JP2001300652A - 金属管の液圧バルジ加工におけるピアシング方法および金型 - Google Patents
金属管の液圧バルジ加工におけるピアシング方法および金型Info
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Abstract
に開口部周縁に生じるたわみ、および膨出加工時に生じ
る掻き疵の発生を防止することのできるピアシング加工
方法、金型および開口部中周縁にたわみや疵のない液圧
バルジ加工部品の提供。 【解決手段】上下一対の金型のダイス溝内に収納した金
属素管の内部に液体を導入し、液体に圧力を負荷して金
属素管に膨出部を成形するに際し、膨出部のピアシング
加工予定部とその周辺の断面を凸状形状に膨出させて、
その膨出部にピアシングポンチによりピアシング加工す
る金属管の液圧バルジ加工におけるピアシング加工方
法、それに用いる金型および液圧バルジ加工部品。
Description
した液体に圧力を負荷して金属管を膨張加工し、その膨
出部にピアシング加工により開口部を設ける加工方法お
よびその加工に用いる金型および前記方法により得られ
る液圧バルジ加工部品に関する。
加工して得られた管状素材(以下これらを金属素管と記
す)を金型内にセットし、この金属素管の内部から液圧
をかけるとともに必要に応じて管端から管の軸方向に圧
縮力を加えることにより、金属素管を膨張させて金型内
に設けられたダイス溝の内殻にならった成形品(以下、
液圧バルジ加工部品と記す)を得る液圧バルジ加工方法
が自動車部品等の閉断面構造の部品の製造に適用されて
いる。
型によるプレス成形と同時にダイスとポンチからなるピ
アシング装置により穴あけ加工が施される。液圧バルジ
加工においては、成形後の形状は通常管状であり、管端
近く以外では管内部にダイスを配置させることが困難で
あるため、ポンチとダイスによる穴あけ加工をおこなう
ことができない。そこで、バルジ加工での穴あけでは、
以下のようなバルジ加工中の内圧を利用した方法が用い
られる。
アシング方法を説明するためのダイス部の縦断面図であ
る。図1(a)は上下の金型内に金属素管がセットされた
状態を、図1(b)は内圧により膨出加工された状態を、
図1(c)は内圧を保持した状態でポンチを前進させピア
シング加工をおこなった状態をそれぞれ示す。
では上金型1と下金型2の一対の金型が用いられる。金
型内にはダイス溝3が設けられており、ダイス溝は膨出
部を成形するための大径部Lが設けられている。また、
膨出部にピアシング加工を施すために、ダイスの外面6
から膨出部を成形するためのダイス溝3に向かってピア
シングホルダー孔4が設けられており、その中に進退自
在にピアシングポンチ5が設けられている。このような
金型を用い、図1(a)に示すように、先ずダイス溝3
に金属素管7がセットされ、その両管端に軸押し工具8
が当接されて、金属素管内部に加工液を導入し、その加
工液に負荷した圧力(以下、内圧という)と、必要に応
じて管端からの軸押し工具を介しての軸押し力とを組み
合わせることによって金属管を種々の断面の異形管に膨
出加工される。図1(b)は、膨出加工が終了した状態
を示し、長さLの膨出部が成形されている。
グポンチ5を図示しない油圧装置等により前進させて膨
出部に開口部が設けられる。図1(c)は、ピアシング
加工が終了した状態を示す。
なるダイスがあるため開口部の縁がたわむことはない。
しかし、上記の従来の液圧バルジ加工におけるピアシン
グ加工では図1(c)に示するように液圧バルジ成型品
の開口部の周縁に大きなたわみ9が生じ、ポンチを後退
させても同図に示すような開口部周縁が管の内部にたわ
んだ状態で製品になるという問題があった。
る加工では金属管と金型面が高面圧下で相対的に滑り、
ポンチ端面と金型面の段差やポンチとポンチホルダ孔の
隙間のため、バルジ加工後の製品の表面に疵が発生する
といた問題があった。
バルジ加工により成形した膨出部にピアシング加工する
方法において、膨出部の開口部周縁に生じるたわみ、お
よび膨出加工時に開口部周辺に生じる掻き疵の発生を防
止することのできるピアシング加工方法、その加工に使
用する金型および開口部周縁にたわみや疵のない液圧バ
ルジ加工部品を提供することにある。
を解消すべく種々実験、検討した結果、ピアシング加工
する前の液圧バルジ加工により膨出部を成形する際、ピ
アシング加工予定部とその周辺を、ピアシング時に開口
部周縁がたわむ方向とは逆方向に凸状の変形を与えてお
けば、ピアシング時に生じるたわみと相殺しあって、た
わみのない良好な開口部を設けることができるとの知見
を得た。本発明はこのような知見に基づきなされたもの
で、その要旨は以下の通りである。
出部を成形し、その膨出部にピアシング加工により開口
部を設ける方法であって、上下一対の金型のダイス溝内
に収納した金属素管の内部に液体を導入し、液体に圧力
を負荷して金属素管に膨出部を成形するに際し、膨出部
のピアシング加工予定部とその周辺を断面形状が凸状に
なるように膨出させた後、ピアシングポンチによりピア
シング加工する金属管の液圧バルジ加工におけるピアシ
ング加工方法。
出部を成形し、その膨出部にピアシング加工するための
金型であって、金属素管に膨出部を成形するためのダイ
ス溝と、ダイス外面からダイス溝向かって設けられたポ
ンチホルダー孔と、そのポンチホルダー孔内を進退可能
に設けられたピアシングポンチとを備え、ポンチホルダ
ー孔先端周縁とダイス溝とのなすダイス角部が曲面状に
面取り加工されている金属管の液圧バルジ加工用金型。
開口部が設けられており、開口部周縁部の肉厚が膨出部
の肉厚よりも厚くなっている液圧バルジ加工部品。
す面図で、図2(a)は縦断面図、図2(b)はポンチホ
ルダー孔先端部近傍の拡大図である。
と下金型2とが対になっており、上下金型の界面にダイ
ス溝3が設けられており、ダイス溝3は膨出部を成形す
るため深いダイス溝部L1が設けられている。ダイスの
外面6からダイス溝3に向かってダイスホルダ孔4が設
けられており、そのホルダ孔内を進退可能にピアシング
ポンチ5が設けられている。また、ポンチホルダー孔先
端とダイス溝とのなすダイス角部10が曲面状に面取り
されている。
が素管の内側にたわみそのたわみ形状がそのまま製品に
残り、不良品となる。本発明の金型は、ピアシング加工
時のたわみを除去する目的でポンチホルダー孔先端周縁
とダイス溝とのなすダイス角部10が曲面で面取りされ
ている。基本的には、たわみ量と同程度の深さの面取り
をおこなうのがよい。
で、その形状12は図1のたわみ形状9とは逆の形状と
なっている。この面取り後の形状は特に限定しないが、
逆たわみ形状がピアシング加工時に生じるたわみにより
相殺されて、ピアシング加工後にたわみが発生していな
い状態になるように決定すればよい。この逆形状の大き
さは、下記式により求まる範囲内にするのがよく、また
面取り形状はダイス溝となめらかにつながるように円
弧、2次曲線や3次曲線等による曲面とするのが好まし
い。 0.3t<H<1.5t 1.0t<W<5t ここで、図2(b)に示すように、逆たわみの深さをを
H、ピアシングホルダー孔周縁からの逆たわみの距離を
W、材料の肉厚をtとする。
困難になり、また大きすぎるとピアシング加工後の開口
部周囲の形状がいびつになる恐れがある。
わみが残り、また大きすぎると逆たわみが生じる恐れが
ある。
グ加工する方法について以下に説明する。
るための図で、図3(a)は素管を上下金型1、2間に
設けられたダイス溝3に収納した液圧バルジ加工前の状
態、図3(b)は内圧による膨出加工後の状態、図3
(c)は内圧を保持した状態でポンチを前進させピアシ
ング加工をおこなった状態を示す。
ホルダー孔の先端周縁は面取りされているので空隙部1
3が存在するため、素管はこの部分で図3(b)のよう
にポンチとその周辺部がその他の部分よりも大きく膨出
し凸状態となる。膨出した部位は金型角部や、ポンチの
刃先(ポンチ先端の周縁)に触れないため、素管表面に
疵が発生することはない。
た部位にポンチを前進させると、膨出部を素管の内側に
たわませながらポンチ刃先が素管表面に食い込み、さら
に前進させることにより開口される。このようにして、
ピアシング加工予定部位を凸状に膨出させることによ
り、ピアアシング後に開口部周辺部がたわむことなく平
坦な形状とすることができる。
が、ポンチ位置はピアシングを行いたい位置であればど
こでもよく、また下金型であってもよく、特に位置を限
定するものでない。
は、開口部周縁部の肉厚が厚くなっており、開口部の強
度が高いという利点を有する。
(a)は本発明の液圧バルジ加工部品の開口部の断面
図、図4(b)は従来の液圧バルジ加工部品の開口部の
断面図である。開口部の周縁は、ピアシング開始面側か
ら、たわみ部Be、剪断部Sおよび破断面Bからなって
いる。
ルジ加工部品は、たわみBeはほとんどなく、また従来
品は図4(b)に示すように開口部周縁部の肉厚は他の
部分と同じなのに対し、本発明の部品は肉厚tからt′
に増加し、孔部の補強効果が得られる。
強度が高いので繰り返し荷重を受け開口部からの疲労破
壊が問題となるような用途に好適である。
m、肉厚2.0mm、長さ900mmの機械構造用炭素
鋼管STKM11Aを用いて、液圧バルジ加工とピアシ
ング加工をおこなった。
で、図5(a)は素管を膨出させる方向の縦断面図、図
5(b)はその側面図、図5(c)は素管を膨出させる
方向に対する直角方向の縦断面図、図5(d)はその側
面図である。
径と同じ60.5mmである。膨出部は幅w:80m
m、高さh:50mm、膨出部コーナr:8mmであっ
た。ポンチホルダー孔16の先端周縁14とダイス溝3
とのなすダイス角部10を曲面状に面取り加工し、ポン
チホルダー孔16の先端14からの面取り幅Wと高さH
とを種々変化させ、表1に示すようにW/tは0、1.
0、2.5、5.0および10の5種とし、各比毎にH
/tを0、0.1、0.3、0.5、1.5、および2
となるような金型を用意した。
加工をおこなった。
し量との関係およびポンチの動作パターンを示す図であ
る。 金属素管の両端から軸押し力を付与して液圧でバ
ルジ加工した後、内圧を保持したままポンチを前進さ
せ、ピアシング加工をおこなった。開口部の形状は全て
円形とし直径12mmとした。
工をおこなった後、たわみ量を断面を投影機で投影して
測定した。このたわみ量は、成形品の開口部の周縁がピ
アシング加工方向にたわんでいる量を示す。表中のたわ
み量が−のものはピアシング加工方向とは逆にたわんで
いることを示す。
従来の金型を用いた場合、たわみ量が0.8mmと大き
いが、本発明の面取りをおこなった金型を用いた場合い
ずれも従来例よりもたわみ量が少なかった。
金型を用いてピアシング加工した成形品も開口部の周縁
の肉厚を測定した結果、成形前の2.0mmから2.6
mmに増肉していた。
生じるたわみ、および膨出加工時に開口部周辺に生じる
掻き疵の発生を防止することができ、金属管を素材とし
て優れた液圧バルジ加工部品が得られる。
明するための断面図である。
説明するための図である。
Claims (3)
- 【請求項1】液圧バルジ加工により金属素管に膨出部を
成形し、その膨出部にピアシング加工により開口部を設
ける方法であって、上下一対の金型のダイス溝内に収納
した金属素管の内部に液体を導入し、液体に圧力を負荷
して金属素管に膨出部を成形するに際し、膨出部のピア
シング加工予定部とその周辺を断面形状が凸状になるよ
うに膨出させた後、ピアシングポンチによりピアシング
加工することを特徴とする金属管の液圧バルジ加工にお
けるピアシング加工方法。 - 【請求項2】液圧バルジ加工により金属素管に膨出部を
成形し、その膨出部にピアシング加工するための金型で
あって、金属素管に膨出部を成形するためのダイス溝
と、ダイス外面からダイス溝に向かって設けられたポン
チホルダー孔と、そのポンチホルダー孔内を進退可能に
設けられたピアシングポンチとを備え、ポンチホルダー
孔先端周縁とダイス溝とのなすダイス角部が曲面状に面
取り加工されていることを特徴とする金属管の液圧バル
ジ加工用金型。 - 【請求項3】金属管状体に膨出部とその膨出部に開口部
が設けられており、開口部周縁部の肉厚が膨出部の肉厚
よりも厚くなっていることを特徴とする液圧バルジ加工
部品。
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