JP2022118746A - 面板ガラスの支持構造 - Google Patents

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尚 前橋
Takashi Maebashi
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Figure 2022118746000001
【課題】 従来のオーバースペックでコスト高な面板ガラスの撓み抑制対策に対して、面板ガラスの撓みの抑制のみに特化した最適な面板ガラスの支持構造を提供する。
【解決手段】 上枠3と下枠4とをもって支持する面板ガラス2に直交するように、該面板ガラス2の縦辺に、該面板ガラス2の風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制する補強板ガラス5を配置し、面板ガラス2と補強板ガラス5を構造用シーラント6をもって接着する。上枠3と下枠4の夫々の補強板ガラス5側に延びる部分3A、4Aにおける先端内壁3A′(図示せず。)、4A′と補強板ガラス5の先端5′との間に隙間Sを設ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、大きな面板ガラスを、その上辺と下辺を上枠及び下枠をもって支持し、該面板ガラスをもって開口部を構成する上下二辺支持のガラスカーテンウォール工法において、目立たず且つ低コストにて製作することができる補強板ガラスをもって面板ガラスの風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制することができるようになした面板ガラスの支持構造に関するものである。
近年、大きな面板ガラスを、その上辺と下辺を上枠及び下枠をもって支持し、該面板ガラスをもって開口部を構成する上下二辺支持のカーテンウォール工法が広く採用されている。
然して、斯かる工法の場合、面板ガラスの強度上の問題はないが、面板ガラスが風荷重(風圧)によってその縦辺側に撓み、その撓み量が許容限度を超えてしまう場合がある。そして、そのようになった場合には、該面板ガラスが上下の枠から脱落したり、破損したりする虞がある。
そして、斯かる面板ガラスの風荷重によるその縦辺側の撓みの抑制対策として、従来次の二つの対策がとられている。
一つは、強度を高めるために面板ガラスの肉厚を増すことであり、もう一つは、面板ガラスを方立によって支持することである。
しかし、上記一つ目の面板ガラスの肉厚を増す場合には、厚さが増すほど重量が大きくなって、それを支える上下の枠を頑丈なものにしなければならない。またそれに伴って材料費も高くつくことになる。
また、上記二つ目の方立を用いて面板ガラスを支持する場合には、金属製の方立(バックマリオン)の場合には目障りであり、また、ガラス製の方立(リブガラス)の場合には、図4に示す如く、該リブガラスが面板ガラスの荷重を躯体へ伝える機能を有することから、これのサイズ(厚さと幅)を大きくしなければならない。
したがって、この場合には透明性が高く、意匠性が高いという利点を有するものの、サイズが大きくなるため目立ち易く且つ邪魔になる。また、その分材料費も高くつくことになる。
また、面板ガラスの上辺と下辺を支持する上枠と下枠の夫々のリブガラス側に延びる部分における先端内壁とリブガラスの先端との間に、所定の厚さを有する硬質ゴム等からなる緩衝用のエンドブロックを介在させなければならない。したがって、該エンドブロックの分の材料費もかかることになる。
尚、図4は上記リブガラスを用いた従来の面板ガラスの支持構造の説明図であり、下枠側のみを示している。該図において、100は縦辺を突き合うようにして立設させた面板ガラス、101は前記面板ガラス100間の突き合わせの目地部分に充填した防水シーリング材、102は前記面板ガラス100に直交するように、該面板ガラス100の縦辺に配置したリブガラス、103は前記面板ガラス100と前記リブガラス102とを接着する構造用シーラントである。また、104は前記面板ガラス100の下辺を支持する下枠であり、104Aは該下枠104の前記リブガラス102側に延びる部分である。また、105は下枠104の前記リブガラス側に延びる部分104Aの先端内壁と前記リブガラス102の先端との間に介在させた硬質ゴム等からなるエンドブロックである。また、Tは前記リブガラス102の厚さ、Wは前記リブガラスの幅を示す。
上記の通り、耐風圧設計において、面板ガラスの強度上の問題はないが、面板ガラスの風荷重によるその縦辺側の撓みが許容限度を超えてしまうことがある。そして、斯かる場合には本来面板ガラスの撓みを抑制するだけで良いのであるが、従来においては上記の如く面板ガラスの肉厚を増したり、方立を用いて面板ガラスを支持する対策がとられている。そして、これらの場合には、必要以上の設計強度となるばかりか、大幅にコストを上げるものとなっている。
そこで、従来のこのようなオーバースペックでコスト高な面板ガラスの撓み抑制対策に対して、本発明者は面板ガラスの撓みの抑制のみに特化した最適な面板ガラスの支持構造を案出したものであり、面板ガラスの肉厚を増す必要がなく、且つ方立をもって面板ガラスを支持する場合の前記の問題もなく、方立として機能しないことからサイズを極力小さくできる補強板ガラスをもって面板ガラスを支持し、もって目立たず且つ低コストにて製作することができる補強板ガラスをもって面板ガラスの風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制することができるようになした面板ガラスの支持構造を提供しようとするものである。
而して、本発明の要旨とするところは、面板ガラスを、その上辺と下辺を上枠及び下枠をもって支持すると共に、該面板ガラスに直交するように、該面板ガラスの縦辺に、該面板ガラスの風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制する補強板ガラスを配置し、前記面板ガラスと前記補強板ガラスとを構造用シーラントをもって接着してなる面板ガラスの支持構造であって、前記上枠と下枠の夫々の前記補強板ガラス側に延びる部分における先端内壁と前記補強板ガラスの先端との間に隙間を設けてなることを特徴とする面板ガラスの支持構造にある。
また、上記構成において、補強板ガラスの配置位置は、複数の面板ガラスの突き合わせ部としても、或いは面板ガラスの横方向の中間部としてもよい。
本発明は上記の如き構成であり、上枠と下枠とをもって支持する面板ガラスに直交するように、該面板ガラスの縦辺に、該面板ガラスの風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制する補強板ガラスを配置し、そして、上枠と下枠の夫々の補強板ガラス側に延びる部分における先端内壁と補強板ガラスの先端との間に隙間を設けてなるものであるから、補強板ガラスは、面板ガラスの風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制することはできるが、方立として面板ガラスの荷重を躯体に伝える機能を有しないことから、これのサイズ(厚さと幅)をリブガラスに比してはるかに小さくすることができるものである。したがって、リブガラスに比してはるかに目立たず且つ材料費も大幅に削減することができるものである。更にまた、エンドブロックも存在しないから、この分の材料費もかからないものである。加えて、面板ガラスの肉厚を増す必要もないものである。
本発明の第1実施形態に係る面板ガラスの支持構造の要部斜視図である。 同下枠側部分の水平断面図である。 本発明の第2実施形態に係る面板ガラスの支持構造の下枠側部分の水平断面図である。 リブガラスを用いた従来の面板ガラスの支持構造の下枠側部分の水平断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
先ず、図1及び図2に示す本発明の第1実施形態について説明する。
図中、1は面板ガラスの支持構造である。また、該面板ガラスの支持構造1は、面板ガラス2を、その上辺と下辺を上枠3及び下枠4をもって支持すると共に、該面板ガラス2に直交するように、該面板ガラス2の縦辺に、該面板ガラス2の風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制する補強板ガラス5を配置し、これら面板ガラス2と補強板ガラス5とを構造用シーラント6をもって接着してなるものであると共に、前記上枠3及び下枠4の夫々の前記補強板ガラス5側に延びる部分3A、4Aにおける先端内壁3A′(図示せず。)、4A′と前記補強板ガラス5の先端5′との間に隙間Sを設けてなるものである。
また、本実施形態は、補強板ガラス5を、複数の面板ガラス2の突き合わせ部に配置してなる場合の形態であり、7は複数の面板ガラス2間の突き合わせの目地部分に充填した防水シーリング材である。また、その他、8は下枠4、4A内に設置した、面板ガラス2と補強板ガラス5を載置するセッティングブロック、9は上枠3、3A又は下枠4、4Aと、面板ガラス2又は補強板ガラス5との隙間に充填したシーリング材である。
本実施形態は上記の如き構成であり、上枠3と下枠4とをもって支持する面板ガラス2に直交するように、該面板ガラス2の縦辺に、該面板ガラス2の風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制する補強板ガラス5を配置し、そして、上枠3と下枠4の夫々の補強板ガラス5側に延びる部分3A、4Aにおける先端内壁3A′(図示せず。)、4A′と補強板ガラス5の先端5′との間に隙間Sを設けてなるものであるから、補強板ガラス5は、面板ガラス2の風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制することはできるが、方立として面板ガラス2の荷重を躯体に伝える機能を有しないことから、これのサイズ(厚さと幅)をリブガラスに比してはるかに小さくすることができるものである。したがって、リブガラスに比してはるかに目立たず且つ材料費も大幅に削減することができるものである。更にまた、エンドブロックも存在しないから、この分の材料費もかからないものである。加えて、面板ガラスの肉厚を増す必要もないものである。
次に、図3に示す本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態において前記第1実施形態と相違する点は、前記第1実施形態において、補強板ガラス5を、複数の面板ガラス2の突き合わせ部分に配置してなるのに対して、本実施形態においては、補強板ガラス5を、面板ガラス2の横方向の中間部に配置してなることにある。尚、その他の構成並びに作用は前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
1 面板ガラスの支持構造
2 面板ガラス
3 上枠
3A 上枠の補強板ガラス側に延びる部分
4 下枠
4A 下枠の補強板ガラス側に延びる部分
5 補強板ガラス
6 構造用シーラント
7 防水シーリング材
S 隙間

Claims (3)

  1. 面板ガラスを、その上辺と下辺を上枠及び下枠をもって支持すると共に、該面板ガラスに直交するように、該面板ガラスの縦辺に、該面板ガラスの風荷重によるその縦辺側の撓みを抑制する補強板ガラスを配置し、前記面板ガラスと前記補強板ガラスとを構造用シーラントをもって接着してなる面板ガラスの支持構造であって、前記上枠と下枠の夫々の前記補強板ガラス側に延びる部分における先端内壁と前記補強板ガラスの先端との間に隙間を設けてなることを特徴とする面板ガラスの支持構造。
  2. 補強板ガラスを、複数の面板ガラスの突き合わせ部分に配置してなる請求項1記載の面板ガラスの支持構造。
  3. 補強板ガラスを、面板ガラスの横方向の中間部に配置してなる請求項1記載の面板ガラスの支持構造。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1061069A (ja) * 1996-08-26 1998-03-03 Nikken Sekkei Ltd リブガラススクリーン免震工法
JP2001336244A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Central Glass Co Ltd リブガラススクリーンの耐震構造
JP2003239433A (ja) * 2002-02-18 2003-08-27 Central Glass Co Ltd リブガラスの支持構造

Patent Citations (3)

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