JPH11197835A - 溶接の開先倣い装置 - Google Patents

溶接の開先倣い装置

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JPH11197835A
JPH11197835A JP336898A JP336898A JPH11197835A JP H11197835 A JPH11197835 A JP H11197835A JP 336898 A JP336898 A JP 336898A JP 336898 A JP336898 A JP 336898A JP H11197835 A JPH11197835 A JP H11197835A
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JP
Japan
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groove
welding
arc
sectional shape
data
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Application number
JP336898A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kato
藤 剛 加
Toshio Aoki
木 俊 雄 青
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開先倣いにおいて、開先形状の違いや溶接を
行う環境の変化、溶接のワイヤの屈曲によるずれ等によ
る倣い誤差を低減。 【解決手段】 開先横断面を形状検出器4にて測定し開
先部デ−タを摘出して教示デ−タメモリ17cに格納
し、溶接中は、形状検出器4が検出した断面形状を一時
メモリ17bに書込んで、その中の、教示デ−タ群との
相関係数Rが最高であって0.6以上のデ−タ群を検索
し、検索したデ−タ群の位置に基づいて開先位置を特定
する。一方、瞬時ア−ク電圧が10±1V以内のときの
ア−ク光分布をCCDカメラ5で撮影してア−ク位置を
算出し、ア−ク位置を開先位置に合わすように溶接ト−
チ3を開先1を横切るx方向に駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、y方向に延びる開
先のx位置及び該開先を溶接するア−クのx位置をセン
サにて計測し、センサから得られたデータを基に溶接ト
−チを、開先に対する溶接ア−クのx方向の位置ずれを
補正する位置に駆動する、溶接の開先倣い装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】距離センサを用いて自動溶接を行う方法
として特公平5−1106号公報があり、y方向に延び
る開先に対して距離センサを開先幅方向すなわちx方向
に揺動させ、微小ピッチで連続的にセンサ・開先間の距
離を測定した信号から開先の断面形状の特徴点を求める
手法を用いており、例えば図7の(a)のようにV型開
先ならば、特徴点3点d,e,fを検出し、開先位置を
検出している。V型開先を例として特徴点の検出方法を
図7の(b)を基に述べる。
【0003】〈開先両肩部の求め方〉 (1)左肩a点からb点までの平均距離(L1)とb点
からc点までの平均距離(L2)から、直線L1−L2
の傾きを求める。なお、L1,L2は何れも1mmから
10mmの長さである,(2)次に直線L1−L2を任
意に設定した距離x(数mm程度)だけ図の下方向にス
ライドさせ開先1との交点dを求め、これを仮の開先左
肩とする,(3)さらにd点の先(図の右側)の数ポイ
ントを同時に比較し、d点のセンサ値(y軸値)よりも
小さい(図の下方にある)という条件が満たされること
を確認した上で、このd点を最終的に開先左肩とする。
開先右肩f点についても同様に求める。
【0004】〈開先最深部の求め方〉 (1)左肩a点から順にセンサ値を比較して小さい値を
残す処理を行い、最小センサ値を求める,(2)次に求
めたd点及びf点の中間点を求める,(3)最短距離値
のx座標が、両方d,f間の中間のx座標を中心に任意
に設定した±数mmの範囲内であれば、最小センサ値の
座標(x,y)を最深部eとする。また、前記中点のx
座標が前記範囲外であれば、当該中点と開先1との交点
を最深部eとする。
【0005】しかし、上記特公平5−1106号公報に
おける特徴点検出による自動溶接方法では、開先中にう
ねりや傷、仮付け溶接時のスパッタ等により特徴点の検
出に誤差を生ずる場合がある。さらに図7の(c)に示
すように開先形状によっては特徴点の数が増えたり、ま
たは開先最深部の検出条件が異なるため、開先を変更す
る度に開先検出用のプログラムを随時変更する必要があ
り、溶接条件の変更に柔軟に対応できない欠点がある。
【0006】さらに上記特公平5−1106号公報の自
動溶接方法は開先位置のみの検出であり、例えば図8の
ように開先幅方向の中心位置と溶接用トーチの中心位置
が一致していても、溶接用ワイヤが屈曲しているために
アークが開先幅方向中心からずれて溶接が行われている
場合の対処は不可能である。
【0007】また、アークの発生位置を検出する方法と
して特公平3−75268号公報があり、図9に示すよ
うに画像センサでフィルターを通して開先とアークを撮
影してその輝度分布を検出する。この場合検出する輝度
分布は溶接用ワイヤを含む横方向A−A’線とアーク光
部を含むB−B’線上輝度分布である。この輝度分布を
画像処理装置に入力して2値化処理し、開先及び溶接用
ワイヤの相対位置を算出する。
【0008】しかし、上記の特公平3−75268号公
報における方法では開先や溶接条件を変更した場合にフ
ィルターの変更及び2値化処理のしきい値の変更が伴
い、簡易に自動溶接を行うことができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、開先倣い精
度を向上することを目的とする。具体的には、開先形状
の違いや溶接を行う環境の変化、溶接のワイヤの屈曲に
よるずれ等による倣い誤差を低減することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の溶接の開
先倣い装置は、溶接ト−チ(3)を支持し溶接対象の開先
(1)が延びる方向yに直交するx方向に駆動する開先倣
い器(10);開先(1)の位置および前記溶接ト−チ(3)の溶
接ア−クの位置を検出する手段(4,17,5,13〜15);およ
び、検出された開先(1)および溶接ア−クの相対位置に
基づいて、前記開先倣い器(10)を介して溶接ト−チ(3)
を、開先(1)に対する溶接ア−クのx方向の位置ずれを
補正する位置に駆動する倣いコントロ−ラ(17);を備え
る、溶接の開先倣い装置において:前記位置検出手段
(4,17,5,13〜15)は、開先(1)の断面形状を検出する形状
検出器(4),教示断面形状を表わすデ−タを格納する教
示デ−タメモリ(17c),前記形状検出器(4)が検出した断
面形状すなわち処理対象断面形状を表わすデ−タを格納
するための一時メモリ(17b)、および、教示デ−タメモ
リ(17c)のデ−タが表わす教示断面形状に対する、一時
メモリ(17b)のデ−タが表わす処理対象断面形状の相関
係数を、教示断面形状に対する処理対象断面形状をx方
向に相対的に順次ずらして算出し、相関係数が0.6以
上かつ最高値となったずらし量に基づいて開先位置を特
定する開先情報処理手段(17a)、を含むことを特徴とす
る。
【0011】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素の符号を参考
までに付記した。
【0012】本発明者は、上述の相関係数の基準値を決
定するために次のような検討を行った。図10の平面図
(a)および正面図(b)に示すようなV型開先の開先
上に溶接線方向yに約100mmの間隔で仮付け溶接を
行った長さ300mm,板厚6mm、開先角度45度の
試験板の上で、図中上端(開先のy方向端部)から5m
m、溶接を行う母材20の上面300mm(z方向)の
位置(図10上のy=n0)で、距離検出器4をx方向
に96mm分走査駆動し、この走査の1ピッチ0.25
mmの進行毎に距離検出器4の、検出器4/母材20間
のz方向距離検出デ−タ(距離デ−タ)を採取し、x方
向に分布する384点の距離デ−タを一時メモリ(17b)
に記憶した。すなわち横断面形状測定を行なった。これ
らのデ−タ群が表わす開先断面形状を図11に示す。
【0013】これらの距離デ−タ群の中の距離が大きい
(図11では下方向が距離大)開先が中央になるよう
に、図11の距離データ分布のグラフにおいて開先を含
む48×0.25=12mmの領域p〜(m−1)(た
だし、S=384,m=48)のm個の距離デ−タ群を
摘出し、教示断面形状デ−タ群Di,i=1〜48、と
して教示メモリ(17c)に記憶した。教示断面形状デ−タ
群が表わす開先断面形状を図12に示す。
【0014】そして、教示断面形状デ−タを得た位置か
ら開先の延びる方向yに沿って、10mmピッチで、上
述の横断面形状測定および教示断面形状デ−タとの相関
係数の算出を行なった。相関係数の算出においては、一
時メモリ(17b)の格納した384個の距離デ−タを、そ
れらのx方向の並びの一端側から断面形状デ−タ数48
個と同じ個数分のデ−タを対比デ−タ群C(x),x=
q〜q+mとして読み出し、対比デ−タ群C(x)の、
教示断面形状デ−タ群D(i),i=1〜m(m=4
8)に対する相関係数Rを、次の(1)式に従って算出
した。
【0015】
【数1】
【0016】この相関係数Rの算出を、対比デ−タ群C
(x)の読出し位置をx方向で1ピッチ(0.25m
m)分ずつづらして行ない、すなわちqの値を1づつ大
きく又は小さく変更して行ない、最も相関係数Rの大き
くなったずらし量qの対比デ−タ群C(x),x=q〜
q+mを開先領域(教示断面に相応する形状の開先領
域)のものとして摘出した。
【0017】図13の(a),(b)および(c)に、
図10上のy=n1,n2およびn3の位置での、横断
面形状測定デ−タ群C1(x),C2(x)およびC3
(x)が表わす横断面形状を示す。
【0018】参考のため、スパッタ18があるy=n1
の箇所のデ−タ群C1(x)の中から、スパッタ18が
中心になるようにq1〜q1+mの領域のデ−タ群を摘
出してこれを対比デ−タ群n1とし、仮付け溶接ビード
19があるy=n2の箇所のデ−タ群C2(x)の中か
ら、開先幅中心が中心になるようにq2〜q2+mの領
域のデ−タ群を摘出してこれを対比デ−タ群n2とし、
また、開先のみが存在するy=n3の箇所のデ−タ群C
3(x)の中から、開先幅中心が中心になるようにq3
〜q3+mの領域のデ−タ群を摘出してこれを対比デ−
タ群n3とした。 そしてこれらの対比デ−タ群n1,
n2およびn3の、教示断面形状デ−タ群Diに対する
相関係数R1,R2およびR3を上記(1)式に従って
算出した。これらの相関係数は、 R3>R2>R1 となり、開先のみを表わすデ−タ群C3(x)の相関係
数R3がもっとも大きく、開先を良好に認識することが
できた。
【0019】また、図13の(c)に示す、開先のみを
表わすy=n3の箇所の計測デ−タ群から、q3の位置
をq3−5からq3+5まで1データずつずらして対比
デ−タ群を取り出して、それぞれの対比デ−タ群につい
て教示断面形状デ−タ群Diに対する相関係数Rを上記
(1)式に基づいて算出した結果、表1に示すように、
開先の中央が群中央になるq3の相関係数が0.95と
最大になり、対比デ−タ群がそれより左,右に移動する
に従がい相関係数が徐々に減少する。
【0020】
【表1】
【0021】このように、距離検出器(4)によって測定
した測定データ1〜Sでなるデ−タ群の中から、一連の
p〜p+mの計測データを、p=1からp=S−mまで
1データずつ位置をずらして繰り返し、相関係数Rを算
出すれば、相関係数の高い領域が検出され、この領域
(対比デ−タ群)の位置pから、距離検出器(4)のx方
向走査の基準点に対する開先位置(x方向の位置)を算
出又は決定することができる。
【0022】しかし、スパッタ18,仮付け溶接ビード
19等が距離検出器(4)により測定されている場合は相
関係数が低く、低い相関係数領域の対比デ−タ群から開
先位置を決定することはできない。従って、本願発明で
は、相関係数の基準を設け、この基準値よりも低い場合
は「開先なし」と判断し、確実な判断で溶接を行う。上
述の、y方向10mmピッチで実行した各横断面形状測
定デ−タ群につき、対比デ−タ群を、読出し位置qを1
づつ大きく又は小さく読出して各対比デ−タ群の相関係
数Rを算出して、各横断面形状測定デ−タ群について求
まったS−m個の相関係数の最大値を摘出し、相関係数
が最大値となった対比デ−タ群が開先を表わすものか否
かを調査した結果を、表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2から、相関係数が0.6以上の場合は
開先を検出し、0.6未満では開先以外の仮付け溶接ビ
ードやスパッタがあり、開先全体は検出していなかっ
た。従って本発明では、相関係数の基準値は0.6と
し、0.6以上を「開先」を検出しているとし、0.6
未満を「開先」非検出とした。これにより、少くとも開
先断面の一部を欠除した対比デ−タ群を「開先」を表わ
すものとして摘出する誤検出が低減し、開先検出精度が
高い。
【0025】
【発明の実施の形態】(2)位置検出手段(4,17,5,13〜
15)は、前記溶接ア−クの光の分布を検知する光検知器
(5),検知した光分布に基づいて溶接ア−クの位置を表
わす情報を生成するア−ク情報処理手段(13〜16)、およ
び、前記溶接ト−チ(3)のア−ク電圧瞬時値が、前記光
検知器(5)による溶接ア−クの光の分布の摘出に適した
所定値のときこれを表わすタイミング信号を発生する電
圧検出手段(15)、を含み、前記ア−ク情報処理手段(13
〜16)は該タイミング信号が発生したとき、光検知器(5)
が検知した光分布に基づいて溶接ア−クの位置を表わす
情報を生成する、ことを特徴とする。
【0026】(3)前記位置検出手段(4,17,5,13〜15)
は、開先(1)の断面形状を検出する形状検出器(4);教示
断面形状を表わすデ−タを格納する教示デ−タメモリ(1
7c);前記形状検出器(4)が検出した断面形状すなわち処
理対象断面形状を表わすデ−タを格納するための一時メ
モリ(17b);教示デ−タメモリ(17c)のデ−タが表わす教
示断面形状に対する、一時メモリ(17b)のデ−タが表わ
す処理対象断面形状の相関係数を、教示断面形状に対す
る処理対象断面形状をx方向に相対的に順次ずらして算
出し、相関係数が最高値となったずらし量に基づいて開
先位置を特定する開先情報処理手段(17a);前記溶接ア
−クの光の分布を検知する光検知器(5);検知した光分
布に基づいて溶接ア−クの位置を表わす情報を生成する
ア−ク情報処理手段(13〜16);および、前記溶接ト−チ
(3)のア−ク電圧瞬時値が、前記光検知器(5)による溶接
ア−クの光の分布の摘出に適した所定値のときこれを表
わすタイミング信号を発生する電圧検出手段(15);を含
み、前記ア−ク情報処理手段(13〜16)は該タイミング信
号が発生したとき、光検知器(5)が検知した光分布に基
づいて溶接ア−クの位置を表わす情報を生成する。
【0027】光検知器(5)が、代表的なものの1つであ
る2次元CCDカメラの場合について具体的に説明する
と、干渉フィルタを通して溶接中のアーク状態を撮影す
ると図14のような撮影画像を得ることができる。撮影
画面上のアーク光像22i,開先像1i及びその近傍の
画像データを画像処理装置(14)にて一定の基準値を設け
て2値化すると、図11に示すように、実質上ア−ク光
像22iのみを表わす画像データが得られる。
【0028】画像処理装置(14)にて画像の暗い部分(ア
ーク光像でない部分)のデータを0とし、明るい部分
(アーク光像)のデータを1として2値化し、1の画素
で囲まれる0の画素(孤立点)の2値デ−タ0を1に変
更してアーク光像領域全体をすべて1として、孤立点を
除去した1画面分の2値デ−タを生成する。これをメモ
リ(16b)に書込む。カメラ(5)の主走査方向の撮影画像摘
出画素の数をt、副走査方向の画素数をn+1とする
と、n+1ライン分の2値デ−タがメモリ(16c)に書込
まれる。1ライン分の2値デ−タは、例えば表3に示す
分布となる。表3上の「デ−タNo.」が、1ライン上
の位置(アドレス)に対応する。
【0029】
【表3】
【0030】メモリ(16b)の2値デ−タをライン単位で
順次に読出し、各ラインの2値デ−タの、0から1に切
り替わるデータNo.a0、データが1から0に切り替
わるデータNo.b0を、ラインNo.m0〜mn宛てに
メモリ(16c)に書込み、各ラインのア−ク領域デ−タの
中心位置(デ−タNo.)toAVeを次の(2)式で
算出して、ラインNo.m0〜mn宛てにメモリ(16c)に
書込み、全ライン上のア−ク領域デ−タの中心位置(デ
−タNo.)の平均値TAVeを算出して、この平均値
TAVeに、カメラ(5)のx方向の基準位置を加えた位
置を開先幅方向xのア−ク位置とする。
【0031】
【数2】
【0032】(4)このようにアーク位置を検出するこ
とができるが、次のような問題がある。すなわち、図1
0に示すようなV型開先において、平均アーク電圧を2
0(V),30(V)および40(V)と3水準設定
し、各平均アーク電圧時のアーク光22を撮像した。図
16は炭酸ガスアーク溶接における溶接時間とアーク電
圧の変化を示したものであり、図16の(a)は平均ア
ーク電圧が約20(V)時の電圧波形を、図16の
(b)は平均アーク電圧が30(V)時の電圧波形を、
図16の(c)は平均アーク電圧が40(V)時の電圧
波形をそれぞれ示している。
【0033】図16の(a),(b),(c)の各図に
おいて平均アーク電圧が各設定値の20(V),30
(V)および40(V)時のアーク光22を撮像した画
像を図17に示す。
【0034】図17の(a)は平均アーク電圧が20
(V)時のアーク光を、図17の(b)は平均アーク電
圧が30(V)時のアーク光を、図17の(c)は平均
アーク電圧が40(V)時のアーク光である。これらの
アーク光を撮像する際に使用した干渉フィルタは、各平
均アーク電圧条件共に同一の、平均アーク電圧が30
(V)のときの撮影に適するフィルタを用いた。
【0035】図17の(b)についてはアーク光が明瞭
に撮像されているが、図17の(a)では明暗差がはっ
きりしないためアーク光を検出することができず、また
図17の(c)では逆にアーク光が強すぎて画面全体が
真っ白になってしまい、アーク電圧の条件を変える度に
そのつど干渉フィルタも変えてやる必要が生じてしま
う。 そこで発明者らは、溶接中に溶接用ワイヤ先端に
生じる溶滴が母材に移行する際にアーク電圧が急激に変
化する短絡現象に着目し、短絡直後のアークが再発生し
た時点であれば平均アーク電圧の高低に係わらずカメラ
(5)が受光するアーク光の光量は同一であり、干渉フィ
ルタの変更なしでアーク光を撮像することが可能である
ことを見いだした。
【0036】そこで平均アーク電圧が20(V),30
(V)および40(V)のそれぞれについて、短絡直後
のアーク電圧(瞬時電圧)が0(V),5(V)および
10(V)になった時点のアーク光を撮像した結果を表
4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】表4の結果からアーク電圧(瞬時電圧)が
短絡直後の0(V)の時点ではアーク光が発生していな
いためカメラ(5)での撮像は困難であり、アーク電圧が
20(V)ではアーク光が広く発生しておりアーク光の
中心位置を特定することができない。そのためアーク光
の撮像するタイミングを短絡直後のアーク電圧が10
(V)に達した時点とすると、平均アーク電圧の高低に
係わらず同一の干渉フィルタにて良好な画像を取得でき
る。従って、アーク光22の撮像タイミングを短絡直後
のアーク電圧が10(V)に達した時点とした。干渉フ
ィルタを精細に選択することにより、平均ア−ク電圧が
20(V),30(V)および(40)のいずれの場合
でも、瞬時ア−ク電圧が10±1(V)以内のときの撮
影画面にて、ア−ク光を正確に摘出しうる。
【0039】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0040】
【実施例】図1に本発明の一実施例の機構概観を示す。
溶接ト−チ3の溶接ワイヤ(溶接電極)の下端の溶接ア
−クを撮影する撮像器(CCDカメラ)5から見て、右
側鋼板WRと左側鋼板WLとの間にy方向に延びる開先
1があり、この開先1に略平行に台車レ−ル12が配置
されて、このレ−ル12に走行台車1が載っている。台
車1には開先倣い器10が搭載され、この開先倣い器1
0の、x方向に延びる検出器倣い軸8に、y方向に延び
る連結ア−ム7を介してCCDカメラ5が支持されてい
る。CCDカメラ5には干渉フィルタが固着されてい
る。連結ア−ム7の端部には、x方向に延びる検出器レ
−ル(ラック)6が固着されており、このレ−ル6に距
離検出器4が装着されている。開先倣い器10にはまた
x方向に延びるト−チ倣い軸9があり、この軸9で溶接
ト−チ3が支持されている。
【0041】検出器倣い軸8およびト−チ倣い軸9がそ
れぞれのx方向基準位置にあるときの、CCDカメラ5
の視野中心線はレ−ル12に平行であって、しかも溶接
ト−チ3の中心線と交わる。このとき、距離検出器4
が、そのx方向基準位置(図1上で連結ア−ム7に近い
側のx方向走査始点)から走査範囲96mmの半分48
mm分鋼板WLに寄った位置(走査範囲の中央位置)に
あると、CCDカメラ5の視野中心線,溶接ト−チ3の
中心軸および距離検出器4の距離検出視野中心軸の3者
が、レ−ル12に平行な同一のy,z平面上にある。す
なわちそれら3者が、台車レ−ル12から、x方向で同
一距離にある。
【0042】図2に、距離検出器4,開先倣い器10お
よび走行台車11の要素概要と、倣い制御系のシステム
構成を示す。
【0043】距離検出器4には、検出器レ−ル(ラック
6)に噛み合うピニオンを回転駆動する減速機および電
気モ−タを含む走査機構4a,距離検出器4が基準位置
にあるか否を検出する位置センサ4b,レ−ザ光線照射
式の光学式距離センサ4b,走査機構4aの電気モ−タ
M1を正,逆転駆動するモ−タドライバ4d,位置セン
サ4bが基準位置を検出したときこれを表わす電気信号
を発生する信号処理回路4e、および、距離センサ4b
にて検出器4/鋼板表面間垂直距離を検出しこれを表わ
す距離デ−タを生成する信号処理回路4fが備わってお
り、電気モ−タM1が正回転すると検出器4は図1上で
レ−ル6に沿って左から右に移動し、逆回転すると右か
ら左に移動する。
【0044】開先倣い器10には、センサ駆動器および
ト−チ駆動器が備わっている。センサ駆動器には、検出
器倣い軸8を支持しこれをx方向に進,退駆動する駆動
機構8a,検出器倣い軸8が基準位置にあるか否を検出
する位置センサ8b,駆動機構8aの電気モ−タM2を
正,逆転駆動するモ−タドライバ8c、および、位置セ
ンサ8bが基準位置を検出したときこれを表わす電気信
号を発生する信号処理回路8dが備わっており、電気モ
−タM2が正回転すると検出器倣い軸8をx方向で、鋼
板WLに近付く方向(図1上で左から右)に突出し、逆
回転すると鋼板WLから離れる方向に引込む。
【0045】ト−チ駆動器には、ト−チ倣い軸9を支持
しこれをx方向に進,退駆動する駆動機構9a,ト−チ
倣い軸9が基準位置にあるか否を検出する位置センサ9
b,駆動機構9aの電気モ−タM3を正,逆転駆動する
モ−タドライバ9c、および、位置センサ9bが基準位
置を検出したときこれを表わす電気信号を発生する信号
処理回路9dが備わっており、電気モ−タM3が正回転
するとト−チ倣い軸9をx方向で、鋼板WLに近付く方
向に突き出し、逆回転すると鋼板WLから離れる方向に
引き込む。
【0046】走行台車11には、車輪を回転駆動する駆
動機構11a,車輪の所定小角度回転あたり1パルスの
電気パルスを発生するパルス発生器11b,その電気パ
ルスをカウントして台車の10mmのy方向走行あたり
1パルスの走行同期パルスPmを発生する信号処理回路
11c、および、操作盤18からの往,復移動指令およ
び速度指令に応じて駆動機構11aの電気モ−タM4を
正,逆回転駆動するモ−タドライバ11dが備わってお
り、電気モ−タM4が正回転すると台車11はy方向に
往移動(図1上の矢印方向)し、逆回転すると復移動す
る。
【0047】溶接電源19は、操作盤18からの溶接オ
ン指令および溶接電流指令に応じて溶接ト−チ3の溶接
ワイヤ(溶接電極)2に+電圧を印加して溶接電流を給
電する。母材である鋼板WR,WLは溶接電源19の接
地線に接続されている。溶接電源19がワイヤ2に給電
する電線と接地線の間にア−ク電圧検出用の高抵抗値の
抵抗器が接続されており、この抵抗器15に電圧検出回
路15が接続されている。
【0048】電圧検出回路15の構成を図3に示す。抵
抗器に加わるア−ク電圧の高周波ノイズが低周波フィル
タ15aで遮断され、図16に示すようなア−ク電圧が
低周波フィルタ15aの出力端に現われる。比較器15
bが、このア−ク電圧が10Vを越えている間H、10
V以下の間Lの信号を発生し、ア−ク電圧が10V以下
から10V超になったときにフリップフロップ15dを
セットする。これによりフリップフロップ15dのQ出
力がLからHに転ずる。このQ出力のHがアンドゲ−ト
15eを通してモノマルチバイブレ−タ15fに加わる
と、バイブレ−タ15fの出力がLからHに転じてそれ
から所定の遅れ時間の間Hを維持し、該時間が経過する
とLに復帰する。すなわちモノマルチバイブレ−タ15
fは、アンドゲ−ト15eの出力のLからHへの立上り
に応答して1パルス(H)の電気信号Pdを発生する。
このパルス信号Pdは、図2に示すア−ク位置検出器1
6およびビデオコントロ−ラ13に与えられる。
【0049】ア−ク電圧が飽和(ピ−ク)レベルに上昇
しそして降下を始めて、5Vより低くなったときに比較
器15cの出力がHからLに転じ、これによりアンドゲ
−ト15gの出力がLからHに転じて、この立上り変化
によってフリップフロップ15dがリセットされる。
【0050】アンドゲ−ト15eには、比較器15bの
出力(ア−ク電圧が10Vを越えるとH),フリップフ
ロップ15dのQ出力の反転信号(リセット状態で
H)、ならびに、走行台車11の信号処理回路11cが
発生する走行同期パルスPm(10mmの台車走行あた
り1回H;このH幅は、ア−ク短絡周期の数倍)が加わ
るので、台車11が10mm移動する毎に、ア−ク電圧
が短絡レベルから10Vを越えるレベルに立上ったとき
に、モノマルチバイブレ−タ15fが、パルス信号(ア
−ク電圧立上り同期パルス)Pdを発生する。
【0051】再度図2を参照する。ビデオコントロ−ラ
13は、ア−ク電圧立上り同期パルスPdのLからHへ
の立上りに応答してCCDカメラ5をリセットして1フ
レ−ムの撮影を開始し、そして設定されているシャッタ
速度対応の露光時間の後にCCDカメラ5からビデオ信
号を読出して画像処理装置14に与える。画像処理装置
14はビデオ信号に増幅処理およびデジタル変換処理を
施してビデオ信号を画像デ−タ(多階調デジタルデ−
タ)に変換して画像処理装置14内の多階調フレ−ムメ
モリに書込み、1フレ−ム分の画像デ−タの書込みを終
了すると、ア−ク光領域切出しのための2値化を行な
い、そして孤立点除去を行なって、2値デ−タを2値フ
レ−ムメモリに書込み、これを終えるとレディ(1フレ
−ム分の2値デ−タ読出し可)をア−ク位置検出器16
に報知する。
【0052】ア−ク位置検出器16のマイクロコンピュ
−タ16aは、ア−ク電圧立上り同期パルスPdがLか
らHへ立上った後、画像処理装置14の報知信号がビジ
ィからレディに変わると、画像処理装置14に1フレ−
ム分の2値デ−タの転送を要求し、画像処理装置14が
送って来る2値デ−タをメモリ16bに書込む。
【0053】図4に、ア−ク位置検出器16のマイクロ
コンピュ−タ16aのア−ク位置検出処理の概要を示
す。コンピュ−タ16aは待機時は入出力インタ−フェ
−ス16cの入力信号を監視し、ア−ク電圧立上り同期
パルスPdがLからHへ立上ると、画像処理装置14の
報知信号がビジィからレディに変化するのを待ち(ステ
ップ1〜3;以下カッコ内では「ステップ」という語を
省略する)、レディになると、画像処理装置14に1フ
レ−ム分の2値デ−タの転送を要求して、これに応答し
て画像処理装置14が送ってくる2値デ−タをメモリ1
6bに書込む(4)。次にコンピュ−タ16aは、メモ
リ16bに書込んだ1フレ−ム分の2値デ−タの、各副
走査ライン上の主走査方向(x方向に相応)の2値デ−
タ1(ア−ク光領域内を意味する)の始点と終点を摘出
してそれらの平均値toAVe(中間点)を算出してこ
の平均値を各ライン上のア−ク領域の中心位置とし、次
に全ラインそれぞれの平均値の平均値TaVeを算出し
て、この平均値TaVeを画面上のア−クの主走査方向
中心位置とする(5)。そしてア−クレジスタ(コンピ
ュ−タ16a内のメモリ)にこの中心位置を書込み、倣
いコントロ−ラ17への報知信号をビジィからレディに
切換える(6)。
【0054】なお、この中心位置TaVeは、CCDカ
メラ5の画面上のア−ク中心位置であり、この値を鋼板
WR,WLの座標系の値(実位置)に変換し、それに検
出器倣い軸8の、その基準位置からの偏位量(倣い軸8
のx位置)を加えた値が、鋼板WR,WLの座標系での
ア−クの中心位置である。
【0055】倣いコントロ−ラ17が、ア−ク位置検出
器16のビジィからレディへの切換わりに応答してア−
ク位置検出器16にア−ク位置デ−タを要求すると、ア
−ク位置検出器16のコンピュ−タ16aは、ア−クレ
ジスタのデ−タTaVeを倣いコントロ−ラ17に転送
する(7,8)。
【0056】図5に、倣いコントロ−ラ17のマイクロ
コンピュ−タ17aの倣い制御の概要を示す。この倣い
制御を説明する前に、開先倣い溶接のための作業者の作
業の概要を説明すると、作業者は、開先1と実質上平行
となり、しかも開先1との距離が実質上基準距離(固定
値)となるように、台車レ−ル12を鋼板WR上に設置
し、レ−ル12上に台車11を載せて、操作盤18のキ
−およびスイッチを操作して走行台車11を、距離検出
器4が開先1の溶接開始側端より略5mm鋼板の上方空
間に入った位置となる位置に駆動する。この台車位置決
めをしたとき、溶接ト−チ3およびCCDカメラ5は、
溶接開始側端よりもy方向で鋼板の外方に外れた位置に
ある。そして作業者は、操作盤18の基準設定キ−を押
す。そして、操作盤18に溶接開始可を意味するレディ
が表示されると、操作盤18に溶接条件を設定し、溶接
開始スイッチを操作する。これに応答して溶接が始ま
る。コンピュ−タ17aは、待機時は入出力インタ−フ
ェ−ス17dの入力信号を監視し(11)、操作盤18
から基準値設定指令が到来すると、距離検出器4,検出
器倣い軸8およびト−チ倣い軸9を基準位置に設定する
(12,13)。すなわち、距離検出器4の位置センサ
4bの基準位置にあるか否かを表わす位置信号を参照し
て、基準位置にないと電気モ−タM1を逆回転駆動し、
基準位置になるとこの駆動を停止する。センサ駆動器お
よびト−チ駆動器に関しても同様な基準位置決めを行な
う。
【0057】次にコンピュ−タ17aは、距離検出器4
の検出距離デ−タを読込んでメモリ17bのアドレス1
に書込み、そして電気モ−タM1を1ステップ正転駆動
する。これにより距離検出器4が0.25mm移動す
る。そして距離検出器4の検出距離デ−タを読込んでメ
モリ17bのアドレス2に書込む。以下同様に1ステッ
プ駆動と距離デ−タの書込みを行ない、メモリ17bの
アドレス384に距離デ−タを書込むと、電気モ−タM
1を逆転駆動して距離検出器4を基準位置に戻す(1
4)。次にコンピュ−タ17aは開先検出処理によっ
て、メモリ17bのアドレス1〜384の距離デ−タが
表わす開先横断面形状の特徴点d,e,f(又はd,
e,f,g:図7)を判定し、3点の特徴点d,e,f
を判定したときには、計測距離が短い2点d,fのx方
向中点と計測距離が短い1点eとを結ぶ直線のz方向中
点のx位置を、開先線PLbのx位置と算出する(1
5)。そしてこのx位置(開先のx位置)を開先レジス
タに書込む(16)。4点の特徴点d,e,f,gを判
定したときは、計測距離が長い2点e,fのx位置の中
点を開先線PLbのx位置と算出して(15)、これを
開先レジスタに書込む(16)。
【0058】コンピュ−タ17aは次に、開先レジスタ
のx位置が、検出器4の基準位置より、検出器4の距離
測定のための走査方向(鋼板WLに近付くx方向)に9
6/2=48mm離れた位置である開先基準位置Xsを
中心とする±6mmの範囲内にあるかをチェックして
(17)、該範囲内にあると、メモリ17bのアドレス
1〜384の距離デ−タ群の中の、開先レジスタのx位
置に相当するアドレスを中心とした48アドレス(距離
換算で48×0.25=12mm)の距離デ−タ群(形
状デ−タ)を、メモリ17cに割り当てた教示テ−ブル
のアドレス1〜48に、x方向の並び順で書込む(1
8)。そして操作盤18に溶接レディを報知する(1
9)。これに応じて操作盤18は溶接レディを表示す
る。
【0059】なお、開先レジスタのx位置が、Xs±6
mmの範囲を外れていたときには、コンピュ−タ17a
は操作盤18に、位置調整要を報知し(20)、操作盤
18がこれを表示する。作業者はこの表示があるとレ−
ル12をx方向にずらして開先1に対する距離を再設定
し、再度操作盤18の基準設定キ−を押す。
【0060】溶接レディが操作盤18に表示されると、
作業者は、操作盤18の溶接開始スイッチを操作する。
これに応答して操作盤18が溶接電源19に溶接電力オ
ンを指示し、そしてア−クが発生した後台車11の往駆
動を開始して、倣いスタ−ト指令をコンピュ−タ17a
に与える。
【0061】コンピュ−タ17aは倣いスタ−ト指令に
応答して、倣い制御を開始したことを表わす1をレジス
タRFCに書込んで(21,22)、コンピュ−タ17
aの内部メモリに割り宛てているn段(デ−タ書込みア
ドレスが1〜n)のシフトレジスタ(デ−タテ−ブル)
の全段(アドレス1〜n)に開先レジスタのx位置(教
示テ−ブルに形状デ−タを書込んだときの開先位置)を
書込む(23)。なお、距離検出器4の検出位置と、溶
接ト−チ3の溶接ワイヤ2のア−ク位置とのy方向の距
離は、n×10mmである。
【0062】次に、図6を参照するとコンピュ−タ17
aは、信号処理回路11cが発生する、台車11の10
mmのy方向走行あたり1パルスの走行同期パルスPm
の到来(信号Pmの、LからHへの立上り変化)を待ち
(24,25,44,11,12,21,37−24の
ル−プ)、それが到来するとそのレベルHをレジスタR
Pmに書込み(26)、ア−ク位置検出器16のコンピ
ュ−タ16aがビジィからレディにかわるのを待って、
レディになるとア−ク位置デ−タの転送をコンピュ−タ
16aに要求し、これに応答してコンピュ−タ16aが
図4のステップ7でこれを認知してステップ8でア−ク
位置デ−タをコンピュ−タ17aに転送する。コンピュ
−タ17aはこのア−ク位置デ−タをその内部のア−ク
レジスタ(内部メモリの一領域)に書込む(27)。
【0063】次にコンピュ−タ17aは、シフトレジス
タのデ−タを一段分シフトする。すなわちアドレス2の
デ−タをアドレス1に、アドレス3のデ−タをアドレス
2に,・・・アドレス383のデ−タをアドレス382
に、そしてアドレス384のデ−タをアドレス383に
書込む(28)。これにより、台車11がy方向で現在
よりもn×10mmだけ手前にあったときに距離検出器
4が検出した距離デ−タに基づいて算出した開先位置を
表わすデ−タが、シフトレジスタの出力段(アドレス
1)にある。換言すると、現在溶接ア−クがあるy位置
の開先のx位置デ−タがシフトレジスタの出力段にある
ことになる。
【0064】コンピュ−タ17aは、シフトレジスタの
出力段のデ−タを読出してそれが開先エンドを表わすも
のかをチェックして(29)、開先エンドでないと、ア
−クレジスタのア−ク位置と、シフトレジスタの出力段
のデ−タが表わす開先位置とを対比して、ア−ク位置が
開先位置になるように、ト−チ倣い軸9を駆動する(3
0)。なお、コンピュ−タ17aは、位置センサ9bが
基準位置を検出しているときに倣い軸位置レジスタをク
リアし、電気モ−タM3はステップ駆動して正回転駆動
のときには1ステップ駆動毎に倣い軸位置レジスタのデ
−タを1インクレメント、逆回転駆動のときには1デク
レメントして、常時倣い軸位置レジスタに倣い軸9のx
位置を表わすデ−タを保持している。センサ倣い軸8に
関しても同様にしてそのx位置を表わすデ−タを保持
し、距離検出器4に関しても同様に検出器4のx位置を
表わすデ−タを保持している。上述の、ア−ク位置を開
先位置に合せる位置決め(30)において、コンピュ−
タ17aは、開先のx位置に対するア−クのx位置偏差
分、電気モ−タM3をステップ駆動する。
【0065】次にコンピュ−タ17aは、シフトレジス
タの最終段より一段前(アドレスn−1)のデ−タが開
先エンドである(すでに開先エンドを検知している)か
をチェックして(31)、開先エンドでないと、すでに
説明した図5の「開先形状検出」(14)の処理と同じ
く、距離検出器4の基準位置から96mm範囲の、38
4点のz方向の距離を計測してメモリ17bのアドレス
1〜384に書込む(32)。
【0066】そしてメモリ17bの、まずアドレス1〜
48の距離デ−タ群の、メモリ17cに格納している教
示デ−タ群(48個)に対する相関係数R1を(1)式
に従って算出してメモリ17cに割り宛てた相関テ−ブ
ルのアドレス1に書込み、次にアドレス2〜49の距離
デ−タ群の、教示デ−タ群に対する相関係数R2を算出
して相関テ−ブルのアドレス2に書込む。以下同様にし
て、アドレスj〜j+47の距離デ−タ群の、教示デ−
タ群に対する相関係数Rjを算出して相関テ−ブルのア
ドレスjに書込み、これをj=384−47=337ま
で実行する。これにより相関テ−ブルのアドレス1〜3
37に相関係数R1〜R337が格納される。次にコン
ピュ−タ17aは、相関係数R1〜R337の中の、最
高値Rkとそれを格納しているアドレスkを摘出して、
最高値Rkが0.6以上であるかをチェックする(3
3,34)。
【0067】最高値Rkが0.6以上であると開先を検
出しているとして、メモリ17bのアドレス1〜384
のデ−タ群の中の、アドレスk〜k+47の距離デ−タ
群が表わす開先断面形状の中の開先の、開先線PLbの
x位置を、すでに説明した「開先線PLbのx位置算
出」(15)の処理と同じ処理で算出する(35)。そ
して開先線PLbのx位置を、シフトレジスタの入力段
(第nアドレス)に書込む(36)。このx位置は、台
車11が更にn×10mm進んだときに読出されて、ス
テップ30の、ア−ク(ト−チ)のx位置調整に用いら
れる。
【0068】ところで、ステップ33,34の開先判定
で、相関係数Rkが0.6未満(開先検出不全:開先認
知不成立)であったときには、メモリ17bのアドレス
1〜384のデ−タ群の中の、アドレスk〜k+47の
距離デ−タ群が、開先終端を外側に外れた特性のものか
をチェックして(38,39)、そうであるとシフトレ
ジスタの入力段(アドレスn)に、開先エンドを表わす
デ−タを書込む(41)。開先終端特性でなかったら、
スパッタ,仮付ビ−ド等があることによる開先検出の不
成立の可能性が高く、そこでの開先x位置は、その直前
(10mm前)の開先x位置と同じと仮定して、シフト
レジスタの入力段(アドレスn)に、前段(アドレス:
n−1)のデ−タを書込む(40)。
【0069】そしていずれの場合も、ステップ11に戻
ってステップ12,21,37を経て更にステップ2
4,25,44を経てステップ11に戻るル−プで、再
度走行同期パルスPmが到来するのを待つ。それが到来
すると、先のステップ26〜28を前述と同様に実行
し、そしてシフトレジスタの出力段のデ−タが開先エン
ドかをチェックし(29)、開先エンドでないと先のス
テップ26〜28を前述と同様に実行する。開先エンド
になると、この時点(ステプ29)でア−クが開先終端
にある。コンピュ−タ17aは倣い終了を操作盤18に
報知する。操作盤18はそこで溶接終了を表示し、そこ
で台車11の駆動を停止して溶接終了制御(エンドクレ
−タ処理)を行った後、溶接電源19の溶接電力供給を
遮断する。コンピュ−タ17aはレジスタRFCをクリ
アして(43)、ステップ11に戻り、ステップ11−
12−21−37−11とめぐって、新たな制御入力を
待つ。上述の実施例の効果を確認するため、炭酸ガスシ
ールドアーク溶接を行い、溶接姿勢は下向き溶接とし
た。開先形状は図18,図19に示すようにV型開先,
I型開先を作成し、倣い性能を確認するため、台車レ−
ル12を、開先1に平行な線に対して角度ずれをもたせ
て、y方向300mm当りx方向10mmのずれとし
た。
【0070】倣い性能の評価を容易にするため、トーチ
駆動機構9aの回転軸にポテンションメータを連結し、
レコーダにて溶接中の自動倣い過程のト−チ倣い軸9の
x位置を記録した。記録デ−タと、y方向300mm当
りx方向10mmとなる直線(開先線)とを照合した結
果、該直線に対する記録デ−タの最大ずれ、すなわち最
大倣いずれが、±1.5mm以内であった。また、アン
ダ−カットは発生せず、良好なビード形状となった。
【0071】従来方式では、開先がV型開先では開先位
置の認識は良好であってもアンダ−カットが発生し易
く、また、I型開先では開先位置の認識に信頼性が低く
しかもアンダ−カットが発生し易いが、本発明の倣い装
置によれば、開先倣いの信頼性が高く、溶接品質も良好
である。ア−ク平均電圧の高,低にかかわらず同一の干
渉フィルタを用いてア−ク光を検出できるので、倣い装
置の汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の機構外観を示す斜視図で
ある。
【図2】 図1に示す距離検出器4,開先倣い器10お
よび走行台車11の要素概要と、倣い制御系のシステム
構成を示すブロック図である。
【図3】 図2に示す電圧検出回路15の構成を示すブ
ロック図である。
【図4】 図2に示すマイクロコンピュ−タ16aの、
ア−ク位置検出処理の概要を示すフロ−チャ−トであ
る。
【図5】 図2に示すマイクロコンピュ−タ17aの、
倣い制御の概要の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図6】 図2に示すマイクロコンピュ−タ17aの、
倣い制御の概要の残部を示すフロ−チャ−トである。
【図7】 (a)はV型開先の横断面図、(b)は
(a)に示すV型開先の横断面より開先の特徴点を求め
る従来技術における、着目点を示すグラフであり、横方
向は開先幅方向の位置、縦方向は計測距離である。
(c)はI型開先の横断面図である。
【図8】 開先横断面と屈曲した溶接ワイヤの位置関係
を示す横断面図である。
【図9】 開先,溶接用トーチ及び溶接用ワイヤを斜め
上方から見た位置関係を示す斜視図である。
【図10】 (a)は試験用の鋼板(母材20)の平面
図、(b)は正面図である。
【図11】 図1に示す距離検出器4で、教示デ−タ採
取のために溶接開始前に表面レベルを測定した開先横断
面を示す断面図である。
【図12】 図11に示す開先横断面の距離測定デ−タ
分布C(x)から切り出した教示デ−タ群D(i)によ
って表わされる開先横断面形状を示すグラフである。
【図13】 図10に示す開先1の、y方向数点の、距
離測定デ−タ群によって表わされる開先形状を示すグラ
フであり、横方向がx位置、縦方向が鋼板表面レベルで
ある。(a)は横断面部にスパッタを含むときのもの
を、(b)は仮付けビードを含むときのものを、また、
(c)は開先のみのものを示す。
【図14】 図1に示す撮像器5で撮影した画面を示す
平面図である。
【図15】 図1に示す撮像器5で撮影した画面から切
出したア−ク光像と、画面の主走査1〜tおよび副走査
0〜mnとの関係を示す平面図である。
【図16】 図1に示す溶接ワイヤ3のア−ク電圧の時
系列推移を示すグラフであり、(a)は平均ア−ク電圧
が20Vのときのもの、(b)は30Vのとき、(c)
は40Vのときのものを示す。
【図17】 CCDカメラで、干渉フィルタを同一とし
て、ア−ク電圧が実質上平均ア−ク電圧のときに撮影し
た画像に2値化処理を施して得られる画像を示す平面図
であり、(a)は平均ア−ク電圧が20Vのときのも
の、(b)は30Vのとき、(c)は40Vのときのも
のを示す。
【図18】 図1に示す倣い装置の効果確認のために用
いた試験板(V型開先)の形状および寸法(数値の単位
はmm)を示し、(a)は平面図、(b)は正面図であ
る。
【図19】 図1に示す倣い装置の効果確認のために用
いた試験板(I型開先)の形状および寸法(数値の単位
はmm)を示し、(a)は平面図、(b)は正面図であ
る。
【符号の説明】
1:開先 2:溶接ワイヤ 3:溶接トーチ 4:距離検出器 5:撮像器 6:検出器レ−ル 7:連結ア−ム 8:検出器倣い軸 9:ト−チ倣い軸 10:開先倣い器 11:走行台車 12:台車レ−ル 13:ビデオコントロ−ラ 14:画像処理装置 15:電圧検出回路 16:ア−ク位置検出器 17:倣いコントロ−ラ 18:操作盤 19:溶接電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接ト−チを支持し溶接対象の開先が延び
    る方向yに直交するx方向に駆動する開先倣い器;開先
    の位置および前記溶接ト−チの溶接ア−クの位置を検出
    する手段;および、検出された開先および溶接ア−クの
    相対位置に基づいて、前記開先倣い器を介して溶接ト−
    チを、開先に対する溶接ア−クのx方向の位置ずれを補
    正する位置に駆動する倣いコントロ−ラ;を備える、溶
    接の開先倣い装置において:前記位置検出手段は、開先
    の断面形状を検出する形状検出器,教示断面形状を表わ
    すデ−タを格納する教示デ−タメモリ,前記形状検出器
    が検出した断面形状すなわち処理対象断面形状を表わす
    デ−タを格納するための一時メモリ、および、教示デ−
    タメモリのデ−タが表わす教示断面形状に対する、一時
    メモリのデ−タが表わす処理対象断面形状の相関係数
    を、教示断面形状に対する処理対象断面形状をx方向に
    相対的に順次ずらして算出し、相関係数が0.6以上か
    つ最高値となったずらし量に基づいて開先位置を特定す
    る開先情報処理手段、を含むことを特徴とする、溶接の
    開先倣い装置。
  2. 【請求項2】溶接ト−チを支持し溶接対象の開先が延び
    る方向yに直交するx方向に駆動する開先倣い器;開先
    の位置および前記溶接ト−チの溶接ア−クの位置を検出
    する手段;および、検出された開先および溶接ア−クの
    相対位置に基づいて、前記開先倣い器を介して溶接ト−
    チを、開先に対する溶接ア−クのx方向の位置ずれを補
    正する位置に駆動する倣いコントロ−ラ;を備える、溶
    接の開先倣い装置において:前記位置検出手段は、前記
    溶接ア−クの光の分布を検知する光検知器,検知した光
    分布に基づいて溶接ア−クの位置を表わす情報を生成す
    るア−ク情報処理手段、および、前記溶接ト−チのア−
    ク電圧瞬時値が、前記光検知器による溶接ア−クの光の
    分布の摘出に適した所定値のときこれを表わすタイミン
    グ信号を発生する電圧検出手段、を含み、前記ア−ク情
    報処理手段は該タイミング信号が発生したとき、光検知
    器が検知した光分布に基づいて溶接ア−クの位置を表わ
    す情報を生成する、ことを特徴とする溶接の開先倣い装
    置。
  3. 【請求項3】溶接ト−チを支持し溶接対象の開先が延び
    る方向yに直交するx方向に駆動する開先倣い器;開先
    の位置および前記溶接ト−チの溶接ア−クの位置を検出
    する手段;および、検出された開先および溶接ア−クの
    相対位置に基づいて、前記開先倣い器を介して溶接ト−
    チを、開先に対する溶接ア−クのx方向の位置ずれを補
    正する位置に駆動する倣いコントロ−ラ;を備える、溶
    接の開先倣い装置において:前記位置検出手段は、開先
    の断面形状を検出する形状検出器;教示断面形状を表わ
    すデ−タを格納する教示デ−タメモリ;前記形状検出器
    が検出した断面形状すなわち処理対象断面形状を表わす
    デ−タを格納するための一時メモリ;教示デ−タメモリ
    のデ−タが表わす教示断面形状に対する、一時メモリの
    デ−タが表わす処理対象断面形状の相関係数を、教示断
    面形状に対する処理対象断面形状をx方向に相対的に順
    次ずらして算出し、相関係数が最高値となったずらし量
    に基づいて開先位置を特定する開先情報処理手段;前記
    溶接ア−クの光の分布を検知する光検知器;検知した光
    分布に基づいて溶接ア−クの位置を表わす情報を生成す
    るア−ク情報処理手段;および、前記溶接ト−チのア−
    ク電圧瞬時値が、前記光検知器による溶接ア−クの光の
    分布の摘出に適した所定値のときこれを表わすタイミン
    グ信号を発生する電圧検出手段;を含み、前記ア−ク情
    報処理手段は該タイミング信号が発生したとき、光検知
    器が検知した光分布に基づいて溶接ア−クの位置を表わ
    す情報を生成する、ことを特徴とする溶接の開先倣い装
    置。
  4. 【請求項4】前記所定値は10±1V以内である、請求
    項2又は請求項3記載の溶接の開先倣い装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005000998A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Kvaerner Masa Yards Oy 三次元構造物の溶接を制御する方法
CN102500876A (zh) * 2011-11-23 2012-06-20 南昌工程学院 一种焊缝跟踪系统双十字滑块调节机构及其控制方法

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JP2005000998A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Kvaerner Masa Yards Oy 三次元構造物の溶接を制御する方法
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