JPH1119245A - 固定式消火設備の消火用散水ノズル - Google Patents
固定式消火設備の消火用散水ノズルInfo
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- JPH1119245A JPH1119245A JP17360197A JP17360197A JPH1119245A JP H1119245 A JPH1119245 A JP H1119245A JP 17360197 A JP17360197 A JP 17360197A JP 17360197 A JP17360197 A JP 17360197A JP H1119245 A JPH1119245 A JP H1119245A
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Abstract
め、放射量を小さくして水損の被害を小さくし、ポンプ
などの容量を小容量としてコストを低減し、さらに均一
な散布パターンを得る。 【解決手段】 消火用散水ノズル1から火災時に消火液
または消火用水を散水する際、ノズル部8のスリット1
0により所定の防護範囲内の特定部分に集中的に散水す
る散布パターンを形成し、散水時の水流で駆動部6を駆
動して減速部7で減速し、ノズル部8を回転させて散布
パターンを走査して防護範囲全域に散水する。同時にノ
ズル部8内でスリット10方向に対し略直交する方向に
複数の羽根を備えた羽根車9を回転させ、羽根車9の羽
根によって水を1つ1つの固りに区切ってスリット10
から出すことによって、スリットから出た水が集まって
落ちることが抑えられ、理想的な散布パターンを得る。
Description
火設備などの固定式消火設備に使用される固定式消火設
備の消火用散水ノズルに関する。
に使用される消火用散水ノズルとしては、防護範囲全体
に均一に散水させるため、水をデフレクタで分散させて
粒状態に散水しており、例えば図11に示すようなもの
がある(特開平5−69730号)。
水ノズルを示し、ノズル本体101に放水口102が形
成され、放水口102に設けた栓103とデフレクタ1
04との間に一対のレバー105a,105bを接触点
106a,106b,106cによって係止し、栓10
3を閉鎖状態に支持している。レバー105aとレバー
105bには感熱体としてのヒューズ107で固着され
た一対のリンク108a,108bが装着され、栓10
3の閉鎖状態を維持している。
7が溶けると、一対のリンク108a,108bが矢印
で示すように分解し、レバー105a,105bの係止
が解除され、水圧によってレバー105a,105bが
弾け、放水口102から栓103が脱落して加圧水が放
水口102から噴出し、散水が開始される。このとき放
水口102から噴出した水は、デフレクタ104に当っ
て防護範囲全体に均一に散水される。
うな従来の消火用散水ノズルにあっては、1個のノズル
当り例えば80リットル/分以上という所定流量の連続
放射となっていたため、火災消火能力に対して比較的多
くの消火液あるいは水の量が必要であり、当然消火する
対象物以外のものにも放射されるため、放射した消火液
あるいは水による二次災害、いわゆる水損が大きくなる
という問題点があった。また設備的には、水槽、ポンプ
が大容量となる上、配管サイズも大きくなり、設備全体
の費用が高くなるという問題点もあった。
に均一に散水させるため、水をデフレクタで分散させて
粒状にして散水している。そのため、火災の勢いが強い
場合には、分散された水は粒子径が小さいため、火災の
気流に負けて火災の深部に達する前に蒸発し、火災の抑
制に時間がかかり、また全く消火できないこともある。
このため水の量も多くなり、水損による被害も大きくな
る。
粒状の水により、一瞬その一点の火災の炎が弱まったと
しても、その地点の付近の炎により一度かかった水が蒸
発し、付近の炎によって再び燃え始める。このため完全
に消火するまでに時間がかかる。本発明は、このような
問題点に鑑みてなされたものであって、火災消火能力を
確保しながら、消火用散水ノズル1個あたりの放射量を
低減することで水損を少なくし、水槽、ポンプなどの容
量を小容量とし設置費用を低減することができる固定式
消火設備の消火用散水ノズルを提供することを目的とす
る。
の均一な散布パターンが得られるノズル構造を備えた消
火用散水ノズルを提供することを目的とする。
に、本発明は次のように構成する。本発明は、消火液ま
たは消火用水が圧送される消火用配管に接続され火災時
に消火液または消火用水を散水する固定式消火設備の消
火用散水ノズルを対象とする。
発明にあっては、所定の防護範囲内の特定部分に集中的
に散水する散布パターンを形成するスリットを備えた旋
回自在なノズル部と、ノズル部から消火液又は消火用水
を散水する際の水流を駆動源として駆動軸を回転させる
駆動部と、駆動部の回転を入力し所定の減速比に従って
減速してノズル部を回転させ散布パターンを所定の防護
範囲内を走査して所定の防護範囲内全域に散水させる減
速部と、消火液又は消火用水を散水する際の水流を駆動
源としてノズル部の内部で回転される羽根車とを備えた
ことを特徴とする。
水ノズルによれば、防護範囲内にある部分を集中的に散
水するように散布パターンを形成し、防護範囲内を走査
するようにしたので、火災に対して瞬間的には従来の散
水ノズルより大量の消火液が放射されるため、従来の8
0リットル/分の防護範囲全域放射の散水ノズルと例え
ば40リットル/分の回転走査で1rpm程度の場合と
比較すると、防護範囲内全体でみて少ない水量にもかか
わらず、より高い消火能力が得られる。
ると同時に、消火対象物にあたる水の打力及び粒子径も
増すので、消火能力が増加する。即ち、本発明において
は、水は分散された粒状ではなく、特定の部分に集中的
に散水される打力の強い水の塊として消火対象物に散水
されるため、火災気流に負けることなく火災の深部まで
到達して消火能力が高くなり、火災抑制までの時間が短
くて済み、従って鎮火までの水量も少なくて済む。また
塊状態の水で消火するため、一度消火した部分が再び燃
え上がることを抑制し、一度消火された場所を継続して
鎮火状態にできる。
わゆる水損の被害を小さくすることができる。更に、放
射水の水槽が小さくなり、ポンプが小容量となり、自家
発電設備等バックアップ設備も小容量となり、配管サイ
ズも小さくなるため、低コストとなる。また、防護範囲
を従来の散水ノズルと比較して大きくした場合でも、走
査時間を調整することにより、火災に対しては瞬間的に
は大量の水を放射することができ、同等以上の消火性能
が得られることから、従来の散水ノズルと比較して、ノ
ズルの設置個数を減らすことができる。
に、スリット方向に対し略直交する方向に複数の羽根を
備えノズル部の水流を駆動源として回転される羽根車を
設けたことで、理想的な散布パターンが得られる。即
ち、スリットのみの場合には、スリットから出た水は互
いに集まるように落ち、散布量が均一化された理想的な
散布パターンとならない。しかし、回転する羽根車の羽
根によって水を1つ1つの固りに区切ってスリットから
出すことによって、スリットから出た水が集まって落ち
ることが抑えられ、理想的な散布パターンが得られる。
ズル部のスリットとして防護範囲内の遠隔部に散水する
スリット箇所ほどスリット幅を広く設定する。また本発
明の消火用散水ノズルは閉鎖型であり、ノズル部は内部
の流入路を開閉する弁体を連結し、火災により所定温度
に達したら脱落する感熱作動機構により弁体を定常監視
状態で流入路を閉鎖する位置に保持しており、感熱作動
機構が分解した際に下降してノズル部先端を露出すると
共に弁体により流入路を開いて消火液又は消火用水を流
す。
体により定常監視状態で閉鎖された流入路の一次側に第
1ストレーナを設けると共に、二次側に第2ストレーナ
を設け、消火液又は消火用水に混入しているゴミ等の異
物による流路のつまりを防止する。ここで消火液又は消
火用水が充満している弁体1次側に設置する第1ストレ
ーナの網目を粗くし、大気に開放状態にある弁体2次側
に設置した第2ストレーナの網目を細かくしている。
かいほど錆やすいという性質に着目したもので、消火液
又は消火用水が入っている弁体1次側に設置する第1ス
トレーナの網目を粗くして錆にくくする。第1ストレー
ナの網目を荒くしていても、大気開放側に目の細かい第
2ストレーナがあるので、ゴミ等の異物は確実に除去で
きる。
火用散水ノズルとした場合、ノズル本体に対し流入路側
から駆動部、減速部、及び羽根車を内蔵したノズル部を
順に配置し、駆動部に対しノズル部を軸方向に摺動自在
で軸回りに一体回転するスライド連結部を介して連結
し、感熱作動機構の分解時にノズル部をスライドさせた
状態で駆動部の回転をノズル部に伝達する。
備の消火用散水ノズルの外観説明図である。本発明の消
火用散水ノズル1は円筒状のノズル本体2を有し、ノズ
ル本体2の上部に消火ポンプ設備から加圧された消火液
または消火用水が供給される消火配管に接続する接続ネ
ジ部3を有し、ノズル本体2の下部に火災により所定温
度に達した時に脱落する感熱作動機構4を設けている。
心線の左側にノズル本体2のケースを破断した内部構造
を示し、右半分に内部構造の断面を示している。図2に
おいて、ノズル本体2は接続ネジ部3が設けられた上方
側よりケース2a,2b,2c及び2dの4つをねじ込
みにより軸方向に連結している。上部のケース2aに一
体に設けられた接続ネジ部3の内部には流入路5が軸方
向に形成され、ノズル本体2の中央に配置した軸12の
先端に一体に形成した弁体11を弁座11aに収納し
て、流入路5を定常監視状態で閉鎖している。
二次側流入路5bに弁体11による流入路5の閉鎖で分
けられている。弁体11の閉鎖で分けられた一次側流入
路5a側には第1ストレーナ13が設置され、一方、二
次側流入路5bには第2ストレーナ14が設けられてい
る。第1ストレーナ13及び第2ストレーナ14は共に
加圧供給される消火液や消火用水に混入しているゴミな
どの異物を除くためのものであり、弁体11で閉じられ
た一次側流入路5aには定常監視状態で消火液または消
火用水が加圧状態で充満しており、その中に第1ストレ
ーナ13が設置されている。これに対し第2ストレーナ
14は、弁体11で閉鎖された流入路5の二次側流入路
5bにあることから、大気に開放された状態にある。
が小さいほど水に浸していた場合の腐食の度合いが大き
いことが知られている。そこで本発明にあっては、消火
液や消火用水に浸されている一次側流入路5a側の第1
ストレーナ13の網目を大きくして腐食しにくくし、一
方、大気側に開放された状態で設置されている第2スト
レーナ14については細かい網目のものを使用してい
る。これによって一次側流入路5a側に設置した第1ス
トレーナ13を腐食しにくくし、耐久性を高めている。
4を設置した流入路5に続いては駆動部6が設けられ
る。駆動部6は、円筒状のケーシング6bの外周に複数
枚のインペラ6aを配置した水車構造であり、ケーシン
グ6bはケース2bの内部に一体に形成したハウジング
16に装着したベアリング17を介して回転自在に指示
さている。このため消火液または消火用水を散水する際
に上から下に流れる水流をインペラ6aで受けてケーシ
ング6bが回転駆動される。
ている。ハウジング15はケース2bの内部に一体に形
成したハウジング16にネジ込み固定しており、ハウジ
ング15の中心軸方向には弁体11を備えた軸12が摺
動自在に嵌め込まれている。またハウジング16の上側
には軸12が下降して弁体11が弁座11aから離れて
開いた時に収納する弁体収納部16aが形成されてい
る。
は、ダブル遊星歯車機構を使用している。即ちハウジン
グ16にネジ込み固定されたハウジング15にサンギア
18aを固定し、サンギア18aの外側にプラネタリギ
ア19を介してインターナルギア21を配置し、インタ
ーナルギア21は駆動部6のケーシング6bの内側に固
定されている。
に回転自在に装着されている。続いてサンギア18bが
上部のサンギア18aと同様、軸12側のハウジング1
5に固定され、サンギア18bに対しプラネタリギア2
2を介してキャリアケース20に固定されたインターナ
ルギア23を噛み合わせている。プラネタリギア22は
回転出力部材としてのキャリアケース24に回転自在に
装着されている。
3に取り出して示すようなギア配列をもっている。この
ようなダブル遊星歯車機構により、例えば水流による駆
動部6のインペラ6aの水流回転を例えば1000分の
1以下の高減速比で減速してキャリアケース24の回転
として取り出すことができる。再び図2を参照するに、
ハウジング6b上部の外周面とハウジング16の内周面
との隙間、およびハウジング6b、下部の内周面とキャ
リアケース24の外周面との隙間は、極力狭く設計され
ている。これは、消火用水中のゴミが上記隙間から減速
部7内に入ってギア機構にゴミづまりが起き、減速部7
が動作しなくなることを防止している。そのため、減速
部7は、駆動部6の中にほぼ被包した状態で収納されて
いる。
ている。ノズル部8の上部は、減速部7のキャリアケー
ス24から軸方向に延在した固定ガイド25に対し、ス
ライダ連結部26により軸方向に褶動自在で且つ軸回り
に連結するように装着されている。即ち、ノズル部8の
スライダ連結部26は、キャリアケース24から延在し
た固定ガイド25に対し褶動自在なスライダ27を例え
ば円周方向の4箇所に配置しており、4本のスライダ2
7をフランジ28の周囲に一体に形成した支持してお
り、フランジ28はネジ35によりリテーナ34を介し
て軸12の先端に固定されている。またリテーナ34と
上部に位置する減速部7側のストッパ部材29との間に
はスプリング30が組み込まれ、ノズル部8側を下方に
押圧している。
断面を示す図4から明らかになる。図4において、ノズ
ル部8側のスライダ連結部26は、中央のフランジ28
の周囲4箇所に配置されたスライダ27で構成され、ス
ライダ27はフランジ28に対し図2のように軸方向に
延在している。このようなノズル部8側のスライダ連結
部26に対し、上側に位置する減速部7の回転出力部材
となるキャリアケース24より延在している固定ガイド
25が、4箇所に形成したスライダ27の間2箇所に位
置している。このため減速部7側の固定ガイド25に対
しノズル部8側のスライダ27は、軸方向に移動可能で
あるが軸回りには固定ガイド25と連結関係にあり、固
定ガイド25側からの回転を受けてスライダ27はフラ
ンジ28と共に一体に回転される。
にはガイドプレート31がねじ止め固定されている。ガ
イドプレート31の内側は、図4の想像線で示すよう
に、内周部31aを固定ガイド25の外周とノズル部8
の内周の間の空間に位置しており、且つスライダ27同
士の間に固定ガイド25がない2箇所の部分においては
中央側に伸びており、スライダ27に内周部31aが引
掛るようになっている。このため、スライダ27に対し
ガイドプレート31は軸方向に褶動自在で且つ軸回りに
は一体に回転するスライダ連結部を構成している。
1とノズル部8の上端との間には、ねじ止めの際にシー
ト32が挟み込み固定されている。シート32は、ケー
ス2cの内周まで延在したサイズを持っている。このシ
ート32は、感熱作動部4が火災により所定温度に達し
て脱落した際に、ノズル部8と共に下降してシート圧着
段部33に圧着され、外側のケースとノズル部8の間を
通る水の漏れ出しを阻止するバルブシートとして機能す
る。
の半径回りにスリット10が想像線で示すように形成さ
れている。スリット10を形成したノズル部8の内部に
は、水平配置した固定軸39に対し回転軸部40を備え
た羽根車9が回転自在に組み込まれている。羽根車9
は、ノズル部8のスリット10の方向に対し略直交する
水平方向に配列した複数枚の羽根を設けている。
4が所定温度に達して脱落し、散水する際の水流を受け
て垂直回り即ちスリット10の方向に回転される。この
散水時における羽根車9のスリット10の方向の回転
は、スリット10より散水される水を、スリットに直交
する羽根車9の羽根によって区切って1つの塊にして散
水し、スリット10のみの場合の散水で水がくっつき合
う性質により、水が集まって落ちることによる理想的な
散水パターンの形成ができない問題を解決する。
には、上部側よりストッパボール37とロックボール3
8が設けられている。ストッパボール37は、感熱作動
機構4が脱落した時にノズル部8が下降してくることか
ら、ノズル部8のストッパ部36を受けて、この位置に
ノズル部8を係止する。感熱作動機構4は、止ネジ48
に所定温度で溶融するヒューズ47により集熱板44を
固定しており、止ネジ48を間に集熱板45,46、抑
え板43及びロックボール38を介してノズル部8の先
端を支持している支持プレート42の中央部に突出した
ネジ部に装着することで、ケース2dの内部先端の段部
に支持固定している。
けて所定温度に達するとヒューズ47が溶融し、集熱板
44、45,46、抑え板43、及びロックボール38
の支持が解除され、これらと共に支持プレート42も脱
落する。図5は図1に示した本発明の消火用散水ノズル
1の感熱作動機構4が火災により所定温度に達して作動
して脱落した時の外観説明図である。即ち図1の感熱作
動機構4が作動して脱落すると、図2から明らかなよう
にノズル本体2内に収納されているノズル部8の支持が
解除され、図5のようにノズル部8の先端が下側に飛び
出し、先端のスリット10より散水が行われる。
10の幅は、遠くへ散水する上側のスリット部分の方が
広くなっている。これは、防護範囲の特定部分に均一な
帯状の散水をするために、上側のスリット10の幅を広
くして消火用水の量を多くしている。図6は図5の作動
状態における内部構造を軸中心の右側に断面で示してお
り、左側については図2と同じ定常監視状態での内部構
造を示している。図2のように定常監視状態でノズル部
8を保持している感熱作動機構4が火災による所定温度
への到達で脱落すると、ノズル部8の保持が解除され、
ノズル部8は図示の位置に下降する。同時にスプリング
30の力及び一次側流入路5aに加わっている消火液ま
たは消火用水の加圧による弁体11の押圧力により、軸
12が弁体11と共に下降し、弁体11は弁体収納部1
6aに収まり、これによって内部の流入路5が開放され
る。
矢印のように流入した消火液または消火用水は、第1ス
トレーナ13及び第2ストレーナ14を通過した後、駆
動部6の外側を通り、この水流をインペラ6aが受けて
ケーシング6bを回転する。水流による駆動部6の回転
は、減速部7に伝達されて減速され、減速回転がキャリ
アケース24の下部に延在した固定ガイド25に出力さ
れる。
26のスライダ27が下側にスライドした位置にあり、
スライダ27の下側の位置にノズル部8の上端に固定し
ているガイドプレート31の内側の張出し部が位置して
いる。このため減速部7の固定ガイド部25に対する出
力回転は、スライダ27を介してガイドプレート31に
伝えられ、更にノズル部8に伝達されて軸回りに回転さ
せる。この時のノズル部8の回転数は、例えば散水流量
を40リットル/分とすると1rpm程度の回転数とな
る。
のスリット10の形成部内側に設けている羽根車9を回
転する。羽根車9はスリット10の方向に略直交する方
向に羽根を配置しており、このためスリット10を外側
から見ると、スリット方向に直交する羽根の間隔で仕切
られた矩形の開口がスリット10内をスリット方向に移
動しており、スリットを直交する羽根で仕切った矩形領
域で区切った水の塊を放水するようになる。
た場合、スリットに沿ったカーテン状となって放水され
る水の場合には防護範囲に落ちた時に水が集まって落ち
るようになるが、羽根車9の回転で水を仕切っているこ
とで水が1つの塊として散水され、防護範囲に落ちる時
に集まらず、均一に散布する理想的な散布パターンが得
られる。
パターンの説明図である。天井面などに設置された消火
用散水ノズル1は、作動状態において下部に突出したノ
ズル部8が散水による水流で矢印のように回転し、ノズ
ル部8に設けているスリット10より放水パターン50
の放水が行われ、防護範囲52に帯状の散布パターン5
1を形成する。この散布パターン51は、ノズル部8の
回転に伴って矢印で示すように回転し、所定の防護範囲
52を走査する。
減速比で減速してからノズル部8に伝達する理由は、ノ
ズル部8をインペラ6aのみで回転させると、かなり高
速でノズル部8が回転してしまい、ノズル部8から散水
された消火用水は塊状から粒状に分散してしまい、防護
範囲内の特定の部分に集中的に散水する散水パターンを
形成できなくなり、防護範囲のある一点からみると、一
回の走査で到達する消火用水の水量が少なくなり、粒子
径も小さくなり、また打力も低減して消火能力が低下し
てしまうからである。これを防止し、集中的に散水する
散水パターンを形成するため、散布パターンの走査の速
度を散布パターンの形状が維持できる程度の比較的低速
度にする必要があるために、減速ギア機構を設けてい
る。
から見た散水量の時間的変化であり、図8(A)は従来
の消火用散水ノズルの散水量であり、図8(B)が本発
明の消火用散水ノズルの散水量である。図8(A)の従
来の消火用散水ノズルにあっては、防護範囲52のある
一箇所から見ても常に一定の水量の水が散水されてい
る。これに対し図8(B)の本発明の消火用散水ノズル
にあっては、散布パターン51の回転走査速度に依存し
た一定の周期で間欠的に大量の水が散水されることにな
る。
いると、防護範囲52のある一部分から見た場合に、火
災に対して瞬間的には従来の散水ノズルよりも大量の消
火用水または消火液が散水され、一定水量を継続して散
水するよりも瞬間的に集中して大量の水を散水した方が
高い消火能力が得られる。このため、例えば従来の80
リットル/分の防護範囲52の全域放射の散水ノズルと
例えば本発明による消火ノズルで散水量を40リットル
/分、走査速度を1rpm程度とした場合と比較する
と、防護範囲52の全体的に見て少ない水量にも関わら
ず、より高い消火能力が得られる。
は、少ない散水量で消火できるため、いわゆる水損の被
害を小さくすることができる。このことから、消火用水
の水槽も小さくでき、更に従来の消火能力と同等とした
場合には、従来よりも配管内の水圧を抑えることができ
るため、消火ポンプが小容量で済み、更には自家発電設
備などのバックアップ設備も小容量とでき、配管サイズ
も小さくなるために、設備コストを大幅に低減できる。
ば、従来のように防護範囲52内全体に散水するのと比
べ、本発明にあっては、瞬間的には散水量が増えると同
時に消火対象物に到達する水の打力及び粒子径も増すの
で、消火能力が増大する。即ち本発明においては、水は
分散された粒状ではなく特定の部分に集中的に散水され
る打力の強い水の塊として消火対象物に散水されるた
め、火災気流に負けることなく火災深部まで到達して消
火能力が高くなる。
み、したがって水量も少なくて済む。更に塊状態の水で
消火するため、一度消火した部分が再び燃え上がること
がなくなり、一度消火された場所を継続して鎮火状態に
できる。図9は本発明の散水による消火の様子を従来と
対比して示している。図9(C)は従来の散水パターン
(平面図)であり、従来の散水能力では防護範囲52全
体に均一に散水させるため、消火用水をデフレクタで分
散させて粒状にして散水しており、防護範囲52内に比
較的粒子径の小さな様々な大きさをもった粒状の水によ
るスポット状散布パターン54が得られる。
された水は粒子径が小さいため火災の気流に負け、炎5
3の深部に達する前に蒸発し火災の抑制に時間が掛か
り、また全く消火できないこともある。このため消火用
水の量も多くなり、水損による被害も大きくなる。更に
防護範囲52内のある一点から見ると、粒状の水により
一瞬、その一点の火災の炎53が弱まったとしても、そ
の時点の付近の炎53により一度掛かった水が蒸発し、
付近の炎によって再び燃え始める。このため、完全に消
火するまでには時間が掛かる。
布パターンの散水であり、防護範囲52内のある部分に
集中的に大量の消火用水を散水する散布パターン51を
形成している。このため、瞬間的には散水量が増えると
同時に、消火対象物に当たる消火用水の打力及び粒子径
も増すので、消火能力が増大する。即ち、本発明の散布
パターン51においては、消火用水は図9(C)のよう
に分散された粒状ではなく、特定の部分に集中的に散水
される打力の強い水の塊として消火対象物に散水され
る。このため、火災気流に負けることなく炎53の深部
まで到達して消火能力が高くなり、火災抑制までの時間
が短くて済み、したがって鎮火までの水量も少なくて済
む。
1で防護範囲52の全域を走査して塊状の水で消火する
ため、一度消火した鎮火部分55が再び燃え上がること
を抑え、一度消火された場所を継続して鎮火状態に維持
できる。更に防護範囲52内のある部分に大量の水を散
水するようにノズル部8を形成したため、防護範囲52
を従来の散水ノズルと比べて大きくした場合でも、走査
時間を調整することにより火災に対して瞬間的に大量の
水を散水することができるため、従来と同等以上の消火
性能が得られる。したがって、従来の散水ノズルに比べ
ノズルの設置個数を減らすことができる。
防護範囲52に8個の散水ノズルを従来設置していた場
合に対し、本発明によれば、取付ピッチを2.6メート
ルとすることができ、その結果、設置する散水ノズルの
個数を4個に減らすことができる。図10はノズル部8
から散水される散布パターン51の別の形態を示す。図
10(A)はノズル部8の周方向に90°の間隔をおい
て4個の半径部となるスリットを形成した場合であり、
防護範囲52に対し帯状の散布パターン51をクロスさ
せた十字形状の散布パターンが得られる。
隔をおいて2つの半径部となるスリットを形成した場合
であり、防護範囲52において直径方向に帯状の散布パ
ターン51が得られる。更に図10(C)はノズル部8
の周方向に10°程度の短い角度間隔をおいて3つの半
径部となるスリットを形成した場合であり、この場合に
は防護範囲52において半径方向に放射状に広がった3
つの散布パターン51を得ることができる。
る所定温度で脱落する感熱作動機構4により弁体11を
閉鎖位置に支持した閉鎖型の消火用散水ノズルを例にと
るものであったが、感熱作動機構4と弁体11の作動機
構を持たない開放型の消火用散水ノズルについてもその
まま適用できる。この開放型の消火用散水ノズルとして
は、例えば図2の構造において、駆動部6と減速部7を
ノズル本体2内に配置すると共に、減速部7の回転出力
部となるキャリアケース24に対し、ノズル部8をスラ
イド連結部によらず直接回転自在に連結し、この状態で
常時ノズル部8の先端のスリット10が外部に露出した
構造とすればよい。
ば、防護範囲内にある部分を集中的に散水するように散
布パターンを形成し、防護範囲内を走査するようにした
ので、火災に対し瞬間的には大量の消火液または消火用
水が放出されるため、より高い消火能力が得られ、水損
の被害も小さくなる。
は、配管内の水圧を抑えることができ、水槽、ポンプな
どが低容量となり、配管サイズも小さくなり、更に防護
範囲内のある部分に集中的に散水するようにノズル部を
形成したため、防護範囲を従来よりも広くしても従来と
同程度の消火能力を維持でき、ノズルの設置個数を低減
し、その結果、設備コストを低減できる。
にスリット方向に対し略直交する方向に複数の羽根を備
えた羽根車を設けて散水時の水流を駆動源として回転さ
せたことで、スリットのみの場合にはスリットから出た
水が互いに集まるように保持して理想的な散布パターン
とならない問題に対し、回転する羽根車の羽根によって
水を一つ一つの塊に区切ってスリットから出すことによ
り、スリットから出た水が集まって落ちることが抑えら
れ、散布量が均一化される理想的な散布パターンが得ら
れる。
の外観説明図
明図
部構造を半断面で対比して示した断面図
作の説明図
来と対比して示したタイムチャート
と対比して示した説明図
た説明図
Claims (6)
- 【請求項1】消火液または消火用水が圧送される消火用
配管に接続され火災時に消火液または消火用水を散水す
る固定式消火設備の消火用散水ノズルに於いて、 所定の防護範囲内の特定部分に集中的に散水する散布パ
ターンを形成するスリットを備えた旋回自在なノズル部
と、 前記ノズル部から前記消火液又は消火用水を散水する際
の水流を駆動源として駆動軸を回転させる駆動部と、 前記駆動部の駆動軸の回転を入力し所定の減速比に従っ
て減速して前記ノズル部を回転させ、前記散布パターン
を前記所定の防護範囲内を走査して前記所定の防護範囲
内全域に散水させる減速部と、 前記ノズル部に設けられ、前記スリット方向に対し略直
交する方向に複数の羽根を備え、前記ノズル部から前記
消火液又は消火用水を散水する際の水流を駆動源として
回転される羽根車と、を備えたことを特徴とする消火用
散水ノズル。 - 【請求項2】請求項1記載の消火用散水ノズルに於い
て、前記ノズル部のスリットは、防護範囲内の遠隔部に
散水するスリット箇所ほどスリット幅を広く設定するこ
とを特徴とする消火用散水ノズル。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の消火用散水ノズルに
於いて、前記ノズル部は内部の流入路を開閉する弁体を
連結し、火災により所定温度に達したら脱落する感熱作
動機構により前記弁体を定常監視状態で前記流入路を閉
鎖する位置に保持しており、前記感熱作動機構が分解し
た際に下降してノズル部先端を露出すると共に前記弁体
により流入路を開いて前記消火液又は消火用水を流すこ
とを特徴とする消火用散水ノズル。 - 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の消火用
散水ノズルに於いて、前記弁体により定常監視状態で閉
鎖された前記流入路の一次側に第1ストレーナを設ける
と共に二次側に第2ストレーナを設けたことを特徴とす
る消火用散水ノズル。 - 【請求項5】請求項4記載の消火用散水ノズルに於い
て、前記第1ストレーナの網目を粗くし、第2ストレー
ナの網目を細かくしたことを特徴とする消火用散水ノズ
ル。 - 【請求項6】請求項3記載の消火用散水ノズルに於い
て、ノズル本体に対し前記流入路側から前記駆動部、前
記減速部、及び前記羽根車を内蔵したノズル部を順に配
置し、前記駆動部に対し前記ノズル部を軸方向に摺動自
在で軸回りに一体回転するスライド連結部を介して連結
し、前記感熱作動機構の分解時に前記ノズル部をスライ
ドさせた状態で前記駆動部の回転を前記減速部を介して
ノズル部に伝達することを特徴とする消火用散水ノズ
ル。
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---|---|---|---|
JP17360197A JP3832684B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 固定式消火設備の消火用散水ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17360197A JP3832684B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 固定式消火設備の消火用散水ノズル |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000297940A Division JP3878804B2 (ja) | 2000-09-29 | 2000-09-29 | 消火用散水ノズル |
JP2000297941A Division JP3832713B2 (ja) | 2000-09-29 | 2000-09-29 | 消火用散水ノズル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1119245A true JPH1119245A (ja) | 1999-01-26 |
JP3832684B2 JP3832684B2 (ja) | 2006-10-11 |
Family
ID=15963635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17360197A Expired - Fee Related JP3832684B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 固定式消火設備の消火用散水ノズル |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3832684B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010006560A1 (zh) * | 2008-07-18 | 2010-01-21 | Han Tiefu | 一种喷雾装置 |
-
1997
- 1997-06-30 JP JP17360197A patent/JP3832684B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010006560A1 (zh) * | 2008-07-18 | 2010-01-21 | Han Tiefu | 一种喷雾装置 |
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Publication number | Publication date |
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JP3832684B2 (ja) | 2006-10-11 |
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