JPH11200680A - コンストラクションキー装置付カップ錠 - Google Patents

コンストラクションキー装置付カップ錠

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JPH11200680A
JPH11200680A JP1205098A JP1205098A JPH11200680A JP H11200680 A JPH11200680 A JP H11200680A JP 1205098 A JP1205098 A JP 1205098A JP 1205098 A JP1205098 A JP 1205098A JP H11200680 A JPH11200680 A JP H11200680A
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tumblers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のシリンダ錠よりも鍵の差込み方向の寸
法を小さくすると共に、コンストラクションキー装置を
具備し、これを解除するのに合鍵により行えるようにす
る。 【解決手段】 有底円筒状の固定の内筒1、内筒1の外
周に装着された外筒2に係脱される複数のタンブラー
6、外筒の底板21に設けたクラッチ手段8、タンブラ
ー6のうち少くとも1個の休止タンブラー6−3〜6−
6を係止するための係止片3、係止片を休止タンブラー
から離脱させるための解除タンブラー6−8等から成
り、コンストラクションキー5A或は合鍵5Bをキーガ
イド4に挿入して回動させることにより、タンブラー6
の両端6a、6bをシアーラインSに合致させるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般的なシリン
ダ錠よりも鍵の差込み方向の寸法を小さくすると共に、
コンストラクションキー装置を合鍵で解除できるように
した新規なカップ錠に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばディスクシリンダ錠のような複数
のタンブラを備えたシリンダ錠の施解錠に用いられる細
長い板状の鍵(合鍵)においては、鍵の抜き差しに際
し、楔作用を利用してタンブラーをその長さ方向に押動
する為、鍵溝の前後には傾斜案内部を必要としている。
【0003】その為、隣り合う二つのタンブラー間の距
離を大きく取らなければならないことになり、従って該
シリンダ錠の鍵の差込み方向の寸法(錠の軸線方向の寸
法)を大きくとらなければならない。
【0004】鍵の取付対象物がかばん類やシャッタ(よ
ろい戸)である場合、その取付部分が極く薄いので不都
合を生じることがある。通常このような場合、タンブラ
ー数を減らした錠前を使用するが、タンブラーの数を減
らせば必然的に鍵違いが減少するので好ましくない。
【0005】又、錠の取付対象物が住居の一部である場
合には、施工業者はコンストラクションキー(工事専用
錠)という特殊の鍵で錠前の施解錠を行い高じ完了後に
コンストラクションキー装置を解除すればコンストラク
ションキーが使用不能となり施主が所有する合鍵だけが
使用できるようになった錠が知られている。
【0006】ここで合鍵とは、いわゆるスペアーキー
(予備の鍵)のことではなく、一つの錠前を解除するた
めの正規の鍵形状を有する鍵をいう。
【0007】従来のコンストラクションキー装置は、工
事完了後においてコンストラクションキー装置を解除す
るのに業者が特殊な工具を用いて行っており、施主が単
独で出来ないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明のカップ錠
は、従来のシリンダ錠よりもタンブラー数を減少させる
ことなく、鍵の差込み方向の寸法、すなわち、錠の軸線
方向の寸法を小さくすると共に、コンストラクションキ
ー装置を具備し、コンストラクションキー装置を解除す
るのに特殊工具を使用することなく、合鍵により行える
ようにするために開発されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、短い円筒の母線に沿っ
て、かつ中心軸線に関して対称的に一対のスリットを形
成すると共に、その円周の一方の開口を覆うように取付
対象物に固定される前面板を一体に結合してなるカップ
状の内筒と、内筒とほぼ同じ長さの有底のカップ状の円
筒体で、開口を相互に対向させるようにして、内筒の外
側に回動可能に被嵌され、内筒のスリットと同幅のスリ
ットの2対を90°の角度間隔を保って形成した外筒
と、上記前面板の中央部を貫通するように、かつ回動可
能に装着されると共に、鍵孔を開口させた内筒と同軸の
キーガイドと、内筒の直径方向に延在する細長い板状体
で、その板厚方向を内筒の軸線方向に一致させた状態で
軸線方向に沿って積層して配設され、中央部に鍵のシャ
ンクが遊嵌できる差込み穴を形成すると共に、長さ方向
に移動可能に案内されて同方向に付勢された複数枚のタ
ンブラーと、外筒の底板に配設され、キーガイドに差込
まれた鍵の先端部を係合するクラッチ手段とを有し、上
記タンブラーの長さを内筒と外筒との間のシアーライン
の直径に等しく設定すると共に、差込み穴の開口端縁の
一部を鍵溝の谷部に当接する当接部とし、また、上記差
込み穴の形状を、鍵の挿入時にこれと干渉せずに鍵の挿
入を許容しかつ鍵の回動を許すと共に、鍵の所定方向へ
の90°の回動時、鍵溝の谷部がタンブラーの付勢力に
抗して当接部を押動して各タンブラーの両端をシアーラ
インに揃えるように設定し、一方、外筒のクラッチ手段
は、鍵の最初の90°の回動時内筒及び外筒を残して鍵
のみ遊動させ、鍵の更なる回動時、固定の内筒を残して
鍵及び外筒を連結して一体に回動できるような構造と
し、一方、上記タンブラー群のうち、少なくとも1個の
タンブラーを休止タンブラーとして指定し、この休止タ
ンブラーはその一端に係止スロットが形成されて、工事
専用のコンストラクションキーが使用されている間は、
内筒内部に装着された係止片と係合して常時休止タンブ
ラーの両端がシアーラインに揃っており、他方、タンブ
ラー群のうち上記休止タンブラーを除いて少くとも1個
を解除タンブラーとして指定し、この解除タンブラーは
その一端に板カムが形成されており、コンストラクショ
ンキー使用時には、解除タンブラーの長さ方向の移動が
行われず、合鍵を初めて使用した時、合鍵のシャンクが
解除タンブラーを長さ方向に移動させることにより、前
記板カムが前記係止片を押動して係止片と休止タンブラ
ーの係止スロットとの係合を解くようにしたことを特徴
とする。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、取付対象
物に固定する有定円筒状の内筒とその内筒の外周に回動
可能に装着された有底円筒状の外筒とを備えているこ
と;固定の内筒と可動の外筒との間には、シアラインを
形成すること;鍵孔を有し、内筒の前面板の中央部に内
筒の中心軸線の周りに回動可能なキーガイドを装着する
こと;内筒の内側にその中心軸線と直交するように配さ
れ、シアラインの直径分の長さを有する複数の平板上の
タンブラーを内筒内で直線的に往復変位できるように案
内すること;各タンブラーは鍵を差し込んでいない状態
において一端を内筒の貫通スリットを通じ外筒に90°
の角度を隔てて設けた3つの係合スリットの一つに係合
させ、鍵の回動操作時その係合が解除されるものである
こと;各タンブラーはその長さ方向に付勢させてあるこ
と;各タンブラーの中央部には細長い板状の鍵が差込ま
れる差込み穴を有し、その差込み穴は鍵の回動操作にお
いて、鍵のシャンクを逃がす逃がし部及びシャンクの側
編に設けた鍵溝における谷部と当接する当接部から形成
されていること;各タンブラーはキーガイドを通じて差
込まれた鍵の対応する谷部の深さに応じて基準点から異
なる距離の当接部を有する複数種の異なる形のタンブラ
ーから選択されたものであること;全タンブラーは差込
まれた鍵を当初の第1位置から90°を回動させた第2
位置において両端を内筒と外筒との間のシアラインに合
致させるようにしてあること;タンブラー群のうち少く
とも1個のタンブラーを休止タンブラーとして指定し、
この休止タンブラーにはその一端に係止スロットが形成
されていること;工事専用のコンストラクションキーが
使用されている間は、上記係止スロットは内筒内部に装
着された係止片と係合して常時休止タンブラーの両端が
シアラインに合致するようにしてあること;タンブラー
群のうち上記休止タンブラーを除いて少なくとも1個を
解除タンブラーとして指定し、この解除タンブラーの一
端には板カムが形成されていること;最初の合鍵の使用
時において、合鍵のシャンクが解除タンブラーを長さ方
向に移動させ、前記板カムが前記係止片を押動して係止
片を係止スロットとの係合を解くこと;キーガイドを通
じ差し込まれた鍵はその先端が内筒を貫通し、外筒に設
けたクラッチ手段に嵌め込まれるようにしてあること;
及び、キーガイドに差込まれた鍵は第1位置から第2位
置に回動させる間は外筒に対しクラッチ手段を介し遊動
させ、第2位置から更に90°回動させた第3位置に至
る間は、前記クラッチ手段を介して外筒と鍵とを一体に
連結することを構成条件とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施例に基い
て、この発明について説明する。図1乃至図4におい
て、符号10はかばん類又はシャッタ(よろい戸)等の
この発明に係るカップ錠の取付対象物、符号1は短い有
底円筒状の内筒を示し、この内筒1は、前面板11の一
部をなすフランジ部12を通る鋲又は止めねじ9等で取
付対象物10にに固定される。
【0012】また、図1において、符号2は内筒1の外
周に回動可能に装着された有底円筒状の外筒、符号23
は内筒1のフランジ部12の背面に対し裏側から外筒2
のフランジ部22を可動な状態で押さえつけてある段付
き柱状をなす押え片である。
【0013】前記の前面板11は内筒1に対し図示のよ
うに一体としてもよいし、別体として固設してもよい。
また、押さえ片23は図示のものに限らないことはいう
までもない。
【0014】前述の固定の内筒1の前面板11の中央部
には、該内筒1の中心軸線の回りに回動可能なキーガイ
ド4が装着してある。このキーガイド4は、例えば段付
きの円板状をなし、正面から見て中央部には鍵孔41が
穿設されている(図3参照)。
【0015】一方、図3において、符号42は鍵孔41
に設けられたウォードで、図11及び図12に示すコン
ストラクションキー5A及び合鍵5Bの凹溝として形成
されたウォード53に対応させて、凸条として形成して
ある。
【0016】また、内筒1の中央部に嵌め込まれた可動
のキーガイド4は、内筒1の前面板11にかしめ付けさ
れたカバー板13によって離脱できないように押さえつ
けてある。
【0017】後述するように、この発明におけるキーガ
イド4は、その鍵孔41に差込まれたコンストラクショ
ンキー5A或いは合鍵5Bにより固定の内筒1に対し1
80°の角度範囲で回動されることになるが、その回動
の両端部でコンストラクションキー或は合鍵が抜き出さ
れた後に、キーガイド4が内筒1に対し回動方向にずれ
動くと、次にコンストラクションキー或は合鍵を差込む
時にキーガイド4に続く後述のタンブラー6に対する差
込みにおいて支障を来たすことがある。
【0018】そこで、キーガイド4は内筒1の前面板1
1との間にクリック手段(図示しない)を設けるを可と
する。クリック手段としては、板ばねを用いたもの、小
球と圧縮コイルばねの組合せでなるもの等を採用するこ
とができる。
【0019】更に、内筒1の内側には、その中心軸線と
直交するようにして、細長い薄い板状の係止片であるタ
ンブラー6が複数枚設けてあり、これらのタンブラー
6、6は板厚方向を内筒の軸線方向に一致させた状態で
軸線方向に沿って積層されている。
【0020】この発明においては、これら複数のタンブ
ラーのうち、少くとも1個を休止タンブラーとして指定
し、また休止タンブラーを除いて少なくとも他の1個を
解除タンブラーとして指定する。
【0021】この実施例においては、図1において、前
面板11の方から数えて3番目乃至6番目のタンブラー
6−3〜6−6を休止タンブラーとして指定し、同じく
8番目のタンブラー6−8を解除タンブラーとして指定
する。
【0022】休止タンブラー6−3〜6−6及び解除タ
ンブラー6−8を除いた他のタンブラー6−1、タンブ
ラー6−2及びタンブラー6−7を図6及び図7に示
す。
【0023】又、休止タンブラー6−3〜6−6を図8
及び図9に示す。図示のように、休止タンブラーの側端
縁部には幅方向に突出する一対の突起66が一体的に形
成され、これら一対の突起66、66の間には係止スロ
ット67が形成されている。
【0024】一方、図10に示すように、解除タンブラ
ー6−8の側端縁部には、これと斜交し、タンブラーの
長さ方向に延在する端縁69を有する板カム68が一体
的に形成されている。
【0025】上記したそれぞれのタンブラー6には長さ
方向に沿って前後二つの案内長孔64が一直線上で開口
しており、内筒1の前面板11にかしめ付け等により固
設された一対の保持棒71、71(図5参照)により保
持案内されている。
【0026】そして、板厚方向において相互に隣接する
2つのタンブラー6、6が互いに平行な位置関係を保
ち、適当な間隔を隔てて保持されるようにするため、こ
れらタンブラー6、6の間における保持棒71に形成さ
れた溝にE−リング等のスペーサ72が嵌込まれる。
【0027】このようにして、各タンブラー6はその長
さ方向においては保持棒71と案内長孔64の係合によ
り長さ方向の移動の範囲が適切に制限され、厚さ方向に
おいてはスペーサ72によってタンブラー6、6間の間
隙が適切に設定されて長さ方向の移動の円滑さが保証さ
れている。
【0028】また、図示例のカップ鍵においては、2つ
で対をなすようにして装着した1組のタンブラー6、6
間に共通のタンブラーばね65としての引張りコイルば
ねが掛け渡してあり、左右で互いに逆向きに装着した各
タンブラー6の一端6aが外筒2の胴部に向かうように
付勢させてある。
【0029】但し、タンブラーばね65は一対のタンブ
ラー6、6で共通のものとはせずに格別に設けてもよ
く、ばねの種類も圧縮コイルばね等他の種類のものとし
てもよい。
【0030】タンブラーばね65をタンブラー6に対し
格別に設けるときは、そのばねの一端はタンブラーに係
止させ、他端は内筒1内に固定した取付棒等に係止させ
るとよい。
【0031】隣り合う2組(2対)のタンブラー6、6
及び6、6は、互いにタンブラーばね65の位置を高さ
方向にずらせてあるが、このように構成した理由は、タ
ンブラー間の間隔に比較してタンブラーばねのコイル直
径が大きく、よって隣り合うタンブラーばね65、65
どうしが相互に干渉していないようにするためである。
【0032】また、1組のタンブラー6、6において、
それらを左右で互いに逆向きに装着した理由は、図11
及び図12に示すように細長い板状のコンストラクショ
ンキー5A及び合鍵5Bのシャンク51における両側辺
に鍵溝52、52を設けたためである。
【0033】図示はしないが、シャンク51の一側辺に
のみ鍵溝52を設けた場合は、全てのタンブラーを内筒
1内で同じ向きに装着する。
【0034】更に、各タンブラー6の中央部には、図6
乃至図10に明示するように、コンストラクションキー
或いは鍵が差込まれる例えばD字形の差込み穴61が開
口しており、その差込み穴61は、コンストラクション
キー或いは合鍵の回動操作時それらのシャンク51の回
動方向の移動軌跡と干渉しないように形成された逃がし
部62及び該シャンク51の一側辺又は他側辺に設けた
鍵溝52の谷部52aと当接する直線状の当接部63か
ら形成されている。
【0035】一方、キーガイド4に挿入されるコンスト
ラクションキー5A或は合鍵5Bの側面に現れる鍵溝5
2の形状は、図11に示すコンストラクションキー及び
図12に示す合鍵に見られるように、タンブラー6の板
厚よりもやや幅広の矩形の溝となる。
【0036】図11及び図12から明らかなように、こ
の発明によるカップ錠の鍵は、従来の通常の鍵のように
鍵溝の両側に傾斜部を形成する必要がないので、その分
長さが短くなる。
【0037】前記のように谷部52aを円弧面に形成し
た鍵5によれば、この円弧面とタンブラーの当接部63
とが相互に当接して係合した状態では、鍵5の僅かの左
右方向への回動に対して当接部63、すなわちタンブラ
ー6は動かないので、後述の外筒2の回動がスムーズに
なる。
【0038】次に、この発明のカップ錠における錠前と
しての機能的構造について説明する。便宜上、コンスト
ラクションキー5Aを使用しての説明は後述することと
し、先ず合鍵5Bを使用する場合について説明する。
【0039】解除タンブラー6−8を除いて、タンブラ
ー6−1〜6−7は、固定の内筒1と可動の外筒2との
間に形成されるシアーラインS(図14参照)の直径分
に相当する長さを有している。
【0040】なお、この場合、各タンブラー6−1〜6
−7の両端は、円弧状のシアーラインに合わせて円形の
円弧の一部をなすように成形するを可とする。
【0041】また、各タンブラー6−1〜6−7は合鍵
5Bを差込んでいない自由状態においては(この際、カ
ップ錠としては解錠状態であっても施錠状態であっても
よい)、一端6aを内筒1に180°の角度間隔を隔て
て設けた2つの貫通スリット15、15の一つを通じ、
外筒2に90°の角度間隔を隔てて設けた4つの係合ス
リット25、25の一つに係合させてある(図13参
照)。
【0042】更にまた、合鍵5Bの90°の回動操作
時、該タンブラーの両端6a、6bがシアーラインSに
合致して、係合スリット25に対するタンブラーの係合
(係止)が解かれるように設定されている。(図14参
照)
【0043】次に、上記構造について更に詳細に説明す
る。
【0044】すなわち、各タンブラー6−1〜6−7の
差込み穴61の形状大きさを固定すると共に、差込み穴
61及び案内長孔64、64の相対関係位置を固定し、
タンブラーが内筒に装着され、タンブラーばね65によ
り付勢された状態において、合鍵5Bの回動中心点Rが
差込み穴61内に存在し、しかもこの点Rと当接部63
との距離が合鍵のシャンクの板厚の半分よりもやや大き
くなるように設定する(図13参照)。
【0045】このようにしたタンブラーを左右対称にし
て内筒に装着すると、図2及び図13に示すように、内
筒軸線方向に列設された当接部63、63の端縁が合鍵
5Bのシャンク51のガイド孔すなわち従来のシリンダ
錠の鍵孔と同様の機能を発揮し、合鍵5Bの差込みをス
ムーズにする。
【0046】そして、対応する鍵溝52の深さに応じ
て、合鍵5Bが90°回動した時タンブラーの両端がシ
アーラインSに合致するように当接部63と一端の基準
点Qとの距離を定め、次いでタンブラーの他端の端縁位
置をシアーラインSの直径分だけ離間するように定め
る。(図14参照)
【0047】または、タンブラーの外形を同形にすると
製作上及び管理上便利であるとの考えから出発すれば、
その外形を固定し、対応する鍵溝52の深さに応じて差
込み穴61、案内長孔64、64の総体一関係を固定し
た状態で、これらを左右にずらせて開口させる。
【0048】これら2つのタンブラー設定方法は結局同
じであって、この場合当接部63を鍵孔の一部として使
用できる。
【0049】また、タンブラーの外形及びこのタンブラ
ーの外形輪郭に対する案内長孔64、74の相対関係位
置を一定にし、鍵溝52の深さに応じて差込み穴61の
位置のみを変化させてもよい。
【0050】上記のようにタンブラーを形成することに
より、差込まれた合鍵5Bを当初の第1位置(図13参
照)から例えば矢印Aのように右回りに90°回動させ
ると、タンブラー6はタンブラーばね65の弾力に抗し
て図14に示すように変位し、各タンブラーの両端6
a、6bが内筒1と外筒2との間のシアーラインSに共
に合致することになる。
【0051】ところで、キーガイド4を通じてカップ錠
に差し込まれた合鍵5Bのシャンク51における先端
は、内筒1及び複数のタンブラーを貫通し、外筒2の後
方側の底板21に設けたクラッチ手段8に嵌め込まれて
いる。
【0052】図示例のクラッチ手段8は、図4に明示す
るように、外筒2の底板21に穿設しただるま状のクラ
ッチ穴でそのクラッチ穴は合鍵5Bの回動操作において
シャンク51の先端を逃がす遊動部81及びシャンク5
1の側面が当接する衝合部82からなる。
【0053】そこで、合鍵を第1位置から図14に示す
第2位置に回動させる間は、シャンク51の先端は外筒
に対してはそのクラッチ手段8の遊動部81の存在によ
り空動きすることになるので、シャンク51はその鍵溝
52において内筒1内のタンブラーのみを作動させ、タ
ンブラー6の両端6a,6bをシアーラインSに合致さ
せることになる。
【0054】従って、タンブラー6の端部を介しての内
筒1及び外筒2の相互の係合が解け、可動の外筒2は固
定の内筒1に対して相対回動が可能となる。
【0055】そこで、前記の合鍵5B(図14参照)か
ら更に矢印Bのように右回りに90°の角度を回動させ
ると、シャンク51の先端における側面でクラッチ手段
8の衝合部82が押されることになり、外筒1は同方向
に回動し、第3位置(当初の第1位置から180°回動
した位置)において、シャンク51の鍵溝52は各タン
ブラーとの嵌まり合いの状態から完全に外れることにな
る。
【0056】従って、内筒1内のタンブラー6の一端6
aは、タンブラーばね65の弾力により該内筒1の貫通
スリット15から再び突出し、外筒2の係合スリット2
5に係合するので、外筒2は内筒1に対し回動不能に係
止される。そして合鍵5Bはこの第3位置で抜き出され
る。
【0057】また、合鍵5Bを第2位置から第3位置に
回動させてる間に、合鍵5Bのシャンク51の先端又は
外筒2に設けた図示しない作用部材等に連係させた図示
しない錠機構によって取付対象物10は施解錠される。
【0058】前記のように谷部52aを円弧面に形成し
た合鍵5Bによれば、その合鍵5Bの回動によりシアー
ラインSに位置するタンブラー6の一方の端部6aを外
筒2の係合スリット25の一つに係合させるとき、その
初動のわずかな回動範囲では各タンブラーを静止させる
ことになるので、突出する一端6aが外筒2の係合スリ
ット25の縁部に衝突したりすることがなく、この折の
タンブラーの動きをスムーズにすることができる。
【0059】以上の説明は、合鍵5bを使用してこの発
明のカップ錠を施解錠操作するときの構造説明である
が、次にコンストラクションキー5Aを使用して施解錠
操作するときの構造について説明する。
【0060】前記したように、この発明のカップ錠にお
いては少くとも1個の休止タンブラーが指定され、ま
た、休止タンブラーのほかに少くとも1個の解除タンブ
ラーが指定されている。
【0061】しかして、この実施例では、4個のタンブ
ラー6−3〜6−6を休止タンブラーとして、タンブラ
ー6−8を解除タンブラーとして設定している。
【0062】コンストラクションキー5Aは、合鍵5B
が使用される前の時点(例えば錠の取付対象物が施主に
引き渡される前)において使用されるが、この時点にお
いては、休止タンブラーは下記に示す方法により施解錠
を制御するというタンブラーとしての機能が休止されて
いる。
【0063】図15及び図16に示すように内筒1の前
面板11の内側面には止めねじ32によりL形断面のブ
ラケット31が固定され、このブラケット31には止め
ねじ33及び皿ばね34により略矩形の係止片3が内筒
1の半径方向に摺動可能に装着されている。
【0064】図示の実施例では、この係止片3は板状を
なし、その板面は内筒1の中心線に平行で中心線に向か
って装着され、皿ばね34の弾力によりブラケット31
の表面に強く圧接されている。従って、小さな外力や振
動等によっては容易に動かないように取付けられる。
【0065】一方、前述したように休止タンブラー6−
3〜6−6の一端には係止スロット67が形成され、係
止片3が内筒1の中心に向かって近接した位置において
係止スロット67と係止片3とは相互に係合し、休止タ
ンブラーはその長さ方向の動きが拘束される。
【0066】しかして、カップ錠の製作に当っては、図
15及び図16に示すように、係止片3を内筒1の中心
方向に近接させ、係止片を休止タンブラー6−3〜6−
6の係止スロット67内に挿入し係合させておく。
【0067】なお、各休止タンブラー6−3〜6−6の
外形に対する係止スロット67の位置関係は、上記係合
状態にある時、各係止タンブラーの両端6a、6bがシ
アーラインSに合致するように設定されている。(図1
6参照)
【0068】よって、各休止タンブラーの一端6aは、
この状態においては、常時、外筒2の係合スリット25
に挿入されることなく、施解錠を制御するというタンブ
ラーとしての機能が休止される。
【0069】一方、解除タンブラー6−8は、前記した
ように、その一端に斜縁69を有する板カム68が形成
されている。更にこの解除タンブラーは他の各タンブラ
ーとは異なり、その両端6a、6b間の長さが短く、長
さ方向のどちら側に移動しても常時その両端6a、6b
は外筒2の係合スリット25とは係合しない長さに設定
されていて、施解錠を制御するためのタンブラーとして
の機能は有しないものとなっている。
【0070】コンストラクションキー5Aは、図11に
示すように、タンブラー6−1〜6―2及びタンブラー
6−7と係合する位置にある鍵溝52は合鍵5Bと全く
同じ形状であり、休止タンブラー6−3〜6−6及び解
除タンブラー6−8と係合する位置にある鍵溝52はシ
ャンク中心部に近くまで深くカットされている。
【0071】よって、このコンストラクションキー5A
のシャンク51を鍵孔42に挿入して回動させた時、タ
ンブラー6−1〜6−2及びタンブラー6−7に関して
は合鍵5Bを使用したときと同様の作用が行われ、一
方、休止タンブラー6−3〜6―6はタンブラーとして
の機能が休止されており、解除タンブラー6−8はタン
ブラーとしての機能が休止されており、解除タンブラー
6−8はタンブラーとしての機能は有していないから、
施解錠が支障なく行われることとなる。
【0072】このとき、解除タンブラー6−8と係合す
る位置にある鍵溝52は深くカットされているから、解
除タンブラーの動きには何らの影響を与えることもな
い。
【0073】次に、コンストラクションキー5Aを使用
しての施解錠操作が不要となり(例えば錠の取付対象物
が施行業者から施主に引き渡された場合)、合鍵5Bを
初めて使用する場合について説明する。
【0074】合鍵5Bの構造については先に説明した通
りであるが、図12に示したように解除タンブラー6−
8と係合する位置にある鍵溝52はカットされておらず
合鍵5Bを鍵孔41に挿入したときシャンク51の側縁
が解除タンブラー6−8と係合する。
【0075】すなわち、合鍵5Bを初めて鍵孔41に挿
入した右回りに90°回動させると、シャンクの側縁が
解除タンブラー6−8の差込み穴61の当接部63を押
動して解除タンブラーを長さ方向に移動させる。(図1
8参照)
【0076】解除タンブラー6−8の長さ方向への移動
は解除タンブラーに一体的に形成された板カム68と同
方向に移動させ、板カムの斜縁69と接触している係止
片3を楔作用により、係止片とブラケット31との間の
摩擦力に抗して外方向へ押動する。
【0077】このとき、係止片3の移動量は休止タンブ
ラー6−3〜6−6と係止片3との係合を解くに充分な
だけの長さに設定されいるものとし、この結果、休止タ
ンブラー6−3〜6−6は係止片3から解放されて長さ
方向への移動が可能になる。
【0078】しかして、合鍵5Bを更に90°回動させ
てから鍵孔41から抜いたあとも、係止片3はブラケッ
ト31との間の摩擦力により外方へ移動した位置に保持
され、休止タンブラー6−3〜6−6は施解錠を制御す
るという本来のタンブラーとしての機能を獲得するに至
る。
【0079】次にこの発明のカップ錠の作用について説
明する。図15は合鍵5Bが使用される前のカップ錠の
側面図を示す。但し、内筒1及び内筒2は中心線に沿っ
ての断面図を示す。
【0080】内筒1に対し、タンブラー6―1〜6―2
及びタンブラー6―7をもって回動可能な外筒2が係止
されており、一方、休止タンブラー6−3〜6−6は係
止片3と係合して施解錠を制御する機能が休止され、
又、解除タンブラー6−8は施解錠を制御する機能は有
していない。
【0081】この外筒2が係止された状態では、カップ
錠の取付対象物10は解錠状態であっても施錠状態であ
ってもよいが、説明の都合上、図15の状態は取付対象
物10が解錠状態にあるものとしてその施錠作用につい
て以下に述べる。
【0082】図17及び図19は図15の錠における可
動のキーガイド4の鍵孔41に対しコンストラクション
キー5Aを単に差し込んだ状態を示している。前述した
ように、コンストラクションキーの鍵溝52には図11
に示すようにタンブラーをスムーズに誘導するための傾
斜案内部を要しない。
【0083】コンストラクションキー5Aが差し込まれ
た当初の位置である第1位置では、シャンク51は全タ
ンブラー6の差込み穴61に挿通され、シャンク51の
先端は外筒2の底板21に設けたクラッチ手段8に差込
まれている。
【0084】この第1位置にあるコンストラクションキ
ー5Aを例えば図13の矢印Aのように時計方向に回動
させると、シャンク51の先端は不動な状態に係止され
た外筒2の底板21におけるクラッチ手段8によって遊
動する一方で、シャンク51の基部は鍵溝52の溝をも
って各タンブラーの差込み穴61における当接部63部
分に櫛のように差し込まれる。
【0085】コンストラクションキー5Aが第1位置か
ら90°回動された第2位置に至る間に、鍵溝52の各
谷部52aは休止タンブラー6−3〜6−6及び解除タ
ンブラー6−8を除く、夫々対応するタンブラーの差込
み穴61における直線的な当接部63を押圧する。
【0086】そして、図20に示すように、コンストラ
クションキー5Aが時計方向に回動して第2位置に達す
ると、タンブラーばね65に抗して押し動かされた各タ
ンブラーが両端6a、6bを共にシアーラインSに合致
させ、各タンブラーによる外筒2の係合スリット25に
対する係合が解かれるので、外筒2は内筒1に対し回動
可能な状態となる。
【0087】第2位置にあるコンストラクションキー5
Aを図14の矢印Bで示すように更に時計方向に回動さ
せると、シャンク51の先端はクラッチ手段8を介して
接続されている回動可能な外筒2と共に回動し、コンス
トラクションキー5Aが更に90°回動された第3位置
においては、タンブラーばbね65の付勢力により、休
止タンブラー6−3〜6−6及び解除タンブラー6−8
を除いた各タンブラーの一端6aが再び外筒2の係合ス
リット25に係合する。
【0088】コンストラクションキー5Aを第2位置か
ら第3位置に回動操作させる間に、コンストラクション
キー5Aのシャンク51の先端又はコンストラクション
キ―と共に回動する外筒2により、錠機構(図示しな
い)が作動し、もって取付対象物10が施錠される。施
錠後は、コンストラクションキーをキーガイド4から抜
き取る。
【0089】また、施錠状態にある取付対象物10を解
錠させるには、キーガイド4の鍵孔41を通じて、コン
ストラクションキー5Aを差込み、そこにおいて、第3
位置を占めるコンストラクションキー5Aを施錠時とは
逆向きの左回りに180°回動させると、コンストラク
ションキー5Aは第2位置を経て第1位置に至るので、
そこでコンストラクションキーを抜き出せばよい。この
間に各部材は施錠時に準じて作動し、図19の解錠状態
に復帰する。
【0090】取付対象物10の工事が終了して、施主が
施解錠を行う時には、コンストラクションキー5Aに代
えて合鍵5Bを使用する。
【0091】初めて合鍵5Bをキーガイド41に差し込
んだ状態は図17と同じであり、休止タンブラー6−3
〜6−6は係止片3と係合して施解錠を制約する機能は
休止されている。
【0092】次に、第1位置にある合鍵5Bを90°右
回りに回動させると、合鍵5Bの解除タンブラー6−8
と係合する位置にあるシャンク側縁が解除タンブラー6
−8の当接部63を押動し、解除タンブラーに一体的に
形成された板カム68を同方向に移動させながら第2位
置に達する。(図18参照)
【0093】板カムの移動は、その斜縁69による楔作
用により、休止タンブラー6−3〜6−6の係止スロッ
ト67に係合している係止片3を外方に押動する。この
結果休止タンブラーの係止スロット67と係止片3との
係合が解かれ、休止タンブラーは長さ方向への移動が可
能となる。
【0094】第2位置にある合鍵5Bを更に右回りに回
動させると、コンストラクションキー5Aの使用時と同
様に外筒2と共に回動し、90°回動された第3位置に
おいては、タンブラーばね65の付勢力により解除タン
ブラー6−8を除いた各タンブラー6の一端6aが外筒
2の係合スリット25に係合する。
【0095】ここで注意すべきことは、この時点におい
て休止タンブラー6−3〜6―6が初めて外筒2の係合
スリット25と係合することであり、この時点以後はコ
ンストラクションキー5Aを使用しての施解錠は不可能
となる。
【0096】第3位置に回動されたあと、合鍵5Bをキ
ーガイド4から抜き取る。
【0097】第2位置から第3位置に至る間に取付対象
物10が施錠されることについては、コンストラクショ
ンキー5A使用時と同じであることは勿論である。
【0098】上記は合鍵5Bを初めて使用した場合の説
明であるが、その後合鍵5Bを使用する場合は、休止タ
ンブラー6−3〜6−6が解除タンブラー6−8を除く
他のタンブラーと同様に施解錠を制御するように作用す
る。
【0099】図11に示すコンストラクションキー5A
と図12に示す合鍵5Bを比較すると、休止タンブラー
6−3〜6−6に係合する位置にある鍵溝52は、コン
ストラクションキー5Aの方は深くカットされ、合鍵5
Bの方は正規の鍵溝としての深さを有している。
【0100】これは、コンストラクションキー5Aを使
用する者(例えば取付対象物の施工業者)が合鍵5Bの
休止タンブラー6−3〜6−6に係合する位置にある鍵
溝52のコピーを取ることができないようにするためで
あって、錠の保安上大いに有効である。
【0101】又、コンストラクションキー5Aの解除タ
ンブラー6−8と係合する位置にある鍵孔52の幅を特
に広くとってあるのは、コンストラクションキーを鍵孔
41に無造作に挿入してシャンクの先端が突当たるまで
挿入せずに回動させたとき、シャンクの側端縁が不用意
に解除タンブラー6−8を動かすことを防止するためで
ある。
【0102】なお、上記の状態でコンストラクションキ
ーを回動させると、休止タンブラー6−3〜6−6の差
込み穴61の当接部63にはシャンクの側縁が当接し、
一方、休止タンブラーは係止片3との係合により長さ方
向の動きが制止されているので、コンストラクションキ
ー5Aの回動は90°に達する前に停止させられること
となる。
【0103】又、この実施例においては、休止タンブラ
ー6−3〜6−6についてのみ突起66を形成させてあ
るが、タンブラーの製作上プレス型の種類を少なくする
ために他のタンブラー6−1、6−2、6−7について
も突起を形成させてもよい。但し、この場合、係止片3
との係合は休止タンブラーのみについて行うことが必要
であるのはいうまでもない。
【0104】
【発明の効果】以上に説明したこの発明のカップ錠によ
れば、係止状態にある外筒を回動可能にするために各タ
ンブラの両端を共にシアーラインに合致させるについ
て、各タンブラのシアーラインに対する整合作用は、鍵
の当初の差込み位置から右又は左に90°回動させるこ
とにより行うことができるようにしてあるから、鍵溝に
おける溝の前後に案内斜面は設ける必要がなく、従っ
て、内筒内に装着される複数のタンブラにおける隣り合
う2つのタンブラー間の間隔は十分に小さくすることが
でき、カップ錠全体としての鍵の差込み方向の寸法を十
分に小さくすることができるという効果を奏する。
【0105】また、鍵の製作時、複数のタンブラーのう
ち少なくとも1個を休止タンブラーとして施解錠の制御
機能を休止させておいて、この状態ではコンストラクシ
ョンキーによる施解錠操作を可能とし、一方、合鍵によ
る最初の施解錠操作によって解除タンブラーを作用さ
せ、もって休止タンブラーの施解錠の制御機能を復帰さ
せるようにして、この時点以降コンストラクションキー
による施解錠操作を不可能としたから、鍵の保安上も大
きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のカップ錠の実施例を示す部分縦断側
面図。
【図2】図1のII−II線による一部断面正面図。
【図3】図1のカップ錠の正面図。
【図4】その背面図。
【図5】図1のカップ錠から保持棒と共に取外した内筒
の縦断側面図。
【図6】図1のカップ錠から取外したタンブラーの1つ
を示す正面図。
【図7】図1のカップ錠から取外したタンブラーの他の
1つを示す正面図。
【図8】図1のカップ錠から取外した休止タンブラーの
一つを示す正面図。
【図9】図1のカップ錠から取外した休止タンブラーの
他の一つをを示す正面図。
【図10】図1のカップ錠から取外した解除タンブラー
の正面図。
【図11】この発明のカップ錠に対して用いられるコン
ストラクションキーの一例を示す側面図。
【図12】この発明のカップ錠に対して用いられる合鍵
の一例を示す図で、(A)は側面図、(B)はそのシャ
ンクの横断面図である。
【図13】この発明のカップ錠に合鍵を差し込んだ状態
を示す横断正面図で、合鍵は第1位置にある。
【図14】合鍵を第1位置から右回りに90°回動させ
た第2位置を占めるように示した横断正面図。
【図15】この発明のカップ錠の実施例を示す横断側面
図で、係止片が休止タンブラーに係合した状態を示す。
【図16】図15のXVI−XVI線による一部断面正
面図。
【図17】図15のカップ錠にコンストラクションキー
或いは合鍵を挿入した状態を示す縦断側面図。
【図18】解除タンブラーの作用を説明するための説明
図。
【図19】図17のXIX−XIX線による一部断面正
面図で、コンストラクションキーは第1位置にある。
【図20】コンストラクションキーを第1位置から右回
りに90°回動させた第2位置を占めるように示した一
部断面正面図。
【符号の説明】
10 取付対象物 1 内筒 11 前面板 15 貫通スリット 2 外筒 21 底板 25 係合スリット 3 係止片 41 鍵孔 5A コンストラクションキー 5B 合鍵 51 シャンク 52 鍵溝 52a 谷部 6 タンブラー 6a 一端 61 差込み穴 62 逃がし部 63 当接部 65 タンブラばね 67 係止スロット 68 板カム 69 斜縁 7 案内手段 8 クラッチ手段 Q 基準点 R 回転中心点 S シアライン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短い円筒の母線に沿って、かつ中心軸線
    に関して対称的に一対のスリットを形成すると共に、そ
    の円周の一方の開口を覆うように取付対象物に固定され
    る前面板を一体に結合してなるカップ状の内筒と、内筒
    とほぼ同じ長さの有底のカップ状の円筒体で、開口を相
    互に対向させるようにして、内筒の外側に回動可能に被
    嵌され、内筒のスリットと同幅のスリットの2対を90
    °の角度間隔を保って形成した外筒と、上記前面板の中
    央部を貫通するように、かつ回動可能に装着されると共
    に、鍵孔を開口させた内筒と同軸のキーガイドと、内筒
    の直径方向に延在する細長い板状体で、その板厚方向を
    内筒の軸線方向に一致させた状態で軸線方向に沿って積
    層して配設され、中央部に鍵のシャンクが遊嵌できる差
    込み穴を形成すると共に、長さ方向に移動可能に案内さ
    れて同方向に付勢された複数枚のタンブラーと、外筒の
    底板に配設され、キーガイドに差込まれた鍵の先端部を
    係合するクラッチ手段とを有し、上記タンブラーの長さ
    を内筒と外筒との間のシアーラインの直径に等しく設定
    すると共に、差込み穴の開口端縁の一部を鍵溝の谷部に
    当接する当接部とし、また、上記差込み穴の形状を、鍵
    の挿入時にこれと干渉せずに鍵の挿入を許容しかつ鍵の
    回動を許すと共に、鍵の所定方向への90°の回動時、
    鍵溝の谷部がタンブラーの付勢力に抗して当接部を押動
    して各タンブラーの両端をシアーラインに揃えるように
    設定し、一方、外筒のクラッチ手段は、鍵の最初の90
    °の回動時内筒及び外筒を残して鍵のみ遊動させ、鍵の
    更なる回動時、固定の内筒を残して鍵及び外筒を連結し
    て一体に回動できるような構造とし、一方、上記タンブ
    ラー群のうち、少なくとも1個のタンブラーを休止タン
    ブラーとして指定し、この休止タンブラーはその一端に
    係止スロットが形成されて、工事専用のコンストラクシ
    ョンキーが使用されている間は、内筒内部に装着された
    係止片と係合して常時休止タンブラーの両端がシアーラ
    インに揃っており、他方、タンブラー群のうち上記休止
    タンブラーを除いて少くとも1個を解除タンブラーとし
    て指定し、この解除タンブラーはその一端に板カムが形
    成されており、コンストラクションキー使用時には、解
    除タンブラーの長さ方向の移動が行われず、合鍵を初め
    て使用した時、合鍵のシャンクが解除タンブラーを長さ
    方向に移動させることにより、前記板カムが前記係止片
    を押動して係止片と休止タンブラーの係止スロットとの
    係合を解くようにしたことを特徴とするコンストラクシ
    ョンキー装置付きカップ錠。
  2. 【請求項2】 取付対象物に固定する有定円筒状の内筒
    とその内筒の外周に回動可能に装着された有底円筒状の
    外筒とを備えていること;固定の内筒と可動の外筒との
    間には、シアラインを形成すること;鍵孔を有し、内筒
    の前面板の中央部に内筒の中心軸線の周りに回動可能な
    キーガイドを装着すること;内筒の内側にその中心軸線
    と直交するように配され、シアラインの直径分の長さを
    有する複数の平板上のタンブラーを内筒内で直線的に往
    復変位できるように案内すること;各タンブラーは鍵を
    差し込んでいない状態において一端を内筒の貫通スリッ
    トを通じ外筒に90°の角度を隔てて設けた3つの係合
    スリットの一つに係合させ、鍵の回動操作時その係合が
    解除されるものであること;各タンブラーはその長さ方
    向に付勢させてあること;各タンブラーの中央部には細
    長い板状の鍵が差込まれる差込み穴を有し、その差込み
    穴は鍵の回動操作において、鍵のシャンクを逃がす逃が
    し部及びシャンクの側編に設けた鍵溝における谷部と当
    接する当接部から形成されていること;各タンブラーは
    キーガイドを通じて差込まれた鍵の対応する谷部の深さ
    に応じて基準点から異なる距離の当接部を有する複数種
    の異なる形のタンブラーから選択されたものであるこ
    と;全タンブラーは差込まれた鍵を当初の第1位置から
    90°を回動させた第2位置において両端を内筒と外筒
    との間のシアラインに合致させるようにしてあること;
    タンブラー群のうち少くとも1個のタンブラーを休止タ
    ンブラーとして指定し、この休止タンブラーにはその一
    端に係止スロットが形成されていること;工事専用のコ
    ンストラクションキーが使用されている間は、上記係止
    スロットは内筒内部に装着された係止片と係合して常時
    休止タンブラーの両端がシアラインに合致するようにし
    てあること;タンブラー群のうち上記休止タンブラーを
    除いて少なくとも1個を解除タンブラーとして指定し、
    この解除タンブラーの一端には板カムが形成されている
    こと;最初の合鍵の使用時において、合鍵のシャンクが
    解除タンブラーを長さ方向に移動させ、前記板カムが前
    記係止片を押動して係止片を係止スロットとの係合を解
    くこと;キーガイドを通じ差し込まれた鍵はその先端が
    内筒を貫通し、外筒に設けたクラッチ手段に嵌め込まれ
    るようにしてあること;及び、キーガイドに差込まれた
    鍵は第1位置から第2位置に回動させる間は外筒に対し
    クラッチ手段を介し遊動させ、第2位置から更に90°
    回動させた第3位置に至る間は、前記クラッチ手段を介
    して外筒と鍵とを一体に連結することを構成条件とする
    コンストラクションキー装置付カップ錠。
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