JPH11199743A - アクリルゴムとフッ素ゴムとの複合体、その製造方法および加硫性ゴム組成物 - Google Patents

アクリルゴムとフッ素ゴムとの複合体、その製造方法および加硫性ゴム組成物

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JPH11199743A
JPH11199743A JP2049498A JP2049498A JPH11199743A JP H11199743 A JPH11199743 A JP H11199743A JP 2049498 A JP2049498 A JP 2049498A JP 2049498 A JP2049498 A JP 2049498A JP H11199743 A JPH11199743 A JP H11199743A
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rubber
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latex
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潔 細谷
Kentaro Mori
健太郎 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バランスのよい耐熱性、耐油性および機械的
強度を有し、工業的有利に製造できるアクリルゴム/フ
ッ素ゴム複合体を提供する。 【解決手段】 フッ素ゴムの連続相と、該連続相に分散
したアクリルゴム粒子の不連続相とからなり、該アクリ
ルゴム粒子が粒径10〜300nmを有し、ゲル含量8
0重量%以上の内部架橋したエポキシ基含有アクリルゴ
ムからなるアクリルゴム/フッ素ゴム複合体。この複合
体は、内部架橋したエポキシ基含有アクリルゴムラテッ
クスとフッ素ゴムラテックスとを混合し、共凝固するこ
とにより調製される。この複合体は、両ゴム成分の少く
とも一方を架橋し得る架橋剤を配合して用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリルゴムとフ
ッ素ゴムとの複合体、その製造方法および該複合体に加
硫剤を配合してなる加硫性ゴム組成物に関する。本発明
の複合体の加硫物は良好な耐熱性、耐油性、圧縮永久歪
および機械的強度を有し、工業用品、自動車部品および
航空機部品として有用である。
【0002】
【従来の技術】フッ素ゴムは耐熱性、耐溶剤性、耐薬品
性、耐候性および機械的強度などに優れるため工業用
品、自動車部品および航空機部品としての需要は大き
い。しかしながら、フッ素ゴムは価格が高く、比重が大
きいため、経済的制約が大きく、その実用化領域はせま
い。一方、アクリルゴムは耐熱性、耐油性および耐酸化
性に優れたゴムであり、工業用品および自動車部品など
として広く用いられている。しかしながら、自動車エン
ジンの高出力化、メンテナンスフリー化およびコンパク
ト化が進展した結果、環境温度がますます高くなり、い
きおいゴム部品に要求される耐熱温度が高く、耐久期間
が長くなっている。アクリルゴムはこのような要求に応
えるに十分とは言い難い。
【0003】フッ素ゴムとアクリルゴム両者の良好な特
性を兼備したゴム材料を提供する目的でフッ素ゴムとア
クリルゴムとをブレンドすることが試みられている。し
かしながら、アクリルゴムとフッ素ゴムとは化学的親和
性が乏しく、通常の機械的混練方法ではミクロ状態での
均一な混合物を得るのは困難である。そのため、両ゴム
を混合する改良方法が提案されている。その代表的な方
法はフッ素ゴム相中に、内部架橋させたアクリルゴム粒
子を分散させる方法である。
【0004】例えば、特開平1一299859号公報に
は、アクリルゴムとフッ素ゴムの両者に共架橋し得る第
3のエラストマーとアクリルゴム用架橋剤とを配合し、
剪断変形を与えながら動的架橋して、フッ素ゴム相中に
アクリルゴム粒子を分散させる方法が提案されている。
しかしながら、この動的架橋は通常200℃以上の高温
で行なわねばならず、量産性に乏しい。また、第3のエ
ラストマーの配合によって、フッ素ゴムとアクリルゴム
の良好な特性が希釈される短所もある。第3のエラスト
マーを配合せずに、この動的架橋を行うとフッ素ゴム相
とアクリルゴム粒子との界面に剥離を生ずる。
【0005】特開平3−139550号公報には、動的
架橋により得られる平均粒径50ミクロン未満の微細な
アクリルゴム粒子をフッ素ゴムなどのエラストマー相中
に分散せしめたゴム組成物が記載されている。しかしな
がら、このゴム組成物を調製するには、フッ素ゴムとア
クリルゴムとをロールなどで予め混合した後、アクリル
ゴムのみをさらに動的架橋する工程が必要であり、量産
性に乏しい。また、得られる加硫物は粒子の均一分散性
に乏しく加硫物の物性が安定でない。
【0006】特開平5−287154号公報および特開
平5−287156号公報にはジビニルベンゼン、トリ
メチロールプロパントリメタクリレートなどの多官能性
モノマーを共重合してゲル含量が50重量%以上になる
ように内部架橋させたアクリルゴム粒子をロールゴムな
どを用いてフッ素ゴムと混合し、フッ素ゴム相に分散さ
せてなるゴム組成物が記載されている。しかしながら、
内部架橋したアクリルゴム粒子は、ロールなどによる高
せん断力を受けても崩壊し難く、分散性は改良されるも
のの、フッ素ゴム相との親和性に乏しく、引張り強さが
低いなど加硫物性の面で満足し難い。
【0007】特開平7−286081号公報には、ヒド
ロキシスチレンなどを共重合してフェノール性水酸基を
導入したアクリルゴムまたは2一クロロエチルビニルエ
ーテルなどを共重合して活性塩素基を導入したアクリル
ゴムのラテックスと、フッ素ゴムのラテックスとの混合
ラテックスを共凝固し、その後、他の配合剤とともにロ
ール上で混練し、アクリルゴムとフッ素ゴムとを直接相
互架橋させてなるゴム組成物が記載されている。このよ
うに混合ラテックスを共擬固させることによりアクリル
ゴム粒子の分散性が改善され、また、アクリルゴムとフ
ッ素ゴムとが相互に架橋することにより加硫物性が改善
されることが期待されるものの、耐油性をはじめいくつ
かの特性は改善されない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、フッ素ゴ
ムとアクリルゴムとの混合物から得られる加硫物であっ
て、両ゴムの良好な物性が最大限に発揮され しかも工
業的有利に製造できる加硫物を提供すべく検討を重ねた
結果、以下の知見(イ)〜(ニ)を得た。 (イ)ロールなどを用いる混練方法では、内部架橋した
ゲル化アクリルゴム粒子の粒径を十分小さくすることは
困難であり、アクリルゴム粒子の分散性はあまり改善さ
れない。
【0009】(ロ)ゲル化アクリルゴム粒子は、ロール
などの混練により高せん断力を受けても、粒子は崩壊し
難いものの、フッ素ゴムとの親和性はあまり改善されな
い。 (ハ)アクリルゴムとフッ素ゴムとをラテックス状態で
混合し、これを共凝固することにより、粒径10ミクロ
ン程度のアクリルゴム粒子を分散させることが可能であ
るものの、さらに、ロールなどで混練することにより、
アクリルゴム粒子が崩壊した後凝集して肥大化し、分散
性は改良されない。
【0010】(ニ)グリシジルメタクルレートを共重合
してエポキシ基を導入するとともに、エチレンジメタク
リレートを共重合してゲル含量90%以上になるように
内部架橋させたアクリルゴムのラテックスを、フッ素ゴ
ムのラテックスに混合し、これを共凝固することにより
得られたアクリルゴム/フッ素ゴムブレンドは、その
後、他の配合剤とともにロール混練を行っても、耐油性
などの物性が良好であることを見出した。発明者らは、
上記知見(イ)〜(ニ)、特に(ニ)に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、フッ素
ゴムの連続相と、該フッ素ゴム連続相に分散したエポキ
シ基含有アクリルゴム粒子の不連続相とからなり、該ア
クリルゴム粒子が平均粒径10〜300nmを有し、ゲ
ル含量80重量%以上の内部架橋したエポキシ基含有ア
クリルゴムからなることを特徴とする、アクリルゴムと
フッ素ゴムとの複合体が提供される。
【0012】さらに、本発明によれば、内部架橋したエ
ポキシ基含有アクリルゴムラテックスとフッ素ゴムラテ
ックスとをラテックス状態で混合し、次いで、得られた
混合ラテックスを共凝固することを特徴とする上記のア
クリルゴム/フッ素ゴム複合体の製造方法が提供され
る。さらに、本発明によれば、上記のアクリルゴム/フ
ッ素ゴム複合体にエポキシ基含有アクリルゴムの架橋剤
およびフッ素ゴムの架橋剤の中から選ばれた少なくとも
一種の架橋剤を配合してなる加硫性ゴム組成物が提供さ
れる。
【0013】
【発明の実施の形態】(アクリルゴム)本発明の複合体
を構成するアクリルゴム粒子は、エポキシ基を含有し、
かつゲル含量80重量%以上の内部架橋されたアクリル
ゴムである。この内部架橋されたエポキシ基含有アクリ
ルゴムは、アクリルゴムを重合により調製するに際し、
(メタ)アクリレートモノマーと、エポキシ基含有モノ
マーおよび自己架橋を形成するための2つ以上のニ重結
合を有する多官能性モノマーとを共重合することにより
得られる。
【0014】アクリルゴムの調製に用いる(メタ)アク
リレートモノマーとしては、一般に、下記式:CH2
C(Rl)COOR2(ここでRlは水素原子またはメチ
ル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で表
されるものが用いられる。その具体例としてはメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。これらの中でもアルキルアク
リレートが好ましく、特に、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、ブチルアクリレートおよび2−エチル
ヘキシルアクリレートがより好ましい。これらの(メ
タ)アクリレートモノマーは一種で、または二種以上を
組合せて用いることができる。(メタ)アクリレートモ
ノマーの使用量はモノマー総量100重量部に対し50
〜99.6重量部が好ましい。
【0015】エポキシ基含有モノマーとしてはグリシジ
ル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、
ビニルグリシジルエーテルなどが例示される。これらの
エポキシ基含有モノマーも一種で、または二種以上を組
合せて用いることができる。使用量はモノマー総量10
0重量部に対し、0.1〜10重量部とするのが好まし
い。エポキシ基含有モノマーの使用量が0.1重量部未
満ではアクリルゴム/フッ素ゴム複合体中のアクリルゴ
ム粒子表面とフッ素ゴムとの親和性が低下し、目的とす
る性能を有する加硫ゴムが得られなくなる。
【0016】内部架橋を形成するための多官能性モノマ
ーとしては、アリル(メタ)アクリレート、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオ
ール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレートなどが例示され
る。これらの多官能性モノマーは一種で、または二種を
組合せて用いることができる。その使用量はモノマー総
量100重量部に対し、0.3〜15重量部とすればよ
いが、好ましくは0.5〜10重量部である。多官能性
モノマー使用量が0.3重量部未満では内部架橋したア
クリルゴムのゲル含量が80重量%未満となり、目的の
性能を有する加硫ゴムが得られない。内部架橋アクリル
ゴム粒子のゲル含量は通常80重量%以上とすべきであ
り、より好ましくは90重量%以上である。ゲル含量が
80重量%未満では、ロールなどで混練するとアクリル
ゴム粒子が崩壊する。
【0017】所望により、(メタ)アクリレートモノマ
ー、エポキシ基含有モノマーおよび多官能性モノマー
に、少くとも一種の共重合可能な他のモノエチレン系モ
ノマーを共重合することができる。そのようなモノエチ
レン系モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどのビ
ニル芳香族化合物;アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリルなどのビニルニトリル;アクリルアミド、エタア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのビ
ニルアミド;エチレン、プロピレンなどのオレフィン;
塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有モノマ
ー;酢酸ビニルなどのビニルエステル;2−シアノエチ
ルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、4
−シアノブチルアクリレートなどのシアノ置換アルキル
(メタ)アクリレート;ジエチルアミノエチルアクリレ
ートのようなアミノ置換アルキル(メタ)アクリレー
ト;ヒドロキシエチルアクリレートのような水酸基置換
アルキル(メタ)アクリレート;メチルビニルケトンの
ようなアルキルビニルケトン;ビニルエチルエーテル、
アリルメチルエーテルなどのビニルまたはアリルエーテ
ルが挙げられる。これらのモノエチレン系モノマーの使
用量は0〜20重量%であることが好ましい。
【0018】上記(メタ)アクリレートモノマーの共重
合はラジカル開始剤を用いた乳化重合法によって行われ
る。得られるアクリルゴムラテックス中のアクリルゴム
粒子の平均粒径は10〜300nm、好ましくは50〜
200nmである。アクリルゴムのムーニー粘度は10
〜70であることが好ましい。ムーニー粘度が低過ぎる
と良好な機械的強度を有する成形体を得ることができ
ず、逆に、ムーニー粘度が高過ぎると射出成形型その他
の成形が困難となる。より好ましいムーニー粘度は20
〜50である。
【0019】(フッ素ゴム)本発明において用いられる
フッ素ゴムの組成は格別限定されるものではなく、一般
にフッ素ゴムとして知られているものが広く用いられ
る。フッ素ゴムの形成に用いるモノマーとしては、ビニ
リデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、ペン
タフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン、ビニルフルオライド、パーフ
ルオロメチルビニルエーテルのようなフルオロアルキル
ビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニリデンなど
の含フッ素モノエチレン系不飽和モノマーが挙げられ
る。これらの含フッ素モノマーは、単独で、または二種
以上を組合せて用いることができ、また、他のモノエチ
レン系不飽和モノマー、例えば、アクリル酸エステル、
プロピレン、エチレン、ジエンおよび含ハロゲンビニル
モノマーなどと共重合することもできる。
【0020】フッ素ゴムの具体例としては、ビニリデン
フルオライド/ヘキサフルオロプロピレン系、ビニリデ
ンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフル
オロプロピレン系、ビニリデンフルオライド/クロロト
リフルオロエチレン系などのビニリデンフルオライド系
の共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン系、
ヘキサフルオロプロピレン/エチレン系、フルオロアル
キルビニルエーテル/オレフィン系の共重合体などが挙
げられる。これらのうちビニリデンフルオライド/ヘキ
サフルオロプロピレン系およびビニリデンフルオライド
/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン
系の共重合体が好ましい。
【0021】また、好ましい他のフッ素ゴムの例とし
て、特開昭6−122729号公報に記載される下記組
成(I)を有するフルオロエラストマー: (i)フッ化ビニリデン:4〜75モル%、好ましくは
10〜70モル% (ii)ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル、ヒドロペンタフルオロプロピレンお
よびクロロトリフルオロエチレンの中から選ばれた少な
くとも一種:12〜40モル%、好ましくは15〜30
モル% (iii)C2-4 オレフィン:2〜35モル%、好ましく
は4〜30モル%および (iv)テトラフルオロエチレン:2〜60モル%、好ま
しくは4〜50モル%;ならびに、特開平6−2480
27公報に記載される下記組成(II)を有するフルオロ
エラストマーおよび下記組成(III)を有するフルオロ
エラストマー、が挙げられる。
【0022】組成(II) (i)フッ化ビニリデン:42〜80モル% (ii)ヘキサフルオロピレンおよびパーフルオロアルキ
ルビニルエーテルの中から選ばれた少なくとも一種:1
6〜30モル%および (iii)C2-4 オレフィン:2〜30モル%;組成(II
I) (i)フッ化ビニリデン:70〜98モル% (ii)ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロア
ルキルビニルエーテルの中から選ばれた少なくとも一
種:0〜16モル%および (iii)C2-4 オレフィン:1〜30モル%
【0023】前述のモノマーを共重合してフッ素ゴムを
調製するには、ラジカル開始剤として過硫酸塩開始剤を
用いた乳化重合法または微細乳化重合法を採ることが必
要である。その他のラジカル開始剤を使用した場合はア
クリルゴム粒子とフッ素ゴムとの親和性を高めることが
できない。過硫酸塩開始剤の具体例としては、過硫酸ナ
トリウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウムが
挙げられる。
【0024】フッ素ゴムのムーニー粘度は、得られる加
硫ゴムの機械的強度と射出成型性などの成形性とのバラ
ンスから、20〜150の範囲が好ましく、50〜90
の範囲がより好ましい。フッ素ゴムラテックスの平均粒
径は通常10〜500nmの範囲である。
【0025】(アクリルゴム/フッ素ゴム複合体)本発
明の複合体において、アクリルゴムとフッ素ゴムの割合
はアクリルゴム/フッ素ゴムが重量比で20〜80/8
0〜20、好ましくは30〜70/70〜30である。
アクリルゴムが少ない領域では経済性の改善効果が小さ
い、また多い領域では耐熱性および強度特性が低下す
る。
【0026】本発明のアクリルゴム/フッ素ゴム複合体
は、アクリルゴムラテックスとフッ素ゴムラテックスと
の混合ラテックスを共凝固することにより調製される。
混合ラテックスを共凝固する方法は特に限定されない
が、通常は、混合ラテックスを多価金属塩水溶液を用い
て塩析する方法、および該ラテックスに食塩水溶液を添
加した後硫酸水溶液を加えて酸凝固する方法などが採ら
れる。混合ラテックスを塩析する方法において使用する
多価金属塩としては、周期表II族金属またはIII族金属
と無機酸との塩が挙げられ、具体的には、塩化カルシウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、ミョウバン
などを使用することができる。
【0027】多価金属塩の水溶液の濃度は、塩析の条件
により特に限定されることはないが、通常は、水100
重量部に対して、多価金属塩0.01〜20重量部、好
ましくは、0.1〜10重量部を添加して調整したもの
を使用する。混合ラテックスと多価金属塩の水溶液との
使用の比率は、特に限定されないが、通常は、混合ラテ
ックスの固形分100重量部に対して、多価金属塩の水
溶液中の多価金属塩0.5〜100重量部、好ましくは
1〜50重量部の範囲で使用する。混合ラテックスを塩
析するときの温度は、条件により特に限定されることは
ないが、通常は0〜100℃、好ましくは10〜80℃
の範囲で行う。また、塩析に要する時間は、通常、0.
1〜15分である。
【0028】混合ラテックスを多価金属塩水溶液を用い
て塩析する方法は特に限定されないが、通常は、アクリ
ルゴムラテックスとフッ素ゴムラテックスとを混合した
後、これを多価金属塩水溶液中に添加して攪拌・混合す
る方法、アクリルゴムラテックスとフッ素ゴムラテック
スとを混合した後、これに多価金属塩水溶液を添加して
攪拌・混合する方法、アクリルゴムラテックスとフッ素
ゴムラテックスとの混合ラテックスと多価金属塩水溶液
とを同時に添加・混合する方法などが採られる。混合ラ
テックスまたは多価金属塩水溶液を添加するには、連続
的に添加する方法、一括添加する方法、分割添加する方
法のいずれも採用することができる。
【0029】酸凝固の方法は、特に限定されないが、通
常は、混合ラテックスを食塩水溶液を用いて該ラテック
スをクリーミング化した後、硫酸水溶液を加えてポリマ
ーを析出させる方法が採用できる。食塩水溶液の濃度
は、酸凝固の条件により特に限定されることはないが、
通常は、水100重量部に対して、食塩1〜20重量
部、好ましくは1〜10重量部を添加して調整したもの
を使用する。
【0030】硫酸水溶液の濃度は、酸凝固の条件により
特に限定されることはないが、通常は、水100重量部
に対して、硫酸0.01〜10重量部、好ましくは0.
1〜5重量部を添加して調整したものを使用する。混合
ラテックスと食塩水溶液との使用の比率は、特に限定さ
れないが、通常は、混合ラテックスの固形分100重量
部に対して、食塩水溶液中の食塩5〜200重量部、好
ましくは10〜100重量部の範囲で使用する。
【0031】混合ラテックスと硫酸水溶液との使用の比
率は、特に限定されないが、通常は、混合ラテックスの
固形分100重量部に対して、硫酸水溶液中の硫酸0.
1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の範囲で
使用する。混合ラテックスを酸凝固するときの温度は、
条件により特に限定されることはないが、通常は0〜1
00℃、好ましくは10〜80℃の範囲で行う。また、
食塩水溶液を添加して該ラテックスをクリーミング化す
るのに要する時間は、通常、0.1〜15分であり、ま
た、酸凝固全体に要する時間は、通常、0.2〜15分
である。
【0032】混合ラテックスを食塩水溶液を用いて該ラ
テックスをクリーミング化する方法は特に限碇されない
が、通常は、アクリルゴムラテックスとフッ素ゴムラテ
ックスとを混合した後、これを食塩水溶液中に添加して
攪拌・混合する方法、アクリルゴムラテックスとフッ素
ゴムラテックスとを混合した後、これに食塩水溶液を添
加して攪拌・混合する方法、アクリルゴムラテックスと
フッ素ゴムラテックスとの混合ラテックスと食塩水溶液
とを同時に添加・混合する方法などが挙げられる。混合
ラテックスまたは食塩水溶液を添加するには、連続的に
添加する方法、一括添加する方法、分割添加する方法の
いずれも採用することができる。
【0033】さらに、クリーミングした該ラテックスを
硫酸水溶液を用いてポリマーを析出させる方法も特に限
定されない。通常は、クリーミング化した該ラテックス
を硫酸水溶液中に添加して攪拌・混合する方法、クリー
ミング化した該ラテックスに硫酸水溶液を添加して攪拌
・混合する方法、クリーミング化した該ラテックスと硫
酸水溶液とを同時に添加・混合する方法などが挙げられ
る。該ラテックスまたは硫酸水溶液を添加するには、連
続的に添加する方法、一括添加する方法、分割添加する
方法のいずれも採用することができる。アクリルゴムラ
テックスとフッ素ゴムラテックスとの混合ラテックスを
塩析または酸凝固の方法を用いて共凝固したポリマー
は、次いで、水洗・ろ過した後乾燥される。
【0034】(アクリルゴム粒子とフッ素ゴムとの親和
性の改良)前述のように、ゲル含量が80重量%以上の
内部架橋したエポキシ基含有アクリルゴムラテックスと
フッ素ゴムラテックスとの混合ラテックスを共凝固した
後乾燥する工程を経て製造することにより、アクリルゴ
ム粒子とフッ素ゴムとの親和性が高められた本発明のア
クリルゴム/フッ素ゴム複合体が得られる。かかる工程
を経ることによりアクリルゴム粒子とフッ素ゴムとの親
和性が高められる理由は明確ではないが、アクリルゴム
粒子中のエポキシ基が粒子内部より表層部分に相対的多
量に分布し、この表層部分に分布するエポキシ基が、過
硫酸塩開始剤を用いたラジカル乳化重合により得られた
フッ素ゴム中に残存する硫酸根と結合するものと推定さ
れる。このようにアクリルゴム中のエポキシ基とフッ素
ゴム中の硫酸根を介してアクリルゴム粒子とフッ素ゴム
との親和性が著しく高められ、その結果、アクリルゴム
粒子はフッ素ゴムの連続相に均一に分布し、高性能のア
クリルゴム/フッ素ゴム複合体が得られるものと考えら
れる。
【0035】(加硫性ゴム組成物)上記のアクリルゴム
/フッ素ゴム複合体に架橋剤を配合することによって加
硫性ゴム組成物が調製される。架橋剤としては、フッ素
ゴムを架橋し得る架橋剤およびエポキシ基含有アクリル
ゴムを架橋し得る架橋剤の中から選ばれた少なくとも一
種が用いられる。フッ素ゴムを架橋し得る架橋剤および
エポキシ基含有アクリルゴムを架橋し得る架橋剤のいず
れか一方のみであってもよいし、両者が用いられてもよ
い。
【0036】フッ素ゴムを架橋し得る架橋剤としては、
ポリオール架橋剤と四級アンモニウム塩や四級ホスホニ
ウム塩などの架橋助剤とからなるポリオール架橋剤系、
アミン系架橋剤系、および有機過酸化物架橋剤系が挙げ
られる。
【0037】ポリオール架橋剤系を構成するポリオール
架橋剤としては、ポリヒドロキシ芳香族化合物、例え
ば、ヘキサフルオロイソプロピリデン−ビス−(4一ヒ
ドロキシフェニル)ヒドロキノン、イソプロピリデン−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)などが挙げられる。
ホスホニウム塩としては、トリフェニルべンジルホスホ
ニウムクロライド、トリオクチルベンジルホスホニウム
クロライド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、
テトラオクチルホスホニウムクロライドなどが挙げられ
る。四級アンモニウム塩としては、トリフェニルベンジ
ルアンモニウムクロライド、テトラフェニルアンモニウ
ムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロラ
イド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ラ
トラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボラートなど
が挙げられる。
【0038】アミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサ
メチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエ
チレンテトラミンなどのアルキルアミン、アニリン、ピ
リジン、ジアミノベンゼンなどの芳香族アミンおよびこ
れらのアミンのカルバミン酸、シンナミリデン酸などの
脂肪酸の塩などが挙げられる。
【0039】有機過酸化物架橋剤系を構成する有機過酸
化物架橋剤としては、例えば、t−ブチルヒドロパーオ
キシド、クメンヒドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパ
ーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミル
パーオキシド、2,5−ジメチル−t−ブチルパーオキ
シヘキサン、2,5−ジメチル−t−ブチルパーオキシ
ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、p−クロロベンゾイルパーオキシ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカルボナート、t−ブチルベンゾ
エートなどが挙げられる。有機過酸化物加硫剤ととも
に、加硫助剤を併用することができ、その具体例として
は、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビ
ニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、ジアリルフ
タレート、トリアリルイソシアヌレート、メタフェニレ
ンビスマレイミドなどの多官能性化合物やp−キノンジ
オキシムなどが挙げられる。
【0040】エポキシ基含有アクリルゴムを架橋し得る
架橋剤としては、トリエチレンテトラミンなどのポリア
ミン系架橋剤;安息香酸アンモニウム、アジピン酸アン
モニウムなどのカルボン酸アンモニウム塩系架橋剤;ジ
メチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン
酸塩系架橋剤;テトラデカンニ酸/セチルトリメチルア
ンモニウムブロマイドなどの多価カルボン酸/四級オニ
ウム塩系架橋剤などが挙げられる。
【0041】架橋剤の配合量は、アクリルゴム/フッ素
ゴム複合体の重量に基づき、好ましくは0.1〜30重
量%、より好ましくは0.1〜20重量%である。架橋
剤の使用量が過少であると、架橋密度が小さく、加硫ゴ
ムの耐油性、耐熱性、機械的強度などが低下する。その
使用量が過大であると加硫ゴムの伸びが低下する。
【0042】本発明の加硫性ゴム組成物にはゴム成分と
架橋剤のほか、通常ゴム工業で用いられているカーボン
ブラックなどの補強剤;シリカ、タルクなどの充填剤;
フタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、セバシン酸誘導体
などの可塑剤;フェニレンジアミン類、ホスフェート
類、ジチオカルバメート金属塩類、キノリン類、クレゾ
ール類、フェノール類などの老化防止剤;安定剤;プロ
セスオイルなどの加工助剤などの配合剤を加えることが
できる。配合剤の種類および量は特に限定されるもので
はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
【0043】ゴム成分、架橋剤およびその他の配合剤
は、ロール、バンバリーミキサーなどの通常の混練機を
用いて混練し、架橋可能なゴム組成物を調製し、さら
に、通常の手法・条件に従って成形、架橋を行い、架橋
ゴム製品とすることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例および比較例について本発明を
具体的に説明する。なお、%および部数は特に断わらな
い限り重量基準である。アクリルゴム粒子の大きさおよ
び状態、アクリルゴムのゲル含量、ならびにアクリルゴ
ム/フッ素ゴム複合体の加硫物の物性は以下の方法によ
り評価した。 (1)アクリルゴム/フッ素化ゴム複合体中のアクリル
ゴム粒子の大きさおよび状態 アクリルゴムラテックスとフッ素ゴムラテックスとの混
合ラテックスを共凝固した後乾燥し、得られたアクリル
ゴム/フッ素化ゴム複合体中のアクリルゴム粒子の状態
を透過型電子顕微鏡(倍率:60,000倍)にて観察
するとともに、粒子の平均粒径(nm)を測定した。
【0045】(2)アクリルゴムのゲル含量 アクリルゴムラテックスを凝固した後、乾燥することに
より得られたアクリルゴム0.2gをメチルエチルケト
ン100mlに室温で24時間浸漬し、不溶分を80メ
ッシュ金網で分別し、不透過分をゲル含量とした。 (3)引張特性 表1に示す配合処方に従って、6インチ・ロールを用い
混練して架橋用ゴム組成物を調製し、170℃×20分
間の条件下に一次加硫(プレス加硫)を行い、さらに、
180℃×24時間の条件下にギヤーオーブン中で二次
加硫を行って得た加硫物について日本工業規格JIS
K6301に従い、引張強さ(kgf/cm2)、伸び
(%)、100%引張応力(kgf/cm2)を測定し
た。また、硬さは、同様な加硫物についてJISスプリ
ング式A形硬さ試験機を用いて測定した。
【0046】(4)耐熱老化性 前項(3)と同様に一次および二次加硫を行って得た加
硫物について空気加熱老化試験(175℃×168時
間)を行い、引張強さ、伸びおよび硬さをそれぞれ測定
し、それぞれ熱老化試験前後の測定値から、引張強さの
変化率(%)、伸びの変化率(%)および硬さの変化
(ポイント)を求めた。
【0047】(5)耐油性 前項(3)と同様に一次および二次加硫を行って得た加
硫物について、JISK6301に従い、潤滑油No3
(動粘度31.9〜34.1、アニリン点69.5±1
℃、引火点162.7℃)中にゴム試験片を150℃で
70時間を浸漬し、体積変化率(%)を測定した。 (6)圧縮永久ひずみ 前項(3)と同様に一次および二次加硫を行って得た加
硫物について、JISK6301に従い、175℃で7
0時間保持後に圧縮永久ひずみ(%)を測定した。
【0048】実施例1〜8 (エポキシ基含有アクリルゴムラテックスの調製)2リ
ットルの反応器中に温度計、攪拌機、窒素導入管および
減圧装置を設置し、下記に示す重合処方(I)および(I
I)により、表1に記載した組成のエチルアクリレート
(EA)、n−ブチルアクリレート(BA)、エチレン
グリコールジメタクリレート(EDMA)およびグリシ
ジルメタクリレート(GMA)の混合物を重合して、ア
クリルゴムラテックスを調製した。すなわち、まず、
(I)の各成分を反応器に仕込んだ後反応器中の混合物
のpHを7に調整し、攪拌しつつ系内の温度を5℃に
し、脱気、窒素置換を繰り返し、系内の酸素を充分除去
した。次いで(II)の各成分を添加して重合を開始し
た。重合温度は5℃で反応時間は約16時間である。重
合転化率は94〜98%の範囲であった。
【0049】 重合処方 成 分 量(g) (I)水 1000 ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート 20 ナトリウムナフタレンスルホネー卜 10 硫酸ナトリウム 3 エチレンジアミンテトラ酢酸4ナトリウム塩 0.2 エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム第二鉄塩 0.005 モノマー混合物(表) 1000 (II)Na224 0.2 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.2 p−メンタンハイドロパーオキサイド 0.1 実施例1〜6で得たアクリルゴムのムーニー粘度は4
3、実施例7〜8で得たアクリルゴムのムーニー粘度は
41であった。また、ゲル含量を表1に示す。
【0050】(フッ素ゴムラテックスの調製)攪拌機、
減圧装置および温度計を設けた10リットルの反応器中
を真空にした後、水6.5リットルを供給し、下記の重
量比を有するモノマー混合物によって反応器中に圧を生
成させた。 ビニリデンフルオライド(VDF) 60% ヘキサフルオロプロペン(HFP) 40% 反応器の温度を85℃まで上昇させ、圧を19バールに
した。66ml/リットルの水性溶液としての酢酸エチ
ル260mlと、150g/リットルの水性溶液として
の過硫酸アンモニウム13gを加えた。重合中にモノマ
ーを下記の重量比で供給することによって圧を一定に保
持した。 ビニリデンフルオライド(VDF) 80% ヘキサフルオロプロペン(HFP) 20% 55分間の重合時間でポリマー2,800gが得られる
転化率に達した後全体を室温まで冷却し、フッ素ゴムラ
テックスを得た。
【0051】得られたラテックスを取出して、硫酸アル
ミニウム水溶液を加えることによって凝固させた。ポリ
マーを分離して、水で洗浄し、60℃の空気循環オーブ
ンで乾燥した。得られたボリマレのムーニー粘度は58
であった。
【0052】(アクリルゴム/フッ素ゴム複合体の調
製)上記アクリルゴムラテックスおよびフッ素ゴムラテ
ックスを混合し、混合ラテックスを調製した(アクリル
ゴム/フッ素ゴム固形分重量比=50/50〔実施例1
〜4、7、8〕または60/40〔実施例5、6〕)。
【0053】混合ラテックスに硫酸アルミニウム水溶液
(濃度5%、混合ラテックスの固形分100部に対して
硫酸アルミニウム4部)を加え、50℃で5分間攪拌・
混合することにより共凝固せしめた。共凝固したポリマ
ーは水洗、ろ過し、次いで乾燥した。得られたアクリル
ゴム/フッ素ゴム複合体中に分散しているアクリルゴム
粒子を電子顕微鏡で観察した。アクリルゴム粒子は互い
に凝集することなく均一に分散し、さらに、粒子の表層
部分と中心部分とで密度差が生じていることが観察され
た。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】(加硫性ゴム組成物の調製、加硫物の調製
および評価)アクリルゴム/フッ素ゴム複合体と架橋剤
その他の配合成分を表2に示す配合処方に従って6イン
チ・ロールにて混練し、架橋用ゴム組成物を調製した。
表2中の配合成分の略号はそれぞれ下記成分を意味す
る。 SRF: SRFカーボンブラック Ml: イタリア、アウジモント社製、ビスフェノール
AF50%含有加硫剤マスター M2: イタリア、アウジモント社製、ホスホニウム塩
系化合物30%含有仮進剤マスター AB: 安息香酸アンモニウム
【0056】ゴム組成物は170℃で20分間プレス加
硫を行い、さらに、180℃のギヤーオーブン中で24
時間の後加硫を行った。得られた加硫物の物性を評価し
た。結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】比較例1、2 実施例1〜8と同様な方法および条件によりアクリルゴ
ムラテックスおよびフッ素ゴムラテックスを調製した。
ただし、アクリルゴムラテックスの調製に際し、比較例
1ではエチレングリコールジメタクリレート(EDM
A)を用いず、また、比較例2ではグリシジルメタクリ
レート(GMA)を用いなかった。さらに、実施例1〜
4、7、8と同様に、アクリルゴムラテックスとフッ素
ゴムラテックスとを共凝固して、アクリルゴム/フッ素
ゴム複合体を調製した。得られた複合体中のアクリルゴ
ム粒子を電子顕微鏡で観察したところ、比較例1では、
アクリルゴム粒子が凝集し、大きな固まりとなってい
た。比較例2では、粒子の凝集は観察されなかったが、
粒子の表層部分と中心部分との間に密度差も観察されな
かった。
【0059】実施例2および7と同様な配合処方および
方法に従って、上記アクリルゴム/フッ素ゴム複合体か
ら架橋用ゴム組成物を調製し、さらに、加硫した。加硫
物の物性を評価した結果を表2に示す。
【0060】比較例3 実施例1〜8と同様な方法および条件によりアクリルゴ
ムラテックスおよびフッ素ゴムラテックスを調製した。
次いで、それぞれ、ゴムラテックスから固形ゴムを得た
後、両ゴムを合わせ、ロールを用いて50℃で混練し
た。混練物は、ゲル化したアクリルゴムの粒子が凝集し
た状態でフッ素ゴム中に散在したものであった。
【0061】実施例2および7と同様な配合処方および
方法に従って、上記両ゴムの混合物から架橋用ゴム組成
物を調製し、さらに、加硫した。加硫物の物性を評価し
た結果を表2に示す。
【0062】表に示す結果から、本発明の加硫性ゴム組
成物の加硫物は耐熱性、耐油性および機械的強度特性
が、比較例と比べて著しく改善されていることがわか
る。
【0063】
【発明の効果】本発明のアクリルゴム/フッ素ゴム複合
体を含む加硫性ゴム組成物の加硫物は耐熱性、耐油性、
機械的強度特性などがよくバランスされ、それぞれ良好
なレベルにある。これは、内部架橋したエポキシ基含有
アクリルゴムの粒子が、アクリルゴム中のエポキシ基と
フッ素ゴム中の硫酸根とを介して結合し、その結果、フ
ッ素ゴムに対し非常に高い親和カをもつためと考えられ
る。しかも、上記加硫物は工業的有利に製造することが
できる。上記加硫物は、各種工業用品、自動車部品、航
空機部品などの分野でシール類(オイルシール、0−リ
ング、ガスケット、パッキング)、ホース類、ベルト
類、ロールなどとして広く利用することができる。
【0064】(好ましい実施態様)本発明に係る(1)
フッ素ゴムの連続相と、該フッ素ゴム連続相に分散した
エポキシ基含有アクリルゴム粒子の不連続相とからな
り、 該アクリルゴム粒子が平均粒径10〜300nm
を有し、ゲル含量80重量%以上の内部架橋したエポキ
シ基含有アクリルゴムからなることを特徴とするアクリ
ルゴム/フッ素ゴム複合体;(2)フッ素ゴムの連続相
と、該フッ素ゴム連続相に分散したアクリルゴム粒子の
不連続相とからなるアクリルゴム/フッ素ゴム複合体を
製造する方法において、ゲル含量80重量%以上の内部
架橋したエポキシ基含有アクリルゴムのラテックスとフ
ッ素ゴムラテックスとをラテックス状態で混合し、次い
で、得られた混合ラテックスを共凝固することを特徴と
する、平均粒径10〜300nmを有する内部架橋した
エポキシ基含有アクリルゴムの粒子がフッ素ゴムの連続
相に分散してなるアクリルゴム/フッ素ゴム複合体の製
造方法;および(3)フッ素ゴムの連続相と、該フッ素
ゴム連続相に分散したエポキシ基含有アクリルゴム粒子
の不連続相とからなり、該アクリルゴム粒子が平均粒径
10〜300nmを有し、ゲル含量80重量%以上の内
部架橋したエポキシ基含有アクリルゴムであるアクリル
ゴム/フッ素ゴム複合体に、エポキシ基含有アクリルゴ
ムの架橋剤およびフッ素ゴムの架橋剤の中から選ばれた
少なくとも一種の架橋剤を配合してなる加硫性ゴム組成
物の好ましい実施態様をまとめると以下のとおりであ
る。
【0065】(1)内部架橋したエポキシ基含有アクリ
ルゴムラテックスは、(i)式 CH2=C(Rl)CO
OR2(式中、Rlは水素原子またはメチル基、R2は炭
素数1〜8のアルキル基である。)で表されるアルキル
(メタ)アクリレート50〜99.6重量部、(ii)
2つ以上の三重結合を有する多官能性モノマー0.3〜
15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部、(i
ii)エポキシ基含有モノマー0.1〜10重量部、
(iv)上記(i)、(ii)および(iii)のモノ
マーと共重合可能なモノエチレン系不飽和モノマー0〜
20重量部を乳化重合して得られる。
【0066】(2)前項(1)、(i)の式で表わされ
るアルキル(メタ)アクリレートがメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレートおよび2
一エチルヘキシルアクリレートから選ばれる少なくとも
一種のアルキルアクリレートである。 (3)内部架橋したエポキシ基含有アクリルゴムのゲル
含量が80%以上、より好ましくは90%以上である。
【0067】(4)内部架橋したエポキシ基含有アクリ
ルゴムのムーニー粘度が10〜70、より好ましくは2
0〜50である。 (5)アクリルゴム/フッ素ゴム複合体中のアクリルゴ
ム粒子の平均粒径は10〜300nm、より好ましくは
50〜200nmである。 (6)フッ素ゴムラテックスは、過硫酸塩開始剤を用い
て少なくとも一種の含フッ素モノエチレン系不飽和モノ
マーを乳化重合または微細乳化重合することにより得ら
れる。
【0068】(7)フッ素ゴムのムーニー粘度が20〜
150、より好ましくは30〜90である。 (8)アクリルゴムとフッ素ゴムの割合は、アクリルゴ
ム/フッ素ゴム重量比として、20〜80/80〜2
0、より好ましくは30〜70/70〜30の範囲であ
る。
【0069】(9)エポキシ基含有アクリルゴムの架橋
剤はポリアミン架橋剤、カルボン酸アンモニウム塩架橋
剤、ジチオカルバミン酸塩架橋剤および多価カルボン酸
/四級オニウム塩架橋剤の中から選ばれる。 (10)フッ素ゴムの架橋剤がポリオール/四級アンモ
ニウム塩架橋剤系、ポリオール/四級ホスホニウム塩架
橋剤系、アミン系架橋剤系および有機過酸化物架橋剤系
の中から選ばれる。 (11)前記各項のいずれかの特徴を満足する加硫性ゴ
ム組成物を加硫してなる加硫ゴム製品。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素ゴムの連続相と、該フッ素ゴム連
    続相に分散したエポキシ基含有アクリルゴム粒子の不連
    続相とからなり、 該アクリルゴム粒子が平均粒径10〜300nmを有
    し、ゲル含量80重量%以上の内部架橋したエポキシ基
    含有アクリルゴムからなることを特徴とする、アクリル
    ゴムとフッ素ゴムとの複合体。
  2. 【請求項2】 フッ素ゴムの連続相と、該フッ素ゴム連
    続相に分散したアクリルゴム粒子の不連続相とからなる
    アクリルゴム/フッ素ゴム複合体を製造する方法におい
    て、ゲル含量80重量%以上の内部架橋したエポキシ基
    含有アクリルゴムのラテックスとフッ素ゴムラテックス
    とをラテックス状態で混合し、次いで、得られた混合ラ
    テックスを共凝固することを特徴とする、平均粒径10
    〜300nmを有する内部架橋したエポキシ基含有アク
    リルゴムの粒子がフッ素ゴムの連続相に分散されている
    アクリルゴム/フッ素ゴム複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 フッ素ゴムの連続相と、該フッ素ゴム連
    続相に分散したエポキシ基含有アクリルゴム粒子の不連
    続相とからなり、該アクリルゴム粒子が平均粒径10〜
    300nmを有し、ゲル含量80重量%以上の内部架橋
    したエポキシ基含有アクリルゴムであるアクリルゴム/
    フッ素ゴム複合体に、エポキシ基含有アクリルゴムの架
    橋剤およびフッ素ゴムの架橋剤の中から選ばれた少なく
    とも一種の架橋剤が配合されてなる加硫性ゴム組成物。
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