JPH11197174A - 温冷治療器 - Google Patents

温冷治療器

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JPH11197174A
JPH11197174A JP514198A JP514198A JPH11197174A JP H11197174 A JPH11197174 A JP H11197174A JP 514198 A JP514198 A JP 514198A JP 514198 A JP514198 A JP 514198A JP H11197174 A JPH11197174 A JP H11197174A
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JP
Japan
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hot
cold
water
hot water
pipe
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Application number
JP514198A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideji Tsuchiya
秀二 土屋
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Anzai Medical KK
Original Assignee
Anzai Medical KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】共通の経路を介して温水または冷水を選択的ま
たは交互的にパッドに供給することが可能な温冷治療器
を提供する。 【解決手段】温冷治療器10は、温水タンク22および
冷水タンク70を有し、前記温水タンク22には第1温
水管26および第2温水管46が接続され、前記第1温
水管26には第1ポンプ28が設けられ、前記冷水タン
ク70には第1冷水管74および第2冷水管78が接続
され、前記第1冷水管74には第4ポンプ76が設けら
れる。第1温水管26および第1冷水管74は第1管体
30に接続され、第2温水管46および第2冷水管78
は第2管体38に接続され、前記第1管体30および第
2管体38にはパッド92が接続される。そして、第1
ポンプ28および第4ポンプ76を切り換えて駆動させ
ることによって、パッド92には温水または冷水が選択
的または交互的に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温冷治療器に関
し、一層詳細には、患者の患部に装着される治療用部材
に異なる温度の液体を選択的または交互的に供給して該
患部の治療を行うための温冷治療器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、患者の患部に温水または冷水
を供給して刺激を与え、疲れの除去、痛みの緩和、血行
の改善等を行う治療器として温冷治療器が知られている
(例えば、実用新案登録第2539506号公報参
照)。
【0003】この従来技術に係る温冷治療器は、温水を
貯留するための温水タンクと、冷水を貯留するための冷
水タンクとを備え、前記温水タンクおよび冷水タンクに
は、それぞれ加熱用のヒータおよび冷却用のサーモモジ
ュールが設けられ、前記温水タンクから供給される温水
と前記冷水タンクから供給される冷水は、それぞれ異な
る管を介して患者の患部に取り付けられたパッドに供給
される。ここで、パッドは、温水を循環させる経路と冷
水を循環させる経路とを含む二重構造に形成されてお
り、それぞれ温水と冷水とを給排水するためのチューブ
が接続されている。これらのチューブは、コネクタを介
して前記管に接続される。
【0004】この温冷治療器は、操作パネルにおける設
定に基づいて、温水または冷水を選択的または交互的に
前記パッドに供給して治療を行うものであり、治療時間
および治療温度(温水および冷水の温度)の制御も可能
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術に係る温冷治療器においては、パッドが二重構造であ
るためにその製造工程が複雑であり、また温水と冷水を
給排水するための4つのチューブが必要となるため配管
回りが煩雑であり、さらに温水と冷水とを供給する際、
患者の患部において所望の温度制御が確実に行えない
等、種々の不都合がある。
【0006】本発明は、前記の不都合を解消するために
なされたものであり、温水と冷水の給排用チューブおよ
びパッド内の循環経路を共通化することにより、前記パ
ッドの製造工程を簡素化し、しかも、チューブの配管回
りの煩雑さを回避するとともに、温冷水の前記パッドへ
の給排を迅速に行ってより迅速且つ確実な温冷水の制御
を行うことが可能な温冷治療器を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、高温側の循環
液および/または低温側の循環液を対象物に循環供給し
て該対象物に熱的刺激を与えるための温冷治療器であっ
て、前記高温側の循環液を貯留するための温水タンク
と、前記温水タンクに接続され、前記高温側の循環液の
流出経路となる温水流出用管体と、前記温水タンクに接
続され、前記高温側の循環液の流入経路となる温水流入
用管体と、前記低温側の循環液を貯留するための冷水タ
ンクと、前記冷水タンクに接続され、前記低温側の循環
液の流出経路となる冷水流出用管体と、前記冷水タンク
に接続され、前記低温側の循環液の流入経路となる冷水
流入用管体と、前記温水流出用管体と冷水流出用管体の
端部と接続される給水用管体と、前記温水流入用管体と
冷水流入用管体の端部と接続される排水用管体と、前記
給水用管体と排水用管体とに接続部材を介して接続さ
れ、前記対象物に装着される治療用部材と、前記温水流
出用管体に設けられる温水流出用ポンプと、前記冷水流
出用管体に設けられる冷水流出用ポンプと、前記温冷治
療器の動作を制御する制御手段とを有し、前記温水流出
用ポンプおよび冷水流出用ポンプを選択的または交互的
に切り換えて駆動することによって前記治療用部材に前
記高温側の循環液または低温側の循環液が選択的または
交互的に切り換えて供給されることを特徴とする。
【0008】本発明によれば、温水流出用ポンプおよび
冷水流出用ポンプを選択的または交互的に切り換えて駆
動することによって、前記治療用部材に前記高温側の循
環液または低温側の循環液が選択的または交互的に切り
換えて供給される。従って、高温側の循環液および低温
側の循環液を供給するための経路および治療用部材内部
の前記高温側の循環液および低温側の循環液が循環する
経路をそれぞれ共通に構成することができ、前記治療用
部材に前記循環液を供給するための配管回りが簡素化さ
れるとともに、前記治療用部材の温度制御を確実に行う
ことが可能となる。
【0009】また、高温側の循環液および低温側の循環
液の温水タンクおよび冷水タンクへの帰還用経路(温水
流入用管体、冷水流入用管体)を温水流入側電磁弁およ
び冷水流入側電磁弁によって切り換えることによって、
前記高温側の循環液が前記冷水タンクに流入し、または
前記低温側の循環液が前記温水タンクに流入して該温水
タンクまたは冷水タンク内の循環液の温度が変動するこ
とが阻止される(請求項2記載の発明)。
【0010】この場合、前記温水流入側電磁弁および冷
水流入側電磁弁の切り換えを治療用部材から排出される
循環液の温度を検出する排水側温度検出手段による検出
データに基づいて行うことによって、前記温水タンクま
たは冷水タンク内の循環液の温度の変動を一層確実に阻
止することができる(請求項3記載の発明)。
【0011】さらに、高温側の循環液は温水循環用ポン
プの付勢作用下に温水タンクと温水用熱交換器との間を
温水循環用管体を介して循環されて前記温水用熱交換器
において加熱または冷却され、一方低温側の循環液は冷
水循環用ポンプの付勢作用下に冷水タンクと冷水用熱交
換器との間を冷水循環用管体を介して循環されて前記冷
水用熱交換器において加熱または冷却され、それぞれ所
定の温度に保たれる。従って、治療用部材に供給される
前記各循環液の温度を確実に管理することができる(請
求項4、6記載の発明)。
【0012】さらにまた、前記温水用熱交換器に対して
熱の供給または吸収を行う温水用加熱冷却装置と、前記
冷水用熱交換器に対して熱の供給または吸収を行う冷水
用加熱冷却装置は、それぞれ電子サーモモジュールで構
成され、温水循環側温度検出手段または冷水循環側温度
検出手段による検出データに基づいて冷却動作または加
熱動作が行われるため、前記各循環液の温度管理を正確
且つ容易に行うことができるとともに、前記温水用加熱
冷却装置および冷水用加熱冷却装置の小型化が実現され
る(請求項5、7記載の発明)。
【0013】またさらに、治療用部材内を循環する循環
液の温度は、その入口側となる給水用管体に設けられる
給水側温度検出手段および/または出口側となる排水用
管体に設けられる排水側温度検出手段による検出データ
に基づいて決定されるため、前記治療用部材の温度を正
確に把握することができるとともに、該治療用部材に直
接温度検出手段を取り付ける場合に比べてこの温度検出
手段の耐久性が向上される(請求項8記載の発明)。
【0014】また、治療用部材または接続部材からの循
環液の漏れおよび前記治療用部材または接続部材の流路
の閉塞は、排水用管体に設けられる流量検出手段による
検出データに基づいて監視されるため、前記循環液の漏
れまたは流路の閉塞が生じた場合にも迅速に対処するこ
とができる(請求項9記載の発明)。
【0015】さらに、治療用部材の下流側となる排水用
管体に設けられる排水用ポンプの駆動中に前記治療用部
材の上流側となる給水用管体に設けられる給水側電磁弁
を閉塞させることによって、前記治療用部材から循環液
の抜き出しが行われる。従って、温冷治療器の動作終了
後に治療用部材内に残存した循環液によって実質的な治
療時間の延長が生じることが防止されるとともに、前記
治療用部材等からの前記循環液の漏れが生じた場合にそ
れ以上の漏れを阻止することができ、さらには前記治療
用部材等の流路が閉塞した場合に該治療用部材等に局所
的な高圧がかかって前記循環液の漏れが生じることを阻
止することが可能である(請求項10記載の発明)。
【0016】さらにまた、温冷治療器に予備タンクを設
け、この予備タンクに貯留された循環液を流出用予備管
体に設けられた流出用予備ポンプまたは流入用予備管体
に設けられた流入用予備ポンプの付勢作用下に給排水用
予備管体を介してそれぞれ温水タンクおよび冷水タンク
に給排水することによって、前記温水タンクおよび冷水
タンクの水位の維持を容易に行うことができる(請求項
11記載の発明)。
【0017】またさらに、治療用部材の上流側となる給
水用管体に給気用ポンプおよび給気用電磁弁を備える給
気用管体を設け、前記給気用ポンプを駆動させ、前記給
気用電磁弁を開放させて前記治療用部材に空気を送り込
むことによって該治療用部材から循環液を抜き出す作業
が迅速化される(請求項12記載の発明)。
【0018】また、治療用部材を構成するパッドの内部
に、循環液を所望する経路に沿って循環させるための流
路形成手段を設けることによって、前記循環液を前記治
療用部材の全体に行き渡らせることができ、治療の効率
が向上される(請求項13記載の発明)。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る温冷治療器に
ついて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しな
がら詳細に説明する。
【0020】本実施の形態に係る温冷治療器10を、図
1〜図6に示す。この温冷治療器10は、温水(高温側
の循環液とも記す)または冷水(低温側の循環液とも記
す)を選択的または交互的に患者の患部に供給して温熱
治療、冷熱治療または温冷治療を行うための装置であ
り、筐体12と、前記温水または冷水(温冷水とも記
す)を供給するための温冷水供給装置20と、前記患部
に直接装着されて治療を行うためのパッド92と、前記
温冷治療器10の動作条件を設定するためのコントロー
ルパネル100と、前記温冷水供給装置20の駆動を制
御する制御装置150とから構成される。
【0021】図1は、温冷治療器10の外観を示す斜視
図である。すなわち、温冷治療器10は筐体12を備
え、該筐体12は、その下部側に設けられた複数(例え
ば、4つ)のキャスタ14によって移動自在である。筐
体12の両側面には放熱用の孔部(図示せず)が画成さ
れ、この孔部にはファン17が設けられる。また、筐体
12には、電源投入用の電源スイッチ18、電源コード
およびヒューズ(図示せず)が設けられ、さらに、前記
筐体12の内部には、付属品等を収容するための収容部
(図示せず)が形成される。
【0022】筐体12内には、温冷水を後述するパッド
92に循環供給するための温冷水供給装置20が収容さ
れている。この温冷水供給装置20の構成を、図2に示
す。
【0023】前記温冷水供給装置20は、温水を貯留す
るための温水タンク22を備え、この温水タンク22に
は、その水位を検出するための第1水位センサ(例え
ば、フロートスイッチ)24が設けられる。そして、こ
の第1水位センサ24による検出データは、後述する制
御装置(制御手段)150に送られる。また、温水タン
ク22には、該温水タンク22から排出される温水を循
環させる第1温水管(温水流出用管体)26の一端が接
続され、この第1温水管26には、逆流防止機能を備え
た第1ポンプ(温水流出用ポンプ)28が設けられる。
この第1ポンプ28は、制御装置150からの動作指示
に従って駆動され、この結果、温水タンク22から第1
温水管26への温水の供給が制御される。ここで、第1
ポンプ28は、外部との熱の伝達を防ぐためにそのケー
スを合成樹脂材料(例えば、プラスチック)で形成する
ことが好ましい(後述する第2〜第5ポンプ40、6
2、76、90についても同様とする)。
【0024】第1温水管26の他端は第1管体(給水用
管体)30の一端と接続され、この第1管体30には第
1電磁弁(給水側電磁弁)32が設けられる。この第1
電磁弁32は、後述する制御装置150からの動作指示
に従って第1管体30の開閉制御を行う。ここで、この
第1電磁弁32は、熱の伝達を防ぐためにその弁部を合
成樹脂材料(例えば、プラスチック)で形成することが
好ましい(後述する第2電磁弁48および第3電磁弁8
0についても同様とする)。また、第1管体30には、
第1電磁弁32の、例えば、下流側に、該第1管体30
内を流れる温水の温度を検出するための第1温度センサ
(給水側温度検出手段)34が設けられ、この第1温度
センサ34による検出データは制御装置150に送られ
る。
【0025】第1管体30の他端は、筐体12に設けら
れたコネクタ(接続部材)36a、36bの一方(ここ
では、コネクタ36a)に接続される(図1参照)。こ
れらのコネクタ36a、36bには、後述するパッド9
2に連通するチューブ94a、94bが連結され、前記
コネクタ36aおよびチューブ94aを介してパッド9
2に供給された温水は、前記チューブ94bを介して前
記コネクタ36b側に排出される。
【0026】コネクタ36bには第2管体(排水用管
体)38の一端が接続され、この第2管体38には、逆
流防止機能を備えた第2ポンプ(排水用ポンプ)40が
設けられる。この第2ポンプ40は、制御装置150か
らの動作指示に従って駆動され、この結果、後述するパ
ッド92からの温水の排出が制御される。また、第2管
体38には、第2ポンプ40の、例えば、下流側に流量
センサ(流量検出手段)42および第2温度センサ(排
水側温度検出手段)44が設けられる。この場合、流量
センサ42は第2管体38内を流れる温水の流量を検出
し、第2温度センサ44は前記温水の温度を検出し、そ
れぞれその検出データを制御装置150に送るように機
能する。
【0027】第2管体38の他端には第2温水管(温水
流入用管体)46の一端が接続され、この第2温水管4
6には第2電磁弁(温水流入側電磁弁)48が設けられ
る。この第2電磁弁48は、制御装置150からの動作
指示に従って第2温水管46を開閉制御する。
【0028】第2電磁弁48を経た第2温水管46の他
端は、第1熱交換器(温水用熱交換器)50に接続され
る。この第1熱交換器50には、該第1熱交換器50内
に流入する温水の温度を検出するための第3温度センサ
(温水循環側温度検出手段)56が設けられ、この第3
温度センサ56による検出データは制御装置150に送
られる。また、第1熱交換器50には、該第1熱交換器
50に対して熱の供給または吸収を行うための第1加熱
冷却装置{例えば、電子サーモモジュール(温水用加熱
冷却装置)}52が接続され、制御装置150からの指
示に従って冷却、加熱または放置の動作が行われる。こ
こで、電子サーモモジュールとは、ペルチェ効果を利用
して対象物の冷却または加熱を行うための装置であり、
該電子サーモモジュールに正電流を印加することによっ
て冷却が行われ、逆電流を印加することによって加熱が
行われる。また、この電子サーモモジュールは、該電子
サーモモジュールの温度を検出するための図示しない温
度センサを有し、前記電子サーモモジュールの温度は、
この温度センサによる検出データに基づいて所定の値に
制御されているものとする(後述する第2加熱冷却装置
84を構成する電子サーモモジュールについても同様と
する)。
【0029】第1加熱冷却装置52には放熱器54が連
結され、該放熱器54との間で熱交換が行われる。この
放熱器54は、筐体12に画成された孔部に連通してお
り、該放熱器54に蓄積された熱は、前記孔部に設けら
れたファン17の付勢作用下にこの孔部を介して外部へ
と放熱される。この場合、前記放熱器54に温度センサ
を設け、この温度センサによる検出データに基づいて前
記ファン17の駆動を制御するようにしてもよい。
【0030】第1熱交換器50には第3温水管(温水流
入用管体)58の一端が接続され、この第3温水管58
の他端は前記温水タンク22に接続される。そして、こ
の第3温水管58を介して、第1熱交換器50によって
温度を調節された温水が温水タンク22に流入し、貯留
される。
【0031】また、第1温水管26の第1ポンプ28の
上流側と、第2温水管46の第2電磁弁48の下流側と
の間は、第4温水管(温水循環用管体)60によって連
通され、この第4温水管60には、逆流防止機能を備え
た第3ポンプ(温水循環用ポンプ)62が設けられる。
この第3ポンプ62は、制御装置150からの動作指示
に従って駆動され、この結果、第1温水管26から第2
温水管46への温水の供給が制御される。
【0032】一方、温冷水供給装置20は、冷水を貯留
するための冷水タンク70を備え、この冷水タンク70
には、水位検出用の第2水位センサ(例えば、フロート
スイッチ)72が設けられる。そして、この第2水位セ
ンサ72による検出データは、制御装置150に送られ
る。また、冷水タンク70には、該冷水タンク70から
排出される冷水を循環させる第1冷水管(冷水流出用管
体)74の一端が接続され、この第1冷水管74には、
逆流防止機能を備えた第4ポンプ(冷水流出用ポンプ)
76が設けられる。この第4ポンプ76は、制御装置1
50からの動作指示に従って駆動され、この結果、冷水
タンク70から第1冷水管74への冷水の供給が制御さ
れる。
【0033】第1冷水管74の他端は、前記第4ポンプ
76の下流側で第1管体30に接続され、冷水タンク7
0から流出した冷水は、この第1管体30を介してパッ
ド92に供給される。このとき、第1温度センサ34
は、前記冷水の温度を検出する。また、前記パッド92
に供給された冷水は第2ポンプ40の駆動作用下に排出
され、その排出流量は流量センサ42で検出されるとと
もに、その温度は第2温度センサ44で検出される。
【0034】前記第2管体38の第2温度センサ44の
下流側から第2冷水管(冷水流入用管体)78が延在
し、この第2冷水管78には、パッド92から第2管体
38を介して排出された冷水が供給される。この第2冷
水管78には第3電磁弁(冷水流入側電磁弁)80が設
けられ、この第3電磁弁80は、制御装置150からの
動作指示に従って第2冷水管78の開閉制御を行う。
【0035】第2冷水管78は、前記第3電磁弁80の
下流側において第2熱交換器(冷水用熱交換器)82に
接続される。この第2熱交換器82には、該第2熱交換
器82内に供給される冷水の温度を検出するための第4
温度センサ(冷水循環側温度検出手段)83が配設さ
れ、この第4温度センサ83による検出データは制御装
置150に送られる。また、第2熱交換器82には、該
第2熱交換器82に対して熱の吸収または供給を行うた
めの第2加熱冷却装置{例えば、電子サーモモジュール
(冷水用加熱冷却装置)}84が設けられ、この第2加
熱冷却装置84は、制御装置150からの指示に従って
冷却、加熱または放置の動作を行うように制御される。
この場合、第2加熱冷却装置84は前記放熱器54と連
結され、該放熱器54との間で熱交換が行われる。
【0036】第2熱交換器82には第3冷水管(冷水流
入用管体)86の一端が接続され、この第3冷水管86
の他端は前記冷水タンク70に接続される。そして、こ
の第3冷水管86を介して、第2熱交換器82によって
温度を調節された冷水が冷水タンク70内に流入し、貯
留される。
【0037】前記第1冷水管74の第4ポンプ76の上
流側と、第2冷水管78の第3電磁弁80の下流側との
間は、第4冷水管(冷水循環用管体)88によって連通
され、この第4冷水管88には逆流防止機能を備えた第
5ポンプ(冷水循環用ポンプ)90が設けられる。この
第5ポンプ90は、制御装置150からの動作指示に従
って駆動され、この結果、第1冷水管74から第2冷水
管78への冷水の供給が制御される。
【0038】パッド(治療用部材)92は、例えば、上
下のシートによって閉塞された空間を有し、この空間は
コネクタ(接続部材)96a、96bを介して外部と連
通している(図1参照)。そして、このコネクタ96
a、96bは、一組のチューブ(接続部材)94a、9
4bを介して前記筐体12に設けられたコネクタ36
a、36bと接続される。
【0039】また、パッド92は、該パッド92を構成
する前記上下のシートをコネクタ96a、96bの間か
ら前記パッド92の略中心部分にかけて接着し、この接
着部分の一部を該接着部分に沿って切断して形成された
切り込み部97を有する。この切り込み部97によっ
て、温冷水が前記パッド92内を短絡的に循環すること
が阻止される。
【0040】また、パッド92には、前記上下のシート
をエンボス状に接着加工して形成された複数のエンボス
加工部98が設けられ、このエンボス加工部98によっ
て、温冷水を少ない流量で前記パッド92全体に循環さ
せることができる。この場合、エンボス加工部98の数
をパッド92の大きさに応じて増減するようにすれば、
前記パッド92の種類毎に該パッド92内の容積にばら
つきが生じて温冷水の循環効率または前記温冷水の加熱
冷却効率が低下することが阻止される。
【0041】また、パッド92が大型である場合や、図
3に示すように、循環経路の長い楕円形等に形成されて
いる場合には、該パッド92全体に温冷水を行き渡らせ
るために、前記温冷水が所望する流路に沿って流れるよ
うに導く狭間隔部(流路形成手段)99が設けられる。
この狭間隔部99は、パッド92に設けられるエンボス
加工部98の間隔が他の部分より狭く形成されており、
前記パッド92内を循環する温冷水は、図4に示すよう
に、前記狭間隔部99を迂回するように流れる。この場
合、パッド92に複数の狭間隔部99を、例えば、蝶番
状に配置することによって、温冷水が前記狭間隔部99
を迂回しながら循環する主流路が構成され、前記温冷水
が該主流路を通って前記パッド92全体に行き渡る(図
3参照)。
【0042】また、パッド92が、例えば、線aに沿っ
て折れ曲がり、前記主流路が閉塞された場合には、前記
狭間隔部99を構成する各エンボス加工部98の間が流
路(副流路)となり、該副流路を介して温冷水が前記パ
ッド92内を循環する(図5参照)。
【0043】この場合、主流路を構成する各エンボス加
工部98の間隔Aと、副流路を構成する各エンボス加工
部98の間隔Bとの寸法比は、例えば、 A:B=20:14、10:5、8:3(mm) となるように設定される。
【0044】なお、パッド92の外形形状としては、治
療の対象となる人体の部位(例えば、目、肩、肘、膝
等)に対応して任意に選択することができる。
【0045】筐体12の上面には、コントロールパネル
100が設けられる(図1参照)。このコントロールパ
ネル100は、制御装置150が温冷水供給装置20の
動作制御を行う上での設定または指示を行うためのもの
であり、図6に示すように、温熱治療時の条件設定を行
う温熱設定部102と、冷熱治療時の条件設定を行う冷
熱設定部114と、温冷治療時の条件設定を行う温冷設
定部126と、治療の開始または停止等の指示を行う動
作指示部132とを有する。また、コントロールパネル
100には有線式または無線式のリモートコントローラ
101が設けられ、このリモートコントローラ101に
よって前記コントロールパネル100と同様の操作を遠
隔的に行うことができる。
【0046】温熱設定部102は、温熱治療を選択する
ための温熱治療選択スイッチ103を有する。また、こ
の温熱設定部102は、パッド92に供給する温水の温
度を設定する温水温度設定スイッチ104と、前記温水
の供給時間を設定する温水供給時間設定スイッチ106
とを備え、この温水温度設定スイッチ104および温水
供給時間設定スイッチ106によって入力されたデータ
は、それぞれ温水側温度表示部110および温水側時間
表示部112に表示される。この場合、前記温水側温度
表示部110には、前記温水の設定温度とともに、温水
タンク22内の温水の温度並びにエラーコードが表示さ
れ、前記温水側時間表示部112には、前記温水の設定
供給時間とともに、温熱治療の残り時間が表示される。
また、温熱設定部102には、温熱治療を行うための準
備動作が完了したことを示す温熱準備ランプ113が設
けられる。
【0047】冷熱設定部114は、冷熱治療を選択する
ための冷熱治療選択スイッチ115を有する。また、こ
の冷熱設定部114は、パッド92に供給する冷水の温
度を設定する冷水温度設定スイッチ116と、前記冷水
の供給時間を設定する冷水供給時間設定スイッチ118
とを備え、この冷水温度設定スイッチ116および冷水
供給時間設定スイッチ118によって入力されたデータ
は、それぞれ冷水側温度表示部122および冷水側時間
表示部124に表示される。この場合、前記冷水側温度
表示部122には、前記冷水の設定温度とともに、冷水
タンク70内の冷水の温度並びにエラーコードが表示さ
れ、前記冷水側時間表示部124には、前記冷水の設定
供給時間とともに、冷熱治療の残り時間が表示される。
また、冷熱設定部114には、冷熱治療を行うための準
備動作が完了したことを示す冷熱準備ランプ125が設
けられる。
【0048】温冷設定部126は、温冷治療を選択する
ための温冷治療選択スイッチ127を有する。また、こ
の温冷設定部126は、パッド92に温水および冷水を
交互に切り換えて供給する切換回数を設定する回数設定
スイッチ128を備え、この回数設定スイッチ128に
よって入力されたデータは、回数表示部130に表示さ
れる。この場合、前記回数表示部130には、温冷治療
の設定切換回数とともに、前記温冷治療の残り切換回数
が表示される。また、温冷治療における温水および冷水
の温度および供給時間は、前記温熱設定部102および
冷熱設定部114から入力される。
【0049】動作指示部132は、パッド92に対する
温冷水の供給開始を指示する開始スイッチ134と、前
記温冷水の供給停止を指示する停止スイッチ136とを
有する。また、動作指示部132には、温冷水供給装置
20の動作の異常を表示する異常表示部138が設けら
れており、前記異常の表示に基づく温冷水供給装置20
の動作の緊急停止は、緊急停止スイッチ140によって
行われる。
【0050】温冷治療器10は、予め設定されたプログ
ラムに基づいて温冷水供給装置20の動作を制御する制
御装置(制御手段)150を備える(図2参照)。この
制御装置150は、例えば、中央処理装置としてのCP
Uと、システムプログラムや動作プログラム等が記憶さ
れる記憶手段であるROMと、ワーク用等として使用さ
れる記憶手段であるRAMと、計時用のタイマ(計時手
段)、A/D変換器、D/A変換器等の入出力インタフ
ェース等が含まれるマイクロコンピュータにより構成さ
れている。
【0051】そして、制御装置150は、コントロール
パネル100から入力された設定値と、各センサ(第1
および第2水位センサ24、72、第1〜第4温度セン
サ34、44、56、83および流量センサ42)から
送られるデータおよび前記タイマによる計時時間との比
較を行い、その結果に基づいて、第1〜第5ポンプ2
8、40、62、76、90、第1〜第3電磁弁32、
48、80または第1、第2加熱冷却装置52、84に
対してこれらの動作を制御するための信号を送る。さら
に、制御装置150は、コントロールパネル100に対
して警報表示信号等を出力し、またコントロールパネル
100からの指示に従って動作プログラムを中断または
停止させる。なお、制御装置150のRAMには、コン
トロールパネル100から入力された過去のデータを記
憶させておき、必要に応じて読み出すことが可能であ
る。
【0052】本実施の形態に係る温冷治療器10は、基
本的には以上のように構成されるものであり、次に、図
7〜図21を参照しながら、その動作並びに作用効果に
ついて説明する。
【0053】温冷治療器10の動作を図7のフローチャ
ートに示す。
【0054】電源スイッチ18によって温冷治療器10
の電源が投入されると(S1)、治療を行うための準備
動作が開始される。
【0055】まず、温水の補充排出動作が行われる(S
2)。このステップS2のルーチンを、図8のフローチ
ャートに示す。すなわち、温水タンク22の水位Yaが
第1水位センサ24によって検出され(S41)、その
検出データが制御装置150に送られる(図2参照)。
そして、この制御装置150によって、前記温水タンク
22の水位Yaと、予め設定された上限値Haおよび下
限値Laとの比較が行われる(S42)。水位Yaが下
限値La以下である場合には、制御装置150からの信
号に基づいてコントロールパネル100の異常表示部1
38に警報表示がなされるとともに、温水側温度表示部
110にエラーコードが表示され、さらに図示しない音
源から警報音が発せられる(S43)。この警報に基づ
いて、温冷治療器10の操作者がコネクタ36a、36
bに図示しない水補給タンクを接続し(S44)、コン
トロールパネル100の開始スイッチ134から動作開
始の指示を行うことによって(S45)、温水の補充動
作が行われる。
【0056】動作開始信号が制御装置150に送られる
と、この制御装置150から第2ポンプ40に対して駆
動開始信号Sa1が送られて該第2ポンプ40が駆動さ
れ(S46)、次いで、第2電磁弁48に対して開動作
信号Sb1が送られて該第2電磁弁48の開動作が行わ
れ、第2温水管46の流路が開放される(S47)。そ
して、温水タンク22への給水が開始されると、第1水
位センサ24によってその水位Yaが検出され、その検
出データが制御装置150に送られる(S48)。この
検出データに基づいて、温水タンク22の水位Yaと予
め設定された基準水位Ya0との比較が行われ(S4
9)、温水タンク22の水位Yaが基準水位Ya0に到
達したと判断されると、制御装置150から第2電磁弁
48に対して閉動作信号Sb2が送られて該第2電磁弁
48が閉動作し、第2温水管46の流路が閉塞され(S
50)、次いで、第2ポンプ40に対して駆動停止信号
Sa2が送られて該第2ポンプ40の駆動が停止される
(S51)。
【0057】そして、操作者がコネクタ36a、36b
から前記水補給タンクを取り外すことによって、温水の
補充動作が終了する(S52)。
【0058】一方、ステップS42において、温水タン
ク22の水位Yaが上限値Ha以上であると判断された
場合には、制御装置150からの信号に基づいて、コン
トロールパネル100の異常表示部138に警報表示が
なされるとともに、温水側温度表示部110にエラーコ
ードが表示され、さらに図示しない音源から警報音が発
せられる(S53)。この警報に基づいて、温冷治療器
10の操作者がコネクタ36a、36bに前記水補給タ
ンクを接続し(S54)、開始スイッチ134から動作
開始の指示を行うことによって(S55)、温水の排出
動作が行われる。この場合、前記水補給タンクに代えて
排水用のチューブ等を用いることも可能である。
【0059】動作開始信号が制御装置150に送られる
と、この制御装置150から第1ポンプ28に対して駆
動開始信号Sh1が送られて該第1ポンプ28が駆動さ
れ(S56)、次いで、第1電磁弁32に対して開動作
信号Sj1が送られて該第1電磁弁32が開動作し、第
1管体30の流路が開放される(S57)。そして、温
水タンク22から温水の排水が開始されると、第1水位
センサ24によってその水位Yaが検出され、その検出
データが制御装置150に送られる(S58)。この検
出データに基づいて、温水タンク22の水位Yaと予め
設定された基準水位Ya0との比較が行われ(S5
9)、温水タンク22の水位Yaが基準水位Ya0に到
達したと判断されると、制御装置150から第1電磁弁
32に対して閉動作信号Sj2が送られて該第1電磁弁
32が閉動作し、第1管体30の流路が閉塞され(S6
0)、次いで、第1ポンプ28に対して駆動停止信号S
h2が送られて該第1ポンプ28の駆動が停止される
(S61)。
【0060】そして、操作者がコネクタ36a、36b
から前記水補給タンクを取り外すことによって、温水の
排出動作が終了する(S62)。
【0061】また、前記ステップS42において、水位
Yaが下限値Laと上限値Haとの間であると判断され
た場合には、後段のステップS43〜S52またはステ
ップS53〜S62の動作は行われない。
【0062】なお、前記温水の排出動作は、上記したよ
うに自動的に行うのではなく、手動で行うようにしても
よい。また、ステップS42においては、基準水位Ya
0を下限値として水位Yaと比較するようにしてもよ
い。
【0063】このような制御装置150による水位Ya
の監視(S42)は、温冷水供給装置20の動作中、所
定時間ごとに継続して行われ、水位Yaが下限値La以
下または上限値Ha以上となった場合には、割り込み処
理として前記ステップS43〜S52またはステップS
53〜S62の動作が元の動作を中断して行われ、温水
タンク22の水位が管理される。
【0064】次いで、温水の加熱冷却動作が行われる
(図7のS3)。このステップS3のルーチンを、図9
のフローチャートに示す。すなわち、制御装置150か
ら第3ポンプ62に対して駆動開始信号Sc1が送られ
ると、該第3ポンプ62の駆動が開始され、温水タンク
22と第1熱交換器50との間を温水が循環する(S6
3)。そして、操作者が、コントロールパネル100の
温水温度設定スイッチ104から温水の設定温度Ta0
を入力すると、この設定温度Ta0は設定温度信号とし
て制御装置150に送られる(S64)。この場合、こ
の設定温度Ta0として、制御装置150に記憶されて
いる過去のデータを用いることも可能である。
【0065】第3温度センサ56においては、第1熱交
換器50内に流入する温水の温度Taが検出され、温度
データとして制御装置150に送られる(S65)。そ
して、制御装置150において、この温度Taが設定温
度Ta0と比較される(S66)。
【0066】温水の温度Taが設定温度Ta0未満であ
ると判断された場合には、制御装置150から第1加熱
冷却装置52に対して加熱開始信号Sd1が送られ、こ
れに従って該第1加熱冷却装置52の加熱動作(前記電
子サーモモジュールを用いた場合には逆電流の印加)が
行われ、その熱が第1熱交換器50に伝達される。そし
て、第1熱交換器50内を流れる温水が加熱され、温水
タンク22に循環される(S67)。この温水の加熱
は、前記ステップS66において該温水の温度Taが設
定温度Ta0に到達したと判断されるまで継続される。
【0067】一方、前記ステップS66において、温水
の温度Taが設定温度Ta0より高いと判断された場合
には、制御装置150から第1加熱冷却装置52に対し
て冷却開始信号Sd2が送られ、これに従って該第1加
熱冷却装置52の冷却動作(前記電子サーモモジュール
を用いた場合には順電流の印加)が行われ、第1熱交換
器50から熱が吸収される。そして、第1熱交換器50
内を流れる温水が冷却され、温水タンク22に循環され
る(S68)。この温水の冷却は、前記ステップS66
において該温水の温度Taが設定温度Ta0に到達した
と判断されるまで継続される。
【0068】前記ステップS66において、温水の温度
Taが設定温度Ta0と同じであると判断された場合に
は、温水の加熱または冷却は行われない。また、前記ス
テップS67またはS68において行われていた温水の
加熱または冷却を停止させる場合には、制御装置150
から第1加熱冷却装置52に対して停止信号Sd3が送
られ、これに従って該第1加熱冷却装置52の加熱動作
または冷却動作が停止される(S69)。
【0069】なお、第1加熱冷却装置52の加熱動作と
冷却動作とを切り換える場合には、温度が急激に変化す
ることを回避するため、所定時間(例えば、約30秒)
の間隔をあけることが必要である(後述する第2加熱冷
却装置84についても同様である)。
【0070】ここで、ステップS63で駆動開始された
第3ポンプ62の停止動作は行われない。そして、この
第3ポンプ62は、温冷治療器10の動作が終了される
まで常に駆動される。この場合、前記ステップS66に
おける温水の温度Taと設定温度Ta0との比較が所定
時間ごとに継続して行われ、ステップS67〜S69の
動作が選択的に行われる。これによって、温水タンク2
2内の温水の温度Taが設定温度Ta0に保たれる。ま
た、他の工程において、操作者によって設定温度Ta0
の変更がなされた場合にも、割り込み処理として前記ス
テップS65〜S69の動作が行われる。
【0071】なお、このステップS3においては、コン
トロールパネル100から温水の設定温度Ta0の入力
がされなかった場合(例えば、温熱治療を行わない場
合)には、温水の加熱または冷却を行わないようにして
もよい。
【0072】一方、前記ステップS2(温水の補充排出
動作)と同時に、または、相前後して、冷水の補充排出
動作が行われる(図7のS4)。このステップS4のル
ーチンを、図10のフローチャートに示す。すなわち、
冷水タンク70の水位Ybが第2水位センサ72によっ
て検出され(S71)、その検出データが制御装置15
0に送られる(図2参照)。そして、この制御装置15
0によって、前記冷水タンク70の水位Ybと、予め設
定された上限値Hbおよび下限値Lbとの比較が行われ
る(S72)。水位Ybが下限値Lb以下である場合に
は、制御装置150からの信号に基づいて、コントロー
ルパネル100の異常表示部138に警報表示がなされ
るとともに、冷水側温度表示部122にエラーコードが
表示され、さらに図示しない音源から警報音が発せられ
る(S73)。この警報に基づいて、温冷治療器10の
操作者がコネクタ36a、36bに図示しない水補給タ
ンクを接続し(S74)、コントロールパネル100の
開始スイッチ134から動作開始の指示を行うことによ
って(S75)、冷水の補充動作が行われる。
【0073】動作開始信号が制御装置150に送られる
と、この制御装置150から第2ポンプ40に対して駆
動開始信号Sa1が送られて該第2ポンプ40が駆動さ
れ(S76)、次いで、第3電磁弁80に対して開動作
信号Se1が送られて該第3電磁弁80の開動作が行わ
れ、第2冷水管78の流路が開放される(S77)。そ
して、冷水タンク70への給水が開始されると、第2水
位センサ72によってその水位Ybが検出され、その検
出データが制御装置150に送られる(S78)。この
検出データに基づいて、冷水タンク70の水位Ybと予
め設定された基準水位Yb0との比較が行われ(S7
9)、冷水タンク70の水位Ybが基準水位Yb0に到
達したと判断されると、制御装置150から第3電磁弁
80に対して閉動作信号Se2が送られて該第3電磁弁
80が閉動作し、第2冷水管78の流路が閉塞され(S
80)、次いで、第2ポンプ40に対して駆動停止信号
Sa2が送られて該第2ポンプ40の駆動が停止される
(S81)。
【0074】そして、操作者がコネクタ36a、36b
から前記水補給タンクを取り外すことによって、冷水の
補充動作が終了する(S82)。なお、この冷水の補充
動作が前記温水の補充排出動作と同時に行われる場合に
は、前記ステップS74およびS82の動作は省略され
る。
【0075】一方、ステップS72において、冷水タン
ク70の水位Ybが上限値Hb以上であると判断された
場合には、制御装置150からの信号に基づいて、コン
トロールパネル100の異常表示部138に警報表示が
なされるとともに、冷水側温度表示部122にエラーコ
ードが表示され、さらに図示しない音源から警報音が発
せられる(S83)。この警報に基づいて、温冷治療器
10の操作者がコネクタ36a、36bに前記水補給タ
ンクを接続し(S84)、開始スイッチ134から動作
開始の指示を行うことによって(S85)、冷水の排出
動作が行われる。この場合、前記水補給タンクに代えて
排水用のチューブ等を用いることも可能である。
【0076】動作開始信号が制御装置150に送られる
と、この制御装置150から第4ポンプ76に対して駆
動開始信号Si1が送られて該第4ポンプ76が駆動さ
れ(S86)、次いで、第1電磁弁32に対して開動作
信号Sj1が送られて該第1電磁弁32が開動作し、第
1管体30の流路が開放される(S87)。そして、冷
水タンク70から冷水の排水が開始されると、第2水位
センサ72によってその水位Ybが検出され、その検出
データが制御装置150に送られる(S88)。この検
出データに基づいて、冷水タンク70の水位Ybと予め
設定された基準水位Yb0との比較が行われ(S8
9)、冷水タンク70の水位Ybが基準水位Yb0に到
達したと判断されると、制御装置150から第1電磁弁
32に対して閉動作信号Sj2が送られて該第1電磁弁
32が閉動作し、第1管体30の流路が閉塞され(S9
0)、次いで、第4ポンプ76に対して駆動停止信号S
i2が送られて該第4ポンプ76の駆動が停止される
(S91)。
【0077】そして、操作者がコネクタ36a、36b
から前記水補給タンクを取り外すことによって、冷水の
排出動作が終了する(S92)。なお、この冷水の排出
動作が前記温水の補充排出動作と同時に行われる場合に
は、前記ステップS84およびS92の動作は省略され
る。
【0078】また、前記ステップS72において、水位
Ybが下限値Lbと上限値Hbとの間であると判断され
た場合には、後段のステップS73〜S82またはステ
ップS83〜S92の動作は行われない。
【0079】なお、前記冷水の排出動作は、上記したよ
うに自動的に行うのではなく、手動で行うようにしても
よい。また、ステップS72においては、基準水位Yb
0を下限値として水位Ybと比較するようにしてもよ
い。
【0080】このような制御装置150による水位Yb
の監視(S72)は、温冷水供給装置20の動作中、所
定時間ごとに継続して行われ、水位Ybが下限値Lb以
下または上限値Hb以上となった場合には、割り込み処
理として前記ステップS73〜S82またはステップS
83〜S92の動作が元の動作を中断して行われ、冷水
タンク70の水位が管理される。
【0081】次いで、冷水の冷却加熱動作が行われる
(図7のS5)。このステップS5のルーチンを、図1
1のフローチャートに示す。すなわち、制御装置150
から第5ポンプ90に対して駆動開始信号Sf1が送ら
れて該第5ポンプ90の駆動が開始されると、冷水タン
ク70と第2熱交換器82の間を冷水が循環する(S9
3)。そして、操作者が、コントロールパネル100の
冷水温度設定スイッチ116から冷水の設定温度Tb0
を入力すると、この設定温度Tb0は設定温度信号とし
て制御装置150に送られる(S94)。ここでは、こ
の設定温度Tb0として、制御装置150に記憶されて
いる過去のデータを用いることも可能である。
【0082】第4温度センサ83においては、第2熱交
換器82内に流入する冷水の温度Tbが検出され、温度
データとして制御装置150に送られる(S95)。そ
して、制御装置150において、この温度Tbが設定温
度Tb0と比較される(S96)。
【0083】冷水の温度Tbが設定温度Tb0より高い
と判断された場合には、制御装置150から第2加熱冷
却装置84に対して冷却開始信号Sg1が送られ、これ
に従って該第2加熱冷却装置84の冷却動作(前記電子
サーモモジュールを用いた場合には順電流の印加)が行
われ、第2熱交換器82から熱が吸収される。そして、
第2熱交換器82内を流れる冷水が冷却され、冷水タン
ク70に循環される(S97)。この冷水の冷却は、前
記ステップS96において該冷水の温度Tbが設定温度
Tb0に到達したと判断されるまで継続される。
【0084】一方、前記ステップS96において、冷水
の温度Tbが設定温度Tb0より低いと判断された場合
には、制御装置150から第2加熱冷却装置84に対し
て加熱開始信号Sg2が送られ、これに従って該第2加
熱冷却装置84の加熱動作(前記電子サーモモジュール
を用いた場合には逆電流の印加)が行われ、その熱が第
2熱交換器82に伝達される。そして、第2熱交換器8
2内を流れる冷水が加熱され、冷水タンク70に循環さ
れる(S98)。この冷水の加熱は、前記ステップS9
6において該冷水の温度Tbが設定温度Tb0に到達し
たと判断されるまで継続される。
【0085】前記ステップS96において、冷水の温度
Tbが設定温度Tb0と同じであると判断された場合に
は、冷水の冷却または加熱は行われない。また、前記ス
テップS97またはS98において行われていた冷水の
冷却または加熱を停止させる場合には、制御装置150
から第2加熱冷却装置84に対して停止信号Sg3が送
られ、これに従って該第2加熱冷却装置84の冷却動作
または加熱動作が停止される(S99)。
【0086】ここで、ステップS93で駆動開始された
第5ポンプ90の停止動作は行われない。そして、この
第5ポンプ90は、温冷治療器10の動作が終了される
まで常に駆動される。この場合、前記ステップS96に
おける冷水の温度Tbと設定温度Tb0との比較が所定
時間ごとに継続して行われ、ステップS97〜S99の
動作が選択的に行われる。これによって、冷水タンク7
0内の冷水の温度Tbが設定温度Tb0に保たれる。ま
た、他の工程において、操作者によって設定温度Tb0
の変更がなされた場合にも、割り込み処理として前記ス
テップS95〜S99の動作が行われる。
【0087】なお、このステップS5においては、コン
トロールパネル100から冷水の設定温度Tb0の入力
がされなかった場合(例えば、冷熱治療を行わない場
合)には、冷水の冷却または加熱を行わないようにして
もよい。
【0088】前記ステップS2〜S5が終了すると、コ
ントロールパネル100の温熱準備ランプ113および
冷熱準備ランプ125にその表示がされるとともに、図
示しない音源から準備動作が終了したことを示す音が発
せられる(図7のS6)。この表示および音に基づい
て、温冷治療器10の操作者がパッド92をコネクタ3
6a、36bに取り付けることによって、該温冷治療器
10の準備動作が終了する(S7)。
【0089】次いで、操作者によって、コントロールパ
ネル100の温熱治療選択スイッチ103、冷熱治療選
択スイッチ115または温冷治療選択スイッチ127か
ら、温熱治療モード、冷熱治療モードまたは温冷治療モ
ードの選択が行われる(S8)。なお、治療モードの選
択がなされない場合には、前回行われた治療を選択され
た治療モードとするようにしてもよい。
【0090】ステップS8において、例えば、温熱治療
モードが選択された場合、温熱治療動作が開始される。
この温熱治療動作について、図7および図12〜図14
に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0091】まず、操作者によって、コントロールパネ
ル100の温水供給時間設定スイッチ106から温熱治
療を行う時間(設定時間)ta0が入力される(S1
1)。この設定時間ta0としては、連続または、例え
ば、3〜99分を選択することができる。そして、この
設定時間ta0は、制御装置150に送られる。ここで
は、この設定時間ta0として、制御装置150に記憶
されている過去のデータを用いることも可能である。そ
して、開始スイッチ134によって、制御装置150に
対して温熱治療の開始が指示される(S12)。
【0092】前記温熱治療の開始指示に基づいて、温冷
水供給装置20における温熱治療の開始動作が行われる
(S13)。このステップS13のルーチンを、図12
のフローチャートに示す。
【0093】すなわち、制御装置150から第1ポンプ
28に対して駆動開始信号Sh1が送られると、該第1
ポンプ28の駆動が開始され、温水が温水タンク22か
ら排出される(S101)。次いで、制御装置150か
ら第1電磁弁32および第2電磁弁48に対して開動作
信号Sj1、Sb1が送られると、これに従って前記第
1電磁弁32および第2電磁弁48の開動作が行われ、
第1管体30および第2温水管46の流路が開放される
(S102)。そして、パッド92に温水が供給され、
このパッド92から流出する前記温水の流量を第2管体
38に設けられた流量センサ42で監視することによっ
て(S103)、前記パッド92に温水が満たされたか
否かの判断が行われる。前記流量センサ42によって検
出される温水の流量が所定値を超え、制御装置150に
よって前記パッド92に温水が充満されたことが確認さ
れると(S104)、前記制御装置150から第2ポン
プ40に対して駆動開始信号Sa1が送られ、該第2ポ
ンプ40の駆動が開始される(S105)。これによっ
て、温水タンク22からパッド92への温水の循環供給
が開始されることとなる。
【0094】次いで、温冷水供給装置20は、温熱治療
動作に移行する(図7のS14)。このステップS14
のルーチンを、図13のフローチャートに示す。まず、
経過時間taがリセットされ(S111)、該経過時間
taの計時が開始される。そして、温熱治療の残り時間
(設定時間ta0−経過時間ta)が温水側時間表示部
112に表示される。
【0095】パッド92に供給される温水の流量は、流
量センサ42によって継続して検出され、その検出デー
タは制御装置150に送られる(S112)。ここで、
パッド92やチューブ94a、94b等から温水漏れが
生じている場合、または前記パッド92やチューブ94
a、94bが折れ曲がって温水の流路が閉塞されている
場合には、前記流量センサ42によって検出される流量
値が低下するため、制御装置150により前記流量値と
所定の基準値とを比較することによって、パッド92等
からの温水漏れ等が監視される(S113)。
【0096】この監視の結果、温水漏れ等が確認された
場合には、制御装置150からコントロールパネル10
0に対して警報信号が送られ、該コントロールパネル1
00の異常表示部138に警報表示がなされるととも
に、温水側温度表示部110にエラーコードが表示さ
れ、さらに図示しない音源から警報音が発せられる(S
114)。そして、後段の温熱治療の終了動作(図7の
S15)に移行される。この場合、第1電磁弁32の閉
動作および第1ポンプ28の駆動停止が行われ、第2ポ
ンプ40の駆動作用下にパッド92内から温水が抜き出
されることによって、パッド92等から漏れ出す温水の
量が低減される。前記警報は、開始スイッチ134を押
すことによって解除される。
【0097】前記ステップS113で温水漏れ等が確認
されなかった場合には、次のステップ(S115)に移
行する。
【0098】第1温度センサ34および第2温度センサ
44によって第1管体30および第2管体38を流れる
温水の温度が検出され、その検出データが制御装置15
0に送られる。そして、この制御装置150において
は、前記各検出データに基づいてパッド92内の温水の
温度Ta1が決定され(S115)、この温度Ta1と
前記設定温度Ta0との比較が行われる(S116)。
そして、この温度Ta1と設定温度Ta0との間に所定
値(例えば、3℃)以上の差がある場合には、温度異常
の判断がなされる。この場合、前記ステップS114と
同じ動作(警報)が行われた後、後段の温熱治療の終了
動作(図7のS15)に移行される。
【0099】前記ステップS116において、温水の温
度Ta1の異常が確認されなかった場合は次のステップ
(S117)に移行する。
【0100】制御装置150においては、前記経過時間
taと前記図7のステップS11で入力された設定時間
ta0との比較が行われ(S117)、その結果、前記
経過時間taが設定時間ta0に達していないと判断さ
れた場合には、前記ステップS112〜S116が繰り
返される。一方、経過時間taが設定時間ta0に達し
た場合には、後段の温熱治療の終了動作(図7のS1
5)に移行される。なお、前記設定時間ta0が所定時
間(例えば、20分)を超える場合は、該所定時間ごと
に治療動作を自動的に停止させ、操作者にコントロール
パネル100から動作再開の指示を入力させるようにし
てもよい。これによって、治療を確実に行うことができ
る。
【0101】なお、この温熱治療動作(S14)におい
ては、前記ステップS112およびS113(温水漏れ
等の監視)とステップS115およびS116(温度異
常の監視)の順序を任意に選択することができる。ま
た、前記ステップS112〜S116は温冷治療器10
の動作中、所定時間ごとに継続して行い、温水漏れ等ま
たは温度異常が確認された場合には割り込み処理として
前記ステップS114の動作を行うようにしてもよい。
【0102】前記ステップS117における温熱治療動
作終了の判断に基づいて、温熱治療の終了動作が開始さ
れる(図7のS15)。このステップS15のルーチン
を、図14のフローチャートに示す。すなわち、制御装
置150から第1電磁弁32に対して閉動作信号Sj2
が送られると、これに従って該第1電磁弁32の閉動作
が行われ、第1管体30が閉塞される(S121)。次
いで、制御装置150から第1ポンプ28に対して駆動
停止信号Sh2が送られると、これに従って該第1ポン
プ28の駆動が停止され、温水タンク22からパッド9
2への温水の供給が停止される(S122)。そして、
第2ポンプ40の駆動作用下に、パッド92内から温水
が抜き出される。
【0103】この場合、第2管体38内を流れる温水の
流量は流量センサ42によって検出され、この検出デー
タが制御装置150に送られる(S123)。そして、
この制御装置150において、前記温水の流量が所定値
以下となり、前記パッド92内から温水が抜き出された
ことが確認されると、前記制御装置150から次のステ
ップ(S125)に移行する指示がなされる(S12
4)。なお、このステップS125への移行は、ステッ
プS122(第1ポンプ28の停止)の終了から所定時
間経過後に行うようにしてもよい。
【0104】制御装置150から第2電磁弁48に対し
て閉動作信号Sb2が送られると、これに従って該第2
電磁弁48の閉動作が行われ、第2温水管46の流路が
閉塞される(S125)。そして、制御装置150から
第2ポンプ40に対する駆動停止信号Sa2の入力に基
づいて、該第2ポンプ40の駆動が停止される(S12
6)。
【0105】以上のステップS11〜S15が終了する
と、制御装置150からの指示信号に基づいてコントロ
ールパネル100に治療終了(または待機)の表示がな
されるとともに、図示しない音源から終了音が発せられ
る(図7のS16)。そして、前記ステップS8におけ
る治療モードの選択が再びなされるまで、温冷水供給装
置20による治療動作が停止される。
【0106】前記ステップS8において、例えば、冷熱
治療モードが選択された場合には、温冷水供給装置20
による冷熱治療動作が開始される。この冷熱治療動作に
ついて、図7および図15〜図17に示すフローチャー
トを参照しながら説明する。なお、この冷熱治療動作に
おいては、前記温熱治療動作(S11〜S15)とほぼ
同様の動作が行われる。
【0107】まず、操作者によって、コントロールパネ
ル100の冷水供給時間設定スイッチ118から冷熱治
療を行う時間(設定時間)tb0が入力される(S2
1)。この設定時間tb0としては、例えば、10〜9
9秒である。そして、この設定時間tb0は、制御装置
150に送られる。ここでは、この設定時間tb0とし
て、制御装置150に記憶されている過去のデータを用
いることも可能である。そして、開始スイッチ134に
よって、制御装置150に対して冷熱治療の開始が指示
される(S22)。
【0108】前記冷熱治療の開始指示に基づいて、温冷
水供給装置20における冷熱治療の開始動作が行われる
(S23)。このステップS23のルーチンを、図15
のフローチャートに示す。
【0109】すなわち、制御装置150から第4ポンプ
76に対して駆動開始信号Si1が送られると、該第4
ポンプ76の駆動が開始され、冷水が冷水タンク70か
ら排出される(S131)。次いで、制御装置150か
ら第1電磁弁32および第3電磁弁80に対して開動作
信号Sj1、Se1が送られると、これに従って前記第
1電磁弁32および第3電磁弁80の開動作が行われ、
第1管体30および第2冷水管78の流路が開放される
(S132)。そして、パッド92に冷水が供給され、
このパッド92から流出する前記冷水の流量を第2管体
38に設けられた流量センサ42で監視することによっ
て(S133)、前記パッド92に冷水が満たされたか
否かの判断が行われる。前記流量センサ42によって検
出される冷水の流量が所定値を超え、制御装置150に
よって前記パッド92に冷水が充満されたことが確認さ
れると(S134)、前記制御装置150から第2ポン
プ40に対して駆動開始信号Sa1が送られ、該第2ポ
ンプ40の駆動が開始される(S135)。これによっ
て、冷水タンク70からパッド92への冷水の循環供給
が開始されることとなる。
【0110】次いで、温冷水供給装置20は、冷熱治療
動作に移行する(図7のS24)。このステップS24
のルーチンを、図16のフローチャートに示す。まず、
経過時間tbがリセットされ(S141)、該経過時間
tbの計時が開始される。そして、冷熱治療の残り時間
(設定時間tb0−経過時間tb)が冷水側時間表示部
124に表示される。
【0111】パッド92に供給される冷水の流量は、流
量センサ42によって継続して検出され、その検出デー
タは制御装置150に送られる(S142)。ここで、
パッド92やチューブ94a、94b等から冷水漏れが
生じている場合、または前記パッド92やチューブ94
a、94bが折れ曲がって冷水の流路が閉塞されている
場合、前記流量センサ42によって検出される流量値が
低下するため、制御装置150で前記流量値と所定の基
準値とを比較することによって、パッド92等からの冷
水漏れが監視される(S143)。
【0112】この監視の結果、冷水漏れ等が確認された
場合には、制御装置150からコントロールパネル10
0に対して警報信号が送られ、該コントロールパネル1
00の異常表示部138に警報表示がなされるととも
に、冷水側温度表示部122にエラーコードが表示さ
れ、さらに図示しない音源から警報音が発せられる(S
144)。そして、後段の冷熱治療の終了動作(図7の
S25)に移行される。この場合、第1電磁弁32の閉
動作および第4ポンプ76の駆動停止が行われ、第2ポ
ンプ40の駆動作用下にパッド92内から冷水が抜き出
されることによって、パッド92等から漏れ出す冷水の
量が低減される。前記警報は、開始スイッチ134を押
すことによって解除される。
【0113】前記ステップS143で冷水漏れ等が確認
されなかった場合は、次のステップS145に移行す
る。
【0114】第1温度センサ34および第2温度センサ
44によって第1管体30および第2管体38を流れる
冷水の温度が検出され、その検出データが制御装置15
0に送られる。そして、この制御装置150において
は、前記各検出データに基づいてパッド92内の冷水の
温度Tb1が決定され(S145)、この温度Tb1と
前記設定温度Tb0との比較が行われる(S146)。
そして、この温度Tb1と設定温度Tb0との間に所定
値(例えば、3℃)以上の差がある場合には、温度異常
の判断がなされる。この場合、前記ステップS144と
同じ動作(警報)が行われた後、後段の冷熱治療の終了
動作(図7のS25)に移行される。
【0115】前記ステップS146において、パッド9
2内の冷水の温度の異常が確認されなかった場合は次の
ステップ(S147)に移行する。
【0116】制御装置150においては、前記経過時間
tbと前記ステップS21で入力された設定時間tb0
との比較が行われ(S147)、その結果、前記経過時
間tbが設定時間tb0に達していないと判断された場
合には、前記ステップS142〜S146が繰り返され
る。一方、経過時間tbが設定時間tb0に達した場合
には、後段の冷熱治療の終了動作(S25)に移行され
る。
【0117】なお、この冷熱治療動作(S24)におい
ては、前記ステップS142およびS143(冷水漏れ
等の監視)とステップS145およびS146(温度異
常の監視)の順序は任意に選択することができる。ま
た、前記ステップS142〜S146は温冷治療器10
の動作中、所定時間ごとに継続して行われ、冷水漏れ等
または温度異常が確認された場合には割り込み処理とし
て前記ステップS144(警報)の動作を行うようにし
てもよい。
【0118】前記ステップS147における冷熱治療動
作終了の判断に基づいて、冷熱治療の終了動作が開始さ
れる(図7のS25)。このステップS25のルーチン
を、図17のフローチャートに示す。すなわち、制御装
置150から第1電磁弁32に対して閉動作信号Sj2
が送られると、これに従って該第1電磁弁32の閉動作
が行われ、第1管体30が閉塞される(S151)。次
いで、制御装置150から第4ポンプ76に対して駆動
停止信号Si2が送られると、これに従って該第4ポン
プ76の駆動が停止され、冷水タンク70からパッド9
2への冷水の供給が停止される(S152)。そして、
第2ポンプ40の駆動作用下に、パッド92内から冷水
が抜き出される。
【0119】この場合、第2管体38内を流れる冷水の
流量は流量センサ42によって検出され、この検出デー
タが制御装置150に送られる(S153)。そして、
この制御装置150において、前記冷水の流量が所定値
以下となり、前記パッド92内から冷水が抜き出された
ことが確認されると、前記制御装置150から次のステ
ップに移行する指示がなされる(S154)。なお、こ
の次のステップへの移行は、ステップS152(第4ポ
ンプ76の停止)の終了から所定時間経過後に行うよう
にしてもよい。
【0120】制御装置150から第3電磁弁80に対し
て閉動作信号Se2が送られると、これに従って該第3
電磁弁80の閉動作が行われ、第2冷水管78の流路が
閉塞される(S155)。そして、制御装置150から
第2ポンプ40に対する駆動停止信号Sa2の入力に基
づいて、該第2ポンプ40の駆動が停止される(S15
6)。
【0121】以上のステップS21〜S25が終了する
と、前記ステップS16(終了表示)の動作が行われる
(図7参照)。そして、前記ステップS8における治療
モードの選択が再びなされるまで、温冷水供給装置20
による治療動作は停止される。
【0122】前記ステップS8において、例えば、温冷
治療モードが選択された場合には、温冷水供給装置20
による温冷治療動作が開始される。この温冷治療動作に
ついて、図7および図19〜図21に示すフローチャー
トおよび図18に示すタイミングチャートを参照しなが
ら説明する。
【0123】まず、温熱治療時間および冷熱治療時間の
設定が行われる(図7のS31)。このステップS31
では、前記ステップS11およびS21と同じ動作が同
時、或いは、順次行われる。
【0124】次いで、コントロールパネル100の回数
設定スイッチ128から温熱治療と冷熱治療の繰り返し
回数(設定回数)N0が入力される(S32)。ここで
は、この設定回数N0として、制御装置150に記憶さ
れている過去のデータを用いることも可能である。
【0125】そして、操作者がコントロールパネル10
0の開始スイッチ134から制御装置150に対して温
冷治療の開始の指示を行うと(S33)、温冷治療開始
動作が行われる(S34)。ここで、温熱治療と冷熱治
療の繰り返しが温熱治療から開始される場合、このステ
ップS34では前記ステップS13(図12参照)と同
じ動作が行われる。
【0126】すなわち、第1ポンプ28の駆動および第
1電磁弁32、第2電磁弁48の開動作が行われてパッ
ド92に温水が供給され(図18のt1)、流量センサ
42による検出データに基づいて該パッド92に温水が
満たされたことが確認されると、第2ポンプ40の駆動
が開始される(図18のt2)。
【0127】次いで、温冷治療動作が行われる(S3
5)。このステップS35のルーチンを、図19のフロ
ーチャートに示す。
【0128】まず、温熱治療と冷熱治療の繰り返し回数
Nがリセットされ(S161)、次に、温熱治療動作が
開始される(S162)。この場合、このステップS1
62では、前記ステップS14(図13参照)と同じ動
作が行われる。そして、設定時間ta0の経過によりス
テップS162(温熱治療動作)が終了すると、繰り返
し回数Nが更新され(S163)、温熱治療から冷熱治
療への切換動作に移行する(S164)。このステップ
S164のルーチンを、図20のフローチャートに示
す。
【0129】すなわち、制御装置150から第1ポンプ
28に対して駆動停止信号Sh2が送られると、該第1
ポンプ28の駆動が停止され、温水タンク22からパッ
ド92への温水の供給が停止される(S171、図18
のt3)。これとほぼ同時に、制御装置150から第4
ポンプ76に対して駆動開始信号Si1が送られると、
該第4ポンプ76の駆動が開始され、冷水タンク70か
らパッド92への冷水の供給が開始される(S17
2)。これによって、パッド92には温水に代わって冷
水が供給されるようになる。
【0130】パッド92内を循環して第2管体38に排
出される温冷水の温度は第2温度センサ44で検出さ
れ、その検出データが制御装置150に送られる(S1
73)。そして、前記温冷水の温度が変化(低下)し、
前記パッド92から冷水が排出されたことが制御装置1
50によって確認されると(S174)、次のステップ
に移行する。
【0131】制御装置150から第2電磁弁48に対し
て閉動作信号Sb2が送られると、これに従って該第2
電磁弁48の閉動作が行われ、第2温水管46の流路が
閉塞される(S175、図18のt4)。これとほぼ同
時に、制御装置150から第3電磁弁80に対して開動
作信号Se1が送られると、これに従って該第3電磁弁
80の開動作が行われ、第2冷水管78の流路が開放さ
れる(S176)。この場合、温水タンク22および冷
水タンク70の水位の変動を低減させるため、前記第2
電磁弁48の閉動作および第3電磁弁80の開動作は、
温水タンク22の水位が温熱治療動作前の位置となった
時点で行うことが好ましい。
【0132】前記ステップS164(切換動作)が終了
すると、冷熱治療動作に移行する(S165)。このス
テップS165では、前記ステップS24(図16)と
同じ動作が行われる。そして、設定時間tb0の経過に
よりステップS165(冷熱治療動作)が終了すると、
冷熱治療から温熱治療への切換動作に移行する(S16
6)。このステップS166のルーチンを、図21のフ
ローチャートに示す。
【0133】すなわち、制御装置150から第1ポンプ
28に対して駆動開始信号Sh1が送られると、該第1
ポンプ28の駆動が開始され、温水タンク22からパッ
ド92への温水の供給が開始される(S181、図18
のt5)。これとほぼ同時に、制御装置150から第4
ポンプ76に対して駆動停止信号Si2が送られると、
該第4ポンプ76の駆動が停止され、冷水タンク70か
らパッド92への冷水の供給が停止される(S18
2)。これによって、パッド92には、冷水に代わって
温水が供給されるようになる。ここで、前記冷熱治療動
作の設定時間tb0が短い場合には、図18に示す例の
ように、時間t5が時間t4より前となることがある。
【0134】パッド92内を循環して第2管体38に排
出される温冷水の温度は第2温度センサ44で検出さ
れ、その検出データが制御装置150に送られる(S1
83)。そして、前記温冷水の温度が変化(上昇)し、
前記パッド92から温水が排出されたことが制御装置1
50によって確認されると(S184)、次のステップ
に移行する。
【0135】制御装置150から第2電磁弁48に対し
て開動作信号Sb1が送られると、これに従って該第2
電磁弁48の開動作が行われ、第2温水管46の流路が
開放される(S185、図18のt6)。これとほぼ同
時に、制御装置150から第3電磁弁80に対して閉動
作信号Se2が送られると、これに従って該第3電磁弁
80の閉動作が行われ、第2冷水管78の流路が閉塞さ
れる(S186)。この場合、温水タンク22および冷
水タンク70の水位の変動を低減させるため、前記第2
電磁弁48の開動作および第3電磁弁80の閉動作は、
冷水タンク70の水位が冷熱治療動作前の位置となった
時点で行うことが好ましい。
【0136】前記ステップS166(切換動作)が終了
すると、温熱治療動作に移行する(S167)。このス
テップS167の動作は、前記ステップS162と同じ
である。
【0137】そして、前記ステップS164〜S167
が繰り返して行われ、その回数Nが制御装置150によ
ってカウントされる(前記ステップS163)。この繰
り返し回数Nが前記設定回数N0に達すると、ステップ
S35(温冷治療動作)が終了される(S168)。
【0138】次いで、温冷治療の終了動作が開始される
(S36)。この場合、前記ステップS35における温
熱治療動作と冷熱治療動作の繰り返しが温熱治療動作で
終了されるため、このステップS36では前記ステップ
S15(図14)と同じ動作が行われる。
【0139】すなわち、第1電磁弁32の閉動作が行わ
れて第1管体30が閉塞され(図18のt7)、その後
第1ポンプ28の駆動が停止されて温水タンク22から
パッド92への温水の供給が停止され(図18のt
8)、続いて第2電磁弁48の閉動作が行われて第2温
水管46の流路が閉塞され(図18のt9)、その後第
2ポンプ40の駆動が停止される(図18のt10)。
【0140】以上のステップS31〜S36が終了する
と、前記ステップS16(終了表示)の動作が行われる
(図7)。そして、前記ステップS8における治療モー
ドの選択が再びなされるまで、温冷水供給装置20によ
る治療動作が停止される。
【0141】なお、温冷水供給装置20の動作時に、コ
ントロールパネル100の停止スイッチ136から制御
装置150に対して割り込み信号として停止信号が送ら
れた場合、温冷水供給装置20の動作を停止するように
してもよい。この場合、温熱治療動作時にはステップS
15(図14)の動作が、冷熱治療動作時にはステップ
S25(図17)の動作が、それぞれ割り込み処理とし
て行われる。
【0142】このように、本実施の形態においては、温
水を温水タンク22からパッド92に供給するための経
路には第1ポンプ28が設けられ、冷水を冷水タンク7
0に供給するための経路には第4ポンプ76が設けられ
ており、これら第1ポンプ28と第4ポンプ76を切り
換えて駆動することによって、温水または冷水を共通の
経路を介してパッド92に供給することができる。ま
た、第1ポンプ28と第4ポンプ76との切り換えを選
択的または交互的に行うことによって、温水または冷水
を前記パッド92に対して選択的または交互的に切り換
えて供給することができる。
【0143】また、冷水がパッド92から流出したこと
を第2温度センサ44による検出データに基づいて確認
した後に第2電磁弁48の閉動作および第3電磁弁80
の開動作が行われるため、温水が冷水タンク70内に流
入して該冷水タンク70内の冷水の温度が上昇すること
をパッド92等の大きさに関わりなく確実に回避するこ
とができる。また、前記第2電磁弁48の閉動作および
第3電磁弁80の開動作は、制御装置150によって温
水タンク22の水位を監視しながら行われるため、該温
水タンク22および冷水タンク70の水位の変動を低減
させることができる。
【0144】同様に、温水がパッド92から流出したこ
とを第2温度センサ44による検出データに基づいて確
認した後に第2電磁弁48の開動作および第3電磁弁8
0の閉動作が行われるため、冷水が温水タンク22内に
流入して該温水タンク22内の温水の温度が低下するこ
とをパッド92等の大きさに関わりなく確実に回避する
ことができる。また、前記第2電磁弁48の開動作およ
び第3電磁弁80の閉動作は、制御装置150によって
冷水タンク70の水位を監視しながら行われるため、該
冷水タンク70および温水タンク22の水位の変動を低
減させることができる。
【0145】さらに、温水タンク22内の温水は第1熱
交換器50との間を常に循環され、第3温度センサ56
で検出される温度データに基づいて駆動される第1加熱
冷却装置52によって加熱または冷却される。同様に、
冷水タンク70内の冷水は第2熱交換器82との間を常
に循環され、第4温度センサ83によって検出される温
度データに基づいて駆動される第2加熱冷却装置84に
よって加熱または冷却される。従って、前記温水タンク
22内の温水および冷水タンク70内の冷水の温度が所
定の温度に制御される。
【0146】さらにまた、パッド92内を循環する温水
または冷水の温度は、該パッド92の入口側および出口
側に設けられた2つの温度センサ(第1温度センサ34
および第2温度センサ44)によって検出されたデータ
に基づいて決定されるため、前記パッド92の温度を正
確に管理することが可能であるとともに、前記パッド9
2に直接温度センサを設ける場合に比べて、温度センサ
の耐久性を向上させることができる。
【0147】またさらに、第1〜第3電磁弁32、4
8、80の弁部は高い断熱性を有する合成樹脂材料で形
成されているため、温水と冷水との間の熱伝達が阻止さ
れる。
【0148】また、第1〜第5ポンプ28、40、6
2、76、90のケースは合成樹脂材料で形成されてい
るため、外部との間の熱伝達が防止される。
【0149】さらに、温水タンク22および冷水タンク
70の水位は、それぞれ第1水位センサ24および第2
水位センサ72によって検出され、制御装置150によ
って管理されているため、前記温水タンク22内の温水
または冷水タンク70内の冷水の不足または過多によっ
て温冷水供給装置20の動作に支障が生じることが確実
に阻止される。
【0150】さらにまた、パッド92に供給される温水
または冷水の流量は流量センサ42によって絶えず検出
され、その検出データに基づいて制御装置150によっ
て監視されているため、パッド92等からの温水または
冷水の漏れやパッド92等の流路の閉塞に迅速に対処し
て前記漏れを止めることができ、また、さらなる漏れの
発生を防ぐことができる。
【0151】またさらに、温熱治療動作の終了時には、
第1電磁弁32の閉動作および第1ポンプ28の駆動停
止を行った後に第2電磁弁48の閉動作および第2ポン
プ40の駆動停止が行われ、また冷熱治療動作の終了時
には、第1電磁弁32の閉動作および第4ポンプ76の
駆動停止を行った後に第3電磁弁80の閉動作および第
2ポンプ40の駆動停止が行われる。そして、パッド9
2内から温水または冷水が抜き出されたことが、流量セ
ンサ42で検出されるデータに基づいて制御装置150
によって確認される。従って、パッド92内からの温水
または冷水の抜き出しを確実に行うことができ、温熱治
療動作から冷熱治療動作への切り換え、またはその逆へ
の切り換えを迅速に行うことができるとともに、前記パ
ッド92内に残存した前記温水または冷水によって実質
的に治療時間が延長されることが防止され、さらには前
記パッド92等からの前記温水または冷水の漏れや前記
パッド92等の流路の閉塞が生じた際にそれ以上の漏れ
の発生を確実に阻止することが可能である。
【0152】また、パッド92には、エンボス加工部9
8の間隔を他の部分より狭くすることによって形成され
た狭間隔部99が設けられており、温冷水をこの狭間隔
部99を迂回するように構成される主流路に沿って循環
させることによって、該温冷水を前記パッド92全体に
行き渡らせることができる。また、前記パッド92が折
れ曲がって主流路が閉塞された場合には、前記狭間隔部
99を構成する各エンボス加工部98の間(副流路)を
介して温冷水が循環するため、前記パッド92の使用形
態に対する制約が少ない。従って、患者の患部に対する
治療効率を高く維持することが可能であるとともに、安
定した治療動作が得られる。
【0153】さらに、パッド92に設けられる前記エン
ボス加工部98の数は、前記パッド92の大小に応じて
増減されるため、該パッド92内を循環する温冷水の量
がその種類によって大きく変化することがない。従っ
て、温冷水の循環効率および加熱冷却効率が高く維持さ
れる。
【0154】次に、本実施の形態に係る温冷治療器10
の変形例について説明する。
【0155】図22に示すように、温冷水供給装置20
には予備タンク160が設けられ、この予備タンク16
0には第1予備管(流出用予備管体)162および第2
予備管(流入用予備管体)163の一端が接続される。
また、この第1予備管162には逆流防止機能を備えた
給水ポンプ(流出用予備ポンプ)164が設けられ、第
2予備管163には逆流防止機能を備えた排水ポンプ
(流入用予備ポンプ)165が設けられる。そして、こ
の第1予備管162と第2予備管163とは他端で合流
し、第3予備管(給排水用予備管体)166に接続され
る。この第3予備管166は、その一端が温水タンク2
2に接続され、その他端が冷水タンク70に接続され、
該温水タンク22および冷水タンク70に対して給排水
を行う。この場合、前記給水ポンプ164は給水用とし
て機能し、前記排水ポンプ165は排水用として機能す
る。
【0156】すなわち、温水タンク22または冷水タン
ク70の水位が下限値以下となった場合は、制御装置1
50から給水ポンプ164に対して駆動開始指示が送ら
れ、これに従って該給水ポンプ164が駆動され、前記
温水タンク22または冷水タンク70への給水が行われ
る。一方、温水タンク22または冷水タンク70の水位
が上限値以上となった場合は、制御装置150から排水
ポンプ165に対して駆動開始指示が送られ、これに従
って該排水ポンプ165が駆動され、前記温水タンク2
2または冷水タンク70からの排水が行われる。従っ
て、温水タンク22および冷水タンク70への給排水を
自動的且つ容易に行うことができる。
【0157】ここで、前記予備タンク160は、温水タ
ンク22および冷水タンク70より低い位置に設置する
ことが好ましい。これによって、例えば、給水ポンプ1
64または排水ポンプ165が故障した場合に、予備タ
ンク160から温水タンク22または冷水タンク70に
過剰の水が供給されることを回避することができる。
【0158】また、第3予備管166の第1予備管16
2と第2予備管163が接続される位置の両側に、それ
ぞれ電磁弁を設けるようにしてもよい。この場合、これ
らの電磁弁、給水ポンプ164および排水ポンプ165
を制御装置150によって制御することによって、予備
タンク160から温水タンク22または冷水タンク70
に対してそれぞれ個別に給排水を行うことが可能とな
る。
【0159】次に、本実施の形態に係る温冷治療器10
の他の変形例について説明する。
【0160】図23に示すように、第1管体30には給
気管174の一端が接続され、この給気管174にはポ
ンプ170および電磁弁172が設けられる。ここで、
この給気管174の他端は自由端とされる。そして、パ
ッド92から温水または冷水を抜き出すときに、ポンプ
170を駆動させ、電磁弁172を開動作させることに
よって、給気管174を介して前記パッド92に空気が
吹き込まれ、パッド92から温冷水が迅速且つ確実に抜
き出される。
【0161】また、本実施の形態においては、パッド9
2に供給され、患者の患部に熱刺激を与えるための媒体
として水が用いられているが、この水に代えてアルコー
ル混合溶液またはこれに適応した液体を用いることもで
きる。この場合、管等の腐蝕を効果的に防止することが
可能である。
【0162】さらに、筐体12に複数組(例えば、2
組)のコネクタを設けるようにしてもよい。この場合、
患者の2個所の患部に対して、または2人の患者に対し
て同時に治療を行うことができる。
【0163】なお、本実施の形態に係る水位センサ(第
1、第2水位センサ24、72)には、水位を直接的に
検出するものから、検出された物理量を演算して水位を
求め、その水位値を出力する装置までを含み、また温度
センサ(第1〜第4温度センサ34、44、56、8
3)には、温度を直接的に検出するものから、検出され
た物理量を演算して温度を求め、その温度値を出力する
装置までを含み、さらに流量センサ42には、流量を直
接的に検出するものから、検出された物理量を演算して
流量を求め、その流量値を出力する装置までを含むもの
とする。
【0164】また、患者の患部に供給される循環液が温
水と冷水とに限定されず、単に2つの異なる温度構成を
有する循環液である場合には、前記循環液の高温側とな
るものを温水と記し、前記循環液の低温側となるものを
冷水と記している。
【0165】
【発明の効果】本発明に係る温冷治療器によれば、共通
のチューブを介してパッドに温水および冷水を選択的ま
たは交互的に供給し、この温水および冷水を前記パッド
内の単一の循環路に循環させることによって、温熱治
療、冷熱治療または温冷治療を行うことができるため、
前記チューブおよびパッドの製造工程を簡素化し、しか
も、チューブの配管回りの煩雑さを回避するとともに、
温冷水のパッドへの給排を迅速に行ってより迅速且つ確
実な温冷水の制御を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る温冷治療器の概略斜視図で
ある。
【図2】温冷水供給装置の配管および回路説明図であ
る。
【図3】本実施の形態に係るパッドの断面図である。
【図4】パッド内を循環する温冷水の流路(主流路)の
部分断面図である。
【図5】パッド内を循環する温冷水の流路(副流路)の
部分断面図である。
【図6】図1に示す温冷治療器に組み込まれるコントロ
ールパネルの正面図である。
【図7】本実施の形態に係る温冷治療器の動作を示すフ
ローチャートである。
【図8】温水の補充排出動作を示すフローチャートであ
る。
【図9】温水の加熱冷却動作を示すフローチャートであ
る。
【図10】冷水の補充排出動作を示すフローチャートで
ある。
【図11】冷水の冷却加熱動作を示すフローチャートで
ある。
【図12】温熱治療の開始動作を示すフローチャートで
ある。
【図13】温熱治療動作を示すフローチャートである。
【図14】温熱治療の終了動作を示すフローチャートで
ある。
【図15】冷熱治療の開始動作を示すフローチャートで
ある。
【図16】冷熱治療動作を示すフローチャートである。
【図17】冷熱治療の終了動作を示すフローチャートで
ある。
【図18】温冷治療時の動作を示すタイミングチャート
である。
【図19】温冷治療動作を示すフローチャートである。
【図20】温熱治療から冷熱治療への切換動作を示すフ
ローチャートである。
【図21】冷熱治療から温熱治療への切換動作を示すフ
ローチャートである。
【図22】本実施の形態に係る温冷治療器の変形例を示
す構成図である。
【図23】本実施の形態に係る温冷治療器の他の変形例
を示す構成図である。
【符号の説明】
10…温冷治療器 20…温冷水供給装置 22…温水タンク 28…第1ポンプ 32…第1電磁弁 34…第1温度センサ 40…第2ポンプ 42…流量センサ 44…第2温度センサ 48…第2電磁弁 50…第1熱交換器 52…第1加熱冷却装
置 56…第3温度センサ 62…第3ポンプ 70…冷水タンク 76…第4ポンプ 80…第3電磁弁 82…第2熱交換器 84…第2加熱冷却装置 90…第5ポンプ 92…パッド 100…コントロール
パネル 150…制御装置

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温側の循環液および/または低温側の循
    環液を対象物に循環供給して該対象物に熱的刺激を与え
    るための温冷治療器であって、 前記高温側の循環液を貯留するための温水タンクと、 前記温水タンクに接続され、前記高温側の循環液の流出
    経路となる温水流出用管体と、 前記温水タンクに接続され、前記高温側の循環液の流入
    経路となる温水流入用管体と、 前記低温側の循環液を貯留するための冷水タンクと、 前記冷水タンクに接続され、前記低温側の循環液の流出
    経路となる冷水流出用管体と、 前記冷水タンクに接続され、前記低温側の循環液の流入
    経路となる冷水流入用管体と、 前記温水流出用管体と冷水流出用管体の端部と接続され
    る給水用管体と、 前記温水流入用管体と冷水流入用管体の端部と接続され
    る排水用管体と、 前記給水用管体と排水用管体とに接続部材を介して接続
    され、前記対象物に装着される治療用部材と、 前記温水流出用管体に設けられる温水流出用ポンプと、 前記冷水流出用管体に設けられる冷水流出用ポンプと、 前記温冷治療器の動作を制御する制御手段とを有し、 前記温水流出用ポンプおよび冷水流出用ポンプを選択的
    または交互的に切り換えて駆動することによって前記治
    療用部材に前記高温側の循環液または低温側の循環液が
    選択的または交互的に切り換えて供給されることを特徴
    とする温冷治療器。
  2. 【請求項2】請求項1記載の温冷治療器において、 前記温水流入用管体に設けられた温水流入側電磁弁と、 前記冷水流入用管体に設けられた冷水流入側電磁弁とを
    有し、 前記治療用部材内を循環した前記高温側の循環液または
    低温側の循環液がそれぞれ前記温水タンクまたは冷水タ
    ンクに選択的に帰還されるように前記温水流入側電磁弁
    および冷水流入側電磁弁の開閉駆動が行われることを特
    徴とする温冷治療器。
  3. 【請求項3】請求項2記載の温冷治療器において、 前記排水用管体には排水側温度検出手段が設けられ、 前記温水流入側電磁弁および冷水流入側電磁弁の開閉駆
    動は、前記排水側温度検出手段による検出データに基づ
    いて前記治療用部材から排出される循環液が高温側の循
    環液であるか低温側の循環液であるかを確認した後にそ
    の結果に応じて行われることを特徴とする温冷治療器。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の温
    冷治療器において、 前記温水流入用管体に設けられる温水用熱交換器と、 前記温水用熱交換器に対して熱の供給または吸収を行う
    温水用加熱冷却装置と、 前記温水流出用管体と前記温水流入用管体との間を連通
    させる温水循環用管体と、 前記温水循環用管体に設けられる温水循環用ポンプとを
    有し、 前記高温側の循環液は前記温水循環用ポンプの駆動作用
    下に前記温水用熱交換器と前記温水タンクとの間を前記
    温水循環用管体を介して循環されて加熱または冷却され
    ることを特徴とする温冷治療器。
  5. 【請求項5】請求項4記載の温冷治療器において、 前記温水用加熱冷却装置は電子サーモモジュールで構成
    され、該電子サーモモジュールは前記温水用熱交換器に
    設けられる温水循環側温度検出手段で検出されたデータ
    に基づいて順電流または逆電流が印加されることによっ
    て冷却動作または加熱動作を行うことを特徴とする温冷
    治療器。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の温
    冷治療器において、 前記冷水流入用管体に設けられる冷水用熱交換器と、 前記冷水用熱交換器に対して熱の供給または吸収を行う
    冷水用加熱冷却装置と、 前記冷水流出用管体と前記冷水流入用管体との間を連通
    させる冷水循環用管体と、 前記冷水循環用管体に設けられる冷水循環用ポンプとを
    有し、 前記低温側の循環液は前記冷水循環用ポンプの駆動作用
    下に前記冷水用熱交換器と前記冷水タンクとの間を前記
    冷水循環用管体を介して循環されて加熱または冷却され
    ることを特徴とする温冷治療器。
  7. 【請求項7】請求項6記載の温冷治療器において、 前記冷水用加熱冷却装置は電子サーモモジュールで構成
    され、該電子サーモモジュールは前記冷水用熱交換器に
    設けられる冷水循環側温度検出手段で検出されたデータ
    に基づいて順電流または逆電流が印加されることによっ
    て冷却動作または加熱動作を行うことを特徴とする温冷
    治療器。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか1項に記載の温
    冷治療器において、 前記給水用管体には給水側温度検出手段が設けられ、 前記給水側温度検出手段および/または排水側温度検出
    手段による検出データに基づいて前記治療用部材内の循
    環液の温度が決定されることを特徴とする温冷治療器。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれか1項に記載の温
    冷治療器において、 前記排水用管体には流量検出手段が設けられ、 該流量検出手段による検出データに基づいて前記治療用
    部材または接続部材からの前記循環液の漏れおよび/ま
    たは前記治療用部材または接続部材の流路の閉塞が監視
    されることを特徴とする温冷治療器。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれか1項に記載の
    温冷治療器において、 前記給水用管体に設けられる給水側電磁弁と、 前記排水用管体に設けられる排水用ポンプとを有し、 前記排水用ポンプの駆動中に前記給水側電磁弁が閉塞さ
    れることによって前記治療用部材から前記循環液の抜き
    出しが行われることを特徴とする温冷治療器。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれか1項に記載
    の温冷治療器において、 予備の循環液が貯留される予備タンクと、 前記予備タンクに接続され、前記予備の循環液の流出経
    路となる流出用予備管体と、 前記予備タンクに接続され、前記予備の循環液の流入経
    路となる流入用予備管体と、 前記流出用予備管体と流入用予備管体の端部と接続され
    る給排水用予備管体と、 前記流出用予備管体に設けられる流出用予備ポンプと、 前記流入用予備管体に設けられる流入用予備ポンプとを
    有し、 前記流出用予備ポンプまたは流入用予備ポンプの駆動作
    用下に前記予備タンクから前記温水タンクおよび冷水タ
    ンクに対して給排水が行われることを特徴とする温冷治
    療器。
  12. 【請求項12】請求項1乃至11のいずれか1項に記載
    の温冷治療器において、 前記給水用管体に接続される他端が自由端の給気用管体
    と、 前記給気用管体に設けられる給気用ポンプと、 前記給気用管体に設けられ、該給気用管体の自由端の開
    閉を行う給気用電磁弁とを有し、 前記給気用ポンプの駆動作用下に前記治療用部材に空気
    が送り込まれ、該治療用部材内から前記循環液が抜き出
    されることを特徴とする温冷治療器。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12のいずれか1項に記載
    の温冷治療器において、 前記治療用部材は柔軟なシートで形成され、内部に前記
    循環液が循環する流路を有するパッドで構成され、該パ
    ッドには前記循環液をこのパッドの全体に行き渡らせる
    ように導く流路形成手段が設けられることを特徴とする
    温冷治療器。
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