JPH11197758A - 異形金属素管とその製造方法および異形曲がり金属管の製造方法 - Google Patents

異形金属素管とその製造方法および異形曲がり金属管の製造方法

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JPH11197758A
JPH11197758A JP10006516A JP651698A JPH11197758A JP H11197758 A JPH11197758 A JP H11197758A JP 10006516 A JP10006516 A JP 10006516A JP 651698 A JP651698 A JP 651698A JP H11197758 A JPH11197758 A JP H11197758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膨出部が長手方向に曲がった異形曲がり管の液
圧バルジ加工において発生する曲げ加工部の破断を防止
する。 【解決手段】金属管の少なくとも曲がり部を所定断面形
状に膨出させて異形曲がり管に成形する液圧バルジ加工
に用いる異形金属素管であって、曲げ金属管の少なくと
も曲げ外周部側となる部位が長手方向に蛇腹形状状にな
っていることを特徴とする異形金属素管とその製造方法
および異形金属素管から異形曲がり金属管を液圧バルジ
加工により製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膨出部が長手方向
に曲がった異形曲がり金属管製造用の異形金属素管とそ
の製造方法、およびこの異形金属素管を用いた異形曲が
り金属管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属管(以下、単に管と記す)の液圧バ
ルジ加工は、素材となる管に加工液を注入し、その圧力
(以下、内圧という)と管端からの軸押しを適宜組み合
わせて付加することによって膨出部を有する種々の異形
金属管状製品(以下、製品という)を得る加工方法であ
る。
【0003】異形金属管状製品は、配管部材や構造部材
等に種々使用されている。
【0004】これらの製品は、その膨出部が長手方向に
真直なものと曲がったものに大別される。
【0005】図6は、前者の1例を示す図で、図6
(a)は製品10の縦断面図、同(b)は管端から見た
正面図である。
【0006】製品10は膨出部10aと両管端側の細径
部10bからなる。ここでは膨出部10aが円形断面の
場合を示したが、もちろんこれに限定されるものではな
く種々な形状がある。
【0007】図7は、後者の膨出部が長手方向に曲がっ
た製品の1例を示す図で、図7(a)は製品1の平面部
分断面図、同(b)は管端側から見た正面図である。
【0008】製品1は膨出部1aとその両管端側の細径
部1bからなり、膨出部30aのうちA〜AおよびC−C
の区間が長手方向に曲げ半径R、曲げ角θで曲がってい
る。ここでは円形断面の場合が示されているが、もちろ
んこれに限定されるものではなく、異形断面の場合もあ
る。また、図7では曲げ部位が1ケ所の場合を示した
が、複数箇所で曲がっている場合もある。さらに、2
重、3重などの積層管であってもよい。
【0009】はじめに、図6に示した製品10の液圧バ
ルジ加工方法について説明する。
【0010】図8(a)は、その加工方法を説明するた
めの図で、図8(a)は素管を上下金型間にセットした
状態の縦断面図、同(b)は液圧加工バルジ終了後の状
態を示す縦断面図である。
【0011】図示しない液圧バルジ加工機のボルスタ1
6に取り付けられた下型12上に前記素管をセットし、
上方より液圧バルジ加工機のラムヘッド15に取り付け
られた上型13を降下せしめ、図示しない加圧装置によ
って上型13を下型12に押しつける。次いで、液圧バ
ルジ加工機の図示しない軸押し装置によって軸押し工具
6、7を前進させて軸押し工具先端部6a、7aを素管
11の両管端内径部に圧入する。一方の軸押し工具6の
貫通孔6bから素管内に水エマルジョンなどの加工液8
を注入しながら他方の軸押し工具7の貫通孔7bから素
管内の空気を排出し、貫通孔7bの延長上の図示しない
バルブを閉鎖して素管内を加工液で満たす。図8(a)
は、このような状態を示す。
【0012】下型12および上型13には、ダイス溝1
2a、13aおよびガイド溝12b、13bが設けられ
ており、両者を密着させた状態でのダイス溝12a、1
3aの内郭形状は製品膨出部10aの外郭形状と同一と
なっている。ガイド溝12b、13bは素管11と同径
となっている。液圧バルジ加工は、図8(a)の状態
で、加工液8の圧力を図示しない増圧機によって徐々に
増加させながら、左右の軸押し工具6、7を前進させて
おこなわれる。
【0013】素管としては、図7に示した製品細径部1
0bと同径で、全長が製品よりも長い管が用いられる。
【0014】図8(b)は、ダイス溝12a、13aに
沿った形状に膨出が完了した状態を示し、素管11より
も長さが短い製品10が成形されている。成形が終了す
ると、加工液8の内圧を低下させ、軸押し工具6、7を
後退させて加工液を排出し、上型13を上昇せしめ、製
品10を取り出して液圧バルジ加工は終了する。
【0015】次に、図7に示した製品1の加工方法につ
いて説明する。
【0016】図9は、製品1の素管を示す図で、図9
(a)は素管の部分断面図、同(b)は素管を曲げ加工
した曲げ管の部分断面図である。
【0017】製品1を製造するには、まずストレート状
金属管2を曲げ加工する必要がある。
【0018】ストレート状金属管は、外径dが製品細径
部と同径の管を使用し、曲げ管3の曲げ部30aの管軸
曲げ半径Rおよび曲げ角θは製品1の曲がり部と略々一
致させておく。曲げ部30aの外周側A′〜A′、内周
側C′〜C′は、それぞれ図7に示す製品1の曲がり部
の外周側A〜A、内周側C〜Cに略々対応する。
【0019】図10は、製品1の液圧バルジ加工方法を
説明するための図で、図10(a)は曲げ管を金型にセ
ットした状態の平面断面図、同(b)は曲げ管をセット
した下型に上型を押しつけた状態の側面図を示す。
【0020】図示しない液圧バルジ加工機のボルスタ1
6に取り付けられた下型4と液圧バルジ加工機のラムヘ
ッド15に取り付けられた上型5との間には曲げ管3が
セットされており、液圧バルジ加工機の図示しない軸押
し装置によって軸押し工具6、7の先端部6a、7aが
曲げ管3の両管端内径部に圧入され、図8(a)で説明
したのと同様の方法で曲げ管内を加工液8で満たす。
【0021】下型4および上型5には、ダイス溝4a、
5aおよびガイド溝4b、5bが設けられており、両者
を密着させた状態でのダイス溝4a、5aの内郭形状は
製品膨出部の外郭形状と同一となっており、ガイド溝4
b、5bは曲げ管3の両管端側と同径となっている。
【0022】図10に示した状態より、加工液8の圧力
を図示しない増圧機によって徐々に増加させながら、左
右の軸押し工具6、7を前進させて膨出加工する。
【0023】図11は、液圧バルジ加工によりダイス溝
に沿った形状に膨出が完了した状態を示す図で、図11
(a)は平面断面図、同(b)は側面図である。
【0024】膨出加工が終了すると、加工液8の内圧を
低下させ、軸押し工具6、7を後退させて加工液を排出
し、上型4を上昇せしめ、製品1を取り出す。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の液圧バルジ
加工においては、製品膨出部の内圧による周方向の伸び
による破断や、所定肉厚以下の減肉を防止する必要があ
り、軸押しはそのための重要な手段である。
【0026】図8に示した膨出部が長手方向に直線状の
製品10の液圧バルジ加工においては、軸押しによって
ガイド溝12b、13bからダイス溝12a、13aに
材料を押し込み、ダイス溝12a、13a内の材料体積
を増加させると同時に、膨出部に軸方向の縮み変形を付
与することによって膨出部の減肉を抑制することは比較
的容易である。
【0027】ところが、図10および図11に示した膨
出部が曲がった製品の液圧バルジ加工においては、軸押
しを積極的に行うことが難しい。その理由は、軸押しの
初期の段階において、ダイス溝内において材料が折れ曲
がり、曲げ部の内側に挫屈が生じてしまうからである。
【0028】図12は、液圧バルジ加工中に挫屈11が
発生した状態を示す断面図である。一旦このような状態
になってしまうと、軸押しによって挫屈がさらに進むだ
けで、膨出部に軸方向の縮み変形を付与することはでき
ない。
【0029】すなわち、製品1の場合には、軸押し力は
挫屈11が発生しない範囲内に制限されるので、曲がり
部外周面に破断が生じ易い。
【0030】図13は、異形曲がり管に発生した破断状
態を示す図である。同図に示すような破断12が生じ易
いのは、軸押しが制約されることの他に、図9(a)に
示した素管2を図9(b)のように曲げ加工することに
も関係している。すなわち、曲げ加工によって曲げ部3
0aが加工硬化して延性が低下し、次の液圧バルジ加工
での拡管に耐えられなくなる。さらに、曲げ加工によっ
て図9(b)の曲げ外周部30aの肉厚t0´が減少す
る一方、曲げ部30aの内周部の肉着tiにおいては、
肉厚が増加する。その結果として、液圧バルジ加工にお
ける拡管による周方向の伸びは肉厚が小さい曲がり部3
0aの外周部に集中する傾向があり、その部分に破断が
発生し易い。曲げRが小さいほど、加工硬化と外周部の
減肉および内周部の増肉が大きくなるので、破断がより
生じ易くなる。
【0031】破断に対する対策としては、曲げ加工後に
焼鈍を行うのが一般的である。この焼鈍は、生じた加工
硬化を解消して材料の延性を回復することを目的として
いる。しかしながら、焼鈍のコストや、曲げ加工と液圧
バルジ加工の不連続化による能率低下が問題となる。ま
た、焼鈍を行っても、肉厚が薄い曲げ外周部に液圧バル
ジ加工での拡管による周方向の伸びが集中することには
変わりがないので、破断防止の根本的な解決策とはなっ
ていない。
【0032】本発明の課題は、上述したような膨出部が
長手方向に曲がった製品異形曲がり金属管の液圧バルジ
加工において発生する破断問題を解決することであり、
具体的には異形曲がり金属管製造用の異形素管およびそ
の製造方法ならびに異形曲がり金属管の製造方法を提供
することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】異形素管とその製造方法
および異形曲がり管の製造方法に係わる本発明の要旨は
以下の通りである。 (1)ストレート金属管を曲げ加工して得られた曲げ金
属管の少なくとも曲げ加工部を所定断面形状に膨出させ
た異形曲がり金属管製造用の素管であって、ストレート
状金属管の少なくとも曲げ金属管の曲げ外周部側となる
部位が管の軸方向に蛇腹状になっていることを特徴とす
る異形金属素管。
【0034】(2)上記(1)の異形金属素管を液圧バ
ルジ加工により製造する方法であって、金型のダイス溝
内に収納したストレート状金属管に内部からの液圧とス
トレート状金属管の両端からの軸押し力とを付加するこ
とにより、ストレート状金属管の異形金属素管の蛇腹形
状部となる部位を膨出させ、金型内に収納された蛇腹形
状を備えた加圧パッドを膨出部に押しつけることによ
り、膨出部を蛇腹形状に成形加工することを特徴とする
異形金属素管の製造方法。
【0035】(3)上記(1)の異形金属素管をその蛇
腹形状部が曲げ外周部となるように曲げ加工して曲げ金
属管とし、この曲げ金属管を上下一対の金型のダイス溝
内に収納し、曲げ金属管に内部から液圧を付与し、前記
曲げ金属管の少なくとも曲がり部を所定断面形状に膨出
させることを特徴とする異形曲がり金属管の製造方法。
【0036】本発明者は、曲げ加工と後続する液圧バル
ジ加工によって膨出部が長手方向に曲がった形状の製品
を製造する際に発生する液圧バルジ加工での破断を解消
するため、種々実験検討した。その結果、素管の曲げ加
工で生じる加工硬化と、曲げ部の円周方向での肉厚差を
減少させることが重要で、ストレートの素管の曲げ加工
予定部の外周部となる部分を予め蛇腹状に成形加工した
異形素管を用いることにより、前記破断を防止すること
ができるとの知見を得た。
【0037】以下に本発明の実施形態を詳細に説明す
る。
【0038】
【発明の実施の形態】図7に示した製品1を製造するの
に用いる異形素管とその製造方法および異形曲がり管
(製品)を対象として説明するが、製品の形状はこれに
限定されるものではなく、本発明は異形曲がり管であれ
ばどのような断面形状の異形曲がり管にでも適用でき
る。
【0039】(1)異形素管とその製造方法 図1は、本発明の異形素管の1例を示す図で、図1
(a)は部分断面側面図、同(b)は管端側から見た正
面図である。
【0040】図2は、図1に示した異形素管の斜視図で
ある。
【0041】図3は、図1に示した異形素管の蛇腹形状
部の断面図である。
【0042】図4は、異形素管20を曲げ加工して得ら
れた曲げ管30の1例を示す図である。
【0043】図1に示す異形素管20は、蛇腹形状部2
0aとストレート部20bで構成され、蛇腹形状部20
aは図4に示す曲げ管30の曲げ部30aに該当する位
置に設けられている。蛇腹形状部20aの蛇腹形状の頂
部ロを通るA″〜A″区間および管軸イをはさむ反対側
のC″〜C″区間は、それぞれ図4に示す曲げ管30の
曲げ部外周側A′〜A′区間および内周側C′〜C′区
間に対応する。
【0044】また、蛇腹形状は管の全周には設けられて
おらず、曲げ加工において軸方向引張を受ける領域A″
−A″区間に設けられている。曲げ加工において軸方向
圧縮を受ける領域C″〜C″区間に設けないのは、蛇腹
形状を設けると曲げ加工によって蛇腹形状が軸方向に寄
せられるとともにその深さが増加し、後続するバルジ加
工で内圧拡管を行っても蛇腹形状を消去することが困難
になるからである。
【0045】蛇腹の形状は図3に示すものに限定される
ことはなく、次の3条件を満足していればよい。
【0046】第1の条件は、後続する曲げ加工において
蛇腹形状が軸方向に引き延ばされ易いように、好ましく
は曲線でつないだなめらかな波形にすることである。
【0047】第2の条件は、蛇腹形状部20aのA″〜
A″区間の延べ長さLa″(凹凸を含む表面の長さ)
を、図4に示す曲げ部30aの外周部A′〜A′の長さ
La′を超えない範囲で、La′にできるだけ近づけて
おくことが好ましい。
【0048】第3の条件は、図2に示す蛇腹形状頂部ロ
の断面での周長Ha″を、図7に示す製品曲がり部30
aの周長Haを超えない範囲とし、Haにできるだけ近
づけておくのが好ましい。これらの理由については後述
する。
【0049】図5は、本発明の異形素管の製造方法を説
明するための図で、図5(a)はストレート状金属管を
上下型間に収納した状態の断面図、同(b)は蛇腹形状
成形予定部を膨出加工した状態を示す断面図、同(c)
は膨出加工部を蛇腹状に成形した状態を示す断面図であ
る。
【0050】本発明の異形素管20は、図5に示すよう
な液圧バルジ加工によって製造することができる。図5
(a)に示すように、ストレート状金属管2を下型40
と上型41のダイス溝に収納し、両管端を軸押し工具
6、7でシールし、加工液8で素管内を満たす。上型4
1内には、加圧パッド60が上下可動状態に収納されて
おり、この加圧パッドには図1に示した異形素管20の
蛇腹形状と同一形状の凹凸(蛇腹形状)60aが設けら
れている。加圧パッド60は、上型41内に収納固定さ
れた油圧シリンダ50のピストン50aと連結されてお
り、油圧シリンダ50を図示しない油圧ポンプを作動さ
せることにより上下に移動可能となっている。
【0051】図5(b)に示すように、加工液8の圧力
を増加させるとともに軸押し工具6、7を前進させ、上
型41内の空間41aに膨出部2a″を形成する。膨出
部2a″の周長は、図2に示す異形素管20の蛇腹形状
部頂部ロを通る断面の周長Ha´に略々等しくしてお
く。
【0052】次に、油圧シリンダ50を作動させて加圧
パッド凹凸60aの凸部を膨出部2a″に押し込む。図
5(c)に示すように、加圧パッド60の降下と加工液
8の圧力によって膨出部2a″の材料が加圧パッドの凹
凸60aの形状に沿った状態に成形され、異形素管20
が得られる。
【0053】異形素管20の成形においては、図4に示
す曲げ管30の曲げ外周部肉厚t0′を確保するために
も、蛇腹形状部の減肉を極力抑制する必要がある。その
ためには、蛇腹形状部となる膨出部2a″の減肉を防止
し、かつ膨出部2a″の周長を確保してから蛇腹形状を
成形するという図5の液圧バルジ加工工程が推奨され
る。
【0054】曲げ加工は、図1に示す異形素管20の
A″〜A″ライン、C″〜C″ラインがそれぞれ図4に
示す曲げ管30の外周側A′〜A′ライン、内周側C′
〜C′ラインに対応するような向きにおこなわれる。曲
げ加工において異形素管20のA″〜A″区間は軸方向
に引張を受けるが、蛇腹形状の高低差を減少させる引き
延ばしが優先的に生ずる。したがって、曲げ管30の曲
げ部30aの外周側の肉厚減少率は、従来法のストレー
ト管を曲げた図9(b)の曲げ管3の曲げ部30aの外
周側の肉厚減少率よりも小さくすることができる。曲げ
加工においては、蛇腹形状がある程度まで引き延ばされ
てから、曲げによる減肉が始まる。蛇腹形状部20aの
A″〜A″区間の延べ長さLa″が大きいほど曲げによ
る減肉の開始が遅れるので、曲げ外周部の肉厚減少率を
小さくすることができる。蛇腹形状を小さい力で引き延
ばされるようにしておくことにより、曲げ内周側に作用
する軸方向圧縮力も小さくなる。その結果として、曲げ
管30の内周側の肉厚増加率は、ストレート管を曲げた
曲げ管3の内周側の肉厚増加率よりも小さくなる。すな
わち、異形素管20を曲げ加工して得た曲げ管30は、
ストレート管2を曲げて得た曲げ管3よりも曲げ部円周
方向の肉厚差を小さくすることができる。
【0055】また、曲げによる肉厚変化が小さいことは
曲げによる加工硬化が小さいことも意味しており、曲げ
による延性の低下も抑制される。
【0056】なお、曲げ加工で蛇腹形状を完全に消去で
きなくても後続の仕上げ液圧バルジ加工で消去できるの
で問題ない。
【0057】本発明は、炭素鋼、ステンレス鋼、銅およ
びアルミニウム等の種々の材質の金属管に適用できる。
【0058】(2)異形曲がり管の製造方法 曲げ管30を製品である異形曲がり管4に成形する製造
方法は、前述した図10、第11図に示す方法と同じ方
法でよい。前述のとおり、異形素管20を使用すること
によって曲げによる加工硬化が抑制され、かつ曲げ部円
周方向の部位による肉厚差を、ストレート管2を曲げた
曲げ管3よりも小さくできる。したがって、液圧バルジ
加工での拡管による円周方向の伸びが円周方向全体に生
じ易くなり、図13に示したような曲げ外周部での破断
を回避することが可能となるのである。以下、実施例に
より本発明の効果を示す。
【0059】
【実施例】外径50.8mm、肉厚1.6mm、長さ3
00mmの機械構造用のステンレス鋼電気抵抗溶接鋼管
SUS304TKA(JISG3446)を、図5に示
す最高内圧350atmを付加する液圧バルジ加工によ
り、下記の異形素管を成形した。
【0060】図1に示す区間C″〜C″の長さLc″=
98.5mm 区間A″〜A″の延べ長さLa″=137.1mm 図2に示す蛇腹形状頂部ロを通る断面周長Ha″=17
5.6mm 図3に示すr1=r2=5mm ψ1=ψ2=155°の5つの山の蛇腹形状 次いで、この異形素管20を図4に示すR=75mm、
θ=90°の曲げ管30に曲げ加工した。この曲げ管3
0の曲げ外周部は肉厚t0′=1.4mm、硬度HV=
270、曲げ内周部は肉厚ti′=1.8mm、硬度H
V=270であった。
【0061】上記曲げ管30を、図10、図11に示す
最高内圧450atmを付加する液圧バルジ加工によ
り、図7に示すR=75mm、θ=90°、膨出部周長
Ha=188.5mmの異形曲がり管1を得た。曲げ外
周部の最小肉厚は1.1mmで、製品最小肉厚1mmを
クリヤすることができた。
【0062】これに対し、同一寸法のステンレス鋼鋼管
を用いて従来法により曲がり管を成形加工した。
【0063】素管を曲げ加工した後、曲げ部の肉厚と硬
度を測定した。その結果は、図9に示す曲げ管3の曲げ
外周部は肉厚t0=1.2mm、硬度HV=330、曲
げ内周部は肉厚ti=2.0mm、硬度HV=330で
あった。
【0064】この曲げ管3に、図10、図11に示す液
圧バルジ加工を行ったところ、曲がり部の周長が約17
0mmに到達した時点で図13に示す曲げ外周部からの
破断12が発生した。曲げ管3を焼鈍してから液圧バル
ジ加工を行うと破断は防止できたが、曲げ外周部肉厚は
0.9mmまで減少し、製品最小肉厚1.0mmを満足
させるためには、素管肉厚を1.8mmまで増加させる
必要があった。
【0065】
【発明の効果】本発明による異形素管は、少なくとも膨
出部が長手方向に曲がった異形曲がり管製品を液圧バル
ジ加工で製造する場合の膨出部の破断防止に有効であ
り、この異形素管は液圧バルジ加工方法によって容易に
製造することができる。従来法で必要とされた中間焼鈍
の省略が可能となり、かつ製品の最小肉厚を確保するた
めの素管肉厚を従来法よりも小さくできるなど、液圧バ
ルジ加工の適用範囲拡大に大いなる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異形素管の部分縦断面図である。
【図2】本発明の異形素管の斜視図である。
【図3】異形素管の蛇腹形状部断面図である。
【図4】本発明の異形素管を曲げ加工して得られた曲げ
管の部分断面図である。
【図5】本発明のストレート状金属管からの異形素管の
製造例を説明するための図である。
【図6】膨出部が直線状の液圧バルジ加工製品の縦断面
図である。
【図7】膨出部が長手方向に曲がった液圧バルジ加工製
品の部分断面図である。
【図8】膨出部が直線状の製品の液圧バルジ加工状況を
説明するための縦断面図である。
【図9】ストレート素管とそれを曲げ加工して得た曲げ
管部分断面図である。
【図10】曲げ管を用いて膨出部が曲がった製品を液圧
バルジ加工する加工前の状況を説明するための断面図で
ある。
【図11】曲げ管を用いて膨出部が曲がった製品を液圧
バルジ加工した加工後の状況を説明するための断面図で
ある。
【図12】曲げ管に軸押しを加えた場合に発生した挫屈
を説明するための断面図である。
【図13】膨出部が曲がった製品の液圧バルジ加工にお
ける破断状況を説明するための図である。
【符号の説明】
1 膨出部が曲がった異形金属管状製品 15 ラム
ヘッド 2 ストレート素管 16 ボル
スタ 3 曲げ管 20 異形
素管 4、12 下型 20a 蛇
腹形状部 5、13 上型 30a 曲
がり部 6、7 軸押し工具 50 油圧
シリンダ 8 加工液 50a ピ
ストン 10 直線状の製品 60 加圧
パッド 12a、12a ダイス溝 12b、12b ガイド溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ストレート金属管を曲げ加工して得られた
    曲げ金属管の少なくとも曲げ加工部を所定断面形状に膨
    出させた異形曲がり金属管製造用の素管であって、スト
    レート状金属管の少なくとも曲げ金属管の曲げ外周部側
    となる部位が管の軸方向に蛇腹状になっていることを特
    徴とする異形金属素管。
  2. 【請求項2】請求項1記載の異形金属素管を液圧バルジ
    加工により製造する方法であって、金型のダイス溝内に
    収納したストレート状金属管に内部からの液圧とストレ
    ート状金属管の両端からの軸押し力とを付加することに
    より、ストレート状金属管の異形金属素管の蛇腹形状部
    となる部位を膨出させ、金型内に収納された蛇腹形状を
    備えた加圧パッドを膨出部に押しつけることにより、膨
    出部を蛇腹形状に成形加工することを特徴とする異形金
    属素管の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の異形金属素管をその蛇腹形
    状部が曲げ外周部となるように曲げ加工して曲げ金属管
    とし、この曲げ金属管を上下一対の金型のダイス溝内に
    収納し、曲げ金属管に内部から液圧を付与し、前記曲げ
    金属管の少なくとも曲がり部を所定断面形状に膨出させ
    ることを特徴とする異形曲がり金属管の製造方法。
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