JPH11195231A - 光ディスクの記録及び/又は再生装置並びに光ディスクのトラッキング制御方法 - Google Patents

光ディスクの記録及び/又は再生装置並びに光ディスクのトラッキング制御方法

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JPH11195231A
JPH11195231A JP9361059A JP36105997A JPH11195231A JP H11195231 A JPH11195231 A JP H11195231A JP 9361059 A JP9361059 A JP 9361059A JP 36105997 A JP36105997 A JP 36105997A JP H11195231 A JPH11195231 A JP H11195231A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラッキングサーボ制御でのループゲインの
変動を抑え、照射するレーザ光を正確に記録トラックの
中心位置に追従させることができる光ディスクの記録及
び/又は再生装置等を提供する。 【解決手段】 光ディスクドライブ装置1では、トラッ
キングサーボの引き込み時に、レーザ光がトラックを横
断するときに生じるトラバース信号を検出して、プッシ
ュプル信号が所定のレベルとなるようにGCA4の増幅
度を設定し、このときのウォブル信号の振幅を初期設定
値として記憶する。また、記録又は再生を開始すると、
光ディスクドライブ装置1では、記録又は再生中に、ウ
ォブル信号の振幅を監視して初期設定値と比較する。そ
して、このウォブル信号の増減の割合に応じた増幅度を
設定してGCA4を制御し、プッシュプル信号のゲイン
をコントロールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラッキングサー
ボ制御を行いデータの記録又は再生をする光ディスクの
記録及び/又は再生装置、並びに、光ディスクのトラッ
キング制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスクにデータの記録又は
再生を行う光ディスクドライブ装置では、光学ピックア
ップから出射するレーザ光を、光ディスクのトラックの
中心位置に正確に追従させるため、つまり、トラッキン
グさせるため、トラッキングサーボループを形成してル
ープ制御を行っている。
【0003】具体的に、光ディスクドライブ装置では、
トラッキングサーボループを以下のように形成してい
る。光ディスクドライブ装置は、光学ピックアップから
光ディスクのトラック上にレーザ光を照射し、出射した
レーザの反射光をフォトディテクタにより検出する。フ
ォトディテクタは、その反射光を検出して、この反射光
の光量に応じた検出信号をマトリクスアンプに供給す
る。マトリクスアンプは、検出信号を電圧レベルの信号
に変換するとともに、トラックの中心に対するレーザス
ポットの位置ずれ成分を示すトラッキングエラー信号を
生成する。トラッキングエラー信号は、フィルタにより
所定の位相補償がされた後、光学ピックアップの対物レ
ンズを移動させる2軸アクチュエータを駆動するトラッ
キングドライバに供給される。そして、トラッキングド
ライバは、位相補償がされたトラッキングエラー信号に
応じて、2軸アクチュエータのトラッキングコイルを駆
動し、対物レンズを光軸に対して垂直かつ光ディスクの
半径方向に移動させる。
【0004】以上のように、光ディスクドライブ装置で
は、トラッキングサーボループを形成して、トラックの
中心に対するレーザスポットの位置ずれを補正し、光デ
ィスクに照射するレーザ光をトラックの中心に追従させ
るトラッキング制御を行う。ここで、従来の光ディスク
ドライブ装置では、反射光の強度の違いやその強度分の
違い等により、光ディスク毎それぞれでトラッキングサ
ーボのループゲインに変動が生じていた。特に、トラッ
キングエラー信号は、トラックに形成されたガイド溝の
両エッジから得られる反射光の光量の差分を示すプッシ
ュプル信号に基づき生成されるため、反射光の強度の違
いや強度分布に違いによりその感度が大きく異なってし
まっていた。そのため、従来の光ディスクドライブ装置
では、ループゲインの変動を無くすため、光ディスク装
填時やトラッキングの引き込み時等にレーザ光がトラッ
クを横断するときに生じるトラバース信号を検出し、こ
のトラバース信号の振幅を一定にするように、キャリブ
レーション等を行ってループゲインの調整を行ってい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の光デ
ィスクドライブ装置では、同一の光ディスクの記録や再
生を行っている最中であっても、記録面のたわみや歪み
等の存在及び熱変化や経時変化等の影響のためトラッキ
ングサーボ制御のループゲインが変動してしまってい
た。特に、長時間或いは大量のデータの記録や再生を行
うために光ディスクの広範囲のトラックにわたって連続
的にデータの記録や再生を行う場合、反射強度や強度分
布の違いが生じる可能性が高く、ループゲインが変動し
易かった。
【0006】さらに、近年、光ディスクの大容量化のた
め対物レンズの高NA(開口数)化、レーザ光の短波長
化が進み、それに伴いディスク厚が薄くなってきてい
る。そのため、光ディスクに偏心が生じ易く、記録や再
生の最中に反射強度や強度分布の違いが生じる可能性が
さらに高くなり、ループゲインが変動し易くなった。
【0007】しかしながら、従来の光ディスクドライブ
装置では、トラバース信号を検出してループゲインの調
整を行っているため、このループゲインの調整を行うに
は、一旦トラッキングサーボループを切らなければなら
なかった。そのため、従来の光ディスクドライブ装置で
は、データの記録時や再生時において、ループゲインが
変動した場合であっても、リアルタイムに調整を行うこ
とができなかった。
【0008】従って、従来の光ディスクドライブ装置で
は、長時間或いは大量のデータの記録や再生を行うため
に光ディスクの広範囲にわたって連続的にデータの記録
や再生を行う場合に、トラッキングサーボの安定性を確
保することが困難であった。本発明は、このような実情
を鑑みてなされたものであり、リアルタイムで、トラッ
キングサーボ制御でのループゲインの変動を抑え、照射
するレーザ光を正確に記録トラックの中心位置に追従さ
せることができる光ディスクの記録及び/又は再生装置
並びに光ディスクのトラッキング制御方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明に係る光ディスクの記録及び/又は再生装
置は、照射されるレーザスポットを記録トラックの中心
位置に追従させるためこの記録トラックにガイド溝が形
成され、このガイド溝が所定の周波数のウォブル信号に
応じて蛇行形成された光ディスクから、レーザスポット
と記録トラックの中心位置との誤差成分を表すトラッキ
ングエラー信号とウォブル信号とが含まれたプッシュプ
ル信号を検出する検出手段と、上記検出手段により検出
されたプッシュプル信号から、ウォブル信号を検出し
て、このウォブル信号のレベルに応じて、少なくとも上
記トラッキングエラー信号のレベルを制御する制御手段
とを備えることを特徴とする。
【0010】この光ディスクの記録及び/又は再生装置
では、検出したウォブル信号のレベルに応じて、トラッ
キングエラー信号のレベルを制御し、トラッキングサー
ボのループゲインを調整する。
【0011】また、本発明に係る光ディスクのトラッキ
ング制御方法は、照射されるレーザスポットを記録トラ
ックの中心位置に追従させるためこの記録トラックにガ
イド溝が形成され、このガイド溝が所定の周波数のウォ
ブル信号に応じて蛇行形成された光ディスクから、レー
ザスポットと記録トラックの中心位置との誤差成分を表
すトラッキングエラー信号とウォブル信号とが含まれた
プッシュプル信号を検出し、検出されたプッシュプル信
号から、上記ウォブル信号を検出して、このウォブル信
号のレベルに応じて、少なくとも上記トラッキングエラ
ー信号のレベルを制御し、検出されたプッシュプル信号
から、レベルが制御された上記トラッキングエラー信号
を検出して、このトラッキングエラー信号に基づき光デ
ィスクに照射されるレーザスポットの位置を制御するこ
とを特徴とする。
【0012】この光ディスクのトラッキング制御方法で
は、検出したウォブル信号のレベルに応じて、トラッキ
ングエラー信号のレベルを制御し、トラッキングサーボ
のループゲインを調整する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した光ディス
クドライブ装置について、図面を参照しながら説明す
る。この実施の形態の光ディスクドライブ装置は、光デ
ィスクにデータの記録又は再生のいずれか或いは記録及
び再生の両者を行う装置である。
【0014】図1に、本発明の実施の形態の光ディスク
ドライブ装置のブロック構成図を示す。
【0015】光ディスクドライブ装置1は、光ディスク
Dにレーザ光を出射してその反射光を検出する光学ピッ
クアップ2と、この光学ピックアップ2の検出信号から
再生(RF)信号,フォーカスエラー(FE)信号,プ
ッシュプル(PP)信号等を生成するマトリクスアンプ
3と、マトリクスアンプ3により生成されたPP信号を
増幅するゲインコントロールアンプ(GCA)4と、ゲ
インコントロールアンプ4により増幅されたPP信号の
位相補償を行う位相補償フィルタ5と、位相補償フィル
タ5により位相補償されたPP信号に基づき光学ピック
アップ2が有する2軸アクチュエータ15を駆動するア
クチュエータドライバ6と、マトリクスアンプ3により
生成されたPP信号からウォブル信号を検出するバンド
パスフィルタ7と、バンドパスフィルタ7により検出さ
れたウォブル信号をデジタル化するA/Dコンバータ8
と、A/Dコンバータ8によりデジタル化されたウォブ
ル信号に基づきゲインコントロールアンプ4の増幅度を
制御するシステムコントローラ9とを備えている。
【0016】光学ピックアップ2は、レーザダイオード
11から出射するレーザ光を例えば偏光ビームスプリッ
タ12や対物レンズ13等からなる光学系を介して光デ
ィスクDのトラック上に照射し、その照射したレーザ光
の反射光をフォトディテクタ14を用いて検出する。ま
た、光学ピックアップ2は、光ディスクDに照射するレ
ーザ光がジャストフォーカス及びジャストトラックとな
るように対物レンズを移動させる2軸アクチュエータ1
5を有している。
【0017】この光ディスクドライブ装置1が記録又は
再生をする光ディスクDのトラックには、図2に示すよ
うに、対物レンズ13を介して照射されるレーザ光のレ
ーザスポットをトラックの中心位置に追従させるため
に、プリグルーブと呼ばれるガイド溝が形成されてい
る。また、この光ディスクDには、回転速度の制御又は
トラックのアドレス情報のためのウォブル信号が、この
プリグルーブを蛇行形成することにより記録されてい
る。
【0018】光学ピックアップ2のフォトディテクタ1
4は、このようにトラックにプリグルーブが形成された
光ディスクDの反射光を検出して、その検出信号をマト
リクスアンプ3に供給する。
【0019】マトリクスアンプ3は、フォトディテクタ
14からの検出信号を電圧値に変換し、RF信号、FE
信号、PP信号等を生成する。RF信号は、光ディスク
Dに記録されている情報を示す信号であり形成されたピ
ットの反射率の違いに基づき検出され、例えば、光ディ
スクDからの反射光の総光量に基づき生成される。FE
信号は、レーザ光の合焦位置と光ディスクDの記録層と
の位置の違いに基づき検出され、例えば、いわゆる非点
収差法と呼ばれる方式を用いて生成される。
【0020】PP信号は、光ディスクD上のレーザスポ
ットの照射位置と光ディスクDのトラックの中心との位
置の違いに基づき検出され、例えば1ビームプッシュプ
ルや差動プッシュプルと呼ばれるプリグルーブの両エッ
ジからの反射光の差信号を検出する方法を用いて生成さ
れる。
【0021】例えば、マトリクスアンプ3は、フォトデ
ィテクタ14が図3に示すような4分割フォトディテク
タからなる場合には、このフォトディテクタのトラック
の接線方向の中心軸φを中心に、トラックからの反射光
の光量の差分を演算してPP信号を生成する。具体的に
は、PP信号は、4分割された各フォトディテクタの検
出出力A,B,C,Dに基づき、マトリクスアンプ3が
(A+D)−(B+C)を演算することにより生成され
る。このような演算を行うことにより、マトリクスアン
プ3は、トラックの中心に対するレーザスポットの位置
の誤差を示すPP信号を検出することができる。また、
このPP信号には、光ディスクDのプリグルーブが蛇行
形成されていることから、この蛇行に応じて検出される
ウォブル信号が含まれている。
【0022】このようにマトリクスアンプ3により生成
されるPP信号には、トラッキングエラー信号とウォブ
ル信号が含まれている。例えば、このPP信号には、光
ディスクDがCD−R(Compact Disc-Recordable)で
あれば、図4に示すように、その規格上のトラックピッ
チ1.6μmに対して、振幅が25〜36nmのウォブ
ル成分が含まれている。なお、このウォブル信号は、光
ディスクDの最内周から最外周の全面において25〜3
6nmの振幅を有している。
【0023】RF信号は、このマトリクスアンプ3から
図示しないRF信号処理部等に供給され、このRF信号
処理部により、2値化、EFM復調、エラー訂正処理等
がされてインターフェースを介して外部装置に供給され
る。FE信号は、このマトリクスアンプ3から図示しな
いフォーカスサーボ処理部に供給される。このフォーカ
スサーボ処理部は、FE信号を位相補償した後、2軸ア
クチュエータ15を駆動して、FE信号を0とするよう
に対物レンズを移動させ、レーザ光の合焦位置が光ディ
スクDの記録層に一致するように制御を行う。
【0024】PP信号は、このマトリクスアンプ3か
ら、ゲインコントロールアンプ4及びバンドパスフィル
タ7に供給される。
【0025】ゲインコントロールアンプ4は、後述する
システムコントローラ9の制御に従いPP信号のゲイン
を制御し、位相補償フィルタ5に供給する。
【0026】位相補償フィルタ5は、トラッキングサー
ボのループ制御には関係の無い外乱、例えば、ウォブル
信号成分やデータ成分等を除去するとともに、光ディス
クの回転の偏心等による外乱を吸収して、低域における
オープンループサーボゲインをかせぐように位相補償を
行って、アクチュエータドライバ6に供給する。
【0027】アクチュエータドライバ6は、位相補償が
されたPP信号に基づき、2軸アクチュエータ15のト
ラッキングアクチュエータを駆動し、トラッキングエラ
ーを0とするように対物レンズを移動させ、光ディスク
Dに照射されたレーザスポットがトラックの中心に追従
するように制御を行う。
【0028】一方、バンドパスフィルタ7は、供給され
たPP信号からウォブル信号を検出し、A/Dコンバー
タ8に供給する。このバンドパスフィルタ7は、光ディ
スクDが例えばCD−Rであれば、PP信号から、2
2.05kHz±1KHzの帯域成分のみを取出してA
/Dコンバータ8に供給する。
【0029】A/Dコンバータ8は、検出されたウォブ
ル信号をデジタル化して、システムコントローラ9に供
給する。
【0030】システムコントローラ9は、デジタル化さ
れたウォブル信号に基づき、ゲインコントロールアンプ
4のゲイン調整を行う。
【0031】ここで、このシステムコントローラ9は、
図5のフローチャートに示すようにゲインコントロール
アンプ4のゲイン調整を行う。
【0032】すなわち、システムコントローラ9は、デ
ィスクの装填時、記録開始時、再生開始時等において、
フォーカスサーボをオンさせてフォーカスを引き込む
(ステップS1)。
【0033】続いて、システムコントローラ9は、トラ
ッキングサーボをオンさせてトラッキングサーボループ
を引き込む。このときに、システムコントローラ9は、
レーザ光がトラックを横断するときに生じるトラバース
信号等を検出して、PP信号が所定のレベルとなるよう
にゲインコントロールアンプ4の増幅度を設定する。例
えば、システムコントローラ9は、トラバース信号のピ
ーク間の電圧が1ボルトとなるように設定する(ステッ
プS2)。
【0034】続いて、システムコントローラ9は、この
ときのウォブル信号の振幅を測定し、その値を初期設定
値として記憶しておく。例えば、ウォブル信号のピーク
間電圧が100mボルトであれば、この値を記憶してお
く(ステップS3)。
【0035】システムコントローラ9は、以上ステップ
S1〜ステップS3までの処理を、イニシャル処理とし
て、ディスク装填時、記録開始時、再生開始時等に行
う。
【0036】続いて、システムコントローラ9は、光デ
ィスクDへのデータの記録中、又は、光ディスクDから
のデータの再生中に、ウォブル信号の振幅を測定する
(ステップS4)。
【0037】続いて、システムコントローラ9は、検出
したウォブル信号の振幅を、初期設定値として記憶した
ウォブル信号の振幅値と比較する。システムコントロー
ラ9は、比較した結果に基づき、ゲインコントロールア
ンプ4のゲインを増減させる。例えば、ウォブル信号と
PP信号には比例関係があることから、システムコント
ローラ9は、ウォブル信号の初期設定値と測定値とを比
較して、このウォブル信号の増減の割合に応じた増幅度
を設定する。
【0038】つまり、システムコントローラ9は、光デ
ィスクの内周側から外周側にわたる全面において記録さ
れたウォブル信号の振幅が略同一であることから、検出
したウォブル信号の振幅の変動がPP信号の振幅の変動
に比例しているものとして、その変動の割合に応じたゲ
イン調整を行う。
【0039】システムコントローラ9は、このステップ
S4とステップS5の処理を、データの記録中、及び、
データの再生中に常に行い、ゲインコントロールアンプ
4のゲインを制御する。
【0040】以上のようにステップS1〜ステップS5
までの処理を行うことにより、システムコントローラ9
では、記録中又は再生中におけるプッシュプル信号の変
動を抑えることができる。
【0041】つぎに、光ディスクドライブ装置1におい
て、ウォブル信号の変動に応じてゲインを調整したプッ
シュプル信号等の測定結果を示す。これら図6〜図8に
は、一例として市販されたCD−Rを内周から外周まで
再生した場合の、プッシュプル信号等の振幅の変動率を
示している。
【0042】図6には、サンプルディスク1、サンプル
ディスク2、サンプルディスク3の3つのディスクを最
内周から最外周まで再生し、何等ゲインの調整をしなか
った場合のプッシュプル信号の振幅の変化率を示してい
る。横軸には、データの再生時間を示しており、縦軸に
は、最内周トラックにおけるプッシュプル信号の振幅を
1とした場合の変化率を示している。この図6から、プ
ッシュプル信号の振幅が、光ディスクD上の各位置で変
動していることがわかる。
【0043】図7には、サンプルディスク1、サンプル
ディスク2、サンプルディスク3の3つのディスクを最
内周から最外周まで再生し、各サンプルディスクから検
出されるウォブル信号の振幅の変化率を示している。横
軸には、データの再生時間を示しており、縦軸には、最
内周トラックにおけるウォブル信号の振幅を1とした場
合の変化率を示している。この図7から、ウォブル信号
の振幅が、上記プッシュプル信号の振幅に比例している
ことがわかる。
【0044】図8には、サンプルディスク1、サンプル
ディスク2、サンプルディスク3の3つのディスクから
検出されるプッシュプル信号をウォブル信号により正規
化した場合の変化率を示している。横軸には、データの
再生時間を示しており、縦軸には、最内周トラックにお
けるプッシュプル信号の振幅を1とした場合の変化率を
示している。この図8から、プッシュプル信号をウォブ
ル信号により正規化することによって、振幅の変動が抑
えられることがわかる。
【0045】以上のように光ディスクドライブ装置1で
は、システムコントローラ9が、検出したウォブル信号
のレベルに応じて、プッシュプル信号のレベルを制御
し、トラッキングサーボのループゲインを調整すること
により、光ディスクDにおける記録面のたわみや歪み等
の存在及び熱変化や経時変化等の影響のため記録又は再
生の最中にトラッキングサーボ制御のループゲインが変
動した場合であっても、トラッキングサーボ制御でのル
ープゲインの変動を抑え、照射するレーザ光をトラック
の中心位置に安定して追従させることができる。
【0046】なお、以上説明した光ディスクドライブ装
置1では、マトリクスアンプ3により直接出力されるプ
ッシュプル信号に基づきウォブル信号を検出して、この
マトリクスアンプ3から出力されるプッシュプル信号の
ゲインを調整する例を示したが、本発明では、ウォブル
信号に応じてプッシュプル信号に含まれるトラッキング
エラー信号のゲインを調整することができれば良いこと
から、そのゲインの調整方式は、この例の方式には限ら
れない。
【0047】例えば、ゲインコントロールアンプ4から
出力されるウォブル信号を検出して、このウォブル信号
が一定となるように、このゲインコントロールアンプ4
のゲインを調整するようなフィードバック制御を行って
も良いし、また、ウォブル信号を検出して、レーザダイ
オード11から出射するレーザ光の強度を制御してもよ
い。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明にかかる光ディスク
の記録及び/又は再生装置並びに光ディスクのトラッキ
ング制御方法では、検出したウォブル信号のレベルに応
じて、トラッキングエラー信号のレベルを制御し、トラ
ッキングサーボのループゲインを調整する。
【0049】このことにより、本発明では、同一の光デ
ィスクにおける記録面のたわみや歪み等の存在及び熱変
化や経時変化等の影響のため記録又は再生の最中にトラ
ッキングサーボ制御のループゲインが変動した場合であ
っても、リアルタイムでトラッキングサーボ制御でのル
ープゲインの変動を抑え、照射するレーザ光を記録トラ
ックの中心位置に安定して追従させることができる。
【0050】また、本発明では、例えば、長時間或いは
大量のデータの記録や再生を行うといった光ディスクの
広範囲にわたって連続的にデータの記録や再生を行う場
合に、データの記録又は再生範囲全面にわたってループ
ゲインの変動を抑えることができ、照射するレーザ光を
記録トラックの中心位置に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の光ディスクドライブ装置
のブロック構成図である。
【図2】上記光ディスクドライブ装置により記録又は再
生される光ディスクを説明する図である。
【図3】上記光ディスクドライブ装置のフォトディテク
タの一例を示す図である。
【図4】光ディスクドライブ装置により検出されるプッ
シュプル信号を説明する波形図である。
【図5】上記光ディスクドライブ装置の処理内容を説明
するフローチャートである。
【図6】プッシュプル信号の振幅の変化率を示す図であ
る。
【図7】ウォブル信号の振幅の変化率を示す図である。
【図8】上記ウォブル信号により正規化した場合のプッ
シュプル信号の変化率を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスクドライブ装置、2 光学ピックアップ、
3 マトリクスアンプ、4 ゲインコントロールアン
プ、5 位相補償フィルタ、6 アクチュエータドライ
バ、7 バンドパスフィルタ、8 A/Dコンバータ、
9 システムコントローラ、11 レーザダイオード、
12 偏光ビームスプリッタ、13 対物レンズ、14
フォトディテクタ、15 2軸アクチュエータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照射されるレーザスポットを記録トラッ
    クの中心位置に追従させるためこの記録トラックにガイ
    ド溝が形成され、このガイド溝が所定の周波数のウォブ
    ル信号に応じて蛇行形成された光ディスクから、レーザ
    スポットと記録トラックの中心位置との誤差成分を表す
    トラッキングエラー信号とウォブル信号とが含まれたプ
    ッシュプル信号を検出する検出手段と、 上記検出手段により検出されたプッシュプル信号から、
    ウォブル信号を検出して、このウォブル信号のレベルに
    応じて、少なくとも上記トラッキングエラー信号のレベ
    ルを制御する制御手段とを備える光ディスクの記録及び
    /又は再生装置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、プッシュプル信号から
    検出されたトラッキングエラー信号の増幅率を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスクの記録及
    び/又は再生装置。
  3. 【請求項3】 上記制御手段は、光ディスクに照射する
    レーザパワーを制御することを特徴とする請求項1に記
    載の光ディスクの記録及び/又は再生装置。
  4. 【請求項4】 照射されるレーザスポットを記録トラッ
    クの中心位置に追従させるためこの記録トラックにガイ
    ド溝が形成され、このガイド溝が所定の周波数のウォブ
    ル信号に応じて蛇行形成された光ディスクから、レーザ
    スポットと記録トラックの中心位置との誤差成分を表す
    トラッキングエラー信号とウォブル信号とが含まれたプ
    ッシュプル信号を検出し、 検出されたプッシュプル信号から、上記ウォブル信号を
    検出して、このウォブル信号のレベルに応じて、少なく
    とも上記トラッキングエラー信号のレベルを制御し、 検出されたプッシュプル信号から、レベルが制御された
    上記トラッキングエラー信号を検出して、このトラッキ
    ングエラー信号に基づき光ディスクに照射されるレーザ
    スポットの位置を制御することを特徴とする光ディスク
    のトラッキング制御方法。
  5. 【請求項5】 上記プッシュプル信号から検出されたト
    ラッキングエラー信号の増幅率を制御することを特徴と
    する請求項4に記載の光ディスクのトラッキング制御方
    法。
  6. 【請求項6】 光ディスクに照射するレーザパワーを制
    御することを特徴とする請求項4に記載の光ディスクの
    トラッキング制御方法。
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