JPH11204139A - イオン型リチウムポリマー二次電池 - Google Patents

イオン型リチウムポリマー二次電池

Info

Publication number
JPH11204139A
JPH11204139A JP10014994A JP1499498A JPH11204139A JP H11204139 A JPH11204139 A JP H11204139A JP 10014994 A JP10014994 A JP 10014994A JP 1499498 A JP1499498 A JP 1499498A JP H11204139 A JPH11204139 A JP H11204139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
positive electrode
secondary battery
battery
carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10014994A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Yamamoto
真裕 山本
Tooru Mangahara
徹 萬ヶ原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Battery Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Battery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Battery Co Ltd filed Critical Furukawa Battery Co Ltd
Priority to JP10014994A priority Critical patent/JPH11204139A/ja
Publication of JPH11204139A publication Critical patent/JPH11204139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 引火し難く、たとえ引火した場合でも直ちに
消火が可能で安全性が高く、しかも放電容量の高いイオ
ン型リチウムポリマー二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウム含有酸化物を活物質として含む
正極と、電気化学的にリチウムを吸蔵・放出可能な炭素
材料を含む負極と、ゲル状高分子電解質を保持するセパ
レータとを備えたイオン型リチウムポリマー二次電池で
あって、前記ゲル状高分子電解質が、ポリフッ化ビニリ
デン樹脂を、4−トリフルオロメチルエチレンカーボネ
ートとジメチルカーボネートを主成分として含み、かつ
4−トリフルオロメチルエチレンカーボネートが25〜
65重量%の割合で配合されている混合有機溶媒中に1
種以上のリチウム塩を溶解してなる有機溶液でゲル化し
たものである、イオン型リチウムポリマー二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン型リチウムポ
リマー二次電池に関する。さらに詳しくは、引火し難
く、たとえ引火した場合であっても消火性に優れ、安全
性が高く、比較的高率の放電条件下でも液式のリチウム
二次電池と同等の放電容量を有するイオン型リチウムポ
リマー二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクス分野の急速な進
展により電子機器の高性能化、小型化、ポータブル化が
進み、これら電子機器に使用される再充電可能な高エネ
ルギー密度を有する二次電池の要求が強まっている。
【0003】従来、これらの電子機器に搭載される二次
電池としては、鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム二次電
池、ニッケル−水素二次電池等が用いられてきたが、近
年、さらに高いエネルギー密度を有するものが要求され
るようになってきた。特に最近、リチウムやリチウム合
金、あるいは電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出
可能な炭素材料等を活物質として負極に用い、これを正
極と組み合わせ電解液中に配設してなるリチウム二次電
池が研究・開発され、一部実用化されている。これらの
電池は電池電圧が高く、上述した従来の電池に比べ重量
および体積あたりのエネルギー密度が大きく、今後最も
期待される二次電池といわれている。
【0004】これらリチウム二次電池に使用される電解
液としては、従来、プロピレンカーボネート等の高誘電
率の有機溶媒とジエチルカーボネート等の低粘度の有機
溶媒とを含む混合溶媒にLiPF6やLiBF4等のリチ
ウム塩を溶解したものを用いている。しかしながら、上
記電解液は、可燃性、引火性、および燃焼性が高い有機
溶媒を用いるため、電池に釘などの導電物がささった
り、導電物による外部短絡などにより電池内圧が上昇し
て電解液が電池外に流出した場合、引火して火災になる
危険がある。
【0005】このような問題点を解決するため、種々の
ゲル状電解質(非水電解液)の開発・研究が数多くなさ
れているが、ゲル状電解質自体が可燃性であり、また、
ゲル状電解質中のリチウムイオンの移動度はゲル状電解
質の溶媒中でのリチウムイオン移動度に大きく依存する
ため、液式のイオン型リチウム二次電池と同等の電池特
性を得ようとするには、例えばジエチルカーボネートの
ような低粘度の溶媒を添加する必要がある。しかしなが
らこのような低粘度の溶媒は引火性が高いため、引火−
燃焼の問題が解決されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、その目的は、引火し難く、たとえ
引火した場合でも直ちに消火が可能で安全性が高く、さ
らに、比較的高率の放電条件下でも液式のイオン型リチ
ウム二次電池と同等の放電容量を有するイオン型リチウ
ムポリマー二次電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ゲル状電解質(非水
電解液)に自己消火性を有する特定のポリマーを特定量
配合することにより上記課題を解決し得るという知見を
得、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、リチウム含有酸化物を
活物質として含む正極と、電気化学的にリチウムを吸蔵
・放出可能な炭素材料を含む負極と、ゲル状高分子電解
質を保持するセパレータとを備えたイオン型リチウムポ
リマー二次電池であって、前記ゲル状高分子電解質が、
ポリフッ化ビニリデン樹脂を、下記式(I)
【0009】
【化2】
【0010】に示す4−トリフルオロメチルエチレンカ
ーボネートとジメチルカーボネートを主成分として含
み、かつ4−トリフルオロメチルエチレンカーボネート
が25〜65重量%の割合で配合されている混合有機溶
媒中に1種以上のリチウム塩を溶解してなる有機溶液で
ゲル化してなるものである、イオン型リチウムポリマー
二次電池に関する。
【0011】本発明のイオン型リチウムポリマー二次電
池は、引火し難く、たとえ引火した場合であっても直ち
に消火可能で、安全性に優れるとともに、例えば0.2
CA程度の比較的高率の放電条件下でも液式のイオン型
リチウム二次電池と同等の放電容量を有する。
【0012】
【実施の形態】以下、本発明について添付図面を参照し
ながら詳述する。
【0013】本発明のイオン型リチウムポリマー二次電
池は、リチウム含有酸化物を活物質として含む正極と、
電気化学的にリチウムを吸蔵・放出可能な炭素材料を含
む負極と、ゲル状高分子電解質を保持するセパレータと
を備える。
【0014】正極の活物質として用いられるリチウム含
有酸化物としては、α−NaCrO2構造を有するリチ
ウム含有酸化物、LiMn24の中から選択されるいず
れか1種以上が好ましく用いられる。α−NaCrO2
構造を有するリチウム含有酸化物としては、具体的には
LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2等のリチウム
含有複合酸化物等が例示される。
【0015】これらリチウム含有酸化物に、通常、人造
黒鉛、グラファイト粉末、カーボンブラック(例えばア
セチレンブラック等)等の導電材や、結着剤(例えばポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂(PVDF)、スチレンブタジエンゴム系
ポリマーやフッ素ゴム系ポリマー等)、その溶剤(例え
ばN−メチル−ピロリドン、酢酸エチル、テトラヒドロ
フラン、水等の、各結着材に適した溶剤)を添加して混
練、スラリー状にし、これをアルミニウム等正極の電位
範囲で安定な金属箔の両面に塗布した後、乾燥して溶剤
を除去し、エージングを行い正極を作製する。
【0016】負極に用いられる電気化学的にリチウムを
吸蔵・放出可能な炭素材料としては、例えば有機高分子
化合物(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリ
ル、セルロース等)を焼成してなる有機高分子焼成体、
コークスやピッチを焼成してなる焼成体、人造黒鉛、天
然黒鉛、グラッシーカーボン等が挙げられる。中でも電
位平坦性の観点から黒鉛材料が好ましい。
【0017】これらの炭素材料は、通常、結着剤(例え
ばポリイミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ス
チレンブタジエンゴム系ポリマーやフッ素ゴム系ポリマ
ー等)、その溶剤(例えばN−メチル−ピロリドン、酢
酸エチル、テトラヒドロフラン、水等の、各結着材に適
した溶剤)を添加して混練、スラリー状にし、これを銅
やニッケル等負極の電位範囲で安定な金属箔の両面に塗
布した後、乾燥して溶剤を除去し、加工して負極を作製
する。
【0018】本発明において、セパレータに保持される
ゲル状高分子電解質は、ポリフッ化ビニリデン樹脂を、
下記式(I)
【0019】
【化3】
【0020】に示す4−トリフルオロメチルエチレンカ
ーボネートとジメチルカーボネートとを主成分として含
む混合有機溶媒中に1種以上のリチウム塩を溶解してな
る有機溶液でゲル化したものであり、かつ該混合有機溶
媒中に4−トリフルオロメチルエチレンカーボネートが
25〜65重量%の割合で配合されている。
【0021】混合有機溶媒中の4−トリフルオロメチル
エチレンカーボネート配合量が25重量%未満では可塑
剤としての有機溶液の自己消火性が不十分となり、一
方、65重量%超ではゲル電解質のイオン伝導率が小さ
くなり、充放電電流が大きく制限されることとなる。
【0022】上記混合有機溶媒中に溶解されるリチウム
塩としては、LiClO4、LiBF4、LiPF6、L
iAsF6、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、
LiB(C654、LiN(SO2CF32、LiC
(SO2CF33、LiOSO2CF3等の有機リチウム
塩等が好ましく用いられる。特にはLiBF4、LiP
6、LiAsF6の中から選ばれる1種または2種以上
を用いたときにより一段と優れた本発明効果が得られる
ことがわかった。リチウム塩は1種を用いてもよく、あ
るいは2種以上を用いてもよい。
【0023】混合有機溶媒に対するリチウム塩の溶解量
は、リチウム二次電池としての機能を果たし得る量であ
れば特に限定されるものでないが、好ましくは0.5〜
1.8モル/l程度であり、特には0.7〜1モル/l
程度である。
【0024】上記混合有機溶媒は、本発明の質的、量的
効果を損なわない範囲において、相溶性のある他の有機
溶媒を含有していてもよい。このような溶媒としては、
非プロトン性極性溶媒等が代表的なものとして挙げられ
る。具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカ
ーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、ビニレンカーボネート、2メチル−γ−ブチロラク
トン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラク
トン等の環状エステル類;テトラヒドロフラン、アルキ
ルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラ
ン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテト
ラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−
1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等の環状
エーテル類;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエ
トキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコール
ジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキル
エーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等の
鎖状エーテル類;メチルエチルカーボネート、ジエチル
カーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルブ
チルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、エチ
ルブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ブチ
ルプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、プロ
ピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステ
ル、酢酸アルキルエステル等の鎖状エステル類;等が例
示される。
【0025】セパレータとしては、ポリプロピレンの微
多孔性フィルム等が好ましく用いられる。
【0026】セパレータにゲル状高分子電解質を保持さ
せる方法としては、常法によることができ、例えば、ま
ずポリフッ化ビニリデン樹脂をセパレータの孔内〜表面
全面に充填〜被覆させてセパレータを内装するベースポ
リマーシートを作製する。次いで、該ベースポリマーシ
ートを上記有機溶液に浸漬し、減圧・加圧を繰り返す等
によってべースポリマーシートを構成するポリフッ化ビ
ニリデン樹脂をゲル化し、セパレータを内装するゲル状
高分子電解質を得ることができる。
【0027】本発明のイオン型リチウムポリマー二次電
池は、上述のようにして正極、負極、セパレータを内装
するゲル状高分子電解質を用意した後、常法により製造
することができる。
【0028】本発明のイオン型リチウムポリマー二次電
池の一例(断面図)を図1に示す。図1において、符号
1はリチウム含有酸化物を活物質として含む正極、符号
2は電気化学的にリチウムを吸蔵・放出可能な炭素材料
を含む負極、符号3はゲル状高分子電解質を保持するセ
パレータをそれぞれ示す。
【0029】まず、正極1、負極2を、ゲル状高分子電
解質を保持するセパレータ3を介して、ゲル状高分子電
解質を保持するセパレータ−負極−ゲル状高分子電解質
を保持するセパレータ−正極の順に積層配置し、正極1
が内側になるように巻回して極板群を構成し、これを電
池缶4内に挿入する。そして正極1は正極リード5を介
して正極端子6に、負極2は負極リード7を介して電池
缶4にそれぞれ接続し、リチウムポリマー二次電池10
内部で生じた化学エネルギーを電気エネルギーとして外
部に取り出し得るようにする。次いで、電池缶4内に高
分子電解質ゲル化に用いた上記有機溶液を非水系電解液
8として極板群を覆うように充填した後、電池缶4の上
端(開口部)に、円形蓋板とその上部の正極端子6から
なり、その内部に安全弁機構を内臓した封口体9を、環
状の絶縁ガスケットを介して嵌め取り付けて、本発明の
イオン型リチウムポリマー二次電池10を製造すること
ができる。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるも
のではない。
【0031】(実施例1〜16、比較例1〜3、従来例
1〜3)
【0032】[正極の作製]正極活物質としてLiCo
2粉末、導電材として人造黒鉛粉末、結着剤としてポ
リフッ化ビニリデン樹脂、結着剤の溶剤としてN−メチ
ル−ピロリドンをホモジナイザーで攪拌混合してスラリ
ー状正極活物質合剤を得た。これをアルミニウム箔から
なる長尺の集電体の一方の面にスロットダイコーターを
用いて塗布した後、100℃のオーブンで乾燥し溶剤を
除去した。同様の方法で他方の面に合剤塗布、溶剤除去
し、集電体の両面を正極活物質合剤で被覆した。これを
ローラープレスで圧延処理し、正極活物質合剤の均一化
を行った後、真空オーブン中でエージングして水分を除
去し、正極を得た。
【0033】[負極の作製]リチウムイオンを電気化学
的に吸蔵・放出できる人造黒鉛粉末とスチレンブタジエ
ンゴム系樹脂および酢酸エチルとをホモジナイザーで攪
拌混合してスラリー状負極活物質合剤を得た。これを銅
箔からなる長尺の集電体にスロットダイコーターを用い
て一方の面に塗布した後、オーブンで乾燥し溶剤を除去
した。同様の操作で他方の面に合剤塗布、溶剤を除去
し、集電体の両面を負極活物質合剤で被覆した。これを
エージング処理により合剤中のスチレン・ブタジエンゴ
ム系樹脂を硬化させ、加熱ローラープレスにより圧延処
理して負極活物質合剤の均一化を行った後、これを熱処
理し、負極を得た。
【0034】[ゲル状高分子電解質を保持するセパレー
タの作製]ポリフッ化ビニリデン樹脂をN−メチル−ピ
ロリドンと酢酸エチルの混合溶媒に溶解し、高圧容器中
でこの高分子溶液にポリプロピレンの微多孔性フィルム
からなるセパレータを浸し、30分ごとの減圧、加圧作
業を24時間続けることによりセパレータ細孔内に高分
子溶液を充填した。これを高分子溶液から取り出した
後、セパレータ表面の余剰の高分子溶液を除去し、その
後1×10-1Torr以下の環境に10時間放置した
後、同環境で80℃、1時間の加熱処理を行い溶媒を除
去し、セパレータを内装するベースポリマーシートを得
た。
【0035】このようにして得たベースポリマーシート
を、表1〜2に示す組成の各有機溶液にそれぞれ密閉加
圧容器中で浸漬し、15秒ごとの減圧、加圧作業を2分
間実施し、露点−80℃以下のアルゴンガスで10kg
f/cm2に加圧、10時間保持し、ベースポリマーシ
ート中のポリフッ化ビニリデン樹脂をゲル化し、セパレ
ータを内装するゲル状高分子電解質を得た。
【0036】[リチウム二次電池の作製]このようにし
て得た正極(正極板)、負極(負極板)、セパレータを
内装するゲル状高分子電解質を、セパレータを内装する
ゲル状高分子電解質−負極板−セパレータを内装するゲ
ル状高分子電解質−正極板の順に積層配置し、正極板が
内側になるように巻回して極板群を構成し、有底円筒状
ステンレス容器(電池缶)に挿入し、これに再び有底円
筒状ステンレス容器内底から極板群高さまでの余剰空間
に相当する量の表1〜2に示す各有機溶液をそれぞれ充
填した後、容器の開口部を封口体で閉塞して円筒型の定
格容量500mAhのリチウム二次電池を組み立て、実
施例1〜16、比較例1〜3、従来例1および2の電池
を得た。
【0037】また、上記と同じ正極と負極とポリプロピ
レンの微多孔性フィルムからなるセパレータとを、セパ
レータ−負極板−セパレータ−正極板の順に積層配置
し、正極板が内側になるように巻回して極板群を構成
し、有底円筒状ステンレス容器(電池缶)に挿入し、こ
れに有底円筒状ステンレス容器内底から極板群高さまで
の余剰空間に相当する量の表2の従来例2に示すリチウ
ム塩を1モル/1になるように溶解した有機溶液を充填
した後、容器の開口部を封口体で閉塞して円筒型のリチ
ウム二次電池を組み立て、これを従来例3の電池とし
た。
【0038】なお、表1〜2中、4−FM−ECは4−
トリフルオロメチルエチレンカーボネートを、DMCは
ジメチルカーボネートを、ECはエチレンカーボネート
を、PCはプロピレンカーボネートを、DECはジエチ
ルカーボネートを、それぞれ示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】[放電容量]実施例1〜16、比較例2、
従来例3の電池を用いて、0.2CAの電流値で電池電
圧が4.1Vとなるまで定電流充電し、その後電池電圧
を4.1Vに維持する電流条件で、その電流値が0.0
5CAに低下するまで定電圧充電した後10分間休止
し、続いて0.2CAの電流値で電池電圧が2.75V
になるまで定電流放電した後10分間休止する、という
のを1サイクルとした充放電操作を、25℃の条件下で
合計5回繰り返し、5サイクル目の放電容量を測定し
た。結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3から明らかなように、本発明品である
実施例1〜16は、すべて定格容量以上の0.2CA容
量が得られ、従来例1〜3と比較して、従来の液式イオ
ン型リチウム二次電池と同等の放電容量が得られること
がわかる。
【0044】一方、混合有機溶媒中の4−トリフルオロ
メチルエチレンカーボネートの量が65重量%を超える
比較例2、同25重量%未満の比較例1で示される各電
池の0.2CA容量は、従来例1〜3と比較して小さい
ものとなることがわかり、0.2CA程度の条件下で従
来の液式イオン型リチウム二次電池と同等の放電容量を
得るのは混合有機溶媒中の4−トリフルオロメチルエチ
レンカーボネートの量が65重量%未満である必要があ
ることがわかる。また4−トリフルオロメチルエチレン
カーボネートのみを含みジメチルカーボネートを含まな
い比較例3で示される電池の0.2CA容量は、実施例
1〜16と比較して小さいものとなることがわかる。
【0045】[自己消火性]実施例1〜16、比較例1
〜3、従来例1および2の電池に使用したゲル状高分子
電解質、および従来例3の電池に使用した有機溶液を含
浸したポリプロピレンの微多孔性フィルムからなるセパ
レータを用意し、これら試料体近傍(1cm以内)で、
15秒間隔でスパークを5回発する引火試験を実施し、
引火の有無、消火速度を測定した。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】表4から明らかなように、本発明品である
実施例1〜16の電池に使用したゲル状電解質はすべ
て、引火しないか、あるいは引火しても3秒以内に消火
し、従来例1〜2に使用したゲル状電解質および従来例
3に使用した有機溶媒を含浸したセパレータが5秒以上
炎上したのに対し、安全性が大きく向上していることが
わかる。
【0048】また、比較例1および3の電池に使用した
ゲル状電解質は5秒以上炎上し、従来例と大差ない結果
となり、ゲル状電解質が自己消火性を有し安全性の高い
イオン型リチウム二次電池を得るには4−トリフルオロ
メチルエチレンカーボネートとジメチルカーボネートを
主成分とする構成が必要であり、かつ、混合有機溶媒中
の4−トリフルオロメチルエチレンカーボネートの量が
25重量%以上である必要があることがわかる。
【0049】さらに、実施例13の電池に使用したゲル
状電解質に比べ、実施例1〜12および14〜16の電
池に使用したゲル状電解質は消火速度が速く、安全性の
面で特に大きな効果があることがわかる。
【0050】なお、前記実施例では、正極活物質として
LiCoO2、負極材料として人造黒鉛を用いた例を示
したが、本発明の要件を備えたものであれば、他のリチ
ウム含有酸化物、炭素材料をそれぞれ正極活物質、負極
材料として用いても、本発明の効果を得ることができ
る。
【0051】また、実施例ではリチウム塩としてLiP
6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4を用いた例
を示したが、他のリチウム塩を用いても本発明の効果を
得ることができる。
【0052】さらに、実施例では混合有機溶媒へエチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカ
ーボネートを添加した例を示したが、本発明の効果を損
なわない範囲内であれば、他の溶媒を用いても本発明の
効果は得られる。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
引火し難く、たとえ引火した場合でも直ちに消火が可能
で安全性が高く、さらに、例えば0.2CA程度の比較
的高率の放電条件下でも液式のイオン型リチウム二次電
池と同等の放電容量を有するイオン型リチウムポリマー
二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン型リチウムポリマー二次電池を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極(正極板) 2 負極(負極板) 3 セパレータ 4 電池缶 5 正極リード 6 正極端子 7 負極リード 8 非水系電解液 9 封口体 10 イオン型リチウムポリマー二次電池

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム含有酸化物を活物質として含む
    正極と、電気化学的にリチウムを吸蔵・放出可能な炭素
    材料を含む負極と、ゲル状高分子電解質を保持するセパ
    レータとを備えたイオン型リチウムポリマー二次電池で
    あって、 前記ゲル状高分子電解質が、ポリフッ化ビニリデン樹脂
    を、下記式(I) 【化1】 に示す4−トリフルオロメチルエチレンカーボネートと
    ジメチルカーボネートを主成分として含み、かつ4−ト
    リフルオロメチルエチレンカーボネートが25〜65重
    量%の割合で配合されている混合有機溶媒中に1種以上
    のリチウム塩を溶解してなる有機溶液でゲル化してなる
    ものである、イオン型リチウムポリマー二次電池。
  2. 【請求項2】 リチウム含有酸化物が、α−NaCrO
    2構造を有するリチウム含有酸化物、LiMn24の中
    から選択されるいずれか1種以上である、請求項1記載
    のイオン型リチウムポリマー二次電池。
  3. 【請求項3】 リチウム塩がLiBF4、LiPF6、L
    iAsF6の中から選ばれるいずれか1種以上である、
    請求項1または2記載のイオン型リチウムポリマー二次
    電池。
JP10014994A 1998-01-09 1998-01-09 イオン型リチウムポリマー二次電池 Pending JPH11204139A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10014994A JPH11204139A (ja) 1998-01-09 1998-01-09 イオン型リチウムポリマー二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10014994A JPH11204139A (ja) 1998-01-09 1998-01-09 イオン型リチウムポリマー二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11204139A true JPH11204139A (ja) 1999-07-30

Family

ID=11876497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10014994A Pending JPH11204139A (ja) 1998-01-09 1998-01-09 イオン型リチウムポリマー二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11204139A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2357896A (en) * 1999-12-14 2001-07-04 Sanyo Electric Co Lithium secondary battery and battery device comprising same
KR100473433B1 (ko) * 2000-07-17 2005-03-08 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 비수전해액 및 그것을 포함하는 비수전해액전지 및 전해콘덴서
US7449033B2 (en) * 2000-09-01 2008-11-11 Leeds Lithium Power Limited Extruded battery components and manufacturing process
CN114695953A (zh) * 2020-12-28 2022-07-01 荣盛盟固利新能源科技有限公司 一种高电压高安全型聚酰亚胺凝胶聚合物电解质及其制备方法和应用以及锂离子电池

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2357896A (en) * 1999-12-14 2001-07-04 Sanyo Electric Co Lithium secondary battery and battery device comprising same
US6660433B2 (en) 1999-12-14 2003-12-09 Sanyo Electric Co., Ltd. Lithium secondary battery and battery device comprising same
GB2357896B (en) * 1999-12-14 2004-03-17 Sanyo Electric Co Lithium secondary battery and battery device comprising same
KR100473433B1 (ko) * 2000-07-17 2005-03-08 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 비수전해액 및 그것을 포함하는 비수전해액전지 및 전해콘덴서
US7449033B2 (en) * 2000-09-01 2008-11-11 Leeds Lithium Power Limited Extruded battery components and manufacturing process
CN114695953A (zh) * 2020-12-28 2022-07-01 荣盛盟固利新能源科技有限公司 一种高电压高安全型聚酰亚胺凝胶聚合物电解质及其制备方法和应用以及锂离子电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4847675B2 (ja) 非水電解質二次電池およびそれに用いる電解質
JP4608735B2 (ja) 非水電解質二次電池の充電方法
JP2002151076A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質およびそれを用いた非水電解質二次電池
JP3961597B2 (ja) 非水電解液及び非水電解液二次電池
JPH04328278A (ja) 非水電解質二次電池
JPH09306540A (ja) リチウム二次電池
JP2000012030A (ja) 非水電解液二次電池
JP2009238387A (ja) 非水電解質二次電池
JP4765629B2 (ja) 非水電解液およびリチウム二次電池
JP3639376B2 (ja) 有機電解液二次電池
JP2005302382A (ja) 非水電解液二次電池パック
JP2019040796A (ja) 非水電解質二次電池
JP2009048815A (ja) 非水電解液二次電池
JP2005100851A (ja) 非水電解質二次電池
JPH11204139A (ja) イオン型リチウムポリマー二次電池
JP4479045B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2002015768A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP7175161B2 (ja) リチウムイオン二次電池用電解液及びリチウムイオン二次電池
JP2001297763A (ja) 非水電解質二次電池
JP6042195B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4147691B2 (ja) 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
JPH1140195A (ja) 非水電解液二次電池
JP4714976B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP5447176B2 (ja) 非水電解質二次電池の充電方法及び製造方法
JP3448494B2 (ja) 非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees