JPH11200535A - 板ガラスの施工構造体 - Google Patents

板ガラスの施工構造体

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JPH11200535A
JPH11200535A JP187098A JP187098A JPH11200535A JP H11200535 A JPH11200535 A JP H11200535A JP 187098 A JP187098 A JP 187098A JP 187098 A JP187098 A JP 187098A JP H11200535 A JPH11200535 A JP H11200535A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地震によるリブ板ガラスの損傷を抑止可能な板
ガラスの施工構造体を提供する。 【解決手段】フェイス板ガラス1とリブ板ガラス3とを
中モジュラスまたは高モジュラスのシーリング材15で
接着し、フェイス板ガラス1の上下縁部の幅方向中間部
分と固定枠6、7とを中モジュラスまたは高モジュラス
のシーリング材16で接着し、地震に起因したリブ板ガ
ラス3への曲げ荷重の軽減を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のフェイス板
ガラスで構成されるガラス壁面と、該ガラス壁面に接着
されるリブ板ガラスとを備えた板ガラスの施工構造体に
関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の板ガラスの施工構造体の一
例を示す斜視図、図4は図3のフェイス板ガラスおよび
リブ板ガラスの地震などによる変位を示す概念図、図5
は従来提案されているリブ板ガラス支持手段の一例を示
す部分切断斜視図である。
【0003】近年、ビルなどの建築物の開口部に、板ガ
ラスの施工構造体を適用して大型ガラススクリーンを形
成する例が、採光、視界の良好さなどの点で増えてい
る。図3および図4に示す板ガラスの施工構造体では、
直立した複数のフェイス板ガラス1の側端を突き合せ
て、建築物の室内A側と室外B側とを仕切るガラス壁面
2を構成している。また、ガラス壁面2に対して直交す
るリブ板ガラス3を、ガラス壁面2の室内A側におい
て、隣接するフェイス板ガラス1の突き合せ部に沿うよ
うに配置している。
【0004】隣接するフェイス板ガラス1の間、ならび
にフェイス板ガラス1とリブ板ガラス3との間には、高
さ方向の全長にわたってシーリング材4が充填され、シ
ーリング材4により、フェイス板ガラス1の突き合せ部
分とリブ板ガラス3の室外B側端とが相互に接着されて
いる。シーリング材4には、ガラス壁面2に作用する風
圧力などの力に対して充分な引張強度、剪断強度、およ
び接着強度を具備した高モジュラスのものが用いられて
いる。
【0005】フェイス板ガラス1およびリブ板ガラス3
の上縁部は、躯体5の開口上縁部に取り付けられた固定
枠6に嵌着され、フェイス板ガラス1およびリブ板ガラ
ス3の下縁部は、躯体5の開口下縁部に取り付けられた
固定枠7に嵌着されている。
【0006】フェイス板ガラス1の上縁部と固定枠6と
の間、ならびにフェイス板ガラス1の下縁部と固定枠7
との間には、フェイス板ガラス1の上下縁部の全長にわ
たってシーリング材8が充填され、シーリング材8によ
り、フェイス板ガラス1の上下縁部と固定枠6、7とが
相互に接着されている。シーリング材8には低モジュラ
スのものが用いられている。
【0007】上述した板ガラスの施工構造体では、図4
に示すように、地震などで、上側の固定枠6が左方C側
へ変位し、固定枠6の変位に対して下側の固定枠7が相
対的に右方D側へ変位するように躯体5が傾くと、上下
の固定枠6、7の間に変位量Xの層間変位が生じる。
【0008】このとき、固定枠6、7に対するガラス壁
面2に沿った横方向への摺動を許容されないリブ板ガラ
ス3の上部および下部の間にも、前記の変位量Xとほぼ
等しい変位量の層間変位が生じる。フェイス板ガラス1
の上部と下部との間に生じる層間変位の変位量Yは、隣
接するフェイス板ガラス1を接着している高モジュラス
のシーリング材4の拘束力や、フェイス板ガラス1の自
重による慣性力の影響を受けて、固定枠6、7の層間変
位の変位量Xに比べて小さくなろうする。
【0009】ところが、実際には、フェイス板ガラス1
とリブ板ガラス3とが高モジュラスのシーリング材4で
接着されているので、上部および下部を除くリブ板ガラ
ス3の高さ方向中間部分では、当該部分がフェイス板ガ
ラス1の高さ方向中間部分に追従して変位しようとす
る。
【0010】したがって、リブ板ガラス3において、固
定枠6とともに変位する上部とフェイス板ガラス1に追
従して変位する中間部分との間に位置する上部近傍部分
や、固定枠7とともに変位する下部とフェイス板ガラス
1に追従して変位する中間部分との間に位置する下部近
傍部分には、大きな曲げ荷重が作用する。これにより、
リブ板ガラス3が、図4に示すように、ほぼS字状に変
形する傾向を呈し、躯体5の変形量が大きい場合には、
リブ板ガラス3が損傷することが懸念される。
【0011】このような躯体5の変形に起因したリブ板
ガラス3の損傷を抑止しうるリブ板ガラス支持手段が提
案されている(特開昭56−3784)。この提案のリ
ブ板ガラス支持手段では、図5に示すように、リブ板ガ
ラス3の上部を躯体5の開口上縁部(図示せず)に係止
してリブ板ガラス3を吊り下げ、リブ板ガラス3の下縁
部に、セッティングブロック9、バックアップ材10、
シーリング材11を介して下框枠12を外嵌している。
【0012】さらに、躯体5の開口下縁部に、下框枠1
2が内方に遊嵌する固定枠13を固着し、リブ板ガラス
3の板厚方向への下框枠12の摺動を許容しうるよう
に、下框枠12と固定枠13との間に弾性部材14を介
在させている。すなわち、このリブ板ガラス支持手段で
は、リブ板ガラス3の上部および下部のそれぞれが、躯
体5に対して固定されていない。
【0013】したがって、先に述べたように躯体5が変
形する際には、リブ板ガラス3の上下部がフェイス板ガ
ラス1(図3および図4参照)に追従して変位し、曲げ
荷重によるリブ板ガラス3の損傷を回避できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図5に示すリ
ブ板ガラス支持手段は構造が複雑で、組付作業を短時間
で行えず、工事費が高価であるため、広く普及していな
い。本発明は、上述した実情に鑑みてなしたもので、簡
単な構造で地震によるリブ板ガラスの損傷を抑止できる
板ガラスの施工構造体の提供を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、直立した複数
のフェイス板ガラスの側縁を突き合せてガラス壁面を構
成し、ガラス壁面に対して直交して配置されたリブ板ガ
ラスの一側縁をガラス壁面に接着してガラス壁面を支持
させ、フェイス板ガラスとリブ板ガラスとの上下縁部を
躯体の開口上下縁部に設けた固定枠に嵌着し、フェイス
板ガラスの上下縁部を固定枠に接着した板ガラスの施工
構造体において、フェイス板ガラスとリブ板ガラスとの
突き合せ部分を、高さ方向全長にわたって、JIS A
5758記載の引張接着性能試験による50%モジュラ
スの引張応力が2kgf/cm2以上である中モジュラ
スまたは高モジュラスのシーリング材によって相互に接
着し、フェイス板ガラスの上下縁部の幅方向中間部分と
固定枠とを、前記試験による50%モジュラスの引張応
力が2kgf/cm2 以上である中モジュラスまたは高
モジュラスのシーリング材によって相互に接着し、フェ
イス板ガラスの上下縁部の幅方向中間部分を除く両端部
分と固定枠とを、前記試験による50%モジュラスの引
張応力が0.5kgf/cm2 以上の低モジュラス、中
モジュラスまたは高モジュラスのシーリング材によって
相互に接着したことを特徴とする板ガラスの施工構造体
を提供する。
【0016】また、本発明は、フェイス板ガラスの上下
縁部の幅方向中間部分を除く両端部分と固定枠とに接着
されるシーリング材の前記試験による50%モジュラス
の引張応力が、フェイス板ガラスの上下縁部の幅方向中
間部分と固定枠とに接着されるシーリング材の前記試験
による50%モジュラスの引張応力より低い上記の板ガ
ラスの施工構造体を提供する。
【0017】また、本発明は、フェイス板ガラスの上下
縁部の幅方向中間部分を除く両端部分と固定枠とを、前
記試験による50%モジュラスの引張応力が0.5kg
f/cm2 以上かつ4kgf/cm2 未満である低モジ
ュラスまたは中モジュラスのシーリング材によって相互
に接着した上記の板ガラスの施工構造体を提供する。
【0018】また、本発明は、躯体の開口下縁部の固定
枠の溝底部とフェイス板ガラスの下縁端との間に、複数
個のセッティングブロックを、フェイス板ガラスの下縁
部の端部から、フェイス板ガラスの幅の5分の1以上幅
方向中間部分寄りにセッティングブロックが位置するよ
うに介在させた上記の板ガラスの施工構造体を提供す
る。
【0019】本発明の板ガラスの施工構造体では、フェ
イス板ガラス、リブ板ガラス、固定枠の各部材を接着す
るシーリング材のモジュラスを、地震によるリブ板ガラ
スへの曲げ荷重が軽減されるように使い分け、リブ板ガ
ラスの損傷を抑止する。また、本発明の板ガラスの施工
構造体では、固定枠とフェイス板ガラスの下縁端との間
に介在するセッティングブロックの位置を、フェイス板
ガラスの下縁部の端部から、フェイス板ガラスの幅の5
分の1以上幅方向中間部分寄りにして、地震によるリブ
板ガラスへの曲げ荷重を効果的に軽減する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の板ガラスの施工構
造体の実施の形態の一例を示す斜視図、図2は図1にお
けるフェイス板ガラスおよびリブ板ガラスの地震などに
よる変位を示す概念図である。図1、2において、フェ
イス板ガラス1で構成されるガラス壁面2、リブ板ガラ
ス3、固定枠6、7は、図3〜図5に示すものと同等で
あり、その他、図3〜図5と同一の符号を付した部分は
同一物を表している。
【0021】図1および図2に示す板ガラスの施工構造
体では、各部材の相互の接着手段として、高モジュラス
または中モジュラスまたは低モジュラスのシーリング材
17と、中モジュラスまたは高モジュラスのシーリング
材15、16とを用いる。
【0022】シーリング材のモジュラスは、JIS A
5758「建築用シーリング材」記載の引張接着性能試
験に基づき定めている。この引張接着性能試験では、上
記JIS規格に示される2形試験体の一対の被着体を、
試験すべきシーリング材によって接着する。所定の養生
期間が経過してシーリング材が固相状態を呈した後、一
対の被着体を互いに離反する方向へ引張り、シーリング
材の長さが試験前の50%増の長さ(試験前に対して1
50%の長さ)になったときの引張応力を、50%モジ
ュラスの引張応力と称して、シーリング材の引張応力を
評価する。
【0023】ここで高モジュラスのシーリング材とは5
0%モジュラスの引張応力が4kgf/cm2 以上のも
の、中モジュラスのシーリング材とは2kgf/cm2
以上かつ4kgf/cm2 未満のもの、低モジュラスの
シーリング材とは2kgf/cm2 未満のものをいう。
【0024】高モジュラスまたは中モジュラスのシーリ
ング材としては、脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコー
ル型などのシリコーン系材料を主体としたものが代表例
として挙げられる。低モジュラスのシーリング材として
は、脱アミド型、脱アミノキシ型などのシリコーン系材
料を主体としたものが代表例として挙げられる。
【0025】隣接するフェイス板ガラス1の間、ならび
にフェイス板ガラス1とリブ板ガラス3との間に、高さ
方向全長にわたってシーリング材15を充填している。
すなわち、中モジュラスまたは高モジュラスのシーリン
グ材15によって、フェイス板ガラス1の突き合せ部分
とリブ板ガラス3の室外B側端とが相互に接着されてい
る。シーリング材15には、50%モジュラスの引張応
力が2kgf/cm2 以上のものを用い、風などの影響
によりガラス壁面2の室外B側の面に作用する負圧力に
対して充分な引張強度が具備されるようにする。
【0026】シーリング材15の50%モジュラスの引
張応力を評価するにあたっては、前述した2形試験体の
一対の被着体を、ガラス板またはアルミニウム合金板に
よって形成する。引張接着性能試験でのシーリング材1
5の破壊モードとしては、シーリング材15が破断する
凝集破断と、シーリング材15の接着面が被着体から剥
離する界面剥離とが考えられるが、界面剥離を呈するも
のは、フェイス板ガラス1とリブ板ガラス3との接着手
段として不適当である。
【0027】特に、安全率も考慮すると、特に、フェイ
ス板ガラス1の突き合せ部分とリブ板ガラスとの接着部
分のシーリング材15の引張強度は、接着強度も含め
て、2.5kgf/cm2 以上あることが好ましい。
【0028】フェイス板ガラス1の上縁部の幅方向中間
部分と固定枠6との間、ならびにフェイス板ガラス1の
下縁部の幅方向中間部分と固定枠7との間には、シーリ
ング材16を充填している。
【0029】すなわち、中モジュラスまたは高モジュラ
スのシーリング材16によって、フェイス板ガラス1の
上下縁部の幅方向中間部分と固定枠6、7とが相互に接
着されている。シーリング材16には、50%モジュラ
スの引張応力が2kgf/cm2 以上のものを用いる。
特に、安全率も考慮するとシーリング材16の引張強度
は、接着強度も含めて、2.5kgf/cm2 以上ある
ことが好ましい。
【0030】フェイス板ガラス1の上縁部の幅方向中間
部分を除く両端部分と固定枠6との間、ならびにフェイ
ス板ガラス1の下縁部の幅方向中間部分を除く両端部分
と固定枠7との間には、シーリング材17を充填してい
る。
【0031】すなわち、高モジュラス、中モジュラスま
たは低モジュラスのシーリング材17によって、フェイ
ス板ガラス1の上下縁部の幅方向中間部分を除く両側部
分と固定枠6、7とが相互に接着されている。フェイス
板ガラスの上下縁部の幅方向中間部分を除く両端部分と
固定枠とに接着されるシーリング材17の前記試験によ
る50%モジュラスの引張応力は、フェイス板ガラスの
上下縁部の幅方向中間部分と固定枠とに接着されるシー
リング材16の前記試験による50%以上のモジュラス
の引張応力より低いことが好ましい。
【0032】フェイス板ガラス1が横長形状の場合、す
なわちフェイス板ガラス1が矩形であって、横寸法が縦
寸法より長い場合は、地震を受けるとフェイス板ガラス
1の両端部は大きく浮き上がるため、フェイス板ガラス
1の幅方向の両端部と固定枠6、7の間のシーリング材
17は大きな剪断変形に追従できるように低モジュラス
とし、フェイス板ガラス1の幅方向中間部と固定枠6、
7の間のシーリング材16は高モジュラスとすることが
望ましい。
【0033】フェイス板ガラス1が縦長形状の場合、す
なわちフェイス板ガラス1が同様に矩形であって、縦寸
法が横寸法より長い場合は、地震を受けてもフェイス板
ガラス1の両端部の浮き上がり量は小さく、シーリング
材17の受ける剪断変形も小さい。よってこの場合は、
フェイス板ガラスと固定枠の間のシーリング材16、1
7は幅方向全幅にわたって中モジュラス品または高モジ
ュラス品とし、施工を簡易化できる。
【0034】本発明ではフェイス板ガラスの上下の固定
枠において、フェイス板ガラスの幅方向の中間部分のシ
ーリング材を高モジュラス品とし、その両側付近のシー
リング材を中モジュラス品または低モジュラス品とする
ことにより、リブ板ガラスとフェイス板ガラスとの地震
時の層間変位量をほぼ同一にし、優れた耐震性能を持た
せうる。
【0035】また、本発明ではフェイス板ガラスの上下
の固定枠において、フェイス板ガラスの幅方向の中間部
分のシーリング材を中モジュラス品とし、その両側付近
のシーリング材を低モジュラス品とすることにより、リ
ブ板ガラスとフェイス板ガラスとの地震時の層間変位量
をほぼ同一にし、優れた耐震性能を持たせうる。
【0036】また、フェイス板ガラス1の下縁端と、フ
ェイス板ガラス1の下縁部が嵌着される固定枠7の溝底
部との間には、複数個のセッティングブロック18を介
在させてある。このセッティングブロック18は、フェ
イス板ガラス1の下縁部の幅方向端部から、フェイス板
ガラス1の幅の5分の1以上、幅方向中間部分寄りに位
置するように設置されている。
【0037】上述した板ガラスの施工構造体では、地震
などで、図2に示すように、上側の固定枠6が左方C側
へ変位し、該固定枠6の変位に対して下側の固定枠7が
相対的に右方D側へ変位するように躯体5が傾くと、上
下の固定枠6、7の間に変位量Xの層間変位が生じる。
このとき、固定枠6、7に対するガラス壁面2に沿った
横方向への摺動を許容されないリブ板ガラス3の上部お
よび下部の間にも、固定枠6、7の間の変位量Xとほぼ
等しい変位量の層間変位が生じる。
【0038】フェイス板ガラス1の上下縁部の幅方向中
間部分は、高モジュラスまたは中モジュラスのシーリン
グ材16で固定枠6、7に接着されているので、フェイ
ス板ガラス1の上部と下部との間にも、固定枠6、7の
間の変位量Xとほぼ等しい変位量の層間変位が生じる。
【0039】また、セッティングブロック18が、フェ
イス板ガラス1の下縁部の幅方向中間部分寄りに位置す
るように設置されていることによっても、固定枠6、7
の層間変位に対するフェイス板ガラス1の上下縁部の層
間変位の同調が図られる。
【0040】さらに、フェイス板ガラス1とリブ板ガラ
ス3との側縁を、中モジュラスまたは低モジュラスのシ
ーリング材15で接着することにより、リブ板ガラス3
には大きな曲げ荷重が作用しない。よって、図1および
図2に示す板ガラスの施工構造体においては、地震など
の影響によるリブ板ガラス3の損傷を抑止しうる。
【0041】なお、本発明の板ガラスの施工構造体は上
述した実施の形態のみに限定されず、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々変更を加えうる。たとえば、フェイ
ス板ガラス1およびリブ板ガラス3の上縁部が固定枠6
を貫通するようにして、両板ガラス1、3の上縁部を躯
体5の開口上縁部に吊り下げる構成ともなしうる。この
場合、フェイス板ガラス1の下縁部と固定枠7の間にセ
ッティングブロック18を介在させなくてよい。
【0042】また、複数組の板ガラスの施工構造体を異
なる向きで配置して、各板ガラスの施工構造体における
端部のフェイス板ガラス1を突き合せ、建築物の角部壁
面を形成させるようにしてもよい。さらに、リブ板ガラ
ス3をガラス壁面2の室内A側と室外B側との双方に設
けてガラス壁面2を支持するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の板ガラスの
施工構造体においては下記のような種々の優れた効果を
奏しうる。 (1)フェイス板ガラス、リブ板ガラス、固定枠の各部
材を接着するシーリング材のモジュラスを、地震による
リブ板ガラスへの曲げ荷重が軽減されるように使い分け
ているので、簡単な構造でリブ板ガラスの損傷を抑止で
き、また、外壁施工の簡易化ならびに迅速化を図れる。
【0044】(2)さらに、固定枠とフェイス板ガラス
の下縁端との間に介在するセッティングブロックの位置
を、フェイス板ガラスの下縁部の端部から、フェイス板
ガラスの幅の5分の1以上幅方向中間部分寄りにするこ
とで、地震によるリブ板ガラスへの曲げ荷重を効果的に
軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板ガラスの施工構造体の実施の形態の
一例を示す斜視図。
【図2】図1におけるフェイス板ガラスおよびリブ板ガ
ラスの地震などによる変位を示す概念図。
【図3】従来の板ガラスの施工構造体の一例を示す斜視
図。
【図4】図4におけるフェイス板ガラスおよびリブ板ガ
ラスの地震などによる変位を示す概念図。
【図5】従来提案されているリブ板ガラス支持手段の一
例を示す部分切断斜視図。
【符号の説明】
1:フェイス板ガラス 2:ガラス壁面 3:リブ板ガラス 5:躯体 6:固定枠 7:固定枠 15:シーリング材(中モジュラスまたは高モジュラ
ス) 16:シーリング材(中モジュラスまたは高モジュラ
ス) 17:シーリング材(低モジュラス、中モジュラスまた
は高モジュラス) 18:セッティングブロック

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直立した複数のフェイス板ガラスの側縁を
    突き合せてガラス壁面を構成し、ガラス壁面に対して直
    交して配置されたリブ板ガラスの一側縁をガラス壁面に
    接着してガラス壁面を支持させ、フェイス板ガラスとリ
    ブ板ガラスとの上下縁部を躯体の開口上下縁部に設けた
    固定枠に嵌着し、フェイス板ガラスの上下縁部を固定枠
    に接着した板ガラスの施工構造体において、 フェイス板ガラスとリブ板ガラスとの突き合せ部分を、
    高さ方向全長にわたって、JIS A5758記載の引
    張接着性能試験による50%モジュラスの引張応力が2
    kgf/cm2 以上である中モジュラスまたは高モジュ
    ラスのシーリング材によって相互に接着し、 フェイス板ガラスの上下縁部の幅方向中間部分と固定枠
    とを、前記試験による50%モジュラスの引張応力が2
    kgf/cm2 以上である中モジュラスまたは高モジュ
    ラスのシーリング材によって相互に接着し、 フェイス板ガラスの上下縁部の幅方向中間部分を除く両
    端部分と固定枠とを、前記試験による50%モジュラス
    の引張応力が0.5kgf/cm2 以上の低モジュラ
    ス、中モジュラスまたは高モジュラスのシーリング材に
    よって相互に接着したことを特徴とする板ガラスの施工
    構造体。
  2. 【請求項2】フェイス板ガラスの上下縁部の幅方向中間
    部分を除く両端部分と固定枠とに接着されるシーリング
    材の前記試験による50%モジュラスの引張応力が、フ
    ェイス板ガラスの上下縁部の幅方向中間部分と固定枠と
    に接着されるシーリング材の前記試験による50%モジ
    ュラスの引張応力より低い請求項1記載の板ガラスの施
    工構造体。
  3. 【請求項3】フェイス板ガラスの上下縁部の幅方向中間
    部分を除く両端部分と固定枠とを、前記試験による50
    %モジュラスの引張応力が0.5kgf/cm2 以上か
    つ4kgf/cm2 未満である低モジュラスまたは中モ
    ジュラスのシーリング材によって相互に接着した請求項
    1または2記載の板ガラスの施工構造体。
  4. 【請求項4】躯体の開口下縁部の固定枠の溝底部とフェ
    イス板ガラスの下縁端との間に、複数個のセッティング
    ブロックを、フェイス板ガラスの下縁部の端部から、フ
    ェイス板ガラスの幅の5分の1以上幅方向中間部分寄り
    にセッティングブロックが位置するように介在させた請
    求項1、2または3記載の板ガラスの施工構造体。
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