JP6075545B2 - ガラススクリーン構造体及びガラススクリーン工法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラススクリーン構造体及びガラススクリーン工法に関する。
近年、ビル等の建築物の開口部を大型ガラススクリーンによって構成するガラススクリーン構造体が数多く施工されている。
ガラススクリーン構造体は、複数枚のガラス板が面一、又は所定の角度を有して配置されてなる面ガラスと方立ガラスとを備える。方立ガラスは、面ガラスの隣接するガラス板の上下方向に位置する目地部に沿って配置されるとともに目地部に沿って打設されたシール材によって面ガラスに対し所定の角度方向に接着される。シール材は、面ガラスの面外方向に働く風圧力等の力に対し十分な引張強度、剪断強度、及び接着強度を持つ高モジュラスのシール材が用いられている。
なお、面ガラスと方立ガラスの下端部は、躯体に固定された下部固定枠に固定され、上端部は上部固定枠に固定されている。
前記ガラススクリーン構造体において、地震等によって躯体に層間変位が生じた時の面ガラス及び方立ガラスの変位を図7に示す模式図を用いて説明する。
図7の符号1はガラス板、符号2は面ガラス、符号3で示す破線は方立ガラスである。方立ガラス3の上端部が上部固定枠4を介して躯体5に、そして、方立ガラス3の下端部が下部固定枠6を介して躯体5に完全に固定されているため、躯体5が地震等によって層間変位を受けて、躯体5の上部固定枠4側にD方向の力が働き、下部固定枠6側にE方向の力が働き、躯体がC−C方向に傾いて変位量Xだけ変位する時、方立ガラス3の上端部及び下端部は躯体5と同じ層間変位量Xを生じる。
一方、面ガラス2は相隣り合うガラス板1、1…との間のシール材(不図示)の拘束、及びガラス板1の自身重量による慣性力を受けるため、躯体5の層間変位量Xに比べて、面ガラス2の層間変位量Yは一般的に小さくなろうとする。すなわち、本来の現象としては、面ガラス2と方立ガラス3は地震時に異なる動きをしようとする。
しかしながら、面ガラス2と方立ガラス3とは、目地部7の全域に打設された高モジュラスのシール材によって接着されているため、上記の異なる動きをしようとする作用に逆らって、方立ガラス3の上端部及び下端部以外の部分(中央近傍部)では面ガラス2と方立ガラス3とは同じ動きをしようとするが、上記の通り、方立ガラス3の上端部及び下部は躯体5と同じ動きをするため、上端部及び下端部の近傍部では面ガラス2と方立ガラス3との変位量の差が大きくなる。
そのため方立ガラス3は、図7の破線に示すような略S字形の変位を起こし、方立ガラス3の上端部及び下端部に対して若干中央よりの上部近傍部G、及び下部近傍部Fで、方立ガラス3に大きな曲げ荷重が加わり、地震の規模によっては方立ガラス3が破損することがある。
特許文献1では、上記問題を解決するために、面ガラスを上部躯体から吊り下げるとともに、方立ガラスの下端部と下部躯体とをスライド可能に分離する二重枠構造体を介して方立ガラスの下端部を下部躯体に支持させている。
特許文献1によれば、前記二重枠構造体のスライド作用によって、方立ガラスは地震時に面ガラスと同じ動きをする。これにより、方立ガラスの上部近傍部、及び下部近傍部には大きな曲げ変位、曲げ応力が加わらないので、耐震性能を発揮する。
しかしながら、特許文献1のガラススクリーン構造体は、構造が複雑な前記二重枠構造体を必要とするので、ガラススクリーン構造体全体が複雑な構造となり、また工期も長くなるという問題があった。
一方、特許文献2のガラススクリーン工法では、目地部に打設されるシール材を、中央近傍部は高モジュラスのシール材を使用し、中央近傍部を除く上部及び下部では中モジュラス、又は低モジュラスのシール材を使用することによって、地震時の動きの違いを吸収する機構を持たせている。
特許文献2のガラススクリーン構造体は、前記二重枠構造体を備えた特許文献1のガラススクリーン構造体と比較して構造が簡単なので、工期を短縮できるという利点がある。なお、前記中央近傍部とは、中央部と中央部の上下の近傍部とを含んだ部分をいう。
前記シール材のモジュラスは、JIS A5758:2010に記載の引張接着性試験により試験された時に、50%モジュラスの引張応力(シール材が元の長さの50%増しの長さである150%の長さになる時の引張応力をいう。)によって決められる。高モジュラス、中モジュラス、及び低モジュラスの引張応力は特許文献2に記載されている。
高モジュラス及び中モジュラスのシール材の材質としては、脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型等のシリコーン系シール材を使用できる。低モジュラスのシール材の材質としては、脱アミド型、脱アミノキシ型等のシリコーン系シール材を使用できる。
特開昭56−3784号公報 特開平9−67883号公報
しかしながら、特許文献1のガラススクリーン構造体は、前述の如く二重枠構造体を備えているので、構造が複雑化するという問題があった。
また、特許文献2のガラススクリーン工法では、種類の異なる2種類のシール材を目地部に沿って別々に打設しなければならないので手間がかかり、ガラススクリーン構造体の工期が長くなるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、構造が簡単で短工期で施工することができる、耐震性のあるガラススクリーン構造体及びガラススクリーン工法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、複数枚のガラス板が面一、又は所定の角度を有して配置されてなる面ガラスと、前記面ガラスの隣接する前記ガラス板の上下方向に位置する目地部に沿って配置されるとともに前記目地部に沿って打設された単一のシール材によって前記ガラス板に対して所定の角度方向に接着される方立ガラスと、を備えたガラススクリーン構造体であって、前記目地部の高さ方向の中央近傍部を除く上部及び下部には、接着防止処理手段によって接着防止処理が施されていることを特徴とするガラススクリーン構造体を提供する。
また、本発明は、前記目的を達成するために、複数枚のガラス板を面一、又は所定の角度を有して配置して面ガラスを構成し、前記面ガラスの隣接する前記ガラス板の上下方向に位置する目地部に沿って方立ガラスを配置するとともに前記目地部に沿って単一のシール材を打設することにより前記方立ガラスを前記ガラス板に対して所定の角度方向に接着してなるガラススクリーン工法であって、前記目地部の高さ方向の中央近傍部を除く上部及び下部に、接着防止処理手段によって接着防止処理を施した後、前記シール材を前記目地部の全長に亙って打設して前記面ガラスと前記方立ガラスとを接着することを特徴とするガラススクリーン工法を提供する。
本発明のガラススクリーン構造体によれば、面ガラスの面外方向に働く風圧力等の力に対し、目地部の中央近傍部に打設されたシール材が十分な引張強度、剪断強度、及び接着強度を持つ。また、地震等で躯体に層間変位が生じた時に、方立ガラスの上部及び下部で面ガラスと方立ガラスとの変位量の差が大きくなった場合でも、方立ガラスの上部及び下部は、接着防止処理手段による接着防止処理によって面ガラスに接着されていない部分(以下、非接着部分という)なので、方立ガラスの上部と下部は面ガラスにほとんど拘束されることなく独自に動く。すなわち、非接着部分が層間変位発生時の面ガラスと方立ガラスとの動きの違いを吸収する。よって、層間変位時に方立ガラスの上部と下部には大きな曲げ変位、曲げ応力が生じないので、層間変位発生時における方立ガラスの上部及び下部の破損を防止できる。したがって、本発明のガラススクリーン構造体は優れた耐震性能を有する。
本発明の面ガラス及び方立ガラスの下端部は、躯体に固定された下部固定枠に嵌め込まれている。例えば、面ガラス及び方立ガラスの荷重を下端部で支持する場合には、面ガラス及び方立ガラスの下端部を下部固定枠に嵌め込み、下部固定枠内に設置したセッティングブロックの上に面ガラス及び方立ガラスの下端部を載置する。また、面ガラス及び方立ガラスの上端部は、躯体に固定された上部固定枠に嵌め込まれる。
一方、ガラススクリーン構造体を吊り構造体とする場合には、面ガラス及び方立ガラスの下端部を前記下部固定枠に嵌め込むとともに、面ガラス及び方立ガラスの上端部を吊り金具を介して躯体に取り付ける。
すなわち、本発明のガラススクリーン構造体は、面ガラス及び方立ガラスの少なくとも下端部が下部固定枠を介して躯体に固定されるものを対象とする。
更に、本発明は、ガラススクリーン構造体の構造を簡素化するために、特許文献1に記載された二重枠構造体を使用せず、また、ガラススクリーン構造体の工期を短縮するために、特許文献2に記載された2種類のシール材を使用せず、単一のシール材を使用する。そのシール材としては、前記接着部分の接着力を設計許容応力値以上に設定するために、高モジュラスのシール材を使用することが好ましい。
本発明の前記接着防止処理手段は、前記方立ガラス又は前記面ガラスに貼り付けられるとともに、前記シール材に対して非接着のテープであることが好ましい。
本発明のガラススクリーン構造体は、前記方立ガラス又は前記面ガラスに、前記シール材に対して非接着のテープを貼り付けることにより、目地部の高さ方向の上部及び下部に接着防止処理を施すことができる。
本発明のガラススクリーン工法は、目地部の高さ方向の上部及び下部に位置する前記方立ガラス又は前記面ガラスに、前記シール材に対して非接着のテープを予め貼り付ける。この後、前記シール材を前記目地部の全長に亙って打設して前記面ガラスと前記方立ガラスとを接着する。これにより、非接着部分の接着力が零、又は設計許容応力値未満となる。
本発明は、単一のシール材を目地部に沿って打設すればよいので、特許文献2の工法と比較してガラススクリーン構造体の工期を短縮できる。
本発明の前記接着防止処理手段は、前記方立ガラス又は前記面ガラスに塗布されるとともに、前記シール材に対して非接着のコーティング剤であることが好ましい。
本発明のガラススクリーン構造体は、目地部の高さ方向の上部及び下部に位置する前記方立ガラス又は前記面ガラスに、前記シール材に対して非接着のコーティング剤を塗布することにより、目地部の高さ方向の上部及び下部に接着防止処理を施すことができる。
本発明のガラススクリーン工法は、目地部の高さ方向の上部及び下部に位置する前記方立ガラス又は前記面ガラスに、前記シール材に対して非接着のコーティング剤を予め塗布する。この後、前記シール材を前記目地部の全長に亙って打設して前記面ガラスと前記方立ガラスとを接着する。
これにより、非接着部分の接着力が零、又は前記設計許容応力値未満となる。
また、本発明は、単一のシール材を目地部に沿って打設すればよいので、特許文献2の工法と比較してガラススクリーン構造体の工期を短縮できる。
本発明のガラススクリーン構造体及びガラススクリーン工法において、前記目地部の前記上部及び前記下部とは耐風圧上影響の少ない部分であって、前記上部及び前記下部の高さ方向の長さが、前記ガラス板の短辺の長さの1/2、又は1メートルであることが好ましい。
ガラススクリーン構造体が風圧力を受けた時にシール材は、線荷重を受けるが、風圧力の大部分は、目地部の中央近傍部が負担し、目地部の上部及び下部の負担は小さい。よって、耐風圧上影響の少ない目地部の上部及び下部を非接着部分としても、耐風圧上問題のないガラススクリーン構造体を構成できる。なお、非接触部分の上下方向の長さは、前記ガラス板の短辺の長さの1/2、又は1メートルである。また、前記1/2、1メートルの長さは、厳密ではなく当業者が想定できる許容値を含むものとする。
本発明のガラススクリーン構造体及びガラススクリーン工法において、前記目地部の前記中央近傍部の前記シール材の接着力が設計許容応力値以上に設定され、前記設計許容応力値とは、0.14N/mmであることが好ましい。
本発明の設計許容応力値である0.14N/mmは、ガラス方立構法技術指針(案)(発行所:財団法人 日本建築学会 2011年1月25日 第1版第1印 P45)に基づく。
方立ガラスは面ガラスを補強するものである。面ガラスの隣接するガラス板の目地部(突き合わせ部)にこれら面ガラスと直角な2方向(例えば室内側を上下方向、室外側を水平方向)に方立ガラスを配置してもよく、本発明の如く、意匠性を向上させるために直角な1方向(上下方向)のみに方立ガラスを配置してもよい。後者の場合、風等の力は一般に室外側から室内側に向けて加わるので、その力に対して面ガラスを支えることから、方立ガラスは室内側に配置する。
本発明によれば、耐震性があり、構造が簡単で短工期で施工することができるガラススクリーン構造体及びガラススクリーン工法を提供できる。
実施の形態のガラススクリーン構造体の要部拡大斜視図 図1に示したガラススクリーン構造体のA−A線に沿う断面図 図1に示したガラススクリーン構造体が風圧力を受けた時にシール材に生じる線荷重の高さ方向の分布を示した説明図 図1に示したガラススクリーン構造体が層間変位を受けた時に面ガラスと方立ガラスとに生じる変位の状態を模式的に示した説明図 非接着部分に非接着のテープを介在させた要部拡大断面図 非接着部分に非接着のコテーティング剤を塗布した要部拡大断面図 従来のガラススクリーン構造体が層間変位を受けた時に面ガラスと方立ガラスとに生じる変位の状態を模式的に示した説明図
以下、添付図面に従って本発明に係るガラススクリーン構造体及びガラススクリーン工法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、実施の形態のガラススクリーン構造体10の要部拡大斜視図である。
ガラススクリーン構造体10は、複数枚のガラス板12、12…が面一に配置されてなる面ガラス14と、複数枚の方立ガラス16とから構成される。方立ガラス16は、面ガラス14の隣接するガラス板12、12の上下方向に位置する目地部18に沿って配置されるとともに目地部18に沿って打設された、図2の単一の高モジュラスのシール材20によってガラス板12に対して直角方向に接着される。図2は、図1に示した目地部18の中央近傍部18AのA−A線に沿う水平方向の断面図である。なお、ガラス板12、12…の配置は前記面一に限定されるものではなく、所定の角度を有して配置してもよい。また、方立ガラス16の接着方向も前記直角方向に限定されるものではなく、所定の角度方向であってもよい。
実施の形態のガラススクリーン構造体10は、図1の如く目地部18の高さ方向の中央近傍部18Aが面ガラス14と方立ガラス16との接着部分に設定され、中央近傍部18Aの接着力が設計許容応力値以上に設定される。また、目地部18の高さ方向の中央近傍部18Aを除く上部18B及び下部18Cには、後述する接着防止処理手段によって接着防止処理が施されている。これにより、上部18B及び下部18Cが面ガラス14と方立ガラス16との非接着部分に設定され、上部18B及び下部18Cの接着力が設計許容応力値未満に設定されている。
目地部18の上部18B及び下部18Cは、ガラススクリーン構造体10において耐風圧上影響の少ない部分であって、上部18B及び下部18Cの高さ方向の長さが、ガラス板12の短辺の長さの1/2、又は1メートルであることが好ましい。
図3には、ガラススクリーン構造体10が風圧力を受けた時に、シール材20に生じる線荷重の高さ方向の分布が斜線で示されている。
同図によれば、前記風圧力の大部分は、目地部18の中央近傍部18Aが負担し、上部18B及び下部18Cの負担は小さい。よって、耐風圧上影響の少ない目地部18の上部18B及び下部18Cを非接着部分としても、耐風圧上問題のないガラススクリーン構造体10を構成できる。また、上部18B及び下部18Cの上下方向の長さは、前述の如くガラス板12の短辺の長さの1/2、又は1メートルであるが、前記1/2、1メートルの長さは、厳密ではなく当業者が想定できる許容値を含む。
更に、前記設計許容応力値とは、0.14N/mmであることが好ましい。この0.14N/mmの値は、ガラス方立構法技術指針(案)(発行所:財団法人 日本建築学会 2011年1月25日 第1版第1印 P45)に基づくものである。
図1の如く、面ガラス14及び方立ガラス16の下端部は、躯体22に固定された下部固定枠24Aに嵌め込まれている。このように面ガラス14及び方立ガラス16の荷重を下端部で支持する場合には、面ガラス14及び方立ガラス16の下端部を下部固定枠24Aに嵌め込み、下部固定枠24A内に設置したセッティングブロック(不図示)の上に面ガラス14及び方立ガラス16の下端部を載置する。なお、実施の形態のガラススクリーン構造体10は、面ガラス14及び方立ガラス16の上端部が、図4の如く躯体22に固定された上部固定枠24Bに嵌め込まれている。なお、図4は模式図である。
一方、ガラススクリーン構造体10を吊り構造体とする場合には、面ガラス14及び方立ガラス16の下端部を下部固定枠24Aに嵌め込むとともに、面ガラス14及び方立ガラス16の上端部を吊り金具(不図示)を介して躯体22に取り付ける。すなわち、実施の形態のガラススクリーン構造体10は、面ガラス14及び方立ガラス16の少なくとも下端部が下部固定枠24Aを介して躯体22に固定されるものを対象としている。
図4は、図1のガラススクリーン構造体10が地震等により層間変位を受けた時に面ガラス14と方立ガラス16に生じる変位の状態を模式的に示した説明図である。
前述の如く、方立ガラス16の上端部が上部固定枠24Bを介して躯体22に、そして方立ガラス16の下端部が下部固定枠24Aを介して躯体22に完全に固定されているために、躯体22が地震等により層間変位を受けて、躯体22の上部固定枠24B側にD方向の力が働き、躯体22の下部固定枠24A側にE方向の力が働き、躯体22がC−C方向に傾いて層間変位Xだけ変位すると、方立ガラス16の上端部及び下端部は躯体22と同じ層間変位量Xを生じる。
一方、面ガラス14は、相隣り合うガラス板12、12との間のシール材18(図2参照)による拘束、及びガラス板12の自身重量による慣性力を受けるため、躯体22の層間変位量Xに比べて、面ガラス14の層間変位量Yは一般的に少なくなろうとする、すなわち、本来の現象としては、面ガラス14と方立ガラス16は地震時に異なる動きをしようとする。
ここまでは、特許文献1のガラススクリーン構造体も実施の形態のガラススクリーン構造体10も同じ作用であるが、特許文献1では面ガラスと方立ガラスとは目地部の全域において高モジュラスのシール材で接着されているため、目地部の上部及び下部以外の部分では面ガラスと方立ガラスとが同じ動きをしようとする。一方で、方立ガラスの上端部及び下端部は、躯体と同じ動きをするために、上端部及び下端部では面ガラスと方立ガラスとの変位量の差が大きくなる。そのため、図7の如く方立ガラスは略S字形の変位を起こし、方立ガラスの上端部及び下端部より若干中央よりの部分F、G(図7参照)で、方立ガラスに大きな曲げ荷重が加わり、地震の規模によってはガラス板が破損する場合があった。
これに対して、実施の形態のガラススクリーン構造体10では、面ガラス14の面外方向に働く風圧力等の力に対しては、目地部18の中央近傍部18Aに打設された高モジュラスのシール材20によって十分な引張強度、剪断強度、及び接着強度を持つ。
また、地震等で躯体22に層間変位が生じた時に、方立ガラス16の上部及び下部で面ガラス14と方立ガラス16との変位量の差が大きくなった場合でも、方立ガラス16の上部及び下部は接着防止処理が施された非接着部分なので、方立ガラス16の上部と下部は面ガラス14にほとんど拘束されることなく独自に動く。すなわち、方立ガラス16は、非接着部分が層間変位発生時の面ガラス14と方立ガラス16との動きの違いを吸収し、図4のC−C方向に沿って動く。よって、層間変位時に方立ガラス16の上部と下部には大きな曲げ変位、曲げ応力が生じないので、層間変位発生時における方立ガラスの上部及び下部の破損を防止できる。したがって、実施の形態のガラススクリーン構造体10は優れた耐震性能を有する。
以下、接着防止処理手段によって接着防止処理が施された前記非接着部分の形態について図5、図6を参照して説明する。なお、図5、図6は、図1のB−B線に沿う目地部18の上部18B(下部18Cも同様)の水平方向の断面図である。
図5に示す接着防止処理手段の形態は、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)の方立ガラス16又は面ガラス14に、シール材20に対して非接着のテープ28を貼り付けることにより、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)に接着防止処理を施したものである。
テープ28を有するガラススクリーン構造体10の施工方法は、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)の方立ガラス16又は面ガラス14に、シール材20に対して非接着のテープ28を予め貼り付けた後、シール材20を目地部18の全長に亙って打設して面ガラス14と方立ガラス16とを接着する。
これにより、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)の接着力が零になるので、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)を非接着部分とすることができる。
また、本形態は、単一のシール材20を目地部18に沿って打設すればよいので、特許文献2の工法と比較してガラススクリーン構造体10の工期を短縮できる。更に、非接着のテープ28としては、ポリテトラフルオロエチレン系のテープを例示できる。なお、図5では、方立ガラス16、面ガラス14の両方にテープ28を貼り付けているが、テープ28は、方立ガラス16、面ガラス14の少なくとも一方側に貼り付ければよい。
図6に示す接着防止処理手段の形態は、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)の方立ガラス16又は面ガラス14に、シール材20に対して非接着のコーティング剤30を塗布することにより、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)に接着防止処理を施したものである。
コーティング剤30が塗布されたガラススクリーン構造体10の施工方法は、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)の方立ガラス16又は面ガラス14に、シール材20に対して非接着のコーティング剤30を予め塗布した後、シール材20を目地部18の全長に亙って打設して面ガラス14と方立ガラス16とを接着する。
これにより、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)の接着力が零になるので、目地部18の上部18A(下部18Cも同様)を非接着部分とすることができる。
また、本形態は、単一のシール材20を目地部18に沿って打設すればよいので、特許文献2の工法と比較してガラススクリーン構造体10の工期を短縮できる。更に、非接着のコーティング剤30としては、ポリテトラフルオロエチレン系のコーティング剤を例示できる。なお、図6では、面ガラス14と方立ガラス16との双方にコーティング剤30を塗布したが、どちらか一方にコーティング剤30を塗布すればよい。
また、実施の形態のガラススクリーン構造体10は、構造を簡素化するために、特許文献1に記載された二重枠構造体を使用せず、また、ガラススクリーン構造体10の工期を短縮するために、特許文献2に記載された2種類のシール材を使用せず、単一のシール材20を使用している。シール材20としては、前記接着部分の接着力を設計許容応力値以上に設定するために、高モジュラスのシール材を使用することが好ましい。
10…ガラススクリーン構造体、12…ガラス板、14…面ガラス、16…方立ガラス、20…シール材、22…躯体、24A…下部固定枠、24B…上部固定枠、28…テープ、30…コーティング剤

Claims (10)

  1. 複数枚のガラス板が面一、又は所定の角度を有して配置されてなる面ガラスと、
    前記面ガラスの隣接する前記ガラス板の上下方向に位置する目地部に沿って配置されるとともに前記目地部に沿って打設された単一のシール材によって前記ガラス板に対して所定の角度方向に接着される方立ガラスと、
    を備えたガラススクリーン構造体であって、
    前記目地部の高さ方向の中央近傍部を除く上部及び下部には、接着防止処理手段によって接着防止処理が施されていることを特徴とするガラススクリーン構造体。
  2. 前記接着防止処理手段は、前記方立ガラス又は前記面ガラスに貼り付けられるとともに、前記シール材に対して非接着のテープである請求項1に記載のガラススクリーン構造体。
  3. 前記接着防止処理手段は、前記方立ガラス又は前記面ガラスに塗布されるとともに、前記シール材に対して非接着のコーティング剤である請求項1に記載のガラススクリーン構造体。
  4. 前記目地部の前記上部及び前記下部とは耐風圧上影響の少ない部分であって、前記上部及び前記下部の高さ方向の長さが、前記ガラス板の短辺の長さの1/2、又は1メートルである請求項1、2又は3に記載のガラススクリーン構造体。
  5. 前記目地部の前記中央近傍部の前記シール材の接着力が設計許容応力値以上に設定され、前記設計許容応力値とは、0.14N/mmである請求項1から4のいずれか1項に記載のガラススクリーン構造体。
  6. 複数枚のガラス板を面一、又は所定の角度を有して配置して面ガラスを構成し、前記面ガラスの隣接する前記ガラス板の上下方向に位置する目地部に沿って方立ガラスを配置するとともに前記目地部に沿って単一のシール材を打設することにより前記方立ガラスを前記ガラス板に対して所定の角度方向に接着してなるガラススクリーン工法であって、
    前記目地部の高さ方向の中央近傍部を除く上部及び下部に、接着防止処理手段によって接着防止処理を施した後、前記シール材を前記目地部の全長に亙って打設して前記面ガラスと前記方立ガラスとを接着することを特徴とするガラススクリーン工法。
  7. 前記接着防止処理手段は、前記方立ガラス又は前記面ガラスに貼り付けられるとともに、前記シール材に対して非接着のテープである請求項6に記載のガラススクリーン工法。
  8. 前記接着防止処理手段は、前記方立ガラス又は前記面ガラスに塗布されるとともに、前記シール材に対して非接着のコーティング剤である請求項6に記載のガラススクリーン工法。
  9. 前記目地部の前記上部及び前記下部とは耐風圧上影響の少ない部分であって、前記上部及び前記下部の高さ方向の長さが、前記ガラス板の短辺の長さの1/2、又は1メートルである請求項6、7又は8に記載のガラススクリーン工法。
  10. 前記目地部の前記中央近傍部の前記シール材の接着力が設計許容応力値以上に設定され、前記設計許容応力値とは、0.14N/mmである請求項6から9のいずれか1項に記載のガラススクリーン工法。
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