JPH11200213A - 不織布及びその製造方法 - Google Patents

不織布及びその製造方法

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JPH11200213A
JPH11200213A JP10007309A JP730998A JPH11200213A JP H11200213 A JPH11200213 A JP H11200213A JP 10007309 A JP10007309 A JP 10007309A JP 730998 A JP730998 A JP 730998A JP H11200213 A JPH11200213 A JP H11200213A
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nonwoven fabric
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nonwoven
fiber
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JP10007309A
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Atsushi Matsunaga
篤 松永
Nobuo Noguchi
信夫 野口
Michiyo Kato
美智代 加藤
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 嵩高性と保温性とを併せ持つ不織布を提供す
る。 【解決手段】 羊毛を50重量%有し、かつ構成繊維同
士が三次元的に交絡することにより一体化してなること
を特徴とする不織布。また、羊毛を有する不織ウェブを
作成した後、高圧液体流処理を施して構成繊維同士を三
次元的に交絡させ全体として一体化させることを特徴と
する不織布の製造方法。不織布の嵩密度は、0.05g
/cm以下であることが好ましい。また、保温率(J
IS L 1096 恒温法)は、30%以上であるこ
とが好ましく、より好ましくは40%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構成繊維同士が三
次元的に交絡してなる短繊維不織布に関するものであ
り、さらに詳しくは優れた嵩高性と保温性を併せもつ不
織布を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】不織ウェブを不織布化するボンディング
方法としては、ケミカルボンディング、サーマルボンデ
ィング、ニードルパンチ、スパンレース等の様々の方法
が挙げられるが、中でもニードルパンチやスパンレース
によってボンディングされた構成繊維同士が三次元的に
交絡してなる不織布は、一般に繊維間空隙が大きく嵩高
である。また、一般に繊維間空隙が大きく空気を溜める
場所を有し、嵩高性に優れる不織布は、保温性にも優れ
るものである。
【0003】また、不織布に嵩高性を付与する方法とし
て、例えば、特開昭63−28960号公報に開示され
るように不織布の構成繊維として熱可塑性樹脂からなる
捲縮性繊維を用いること、曲げモーメントが大きい太繊
度繊維や太繊度中空繊維を三次元的に交絡させることが
考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−28960号公報に開示される技術は、潜在捲縮
繊維を利用するものであり、潜在捲縮を顕在化するため
の後加工が必要であるため、コストが高くなるという問
題がある。
【0005】また、前記潜在捲縮が顕在化した繊維や太
繊度繊維を構成繊維とする不織布は、いずれも嵩高性を
有するので適度な保温性は有しているが、近年より優れ
た保温性と嵩高性を併せ持つ不織布が、例えば、中綿等
の用途として強く要望されている。
【0006】本発明は、前記状況に鑑み、後加工を必要
とせず、優れた嵩高性を有し、かつ従来技術よりもさら
に優れた保温性をも併せ持つ不織布およびその製造方法
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、鋭意検討の結果本発明に至った。すなわ
ち、本発明は構成繊維として羊毛を有し、かつ構成繊維
同士が三次元的に交絡することにより一体化してなるこ
とを特徴とする不織布を要旨とするものである。
【0008】また、本発明は、羊毛を有する不織ウェブ
を作成した後、高圧液体流処理を施して構成繊維同士を
三次元的に交絡させ全体として一体化させることを特徴
とする不織布の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の不織布は、構成繊維とし
て羊毛を有するものである。羊毛としては、繊維直径が
19μm以下のものから、繊維直径が20〜30μm程
度のものを用いることができる。繊維直径が19μm以
下のものの中でも特に極細繊維の品種である繊維直径1
5μm以下のものについては、羊から採取できる量が極
わずかであるため、コスト的に高価なものである。一般
的には、16〜19μm以下であるメリノ種と呼ばれる
品種のものが望ましい。また、繊維直径が20μm〜3
0μmの繊維については、メリノ種、コルデール種とい
った品種を用いることができる。
【0010】繊維直径が19μm以下の羊毛よりなる不
織布と繊維直径が20μm〜30μmの羊毛よりなる不
織布とを比較すると後者の方が嵩高性および保温性に優
れるものとなるため、本発明の目的から,より好まし
い。
【0011】繊維直径が大きくなると、構成繊維同士の
交絡性に劣る傾向となり、不織布の機械的特性に劣る。
機械的特性を向上させる方法としては、比較的細い羊毛
を用いること、羊毛の他に交絡性の優れた他の繊維を混
綿することが挙げられる。
【0012】羊毛は、皮質部が性質の異なるパラコルテ
ックスとオルソコルテックスという二層構造になってい
るため繊維自身が立体捲縮を持っているという特徴があ
り、羊毛を構成繊維とする不織布は嵩高性に優れたもの
になる。
【0013】また、羊毛が有する熱伝導率は、木綿や合
成繊維よりも小さく保温性に優れているという特徴があ
る。このため羊毛を用いた不織布は保温性に優れたもの
になる。
【0014】さらに、羊毛を用いた不織布は、力を加え
た時に適度に変形しやすく、かつ、その戻り性がよく、
しわにもなりにくく、厚手のものでも柔らかく弾性があ
る。本発明の不織布では、前述した羊毛の有する特性を
生かし、かつ、優れた嵩高性と保温性とを併せ持つ不織
布を得るためには、不織布の構成繊維の50重量%以上
を羊毛とすることが好ましい。
【0015】本発明において、不織布の構成繊維とし
て、保温性と嵩高性に加えて、例えば、機械的特性、吸
水性、キシミ感、ドライ感等の他の性能を付与する目的
で、羊毛以外の天然繊維、再生繊維、繊維形成性を有す
る熱可塑性重合体からなる合成繊維等の他の短繊維を適
宜目的に応じて混綿することができる。
【0016】天然繊維としては、例えば、木綿、麻等の
セルロース繊維の他に、短繊維状に裁断した絹が挙げら
れる。木綿は、晒し加工の施されていないコーマ綿、晒
し加工の施された晒し綿のいずれでもよい。あるいは織
物、編み物から得られる各種反毛であってもよい。
【0017】再生繊維としてはパルプより得られる、ビ
スコースレーヨン、酢酸セルロースの他、溶剤紡糸によ
り得られるレーヨンであるリヨセル等が用いられる。
【0018】繊維形成性を有する熱可塑性重合体からな
る繊維としては、代表的には、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸共重
合ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナ
イロン6、ナイロン66等のポリアミド系、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系等の重合体か
らなる繊維が挙げられ、これら重合体のブレンド物及び
共重合体からなるものであってもよい。
【0019】なお、熱可塑性重合体には本発明の効果を
失わない程度に艶消し剤、潤滑剤、顔料、熱安定剤、耐
光剤、紫外線吸収剤、制電剤、導電剤、蓄熱材、抗菌剤
が添加されてあってもよい。
【0020】合成繊維の断面形態は、丸断面に限定され
ず、中空断面、多葉断面であってもよい。また単体から
なる繊維であっても、2種類以上の重合体よりなる芯鞘
型複合、並列型複合、多葉型複合等の複合形態の繊維で
あってもよい。
【0021】例えば、本発明の羊毛を有する不織布を得
る際に、不織布に機械的特性を付与したい場合、他の短
繊維として繊度が、5デニール以下のものを用いるとよ
い。繊度が5デニールを超える繊維は、高圧液体流処理
を施した際に繊維の曲げモーメントが大きいため交絡度
合いが小さくなり不織布の機械的特性を向上させること
ができない。繊度は小さい方が、交絡度合いは向上する
が、繊度の下限としては、細繊度短繊維の生産の際の操
業性と生産性の観点から、0.5デニール程度が好まし
い。前記理由により、さらに好ましい繊度は、0.8〜
3デニールである。
【0022】また、本発明の羊毛を有する不織布を得る
際に、不織布に伸縮性と嵩高性を付与したい場合に、他
の短繊維として、並列型複合形態の繊維等からなる捲縮
性繊維を用いるとよい。
【0023】本発明の不織布の嵩密度は、0.05g/
cm3 以下であることが好ましい。嵩密度が、0.05
g/cm3 を超えると、不織布は繊維間空隙が少なく、
厚みのないものとなってボリューム感に劣るものとな
る。
【0024】本発明では不織布の保温率(JIS L
1096 恒温法)は、30%以上であることが好まし
く、より好ましくは40%以上である。保温率が30%
以上である不織布は、不織布の放熱量とその不織布が置
かれる環境での放熱量との差が大きく、保温性に優れる
ものである。
【0025】本発明の不織布の目付は、10g/m2
上であることが好ましい。目付が10g/m2 未満であ
ると、不織布を構成する羊毛の繊維本数自体が少ないた
め得られた不織布の嵩高性が向上しにくい傾向となる。
また、目付の上限は特に限定されないが、200g/m
2 程度がよい。目付が大きくなり過ぎると、高圧液体流
処理を施す際の加工エネルギーが大きくなり、場合によ
っては不織ウェブの内層において繊維相互に十分な交絡
が形成されない傾向となる。なお、本発明において、好
ましい目付の範囲は、40〜120g/m2 である。
【0026】次に本発明の不織布の製造方法について説
明する。本発明の方法では、羊毛もしくは羊毛と他の繊
維をカード機によりカーディングして所定の目付の不織
ウェブを作成する。この不織ウェブは、構成繊維の配列
度合いによってカード機の進行方向に配列したパラレル
ウェブ、パラレルウェブのクロスレイドされたウェブ、
ランダムに配列したランダムウェブ、あるいは両者の中
程度に配列したセミランダムウェブにいずれでもよく用
途によって適宜選択すればよい。
【0027】次に、得られた不織ウェブの構成繊維同士
を三次元的に交絡させる。三次元的に交絡を施す手段と
しては、ニードルパンチ法、高圧柱状流により繊維を交
絡せしめるスパンレース法が挙げられる。本発明におい
ては、スパンレース法を適用して、構成繊維同士が三次
元的に交絡して一体化した不織布を作成することが好ま
しい。
【0028】ここでいう三次元的交絡とは、不織ウェブ
を形成している繊維相互間が不織布の縦/横の方向のみ
でなく不織布の厚み方向に対しても交絡して一体化して
おり、繊維間空隙を有していることをいう。
【0029】次に、前記不織ウェブにスパンレース法、
すなわち高圧液体流処理を施す方法について説明する。
高圧液体流処理は、例えば孔径0.05〜1.5mmの
噴射孔を噴射孔間隔0.05〜5mmで1列ないしは複
数列に複数個配列されたオリフィスヘッドより高圧で柱
状に噴射される流体により、多孔性支持部材上に載置し
た不織ウェブに衝突せしめることにより行われる。液体
流が、不織ウェブを構成している繊維を引き込む力によ
り、繊維の周りの他の繊維をねじり、曲げ、回して繊維
相互を交絡せしめ一体化させるものである。
【0030】流体としては、常温の水あるいは温水を使
用することができる。流体噴射を前記不織布ウェブに衝
突させるに際しては。前記不織ウェブの進行方向に対し
て直角をなす方向に噴射孔間隔で振幅させ柱状液体噴射
を均一に衝突させるとよい。
【0031】高圧液体流処理を施すに際して用いる不織
ウェブを担持する多孔性支持部材としては、例えば、1
0〜200メッシュの金網製あるいは合成樹脂製等のメ
ッシュスクリーンや有孔板など、高圧液体流が不織ウェ
ブと支持部材とを貫通するものであれば特に限定されな
い。不織布に網目跡を明確に残さないためには、50メ
ッシュ以上、好ましくは70メッシュ以上のメッシュス
クリーンを用いるとよい。また、30メッシュ以下の荒
目のメッシュスクリーンを用いることにより、不織布に
開孔模様を付与し、かつ非開孔部分での交絡度合いを向
上させることもできる。不織布の用途や要求性能に応じ
て、メッシュスクリーンの組織や目開き等を適宜選択す
ればよい。
【0032】この高圧液体流の水圧は、10〜200k
g/cm2 Gの圧力を採用すればよい。交絡処理におい
て、まず、不織ウェブに40kg/cm2 G未満の低水
圧による予備交絡を施すことにより、柱状の液体噴射に
よって発生する随伴気流による不織ウェブの乱れ、目付
斑の発生を防ぐこととなり好ましい。引き続き、水圧4
0kg/cm2 G以上の高圧液体流噴射により交絡処理
を行って予備交絡処理の施された不織ウェブを構成する
短繊維をさらに相互に三次元的に交絡せしめ、いわゆる
スパンレース不織布とする。
【0033】また、不織ウェブの目付により、前記交絡
をを施した後、不織ウェブを反転して交絡処理を施すこ
とにより、表裏ともに交絡度合いを向上させたスパンレ
ース不織布とするこができる。
【0034】高圧液体流処理を施して交絡した不織ウェ
ブは、余分な水を既知の水分除去装置であるマングル等
により除去し、さらに、サクションバンド方式の熱風循
環乾燥機により乾燥処理を行う。
【0035】以上の方法により作成された不織布は、羊
毛を主体としたスパンレース不織布であり、優れた嵩高
性、保温性を併せ持つものとなる。
【0036】
【実施例】次に、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。実施例において、各物性値の測定を
次の方法により実施した。
【0037】(1)不織布の目付(g/m2 ) 試料幅10cm、試料長10cmの試験片を5個作成
し、その重量を測定し、平均値を目付(g/m2 )とし
た。
【0038】(2)不織布の嵩密度(g/cm3 ) 嵩密度(g/cm3 )=目付(g/m2 )/〔厚み(m
m)×1000〕 試料幅10cm、試料長10cmの試験片を5個作成
し、大栄科学精機製作所株式会社製の厚み測定器により
4.5g/cm2 の荷重の印可による個々の不織布の厚
みを測定して平均値を厚みとし、上式により得られる値
を不織布の嵩密度とした。
【0039】(3)不織布の保温率(%) JIS L 1096 恒温法により測定した。試料幅
6cm、試料長6cmの試験片を3個作成し、試料台に
試料を置いてさらに保温板を置き、保温板の温度が試料
台の温度と10℃差になるように調整し、放熱量を測定
した。
【0040】(4)不織布の引張強力(kg/5cm
幅) JIS L−1096に記載のストリップ法に準じ、最
大引張強力を測定した。すなわち、試料幅5cm、試料
長15cmの試験片を10個作成し、各試料片を定速伸
長型引張試験機(オリエンテック社製 テンシロンUT
M−4−1−100)を用いて、つかみ間隔10cm、
引張速度10cm/分の条件で最大引張強力を個々に測
定し、その平均値を不織布の引張強力(kg/5cm
幅)とした。
【0041】実施例1 繊維直径が20μmの羊毛をパラレルカード機に供給し
て目付が70g/m2の不織ウェブを準備した。この不
織ウェブを100メッシュの金属製ネット上に載置し、
不織ウェブ上方50mmの位置より、噴射孔径0.1m
m、噴射孔間隔0.6mmで一列に配置された噴射孔か
ら、予備交絡として水圧30kg/cm2 Gの常温の水
により高圧液体流を作用せしめ予備交絡を施し、引き続
き、高圧液体流による交絡処理として、前記と同一ネッ
ト及び噴射孔を用い、90kg/cm2 Gの水圧により
交絡処理を施した。さらに、交絡処理の施された不織ウ
ェブを反転し、前記と同一のネット及び噴射孔を用い、
90kg/cm2 Gの水圧により交絡処理を施し、表裏
ともに緻密に交絡の形成された不織ウェブを得た。
【0042】得られた不織ウェブをマングルにより余剰
の水分を除去した後、60℃の温度の乾燥機により乾燥
処理を行った。
【0043】実施例2 実施例1において、構成繊維として、繊維直径が15μ
mである羊毛を用いた以外は実施例1と同様にして実施
例2の不織布を得た。
【0044】実施例3 実施例1において、構成繊維として、繊維直径が30μ
mである羊毛を用いた以外は実施例1と同様にして実施
例3の不織布を得た。
【0045】実施例4 実施例1において、不織ウェブとして、繊維直径が20
μmの羊毛と、他の繊維として日本エステル(株)製の
繊維断面が丸断面のポリエステル短繊維(1.3デニー
ル、繊維長38mm)とを、混綿比率(羊毛/他の繊
維)を60/40(重量比)の割合でパラレルカード機
に供給して目付が70g/m2 の不織ウェブを準備した
以外は実施例1と同様にして実施例4の不織布を得た。
【0046】比較例1 実施例1において、構成繊維として、羊毛に代えて日本
エステル(株)製のポリエステル短繊維〔繊度4デニー
ル(繊維直径では20μm)、繊維長38mm〕を用い
た以外は実施例1と同様にして比較例1の不織布を得
た。
【0047】比較例2 実施例1において、構成繊維として、羊毛に代えて日本
エステル(株)製のポリエステル短繊維〔繊度13デニ
ール(繊維直径では37μm)、繊維長51mm)を用
いた以外は実施例1と同様にして比較例2の不織布を得
た。
【0048】得られた実施例1〜3、比較例1〜2の不
織布の物性を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】実施例1〜3で得られた不織布は、羊毛か
らなるスパンレース不織布であり、嵩高性、保温性に共
に優れるものであった。また、実施例1〜3の不織布に
うち、繊維直径の最も大きい実施例3の不織布が嵩高性
および保温性に最も優れたものであった。
【0051】実施例4で得られた不織布は、構成繊維の
40重量%を細繊度の合成繊維としたものであり、構成
繊維すべてが繊維直径20μmの羊毛からなる実施例1
の不織布と比較して、僅かに嵩密度は増加したものの、
引張強力が10倍以上向上したものであった。これは、
羊毛同士の交絡による嵩高性を維持した状態で、細繊度
の合成繊維が羊毛同士の交絡に緻密に絡みつき、羊毛同
士の繋ぎとしての役割となったためと推定される。した
がって、実施例4の不織布は、優れた嵩高性と保温性を
維持し、かつ機械的強度が向上したものであった。
【0052】ポリエステル繊維単独よりなる比較例1の
不織布は、機械的特性には優れているものの、保温性に
劣るものであった。
【0053】太繊度のポリエステル繊維単独からなる比
較例2の不織布は、嵩高性には優れたものであった。こ
の不織布と同等程度の嵩高性を有する本発明の実施例3
の不織布と比較すると本発明の不織布が3.2倍程の保
温性の向上が見られるものであった。
【0054】
【発明の効果】本発明によると、羊毛を有する不織ウェ
ブに高圧液体流処理を施すことにより、嵩高性、保温性
に優れた不織布を効率よく製造することができる。ま
た、羊毛を構成繊維とすることで、従来の嵩高な不織布
と比較して、保温性を飛躍的に向上させることができた
ものである。
【0055】本発明の不織布は、嵩高性と共に優れた保
温性を有するので、中綿素材等として好適に利用できる
ものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成繊維として羊毛を有し、かつ構成繊
    維同士が三次元的に交絡することにより一体化してなる
    ことを特徴とする不織布。
  2. 【請求項2】 羊毛を50重量%以上有してなることを
    特徴とする請求項1記載の不織布。
  3. 【請求項3】 嵩密度が0.05g/cm3 以下で、か
    つ保温率が30%以上であることを特徴とする請求項1
    または2記載の不織布。
  4. 【請求項4】 羊毛を有する不織ウェブを作成した後、
    高圧液体流処理を施して構成繊維同士を三次元的に交絡
    させ全体として一体化させることを特徴とする不織布の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009197385A (ja) * 2009-06-01 2009-09-03 Asahi Kasei Fibers Corp 使い捨て保温具用不織布の製造方法
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