晶シリコン・ゲルマニウム層13に拡散し、エ
ミッタ領域17を形成する。その後絶縁膜18を堆積
し、エミッタ・ベースおよびコレクタの各領域に開口部
を形成して電極19を形成すると図1に示した断面構造
が得られる。
【0054】本実施例により、ベース抵抗やコレクタ・
ベース界面の容量を低減できるため、遮断周波数fTお
よび最大発振周波数fmax がそれぞれ50GHz以上と
いった高速のバイポーラトランジスタが可能となり、さ
らに、ベース抵抗のばらつきが低減できるため、このト
ランジスタを用いた回路の高速化・高性能化に有効であ
る。
【0055】<実施例2>図10は、本発明に係るバイ
ポーラトランジスタの第2の実施例を示す断面構造図で
ある。本実施例の構造のバイポーラトランジスタの製造
方法は、以下の通りである。
【0056】実施例1と同様に、シリコン基板1上に高
濃度n型埋込層2,第1の低濃度n型コレクタ層3,第
1のコレクタ・ベース分離絶縁膜4,第2のコレクタ・
ベース分離絶縁膜5を形成し、コレクタ領域のみにコレ
クタ電極となる多結晶シリコン層8を堆積し、イオン打
ち込みによって高濃度n型コレクタ引き出し層6を形成
する。ベース引き出し電極7,第1のエミッタ・ベース
分離絶縁膜9を堆積し、エミッタ領域のみに開口部を形
成する。次いでベース引き出し層7の側壁に第2のエミ
ッタベース分離絶縁膜10を形成し、n型不純物をイオ
ン打ち込みすることにより第2の低濃度コレクタ層11
を形成する。次いで、異方性エッチングにより第2のコ
レクタ・ベース分離絶縁膜5をエッチングし、等方性エ
ッチングにより第1のコレクタ・ベース分離絶縁膜4を
エッチングする。そして、選択エピタキシャル成長によ
り第1の低濃度n型コレクタ層3上に、第3の低濃度n
型コレクタ層12を形成し、次いで、第2のコレクタ・
ベース分離絶縁膜5を等方性エッチングによりエッチン
グする。その後、選択エピタキシャル成長により第3の
低濃度n型コレクタ層12上に真性ベース13を、第2
のコレクタ・ベース分離絶縁膜5上とベース引き出し層
7のせりだしの下部のみに外部ベース層14を形成す
る。このときのエピタキシャル成長の条件は実施例1に
示した条件と同様である。
【0057】図1に示した実施例1との相違は、高濃度
p型シリコン・ゲルマニウムからなる真性ベース13の
上に、低濃度p型シリコンからなるキャップ層41を、
またp型多結晶シリコン・ゲルマニウムからなる外部ベ
ース層14の上に低濃度p型多結晶シリコン層42をそ
れぞれ選択成長したことである。その後、第3のエミッ
タ・ベース分離絶縁膜15で外部ベース層14および4
2を覆った後、高濃度n型多結晶シリコンからなるエミ
ッタ電極16を堆積し、アニールを行うことによって低
濃度キャップ層41内にエミッタ領域17を形成する。
最後に実施例1と同様に絶縁膜19を堆積し、エミッタ
・ベースおよびコレクタ部分に開口部を形成し、電極1
9を形成すると図10に示した構造になる。
【0058】なお、上記バイポーラトランジスタにおい
て、低濃度キャップ層に単結晶シリコン・ゲルマニウム
を用いても良い。以下の実施例でも、この層に関しては
同様である。
【0059】ここで、上記のように形成したバイポーラ
トランジスタのゲルマニウム組成比および不純物プロフ
ァイルを図11に、エネルギーバンド図を図12にそれ
ぞれ示す。図11(a)から分かるように、実施例1の
図3と同様にゲルマニウムはベース層だけでなくコレク
タ領域にも含まれているため、エミッタから注入された
キャリアは、障壁の影響を受けることなくコレクタへ達
することが出来る。また、図11(b)に示すように、
真性ベースの上に低濃度キャップ層を設けているため、
エミッタ・ベース接合における不純物濃度が図3に示し
た実施例1よりも低くなっている。その結果、エミッタ
・ベース接合におけるトンネル電流を低減することが出
来る。また、エミッタ・ベース界面のベース側のバンド
ギャップがエミッタ側よりも小さくなるため、ベースか
らエミッタへ注入されるホールに対するエネルギー障壁
が、エミッタからベースへと注入される電子に対するエ
ネルギー障壁よりも大きくなる。このため、バイポーラ
トランジスタの電流増幅率が増加する。
【0060】本実施例により、実施例1の効果に加え
て、バイポーラトランジスタの電流増幅率が向上できる
ため、トランジスタのさらなる高速動作が可能となる。
また、エミッタ・ベース接合の不純物濃度を低減できる
ことから、エミッタ・ベース間の耐圧を上げることがで
き、このトランジスタを用いた回路の特性を向上させる
ことができる。
【0061】<実施例3>図13は、本発明に係るバイ
ポーラトランジスタの第3の実施例を示す断面構造図で
ある。本実施例の構造のバイポーラトランジスタの製造
方法は以下の通りである。実施例1と同様の方法により
エミッタ開口部,第3の低濃度n型コレクタ層12,p
型真性ベース層13およびp型外部ベース層14を形成
する。外部ベース14を覆うように第3のエミッタ・ベ
ース分離絶縁膜15を形成した後、エピタキシャル成長
によってエミッタ層43を形成し、その後エミッタ電極
となる高濃度n型多結晶シリコン16と絶縁膜18を堆
積し、絶縁膜のエミッタ・ベースおよびコレクタ部分に
開口部を形成して電極19を形成すると図13に示した
断面構造が得られる。
【0062】本実施例では、エミッタ層中の不純物濃度
をエミッタ・ベース界面で小さくすることにより、ベー
ス領域でのリーク電流を低減することができ、実施例2
と同様な効果が得られる。また、エミッタ層をエピタキ
シャル成長を用いて形成するため、エミッタ層中の不純
物濃度,膜厚の制御性が良くなり、トランジスタの性能
ばらつきを低減することができる。
【0063】さらに、エミッタ・ベース界面の面積を低
減することができるため、エミッタ・ベース間容量を低
減することができ、このトランジスタを用いた回路の特
性を向上させることができる。
【0064】<実施例4>図14は、本発明に係るバイ
ポーラトランジスタの第4の実施例を示す断面構造図で
ある。本実施例の構造のバイポーラトランジスタの製造
方法は以下の通りである。実施例2と同様の方法により
エミッタ開口部,第3の低濃度n型コレクタ層12,p
型真性ベース層13およびp型外部ベース層14,低濃
度p型キャップ層41,第3のエミッタ・ベース分離絶
縁膜15を形成する。その後、実施例3と同様にエピタ
キシャル成長によってエミッタ層43を形成することに
より、エミッタ層中の不純物濃度,膜厚の制御性が良く
なり、トランジスタの性能ばらつきを低減することがで
きる。従って実施例3と同様に、本実施例のトランジス
タを用いた回路の特性を向上させることができる。
【0065】<実施例5>図15は、本発明に係るバイ
ポーラトランジスタの第5の実施例を示す図であり、同
図(a)はトランジスタのゲルマニウム組成比、同図
(b)は不純物濃度プロファイルをそれぞれ示す特性線
図である。トランジスタの構造は、図1,図10,図1
3,図14に示したものが全て適用可能であり、本実施
例では断面構造は省略するが、以下の説明における参照
符号は、例えば図1の断面構造図を参照すればよい。な
お、後述する実施例6〜10においても同様である。
【0066】図15(a)に示すように、本実施例のト
ランジスタの真性ベース層におけるゲルマニウム組成比
は、コレクタ側からエミッタ側に向かうに従って小さく
してある。このときのエネルギーバンド構造を、図16
に示す。図16から分かるように、ベース層において、
ゲルマニウム組成比に対応してエネルギーバンドに傾斜
をつけることができる。これにより、エミッタから注入
されたキャリアは傾斜型エネルギーバンドに起因する電
界によってベース層中で加速されるため、トランジスタ
のより一層の高速動作が可能となる。その結果、このト
ランジスタを用いることによって、実施例1,実施例
2、実施例3および実施例4で述べた効果に加えて、さ
らに回路の特性を向上させることができる。
【0067】<実施例6>図17は、本発明に係るバイ
ポーラトランジスタの第6の実施例を示す図であり、同
図(a)はトランジスタのゲルマニウム組成比、同図
(b)は不純物濃度プロファイルをそれぞれ示す特性線
図である。トランジスタの構造は、図1,図10,図1
3,図14に示したものが全て適用可能であり、実施例
5と同様に断面構造図は省略する。
【0068】図17(a)に示すように、本実施例のト
ランジスタの真性ベース層におけるゲルマニウム組成比
は、コレクタ側からエミッタ側に向かうに従って小さく
してあるが、エミッタ側でゲルマニウム組成比を0%ま
で下げない。このときのエネルギーバンド構造を、図1
8に示す。図18から分かるように、ベース層のエネル
ギーバンドの傾斜に加え、エミッタ・ベース接合のエネ
ルギー障壁が小さくなっている。これにより、エミッタ
から注入されたキャリアは傾斜型エネルギーバンドに起
因する電界によってベース層中で加速されると共に、エ
ミッタからベースへのキャリアの注入も増加するため、
トランジスタのより一層の高速動作が可能となる。その
結果、このトランジスタを用いることによって、実施例
5の効果に加えて、さらに回路の特性を向上させること
ができる。
【0069】<実施例7>図19は、本発明に係るバイ
ポーラトランジスタの第7の実施例を示す図であり、同
図(a)はトランジスタのゲルマニウム組成比、同図
(b)は不純物濃度プロファイルをそれぞれ示す特性線
図である。トランジスタの構造は、図1,図10,図1
3,図14に示したものが全て適用可能であり、実施例
5と同様に断面構造図は省略する。
【0070】図19(a)に示すように、本実施例のト
ランジスタの低濃度n型コレクタ層におけるゲルマニウ
ム組成比は、コレクタ側からエミッタ側に向かうに従っ
て大きくした領域を設けてある。このときのエネルギー
バンド構造を、図20に示す。図20から分かるよう
に、コレクタ・ベース間の空乏層内にエネルギー障壁は
全く生じない。これにより、エミッタから注入されたキ
ャリアはエネルギー障壁の影響を全く受けずに空乏層で
加速され、コレクタ層へと到達するため、トランジスタ
のより一層の高速動作が可能となる。その結果、このト
ランジスタを用いることによって、実施例6の効果に加
えて、さらに回路の特性を向上させることができる。
【0071】<実施例8>図21は、本発明に係るバイ
ポーラトランジスタの第8の実施例を示す図であり、同
図(a)はトランジスタのゲルマニウム組成比、同図
(b)は不純物濃度プロファイルをそれぞれ示す特性線
図である。トランジスタの構造は、図1,図10,図1
3,図14に示したものが全て適用可能であり、実施例
5と同様に断面構造図は省略する。
【0072】図21(a)に示すように、本実施例のト
ランジスタの低濃度n型コレクタ層におけるゲルマニウ
ム組成比は、コレクタ側からエミッタ側に向かうに従っ
て大きくしてある。このときのエネルギーバンド構造
を、図22に示す。図22から分かるように、第7の実
施例と同様に、コレクタ・ベース間の空乏層内にエネル
ギー障壁は全く生じないため、エミッタから注入された
キャリアはエネルギー障壁の影響を全く受けずに空乏層
で加速され、コレクタ層へと到達することができ、トラ
ンジスタのより一層の高速動作が可能となる。実施例7
と異なる点は、コレクタ側のゲルマニウム組成比を低濃
度n型コレクタ層と真性ベース層の歪みに起因する欠陥
の入らない最大量以下としており、結晶欠陥によるリー
ク電流を低減できることである。その結果、このトラン
ジスタを用いることによって、実施例7の効果に加え
て、さらに回路の特性を向上させることができる。
【0073】<実施例9>図23は、本発明に係るバイ
ポーラトランジスタの第9の実施例を示す図であり、同
図(a)はトランジスタのゲルマニウム組成比、同図
(b)は不純物濃度プロファイルをそれぞれ示す特性線
図である。トランジスタの構造は、図1,図10,図1
3,図14に示したものが全て適用可能であり、実施例
5と同様に断面構造図は省略する。
【0074】図23(a)に示すように、本実施例のト
ランジスタの真性ベース層および低濃度n型コレクタ層
におけるゲルマニウム組成比は、コレクタ側からエミッ
タ側に向かうに従って小さくしてある。このときのエネ
ルギーバンド構造を、図24に示す。ベース層中のエネ
ルギーバンドの傾斜に加え、コレクタ・ベース間の空乏
層においてもエネルギーバンドに傾斜をつけることがで
きるうえ、結晶欠陥によるリーク電流を低減できる。そ
の結果、このトランジスタを用いることによって、実施
例6の効果に加えて、さらに回路の特性を向上させるこ
とができる。
【0075】<実施例10>図25は、本発明に係るバ
イポーラトランジスタの第10の実施例を示す図であ
り、同図(a)はトランジスタのゲルマニウム組成比、
同図(b)は不純物濃度プロファイルをそれぞれ示す特
性線図である。トランジスタの構造は、図1,図10,
図13,図14に示したものが全て適用可能であり、実
施例5と同様に断面構造図は省略する。
【0076】図25(a)に示すように、本実施例のト
ランジスタの真性ベース層および低濃度n型コレクタ層
におけるゲルマニウム組成比は、コレクタ側からエミッ
タ側に向かうに従って増加し、途中から減少した後に、
真性ベース中でも減少するプロファイルである。このと
きのエネルギーバンド構造を、図26に示す。図26か
ら分かるように、エミッタから注入されたキャリアは、
真性ベース中で加速されると共に、コレクタ・ベース間
空乏層内でもバンドギャップの変化分だけ余計に加速さ
れ、さらにエネルギー障壁も存在しない。その結果、こ
のトランジスタを用いることによって、実施例9の効果
に加えて、さらに回路の特性を向上させることができ
る。
【0077】<実施例11>図27は本発明に係る第1
1の実施例を示す図であり、光伝送システムに用いられ
る前置増幅回路の回路図である。周知のとおり、光伝送
システムは数十Gbpsの高速伝送が必要であり、その前置
増幅回路は特に高速動作が要求される。従って、この増
幅回路を構成するトランジスタとして本発明によるトラ
ンジスタを採用することにより、増幅回路全体での性能
を著しく向上することができる。
【0078】図27において、符号300は単一の半導
体基板上に形成された前置増幅回路を構成する半導体集
積回路を示し、この半導体集積回路300の入力端子I
NにはフォトダイオードPDが外付けされ、電源端子3
01と接地端子302間にはデカップリング容量303
が外付けされている。フォトダイオードPDは光伝送ケ
ーブルを通して送信されてくる光信号を受ける受光素子
であり、デカップリング容量303は電源ラインと接地
ラインとの間の交流成分をショートするための容量であ
る。
【0079】バイポーラトランジスタQ1及びQ2は、
増幅回路を構成するバイポーラトランジスタであり、実
施例1〜10で説明した構造を有する本発明に係るバイ
ポーラトランジスタのいずれでも好適に用いることがで
きる。ダイオードD1はレベルシフト用ダイオードであ
り、本発明に係るバイポーラトランジスタのベース・コ
レクタ間を短絡して形成してもよく、また、必要に応じ
て複数個のダイオードを直接接続して適用することも可
能である。また、必要に応じて出力端子OUTとトラン
ジスタQ2のエミッタとの間に出力用バッファ回路が挿
入される。
【0080】本実施例の光伝送システム用前置増幅回路
を構成する半導体集積回路300は、光伝送ケーブルを
介して伝送されてきた光信号がフォトダイオードPDに
より変換された電気信号を入力端子INの入力として、
この入力された電気信号を増幅用トランジスタQ1及び
Q2により増幅して出力端子OUTから出力するように
動作する。実施例1〜10で説明した本発明に係るいず
れかのバイポーラトランジスタを用いることにより、本
実施例の前置増幅回路は40GHz以上の帯域特性を実
現することができる。
【0081】ここで、フォトダイオードPD及び前置増
幅回路が実装基板に集積された光伝送システムのフロン
トエンドモジュールの断面図を、図28に示す。図28
において、符号401は光ファイバー、402はレン
ズ、403はフォトダイオード、404は前置増幅器が
形成された半導体集積回路を示し、フォトダイオード4
03及び前置増幅器IC404が基板407に実装さ
れ、フォトダイオード403及び前置増幅器IC404
はダイオード及び増幅器等を接続する配線405を介して
出力端子406に接続されている。また、基板407は
金属ケースなどの気密封止パッケージ408内に収納さ
れている。図示していないが、基板407上には図27に
示すコンデンサ303も実装されている。このように、
フロントエンドを構成するフォトダイオード及び前置増
幅器を同一のモジュールに構成することにより、信号経
路を短くすることができノイズが乗りにくく寄生のL成
分(インダクタ成分)やC成分(容量成分)も小さく抑
えることができる。
【0082】図28に示したフロントモジュールにおい
て、光ファイバー401から入力した光信号はレンズ4
02により集光され、フォトダイオード403で電気信
号に変換される。この電気信号は、基板407上の配線
405を通して前置増幅器IC404で増幅され出力端
子406から出力される。
【0083】図29及び図30には、図28及び図29
に示した前置増幅器及びフロントエンドモジュールを利
用した光伝送システムのシステム構成図を示す。
【0084】図29は、光伝送システムの送信モジュー
ル500を示している。伝送すべき電気信号501はマ
ルチプレクサMUXに入力され、例えば4:1などに多
重化され、その出力信号がドライバ502に伝達され
る。半導体レーザーLDは常時一定の強度の光を出力し
ており、ドライバ502により駆動される外部変調器5
03がドライバ502の出力に応じて光を吸収あるいは
非吸収して光ファイバー504に伝送するよう構成され
ている。図29に示した送信モジュールは、いわゆる外
部変調型と呼ばれるものである。これに変えて、半導体
レーザーLDの発光を直接制御する直接変調型を採用す
ることも可能であるが、一般的に外部変調型での送信の
ほうがチャープによるスペクトル発振の広がりがなく、
高速,長距離の伝送に適する。
【0085】図30は、光伝送システムの光受信型モジ
ュール510を示している。図30において、符号52
0はフロントエンドモジュール部を示し、このフロント
エンドモジュール部520は、光ファイバー544を介
して伝送されて来る光信号を受光して電気信号に変換出
力する受光器521と、受光器出力を増幅するプリアン
プ522とから構成される。プリアンプ522により増
幅された電気信号は、メインアンプ部530に入力され
増幅される。メインアンプ部530は、光伝送の距離や
製造偏差によるばらつきを避け、出力を一定に保つた
め、メインアンプ532の出力が帰還される自動利得調
整器(AGC)531に入力されるよう構成されている。
なお、メインアンプ部530は利得を調整する構成の
他、出力振幅を制限するリミットアンプを採用すること
もできる。識別器540は所定のクロックに同期して1
ビットのアナログ/ディジタル変換を行うよう構成さ
れ、メインアンプ部530の出力をディジタル化し、分
離器(DMUX)570により例えば1:4に分離されて
後段のディジタル信号処理回路560に入力され、所定
の処理が行われる。
【0086】クロック抽出部550は、識別器540及
び分離器(DMUX)570の動作タイミングを制御する
ためのクロックを、変換した電気信号から形成するため
のものであり、メインアンプ部530の出力を全波整流
器551により整流し、帯域の狭いフィルタ552によ
りフィルタリングしてクロック信号となる信号を抽出す
る。フィルタ552の出力は、位相器553に入力され
る。この位相器553は、フィルタ出力とアナログ信号
の位相を合わせるための位相器であり、予め定められた
遅延量に基づきフィルタ出力を遅延させるものである。
位相器553の出力は、リミットアンプ554を介して
識別器540と分離器(DMUX)570へ入力される。
【0087】ここで述べた光通信システムにおいては、
その各所に先の実施例1〜10に述べた構成の本発明に
係るバイポーラトランジスタを用いて回路を構成するこ
とができる。また、同様にメインアンプ532を構成す
る回路も、図27に示した回路により構成することが可
能である。
【0088】前記実施例に従って製造した本発明に係る
バイポーラトランジスタは、遮断周波数fT、及び最大
遮断周波数fmaxが100GHzと高速動作が可能な
ため、1秒当たり40Gビットと大容量の信号を高速で
送受信することができる。また、従来このような高速動
作が必要な回路については、シリコンバイポーラトラン
ジスタに比べ動作速度が速いGaAsトランジスタを用
いる必要があった。しかし、このような回路に対して、
本発明に係る安価なシリコンバイポーラトランジスタを
用いることができるため、光伝送システム全体のコスト
を低減することが可能となる。
【0089】<実施例12>図31は本発明に係る第1
2の実施例を示す図であり、本発明に係るバイポーラト
ランジスタを適用する移動体無線携帯機のブロック構成
図である。本実施例は、前記1〜10で説明した本発明
に係るバイポーラトランジスタを、低雑音増幅器60
3,シンセサイザー606,フェーズ・ロックド・ルー
プ(Phase LockedLoop:PLL)611等の移動体無線
携帯機の各ブロックを構成する回路に適用した例であ
る。
【0090】図31に示した本実施例の移動体無線携帯
機は、次のように動作する。アンテナ601からの入力
を低雑音増幅器603で増幅し、シンセサイザー606
から発した周波数を発振器605から発振させ、低雑音
増幅器603からの信号を発振器605から発振した信
号を用いて、ダウンミキサ604でより低い周波数へダ
ウンコンバージョンする。さらに、PLL611から発
した周波数を発振器610から発振させ、ダウンミキサ
604からの信号を発振器610から発振した信号を用
いて、復調器609で復調し、より低周波を扱うベース
バンドユニット613で信号処理を行う。また、ベース
バンドユニット613から発せられた信号は、変調器6
12でPLL611からの信号を用いて変調され、さら
に、アップミキサ608においてシンセサイザー606
からの信号を基に高周波へアップコンバートされた後、
電力増幅器607により増幅されてアンテナ601より
送信される。ここで、スイッチ602は信号の送信・受
信を切り換えるスイッチであり、ベースバンドユニット
613から図示しない制御信号を受けて、その送信・受
信が制御される。さらに、ベースバンドユニット613
には図示しないスピーカ,マイク等が接続され音声信号
の入出力が可能とされている。
【0091】本実施例の移動体無線携帯機を構成する図
31に示した各ブロック、特に低雑音増幅器603,シ
ンセサイザー606およびPLL611のブロックに、
前記実施例1〜10で説明した本発明に係るいずれかの
バイポーラトランジスタを適用して、それぞれの回路を
構成することができる。本発明によるトランジスタは、
ベース抵抗及びコレクタ・ベース間容量の低減が可能で
あるため、低雑音増幅器603,シンセサイザー606
およびPLL611において、低雑音化と低消費電力化
が図れる。これにより、システム全体として低雑音かつ
長時間使用可能な移動体無線携帯機を実現することがで
きる。
【0092】<実施例13>図32は本発明に係る第1
3の実施例を示す図であり、本発明に係るバイポーラト
ランジスタに適用する移動体無線携帯機のPLLのプリ
スケーラ用Dフリップフロップの回路図である。
【0093】本実施例は、前述の実施例1〜10で説明
した本発明に係るバイポーラトランジスタを図32に示
した回路上のトランジスタ701から712に用いた例
である。
【0094】このDフリップフロップ回路の入力信号と
クロック信号及び出力信号は、高電位と低電位の2状態
のみを有する。入力信号と反転入力信号をそれぞれ端子
719と端子720に、また、クロック信号と反転クロッ
ク信号をそれぞれ端子721と端子722に入力し、端
子723と端子724より出力信号と反転出力信号を得
る。電流源718と719を流れる電流経路は、クロッ
ク信号によりそれぞれトランジスタ709か710,7
11か712のいずれかに切り換わる。さらに、トラン
ジスタ701から706のオンオフは入力信号とクロッ
ク信号及び抵抗713と714を流れる電流によって生
じる抵抗下端の電位により決定される。本回路において
は出力信号は、クロック信号が低電位から高電位に変化
した場合に入力値を出力し、それ以外の場合、前入力値
を保持する。
【0095】前記実施例1〜10で説明した本発明に係
るいずれかのバイポーラトランジスタを適用して、それ
ぞれの回路を構成することができる。本発明によるトラ
ンジスタは、ベース抵抗及びコレクタ・ベース間容量の
低減が可能であるため、移動体無線携帯機のPLLの低
消費電力化が図れる。
【0096】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更
をなし得ることはもちろんである。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、真
性ベースと外部ベースが外部ベースの表面の凹凸に関係
なく接続されることから、ベース抵抗が低減でき、外部
ベースの面積を縮小できることから、コレクタ・ベース
間容量が低減できる。これによりバイポーラトランジス
タを用いた回路の高速動作が可能となる。また、ベース
抵抗のばらつきが低減できるため、回路動作の高性能化
が可能となる。更に、エミッタ・ベース・コレクタを自
己整合的に形成するため、エミッタ・ベース及びコレク
タ・ベース間容量を低減でき、バイポーラトランジスタ
を用いた回路の高速動作が可能となる。
【0098】すなわち、本発明に係るバイポーラトラン
ジスタ及びその製造方法によれば、エミッタ・ベース間
容量の低減,コレクタ・ベース間容量の低減,ベース抵
抗の低減、さらにはベース抵抗のばらつきの低減が可能
となり、高速かつ高周波で動作可能なバイポーラトラン
ジスタを構成することが可能となる。従って、特に高速
動作が必要とされる回路やシステムに本発明によるバイ
ポーラトランジスタを用いることで、回路及びシステム
全体での性能の向上を図かることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るバイポーラトラン
ジスタの断面図。
【図2】従来例のバイポーラトランジスタの断面図。
【図3】図1のトランジスタのゲルマニウム組成比及び
不純物濃度プロファイルを示す特性線図。
【図4】図3に示したプロファイルのトランジスタのエ
ネルギーバンド図。
【図5】図1に示したトランジスタの活性領域の製造方
法を工程順に示す断面図。
【図6】図5の次の工程以降を順に示す断面図。
【図7】シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜上に選択
的に成長できる単結晶シリコン・ゲルマニウムの最大膜
厚とゲルマニウム組成比との関係を示す特性線図。
【図8】シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜上に選択
的に単結晶シリコン・ゲルマニウムを成長できるHCl
流量の割合とゲルマニウム組成比との関係を示す特性線
図。
【図9】シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜上に選択
的に成長できる単結晶シリコン・ゲルマニウムの最大膜
厚とゲルマニウム組成比との関係を示す特性線図。
【図10】本発明の第2の実施例に係るバイポーラトラ
ンジスタの断面図。
【図11】図10のトランジスタのゲルマニウム組成比
及び不純物濃度プロファイルを示す特性線図。
【図12】図11に示したプロファイルのトランジスタ
のエネルギーバンド図。
【図13】本発明の第3の実施例に係るバイポーラトラ
ンジスタの断面図。
【図14】本発明の第4の実施例に係るバイポーラトラ
ンジスタの断面図。
【図15】本発明の5の実施例に係るバイポーラトラン
ジスタの示すゲルマニウム組成比及び不純物濃度プロフ
ァイルを示す特性線図。
【図16】図15に示したプロファイルを有するトラン
ジスタのエネルギーバンド図。
【図17】本発明の第6の実施例に係るバイポーラトラ
ンジスタの示すゲルマニウム組成比及び不純物濃度プロ
ファイルを示す特性線図。
【図18】図17に示したプロファイルを有するトラン
ジスタのエネルギーバンド図。
【図19】本発明の第7の実施例に係るバイポーラトラ
ンジスタの示すゲルマニウム組成比及び不純物濃度プロ
ファイルを示す特性線図。
【図20】図19に示したプロファイルを有するトラン
ジスタのエネルギーバンド図。
【図21】本発明の第8の実施例に係るバイポーラトラ
ンジスタの示すゲルマニウム組成比及び不純物濃度プロ
ファイルを示す特性線図。
【図22】図21に示したプロファイルを有するトラン
ジスタのエネルギーバンド図。
【図23】本発明の第9の実施例に係るバイポーラトラ
ンジスタの示すゲルマニウム組成比及び不純物濃度プロ
ファイルを示す特性線図。
【図24】図23に示したプロファイルを有するトラン
ジスタのエネルギーバンド図。
【図25】本発明の第10の実施例に係るバイポーラト
ランジスタの示すゲルマニウム組成比及び不純物濃度プ
ロファイルを示す特性線図。
【図26】図25に示したプロファイルを有するトラン
ジスタのエネルギーバンド図。
【図27】本発明の第11の実施例に係る光伝送システ
ムに用いる前置増幅回路の回路図。
【図28】図27に示した前置増幅回路を実装した光伝
送システムのフロントエンドモジュールの断面図。
【図29】図27及び図28に示した回路及びモジュー
ルを利用した光伝送システムの送信側モジュールのブロ
ック図。
【図30】図27及び図28に示した回路及びモジュー
ルを利用した光伝送システムの受信側モジュールのブロ
ック図。
【図31】本発明の第12の実施例に係る移動体無線携
帯機のブロック構成図。
【図32】本発明の第13の実施例に係る移動体無線携
帯機のPLLのプリスケーラ用Dフリップフロップの回
路図。
【符号の説明】
1,21…シリコン基板、2,22…高濃度n型埋込
層、3,11,23,30…低濃度n型コレクタ層(単
結晶シリコン)、4,5,5a,24…コレクタ・ベー
ス分離絶縁膜、6,25…コレクタ引き出し層(高濃度
n型単結晶シリコン)、7,7a,26…ベース引き出
し層(p型多結晶シリコンもしくは多結晶シリコン・ゲ
ルマニウム)、8,27…コレクタ引き出し層(高濃度
n型多結晶シリコン)、9,10,15,28,29,
33…エミッタ・ベース分離絶縁膜、12…低濃度n型
コレクタ層(単結晶シリコン・ゲルマニウム)、13,
31…真性ベース層(p型単結晶シリコン・ゲルマニウ
ム)、14,32,42…p型外部ベース層(多結晶シ
リコンもしくは多結晶シリコン・ゲルマニウム)、1
6,34…エミッタ引き出し層(高濃度n型多結晶シリ
コン)、17,35…エミッタ領域、18,36…絶縁
膜、19,37…電極、41…低濃度p型キャップ層
(単結晶シリコンもしくは単結晶シリコン・ゲルマニウ
ム)、43…エミッタ層(単結晶シリコンもしくは単結
晶シリコン・ゲルマニウム)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/165 H03F 3/08

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型単結晶シリコン層と、上記第1
    導電型単結晶シリコン層表面上に設けられた開口部を有
    する第1の絶縁膜と第2の絶縁膜と前記第1導電型と反
    対導電型の第2導電型多結晶層と第3の絶縁層とからな
    る多層膜と、前記開口部に設けられた第1導電型単結晶
    シリコン・ゲルマニウム層と、上記第1導電型単結晶シ
    リコン・ゲルマニウム層上に設けられた第2導電型単結
    晶シリコン・ゲルマニウム層と、上記第2導電型単結晶
    シリコン・ゲルマニウム層と第2の絶縁膜と第2導電型
    多結晶層とのいずれとも接して設けられた第2導電型多
    結晶シリコン・ゲルマニウム層とを少なくとも有し、前
    記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層が第2の
    絶縁膜と第2導電型結晶シリコン・ゲルマニウム層のみ
    を介して接触することを特徴とするバイポーラトランジ
    スタ。
  2. 【請求項2】前記第2導電型多結晶層は、多結晶シリコ
    ン層又は多結晶シリコン・ゲルマニウム層である請求項
    1記載のバイポーラトランジスタ。
  3. 【請求項3】前記第2導電型多結晶シリコン・ゲルマニ
    ウム層の最も厚い部分の厚さが少なくとも5nmである
    請求項1または請求項2に記載のバイポーラトランジス
    タ。
  4. 【請求項4】前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニ
    ウム層上に設けられ、かつ第2導電型単結晶シリコン・
    ゲルマニウム層よりも不純物濃度の低い第2の第2導電
    型単結晶層を更に設けてなる請求項1〜3のいずれか1
    項に記載のバイポーラトランジスタ。
  5. 【請求項5】前記第2の第2導電型単結晶層は、単結晶
    シリコン層または単結晶シリコン・ゲルマニウム層であ
    る請求項4記載のバイポーラトランジスタ。
  6. 【請求項6】前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニ
    ウム層上に設けられた第2の第1導電型単結晶層を更に
    設けてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイポ
    ーラトランジスタ。
  7. 【請求項7】前記第2の第1導電型単結晶層は、単結晶
    シリコン層または単結晶シリコン・ゲルマニウム層であ
    る請求項6記載のバイポーラトランジスタ。
  8. 【請求項8】前記第2の絶縁膜はシリコン窒化膜である
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のバイポーラトラン
    ジスタ。
  9. 【請求項9】前記第3の絶縁膜はシリコン酸化膜である
    請求項1〜8のいずれか1項に記載のバイポーラトラン
    ジスタ。
  10. 【請求項10】前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマ
    ニウム層中のゲルマニウムの組成比が、前記第1導電型
    単結晶シリコン層側から表面に向かうに従い減少してな
    る請求項1〜9のいずれか1項に記載のバイポーラトラ
    ンジスタ。
  11. 【請求項11】前記第1導電型単結晶シリコン・ゲルマ
    ニウム層中のゲルマニウムの組成比が、前記第1導電型
    単結晶シリコン層側から表面に向かうに従い増加してな
    る請求項1〜10のいずれか1項に記載のバイポーラト
    ランジスタ。
  12. 【請求項12】前記第1導電型単結晶シリコン・ゲルマ
    ニウム層中のゲルマニウムの組成比が、前記第1導電型
    単結晶シリコン層側から表面に向かうに従い増加し、表
    面側でゲルマニウム組成比が一定となる領域を有する請
    求項1〜10のいずれか1項に記載のバイポーラトラン
    ジスタ。
  13. 【請求項13】前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマ
    ニウム層および前記第1導電型単結晶シリコン・ゲルマ
    ニウム層中のゲルマニウムの組成比が前記第1導電型単
    結晶シリコン層側から表面に向かうに従い減少し、その
    傾きが前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム中
    と前記第1導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層中と
    で異なる請求項1〜9のいずれか1項に記載のバイポー
    ラトランジスタ。
  14. 【請求項14】前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマ
    ニウム層および前記第1導電型単結晶シリコン・ゲルマ
    ニウム層中のゲルマニウムの組成比が前記第1導電型単
    結晶シリコン層側から表面に向かうに従い減少し、その
    傾きが前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム中
    と前記第1導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層中と
    で異なり、さらに前記第1導電型単結晶シリコン側で上
    記第1導電型単結晶シリコン側から表面に向かうに従っ
    てゲルマニウム組成比が増加する領域を有する請求項1
    〜9のいずれか1項に記載のバイポーラトランジスタ。
  15. 【請求項15】第1導電型単結晶シリコン層と、上記第
    1導電型単結晶シリコン層表面上に設けられた開口部を
    有する第1の絶縁膜と第2の絶縁膜と前記第1導電型と
    反対導電型の第2導電型多結晶層と第3の絶縁層とから
    なる多層膜と、前記開口部に設けられた第1導電型単結
    晶シリコン・ゲルマニウム層と、上記第1導電型単結晶
    シリコン・ゲルマニウム層上に設けられた第2導電型単
    結晶シリコン・ゲルマニウム層と、上記第2導電型単結
    晶シリコン・ゲルマニウム層と第2の絶縁膜と第2導電
    型多結晶層とのいずれとも接して設けられた第2導電型
    多結晶シリコン・ゲルマニウム層と、を少なくとも有
    し、前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層が
    第2の絶縁膜と第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウ
    ム層のみを介して接触することを特徴とするバイポーラ
    トランジスタの製造方法であって、 前記第2導電型単結晶シリコン・ゲルマニウム層を形成
    する工程が、エピタキシャル成長によって形成する工程
    であって、前記エピタキシャル成長を、成長時の温度が
    500℃〜700℃で、かつ、成長時の圧力が100P
    aを超えない条件で行うことを特徴とするバイポーラト
    ランジスタの製造方法。
  16. 【請求項16】光信号を受け電気信号を出力する受光素
    子と、上記受光素子からの電気信号を受ける第1の増幅
    回路と、上記第1の増幅回路の出力を受ける第2の増幅
    回路と、所定のクロック信号に同期して前記第2の増幅
    回路の出力をディジタル信号に変換する識別器とを有す
    る光受信システムであって、 前記第1の増幅回路は、前記受光素子にそのベースが接
    続された第1のバイポーラトランジスタと、上記第1の
    バイポーラトランジスタのコレクタにベースが接続され
    ると共にコレクタが前記第2の増幅回路の入力に接続さ
    れた第2のバイポーラトランジスタを有し、前記第1又
    は第2のバイポーラトランジスタの少なくとも一つが請
    求項1〜14のいずれか1項に記載のバイポーラトラン
    ジスタにより構成されたことを特徴とする光受信システ
    ム。
  17. 【請求項17】前記第1および第2のバイポーラトラン
    ジスタのいずれもが、請求項1〜14のいずれか1項に
    記載のバイポーラトランジスタにより構成されてなる請
    求項16記載の光受信システム。
  18. 【請求項18】前記第1および第2のバイポーラトラン
    ジスタが単一の半導体チップ上に形成されると共に、上
    記半導体チップと前記受光素子とが単一の基板上に実装
    されてなる請求項16又は請求項17記載の光受信シス
    テム。
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