JPH11201970A - 免疫測定試薬の製造方法および免疫測定法 - Google Patents

免疫測定試薬の製造方法および免疫測定法

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JPH11201970A
JPH11201970A JP30552198A JP30552198A JPH11201970A JP H11201970 A JPH11201970 A JP H11201970A JP 30552198 A JP30552198 A JP 30552198A JP 30552198 A JP30552198 A JP 30552198A JP H11201970 A JPH11201970 A JP H11201970A
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JP
Japan
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antibody
antigen
measured
reagent
hbs
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JP30552198A
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Inventor
Ryoko Kono
良子 河野
Makoto Takahara
誠 高原
Hiroshi Kuroda
広志 黒田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特異的なシグナルの大きさを減ずることな
く、バックグラウンド・シグナルを低減することにより
低濃度の領域まで高感度に測定可能な免疫測定試薬の製
造方法および得られた免疫測定試薬を用いる免疫測定法
を提供する。 【解決手段】 不溶性担体(例、ラテックス粒子)に被
測定物質である抗原〔または抗体(例、HBs抗体)〕
に対応する抗体〔または抗原(例、HBs抗原)〕を感
作した後、該不溶性担体をブロッキング処理し、次い
で、免疫学的に不活性なタンパク質(例、ウシ血清アル
ブミン)、及び/または、免疫学的に不活性なタンパク
質の加水分解物を含む溶液中でインキュベーション
(例、37℃、7日)することを特徴とする免疫測定試
薬の製造方法。上記の製造方法によって得られた免疫測
定試薬と被測定物質含有試料とを接触させ、免疫測定試
薬と被測定物質との抗原抗体反応により生じた不溶性担
体の凝集の度合いを検出することにより、被測定物質を
測定することを特徴とする免疫測定法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不溶性担体を使用
した免疫凝集反応に基づいて被測定物質を測定するため
に用いられ、低濃度の範囲まで信頼性良く測定可能な免
疫測定試薬の製造方法および得られた免疫測定試薬を用
いる免疫測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】体液中の微量成分等の測定法のひとつと
して、目的とする被測定物質である抗原(または抗体)
に対応する抗体(または抗原)を不溶性担体に感作さ
せ、被測定物質との抗原抗体反応により生じた不溶性担
体の凝集の度合いを検出することにより、被測定物質を
測定する方法がある。このような測定法としては、ラテ
ックス凝集反応、赤血球凝集反応等が知られている。
【0003】この凝集の程度を検出する方法としては、
凝集の有無を肉眼で判定する方法と、反応液に光を照射
して散乱光または透過光を測定する光学的な方法とがあ
る。光学的な測定方法は、より精度が高いため、試料中
の抗原(または抗体)の定量に用いられている。
【0004】上記凝集反応において、目的とする被測定
物質が存在しない場合でも、非特異的凝集反応などによ
ってある程度の散乱光または透過光などのシグナルが存
在し、このシグナルによって被測定物質の低濃度領域の
測定値が不正確になるという問題があった。このシグナ
ルはバックグラウンド・シグナルと呼ばれるが、このバ
ックグラウンド・シグナルを下げる方法として、反応液
中に塩化コリン等の第4級アンモニウム塩やトリアルキ
ルアミンおよびその塩などの水溶性化合物を添加する方
法が提案されている(特開昭62−218866号公
報)。しかし、この方法はバックグラウンド・シグナル
を低下させるが、同時に特異的なシグナルも低下させて
しまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特異
的なシグナルの大きさを減ずることなく、バックグラウ
ンド・シグナルを低減することにより低濃度の領域まで
高感度に測定可能な免疫測定試薬の製造方法および得ら
れた免疫測定試薬を用いる免疫測定法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
不溶性担体に被測定物質である抗原(または抗体)に対
応する抗体(または抗原)を感作した後、該不溶性担体
をブロッキング処理し、次いで、免疫学的に不活性なタ
ンパク質、及び/または、免疫学的に不活性なタンパク
質の加水分解物を含む溶液中でインキュベーションする
ことを特徴とする免疫測定試薬の製造方法である。
【0007】請求項2記載の発明は、インキュベーショ
ン時の温度が30〜40℃であることを特徴とする請求
項1記載の免疫測定試薬の製造方法である。
【0008】請求項3記載の発明は、被測定物質である
抗原(または抗体)に対応する抗体(または抗原)が、
HBs抗原または抗ヒトα−フェトプロテイン抗体であ
ることを特徴とする請求項1又は2記載の免疫測定試薬
の製造方法である。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか一項記載の製造方法によって得られた免疫測定試
薬と被測定物質含有試料とを接触させ、免疫測定試薬と
被測定物質との抗原抗体反応により生じた不溶性担体の
凝集の度合いを検出することにより、被測定物質を測定
することを特徴とする免疫測定法である。
【0010】なお、本明細書において、上記の抗原(ま
たは抗体)、或いは、抗体(または抗原)という表現
は、一文章中において、括弧内は括弧内同士が対応し、
括弧外は括弧外同士が対応しているものとする。
【0011】本発明の製造方法による免疫測定試薬によ
って測定されるべき被測定物質は特に限定されず、一般
に抗原抗体反応を利用して測定し得る物質はいずれも測
定可能である。被測定物質の例としては、タンパク質、
脂質等が挙げられ、より詳しくは、例えば、各種抗原、
抗体、レセプター、酵素等が挙げられる。具体的には、
ヒトC反応性たんぱく(CRP)、ヒトフィブリノーゲ
ン、リウマチ因子、ヒトα−フェトプロテイン(AF
P)、抗ストレプトリジンO抗体、梅毒トレポネーマ抗
体、梅毒脂質抗原に対する抗体、HBs抗体、HBs抗
原、HBc抗体、HBe抗体等が例示される。
【0012】以下、本発明の免疫測定試薬の製造方法つ
いて詳述する。本発明では、まず、不溶性担体に被測定
物質である抗原(または抗体)に対応する抗体(または
抗原)を感作する。上記感作とは、不溶性担体に被測定
物質である抗原(または抗体)に対応する抗体(または
抗原)を結合させることである。上記結合方法として
は、公知の物理的吸着による方法、化学的反応による結
合などいずれでもよく、感作方法は従来公知の方法でよ
い。
【0013】上記感作において抗体が用いられる場合、
用いる抗体としては免疫グロブリンまたはその断片であ
る、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2 などが
挙げられる。
【0014】本発明で用いられる不溶性担体としては、
有機高分子粒子、無機物質粒子、微生物、血球および細
胞膜片等が挙げられる。
【0015】上記有機高分子粒子としては、ラテックス
粒子、不溶性アガロース、セルロース、不溶性デキスト
ラン等が例示でき、特にラテックス粒子が好ましい。上
記ラテックス粒子としては、従来からこの分野で使用さ
れてきたもののいずれも使用可能であり、例えば、ポリ
スチレン、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、スチレ
ン−スチレンスルホン酸塩共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリ
ル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステ
ル共重合体などからなるものが挙げられる。
【0016】用いるラテックス粒子の平均粒径は、被測
定物質の検出濃度または測定機器によって0.05〜
1.0μmの範囲で適宜選択される。
【0017】上記無機物質粒子としてはシリカ、アルミ
ナ等や、金、チタン、鉄、ニッケルのような金属片等が
例示される。
【0018】本発明では、上記感作の後、得られた不溶
性担体をブロッキング処理する。ブロッキング処理と
は、被測定物質である抗原(または抗体)に対応する抗
体(または抗原)を感作した不溶性担体を、測定しよう
とする試料中の被測定物質である抗原(または抗体)や
それ以外の物質と免疫学的に反応性を持たないタンパク
質(以下、このタンパク質のことを免疫学的に不活性な
タンパク質という)と接触させて、上記の抗体(または
抗原)を感作した不溶性担体表面の上記の抗体(または
抗原)が未だ結合せずに残っている部位に、上記の免疫
学的に反応性を持たないタンパク質を結合させることで
あり、この処理は上記感作不溶性担体の非特異的反応を
防止するために行うものである。このブロッキング処理
は、不溶性担体を用いる免疫測定試薬の製造において、
通常、頻繁に行われる操作であり、本発明においてもブ
ロッキング処理の方法については公知の方法と同様であ
る。
【0019】上記免疫学的に不活性なタンパク質として
は、特に限定されないが、例えば、ウシ血清アルブミン
等が挙げられる。
【0020】本発明では、上記ブロッキング処理後の不
溶性担体を、次いで、免疫学的に不活性なタンパク質、
及び/または、その加水分解物を含む溶液中でインキュ
ベーションする。インキュベーションとは、一定温度の
雰囲気中に静置しておく処理のことをいう。インキュベ
ーションの温度は、25〜45℃が好ましく、より好ま
しくは25〜40℃であり、さらに好ましくは30〜4
0℃である。インキュベーションの時間は、24時間以
上が好ましく、より好ましくは48時間以上である。本
発明では、インキュベーションに次いで得られた不溶性
担体を洗浄するのが好ましい。なお、この洗浄操作は、
インキュベーションの前、すなわちブロッキング処理後
でもよい。以上の処理により、本発明の製造方法による
免疫測定試薬が得られる。
【0021】上記免疫学的に不活性なタンパク質として
は、特に限定されないが、例えば、ウシ血清アルブミン
やカゼインが挙げられる。また、免疫学的に不活性なタ
ンパク質の加水分解物としては、例えば、カゼインの加
水分解物であるカザミノ酸を用いるのが好適である。
【0022】上記不溶性担体に、抗ヒトα−フェトプロ
テイン抗体を感作させた場合においては、上記ブロッキ
ングを行ったあと、カザミノ酸を0.5〜2%(W/
V)含有する溶液中、30〜40℃でインキュベーショ
ンするのがより好ましい。
【0023】次に、本発明の免疫測定法について詳述す
る。本発明の免疫測定法は、本発明の製造方法によって
得られた免疫測定試薬と被測定物質含有試料とを接触さ
せ、免疫測定試薬と被測定物質との抗原抗体反応により
生じた不溶性担体の凝集の度合いを検出することによ
り、被測定物質を測定する。
【0024】本発明の免疫測定法の測定系は、例えば、
ラテックス凝集反応や血球凝集法等の凝集法である。
【0025】上記被測定物質含有試料としては、特に限
定されないが、例えば、血清、血漿、尿などの体液が挙
げられる。
【0026】上記抗原抗体反応の条件は、通常の条件と
同様であってよく、反応媒体としては、被測定物質の種
類に応じた各種緩衝液が適宜選ばれる。この緩衝液は、
被測定物質を失活させることがなく、かつ抗原抗体反応
を阻害しないようなイオン濃度やpHを有するものであ
ればよい。例えば、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、ト
リス緩衝液が使用される。反応のpHは、5〜10、特
に6〜8が好ましい。反応温度は0〜50℃、特に20
〜40℃が好ましい。反応時間は適宜決められる。反応
時には、さらに測定系の特異性を高めるために従来から
免疫凝集測定試薬の分野で用いられる、EDTA、ポリ
アニオン、カオトロピックイオン(Cl - 、I- 、SC
- 等)、ゼラチンなどを添加することも可能である。
また、ポリエチレングリコール、デキストランなどの反
応促進剤を添加してもよい。
【0027】上記反応後の不溶性担体の凝集の度合いを
検出するには、光学的に観察もしくは目視観察すること
により行われる。具体的には、不溶性担体の凝集の程度
を光学的に検出する方法においては、散乱光強度、吸光
度または透過光強度を測定する光学機器を用いて測定す
る。好ましい測定波長は300〜2400nmである。
測定方法は、公知の方法に従い、用いる不溶性担体の大
きさ、または濃度の選択、反応時間の設定により散乱光
強度、吸光度または透過光強度の増加もしくは減少を測
定することにより行われる。また、これらの方法を併用
することも可能である。
【0028】不溶性担体の凝集の程度を肉眼で判定する
試薬においては、通常、測定すべき試料と感作不溶性担
体を含む溶液を判定板上で混合し、1〜5分間揺り動か
した後、凝集の有無を判定する。凝集判定には、単に肉
眼判定以外に、凝集状態をビデオカメラで撮影し、画像
処理を施すことも可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0030】以下実施例1・2において、HBs抗体測
定試薬の製造方法およびHBs抗体測定方法の場合にお
ける本発明の実施例について説明する。
【0031】実施例1(HBs抗体測定試薬の製造方法
およびHBs抗体測定方法) (1)HBs抗原感作ラテックス液の調製 HBs抗原を2.0mg/mlの濃度で36mMのリン
酸緩衝液(pH6.6)に溶解した液7.5mlに、平
均粒径が0.3μmのポリスチレンラテックス(固形分
10%(W/V)、積水化学工業社製)1mlを添加
し、30℃にて60分間攪拌した。次いで、この液にウ
シ血清アルブミン(以下「BSA」という)を1重量%
含有する100mMのリン酸緩衝液(pH8.0)を
8.5ml添加し、30℃にて60分間攪拌した後、4
℃にて20分間、18000rpmで遠心分離した。得
られた沈殿物にBSAを0.5重量%含有する100m
Mのリン酸緩衝液(pH8.0)20mlを添加し、ラ
テックスを懸濁させた。この液を30℃にて7日間イン
キュベーションし、HBs抗原感作ラテックス液を調製
した。
【0032】(2)検体希釈用液の調製 BSAを1重量%含有する50mMのリン酸緩衝液(p
H7.0)に、平均分子量50万のポリエチレングリコ
ールを、1.0重量%の濃度になるように溶解した。
【0033】(3)HBs抗体測定試薬 本実施例のHBs抗体測定試薬は、上記(1)項のHB
s抗原感作ラテックス液からなる第1試薬と、上記
(2)項の検体希釈用液からなる第2試薬とから構成さ
れる2液型の試薬である。
【0034】(4)標準HBs抗体液 HBs抗体を0、150、300、600、1200m
IU/ml濃度で含むヒト血清を標準品として使用し
た。
【0035】(5)測定方法 (5−1)検量線の作成方法 上記(4)項の標準HBs抗体液20μlと上記(2)
項の検体希釈用液120μlとを混合し、37℃で適時
保持した後、上記(1)項のHBs抗原感作ラテックス
液120μlを添加攪拌した。この後、1分後及び5分
後の波長750nmでの吸光度を測定し、この差を吸光
度変化量(ΔAbs)とした。測定は、日立自動分析装
置7150形を使用した。標準HBs抗体液の濃度と得
られたΔAbsの値を表1に、標準HBs抗体液の濃度
と得られたΔAbsの関係を示す検量線を図1に示し
た。 (5−2)検体の測定方法 上記(5−1)項における、標準HBs抗体液20μl
の代わりに、検体20μlを使用したことの他は、(5
−1)項と同様に操作し、得られた検体の吸光度変化量
を上記検量線に外挿して、検体中のHBs抗体量を算出
した。
【0036】(6)検体の測定 HBs抗体陽性の血清20種類及び陰性の血清10種類
を検体として、上記の測定方法に従って、HBs抗体量
を測定した。結果を表2に示した。なお、表2には、上
記検体を、酵素免疫測定法試薬である、エンザイグノス
ト Anti−HBs micro(ヘキストジャパン
社製)を用い、該キットの能書に従って測定および判定
した結果も示した。
【0037】実施例2 実施例1における(1)HBs抗原感作ラテックス液の
調製の項を、次のようにして行ったことを除いては、実
施例1と同様にして、HBs抗体測定試薬を作成した。
【0038】HBs抗原を2.0mg/mlの濃度で3
6mMのリン酸緩衝液(pH6.6)に溶解した液7.
5mlに、平均粒径が0.3μmのポリスチレンラテッ
クス(固形分10%(W/V)、積水化学工業社製)1
mlを添加し、30℃にて60分間攪拌した。次いで、
この液にBSAを1重量%含有するリン酸緩衝液(pH
8.0)を添加し、30℃にて60分間攪拌した後、4
℃にて20分間、18000rpmで遠心分離した。得
られた沈殿物にBSAを0.5重量%含有する100m
Mのリン酸緩衝液(pH8.0)20mlを添加し、ラ
テックスを懸濁させた。この液を37℃にて7日間イン
キュベーションし、HBs抗原感作ラテックス液を調製
した。
【0039】得られたHBs抗原感作ラテックス液を用
いて、実施例1と同様にして検量線の作成と、検体中の
HBs抗体量を測定し、結果をそれぞれ表1、図1、表
2に示した。
【0040】比較例1 実施例1における(1)HBs抗原感作ラテックス液の
調製の項を、次のようにして行ったことを除いては、実
施例1と同様にして、HBs抗体測定試薬を作成した。
【0041】HBs抗原を2.0mg/mlの濃度で3
6mMのリン酸緩衝液(pH6.6)に溶解した液7.
5mlに、平均粒径が0.3μmのポリスチレンラテッ
クス(固形分10%(W/V)、積水化学工業社製)1
mlを添加し、30℃にて60分間攪拌した。次いで、
この液にBSAを1重量%含有するリン酸緩衝液(pH
8.0)を添加し、30℃にて60分間攪拌した後、4
℃にて20分間、18000rpmで遠心分離した。得
られた沈殿物にBSAを0.5重量%含有する100m
Mのリン酸緩衝液(pH8.0)20mlを添加し、ラ
テックスを懸濁させ、HBs抗原感作ラテックス液を調
製した。
【0042】得られたHBs抗原感作ラテックス液を用
いて、実施例1と同様にして検量線の作成と、検体中の
HBs抗体量を測定し、結果をそれぞれ表1、図1、表
2に示した。
【0043】比較例2 実施例1における(1)HBs抗原感作ラテックス液の
調製の項を、比較例1のHBs抗原感作ラテックス液の
調製と同様に行ったこと、(2)検体希釈用液の調製の
項を、次のようにして行ったことを除いては、実施例1
と同様にして、HBs抗体測定試薬を作成した。BSA
を1重量%含有する50mMのリン酸緩衝液(pH7.
0)に、平均分子量50万のポリエチレングリコールを
1.0重量%、および塩化コリンが0.5Mの濃度にな
るように溶解した。
【0044】得られたHBs抗原感作ラテックス液およ
び検体希釈用液を用いて、実施例1と同様にして検量線
の作成と、検体中のHBs抗体量を測定し、結果をそれ
ぞれ表1、図1、表2に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】表1、2および図1より、ブロッキング後
の感作ラテックスをインキュベーションすることにより
低濃度まで高感度に測定可能であることが分かる。
【0048】以下実施例3〜5において、AFP測定試
薬の製造方法およびAFP測定方法の場合における本発
明の実施例について説明する。
【0049】実施例3(AFP測定試薬の製造方法およ
びAFP測定方法) (1)試薬および材料 ラテックス:平均粒径が0.304μmのポリスチレン
ラテックス(固形分10%(W/V)、積水化学工業社
製)を用いた。 ラテックス希釈用緩衝液:50mMのNa2 HPO4
50mMのNaH2 PO4 をpH7.50になるように
混合し、この混合液をラテックス希釈用緩衝液として用
いた。
【0050】抗AFP抗体:抗AFP抗体として、ウサ
ギの抗血清からイムノグロブリン分画にまで精製したウ
サギ抗AFP抗体(1mg/ml、DAKO社製)を用
いた。 抗体希釈用緩衝液:上記ラテックス希釈用緩衝液を抗体
希釈用緩衝液として用いた。
【0051】ブロッキング用緩衝液:100mMのNa
2 HPO4 と100mMのNaH2PO4 をpH7.4
0になるように混合し、この混合液にウシ血清アルブミ
ン(Bovine serum albumin Fraction V 、Reagent Grad
e 、Miles Corp. 社製)を1%(W/V)になるよう
に、またNaN3 (試薬特級、ナカライテスク社製)を
0.1%(W/V)になるように添加したものを、ブロ
ッキング用緩衝液として用いた。 保存用緩衝液:50mMのNa2 HPO4 と50mMの
NaH2 PO4 をpH7.40になるように混合し、カ
ザミノ酸(TIFCO社製)を1%(W/V)になるよ
うに、またNaN3 (試薬特級、ナカライテスク社製)
を0.1%(W/V)になるように添加したものを、保
存用緩衝液として用いた。
【0052】血清検体:血清検体として、肝臓癌患者お
よび健常人の血清を用いた。 AFP標準ヒト血清:AFP標準ヒト血清として、ヒト
プール血清(Intergen社製)に対して、予め濃
度を測定したα−フェトプロテイン(DAKO社製)を
希釈添加し、約500、300、150、38、10n
g/mlにそれぞれ希釈して使用した。また、血液項目
用標準血清を含まない、生理食塩水のみのものを0ng
/mlとした。 検体希釈用希釈液(R1液):上記ブロッキング用緩衝
液に、ポリビニルピロリドンK90(平均分子量1,2
00,000、和光純薬工業社製)を0.5%(W/
V)になるように添加したものを検体希釈用希釈液(R
1液)として用いた。
【0053】(2)AFP抗体感作ラテックス試薬の調
製 上記ポリスチレンラテックス1容に、上記ラテックス希
釈用緩衝液3容を添加し、2.5%(W/V)ラテック
ス液を得た。抗AFP抗体は、タンパク濃度が300μ
g/mlになるように上記抗体希釈用緩衝液で希釈し、
抗体液とした。上記2.5%(W/V)ラテックス液8
00μlを4℃のインキュベーター中でマグネチックス
ターラーで攪拌しながら、ここへ上記抗体液800μl
を素早く添加し、4℃にて1時間攪拌した。その後、上
記ブロッキング用緩衝液を2.0ml添加し、4℃にて
続けて2時間攪拌した。次にこの混合液を15℃、1
5,000rpmにて20分間遠心分離した。得られた
沈澱に保存用緩衝液2.0mlを添加し、上記と同様に
遠心分離をすることにより、沈澱を洗浄した。洗浄操作
は3回行った。この沈澱に保存用緩衝液を2.0ml添
加し、よく攪拌した後、超音波破砕機にて分散処理を行
い、固形分0.30%(W/V)のラテックス試薬を得
た。このようにして調製したラテックス試薬を35℃に
て6日間インキュベーションした。
【0054】(3)AFP量の測定 ラテックス試薬によるAFP量の測定は、生化学用自動
分析装置7150形(日立製作所社製)を用いて行っ
た。測定条件は、次の通りである。 検体容量 20 μl 検体希釈用希釈液 180 μl ラテックス試薬 60 μl 測定波長 700nm 測定温度 37 ℃
【0055】ラテックス試薬を添加してから約80秒後
の吸光度と約320秒後の吸光度の差(ΔOD570)
を測定し、この吸光度の差を10,000倍したものを
吸光度変化量とした。
【0056】検体の代わりに既知濃度のAFP標準品を
用いて上記と同様の測定を行って、予め検量線を作成し
ておき、上清検体の吸光度変化量を上記検量線に外挿し
て、検体中のAFP量を算出した。
【0057】上記(1)項の全ての検体について、市販
のEIA試薬(国際試薬社製)を用いて、検体中のAF
P量を測定した。方法は、キット添付の操作法に従って
行った。
【0058】実施例4 上記(1)項の保存用緩衝液の調製において、カザミノ
酸の濃度を、0.8%(W/V)としたこと以外、実施
例3と同様にしてラテックス試薬を調製し、AFP測定
を行った。
【0059】実施例5 上記(1)項の保存用緩衝液の調製において、カザミノ
酸の濃度を、0.5%(W/V)としたこと以外、実施
例3と同様にしてラテックス試薬を調製し、AFP測定
を行った。
【0060】比較例3 上記(1)項の保存用緩衝液の調製において、カザミノ
酸の代わりに、ウシ血清アルブミンを用いたこと以外、
実施例3と同様にしてラテックス試薬を調製し、AFP
測定を行った。
【0061】比較例4 上記(2)項のラテックス試薬の調製において、35℃
の代わりに25℃でインキュベーションしたこと以外
は、実施例3と同様にしてラテックス試薬を調製し、A
FP測定を行った。
【0062】実施例3〜5及び比較例3・4の結果を、
表3及び図2に示した。図2より、実施例では比較例に
比べて、低濃度までより高感度に測定可能であることが
分かる。
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、このように、特異的な
シグナルの大きさを減ずることなく、バックグラウンド
・シグナルを低減することにより低濃度領域まで高感度
に、かつ、容易に測定可能な免疫測定試薬の製造方法お
よび得られた免疫測定試薬を用いる免疫測定法が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準HBs抗体液の濃度と得られたΔAbsの
関係を示す検量線を示した図。
【図2】本発明のラテックス凝集法でAFP測定を行っ
た結果とEIA法でAFP測定を行った結果の関係を示
す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不溶性担体に被測定物質である抗原(ま
    たは抗体)に対応する抗体(または抗原)を感作した
    後、該不溶性担体をブロッキング処理し、次いで、免疫
    学的に不活性なタンパク質、及び/または、免疫学的に
    不活性なタンパク質の加水分解物を含む溶液中でインキ
    ュベーションすることを特徴とする免疫測定試薬の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 インキュベーション時の温度が30〜4
    0℃であることを特徴とする請求項1記載の免疫測定試
    薬の製造方法。
  3. 【請求項3】 被測定物質である抗原(または抗体)に
    対応する抗体(または抗原)が、HBs抗原または抗ヒ
    トα−フェトプロテイン抗体であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の免疫測定試薬の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項記載の製造
    方法によって得られた免疫測定試薬と被測定物質含有試
    料とを接触させ、免疫測定試薬と被測定物質との抗原抗
    体反応により生じた不溶性担体の凝集の度合いを検出す
    ることにより、被測定物質を測定することを特徴とする
    免疫測定法。
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