JPH11204024A - 薄膜型電子源、これを用いた表示パネルおよび表示装置 - Google Patents

薄膜型電子源、これを用いた表示パネルおよび表示装置

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JPH11204024A
JPH11204024A JP738998A JP738998A JPH11204024A JP H11204024 A JPH11204024 A JP H11204024A JP 738998 A JP738998 A JP 738998A JP 738998 A JP738998 A JP 738998A JP H11204024 A JPH11204024 A JP H11204024A
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layer
electron source
thin
film
alloy
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JP738998A
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Toshiaki Kusunoki
敏明 楠
Mutsuzou Suzuki
睦三 鈴木
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜型電子源を用いた大型の表示装置を実現
する低抵抗配線技術を提供する。 【解決手段】薄膜型電子源の下部電極を、AlまたはAl合
金からなる第1層と、陽極酸化が可能で、かつAlより融
点が高い高融点材料からなる第2層と、AlもしくはAl合
金からなる第3層とからなる3層構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属−絶縁体−金
属の3層構造を有し、真空中に電子を放出する薄膜型電
子源、およびこれを用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜型電子源とは、上部電極−絶縁層−
下部電極の3層薄膜構造の上部電極−下部電極の間に電
圧を印加して、上部電極の表面から真空中に電子を放出
させるものである。薄膜型電子源の動作原理を図2に示
した。上部電極13と下部電極11との間に駆動電圧20を印
加して、絶縁層12内の電界を1MV/cm〜10MV/cm以上にす
ると、下部電極11中のフェルミ準位近傍の電子はトンネ
ル現象により障壁を透過し、絶縁層12、上部電極13の伝
導帯へ注入されホットエレクトロンとなる。これらのホ
ットエレクトロンのうち、上部電極13の仕事関数φ以上
のエネルギーを有するものは、真空16中に放出される。
トンネル現象を利用するため,絶縁層の膜厚は3〜15 nm
程度と非常に薄い。
【0003】この薄膜電子源は複数本の上部電極と、複
数本の下部電極を直交させてマトリクスを形成すると、
任意の場所から電子線を発生させることができるので、
表示装置の電子源などに用いることができる。
【0004】これまで、Al−Al2O3−Au構造のMIM(Meta
l−Insulator−Metal)構造などから電子放出が観測さ
れている。特に下部電極にAl,絶縁層にその陽極酸化膜
を用いた薄膜型電子源は,陽極酸化により高耐圧で,均
一な絶縁層が形成できるため,良質の電子放出が得られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この薄膜型電子源を用
いた大型の表示装置を作成する場合、信号遅延を抑える
ため、配線抵抗の低減は重要な課題である。特に走査線
側となる電極は、流れる電流量が多いため、抵抗はでき
るだけ下げることが望ましい。走査線側となる電極に用
いられているAlやAl合金は低抵抗率の配線であるが、抵
抗を下げるため膜厚を1μm程度と厚くすると、耐熱性が
劣化し、プロセス中の熱処理で絶縁層を破壊するヒロッ
クが形成される問題がある。
【0006】本発明の目的は、配線膜厚を1μm程度と厚
くしても、耐熱性が劣化せず、低抵抗を実現する電極の
構造を提供し、薄膜型電子源を用いた大型の表示装置を
実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、電極を、Al
またはAl合金からなる下層と、陽極酸化が可能で、かつ
Alより融点が高い高融点材料からなる中間層と、Alもし
くはAl合金の上層の3層構造とすることにより達成され
る。
【0008】本発明の薄膜型電子源、これを用いた表示
パネルおよび表示装置は、以下の構成により上記課題を
解決する。
【0009】すなわち、本発明の請求項1に記載の第1
の発明は、基板上に下部電極,絶縁層,上部電極をこの
順序に積層した構造を有し、前記下部電極と前記上部電
極の間に、前記上部電極が正電圧になる極性の電圧を印
加した際に、前記上部電極の表面から真空中に電子を放
出する薄膜型電子源において、前記下部電極が、前記基
板側から始めて、AlまたはAl合金からなる第1の層、陽
極酸化可能で,かつAlより融点が高い高融点材料からな
る第2の層、及びAlもしくはAl合金からなる第3の層の
3層からなり、これら前記第1,第2及び第3の層の側
面に、これら第1,第2及び第3の層の側面を陽極酸化
して保護絶縁層が形成されていることを特徴とする薄膜
型電子源である。
【0010】また、本発明の請求項2に記載の第2の発
明は、前記第2の層が、106〜107V/cmの電場で分
解しない陽極酸化膜を形成する材料からなることを特徴
とする請求項1記載の薄膜型電子源である。
【0011】また、本発明の請求項3に記載の第3の発
明は、前記第2の層が、約3eV以上のバンドギャップを
有する陽極酸化膜を形成する材料からなることを特徴と
する請求項1記載の薄膜型電子源である。
【0012】また、本発明の請求項4に記載の第4の発
明は、前記第2の層が、Ta, Nb, W,Mo, Bi, Ti, Zr, N
d, Hf, Si, Geの何れかからなることを特徴とする請求
項1記載の薄膜型電子源である。
【0013】また、本発明の請求項5に記載の第5の発
明は、前記第2の層が、Ti, Ta, Nb, Hf, Zrの何れかか
らなることを特徴とする請求項1記載の薄膜型電子源で
ある。 また、本発明の請求項6に記載の第6の発明
は、前記第1の層及び前記第3の層の少なくとも一方
が、Alと陽極酸化可能な金属材料との合金からなること
を特徴とする請求項1記載の薄膜型電子源である。
【0014】また、本発明の請求項7に記載の第7の発
明は、前記第1の層及び前記第3の層の少なくとも一方
が、前記第2の層を形成する高融点材料とAlとの合金か
らなることを特徴とする請求項1記載の薄膜型電子源で
ある。
【0015】また、本発明の請求項8に記載の第8の発
明は、前記第1の層及び前記第3の層の少なくとも一方
が、Alと、106〜107V/cmの電界中で分解しない陽
極酸化膜を形成する材料との合金からなることを特徴と
する請求項1記載の薄膜型電子源である。
【0016】また、本発明の請求項9に記載の第9の発
明は、前記第1の層及び前記第3の層の少なくとも一方
が、Alと、約3eV以上のバンドギャップを有する陽極酸
化膜を形成する材料との合金からなることを特徴とする
請求項1記載の薄膜型電子源である。
【0017】また、本発明の請求項10に記載の第10
の発明は、前記第1の層及び前記第3の層の少なくとも
一方が、Alと、Ta, Nb, W, Mo, Bi, Ti, Zr, Nd, Hf, S
i, Geの何れかとの合金からなることを特徴とする請求
項1記載の薄膜型電子源である。
【0018】また、本発明の請求項11に記載の第11
の発明は、前記第1の層及び前記第3の層の少なくとも
一方が、Alと、Nd,Zr,Ta,Ti,Nb,Hfの何れかとの合
金からなることを特徴とする請求項1記載の薄膜型電子
源である。また、本発明の請求項12に記載の第12の
発明は、前記第3の層が、Alからなり、その膜厚が100
nm以下であることを特徴とする請求項1記載の薄膜型電
子源である。また、本発明の請求項13に記載の第13
の発明は、前記第3の層が、Al合金からなり、その膜厚
が500 nm以下であることを特徴とする請求項1〜10の
何れか記載の薄膜型電子源である。また、本発明の請求
項14に記載の第14の発明は、前記絶縁層が、前記第
3の層の表面を陽極酸化することにより形成され、かつ
前記下部電極の側面が、上記絶縁層の10倍以上の厚さに
陽極酸化されていることを特徴とする請求項1〜12の
何れかに記載の薄膜型電子源である。
【0019】また、本発明の請求項15に記載の第15
の発明は、請求項1〜14の何れかに記載の薄膜型電子
源に対向して、該薄膜型電子源に対し正の極性の電圧が
印加される加速電極を備えた薄膜型電子源応用機器であ
る。
【0020】また、本発明の請求項16に記載の第16
の発明は、請求項1〜14の何れかに記載の薄膜型電子
源を形成した基板と、蛍光体層及び導電層が内面に積層
された透明基板を間隙を介して張り合わせ、両基板間を
真空に封じた表示パネルである。
【0021】また、本発明の請求項17に記載の第17
の発明は、前記薄膜型電子源がマトリクス状に配設され
たことを特徴とする請求項16記載の表示パネルであ
る。
【0022】また、本発明の請求項18に記載の第18
の発明は、 請求項1〜14の何れかに記載の薄膜型電
子源を二次元マトリクス状に配設した基板と、間隙を介
して該基板に対向する、蛍光体層及び導電層が内面に積
層された透明基板とを真空外囲器に収納し、前記下部電
極に走査信号を印加し、前記上部電極に表示信号を印加
することを特徴とした表示装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、実
施例により説明する。なお、本明細書においては説明の
便宜上、真空中へ電子放出が行われる側の薄膜電子源の
電極を上部電極と称し、絶縁層を介して、この上部電極
に対向する電極を下部電極と称する。
【0024】(実施例1)本実施例を図1,図3〜6を用
いて説明する。本実施例では、下部電極を、 Alからな
る下層11A、Tiからなる中間層11B、及びAlからなる上層
11Cの3層構造とした。
【0025】次に、下部電極の形成方法を順を追って説
明する。
【0026】まず、図3に示す如く、絶縁性の基板10上
に、 Alからなる下層11A、Tiからなる中間層11B、及びA
lからなる上層11C 3層をスパッタリング法を用い連続的
に成膜した。それぞれの膜厚は1 μm、100 nm, 50 nmと
した。膜厚1 μmと厚い下層11AのAlは、下部電極の抵抗
を引き下げる。中間層11BのTiは、熱処理等の際に下層1
1AのAlにヒロックが形成されるのを防止する保護膜とし
て、かつTi膜上に形成されるAl膜にかかる熱応力を緩和
する下地となる。Ti膜等の高融点金属材料上に形成され
た薄いAl膜は,耐熱性が高く、膜厚が100 nm以下の場合
は400〜450℃の高温の熱処理を行ってもヒロックを生じ
ない。
【0027】次いで、図4に示す如く、上記成膜された
ものをエッチングにより、薄膜電子源の下部電極11とし
て要求される形状に加工する。
【0028】次に、図5に示す如く、この下部電極11の
表面を陽極酸化する。化成電圧を4Vとすれば、約5.5 nm
の絶縁層12が形成される。
【0029】次に、図6に示す如く、レジスト膜などを
マスクに用い下部電極11の側面のみを選択的に厚く陽極
酸化し,保護絶縁層14を形成する。ここでは、側面に露
出するTiの陽極酸化膜の絶縁耐性が、Alの陽極酸化膜よ
り約1桁低いことを考慮し、保護絶縁層14の膜厚は、上
記絶縁層12の膜厚の10倍以上の100 nmとした。これに
より電子放出に寄与しない側面からのリーク電流を低減
する。
【0030】最後に、図1に示す如く、スパッタリング
法により上部電極13を形成する。ここでは上部電極13
は、絶縁層12に接するように形成された高昇華エンタ
ルピー材料のIr、及びそのうえに形成されるPt、Auから
なる、高効率で,安定な電子放出が可能な3層構造と
し、それぞれの膜厚を1 nm、2 nm、3 nmとした。
【0031】本実施例では、下部電極の上層11Cの材料
として純Al膜を用いたが、陽極酸化の可能な金属を添加
したAl合金でもよい。
【0032】陽極酸化膜の成長には、通常106〜107
V/cmの高電場が必要であり、陽極酸化膜が形成可能な材
料は、その陽極酸化膜が、上記の高電場で分解(酸素と
イオンに)することなく維持できる絶縁体であることが
必要である。通常約3eV以上のバンドギャップを持つ絶
縁体で有ればよい。このような陽極酸化膜が形成可能な
金属はバルブ(弁)金属と呼ばれ、Alの他に、Ta, Nb,
W, Mo, Bi, Ti, Zr, Nd, Hf, Si, Ge等がある。
【0033】発明者の実験結果に依れば、下部電極の上
層11C及び下層11Aを、特にNd,Zr,Ta,Ti,Nb,Hf
などを添加したAl合金で形成して良好な結果が得られ
た。これらのAl合金膜は、純Al膜より抵抗はやや高いも
のの、耐熱性が高く、400〜450℃の高温の熱処理を行っ
てもヒロックを生じにくい。したがってTiからなる中間
層11B上に形成される上層11Cの膜厚を500 nmと厚くする
ことができる。
【0034】さらに、中間層11Bの材料も、上記Tiの他
に、上記陽極酸化膜が形成可能な金属で、Alより融点が
高い物で有ればよい。発明者の実験結果に依れば、特に
Ti,Ta, Nb, Hf, Zr等で良好な結果が得られている。
【0035】また、下部電極の上層11C及び下層11A
の少なくとも一方を、中間層11Bを形成する材料と同
じものを含むAl合金で形成しても良い。
【0036】(実施例2)本実施例を図7〜12を用いて
説明する。本実施例により対角径40〜60インチの大型表
示装置を実現できる。
【0037】まず薄膜型電子源マトリクスを形成した基
板10を以下のように作成した。
【0038】はじめに、ガラスなどからなる絶縁性の基
板10上に下部電極11を形成する。図7(a)は基板1
0の平面図で、図7(b)はその断面図を示す。実施例
1同様、スパッタリング法よりAl膜11A, Ti膜11B,Al膜
11Cの3層膜をこの順序で成膜する。膜厚はそれぞれ1
μm、100 nm, 50 nmとした。これらの膜をフォトリソグ
ラフィーとエッチングにより,ストライプにパターン化
し、下部電極11を形成した。続いて,陽極酸化により絶
縁層12を形成する。ここでは絶縁層12の膜厚は6 nmとし
た。つづいて保護絶縁層14を形成する。これは下部電極
11の側面,および電子放出部となる部分以外の下部電極
の表面を厚く陽極酸化することにより形成した。ここで
はその膜厚を100 nmとした。
【0039】つづいて、スパッタリング法により、基板
10上に、上部電極13を下部電極11とは直交する方向に
ストライプ状に形成する。図8(a)は基板10の平面
図で、図8(b)はその断面図を示す。上部電極13は、
実施例1同様、基板10側からIr膜、Pt膜、Au膜からな
る3層膜構造とし、それぞれの膜厚を1 nm、2 nm、3nm
とした。最後に上部電極13への給電線として、ストライ
プ状の下部電極11とストライプ状の上部電極13との
交点に開口部を有する,Alからなるストライプ状の上部
電極バスライン15を形成した。以上で薄膜型電子源マト
リクス基板10が完成する。
【0040】つぎに表示側基板の作成法を示す。図9
(a)は表示側基板10の平面図で、図9(b)はその
断面図を示す。面板110には透光性のガラスなどを用い
る。まず、表示装置のコントラストを上げる目的で光遮
光用ブラックマトリクス120を形成する。ブラックマト
リクス120は,PVA(ポリビニルアルコール)と重クロム
酸アンモニウムとを混合した溶液を面板110に塗布し,
ブラックマトリクス120を形成したい部分以外に紫外線
を照射して感光させた後,未感光部分を除去し、そこに
黒鉛粉末を溶かした溶液を塗布し、PVAをリフトオフす
ることによりストライプ状に形成する。
【0041】次に赤色蛍光体111を形成する。蛍光体粒
子にPVA(ポリビニルアルコール)と重クロム酸アンモ
ニウムとを混合した水溶液を面板110上に塗布乾燥した
後、蛍光体膜を形成したい部分に紫外線を照射して感光
させた後,未感光部分の蛍光体を流水で除去する。この
ようにして赤色蛍光体111をパターン化する。パターン
は図9に示したようなストライプ状にパターン化する。
このストライプパターンは一例であって,それ以外に
も,ディスプレイ装置の設計に応じて,たとえば,近接
する4ドットで一画素を構成させたRGBGクワド(quad)
ピクセルパターンでももちろん構わない。蛍光体膜厚は
1.4〜2粒子層程度になるようにする。同様にして,緑
色蛍光体112と青色蛍光体113を形成する。蛍光体として
は,例えば赤色にY2O2S:Eu (P22-R),緑色にZn2SiO4
Mn,青色にZnS:Ag (P22-B)を用いればよい。
【0042】次いで,ニトロセルロースなどの膜でフィ
ルミングした後,面板110全体にAlを,膜厚50〜300 nm
程度蒸着してメタルバック114とする。このメタルバッ
ク114が加速電極として働く。その後,面板110を大気中
400℃程度に加熱してフィルミング膜やPVAなどの有機物
を加熱分解する。このようにして,表示側基板が完成す
る。
【0043】つぎに、完成された基板10と面板110
とを組み合わせて表示装置を形成する。図10は、その
表示装置の断面図である。上記のようにして製作された
表示側基板と基板10とをスペーサ30を介して封着する。
面板110−基板10間の距離は1〜3mm程度になるように
スペーサ30の厚さを設定する。ここでは,R(赤),G
(緑),B(青)に発光するドット3個毎に,すなわち
上部電極13の3列毎にスペーサの支柱を設けている
が,機械強度が耐える範囲で,支柱の数(密度)を減ら
しても構わない。スペーサ30の製作は,厚さ1〜3mm程
度のガラスやセラミックスなどの絶縁板に例えばサンド
ブラスト法などで所望の形状の穴を加工する。
【0044】封着したパネルは,1×10-7Torr程度の真
空に排気して,封止きる。このようにして,薄膜電子源
を用いた表示パネルが完成する。
【0045】このように本実施例では,面板110と基板1
0間の距離は1〜3mm程度と長いので,メタルバック114
に印加する加速電圧を3〜6KVと高電圧に出来る。した
がって,上述のように,蛍光体には陰極線管(CRT)用
の蛍光体を使用できる。
【0046】図11はこのようにして製作した表示装置パ
ネルの駆動回路への結線図である。下部電極11の第1
行,第2行,第3行は、それぞれ下部電極駆動回路40の
K1,K2,K3へ結線され、上部電極バスライン15の
第1列,第2列,第3列は、それぞれ上部電極駆動回路
50のC1,C2,C3に結線されている。第n行の下部
電極11と,第m列の上部電極バスライン15の交点を(n,
m)で表すことにする。メタルバック114には3〜6KV程度
の加速電圧60を常時印加する。
【0047】図12は,各駆動回路の発生電圧の波形の一
例を示す。時刻t0ではいずれの駆動回路からの電圧も
ゼロであるので電子は放出されず,したがって,蛍光体
は発光しない。時刻t1において,下部電極駆動回路K1
からは−V1なる電圧が,上部電極駆動回路C1,C2から
は+V2なる電圧が出力される。交点(1,1),(1,
2)の下部電極11−上部電極13間には(V1+V2)なる
電圧が印加されるので,(V1+V2)を薄膜型電子源の
電子放出開始電圧以上に設定しておけば,これら2つの
交点の薄膜型電子源からは電子が表示装置内の真空中に
放出される。放出された電子はメタルバック114に印加
された加速電圧60により加速された後,蛍光体に衝突
し、蛍光体を発光させる。時刻t2において,下部電極
駆動回路のK2から−V1なる電圧を出力され,上部電極
駆動回路のC1からV2なる電圧が出力されるので、同様
に交点(2,1)が点灯する。このようにして,上部電極
バスライン15に印加する信号を変えることにより所望の
画像または情報を表示することが出来る。また,上部電
極バスライン15への印加電圧V1の大きさを適宜変える
ことにより,階調のある画像を表示することが出来る。
薄膜電子源動作の安定化のための、薄膜電子源への反転
電圧の印加は、ここでは、下部電極11の全行に順次−V
1の電圧を印加し終った後、全行の下部電極11にV3を、
全列の上部電極13に−V3'を印加することにより行っ
た。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明の薄膜型電子源
は、下部電極をAlまたはAl合金からなる第1層と、Ti,
Ta, Nb, Hf, Zrなどの高融点材料からなる第2層と、Al
もしくはAl合金からなる第3層の3層構造から形成する
ことにより、低抵抗でかつ耐熱性の高い下部電極を形成
することができる。この構造を用いることにより、薄膜
型電子源を用いた大型の表示装置が実現可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜型電子源の構造を示す断面図であ
る。
【図2】薄膜型電子源の動作原理を示す図である。
【図3】本発明の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例を示す平面図及び断面図であ
る。
【図8】本発明の実施例を示す平面図及び断面図であ
る。
【図9】本発明の実施例を示す平面図及び断面図であ
る。
【図10】本発明の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例を示す表示装置と駆動回路の
結線図である。
【図12】本発明の実施例を説明する駆動波形図であ
る。
【符号の説明】
10・・・基板,11・・・下部電極,11A・・・下
部電極下層、11B・・・下部電極中間層、11C・・・
下部電極上層、12・・・絶縁層,13・・・上部電
極,14・・・保護絶縁層,15・・・上部電極バスラ
イン,16・・・真空,20・・・駆動電圧、30・・
・スペーサ,40・・・下部電極駆動回路,50・・・
上部電極駆動回路,60・・・加速電圧、110・・・
面板,111・・・赤色蛍光体,112・・・緑色蛍光
体,113・・・青色蛍光体,114・・・メタルバッ

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に下部電極,絶縁層,上部電極をこ
    の順序に積層した構造を有し、前記下部電極と前記上部
    電極の間に、前記上部電極が正電圧になる極性の電圧を
    印加した際に、前記上部電極の表面から真空中に電子を
    放出する薄膜型電子源において、前記下部電極が、前記
    基板側から始めて、AlまたはAl合金からなる第1の層、
    陽極酸化可能で,かつAlより融点が高い高融点材料から
    なる第2の層、及びAlもしくはAl合金からなる第3の層
    の3層からなり、これら前記第1,第2及び第3の層の
    側面に、これら第1,第2及び第3の層の側面を陽極酸
    化して保護絶縁層が形成されていることを特徴とする薄
    膜型電子源。
  2. 【請求項2】前記第2の層が、106〜107V/cmの電
    場で分解しない陽極酸化膜を形成する材料からなること
    を特徴とする請求項1記載の薄膜型電子源。
  3. 【請求項3】前記第2の層が、約3eV以上のバンドギャ
    ップを有する陽極酸化膜を形成する材料からなることを
    特徴とする請求項1記載の薄膜型電子源。
  4. 【請求項4】前記第2の層が、Ta, Nb, W, Mo, Bi, Ti,
    Zr, Nd, Hf, Si, Geの何れかからなることを特徴とす
    る請求項1記載の薄膜型電子源。
  5. 【請求項5】前記第2の層が、Ti, Ta, Nb, Hf, Zrの何
    れかからなることを特徴とする請求項1記載の薄膜型電
    子源。
  6. 【請求項6】前記第1の層及び前記第3の層の少なくと
    も一方が、Alと陽極酸化可能な金属材料との合金からな
    ることを特徴とする請求項1記載の薄膜型電子源。
  7. 【請求項7】前記第1の層及び前記第3の層の少なくと
    も一方が、前記第2の層を形成する高融点材料とAlとの
    合金からなることを特徴とする請求項1記載の薄膜型電
    子源。
  8. 【請求項8】前記第1の層及び前記第3の層の少なくと
    も一方が、Alと、106〜107V/cmの電界中で分解し
    ない陽極酸化膜を形成する材料との合金からなることを
    特徴とする請求項1記載の薄膜型電子源。
  9. 【請求項9】前記第1の層及び前記第3の層の少なくと
    も一方が、Alと、約3eV以上のバンドギャップを有する
    陽極酸化膜を形成する材料との合金からなることを特徴
    とする請求項1記載の薄膜型電子源。
  10. 【請求項10】前記第1の層及び前記第3の層の少なく
    とも一方が、 Alと、Ta, Nb, W, Mo,Bi, Ti, Zr, Nd, H
    f, Si, Geの何れかとの合金からなることを特徴とする
    請求項1記載の薄膜型電子源。
  11. 【請求項11】前記第1の層及び前記第3の層の少なく
    とも一方が、Alと、Nd,Zr,Ta,Ti,Nb,Hfの何れかと
    の合金からなることを特徴とする請求項1記載の薄膜型
    電子源。
  12. 【請求項12】前記第3の層が、Alからなり、その膜厚
    が100 nm以下であることを特徴とする請求項1記載の薄
    膜型電子源。
  13. 【請求項13】前記第3の層が、Al合金からなり、その
    膜厚が500 nm以下であることを特徴とする請求項1〜1
    0の何れか記載の薄膜型電子源。
  14. 【請求項14】前記絶縁層が、前記第3の層の表面を陽
    極酸化することにより形成され、かつ前記下部電極の側
    面が、上記絶縁層の10倍以上の厚さに陽極酸化されてい
    ることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の薄
    膜型電子源。
  15. 【請求項15】請求項1〜14の何れかに記載の薄膜型
    電子源に対向して、該薄膜型電子源に対し正の極性の電
    圧が印加される加速電極を備えた薄膜型電子源応用機
    器。
  16. 【請求項16】請求項1〜14の何れかに記載の薄膜型
    電子源を形成した基板と、蛍光体層及び導電層が内面に
    積層された透明基板を間隙を介して張り合わせ、両基板
    間を真空に封じた表示パネル。
  17. 【請求項17】前記薄膜型電子源がマトリクス状に配設
    されたことを特徴とする請求項16記載の表示パネル。
  18. 【請求項18】請求項1〜14の何れかに記載の薄膜型
    電子源を二次元マトリクス状に配設した基板と、間隙を
    介して該基板に対向する、蛍光体層及び導電層が内面に
    積層された透明基板とを真空外囲器に収納し、前記下部
    電極に走査信号を印加し、前記上部電極に表示信号を印
    加することを特徴とした表示装置。
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