JPH11201463A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JPH11201463A
JPH11201463A JP728198A JP728198A JPH11201463A JP H11201463 A JPH11201463 A JP H11201463A JP 728198 A JP728198 A JP 728198A JP 728198 A JP728198 A JP 728198A JP H11201463 A JPH11201463 A JP H11201463A
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昭彦 中島
Mayumi Nakano
まゆみ 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、茹で加熱に相当する加湿と加熱を
少量の水とエネルギーでスピーディに行える加熱調理器
を実現することを課題とする。 【解決手段】 水膜形成手段6により食品5表面に水膜
を形成し、この水膜を水膜加熱手段2により昇温するこ
とで、食品表面に高温の水膜を継続的に維持し、大量の
水分を食品表面から吸収するようにしたものである。従
って茹で加熱に比較し、水,エネルギー,時間の大幅な
削減と共に、加湿,昇温の最適化も実現することができ
るという効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に加湿と加熱を
同時に行う加湿加熱調理を行う調理器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来この種の調理方法としては、鍋に大
量の水を入れてヒータなどの加熱源で水を沸騰させたと
ころに食品を入れ一定時間沸騰した水の中で加熱するい
わゆる茹でと呼ばれる方法が一般的であった。
【0003】また、近年加湿と加熱を同時に行う調理器
として特開平6−272866公報に記載されているよ
うなものが提案されている。この加熱調理器は図6に示
すように加熱室3内の食品5にマイクロ波加熱を行うた
めのマイクロ波加熱手段2と加熱室3内に水を霧状にし
て噴霧するための噴霧手段1を備えており、噴霧手段1
によって発生された霧状の水滴4が、食品5の表面に達
する間に、マイクロ波加熱手段2によって発生したマイ
クロ波により加熱されるように構成されている。
【0004】そして上記の霧状の水滴4は食品5に達す
るまでに蒸気となり、食品5表面にすみやかに吸収する
ようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鍋で茹
でる上記従来の一般的な方法の場合、大量の水を必要と
し、しかもこの水を沸騰させるためには時間がかかると
共に、水を沸騰しその水温を維持するためには大量のエ
ネルギーを必要とすると言う課題があった。また大量に
水を扱うために調理場は濡れやすく、使用した水は調理
が終われば廃棄せねばならないから排水設備も必要で環
境,設備が大袈裟になると言う課題があった。さらに、
近年一般的となった冷凍食品を調理する場合、食品の中
心部まで温度を上げるには時間が掛かるばかりでなく、
長時間茹でると吸水が進み過ぎてしまうと言う課題もあ
った。
【0006】また、上記特開平6−272866公報に
記載されているような従来の調理器では、霧状の水を加
熱して蒸気とする構成なので、食品に加湿できる水分量
は高々蒸し加熱のレベルである。従って、調理済み食品
を再加熱する時の乾燥を防止する程度の目的には十分で
はあるが、茹で調理を目的とする場合には十分な吸水量
が得られないと言う課題があった。図5はある冷凍食品
を茹で加熱あるいは蒸し加熱した時の吸水率と中心温度
の時間経過をグラフにしたものである。このグラフから
茹で加熱と蒸し加熱では加熱速度に大差はないが、蒸し
加熱の吸水速度は茹でに比べて非常に遅く、蒸しで実現
できる吸水率は茹でに比べて大幅に小さいことがわか
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、水膜形成手段により食品表面に水膜を形成
し、この水膜を水膜加熱手段により昇温することで、食
品表面に高温の水膜を継続的に維持し、大量の水分を食
品表面から吸収するようにしたものである。
【0008】上記発明によれば吸湿,吸水に必要な水膜
を形成,加熱するだけなので、必要とする水、及びその
加熱熱量は必要最小限度におさえられと共に、大量の水
を加熱する時間も必要としない。一方、吸水量と言う観
点からすれば食品表面は高温の水膜で覆われて茹でと同
じ状態になっているから、水分は十分食品表面から吸収
される。さらに、水膜形成と水膜加熱が別々の手段で行
われているので、食品の種類,形状,初期温等に応じて
個別に制御し、吸水率と食品の中心温度を最適化するこ
とができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる加熱調
理器は食品の表面に水膜を形成するための水膜形成手段
と、前記水膜を加熱する水膜加熱手段を有する。
【0010】そして、食品は表面に高温の水膜が維持さ
れるので、茹でと同様に十分な吸水が実現出来る。一
方、食品表面に水膜を形成するための水量は少量で、従
ってこの水膜を加熱して10℃の沸騰温度まで昇温する
エネルギーはわずかで、それに要する時間も短い。
【0011】また従来の茹で調理の場合、大量に水を扱
うために調理場は濡れやすく、使用した水は調理が終わ
れば廃棄せねばならないから排水設備も必要で環境,設
備が大袈裟になると言う課題があったが、本発明の方法
によれば当然こうした課題も解消する。
【0012】さらに、水膜形成と昇温が別々の手段で行
われているので、吸水量と昇温をおのおの食品の種類、
主に大きさ,初期温、特に冷凍がどうかによって最適化
することが出来る。従って、冷凍食品の場合も、中心温
度を上げるため長時間茹でて吸水し過ぎると言ったこと
もない。よって水,エネルギー,時間の大幅な削減と共
に、加湿,昇温の最適化も実現することができる。
【0013】本発明の請求項2にかかる加熱調理器は水
膜形成手段に供給する水をアルカリイオン水としたもの
である。
【0014】そして、本発明の構成によれば、順次新し
いアルカリイオン水が食品表面に供給されて水膜を形成
するため、アルカリイオン水はそのアルカリ特性を維持
した状態で食品表面に水膜を形成するので、澱粉系食品
のα化が促進される。従来よりアルカリ性の水溶液が澱
粉のα化を促進すること、またアルカリイオン水は澱粉
系食品を浸けておくと、食品のイオン交換機能を持つ官
能基と反応し、そのアルカリ特性を失うことが知られて
いる。
【0015】本発明の請求項3にかかる加熱調理器は水
膜形成手段に調味液を供給したものである。そして、水
膜を調味液により形成することで、食品を調味液で煮た
のと同じことが実現できる。これにより、高価な調味液
が少量で済む上、環境汚染につながる使用後の調味液の
廃棄も少なく出来る点で、茹で加熱以上の効果がある。
【0016】本発明の請求項4にかかる加熱調理器の水
膜形成手段は刷毛部とこれに給水する貯水漕と食品を回
転させる回転機構としたものである。刷毛部は貯水漕底
部に貫通固定されており、刷毛部には貯水漕から水が供
給される。
【0017】そして、食品は刷毛部に接した上部から順
次表面に水が塗布される。刷毛部から食品表面へ移動し
た水は基本的に食品に保持されるので、噴霧手段の様に
食品に付着せず落下した水を回収,廃棄処理する必要が
ない。万年筆や筆ペンと同様、水の表面張力の働きによ
り刷毛部の水は、塗布されて減った分だけ貯水漕から供
給される。
【0018】本発明の請求項5にかかる加熱調理器は水
膜形成手段は食品の下部を浸ける水バットと食品を回転
させる回転機構としたものである。
【0019】そして、食品の下部はバットに供給された
水に浸かっており、回転機構で回転すれば食品は順次水
の中に浸かって行き水膜が形成される。そして水膜を形
成する水の量は食品の回転速度と水バットの水に食品が
浸かる深さにより制御出来る。水膜を形成する水は水バ
ットに入ったまま食品が浸けられるから、水を粘性のあ
る調味液としても十分機能する。
【0020】本発明の請求項6にかかる加熱調理器の水
膜形成手段は食品の回転速度で水膜の水量を制御したも
のである。
【0021】そして、回転速度による水量の制御は、水
の食品への移動を促進,抑制しているので、形成出来る
水膜の水量以上に水を食品に供給しないので、余分な水
が滴下したりせず加熱効率も含め、合理的なシステムを
構成する事が出来る。
【0022】本発明の請求項7にかかる加熱調理器は水
膜形成手段は速度を持って食品に衝突する霧状の水滴を
発生する霧化手段としたものである。
【0023】そして、霧化手段から噴霧される水滴は速
度を持っているので、加熱室内で水膜加熱手段でほとん
ど加熱される事無く食品表面に衝突する。しかも食品に
衝突付着する水滴の量は水滴の分布と共に水滴の速度に
比例するから、食品表面には水膜を形成するのに十分な
水量を供給出来る。
【0024】本発明の請求項8にかかる加熱調理器は霧
化手段を平均粒径が10μmから1mmの霧状の水滴を
発生する霧化手段としている。
【0025】そして水滴は平均粒径が10μm以上のた
め、空気中を浮遊することなく初速度をある程度維持し
て食品表面まで到達することが出来るため、食品表面に
水膜を形成出来る程度の量の水を付着することが出来
る。これに対し平均粒径が10μm〜1μmになると一
般に、もやとも呼ばれ、超音波霧化器等で霧化される範
囲である。この場合、空気中での沈降速度は3cm/秒
以下で、通常は空気中を浮遊するため食品への付着量を
大きくすることには限界がある。一方、平均粒径が1m
m以下のため食品表面にほぼ均一に水を付着する事が出
来る。これに対し、平均粒径が1mm以上の場合は一般
にはシャワーやホースからの散水で出来る水滴で、水滴
一つ一つの水量が多いため、食品の表面に少量の水で均
一な水膜を形成するのには適していない。
【0026】本発明の請求項9にかかる加熱調理器は霧
化手段を圧力噴霧式霧化器としている。
【0027】そして圧力噴霧式の霧化器は一般に100
度前後以下の噴霧角の範囲に集中して噴霧出来るので、
食品の存在する領域に無駄なく水を散布する事が出来
る。又、二流体霧化器のように、微粒化用の高速空気が
水滴と共に食品に吹き付けられて食品表面を冷却すると
言ったこともないので、水膜及び食品の加熱が効率的に
行える。
【0028】本発明の請求項10にかかる加熱調理器は
対向する壁面に向かって高速で霧状の水滴を吹き付けた
ものである。
【0029】そして、巻き上がる気流により、直接噴霧
された水滴の当たらない陰に相当する部分へもむらなく
水滴を付着し水膜を形成することが出来る。
【0030】本発明の請求項11にかかる加熱調理器は
水滴を吹き付ける壁面の周囲に障壁を設けたものであ
る。
【0031】そして霧状の水滴はこの障壁により周囲に
拡散していくのが防止され、食品の回りに水滴が集ま
る。その結果、均一な水膜をより効率的に食品表面に形
成することができる。
【0032】本発明の請求項12にかかる加熱調理器は
霧化手段を断続動作することで噴霧水量を制御したもの
である。
【0033】そして、噴霧の粒径と分布、噴霧速度が基
本的に変わらないので、食品表面への水滴の付着のパタ
ーンをほとんど変えずに水膜形成の水量を制御すること
ができる。
【0034】本発明の請求項13にかかる加熱調理器は
水膜加熱手段をマイクロ波加熱手段としたものである。
【0035】そして、マイクロ波加熱手段で発生したマ
イクロ波は食品表面に形成された水膜と食品そのものを
加熱する。マイクロ波は一般の伝熱加熱と異なり、食品
内部にまで直接マイクロ波エネルギーが到達するので食
品表面の水膜と同時に食品内部も加熱し、しかも加熱室
内に導入されたマイクロ波エネルギーは、ほとんど食品
及び表面の水膜に吸収されるので高速かつ効率的に加熱
することが出来る。
【0036】本発明の請求項14にかかる加熱調理器は
マイクロ波を閉じこめる加熱室の内側に食品を収納する
第2の加熱室を設けたものである。
【0037】そして第2の加熱室が噴霧された水滴の拡
散を防止し、加熱された食品からの熱や蒸気の散逸を防
ぐので、水膜がより均一で効率的に形成されると共に、
加熱効率も高めることが出来る。マイクロ波を閉じこめ
る第1の加熱室は、マイクロ波のインピーダンス特性や
分布特性のために、加熱する食品の大きさに合わせた大
きさ,形状を取ることが出来ないことが多い。従って、
マイクロ波的には透過し、機械的には遮蔽する誘電体材
料を使って第2の加熱室を構成することで、マイクロ波
上の特性と機械的,熱的特性をそれぞれ満足させたもの
である。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0039】(実施例1)図1は本発明の実施例1の要
部概略断面図を示す。図1において、マイクロ波加熱手
段2で発生したマイクロ波は食品5を収納する加熱室3
内に導波管10を通じて導入される。水膜形成手段は刷
毛部6とこれに給水する貯水漕7と、食品を回転する回
転機構(図示せず)からなっている。刷毛部6は貯水漕
7の底部壁面に貫通して固定され、貯水漕7の水は刷毛
部6をこの貫通部7aから下方へ伝わる。この貯水漕7
へは給水ポンプ8から水が供給される。ここで、供給す
る水はアルカリイオン水を用いることもある。その場合
は給水ポンプ8にアルカリイオン製水器(図示せず)か
ら供給することになる。食品5は自転する食品回転軸9
に固定され、この食品回転軸9は加熱室3の壁面を貫通
して加熱室3外に設けられた回転機構(図示せず)によ
り回転される。
【0040】次に動作,作用を説明する。貯水漕7の水
は刷毛部6をつたって接触している食品5の表面に広が
って行く。そして刷毛部6に含まれた水は、食品5に塗
布されて減った分だけ貯水漕7から供給される。このメ
カニズムは万年筆や筆ペンと同じで水の表面張力の働き
によるものと考えられる。そして食品は回転するので水
塗布は促進され、しかも均一な水膜が形成される。又、
回転速度を上げれば自動的に塗布量が増大するので、回
転速度で塗布量を制御することも出来る。いずれにせ
よ、この方法によれば、刷毛部6から食品5に無駄なく
水が移動し、滴下したりせず、従って滴下した水の処理
の問題も発生しない。さらに、アルカリイオン水を使っ
た場合、本発明の構成によれば、順次新しいアルカリイ
オン水が食品表面に供給されて水膜を形成する。よっ
て、アルカリイオン水はそのアルカリ特性を維持した状
態で食品表面に水膜を形成するので、澱粉系食品のα化
が促進される。従来から、アルカリ性の水溶液が澱粉の
α化を促進すること、またアルカリイオン水は澱粉系食
品を浸けておくと、食品のイオン交換機能を持つ官能基
と反応し、そのアルカリ特性を失うことが知られてい
る。従来の様に鍋で食品を茹でる方法の場合、アルカリ
イオン水は長時間食品と接することになるのでそのアル
カリ特性を失うが、本発明の構成であれば水膜を形成す
るまでは食品に接触しないのでこうした問題は発生せ
ず、アルカリ特性を発揮出来る。
【0041】一方、マイクロ波加熱手段2で発生したマ
イクロ波は食品5の表面に形成された水膜と食品そのも
のを加熱する。しかも加熱室3内に導入されたマイクロ
波エネルギーはほとんど食品及び表面の水膜に吸収され
るので高速で効率的な加熱が出来る。すなわち、マイク
ロ波は他の一般の伝熱手段とは異なり、食品の内部まで
そのエネルギーが到達するので、特に冷凍食品のように
内部温度の昇温に時間のかかるものでも、短時間で昇温
が可能となる。ここで特に注目すべき点は、一般の茹で
加熱の場合は、マイクロ波加熱を併用して加熱速度を上
げようとしても、食品は大量の水の中に在るためマイク
ロ波は食品に到達する前に水で吸収されてしまってマイ
クロ波加熱による高速加熱が実現出来ないことである。
これに対し、本発明の方法によれば、食品を覆っている
のは水膜のため、マイクロ波は水膜と同時に食品も加熱
する。その結果、マイクロ波加熱の高速加熱性を生かし
ながら、十分な加湿も同時に出来る高速の加湿調理が実
現出来ることになる。
【0042】その結果、多量の水が付着して水膜の形成
された食品表面は形成された水膜と共に昇温するので吸
水速度は大幅に上昇し、多量の水分が吸収される。そし
て、噴霧量と加熱量を増やしていけば大量の湯を使わず
に茹でと同等の状態が実現されることになる。よって
水,エネルギー,時間の大幅な削減と共に、加湿,昇温
の最適化も実現することができる。
【0043】なお、前記実施例においては食品を回転し
たが、固定したままで刷毛部12から順次水が食品表面
下方に流れ落ちるのを利用する構成や、コンベア式に食
品を横に移動させて刷毛部と食品表面との接触塗布作用
を促進する方法もある。
【0044】(実施例2)図2は本発明の実施例2の要
部概略断面図を示す。本実施例2において、実施例1と
異なる点は、水膜形成手段を食品の下部を浸ける水バッ
ト11と食品を回転させる回転機構(図示せず)とした
点である。すなわち、水膜形成手段は、食品を浸ける水
を入れる水バット11と、この水を供給するためのポン
プ8と、食品を一部水に浸けながら回転するための回転
機構(図示せず)から構成されている。水バット11は
その下面にヒータ16を備えており、水バット11内の
水を予め加熱している。
【0045】なお、実施例1と同一符号のものは同一構
造を有し、説明は省略する。次に動作,作用を説明す
る。食品5の下部は水バット11に供給された水に浸か
っており、回転機構(図示せず)で回転すれば当然食品
は順次水バット11の中に浸かって行く。水バット11
の水はヒータ16により予め加熱されており、水バット
11内の水に浸かっても食品5の温度が維持される。回
転軸9近傍は直接水バット11内の水に浸かる訳ではな
いが水は表面をつたって全域に広がることになる。水膜
を形成する水の量は回転速度と水バット11に浸かる深
さにより制御出来るので高い制御性が得られる。
【0046】一方、水バットへは調味液をいれることも
出来る。この場合水膜は当然調味液で構成されるので、
食品を調味液で煮たのと同等のことが実現される。これ
により、高価な調味液が少量で済む上、環境汚染につな
がる使用後の調味液の廃棄も少なく出来る点で、一面茹
で加熱以上の効果がある。しかも、本発明の構成の場
合、水バット11内の調味液に直接食品が浸かる構成な
ので、調味液中の粘性成分や固形成分により目詰まりし
たりする構成も無く、安定したシステムを実現すること
が出来る。
【0047】(実施例3)図3は本発明の実施例3の要
部概略断面図である。本実施例3において、実施例1と
異なる点は水膜形成手段を速度を持って食品に衝突する
霧状の水滴を発生する霧化手段としたことである。
【0048】加熱室3の上部天井面の一部には霧化手段
である噴霧ノズル12が配置されており、その噴霧方向
は食品5に向いている。噴霧ノズル12へ加圧した水を
供給するポンプ13は加熱室3の外に設けられている。
加熱室3の底部には周囲円周上に障壁14aを有する盆
状の皿14が配置され噴霧ノズル12に対向する壁面を
構成している。この盆状の皿14の上方には食品を載置
する棚板15が設けられている。この板板15には網状
もしくは多数のパンチング孔を設けた構成になってい
る。
【0049】なお、実施例1と同一符号のものは同一構
造を有し、説明は省略する。次に動作,作用について説
明する。噴霧ノズル12には圧力噴霧式霧化器が用いら
れており、ポンプ13により7kg/cmに加圧された
水が供給されると、噴霧ノズル12からは粒径がほぼ6
0μm〜100μmの霧状の水滴が初速度を持って、約
90度の噴霧角で食品5に向かって勢い良く噴出され
る。霧状の水滴は食品5に衝突して多量の水滴が表面に
付着する一方、食品5下方に配置されている盆状の皿1
4に勢い良く吹き付けられ、巻きあがる気流を生ずる。
盆状の皿14は周囲円周状に障壁14aを有しているの
で、吹き付けられた霧状の水滴はこの障壁14aによっ
て食品5のある内側へ集まる。その結果、噴霧ノズル1
2から噴霧された水滴が直接当たり難い噴霧の陰にあた
る食品表面にもむらなく水滴が付着する。噴霧は加熱の
始めの段階では水膜を形成するまでの水量を確保するた
め、比較的多くの噴霧を必要とするが、一旦水膜が形成
されればその後は水膜を維持する程度の水量でよい。こ
の水量の制御はポンプ13を断続動作することで噴霧を
断続して行われる。圧力を変えて噴霧量を変えていない
ので、噴霧の角度,速度,粒径分布は基本的に変わら
ず、食品5への水膜形成の分布を一定に保つことが出来
る。
【0050】(実施例4)図4は本発明の実施例4の要
部概略断面図である。本実施例4において、実施例3と
異なる点はマイクロ波を閉じこめる加熱室3の内側に食
品5を収納する第2の加熱室17を設けた点である。す
なわち、第2の加熱室17は盆状の皿14とマイクロ波
を透過する誘電体材料から構成された蓋18により構成
されている。この蓋18はその上部中央に噴霧水滴が通
過するための穴が開いている。
【0051】なお、実施例3と同一符号のものは同一構
造を有し、説明は省略する。次に動作,作用について説
明する。盆状の皿14に吹き付けられて生じた巻きあが
る気流に乗った水滴は、盆状の皿14と蓋18により構
成された第2の加熱室17内に閉じこめられ、噴霧の陰
にある食品表面にもむらなく付着する。蓋18は誘電体
材料で構成されているのでマイクロ波はこの蓋18を透
過し、食品5と表面の水膜を加熱する。一方、加熱され
た食品5とその水膜からの熱や蒸気は蓋18で遮蔽され
るので、第2の加熱室17外への散逸が防止される。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
係る加熱調理器は食品の表面に水膜を形成するための水
膜形成手段と、前記水膜を加熱する水膜加熱手段を有し
ているので、少量の水で茹でと類似の機能が得られると
ともに、水膜形成と加熱が別々の手段で行われているの
で、水,エネルギー,時間の大幅な削減と共に、食品の
種類に応じた加湿,昇温の最適化も実現することができ
る。
【0053】また請求項2にかかる加熱調理器は水膜形
成手段に供給する水をアルカリイオン水としているの
で、アルカリ特性を有した水で水膜が形成され、澱粉系
食品のα化が促進される。
【0054】また請求項3にかかる加熱調理器は水膜形
成手段に供給する水は調味液としているので、少量の調
味液で煮たのと同じ状態が実現でき、調味液の削減、使
用済み調味液の廃棄量の削減等は水による茹で以上に重
要である。
【0055】また請求項4にかかる水膜形成手段は刷毛
部とこれに給水する貯水漕と食品を回転させる回転機構
で構成されており、食品表面に直接水を塗布するので水
の回収,廃棄処理などが全く発生しないシステムを構成
できる。
【0056】また請求項5にかかる水膜形成手段は食品
の下部を浸ける水を溜める水バットと食品を回転させる
回転機構としているので、粘性のある調味液の場合も含
め安定して食品表面に水膜を形成出来る。
【0057】また請求項6にかかる水膜形成手段は食品
の回転速度で水膜の水量を制御しているので、余分な水
を滴下したりせず加熱効率も含め、合理的なシステムを
構成する事が出来る。
【0058】また請求項7にかかる水膜形成手段は速度
を持って食品に衝突する霧状の水滴を発生する霧化手段
としているので、水膜を形成可能な量の水滴を食品表面
に付着することが出来る。
【0059】また請求項8にかかる霧化手段は平均粒径
10ミクロン〜1mmの霧状の水滴を発生する霧化手段
としているので、十分かつ均一な水膜形成ができる。
【0060】また請求項9にかかる霧化手段を圧力噴霧
式霧化器としているので、噴霧領域を食品の近傍に集中
でき、さらに2流体霧化器のように空気を吹き付けるこ
とが無いので水膜及び食品の加熱を阻害する事がない。
【0061】また請求項10にかかる加熱調理器は対向
する壁面に向かって霧状の水滴を吹き付けたもので、巻
き上がる気流によりむらなく食品表面に水膜を形成出来
る。
【0062】また請求項11にかかる加熱調理器は、水
滴を吹き付ける壁面の周囲に障壁を設けることによっ
て、水滴の周囲への拡散を防止し、障壁内に配置された
食品表面への水膜形成を促進することができる。
【0063】また請求項12にかかる加熱調理器は噴霧
を断続することにより噴霧水量を制御したもので食品表
面への噴霧パターンを変えずに水量を制御できる。
【0064】また請求項13にかかる加熱調理器は水膜
加熱手段はマイクロ波加熱としているので、水膜と同時
に食品を内部まで高速、かつ効率的に加熱する。
【0065】また請求項14にかかる加熱調理器はマイ
クロ波を閉じこめる加熱室の内側に食品を収納する第2
の加熱室を設けることで、噴霧された水滴の拡散が防止
され、加熱された食品からの熱の散逸を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における加熱調理器の要部概
略断面図
【図2】本発明の実施例2における加熱調理器の要部概
略断面図
【図3】本発明の実施例3における加熱調理器の要部概
略断面図
【図4】本発明の実施例4における加熱調理器の要部概
略断面図
【図5】冷凍食品を茹で加熱あるいは蒸し加熱した時の
吸水率と中心温度の時間経過を示すグラフ
【図6】従来の加熱調理器の要部概略断面図
【符号の説明】
1 噴霧手段 2 マイクロ波加熱手段 3 加熱室 5 食品 6 刷毛部 7 貯水漕 11 水バット 12 噴霧ノズル(霧化手段) 14a 障壁 17 第2の加熱室

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食品の表面に水膜を形成するための水膜形
    成手段と、前記水膜を加熱する水膜加熱手段からなる加
    熱調理器。
  2. 【請求項2】水膜形成手段に供給する水はアルカリイオ
    ン水とした請求項1記載の加熱調理器。
  3. 【請求項3】水膜形成手段に供給する水は調味液とした
    請求項1記載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】水膜形成手段は刷毛部とこれに給水する貯
    水漕と食品を回転させる回転機構とした請求項1ないし
    3のいずれか1項記載の加熱調理器。
  5. 【請求項5】水膜形成手段は食品の下部を浸ける水を溜
    める水バットと食品を回転させる回転機構とした請求項
    1ないし3のいずれか1項記載の加熱調理器。
  6. 【請求項6】食品の回転速度で水膜の水量を制御した請
    求項4または5項記載の加熱調理器。
  7. 【請求項7】水膜形成手段は速度を持って食品に衝突す
    る霧状の水滴を発生する霧化手段とした請求項1ないし
    3のいずれか1項記載の加熱調理器。
  8. 【請求項8】霧化手段は平均粒径10ミクロン〜1mm
    の霧状の水滴を発生する霧化手段とした請求項7記載の
    加熱調理器。
  9. 【請求項9】霧化手段は圧力噴霧式霧化器とした請求項
    7または8記載の加熱調理器。
  10. 【請求項10】対向する壁面に向かって霧状の水滴を吹
    き付け、巻き上がる気流によりむらなく食品表面に水膜
    を形成する請求項7ないし9のいずれか1項記載の加熱
    調理器。
  11. 【請求項11】霧状の水滴を吹き付ける壁面の周囲に障
    壁を設けた請求項10記載の加熱調理器。
  12. 【請求項12】噴霧を断続することにより噴霧する水量
    を制御する構成とした請求項7ないし11のいずれか1
    項記載の加熱調理器。
  13. 【請求項13】水膜加熱手段はマイクロ波加熱とした請
    求項1ないし12のいずれか1項記載の加熱調理器。
  14. 【請求項14】マイクロ波を閉じこめる加熱室の内側に
    食品を収納する第2の加熱室を設けた請求項13の加熱
    調理器。
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