JP2006000672A - 固定式消火設備の散水方法及び消火用散水ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】 消火用散水ノズルにおいて、消火能力を高め、放射量を小さくして水害の被害を小さくし、ポンプなどの容量を小容量としてコストを低減する。
【解決手段】 火災時に消火配管に接続された消火用散水ノズル1のノズル部15から消火液または消火用水を散水して消火を行う。このとき、一つの消火用散水ノズル1のノズル部15から消火用散水ノズル1の所定の防護範囲25内の特定部分に消火液または消火用水を集中的に散水して所定の散布パターンを形成し、ノズル部15を1rpm程度で回転させて、散布パターンを所定の防護範囲25内を走査して所定の防護範囲内25全域に散水させる。
【選択図】 図3
【解決手段】 火災時に消火配管に接続された消火用散水ノズル1のノズル部15から消火液または消火用水を散水して消火を行う。このとき、一つの消火用散水ノズル1のノズル部15から消火用散水ノズル1の所定の防護範囲25内の特定部分に消火液または消火用水を集中的に散水して所定の散布パターンを形成し、ノズル部15を1rpm程度で回転させて、散布パターンを所定の防護範囲25内を走査して所定の防護範囲内25全域に散水させる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、スプリンクラー消火設備などの固定式消火設備に使用される固定式消火設備の散水方法及び消火用散水ノズルに関する。
従来、この種のスプリンクラー消火設備に使用される消火用散水ノズルとしては、防護範囲全体に均一に散水させるため、水をデフレクタで分散させて粒状態に散水しており、例えば図11に示すようなものがある(特許文献1)。
図11はヒュージブルリンク式の消火用散水ノズルを示し、ノズル本体101に放水口102が形成され、放水口102に設けた栓103とデフレクター104との間に一対のレバー105A,105Bを接触点106a,106b,106cによって係止し、栓103を閉鎖状態に支持している。レバー105Aとレバー105Bは感熱体としてのヒューズ107aで固着された一対のリンク108a,108bが装着され、栓103の閉鎖状態を維持している。
火災の発生による温度上昇でヒューズ107が溶けると、一対のリンク108a,108bが矢印で示すように分解し、レバー105A,105Bの係止が解除され、水圧によってレバー105A,105Bがはじけ、放水口102から栓103が脱落して加圧水が放水口102から噴出し、散水が開始される。このとき放水口102から噴出した水は、デクレクタ104に当って防護範囲全体に均一に散水される。
特開平5−69730号公報
特開平5−293199号公報
特開平6−63461号公報
特開平2−198799号公報
実願平2−86026号(実開平4−42855号公報)のマイクロフィルム
実願平61−79252号(実開昭62−189760号公報)のマイクロフィルム
特開平6−63461号公報
しかしながら、このような従来の消火用散水ノズルにあっては、1個のノズル当り例えば80リットル/分以上という所定流量の連続放射となっていたため、火災消火能力に対して比較的多くの消火液あるいは水の量が必要であり、当然消火する対象物以外のものにも放射されるため、放射した消火液あるいは水による二次災害、いわゆる水損が大きくなるという問題点があった。また設備的には、水槽、ポンプが大容量となる上、配管サイズも大きくなり、設備全体の費用が高くなるという問題点もあった。
また従来の散水ノズルでは、防護範囲全体に均一に散水させるため、水をデフレクターで分散させて粒状にして散水している。そのため、火災の勢いが強い場合には、分散された水は粒子径が小さいため、火災の気流に負けて火災の深部に達する前に蒸発し、火災の抑制に時間がかかり、また全く消火できないこともある。このため水の量も多くなり、水損による被害も大きくなる。
更に、防護範囲内のある一点から見ると、粒状の水により、一瞬その一点の火災の炎が弱まったとしても、その地点の付近の炎により一度かかった水が蒸発し、付近の炎によって再び燃え始める。このため完全に消火するまでに時間がかかる。本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、火災消火能力を確保しながら、消火用散水ノズル1個あたりの放射量を低減することで水損を少なくし、水槽、ポンプなどの容量を小容量とし設置費用を低減することができる固定式消火設備の散水方法及び消火用散水ノズルを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明は次のように構成する。まず、本発明は、火災時に消火配管に接続された消火用散水ノズルのノズル部から消火液または消火用水を散水して消火を行う固定式消火設備の散水方法を対象とする。
このような散水方法について本発明は、一つの消火用散水ノズルのノズル部から消火用散水ノズルの所定の防護範囲内の特定部分に消火液または消火用水を集中的に散水して所定の散布パターンを形成し、ノズル部を1rpm程度で回転させて、散布パターンを所定の防護範囲内を走査して所定の防護範囲内全域に散水させることを特徴とする。
また本発明は、消火液または消火用水が圧送される消火用配管に接続され火災時に消火液または消火用水を散水する固定式消火設備の消火用散水ノズルに於いて、所定の防護範囲内の特定部分に集中的に散水する散布パターンを形成する旋回自在なノズル部と、ノズル部を1rpm程度で回転させ、散布パターンを所定の防護範囲内を走査して所定の防護範囲内全域に散水させるノズル回転部と、を備えたことを特徴とする。
ここで、ノズル回転部は、ノズル部から前記消火液又は消火用水を散水する際の水流を駆動源として駆動軸を回転させる駆動部と、駆動部の駆動軸の回転を入力し所定の減速比に従って減速してノズル部を回転させ、散布パターンを定の防護範囲内を走査して所定の防護範囲内全域に散水させる減速部とでなる。
本発明によれば、防護範囲内にある部分を集中的に散水するように散布パターンを形成し、防護範囲内を走査するようにしたので火災に対して瞬間的には大量の消火液が放射されるため、より高い消火能力が得られ、水損の被害も小さくなる。
また、従来と同等程度の消火能力にした場合には、配管内の水圧を抑えることができ、水槽、ポンプなど消火容量となり、配管サイズも小さくなり、さらに防護範囲内のある部分に集中的に散水するようノズル部を形成したため、防護範囲を従来より広くしても従来と同程度の消火能力は維持できるため、ノズルの設置個数も減らすことができ、その結果、コストを低減することができる。
更に詳細には、本発明の消火用散水ノズルによれば、防護範囲内にある部分を集中的に散水するように散布パターンを形成し、防護範囲内を走査するようにしたので、火災に対して瞬間的には従来の散水ノズルより大量の消火液が放射されるため、従来の80リットル/分の防護範囲全域放射の散水ノズルと例えば40リットル/分の回転走査で1rpm程度の場合と比較すると、防護範囲内全体でみて少ない水量にもかかわらず、より高い消火能力が得られる。
また、本発明は、瞬時的には散水量が増えると同時に、消火対象物にあたる水の打力及び粒子径も増すので、消火能力が増加する。即ち、本発明においては、水は分散された粒状ではなく、特定の部分に集中的に散水される打力の強い水の塊として消火対象物に散水されるため、火災気流に負けることなく火災の深部まで到達して消火能力が高くなり、火災抑制までの時間が短くて済み、従って鎮火までの水量も少なくて済む。また塊状態の水で消火するため、一度消火した部分が再び燃え上がることを抑制し、一度消火された場所を継続して鎮火状態にできる。
また、少ない放射量で消火できるため、いわゆる水損の被害を小さくすることができる。更に、放射水の水槽が小さくなり、ポンプが小容量となり、自家発電設備等バックアップ設備も小容量となり、配管サイズも小さくなるため、低コストとなる。また、防護範囲を従来の散水ノズルと比較して大きくした場合でも、走査時間を調整することにより、火災に対しては瞬間的には大量の水を放射することができ、同等以上の消火性能が得られることから、従来の散水ノズルと比較して、ノズルの設置個数を減らすことができる。
図1は本発明の消火用散水ノズルの第1実施形態を示す説明図である。図1において、2は消火用散水ノズル1のノズル本体であり、ノズル本体2上には消火液または消火用水(以下、消火用水という)が圧送される消火用配管に接続される接続ネジ部3が設けられている。
接続ネジ部3には消火用水が流入する流入路4が形成され、流入路4は通常の監視時には駆動軸7の先端に固定されたバルブ5により閉鎖されている。駆動軸7のバルブ5の下部にはバルブ5が流入路4を開放したとき消火用水の水流を駆動源として駆動軸7を回転させる駆動部としてのプロペラ6が取り付けられている。
ノズル本体2内には所定の防護範囲内の特定部分に対して集中的に散水する散布パターンを形成して消火用水を散水するノズル部15が収納されている。ノズル部15の上端にはフランジ部15aが形成され、また、ノズル部15の下側には所定の棒状の散水パターンで消火用水を水の塊として防護範囲の特定の部分に集中的に散水する複数のノズル穴17が形成されている。ノズル穴17は所定の間隔をおいて上下方向に複数個形成され、また、横方向に所定の間隔をおいて3列となるように形成されている。
また、ノズル本体2内には減速部としての減速ギア機構8を収納するケーシング9が設けられている。減速ギア機構8は、プロペラ6の回転による駆動軸7の回転を入力し、所定の減速比で減速させて出力し、ノズル部15を回転させる。このノズル部15の回転により、所定の防護範囲内の特定の部分に集中的に散水する散布パターンを走査して所定の防護範囲内全域に消火用水を散水して消火を行う。
減速ギア機構8は、駆動軸7に固定されたウォームギア7aと、ウォームギア7aに噛合しギアシャフト11に固定されたウォームホイールギア10と、ギアシャフト11上に設けられたウォームギア12と、ウォームギア12に噛合しギアシャフト14上に固定されたウォームホイールギア13と、ギアシャフト14に固定されたドリブンギア14aと、ドリブンギア14aに噛合し、ノズル部15の内壁に形成されたインターナルギア16とにより構成される。
駆動軸7の回転はウォームギア7a、ウォームホイールギア10、ギアシャフト11、ウォームギア12、ウォームホイールギア13、ギアシャフト14、ドリブンギア14a、インターナルギア16を経てノズル部15に伝達され、ノズル部15の回転を所定の減速比で減速させる。このような減速部としての減速ギア機構8を設けたのは、ノズル部15をプロペラ6のみで回転させると、かなりの高速でノズル部15が回転してしまい、ノズル部15から散水された消火用水は塊状から粒状に分散してしまい、防護範囲内の特定の部分に集中的に散水する散布パターンを形成できなくなり、防護範囲のある一点からみると、一回の走査で到達する消火用水の水量が少なくなり、粒子径も小さくなり、また打力も低減して消火能力が低下してしまうからである。これを防止し、集中的に散水する散布パターンを形成するため、散布パターンの走査の速度を散布パターンの形状が維持できる程度の比較的低速度にする必要があるために減速ギア機構8を設けている。
この減速ギア機構8においては、プロペラ6が例えば2400rpmで回転する場合、ウォームギア7aとウォームホイールギア10からなる1段目で1/20、ウォームギア12とウォームホイールギア13からなる2段目で1/20、ドリブンギア14aとインターナルギア16からなる3段目で1/6に減速させると、ノズル部15の回転を1rpm程度に減速させることができる。
ケーシング9とノズル本体2の内壁との間にはOリング20が介装され、火災の発生でノズル部15が下降するとき、ケーシング9とともにOリング20も一体になって下方に移動する。ノズル本体2の下端には内方に突出する鍔部29が形成され、鍔部29により開口部2bが形成されている。駆動軸7はノズル部15の底部の内側中央部まで突出し、ノズル部15の底部の中央部からは下方に軸15bが突出している。この軸15bは通常の監視時には支持プレート23に形成された円筒部23a内に挿入されている。
ノズル本体2の開口部2bには感熱分解部18が組み込まれ、ノズル部15およびケーシング9を押圧、支持し、通常の監視時にはバルブ5により流入路4を閉止してる。19a,19bは半田で接合されたリンクプレートであり、リンクプレート19a,19bの各端部にはリンク21の一端がそれぞれ連結され、アーム21の他端はノズル本体2に形成した係止穴22にそれぞれ係止している。
アーム21上には支持プレート23が配置され、支持プレート23の円筒部23a内にノズル部15の軸15bが挿入された状態で支持プレート23はノズル部15を押圧、支持している。次に、動作を説明する。通常の監視時においては、図1に示すように、ノズル本体2の開口部2bに組み込まれた感熱分解部18の支持プレート23によりノズル部15を押圧、支持しており、接続ネジ部3の流入路4は駆動軸7に設けたバルブ4により閉鎖されている。
火災が発生すると、リンクプレート19aとリンクプレート19bとを接合していた半田が火災による熱で熔解して、図2に示すように、リンクプレート19a,19bが2つに分解して、さらにリンク21の係止穴22に対する係止が解除されて落下し、リンク21により支持されていた支持プレート23も分解して落下する。
このため、ノズル部15と減速ギア機構8を収納したケーシング9はノズル本体2内で下降し、ノズル本体2の下端部に形成した鍔部29にノズル部15のフランジ部15aが係合し、バルブ5は接続ネジ部3の流入路4を開放する。流入路4が開放されると、流入路4まで供給されていた矢印Aで示す消火用水は、流入路4を通ってノズル本体2内に入り、プロペラ6を回転させる。
プロペラ6の回転によりプロペラ6が取り付けられている駆動軸7を回転駆動させる。駆動軸7の回転はウォームギア7a、ウォームホイールギア10、ギアシャフト11、ウォームギア12、ウォームホイールギア13、ギアシャフト14、ドリブンギア14a、インターナルギア16を経てノズル部15に伝達され、駆動軸7の回転を所定の減速比で減速させて、ノズル部15を回転させる。
また、流入路4、ノズル本体2からノズル部15に流入した消火用水は、ノズル部15に形成した3列のノズル穴17から図示のような棒状の放水パターン24aで放水が行われる。この放水パターン24aにより、図3に示すような帯状の散布パターン24が得られる。この帯状の散布パターン24は防護範囲25内で半径方向に伸びる3本の散布パターンを形成し、ノズル部15の回転により中心部を中心として矢印Bで示す方向に回転し、所定の防護範囲25を走査する。
すなわち、天井面には消火用散水ノズル1が設置されており、消火用散水ノズル1のノズル部15にはノズル穴17が所定の間隔をおいて半径部となる周方向に3列に形成されている。これらの3列のノズル穴17からそれぞれ図示のような棒状の放水パターン24aで消火用水が放水される。ノズル穴17の並びは放水パターン24aが防護範囲に当った際に飛散して隣接した放水パターン24aの消火用水とくっつくように設定してある。
その結果、複数の放水パターン24aは防護範囲25内で半径方向に伸びる3本の帯状の散布パターンを形成する。そして、ノズル部15の回転により、散布パターン24は防護範囲25内を走査する。なお、このノズル穴17は帯状の散布パターン24を形成するようにしたが、放水パターン24aがくっつかず、スポット状の散布パターンが並んでも良い。
図4(A),(B)は所定の防護範囲25内にある一箇所から見た散水量の時間的変化を示したグラフであり、図4(A)は従来の消火用散水ノズルの散水量であり、図4(B)は本実施形態の消火用散水ノズルの散水量の時間的変化を示している。図4(A)に示すように、従来は一定水量の水が放射されるが、本発明においては図4(B)に示すように防護範囲25内の特定の部分に集中的に放射して走査するため、防護範囲25内のある一箇所から見れば間欠的に大量の水が放射される。
このように本発明の消火用散水ノズルを用いると、防護範囲25のある一部分から見ると火災に対して瞬間的には従来の散水ノズルより大量の消火液が放射されるため、一定水量を継続して散水するよりも瞬間的に集中して大量の水を散水したほうが高い消火能力が得られる。このため、従来の80リットル/分の防護範囲25全域放射の散水ノズルと例えば40リットル/分の走査で1rpm程度の場合と比較すると、防護範囲25の全体的にみて少ない水量にもかかわらず、より高い消火能力が得られる。
また、少ない放射量で消火できるため、いわゆる水損の被害を小さくすることができる。このことから、消火用水の水槽を小さくすることができる。また、従来の消火能力と同等にした場合には、従来よりも配管内の水圧を押さえることができるためポンプが小容量となり、さらには自家発電設備等バックアップ設備も小容量となり、配管サイズも小さくなるため、低コストとなる。
また防護範囲25内のある一箇所からみれば、従来のように防護範囲25内全体に散水するのと比べ、本発明は、瞬時的には散水量が増えると同時に、消火対象物に到達する水の打力および粒子径も増すので、消火能力が増大する。すなわち、本発明においては、水は分散された粒状ではなく、特定の部分に集中的に散水される打力の強い水の塊として消火対象物に散水されるため、火災気流に負けることなく火災に深部まで到達して消火能力が高くなり、火災抑制までの時間が短くて済み、従って鎮火までの水量も少なくて済む。また塊状態の水で消火するため、一度消火した部分が再び燃え上がることがなくなり、一度消火された場所を継続して鎮火状態にできる。
図5は本発明の散水を従来と対比して示している。図5(C)は従来の散布パターンであり、従来の散水ノズルでは、防護範囲全体に均一に散水させるため、消火用水をデフレクターで分散させて粒状にして散水しており、防護範囲25内に、比較的粒子径の小さい様々な大きさを持った粒状の水によるスポット状散布パターン28が得られる。
そのため、火災の勢いが強い場合には、分散された水は粒子径が小さいため、火災の気流に負けて炎26の深部に達する前に蒸発し、火災の抑制に時間がかかり、また全く消火できないこともある。このため消火用水の量も多くなり、水損による被害も大きくなる。さらに、防護範囲25内のある一点から見ると、粒状の水により一瞬その一点の火災の炎26が弱まったとしても、その地点の付近の炎26により一度かかった水が蒸発し、付近の炎によって再び燃え始める。このため完全に消火するまでに時間がかかる。
図5(A),(B)は本発明の帯状の散布パターンの散水であり、防護範囲25内のある部分に集中的に大量の消火用水を放水する散布パターン24を形成している。このため瞬時的には散水量が増えると同時に、消火対象物にあたる消火用水の打力および粒子径も増すので、消火能力が増す。すなわち、本発明の散布パターン24においては、消火用水は図5(C)のように分散された粒状ではなく、特定の部分に集中的に散水される打力の強い水の塊として消火対象物に散水される。このため火災気流に負けることなく炎26の深部まで到達して消火能力が高くなり、火災抑制までの時間が短くて済み、従って鎮火までの水量も少なくて済む。
また図5(B)のように散布パターン24で防護範囲25内の全域を走査して塊状の水で消火するため、一度消火した鎮火部分27が再び燃え上がることを抑え、一度消火された場所を継続して鎮火状態にできる。また、防護範囲25内のある部分に大量の水を放水するようにノズル部15を形成したため、防護範囲25を従来の散水ノズルと比較して大きくした場合でも、走査時間を調整することにより、火災に対しては瞬間的には大量の水を放射することができ、従来と同等以上の消火性能が得られることから、従来の散水ノズルと比較して、ノズルの設置個数を減らすことができる。
例えば、取付ピッチ2.3mで所定の防護範囲25に8個の散水ノズル1が設置されていた場合と比べ、取付ピッチが2.6mとすることができ、設定する散水ノズル1の個数を4個に減少することができる。図6はノズル部15から散水される散布パターン24の別の形態を示す。ノズル部15に周方向に90度の間隔をおいて4個の半径部となるスリット穴を形成すると、図6(A)に示すような防護範囲25において帯状の散布パターン24をクロスさせた十字形状の散布パターンが得られる。また、ノズル部15に180度の間隔をおいて2つの半径部となるスリット穴を形成すると、図6(B)に示すように、防護範囲25において、直径方向に帯状の散布パターン24が得られる。
また、ノズル部15に半径部となるスリット穴を1個形成すると、図6(C)に示すように防護範囲25において半径方向に帯状の散布パターン24が得られる。また、ノズル部15に半径方向に2列の丸穴29a,29bを形成し、2列の丸穴29a,29bの位置を互いにずらせるようにすると、図6(D)に示すように、防護範囲25において、半径方向に帯状の散布パターン24と同等のスポット状の二列の散布パターンが得られる。このような散布パターンを所定の防護範囲25内で走査しても図1の実施形態と同様な効果が得られる。散布パターンはこれらに限らず、これらの組み合わせでも、複数のスポット状パターンを設けた構成でも打力の強い塊状の散水ができる。
図7は図1の実施形態の変形例を示す説明図である。本変形例においては、ノズル部15の外壁とノズル本体2の内壁の間にベアリングを設けている。ベアリング30のアウターレース30aはノズル本体2の内壁に接触して摺動自在に設けられ、ノズル部15の外壁15cにはベアリング30のインナーレース30bが固定され、アウターレース30aとインナーレース30bとの間にはボール30cが介装されている。
火災の発生でノズル部15およびケーシング9が下降するときは、ベアリング30もノズル部15と一体で下降する。このベアリング30を設けることによりノズル部15の円滑な回転を保証している。その他の構成および効果は図1と同様になっている。図8は本発明の消火用散水ノズルの第3実施形態を示す説明図である。
本実施形態は、ノズル部15の回転を減速させる減速部としてベルト減速機構を備えたことを特徴とする。図8において、33はノズル本体2内の下方に移動可能に収納されたケーシングであり、ケーシング33内には減速部としてのベルト減速機構32が設けられている。ベルト減速機構32は、駆動部としてのプロペラ6の回転により回転駆動する駆動軸7の回転を入力し、所定の減速比で減速して出力し、ノズル部15を回転させる。
ベルト減速機構32は、駆動軸7に固定した小径のプーリ34と、駆動軸7と平行して垂直方向に設けたシャフト45aに固定した大径のプーリ36と、これらのプーリ34,36間に架設されるベルト35と、シャフト45bに固定した小径のプーリ37と、駆動軸7とベアリング40aを介して同軸となるシャフト41に固定した大径のプーリ39と、これらのプーリ37,39間に架設されるベルト38と、シャフト41に固定した小径のプーリ42と、シャフト45aとベアリング40bを介して同軸となるシャフト45bに固定された大径のプーリ44と、これらのプーリ42,44間に架設されるベルト43と、シャフト41とベアリング40cを介して同軸となり、かつノズル部15に連結されている出力シャフト49に固定された大径のプーリ47と、シャフト45bに固定された小径のプーリ46と、これらのプーリ47,46間に架設されたベルト48とにより構成される。ベアリング40aは上方の駆動軸7と下方のシャフト41を自由に別々に回転させるために設けられている。
ベアリング40bは上方のシャフト45aと下方のシャフト45bを自由に別々に回転させるために設けられている。またベアリング40cは上方のシャフト41と下方の出力シャフト49を自由に別々に回転させるために設けられている。プロペラ6の回転による駆動軸7の回転は、プーリ34、ベルト35、プーリ36、シャフト45a、プーリ37、ベルト38、プーリ39、シャフト41、プーリ42、ベルト43、プーリ44、シャフト45b、プーリ46、ベルト48、プーリ47、出力シャフト49を経て出力シャフト49が連結されているノズル部15に伝達され、所定の減速比で減速した回転速度でノズル部15を回転させる。
次に動作を説明する。通常の監視時においては、感熱分解部18は支持プレート23によりノズル部15を押圧、支持しており、接続ネジ部3の流入路4はバルブ5により閉鎖されている。火災が発生すると、リンクプレート19a,19bを接続している半田が溶融し、感熱分解部18は熱分解して落下し、感熱分解部18によって押圧、支持されていたノズル部15およびケーシング9は下降してノズル部15のフランジ部15aがノズル本体2の鍔部29に係合する。このため、接続ネジ部3の流入路4はバルブ5により開放される。この作動状態は、図8に示され、接続ネジ部3の流入路4からノズル本体2に流入する消火用水の水流により、プロペラ6が回転し、駆動軸7を回転駆動させる。
プロペラ6の回転による駆動軸7の回転は、ベルト減速機構32で所定の減速比で減速されノズル部15を回転させる。また、流入路4からノズル本体2を通ってノズル部15に入り、3列のノズル穴17から放水が行われる。すなわち、図3に示すように、ノズル部15は矢印Cで示す方向に減速して回転し、3つのノズル穴17からは3つの放水パターン24aで放水が行われる。この放水パターン24aにより半径方向に伸びる3本の帯状の散水パターン24が得られる。本実施形態においても前記実施形態と同様な効果が得られる。
図9は本発明の消火用散水ノズルの第3実施形態を示す説明図である。本実施形態は、図1の実施形態の減速部を用いた開放型消火用散水ノズルである。図9において、接続ネジ部3の流入路4は常時開放されている。図1に示すよな流入路4を閉鎖するバルブ5は駆動軸7には設けられていない。ノズル部15のフランジ部15aはノズル本体2の下端に常時係合している。また、本実施形態においては、図1に示すように感熱分解部18は設けられていない。他の構成は図1と同様になっている。
この消火用散水ノズル1は、消火用配管の途中に電動弁が設けられ、火災感知器の発報で電動弁を開弁させて、消火用配管から消火用水を供給する開放型消火設備に装着されている。次に、図9の動作を説明する。通常監視時においては、電動弁は閉弁しており、消火用水はノズル部15には供給されない。したがって、ノズル部15から放水は行われない。図示しない火災感知器は監視状態にある。火災が発生すると、火災感知器はこれを検知し、火災検出信号を図示しない防災制御盤に出力する。防災制御盤は火災検出信号を受信すると、電動弁に開制御信号を出力して、電動弁を開弁させる。
このため、消火用水は、流入路4、ノズル本体2に入り、プロペラ6を回転させる。プロペラ6の回転により、駆動軸7は回転駆動され、その回転は減速ギア機構8を介してノズル部15に伝達され、ノズル部15は減速ギア機構8により所定の減速比で減速して回転する。一方、ノズル部15の3列のノズル穴17からは、図3に示すような放水パターン24aで放水が行われ、半径方向に伸びる3本に散布パターン25が形成され、散布パターン25が防護範囲内を走査して、全域に散水する。
このような走査により、消火が完了した場合、火災感知器は復旧信号を防災制御盤に出力し、防災制御盤は電動弁に閉制御信号を出力して、電動弁を閉弁させる。電動弁の閉弁により散水を終了する。なお、火災感知器からの復旧信号によらず、監視員が手動弁の操作で散水の停止を行っても良い。なお、電動弁の代りに、消火配管に一斉開放弁を接続し、感知ヘッドの作動により、一斉開放弁を開放して、ノズル部15を放水させるようにしても良い。
本実施形態においても前記実施形態と同様な効果が得られる。図10は本発明の消火用散水ノズルの第4実施形態を示す説明図である。本実施形態は、ベルト減速機構を使った開放型消火用散水ノズルである。図10において、接続ネジ部3の流入路4は常時開放されている。図8に示すような流入路4を閉鎖するバルブ5は駆動軸7には設けられていない。また、図8に示すような感熱分解部18は設けられていない。ノズル部15のフランジ部15aはノズル本体2の下端に常時係合している。他の構成は図8と同様である。本実施形態においても前記実施形態と同様な効果が得られる。
1:消火用散水ノズル
4:流入路
6:プロペラ(駆動部)
7:駆動軸
8:減速ギア機構(減速部)
15:ノズル部
18:感熱分解部
24:散布パターン
25:防護範囲
32:ベルト減速機構(減速部)
4:流入路
6:プロペラ(駆動部)
7:駆動軸
8:減速ギア機構(減速部)
15:ノズル部
18:感熱分解部
24:散布パターン
25:防護範囲
32:ベルト減速機構(減速部)
Claims (3)
- 火災時に消火配管に接続された消火用散水ノズルのノズル部から消火液または消火用水を散水して消火を行う固定式消火設備の散水方法に於いて、
一つの消火用散水ノズルのノズル部から前記消火用散水ノズルの所定の防護範囲内の特定部分に消火液または消火用水を集中的に散水して所定の散布パターンを形成し、前記ノズル部を1rpm程度で回転させて、前記散布パターンを前記所定の防護範囲内を走査して前記所定の防護範囲内全域に散水させることを特徴とする固定式消火設備の散水方法。
- 消火液または消火用水が圧送される消火用配管に接続され火災時に消火液または消火用水を散水する固定式消火設備の消火用散水ノズルに於いて、
所定の防護範囲内の特定部分に集中的に散水する散布パターンを形成する旋回自在なノズル部と、
前記ノズル部を1rpm程度で回転させ、前記散布パターンを前記所定の防護範囲内を走査して前記所定の防護範囲内全域に散水させるノズル回転部と、
を備えたことを特徴とする消火用散水ノズル。
- 請求項2記載の消火用散水ノズルに於いて、前記ノズル回転部は、
ノズル部から前記消火液又は消火用水を散水する際の水流を駆動源として駆動軸を回転させる駆動部と、
前記駆動部の駆動軸の回転を入力し所定の減速比に従って減速して前記ノズル部を回転させ、前記散布パターンを前記所定の防護範囲内を走査して前記所定の防護範囲内全域に散水させる減速部と、
でなることを特徴とする消火用散水ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005239413A JP2006000672A (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | 固定式消火設備の散水方法及び消火用散水ノズル |
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JP2005239413A JP2006000672A (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | 固定式消火設備の散水方法及び消火用散水ノズル |
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JP12430696A Division JPH09299504A (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | 固定式消火設備の散水方法及び消火用散水ノズル |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113289298A (zh) * | 2021-07-27 | 2021-08-24 | 南昌旭码信息科技有限公司 | 一种火灾报警及区域灭火装置 |
-
2005
- 2005-08-22 JP JP2005239413A patent/JP2006000672A/ja active Pending
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CN113289298A (zh) * | 2021-07-27 | 2021-08-24 | 南昌旭码信息科技有限公司 | 一种火灾报警及区域灭火装置 |
CN113289298B (zh) * | 2021-07-27 | 2022-02-08 | 中消安科技实业(深圳)有限公司 | 一种火灾报警及区域灭火装置 |
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