JPH11192831A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH11192831A
JPH11192831A JP3632498A JP3632498A JPH11192831A JP H11192831 A JPH11192831 A JP H11192831A JP 3632498 A JP3632498 A JP 3632498A JP 3632498 A JP3632498 A JP 3632498A JP H11192831 A JPH11192831 A JP H11192831A
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上村  幸男
Manabu Miyata
学 宮田
Takuya Natsume
卓也 夏目
Kazufumi Yomo
四方  一史
Hikari Sugi
光 杉
Teruhiko Kameoka
輝彦 亀岡
Kazutoshi Kuwayama
和利 桑山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外気導入による車室内換気機能および外気脱
臭機能の確保と、脱臭用フィルタの高圧損による空調装
置の風量低下の回避とを両立させる。 【解決手段】 外気導入口18および内気導入口19を
開閉する内外気切替用ロータリドア14の円周壁14a
の空気下流側(内周側)に、空気中の悪臭成分を吸着す
る脱臭フィルタ25を円周壁14aから所定間隔Lの隙
間24を介して配置するとともに、この脱臭フィルタ2
5をロータリドア14と一体に回動するように構成す
る。円周壁14aが外気導入口18および内気導入口1
9の両者を中間開度で開く中間開度位置に、内外気切替
ドア14が変位したとき、内気導入口19から内外気切
替箱13の出口側に直接流れる内気の流れと、外気導入
口18から隙間24を通って脱臭フィルタ25を通過し
た後に内外気切替箱13の出口側に流れる外気の流れと
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内外気切替機能と脱
臭用フィルタ機能とを組み合わせた車両用空調装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両搭乗時に、その前方を走行す
る前方車からのディーゼル排気ガス臭が車室内へ流入す
るのを阻止するためには、車両用空調装置の内外気切替
装置を全内気モードにするか、あるいは全外気モードに
おいて外気の全風量を脱臭用フィルタを通過させ、この
脱臭用フィルタにて外気中の悪臭成分を吸着する必要が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、全内気
モードを長時間継続すると、車室内の換気を行うことが
できないので、車室内のCO2 濃度が高くなり、乗員の
人体生理作用に対して悪影響を及ぼす。また、全外気モ
ードにして外気の全風量を脱臭用フィルタを通過させる
と、脱臭用フィルタは吸着材担持のために高圧損な構成
になっているので、空調装置の風量が大幅に減少して、
空調能力の低下を来すとともに、高圧損の通風系となる
ために送風騒音が増大するという不具合がある。
【0004】なお、実開平2−17413号公報では、
ロータリドアの円弧状の円周壁にて内外気の導入を切り
替えるとともに、このロータリドアに脱臭用フィルタを
内蔵する車両用空調装置が提案されているが、この従来
技術では、全外気モードおよび全内気モードのいずれで
も、外気、内気の全風量が常に脱臭用フィルタを通過す
る構成であるので、脱臭用フィルタの高圧損により空調
装置の風量が大幅に減少してしまうという不具合があ
る。
【0005】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
車両用空調装置において、外気導入による車室内換気機
能および外気脱臭機能の確保と、脱臭用フィルタの高圧
損による空調装置の風量低下の回避とを両立させること
を目的とする。また、本発明は、脱臭用フィルタの高圧
損による空調装置の風量低下よりも、脱臭用フィルタに
よる外気または内気の脱臭機能を優先的に発揮させたい
場合には、全外気または全内気の脱臭モードを設定でき
るようにすることを他の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、外気導入口(18)およ
び内気導入口(19)を開閉する内外気切替ドア(1
4)の壁部(14a)の空気下流側に、空気中の悪臭成
分を吸着する脱臭フィルタ(25)を壁部(14a)か
ら所定間隔の隙間(24)を介して配置するとともに、
この脱臭フィルタ(25)を内外気切替ドア(14)と
一体に変位するようにし、壁部(14a)が外気導入口
(18)および内気導入口(19)の両者を中間開度で
開く中間開度位置に、内外気切替ドア(14)が変位し
たとき、内気導入口(19)から内外気切替箱(13)
の出口側に直接流れる内気の流れと、外気導入口(1
8)から隙間(24)を通って脱臭フィルタ(25)を
通過した後に内外気切替箱(13)の出口側に流れる外
気の流れとを形成することを特徴としている。
【0007】これによると、内気中に外気を混入して車
室内に導入でき、外気の導入による車室内換気を達成で
きる。しかも、外気導入口(18)からの外気を脱臭フ
ィルタ(25)を通過させて脱臭できるので、前方車か
らのディーゼル排気ガス臭等が車室内へ流入するのを阻
止できる。さらに、脱臭フィルタ(25)を通過する脱
臭風量は全導入風量の一部であって、小風量であり、導
入風量の多くは圧損の小さい内気導入口(19)側流路
を通過するから、脱臭フィルタ(25)が高圧損であっ
ても、全導入風量の減少を僅少に抑えることができる。
【0008】また、請求項2記載の発明では、内外気切
替箱(13)に、内気導入口(19)と独立に、内気を
導入する補助内気導入口(20)を設けるとともに、こ
の補助内気導入口(20)を開閉する補助内気ドア(2
1)を設け、内外気切替ドア(14)が上記の中間開度
位置に変位したとき、補助内気ドア(21)を補助内気
導入口(20)の開放位置に変位させるとともに、外気
導入口(18)から外気が隙間(24)に流入するよう
に補助内気ドア(21)により外気の流れを案内するこ
とを特徴としている。
【0009】これによると、補助内気導入口(20)の
開放により内気導入量の増加を図って、空調能力を増大
できるとともに、補助内気ドア(21)のエアガイド作
用により、脱臭フィルタ(25)を通過する外気量をも
良好に確保することができ、車室内換気の機能も十分達
成できる。また、請求項3記載の発明では、内外気切替
箱(13)の内部のうち、内外気切替ドア(14)の壁
部(14a)の空気下流側の部位に、内外気切替ドア
(14)とは独立に変位可能なフィルタ保持部材(1
5)を備え、このフィルタ保持部材(15)にも空気中
の悪臭成分を吸着する脱臭フィルタ(28)を配置する
とともに、この脱臭フィルタ(28)をフィルタ保持部
材(15)と一体に変位するようにし、外気導入口(1
8)および内気導入口(19)のいずれか一方を内外気
切替ドア(14)の壁部(14a)により閉塞し、他方
の導入口を開放するときに、この開放された導入口から
の空気を脱臭する必要があるときには、フィルタ保持部
材(15)が前記開放された導入口側へ変位して、前記
開放された導入口からの空気をフィルタ保持部材(1
5)の脱臭フィルタ(28)を通過させ、かつ、前記開
放された導入口からの空気を脱臭する必要がないときに
は、フィルタ保持部材(15)が内外気切替ドア(1
4)の壁部(14a)の空気下流側に変位するようにし
たことを特徴としている。
【0010】これによると、全外気モードまたは全内気
モードにおいて、脱臭の必要があるときだけに、フィル
タ保持部材(15)を開放された外気導入口(18)ま
たは内気導入口(19)側へ変位して、外気または内気
の全量をフィルタ保持部材(15)の脱臭フィルタ(2
8)により脱臭できる。しかも、脱臭フィルタ(28)
を装備したフィルタ保持部材(15)が内外気切替ドア
(14)とは異なる位置に変位して、脱臭フィルタ(2
8)を内外気の導入口(18、19)の正面位置に向か
い合わせることが可能となる。そのため、第2脱臭フィ
ルタ(28)の全面積で比較的均一に悪臭成分の吸着を
行うことができ、脱臭フィルタ(28)の長寿命化、脱
臭効率の向上を図ることができる。
【0011】同時に、脱臭フィルタ(28)は吸着材お
よびそれを担持するフィルタ基材で構成されているか
ら、内外気切替ドア(14)に比してはるかに吸音特性
が優れてきる。従って、脱臭フィルタ(28)が内外気
の導入口(18、19)の正面位置に向かい合うことに
より、内外気の吸込音を脱臭フィルタ(28)にて良好
に吸収、低減することができる。
【0012】一方、脱臭の必要がないときは、フィルタ
保持部材(15)が内外気切替ドア(14)の壁部(1
4a)の空気下流側に変位させることにより、フィルタ
保持部材(15)の脱臭フィルタ(28)をバイパスし
て外気または内気を流すことができ、脱臭フィルタ(2
8)の高圧損による風量低下を防止できる。なお、内外
気切替ドアは請求項4記載のように回転中心(16)を
中心として回動可能に配置されたロータリドア(14)
にて構成でき、このロータリドア(14)では外気導入
口(18)および内気導入口(19)を開閉する壁部は
回転中心(16)を中心とする円弧状の円周壁(14
a)で構成される。
【0013】脱臭フィルタ(25)は円周壁(14a)
の内周側に所定間隔の隙間(24)を介して配置されて
ロータリドア(14)と一体に回動する。このように、
ロータリドア(14)に脱臭フィルタ(25)を内蔵す
る構成とすることにより、小型な小スペースの体格にて
内外気切替装置を構成できる。また、請求項5記載の発
明では、内外気切替ドア(14)が中間開度位置に変位
するとき、外気導入口(18)および内気導入口(1
9)からの全導入風量に対する外気の導入割合を30%
以下にすることを特徴としている。
【0014】このように、外気の導入割合を30%以下
に制限することにより、必要換気量を確保しながら、し
かも、内気循環量の割合を多くして、空調熱負荷を小さ
くすくことができ、暖房時の吹出空気温度の上昇による
能力向上、また、冷房時では圧縮機駆動動力の低減を図
ることができる。さらに、脱臭フィルタ(25)を通過
する外気は少量であるから、脱臭フィルタ(25)への
外気流入速度を小さくすることができ、脱臭フィルタ
(25)での圧損を僅少にすることができるとともに、
脱臭フィルタ(25)の通過風量が少ないため、脱臭フ
ィルタ(25)を長寿命化でき、有利である。
【0015】次に、請求項6記載の発明では、内外気切
替箱(13)内に変位可能に配置された内外気切替ドア
(14)の壁部(14a)により外気導入口(18)お
よび内気導入口(19)を開閉するようにした車両用空
調装置において、内外気切替箱(13)の内部のうち、
内外気切替ドア(14)の壁部(14a)の空気下流側
の部位に、内外気切替ドア(14)とは独立に変位可能
なフィルタ保持部材(15)を備え、内外気切替ドア
(14)およびフィルタ保持部材(15)のうち、少な
くともフィルタ保持部材(15)に空気中の悪臭成分を
吸着する脱臭フィルタ(28)を配置するとともに、こ
の脱臭フィルタ(28)をフィルタ保持部材(15)と
一体に変位するようにし、外気導入口(18)および内
気導入口(19)のいずれか一方を内外気切替ドア(1
4)の壁部(14a)により閉塞し、他方の導入口を開
放するときに、この開放された導入口からの空気を脱臭
する必要があるときには、フィルタ保持部材(15)が
開放された導入口側へ変位して、開放された導入口から
の空気を脱臭フィルタ(28)を通過させ、かつ、開放
された導入口からの空気を脱臭する必要がないときに
は、フィルタ保持部材(15)が内外気切替ドア(1
4)の壁部(14a)の空気下流側に変位するようにし
たことを特徴としている。
【0016】請求項6記載の発明では、前述した請求項
3記載の発明と同様の作用を果たすことができるので、
全外気モードまたは全内気モードにおいて、脱臭の必要
があるときだけに、外気または内気の全量をフィルタ保
持部材(15)の脱臭フィルタ(28)により脱臭でき
る。しかも、脱臭フィルタ(28)を内外気の導入口
(18、19)の正面位置に向かい合わせることが可能
となるので、脱臭フィルタ(28)の長寿命化、脱臭効
率の向上を図ることができる。同時に、脱臭フィルタ
(28)の吸音特性により、内外気の吸込音を脱臭フィ
ルタ(28)にて良好に吸収、低減することができる。
【0017】一方、脱臭の必要がないときは、フィルタ
保持部材(15)が内外気切替ドア(14)の壁部(1
4a)の空気下流側に変位することにより、脱臭フィル
タ(28)の高圧損による風量低下を防止できる。ま
た、請求項7記載の発明では、請求項6において、内外
気切替ドア(14)の壁部(14a)の空気下流側に、
空気中の脱臭成分を吸着する脱臭フィルタ(25)を壁
部(14a)から所定間隔の隙間(24)を介して配置
するとともに、この脱臭フィルタ(25)を内外気切替
ドア(14)と一体に変位するようにし、壁部(14
a)が外気導入口(18)および内気導入口(19)の
両者を中間開度で開く中間開度位置に、内外気切替ドア
(14)が変位したとき、内気導入口(19)から内外
気切替箱(13)の出口側に直接流れる内気の流れと、
外気導入口(18)から隙間(24)を通って内外気切
替ドア(14)の脱臭フィルタ(25)、およびフィル
タ保持部材(15)の脱臭フィルタ(25)を通過した
後に内外気切替箱(13)の出口側に流れる外気の流れ
とを形成することを特徴としている。
【0018】従って、請求項7記載の発明によると、請
求項6記載の発明と、請求項1記載の発明の作用効果を
合わせ奏することができる。また、請求項8記載の発明
では、車室外の臭い成分を検出する車室外臭いセンサ
(45)を備え、この車室外臭いセンサ(45)の検出
信号に基づいて外気の脱臭を行う必要があると判定され
たときは、内外気切替ドア(14)を前記中間開度位置
に変位させることを特徴としている。
【0019】これによると、内気中に外気を一部混入す
るとともに、外気を脱臭する吸入モードを、車室外臭い
センサ(45)の検出信号により自動設定できる。ま
た、請求項9記載の発明では、車室外の臭い成分を検出
する車室外臭いセンサ(45)および外気温を検出する
外気温センサ(44)を備え、この車室外臭いセンサ
(45)の検出信号に基づいて外気の脱臭を行う必要が
あると判定され、かつ外気温センサ(44)の検出信号
に基づいて外気温が寒冷時に相当する所定温度以下であ
ると判定されたときは、内外気切替ドア(14)を外気
導入口(18)が全開され、内気導入口(19)が全閉
される全外気モード位置に変位させるとともに、フィル
タ保持部材(15)を外気導入口(18)側へ変位させ
て、外気導入口(18)からの外気をフィルタ保持部材
(15)の脱臭フィルタ(28)を通過させることを特
徴としている。
【0020】ところで、車両用空調装置では、通常、寒
冷時のような低外気温時には、空調用冷凍サイクルの圧
縮機が停止され、冷媒蒸発器による除湿作用が得られな
いが、請求項9記載の発明によると、低外気温時には外
気温センサ(44)の検出信号に基づいて全外気モード
を自動設定できるので、内気(高湿度)の混入による窓
ガラスの曇り発生を防止できる。しかも、車室外臭いセ
ンサ(45)の検出信号に基づいて外気の脱臭を行う必
要があると判定したときは、フィルタ保持部材(15)
の脱臭フィルタ(28)を外気導入口(18)側へ変位
させて外気の脱臭を行うことができる。
【0021】また、請求項10記載の発明では、車室内
の臭い成分を検出する車室内臭いセンサ(46)を備
え、外気導入口(18)を全閉し、内気導入口(19)
を全開する全内気モードとする条件にあるときに、車室
内臭いセンサ(46)の検出信号に基づいて内気の脱臭
を行う必要があると判定されたときは、内外気切替ドア
(14)を全内気モード位置に変位させるとともに、フ
ィルタ保持部材(15)を内気導入口(19)側へ変位
させて、内気導入口(19)からの内気をフィルタ保持
部材(15)の脱臭フィルタ(28)を通過させること
を特徴としている。
【0022】これによると、全内気モード時にフィルタ
保持部材(15)の脱臭フィルタ(28)で内気を脱臭
するモードを車室内臭いセンサ(46)の検出信号に基
づいて自動設定できる。また、請求項11記載の発明で
は、内外気切替ドア(14)の壁部(14a)のうち、
前記変位の方向と直交する方向の端部に支持軸(14
e)を形成するとともに、内外気切替箱(13)の壁面
に支持軸(14e)を摺動可能に嵌合支持する溝部(2
3)を形成し、支持軸(14e)と溝部(23)との嵌
合部を空気が流通するのを阻止するシール部材(52)
を備えることを特徴としている。
【0023】これによると、シール部材(52)にて上
記嵌合部を通る空気の流通(洩れ)を確実に防止でき
る。これにより、一部外気混入内気モードにおいて、脱
臭フィルタ(28)をバイパスして、上記嵌合部を空気
が通過する等の不具合を解消できる。また、請求項11
のシール部材(52)は、具体的には、請求項12に記
載のように、2枚の低摩擦材からなるサイドプレート
(52a)と、この2枚のサイドプレート(52a)の
間に配置された弾性体(52b)から構成し、この弾性
体(52b)の弾性反発力によりサイドプレート(52
a)を内外気切替ドア(14)の壁部(14a)の端部
および溝部(23)の端部に圧接させる構成とすれば、
上記空気の流通を防止するシール作用を良好に発揮でき
る。
【0024】さらに、上記請求項6ないし12記載の発
明における内外気切替ドアは、請求項11記載のよう
に、回動可能なロータリドア(14)で構成でき、ま
た、フィルタ保持部材(15)も同様に回動可能な構成
とすることができる。なお、上記各手段の括弧内の符号
は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を
示すものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)図1〜図10は第1実施形態を示すも
ので、車両用空調装置における送風機ユニット10を示
している。この送風機ユニット10は車室内前部に設置
される計器盤下方の助手席前方側に搭載されるものであ
って、車両搭載状態における上方側に内外気切替装置1
1を配置し、この内外気切替装置11の下方側に送風機
12を配置している。そして、この両者11、12を一
体に連結して1つのユニットとして構成している。
【0026】内外気切替装置11は樹脂製の内外気切替
箱13を有しており、その上方部には円弧状の円周壁面
17(図2参照)が形成されており、この円周壁面17
は後述するロータリドア14およびフィルタ保持部材1
5の回転中心16を中心とする円弧状に形成されてい
る。また、この円周壁面17のうち、車両前方側の部位
に外気を導入する外気導入口18が開口しており、ま
た、円周壁面17の車両後方側(乗員側)の部位に内気
を導入する内気導入口19が開口している。
【0027】また、内外気切替箱13において、車両前
方側の側面壁には、上記内気導入口19に比して開口面
積が十分小さい補助内気導入口20が開口している。こ
の補助内気導入口20は補助内気ドア21により開閉さ
れる。この補助内気ドア21は回転軸21aを中心とし
て回動可能な平板状のドアである。次に、本発明の要部
をなすロータリドア14およびフィルタ保持部材15に
ついて詳述すると、この両者14、15はいずれも樹脂
の一体成形品からなり、ロータリドア14は内外気切替
ドアを構成するものであって、回転中心16を中心とす
る円弧状の円周壁14aを有している。この円周壁14
aは円弧状の円周壁面17の内周側に配置され、外気導
入口18および内気導入口19の開口面積よりも大きい
面積を持つように形成されている。従って、円周壁14
aの回動により両導入口18、19を開閉することがで
き、本例では、円周壁14aにより両導入口18、19
を開閉する壁部が構成されている。
【0028】ロータリドア14はその軸方向の一端側
(図1の左端部側)に側面板14bを有している。この
側面板14bは図2に示すように円周壁14aから内周
側に垂下する扇形の形状であり、そして、扇の要の位置
に、上記回転中心16を持つ円柱状の回転軸14cが軸
方向の外方へ突出するように一体成形されている。この
回転軸14cは内外気切替箱13の車両左側の側面壁に
設けられた軸受穴22に遊嵌合で挿入され、回動可能に
支持されている。
【0029】また、ロータリドア14の軸方向の他端側
(図1の右端部側)には円周壁14aから内周側に僅小
寸法だけ垂下する円弧状側面板14dが形成され、この
円弧状側面板14dにも軸方向の外方へ突出する円柱状
の支持軸14eが一体成形されている。この支持軸14
eは内外気切替箱13の車両右側の側面壁に設けられた
円弧状の軸受溝23に遊嵌合で挿入され、摺動可能に支
持されている。この円弧状軸受溝23の円周角によって
ロータリドア14の最大回動範囲(回動角)が決定され
る。
【0030】また、ロータリドア14の円周壁14aの
内周側には所定間隔Lの隙間24を介在して第1脱臭フ
ィルタ25が設置されている。この第1脱臭フィルタ2
5は図2に示すように円周壁14aに沿う円弧状のもの
であって、以下の支持構造にてロータリドア14の円周
壁14aの内周側に内蔵されている。すなわち、図2に
示すように、ロータリドア14の円周壁14aの円周方
向両端部には、円周壁14aの内周側に垂下する支持板
14f、14gが形成されている。この支持板14f、
14gはロータリドア14の軸方向に細長く延びる長方
形の形状であり、この支持板14f、14gによって、
軸方向両端の側面板14b、14dが一体に連結されて
いる。また、支持板14f、14gにはそれぞれ第1脱
臭フィルタ25の下面部を支持する突出片14h、14
iが形成されている。また、ロータリドア14の軸方向
両端部の側面板14b、14dにも第1脱臭フィルタ2
5の下面部を支持する突出片14j、14kが形成され
ている。
【0031】第1脱臭フィルタ25は上記した突出片1
4h〜14kの上に載置、支持されることにより、ロー
タリドア14の円周壁14aの内周側に脱着可能に内蔵
されている。また、ロータリドア14の円周壁14aの
円周方向両端部の支持板14f、14gのうち、図2左
側の支持板14fには外気導入口18からの外気を円周
壁14aの内周側の隙間24に導入するための開口部1
4mが開けてある。
【0032】なお、円周壁14aの外周面にはゴム等の
弾性材からなるシール材26が接着等により固着されて
いる。このシール材26は外気導入口18および内気導
入口19の開口縁部に対応する四角形(矩形)の枠形状
になっている。一方、内外気切替箱13の円弧状の円周
壁面17には、外気導入口18および内気導入口19の
開口縁部に沿って内周側に突出する断面三角形状の突出
リブ27が一体成形されている。
【0033】そして、この突出リブ27とシール材26
とを圧着させることにより、円弧状の円周壁面17にて
外気導入口18または内気導入口19を確実に閉塞し、
外気中への内気混入とか、内気中への外気混入といった
不具合を防止する。次に、フィルタ保持部材15は、ロ
ータリドア14の円周壁面17の内周側に位置する第1
脱臭フィルタ25のさらに内周側に収納可能に構成され
るものであって、第2脱臭フィルタ28を内蔵してい
る。しかし、フィルタ保持部材15は内外気の切替作用
を果たすものではないので、上記円周壁14aに相当す
る円周壁は持っていない。
【0034】フィルタ保持部材15の軸方向の一端部に
は、第1脱臭フィルタ25の内周側に位置する側面板1
5aが形成されている。この側面板15aは第1脱臭フ
ィルタ25の内周側から僅小寸法だけ垂下する円弧状の
形状であって、この円弧状側面板15aには軸方向の外
方へ突出する円柱状の支持軸15bが一体成形されてい
る。この支持軸15bはロータリドア14の扇形の側面
板14bに形成された円弧状の軸受溝29に遊嵌合で挿
入され、摺動可能に支持されている。この円弧状軸受溝
29の円周角によってフィルタ保持部材15の最大回動
範囲(回動角)が決定される。
【0035】また、フィルタ保持部材15の軸方向の他
端部には側面板15cが形成されている。この側面板1
5cは図2に示すように扇形の形状であり、かつロータ
リドア14の支持軸14eよりも内周側の位置から半径
方向内方へ垂下している。そして、扇の要の位置に上記
回転中心16を持つ円柱状の回転軸15dが軸方向の外
方へ突出するように一体成形されている。この回転軸1
5dは内外気切替箱13の車両右側の側面壁に設けられ
た軸受穴30に遊嵌合で挿入され、回動可能に支持され
ている。
【0036】次に、フィルタ保持部材15に対する第2
脱臭フィルタ28の支持構造を説明すると、フィルタ保
持部材15の側面板15a、15cの円周方向両端部の
外周側には、ロータリドア14の支持板14f、14g
の内周側に垂下する支持板15e、15fが形成されて
いる。この支持板15e、15fはフィルタ保持部材1
5の軸方向に細長く延びる長方形の形状であり、この支
持板15e、15fによって、軸方向両端の側面板15
a、15cが一体に連結されている。
【0037】また、この支持板15e、15fにはそれ
ぞれ第2脱臭フィルタ28の下面部を支持する突出片1
5g、15hが形成されている。また、フィルタ保持部
材15の軸方向両端部の側面板15a、15cにも第2
脱臭フィルタ28の下面部を支持する突出片15i、1
5jが形成されている。第2脱臭フィルタ28は上記し
た突出片15g〜15jの上に載置、支持されることに
より、フィルタ保持部材15の内部に脱着可能に内蔵さ
れている。
【0038】ところで、上記した第1、第2脱臭フィル
タ25、28はともに同一の材質から構成されるもので
あって、外気中の悪臭成分(例えば、アセトアルデヒド
のようなディーゼル排気ガス臭気成分)を吸着する脱臭
剤(活性炭等)を、ウレタンフォームのような多孔質フ
ィルタ基材に適宜のバインダーにより担持させたもので
ある。このバインダーとしては、排気ガス臭気成分の吸
着効率向上のため、酸性のものが好ましい。この脱臭剤
を担持した多孔質フィルタ基材をコルゲート状(波状)
に襞折り加工することにより、フィルタ面積を増大して
いる。また、コルゲート状の多孔質フィルタ基材の周縁
部を樹脂製等の枠体で保持する構成となっている。
【0039】このような構成からなる第1、第2脱臭フ
ィルタ25、28は活性炭等の脱臭剤の担持により通風
抵抗(圧損)が除塵フィルタ31よりも大幅に大きくな
る。除塵フィルタ31は、図1、2に示すように、内外
気切替箱13の内部において、ロータリドア14および
フィルタ保持部材15の回転軸14c、15dの近傍位
置、すなわち内外気切替箱13の出口側に配置される。
【0040】内外気切替箱13の出口側には、ロータリ
ドア14の扇形側面板14bの軸方向内側に位置するフ
ィルタ支持壁32、およびフィルタ保持部材15の扇形
側面板15cの軸方向内側に位置するフィルタ支持壁3
3が一体成形されている。除塵フィルタ31は、この両
フィルタ支持壁32、33と、内外気切替箱13の車両
前後方向の2つの側面壁との間に挿入し得る四角形状で
あって、両フィルタ支持壁32、33および内外気切替
箱13の車両前後方向の2つの側面壁にそれぞれ除塵フ
ィルタ31の下面部を支持する突出片32a、33a、
34が形成されている。
【0041】従って、これらの突出片32a、33a、
34の上に除塵フィルタ31を載置することにより、除
塵フィルタ31が内外気切替箱13内の回転軸14c、
15d近傍の位置(換言すると、内外気切替箱13の出
口側で、後述の送風機吸入口36の直前位置)に脱着可
能に内蔵される。除塵フィルタ31は内外気切替箱13
内に導入される内気または外気中の塵埃を除去するため
のもので、例えば、濾紙、多孔質ウレタンフォームのよ
うな濾材をコルゲート状(波状)に襞折り加工すること
により、フィルタ面積を増大するとともに、コルゲート
状の濾材の周縁部を樹脂製等の枠体で保持する構成とな
っている。
【0042】この除塵フィルタ31は、脱臭剤を担持し
ない単純な濾材で構成できるので、、第1、第2脱臭フ
ィルタ25、28に比して通風抵抗(圧損)を大幅に減
少できる。次に、送風機12部分について説明すると、
送風機12は遠心式多翼送風機であって、周知のスクロ
ール形状の樹脂製送風用ケ−シング35を有し、この送
風用ケ−シング35の上部中心部にベルマウス状の吸入
口36が開口している。この吸入口36からの吸入空気
を送風する遠心多翼ファン(シロッコファン)37が送
風用ケ−シング35内に配置されている。
【0043】ここで、ファン37はその回転軸が車両上
下方向に向くように配置され、ファン37の送風空気は
ファン37を通過するときに90°方向転換して半径方
向の外方へ送風される。本例では、送風用ケ−シング3
5の空気出口部(図示せず)は図1の車両右方向に設定
され、この空気出口部から送風空気は図1の矢印A方向
に流れる。
【0044】ファン37を回転駆動するモータ38は送
風用ケ−シング35の底面部35aを貫通するように配
置され、このモータ38に備えられた取付フランジ39
を介してモータ38は送風用ケ−シング35の底面部3
5aに固定されている。送風用ケ−シング35の空気出
口部には空調ユニット40の空気入口部が接続される。
この空調ユニット40は周知のように冷媒蒸発器(冷房
用熱交換器)40a、温水式ヒータコア(暖房用熱交換
器)40b、温度調整用エアミックスドア(温度調整手
段)40c、ヒータコア40bのバイパス路40d、吹
出モード切替用ドア機構(図示省略)、フェイス、デフ
ロスタ、フットの各種吹出口(図示省略)等が設置され
るものである。
【0045】図3は本第1実施形態における電気制御ブ
ロック図であり、空調用電子制御装置(ECU)41は
マイクロコンピュータ等から構成されるもので、送風機
ユニット10および空調ユニット40に装備される各種
空調機器を予め設定されたプログラムに従って制御する
ものである。なお、ECU41は、自動車のエンジンの
イグニッションスイッチ(図示せず)がオンされたとき
に、車載バッテリー(図示せず)から電源が供給され
る。
【0046】ECU41には周知のセンサ群42からの
センサ信号、および車室内計器盤部に設置される空調用
の操作パネル43からの操作信号が入力される。センサ
群42のうち、本第1実施形態の電気制御に関係するセ
ンサについて述べると、車室外温度(外気温)を検出す
る外気温センサ44、車室外の臭い成分(車室外のディ
ーゼル排気ガス臭い成分等)を検出する車室外臭いセン
サ45、および車室内の臭い成分(車室内の煙草臭い成
分等)を検出する車室内臭いセンサ46を備えている。
【0047】ECU41により制御される各種空調機器
についても、本第1実施形態の電気制御に関係するもの
だけ説明すると、ロータリドア14の回動量を制御する
サーボモータ47、フィルタ保持部材15の回動量を制
御するサーボモータ48、および補助内気ドア21の回
動量を制御するサーボモータ49を備えている。これら
のサーボモータ47〜49の出力軸はそれぞれロータリ
ドア14の回転軸14c、フィルタ保持部材15の回転
軸15dおよび補助内気ドア21の回転軸21aに適宜
のリンク機構等を介して連結されている。すなわち、本
例では、内外気切替装置11に装備された3つの回動部
材14、15、21にそれぞれ独立にアクチュエータと
してのサーボモータ47〜49を設けている。
【0048】次に、上記構成において第1実施形態の作
動を説明する。図4、5はECU41による制御を示す
フローチャートであり、イグニッションスイッチがオン
されてECU33に電源が供給されている状態におい
て、空調用操作パネル43の空調作動スイッチ(図示せ
ず)が投入されると、図4の制御ルーチンが起動され、
ステップ100にて各イニシャライズおよび初期設定を
行い、次のステップ110にて、空調用操作パネル43
の温度設定スイッチにて設定された設定温度を入力す
る。
【0049】そして、次のステップ120にて、センサ
群42の値をA/D変換した信号を読み込む。そして、
次のステップ130にて、予めROMに記憶された下記
数式1に基づいて、車室内への目標吹出温度(TAO)
を算出する。
【0050】
【数1】TAO=Kset ×Tset −Kr ×Tr −Kam×
Tam−Ks ×Ts +C なお、Tset は上記温度設定スイッチによる設定温度、
Tr は内気温センサの検出値、Tamは外気温センサ44
の検出値、およびTs は日射センサの検出値である。ま
た、Kset 、Kr 、Kam、およびKs はゲイン、Cは補
正用の定数である。
【0051】次に、ステップ140にて、予めROMに
記憶されたマップ(図示せず)から、上記TAOに対応
する送風機モータ38の印加電圧(ブロワ電圧)を算出
する。そして、次のステップ150にて、予めROMに
記憶されたマップ(図示せず)から、上記TAOに対応
する吹出モードを決定する。ここで、この吹出モードの
決定においては、上記TAOが低い方から高い方にかけ
て、フェイスモード、バイレベルモード、フットモー
ド、およびフットデフモードとなるように決定される。
【0052】なお、本実施形態では、上記操作パネル4
3上に設けられたデフロスタスイッチ(図示せず)を操
作すると、デフロスタモードが強制的に設定される。そ
して、ステップ160では、空調ユニット40内の温度
制御用エアミックスドア40cの目標開度(SW)を、
予めROMに記憶された下記数式2に基づいて算出す
る。
【0053】
【数2】 SW=((TAO−Te )/(Tw −Te ))×100 (%) なお、Te は蒸発器40aの吹出空気温度を検出する蒸
発器後温度センサの検出値で、Tw は温水式ヒータコア
40bを循環する温水温度を検出する水温センサの検出
値である。SW≦0(%)として算出されたときは、エ
アミックスドア40cは、冷媒蒸発器40aからの冷風
の全てをバイパス路40dへ通す位置に制御される。ま
た、SW≧100(%)として算出されたときは、エア
ミックスドア40cは、上記冷風の全てをヒータコア4
0bへ通す位置に制御される。そして、0(%)<SW
<100(%)として算出されたときは、上記冷風をヒ
ータコア8およびバイパス通路9の両方へ通す位置にエ
アミックスドア40cが制御される。
【0054】そして、次のステップ170に移ると、内
外気切替装置11による内外気吸入モードが決定され
る。この内外気吸入モードの決定については図5により
後述する。次のステップ180に移行すると、蒸発器4
0aを含む冷凍サイクルの圧縮機(図示せず)のオン、
オフが外気温センサ44の検出値Tamおよび蒸発器後温
度センサの検出値Te に基づいて決定される。
【0055】次に、ステップ190の処理に移り、上記
各ステップ140〜180にて算出または決定した各モ
ードが得られるように、各サーボモータ47〜48、送
風用モータ38等の空調機器に対して制御信号を出力す
る。そして、次のステップ200にて、制御サイクル時
間τの経過を待ってステップ110に戻る。
【0056】次に、上記ステップ170における内外気
吸入モードの決定を図5により詳述する。まず、ステッ
プ170aにて予めROMに記憶されたマップにて制御
上の内外気モードを仮に決定する。すなわち、車室内へ
の目標吹出温度(TAO)が極く低温域である所定値X
以下のときは、内気モードとし、TAO>Xになると、
外気モードとする。
【0057】そして、次のステップ170bにて、上記
ステップ170aによる内外気モードが外気モードであ
るか判定する。外気モードであると判定されたときは次
のステップ170cにて、脱臭が必要かどうか判定す
る。すなわち、車室外臭いセンサ45の検出値と予め設
定した設定値とを比較して、市街地の渋滞走行時のよう
にセンサ検出値が設定値を越えるときは脱臭が必要であ
ると判定し、次のステップ170dに進む。
【0058】このステップ170dでは外気温センサ4
4により検出される外気温が設定値(本例では−5°
C)以下に低下したか判定する。ここで、ステップ17
0dの外気温設定値は、冷媒蒸発器40aに冷媒を循環
する圧縮機(図示せず)が強制的に作動停止される温度
に定めているから、ステップ170dの判定は、外気温
が圧縮機停止領域にあるかどうかの判定である。
【0059】そして、外気温が上記設定値以下に低下す
るときは、圧縮機停止により冷媒蒸発器40aの冷却除
湿作用が停止したままとなるから、内気モードは車室内
湿度の上昇より車両窓ガラスが曇るので、危険である。
そこで、ステップ170dで外気温が設定値以下である
ときは、次のステップ170eで必ず全外気モードと
し、車両窓ガラスの曇りを防止する。ステップ170e
ではこの全外気モードに加えて外気を脱臭する全外気+
脱臭モードを行う。
【0060】このステップ170eのモードを図6によ
り説明すると、内外気切替装置11におけるロータリド
ア14はサーボモータ47により、また、フィルタ保持
部材15はサーボモータ48により、さらに補助内気ド
ア21はサーボモータ49によりそれぞれ図6の図示位
置に回動操作される。すなわち、ロータリドア14は図
6の右側に回動され、円周壁14aによって内気導入口
19を閉塞し、外気導入口18を全開する位置にある。
ここで、円周壁14aの外周面のシール材26と内外気
切替箱13の円弧状円周壁面17側の突出リブ27とを
圧着させることにより、内気導入口19を気密に閉塞
し、外気中への内気混入を確実に防止する。
【0061】一方、フィルタ保持部材15は図6の左側
に回動され、外気導入口18の内周側に位置する。ま
た、補助内気ドア21は補助内気導入口20を全閉する
位置に回動操作される。フィルタ保持部材15が外気導
入口18の内周側に位置することにより、外気導入口1
8からの外気Bの大部分B1 はフィルタ保持部材15に
装備された第2脱臭フィルタ28を通過し、この第2脱
臭フィルタ28に担持された吸着材によりが外気中の臭
い成分(ディーゼル排気ガス臭等)が吸着される。同時
に、外気B1 の塵埃が第2脱臭フィルタ28で除去され
る。
【0062】また、ロータリドア14において円周壁1
4aの内周側と第1脱臭フィルタ25の外周面との間に
形成された隙間24は、左側の支持板14fに開口して
いる開口部14mにより外気導入口18と連通するか
ら、外気導入口18からの外気の一部(例えば、全風量
の20%程度)B2 が隙間24に導入される。この隙間
24に導入された外気はロータリドア14内の第1脱臭
フィルタ25を通過して脱臭され、同時に除塵される。
【0063】上記の両脱臭フィルタ25、28を通過し
た外気は、内外気切替箱13の出口側へ流れ、除塵フィ
ルタ31を通過した後に、送風機12の吸入口36から
送風ケーシング35内に入り、送風ファン37によって
送風される。この送風空気は送風ケーシング35の空気
出口部から空調ユニット40内に流入し、ここで、蒸発
器40a、ヒータコア40bを通過して温度調整された
後に吹出口から車室内へ吹出し、車室内を空調する。
【0064】ところで、全外気+脱臭モードおいて、第
2脱臭フィルタ28を装備したフィルタ保持部材15が
ロータリドア14とは異なる回動位置に操作されて、第
2脱臭フィルタ28が外気導入口18の正面位置に向か
い合うので、外気B1 の流れに対する第2脱臭フィルタ
28の正面面積が大となり、第2脱臭フィルタ28の全
面積に対して外気B1 が均一に流れる。
【0065】そのため、第2脱臭フィルタ28の全面積
で比較的均一に悪臭成分の吸着がなされるので、第2脱
臭フィルタ28の長寿命化、脱臭効率の向上を図ること
ができる。また、ロータリドア14は樹脂等の硬い板面
で構成されているので、外気流れの吸込音がドア板面で
反射され、車室内まで洩れてくることがあるが、第2脱
臭フィルタ28は吸着材およびそれを担持する多孔質フ
ィルタ基材で構成されているから、ロータリドア14に
比してはるかに吸音特性が優れている。従って、第2脱
臭フィルタ28が外気導入口18の正面位置に向かい合
うことにより、外気流れの吸込音を第2脱臭フィルタ2
8にて良好に吸収、低減できる。
【0066】次に、図5のフローチャートにおいて、ス
テップ170dの判定で外気温が設定値より高いとき
は、ステップ170fにて、外気一部混入(外気は脱
臭)内気モードを設定する。図7はこのステップ170
fによる外気一部混入内気モードを示しており、ロータ
リドア14およびフィルタ保持部材15が一体となって
(ロータリドア14内にフィルタ保持部材15が収容さ
れた状態のままで)、図2の位置より所定角度だけ左側
へ回動した中間開度位置に操作される。
【0067】また、補助内気ドア21は補助内気導入口
20を開放するとともに、その先端部がフィルタ保持部
材15の支持板15eに当接する位置に回動操作され
る。ここで、フィルタ保持部材15の軸方向において、
支持板15eと同等の長さを持つように補助内気ドア2
1を設計してあるので、支持板15eの軸方向の全長に
わたって補助内気ドア21の先端部が支持板15eに当
接する。
【0068】図7に示す、外気一部混入(外気は脱臭)
内気モードでは、内気モードを基本とし、内気中に外気
を一部(例えば、30%以下、より具体的には15%%
程度)混入するモードであるから、ロータリドア14お
よびフィルタ保持部材15の中間開度(回動)位置は、
ロータリドア14の円周壁14aによる内気導入口19
の開口面積が大で、外気導入口18の開口面積が小とな
る位置である。
【0069】以上のような中間開度位置にロータリドア
14およびフィルタ保持部材15が一体となって回動操
作されるため、内気導入口19および補助内気導入口2
0から内気Cが導入されると同時に、外気導入口18か
ら少量の外気Bが導入される。この少量の外気Bは平板
状の補助内気ドア21をガイドとして開口部14mに流
入する。そして、この開口部14mから隙間24を経由
して外気がロータリドア14内の第1脱臭フィルタ25
およびフィルタ保持部材15の第2脱臭フィルタ28を
通過して脱臭される。
【0070】一方、内気Cは内気導入口19および補助
内気導入口20の双方により、十分大きな流路面積を確
保できるので、内気による必要風量を確保し易い。そし
て、内気Cと少量の外気Bは内外気切替箱13の出口側
へ流れ、除塵フィルタ31を通過する。特に、内気C中
の塵埃はこの除塵フィルタ31にて除去される。この除
塵フィルタ31を通過した後に、送風機12により外気
混入の内気は空調ユニット40に送風され、ここで、温
度調整された後に車室内に吹き出される。
【0071】ところで、上記外気一部混入内気モードで
は、内気中に外気を一部混入するモードであるから、全
内気モードに比して、外気の一部混入による車室内換気
を行うことができ、車室内CO2 濃度の上昇を抑制でき
る。そのため、暖房、冷房の始動過渡期を経過した後の
定常運転時において、このモードを長時間継続してもC
2 濃度の上昇が発生せず、定常時の吸入モードとして
有効である。
【0072】しかも、送風空気中の内気循環量の割合が
多いから、暖房、冷房の熱負荷を小さくすくことがで
き、暖房時の吹出空気温度の上昇による能力向上、ま
た、冷房時では圧縮機駆動動力の低減を図ることができ
る。さらに、第1、第2脱臭フィルタ25、28を通過
する外気は少量であるから、第1、第2脱臭フィルタ2
5、28への外気流入速度を小さくすることができ、第
1、第2脱臭フィルタ25、28での圧損を僅少にする
ことができるとともに、第1、第2脱臭フィルタ25、
28の通過風量が少ないため、第1、第2脱臭フィルタ
25、28の寿命の面でも有利である。
【0073】次に、ステップ170cで脱臭不要と判定
されたとき(例えば、郊外の汚染度の低い外気環境を走
行している時等)は、ステップ170gで通常の全外気
モードを設定する。図2は、このステップ170gによ
る全外気モードを示しており、ロータリドア14および
フィルタ保持部材15が一体となって、最も右側の位置
に回動操作される。従って、ロータリドア14の円周壁
14aにより内気導入口19が全閉され、外気導入口1
8が全開される。また、補助内気ドア21は補助内気導
入口20を全閉する。
【0074】従って、内気導入口19、20からの内気
導入が完全に遮断され、外気導入口18から外気Bのみ
が内外気切替箱13内に導入される。そして、外気導入
口18からの外気Bの大部分B1 はそのまま除塵フィル
タ31に向かって進み、除塵フィルタ31にて外気B1
の除塵がなされる。また、外気導入口18からの外気B
の一部B2 は開口部14mを通って隙間24に導入され
る。この隙間24から外気B2 は第1、第2脱臭フィル
タ25、28を通過して脱臭され、同時に除塵される。
【0075】この後、外気B2 は外気B1 と合流して除
塵フィルタ31を通過する。そして、外気は送風機12
の送風ファン37によって送風され、空調ユニット40
で温度調整された後に車室内に吹き出される。上記のよ
うに、通常の全外気モード時には外気導入口18からの
外気Bの大部分B1 は第1、第2脱臭フィルタ25、2
8を通過せずに、直接、除塵フィルタ31に向かうの
で、通風抵抗の大きい両脱臭フィルタ25、28による
圧損発生を抑制でき、全外気モード時の風量アップを図
ることができ、空調能力を増大できる。
【0076】次に、ステップ170aにおいて、車室内
への目標吹出温度(TAO)が極く低温域である所定値
X以下(TAO≦X)となって、内気モードを選択する
と、ステップ170bの判定がNOとなり、ステップ1
70hにて内気モードでの脱臭が必要かどうか判定す
る。すなわち、車室内臭いセンサ46の検出値と予め設
定した設定値とを比較して、車室内喫煙時のようにセン
サ検出値が設定値を越えるときは脱臭が必要であると判
定し、次のステップ170iに進む。
【0077】このステップ170iでは全内気モードに
加えて内気を脱臭する全内気+脱臭モードを設定する。
このステップ170iのモードを図8により説明する
と、内外気切替装置11におけるロータリドア14は図
8の最も左側位置に回動され、円周壁14aによって外
気導入口18を閉塞し、内気導入口19を全開する位置
に操作される。これにより、外気導入口18からの外気
導入は完全に遮断される。
【0078】一方、フィルタ保持部材15は図8の最も
右側位置に回動され、内気導入口19の内周側に位置す
る。また、補助内気ドア21は補助内気導入口20を全
閉する位置に回動操作される。フィルタ保持部材15が
内気導入口19の内周側に位置することにより、内気導
入口18からの内気Cはすべてフィルタ保持部材15の
第2脱臭フィルタ28を通過するので、この第2脱臭フ
ィルタ28に担持された吸着材により内気中の臭い成分
(煙草臭等)が吸着される。同時に、内気Cの塵埃も第
2脱臭フィルタ28で除去される。
【0079】そして、第2脱臭フィルタ28を通過した
内気Cは、次に、除塵フィルタ31を通過した後に、送
風機12の送風ファン37により送風され、空調ユニッ
ト40にて温度調整された後に車室内へ吹出し、車室内
を空調する。ところで、全内気+脱臭モードおいて、第
2脱臭フィルタ28を装備したフィルタ保持部材15が
ロータリドア14とは異なる回動位置に操作されて、第
2脱臭フィルタ28が内気導入口19の正面位置に向か
い合うので、内気Cの流れに対する第2脱臭フィルタ2
8の正面面積が大となり、第2脱臭フィルタ28の全面
積に対して内気Cが均一に流れる。
【0080】そのため、図6の全外気+脱臭モードと同
様の理由から、第2脱臭フィルタ28の長寿命化、脱臭
効率の向上を図ることができるとともに、内気流れの吸
込音を第2脱臭フィルタ28にて良好に吸収、低減でき
る。次に、車室内の臭いレベルが低いときは、ステップ
170hの判定が脱臭不要となり、ステップ170jに
進み、通常の全内気モードを設定する。この全内気モー
ドは図9に示すようにロータリドア14およびフィルタ
保持部材15が一体となって、最も左側の位置に回動操
作される。従って、ロータリドア14の円周壁14aに
より外気導入口18が全閉され、内気導入口19が全開
される。また、補助内気ドア21は補助内気導入口20
を開放する。
【0081】従って、外気導入口18からの外気導入が
完全に遮断され、内気導入口19、20から内気Cのみ
が内外気切替箱13内に導入される。そして、内気導入
口19からの内気Cおよび補助内気導入口20からの内
気Cがそのまま除塵フィルタ31に向かって進み、除塵
フィルタ31にて内気Cの除塵がなされる。除塵フィル
タ31を通過した内気は送風機12の送風ファン37に
よって送風され、空調ユニット40で温度調整された後
に車室内に吹き出される。
【0082】上記のように、通常の全内気モード時には
内気導入口19および補助内気導入口20からの内気C
がともに、第1、第2脱臭フィルタ25、28を通過せ
ずに、直接、除塵フィルタ31に向かうので、通風抵抗
の大きい両脱臭フィルタ25、28による圧損が発生せ
ず、全内気モード時の風量アップを図ることができ、空
調能力を増大できる。
【0083】以上の第1実施形態の内外気吸入モードを
まとめると、図6の全外気+脱臭モードと、図7の
外気一部混入(外気は脱臭)の内気モードと、図2の
通常の全外気モードと、図8の全内気+脱臭モード
と、図9の通常の全内気モードとの合計5つの内外気
吸入モードを設定できることになる。図10はこの5つ
の内外気吸入モードにおけるロータリドア14およびフ
ィルタ保持部材15および補助内気ドア21の作動パタ
ーンをまとめて示している。
【0084】(第2実施形態)上述した第1実施形態で
は、ロータリドア14に第1脱臭フィルタ25を、また
フィルタ保持部材15に第2脱臭フィルタ28をそれぞ
れ装備しているが、第2実施形態では、図11〜図13
に示すようにロータリドア14における第1脱臭フィル
タ25を廃止している。これに伴って、ロータリドア1
4では円周壁14aの円周方向一端部の支持板14f、
この支持板14fに設けた開口部14m、および第1脱
臭フィルタ25の下面部を支持する突出片14h〜14
kも廃止している。
【0085】また、もう1つの相違点として、第1実施
形態では、ロータリドア14の円周方向に対して、フィ
ルタ保持部材15が外部へ突出しないようにして、ロー
タリドア14の内周側にフィルタ保持部材15を収納す
る構成としている。従って、フィルタ保持部材15に装
備される第2脱臭フィルタ28もロータリドア14の円
周方向外方へ突出しない構成となっている。
【0086】これに対し、第2実施形態では、ロータリ
ドア14の円周方向に対して、フィルタ保持部材15が
外部へ突出するようにして、ロータリドア14の内周側
にフィルタ保持部材15を収納する構成としている。従
って、フィルタ保持部材15に装備される第2脱臭フィ
ルタ28もロータリドア14の円周方向外方へ突出する
構成となる。
【0087】図11は、第1実施形態の図7に対応する
外気一部混入(外気は脱臭)の内気モードであり、ロー
タリドア14およびフィルタ保持部材15が中間開度位
置に操作されて、外気導入口18を小開度開き、内気導
入口19を大開度開く。また、補助内気ドア21は補助
内気導入口20を開放する。このとき、フィルタ保持部
材15の第2脱臭フィルタ28がロータリドア14の円
周方向外方で、外気導入口18側へ突出している。
【0088】そのため、外気導入口18からの外気B
は、ロータリドア14の円周壁14aの内側の隙間24
から第2脱臭フィルタ28を通過する流れB2 と、隙間
24に流入せず、第2脱臭フィルタ28を直接通過する
流れB1 とが形成される。このように第2実施形態によ
ると、第2脱臭フィルタ28をロータリドア14の円周
方向外方で、外気導入口18側へ突出する構成とするこ
とにより、第2脱臭フィルタ28を通過して脱臭される
外気風量を増加できる。
【0089】図12は、第1実施形態の図2に対応する
通常の全外気モードであり、ロータリドア14およびフ
ィルタ保持部材15が最も右側位置に操作されて、外気
導入口18を全開し、内気導入口19を全閉する。ま
た、補助内気ドア21は補助内気導入口20を閉塞す
る。これにより、外気導入口18からの外気Bの大部分
1 がそのまま除塵フィルタ31に向かって進むととも
に、外気Bの残余の一部B 2 は隙間24を通り第2脱臭
フィルタ28を通過して脱臭され、同時に除塵される。
【0090】図13は、第1実施形態の図9に対応する
通常の全内気モードであり、ロータリドア14およびフ
ィルタ保持部材15が最も左側位置に操作されて、外気
導入口18を全閉し、内気導入口19を全開する。ま
た、補助内気ドア21は補助内気導入口20を開放す
る。これにより、内気導入口19からの内気Cおよび補
助内気導入口20からの内気Cがそのまま除塵フィルタ
31に向かって進み、除塵フィルタ31にて内気Cの除
塵がなされる。このとき、第2脱臭フィルタ28がロー
タリドア14の円周方向外方で、内気導入口19側へ突
出しているので、内気導入口19からの内気Cの一部は
第2脱臭フィルタ28を通過して脱臭、除塵される。
【0091】なお、図示しないが、第2実施形態におい
ても、ロータリドア14とフィルタ保持部材15とを異
なる回動位置に操作することにより、第1実施形態の図
6の全外気+脱臭モードと、図8の全内気+脱臭モード
に相当するモードを設定できる。 (第3実施形態)図14〜図17は第3実施形態であ
り、その基本的構成は上述した第2実施形態と同じであ
り、図14〜図16は、それぞれ図11〜図13に対応
する外気一部混入(外気は脱臭)の内気モード、通常の
全外気モードおよび通常の全内気モードを示しており、
図17は第3実施形態の要部拡大図である。
【0092】第3実施形態では、内外気切替用のロータ
リドア14を略円弧状の円周壁14aにより構成すると
ともに、この円周壁14aの内周面に歯車面50を形成
し、この歯車面50に直接、駆動歯車51を噛み合わせ
ている。この駆動歯車51は図示しない回転軸を介して
サーボモータ47(図3参照)に連結されており、サー
ボモータ47の回転力により駆動歯車51を介してロー
タリドア14は回転操作される。
【0093】ロータリドア14の円周壁14aの円周方
向の両端部で、かつ軸方向の両端部に、外方へ突出する
円柱状の支持軸14e(図1の支持軸14eに対応)が
一体成形されている。従って、ロータリドア14の円周
壁14aには合計4本の支持軸14eが設けられてい
る。そして、この支持軸14eが2本づつ遊嵌合で挿入
される円弧状の軸受溝23(図1の軸受溝23に対応)
が内外気切替箱13の側面壁の突出部23a(図17)
に設けられている。
【0094】従って、支持軸14eは2本づつ円弧状の
軸受溝23に遊嵌合で挿入され、摺動可能に支持されて
おり、この円弧状軸受溝23の円周角によってロータリ
ドア14の最大回動範囲(回動角)が決定される。とこ
ろで、ロータリドア14の円周壁14aの外周面には、
ゴム等の弾性材からなるシール材26が接着等により固
着されており、このシール材26は外気導入口18およ
び内気導入口19の開口縁部に対応する四角形(矩形)
の枠形状になっている。ロータリドア14の回動操作時
に、このシール材26が内外気切替箱13の円弧状円周
壁面17の内側面に常時圧接していると、シール材26
の先端面での摩擦によりロータリドア14の回動操作力
が増大するという不具合を招く。
【0095】そこで、第3実施形態では、ロータリドア
14が図15の全外気位置と、図16の全内気位置との
中間位置を移動する場合には、シール材26の先端面が
円弧状円周壁面17の内側面から離れるようにしてい
る。このため、図15の全外気位置および図16の全内
気位置におけるロータリドア14の回動位置に対して、
これら全外気位置、全内気位置の中間位置では、ロータ
リドア14の回動位置が回転中心16側(半径方向内
側)へ移行するように、ロータリドア14および円弧状
軸受溝23の形状が設定してある。
【0096】これにより、上記の中間位置では、シール
材26の先端面での摩擦を減少、あるいは先端面での摩
擦をなくして、ロータリドア14の回動操作力を低減で
きる。しかし、その反面、上記の中間位置では、シール
材26によるシール作用を発揮できないので、図14に
示すロータリドア14の外気一部混入内気モードの回動
位置(中間回動位置)では、支持軸14eと円弧状の軸
受溝23との遊嵌合部を外気が通過(バイパス)してし
まう不具合が生じることが判明した。
【0097】この遊嵌合部を通過する外気は、外気導入
口18から直接、内気導入口19からの内気の流れに混
入するので、脱臭フィルタ28にて脱臭することができ
ない。そこで、図17に示すように、支持軸14eにシ
ール部材52を装着して、上記外気のバイパスを阻止し
ている。すなわち、シール部材52は、ロータリドア1
4の円周壁14aの軸方向端面に沿って形成された円弧
状の形状であり、2枚のサイドプレート52aと、この
2枚のサイドプレート52aの間に接着された弾性体5
2bとから構成されている。シール部材52はその軸方
向に貫通する穴52cを有し、この穴52cに支持軸1
4eが挿入される。そして、シール部材52はロータリ
ドア14の円周壁14aの軸方向端面と内外気切替箱1
3の側面壁の突出部23a端面との間に挟み込み保持さ
れる。
【0098】ロータリドア14の回動時に、サイドプレ
ート52aの一方は、内外気切替箱13の側面壁の突出
部23aの端面上を摺動するので、サイドプレート52
aは低摩擦で、かつ耐磨耗性に優れた材料で形成するこ
とが好ましく、例えば、ステンレス板で形成する。弾性
体52bは、軸方向の各部の寸法バラツキを吸収して2
枚のサイドプレート52aをロータリドア14の円周壁
14aの軸方向端面および内外気切替箱13の側面壁の
突出部23aの端面に確実に押しつけるための弾性反発
力を発生するもので、例えば、多孔性のウレタンフォー
ムのような弾性材からなり、シール部材52の組付状態
では、弾性体52bが所定量圧縮されて、シール部材5
2の軸方向厚さtが所定寸法に設定される。なお、軸方
向の反対側のシール部材52では、弾性体52bを廃止
して1枚のサイドプレート52aのみで構成してもよ
い。
【0099】第3実施形態によると、このようなシール
部材52がロータリドア14の円周壁14aの軸方向端
面と内外気切替箱13の側面壁の突出部23aの端面に
押しつけられているので、支持軸14eと円弧状の軸受
溝23との遊嵌合部を外気がバイパスするのを良好に防
止できる。なお、第3実施形態においては、フィルタ保
持部材15の回転軸15dに補助内気ドア21の回転軸
21aを図18〜図20に示すリンク機構を介して連結
することにより、フィルタ保持部材15と補助内気ドア
21を1つのサーボモータ48(図3)にて連動操作す
るようになっている。
【0100】また、内外気切替箱13の側面壁のうち、
円周方向の中央部には額縁状に突出して、フィルタ保持
部材15の円周方向の両端の支持板15e、15fの当
たり面を構成する第1の額縁状突出部53が形成してあ
る。また、補助内気ドア21に隣接して、フィルタ保持
部材15の円周方向の一端の支持板15eの当たり面を
構成する第2の額縁状突出部54が形成してある。
【0101】これにより、図14に示すロータリドア1
4の外気一部混入内気モードの回動位置では、フィルタ
保持部材15の円周方向の一端の支持板15eが第2の
額縁状突出部54に当接して、脱臭フィルタ28の円周
方向の一端側(図14の左側)をバイパスして外気が流
れるのを防止する。また、フィルタ保持部材15の円周
方向の他端の支持板15fが第1の額縁状突出部53の
片側のシール面53aに当接する。これにより、脱臭フ
ィルタ28の円周方向の他端側(図14の右側)をバイ
パスして外気が流れるのを防止する。
【0102】図15に示す通常の全外気モード位置で
は、フィルタ保持部材15の円周方向の一端の支持板1
5eが第1の額縁状突出部53の他の片側のシール面5
3bに当接する。これにより、外気が脱臭フィルタ28
を通過して流れるのを防止することができ、脱臭フィル
タ28の寿命延長を図ることができる。同様に、図16
に示す通常の全内気モード位置でも、内気が脱臭フィル
タ28を通過するのを防止して脱臭フィルタ28の寿命
延長を図っている。
【0103】図18〜図20はフィルタ保持部材15と
補助内気ドア21を連動操作するリンク機構を例示する
もので、図18〜図20はそれぞれ図14〜図16に対
応する作動モードを示している。フィルタ保持部材15
の回転軸15dにレバー55を連結し、また、補助内気
ドア21の回転軸21aにレバー56を連結する。そし
て、この両レバー55、56の先端部同志を回動可能に
1本のリンク棒57で連結するとともに、フィルタ保持
部材15の回転軸15dにサーボモータ48の出力軸を
連結する。これにより、1つのサーボモータ48にてフ
ィルタ保持部材15と補助内気ドア21を連動操作でき
る。なお、他の点は第2実施形態と同じであるので、説
明を省略する。
【0104】(他の実施形態) 前述の第2、第3実施形態では、ロータリドア14に
おける第1脱臭フィルタ25を廃止する場合について説
明したが、フィルタ保持部材15および第2脱臭フィル
タ28をともに廃止して、ロータリドア14と第1脱臭
フィルタ25とを用いるだけの構成とすることもでき
る。
【0105】この場合は、ロータリドア14と異なる回
動位置にフィルタ保持部材15を回動する吸入モード
(すなわち、図6の全外気+脱臭モード、および図8の
全内気+脱臭モード)を実現できないので、外気一部混
入(外気は脱臭)の内気モードと、通常の全外気モード
と、通常の全内気モードとの3つの吸入モードだけを設
定することになる。
【0106】また、前述の第1実施形態では、ロータ
リドア14に第1脱臭フィルタ25を、フィルタ保持部
材15に第2脱臭フィルタ28をそれぞれ装備している
が、第1脱臭フィルタ25および第2脱臭フィルタ28
の空気流れ上流側にそれぞれ除塵フィルタを配置し、こ
の除塵フィルタもロータリドア14およびフィルタ保持
部材15と一体に回動するように構成すれば、除塵フィ
ルタで除塵された空気が第1、第2脱臭フィルタ25、
28を通過するので、第1、第2脱臭フィルタ25、2
8への塵埃の付着を未然に防止して、第1、第2脱臭フ
ィルタ25、28の長寿命化を図ることができる。
【0107】このように、第1、第2脱臭フィルタ2
5、28の空気流れ上流側に配置する除塵フィルタとし
ては、内外気切替箱13の出口側に位置する除塵フィル
タ31よりも微細な粒子を捕捉する除塵フィルタを用い
て、微細な粒子が第1、第2脱臭フィルタ25、28に
付着するのを防止するのがよい。 また、前述の第1実施形態では、ロータリドア14、
フィルタ保持部材15、および補助内気ドア21の三者
をそれぞれ独立のサーボモータ(アクチュエータ)47
〜49で駆動する場合について説明したが、例えば、補
助内気ドア21のサーボモータ49を廃止して、補助内
気ドア21を適宜のリンク機構等を介してロータリドア
14またはフィルタ保持部材15と連動操作することも
可能である。第3実施形態では、補助内気ドア21をフ
ィルタ保持部材15と連動操作させている。
【0108】また、前述の第1、第2実施形態では、
ロータリドア(内外気切替ドア)14およびフィルタ保
持部材15をともに回転中心16を中心とする回動動作
を行う回動部材として構成しているが、内外気切替箱1
3の円周壁面17を廃止して、その代わりに内外気切替
箱13に平坦壁面を形成し、この平坦壁面に外気導入口
18および内気導入口19を設け、この平坦壁面の内側
に、平坦壁面に沿って摺動(スライド)可能な平板状の
内外気切替ドア14を設置し、この内外気切替ドア14
のさらに内側(空気下流側)に摺動可能な平板状のフィ
ルタ保持部材15を設置してもよい。
【0109】また、本発明は補助内気導入口20と補
助内気ドア21を持たない内外気切替装置11にも適用
できる。 また、前述の各実施形態では、内外気切替箱13の出
口側で、送風機吸入口36の直前位置に内蔵される除塵
フィルタ31として、内外気切替箱13内に導入される
内気または外気中の塵埃を除去する除塵機能のみを持た
せているが、この除塵機能をベース(基本)として補助
的に脱臭機能を持つように、除塵フィルタ31を構成し
てもよい。具体的には、内気または外気中の煙草臭、汗
の臭い、ペット臭、新車臭等の悪臭成分を吸着する吸着
剤(活性炭等)を濾紙に担持させて、この濾紙をコルゲ
ート状に襞折り加工して、除塵フィルタ31を構成す
る。ここで、この脱臭機能付きの除塵フィルタ31の通
風抵抗(圧損)は、第1、第2脱臭フィルタ25、28
に比して大幅に小さくなる(例えば、1/2〜1/3以
下)ように設計する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す縦断面図で、車両
左右方向の断面形状を示す。
【図2】第1実施形態の通常の全外気モードを示す縦断
面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図3】第1実施形態の電気制御ブロック図である。
【図4】第1実施形態の電気制御のフローチャートであ
る。
【図5】図4の電気制御の要部の詳細フローチャートで
ある。
【図6】第1実施形態の通常の全外気+脱臭モードを示
す縦断面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図7】第1実施形態の外気一部混入内気モードを示す
縦断面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図8】第1実施形態の全内気+脱臭モードを示す縦断
面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図9】第1実施形態の通常の全内気モードを示す縦断
面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図10】第1実施形態のドア作動パターンを示す特性
図である。
【図11】第2実施形態の外気一部混入内気モードを示
す縦断面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図12】第2実施形態の通常の全外気モードを示す縦
断面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図13】第2実施形態の通常の全内気モードを示す縦
断面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図14】第3実施形態の外気一部混入内気モードを示
す縦断面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図15】第3実施形態の通常の全外気モードを示す縦
断面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図16】第3実施形態の通常の全内気モードを示す縦
断面図で、車両前後方向の断面形状を示す。
【図17】第3実施形態の内外気切替用ロータリドアの
支持軸部の拡大断面図である。
【図18】第3実施形態において、フィルタ保持部材と
補助内気ドアとの連動操作用のリンク機構を示す縦断面
図で、図14に対応する外気一部混入内気モードを示
す。
【図19】同リンク機構を示す縦断面図で、図15に対
応する通常の全外気モードを示す。
【図20】同リンク機構を示す縦断面図で、図16に対
応する通常の全内気モードを示す。
【符号の説明】
13…内外気切替箱、14…内外気切替用ロータリド
ア、14a…円周壁、15…フィルタ保持部材、18…
外気導入口、19…内気導入口、20…補助内気導入
口、21…補助内気ドア、25、28…脱臭フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四方 一史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 杉 光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 亀岡 輝彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 桑山 和利 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外気を導入する外気導入口(18)およ
    び内気を導入する内気導入口(19)を有する内外気切
    替箱(13)と、 この内外気切替箱(13)内に変位可能に配置された内
    外気切替ドア(14)とを備え、 この内外気切替ドア(14)に備えられた壁部(14
    a)の変位により前記外気導入口(18)および前記内
    気導入口(19)を開閉するようにした車両用空調装置
    において、 前記内外気切替ドア(14)の壁部(14a)の空気下
    流側に、空気中の悪臭成分を吸着する脱臭フィルタ(2
    5)を前記壁部(14a)から所定間隔の隙間(24)
    を介して配置するとともに、この脱臭フィルタ(25)
    を前記内外気切替ドア(14)と一体に変位するように
    し、 前記壁部(14a)が前記外気導入口(18)および前
    記内気導入口(19)の両者を中間開度で開く中間開度
    位置に、前記内外気切替ドア(14)が変位したとき、 前記内気導入口(19)から前記内外気切替箱(13)
    の出口側に直接流れる内気の流れと、前記外気導入口
    (18)から前記隙間(24)を通って前記脱臭フィル
    タ(25)を通過した後に前記内外気切替箱(13)の
    出口側に流れる外気の流れとを形成することを特徴とす
    る車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記内外気切替箱(13)に、前記内気
    導入口(19)と独立に設けられ、内気を導入する補助
    内気導入口(20)と、 この補助内気導入口(20)を開閉する補助内気ドア
    (21)とを備え、 前記内外気切替ドア(14)が前記中間開度位置に変位
    したとき、前記補助内気ドア(21)を前記補助内気導
    入口(20)の開放位置に変位させるとともに、前記外
    気導入口(18)から外気が前記隙間(24)に流入す
    るように前記補助内気ドア(21)により外気の流れを
    案内することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調
    装置。
  3. 【請求項3】 前記内外気切替箱(13)の内部のう
    ち、前記内外気切替ドア(14)の壁部(14a)の空
    気下流側の部位に、前記内外気切替ドア(14)とは独
    立に変位可能なフィルタ保持部材(15)を備え、 このフィルタ保持部材(15)にも空気中の悪臭成分を
    吸着する脱臭フィルタ(28)を配置するとともに、こ
    の脱臭フィルタ(28)を前記フィルタ保持部材(1
    5)と一体に変位するようにし、 前記外気導入口(18)および前記内気導入口(19)
    のいずれか一方を前記内外気切替ドア(14)の壁部
    (14a)により閉塞し、他方の導入口を開放するとき
    に、この開放された導入口からの空気を脱臭する必要が
    あるときには、前記フィルタ保持部材(15)が前記開
    放された導入口側へ変位して、前記開放された導入口か
    らの空気を前記フィルタ保持部材(15)の前記脱臭フ
    ィルタ(28)を通過させ、 かつ、前記開放された導入口からの空気を脱臭する必要
    がないときには、前記フィルタ保持部材(15)が前記
    内外気切替ドア(14)の壁部(14a)の空気下流側
    に変位するようにしたことを特徴とする請求項1または
    2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記内外気切替ドアは、その回転中心
    (16)を中心として回動可能に配置されたロータリド
    ア(14)であり、 前記壁部は前記回転中心(16)を中心とする円弧状の
    円周壁(14a)であり、 この円弧状の円周壁(14a)の回動より前記外気導入
    口(18)および前記内気導入口(19)を開閉するよ
    うになっており、 前記脱臭フィルタ(25)は前記円周壁(14a)の内
    周側に所定間隔の隙間(24)を介して配置されてお
    り、前記脱臭フィルタ(25)を前記ロータリドア(1
    4)と一体に回動するようにしたことを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記内外気切替ドア(14)が前記中間
    開度位置に変位するとき、前記外気導入口(18)およ
    び前記内気導入口(19)からの全導入風量に対する外
    気の導入割合を30%以下にすることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 外気を導入する外気導入口(18)およ
    び内気を導入する内気導入口(19)を有する内外気切
    替箱(13)と、 この内外気切替箱(13)内に変位可能に配置された内
    外気切替ドア(14)とを備え、 この内外気切替ドア(14)に備えられた壁部(14
    a)の変位により前記外気導入口(18)および前記内
    気導入口(19)を開閉するようにした車両用空調装置
    において、 前記内外気切替箱(13)の内部のうち、前記内外気切
    替ドア(14)の壁部(14a)の空気下流側の部位
    に、前記内外気切替ドア(14)とは独立に変位可能な
    フィルタ保持部材(15)を備え、 前記内外気切替ドア(14)および前記フィルタ保持部
    材(15)のうち、少なくとも前記フィルタ保持部材
    (15)に空気中の悪臭成分を吸着する脱臭フィルタ
    (28)を配置するとともに、この脱臭フィルタ(2
    8)を前記フィルタ保持部材(15)と一体に変位する
    ようにし、 前記外気導入口(18)および前記内気導入口(19)
    のいずれか一方を前記内外気切替ドア(14)の壁部
    (14a)により閉塞し、他方の導入口を開放するとき
    に、この開放された導入口からの空気を脱臭する必要が
    あるときには、前記フィルタ保持部材(15)が前記開
    放された導入口側へ変位して、前記開放された導入口か
    らの空気を前記脱臭フィルタ(28)を通過させ、 かつ、前記開放された導入口からの空気を脱臭する必要
    がないときには、前記フィルタ保持部材(15)が前記
    内外気切替ドア(14)の壁部(14a)の空気下流側
    に変位するようにしたことを特徴とする車両用空調装
    置。
  7. 【請求項7】 前記内外気切替ドア(14)の壁部(1
    4a)の空気下流側に、空気中の脱臭成分を吸着する脱
    臭フィルタ(25)を前記壁部(14a)から所定間隔
    の隙間(24)を介して配置するとともに、この脱臭フ
    ィルタ(25)を前記内外気切替ドア(14)と一体に
    変位するようにし、 前記壁部(14a)が前記外気導入口(18)および前
    記内気導入口(19)の両者を中間開度で開く中間開度
    位置に、前記内外気切替ドア(14)が変位したとき、 前記内気導入口(19)から前記内外気切替箱(13)
    の出口側に直接流れる内気の流れと、前記外気導入口
    (18)から前記隙間(24)を通って前記内外気切替
    ドア(14)の前記脱臭フィルタ(25)、および前記
    フィルタ保持部材(15)の前記脱臭フィルタ(25)
    を通過した後に前記内外気切替箱(13)の出口側に流
    れる外気の流れとを形成することを特徴とする請求項6
    に記載の車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 車室外の臭い成分を検出する車室外臭い
    センサ(45)を備え、 この車室外臭いセンサ(45)の検出信号に基づいて外
    気の脱臭を行う必要があると判定されたときは、前記内
    外気切替ドア(14)を前記中間開度位置に変位させる
    ことを特徴とする請求項1、2、7のいずれか1つに記
    載の車両用空調装置。
  9. 【請求項9】 車室外の臭い成分を検出する車室外臭い
    センサ(45)および外気温を検出する外気温センサ
    (44)を備え、 この車室外臭いセンサ(45)の検出信号に基づいて外
    気の脱臭を行う必要があると判定され、かつ前記外気温
    センサ(44)の検出信号に基づいて外気温が寒冷時に
    相当する所定温度以下であると判定されたときは、 前記内外気切替ドア(14)を前記外気導入口(18)
    が全開され、前記内気導入口(19)が全閉される全外
    気モード位置に変位させるとともに、前記フィルタ保持
    部材(15)を前記外気導入口(18)側へ変位させ
    て、前記外気導入口(18)からの外気を前記フィルタ
    保持部材(15)の前記脱臭フィルタ(28)を通過さ
    せることを特徴とする請求項6または7に記載の車両用
    空調装置。
  10. 【請求項10】 車室内の臭い成分を検出する車室内臭
    いセンサ(46)を備え、 前記外気導入口(18)を全閉し、前記内気導入口(1
    9)を全開する全内気モードとする条件にあるときに、
    前記車室内臭いセンサ(46)の検出信号に基づいて内
    気の脱臭を行う必要があると判定されたときは、 前記内外気切替ドア(14)を前記全内気モード位置に
    変位させるとともに、前記フィルタ保持部材(15)を
    前記内気導入口(19)側へ変位させて、前記内気導入
    口(19)からの内気を前記フィルタ保持部材(15)
    の前記脱臭フィルタ(28)を通過させることを特徴と
    する請求項6ないし9のいずれか1つに記載の車両用空
    調装置。
  11. 【請求項11】 前記内外気切替ドア(14)の壁部
    (14a)のうち、前記変位の方向と直交する方向の端
    部に支持軸(14e)を形成するとともに、 前記内外気切替箱(13)の壁面に前記支持軸(14
    e)を摺動可能に嵌合支持する溝部(23)を形成し、 前記支持軸(14e)と前記溝部(23)との嵌合部を
    空気が流通するのを阻止するシール部材(52)を備え
    ることを特徴とする請求項6ないし10のいずれか1つ
    に記載の車両用空調装置。
  12. 【請求項12】 前記シール部材(52)は、2枚の低
    摩擦材からなるサイドプレート(52a)と、この2枚
    のサイドプレート(52a)の間に配置された弾性体
    (52b)から構成されており、 この弾性体(52b)の弾性反発力により前記サイドプ
    レート(52a)が前記内外気切替ドア(14)の壁部
    (14a)の端部および前記溝部(23)の端部に圧接
    することを特徴とする請求項11に記載の車両用空調装
    置。
  13. 【請求項13】 前記内外気切替ドアは、その回転中心
    (16)を中心として回動可能に配置されたロータリド
    ア(14)であり、 前記壁部は前記回転中心(16)を中心とする円弧状の
    円周壁(14a)であり、 この円弧状の円周壁(14a)の回動より前記外気導入
    口(18)および前記内気導入口(19)を開閉するよ
    うになっており、 前記フィルタ保持部材(15)は前記回転中心(16)
    を中心として回動可能に配置されており、 前記脱臭フィルタ(25)は前記フィルタ保持部材と一
    体に回動するようにしたことを特徴とする請求項6ない
    し12のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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