JPH11191992A - モータ速度制御装置 - Google Patents

モータ速度制御装置

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JPH11191992A
JPH11191992A JP9358571A JP35857197A JPH11191992A JP H11191992 A JPH11191992 A JP H11191992A JP 9358571 A JP9358571 A JP 9358571A JP 35857197 A JP35857197 A JP 35857197A JP H11191992 A JPH11191992 A JP H11191992A
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torque ripple
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pulse signal
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Masaji Nakatani
政次 中谷
Chiaki Yamawaki
千明 山脇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着磁精度などにより、各ロータ磁極位置パル
ス信号のパルス間隔が一定でない場合であっても、極め
て高精度にモータ速度を制御可能なモータ速度制御装置
を実現する。 【解決手段】 トルクリプル補正メモリ21aは、互い
に異なる数の補正データからなる補正データ列を複数格
納している。繰り返しデータ設定部21bは、ロータ磁
極位置パルス信号bと回転角度情報cとを、モータ1が
1回転する間、監視して、ロータ磁極位置パルス信号b
の各パルス間隔を測定する。さらに、繰り返しデータ設
定部21bは、現パルス間隔に応じた上記補正データ列
を選択する。当該補正データ列を構成する補正データ
は、トルクリプル補正信号eとして、回転角度情報c毎
に順次出力される。トルクリプル補正信号eの周期は、
パルス間隔の変動に応じて調整され、モータ1のモータ
トルクリプルは、確実に除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多相ブラシレスモ
ータのモータ回転速度を一定に制御する装置に関し、更
に詳しくは、モータのトルク変動、すなわち、モータト
ルクリプルによるモータ回転の不安定を補正除去して、
モータを高精度に制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、ビデオテープレコー
ダ(VTR)をはじめとする磁気記録再生装置で使用さ
れるキャプスタンモータ、あるいは、ドラムモータなど
のモータは、記録密度を向上させるため、モータ速度を
極めて高精度に制御する必要がある。
【0003】図29に示すように、従来のモータ速度制
御装置において、多相ブラシレスモータ101(以下で
は、モータ101と略称する)が回転すると、MRセン
サなどの回転検出センサ102は、例えば、モータ回転
部に着磁された磁気パターンを検出し、波形整形回路1
03が回転検出センサ102の出力をパルス波形へ整形
する。これにより、モータ101の回転数に比例したパ
ルス数の回転パルス信号aが生成される。さらに、周期
算出器104は、当該回転パルス信号aの周期情報を出
力し、加算器105は、指定されたモータ速度目標か
ら、モータ101の回転情報である周期情報を減算し
て、速度誤差信号dを作成する。当該速度誤差信号d
は、増幅器106にて、増幅および位相補償され、速度
指令値へ変換され、ブラシレスモータ駆動回路107へ
印加される。ブラシレスモータ駆動回路107は、ロー
タ位置を検出する図示しないホール素子などのセンサか
らの信号によって各コイルヘの通電を切り換え、速度指
令値に従ってモータ101を駆動する。当該構成では、
モータ101の回転速度は、モータの回転情報である周
期情報を目標値と比較し、その誤差に基づいて、モータ
コイルヘの通電を切り換えることで、目標値に近づくよ
うフィードバック制御がなされる。
【0004】ここで、モータ速度変動の要因の一つとし
て、モータコイルヘの励磁切り換え周期ごとにモータト
ルクが脈動し、その結果モータ回転速度が変動してしま
う、いわゆるモータトルクリプルが挙げられる。このモ
ータトルクリプルは、上記構成のモータ速度制御装置で
は、十分に除去することができず、高精度なモータ制御
が困難である。
【0005】したがって、上記モータトルクリプルを除
去するために、例えば、特許第2504727号や、本
出願人が先に出願した特開平6−54571号公報など
では、多相ブラシレスモータ101が1回転する間のモ
ータトルクリプルに基づいて、正弦波や余弦波からなる
トルクリプル補正信号を作成しておき、当該トルクリプ
ル補正信号に応じて、上記速度指令値や速度誤差信号な
どを調整することにより、モータトルクリプルを相殺す
る構成が開示されている。
【0006】例えば、特開平6−54571号公報に記
載のモータ速度制御装置において、新たに設けられた位
置検出センサは、モータ101が、ある回転角度(基準
位置)に達した時点を検出し、この検出結果に基づい
て、モータ1回転におけるモータ101の回転角度情報
が検出される。予め作成されたトルクリプル補正信号
は、当該回転角度情報に応じて再生され、速度指令値や
速度誤差信号などに加算される。当該構成では、トルク
リプル補正信号を加算してモータトルクリプルを打ち消
しているため、トルクリプル補正信号を作成する際、モ
ータトルクリプルの振幅および位相と一致するように作
成しておけば、モータトルクリプルを完全に除去でき、
極めて効果が大きい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成のモータ速度制御装置では、専用の位置検出センサが
必要になると共に、各モータ毎に、モータトルクリプル
の位置情報(位相や振幅)を測定する作業が必要にな
り、手間がかかるという問題を有している。
【0008】具体的には、上記回転角度情報は、モータ
101の全周に渡って互いに異なる値に設定されるた
め、専用の位置検出センサが必要になる。さらに、上記
位置検出センサの基準位置とモータトルクリプルとの位
相差は、各モータ101毎に異なっているので、各モー
タ101毎に、モータトルクリプルの位置情報を測定
し、測定結果に基づいて、トルクリプル補正信号を作成
する必要がある。この結果、トルクリプル補正信号を作
成する際に手間がかかる。加えて、各回転角度情報にお
ける補正データの集まりとして、トルクリプル補正信号
を記憶した場合、必要なメモリ容量が多くなってしま
う。
【0009】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、トルクリプル補正信号の作成
時の手間をでき、かつ、高精度にモータ速度を制御可能
なモータ速度制御装置を実現することにあり、特に、安
価なモータや小型なモータであっても、極めて高精度に
モータ速度を制御可能なモータ速度制御装置を実現する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るモ
ータ速度制御装置は、多相ブラシレスモータの回転速度
を制御するモータ速度制御装置であって、上記課題を解
決するために、以下の手段を講じたことを特徴としてい
る。すなわち、上記モータ1回転あたりに、駆動磁極数
の整数倍個のパルスを有するロータ磁極位置パルス信号
と、上記モータ1回転あたりに、ロータ磁極位置パルス
信号よりも多い数のパルスを有する回転パルス信号とに
基づいて、上記ロータ磁極位置パルス信号に同期し、か
つ、上記回転パルス信号のパルス入力毎に値が変化する
回転角度情報を出力する回転角度検出手段と、互いに異
なる個数の補正データで構成された複数の補正データ列
を格納するトルクリプル補正メモリと、上記ロータ磁極
位置パルス信号の現パルス間隔に基づいて、上記各補正
データ列の中から、トルクリプル補正信号として出力す
る補正データ列を選択する選択手段と、選択された上記
補正データ列のうち、上記回転角度情報に対応する補正
データを読み出す補正データ読み出し手段と、上記モー
タの回転速度を制御するモータ制御信号から、上記トル
クリプル補正信号を加減算して、上記モータ制御信号を
補正する加減算器とを備えている。
【0011】なお、上記ロータ磁極位置パルス信号の現
パルス間隔は、例えば、モータが1回転する間に印加さ
れるロータ磁極位置パルス信号の各パルス間隔を、予め
格納しておき、格納された値を参照することによって判
断できる。
【0012】上記構成において、モータの回転に伴っ
て、ロータ磁極位置パルス信号および回転パルス信号が
入力されると、回転角度検出手段は、両パルス信号に基
づいて、回転角度情報を生成する。また、選択手段は、
ロータ磁極位置パルス信号のパルス入力毎に、例えば、
現パルス間隔中に与えられる回転角度情報の総数と同じ
数など、現パルス間隔に応じた個数の補正データからな
る補正データ列を選択する。補正データ読み出し手段
は、選択された補正データ列から、入力された回転角度
情報に応じた補正データを読み出し、トルクリプル補正
信号として加減算器へ出力する。ここで、加減算器は、
加減算によってモータ制御信号を補正しているので、例
えば、乗算など、他の演算によって補正する場合と異な
り、モータ制御信号から、モータのトルクリプル成分の
みを確実に補正、除去できる。
【0013】上記構成によれば、上記回転角度情報は、
ロータ磁極位置パルス信号に同期しているので、モータ
コイルへの励磁切り換えに同期して発生するモータトル
クリプルと同期する。この結果、補正データ読み出し手
段は、モータトルクリプルに同期したトルクリプル補正
信号を出力できる。また、モータトルクリプルの周波数
成分および振幅は、同じ構造のモータであれば、モータ
個々で大きく変動しないので、これらのモータ間で、補
正データ列を共用できる。したがって、モータの回転位
置基準に対するモータトルクリプルの位相ずれを調整す
るための手段を設けたり、個々のモータ毎に補正データ
列を用意したりする必要のある従来技術に比べて、モー
タトルクリプルに起因するモータ回転速度の変動を確実
に補正、除去可能なモータ速度制御装置を容易に提供で
きる。
【0014】加えて、上記選択手段は、ロータ磁極位置
パルス信号の現パルス間隔に応じて、補正データ列を選
択している。したがって、例えば、安価なモータを制御
する場合のように、ロータ磁極位置パルス信号のパルス
間隔にバラツキが存在する場合であっても、それぞれの
パルス間隔に応じて、トルクリプル補正信号の周期を調
整できる。この結果、トルクリプル補正メモリに単一の
補正データ列を格納する場合にくらべて、さらに高精度
かつ安定してモータ速度を制御できる。
【0015】なお、例えば、モータ速度誤差情報や、実
際のモータトルクなど、モータトルクリプル応じて変動
するモータ情報に基づいて、トルクリプル補正信号の振
幅を調整すれば、さらに高精度にモータ速度を制御でき
る。
【0016】また、請求項2の発明に係るモータ速度制
御装置は、多相ブラシレスモータの回転速度を制御する
モータ速度制御装置であって、上記課題を解決するため
に、請求項1記載のトルクリプル補正メモリ、選択手段
および補正データ読み出し手段に代えて、上記ロータ磁
極位置パルス信号の現パルス間隔中に入力される上記回
転角度情報の総数と、与えられた回転角度情報とに基づ
いて、当該回転角度情報に対応するトルクリプル補正信
号の大きさを演算する補正データ演算手段とを備えてい
ることを特徴としている。
【0017】上記構成では、回転角度情報が入力される
毎に、補正データ演算手段は、トルクリプル補正信号の
大きさを更新する。ここで、トルクリプル補正信号の大
きさを算出する際、トルクリプル補正信号の周期は、ロ
ータ磁極位置パルス信号の現パルス間隔中に入力される
上記回転角度情報の総数に応じて調整される。したがっ
て、請求項1の発明に係るモータ速度制御装置と同様
に、ロータ磁極位置パルス信号のパルス間隔にバラツキ
が存在する場合であっても、安定して高精度にモータ速
度を制御可能なモータ速度制御装置を実現できる。
【0018】ところで、上記ロータ磁極位置パルス信号
に同期し、かつ、上記回転パルス信号のパルス入力毎に
値が変化する回転角度情報に基づいて、トルクリプル補
正信号の大きさが更新される場合、トルクリプル補正信
号の位相は、少なくとも、ロータ磁極位置パルス信号の
パルスが入力されてから回転パルス信号の次のパルスが
入力されるまでの位相差だけ、実際のモータトルクリプ
ルの位相から遅れてしまう。また、トルクリプル補正信
号の大きさは、回転角度情報が変化しない間、一定に保
たれるので、データの零次ホールド遅れによって、トル
クリプル補正信号の位相は、実際のモータトルクリプル
の位相からさらに遅延する。ここで、両者の位相が一致
していないと、上記加減算器は、モータトルクリプルを
完全に相殺できないので、これらの位相遅れが大きくな
るに従って、モータトルクリプルの補正効果が低減す
る。
【0019】これらの位相遅れは、回転パルス信号のパ
ルス間隔が長くなる程、大きくなるので、多数の回転パ
ルスパターンの形成が困難な小型のモータなどでは、位
相遅れに起因するモータトルクリプルの補正効果の低下
が無視できなくなる場合がある。
【0020】これに対して、請求項3の発明に係るモー
タ速度制御装置は、多相ブラシレスモータの回転速度を
制御するモータ速度制御装置であって、上記課題を解決
するために、請求項1記載のトルクリプル補正メモリ、
選択手段および補正データ読み出し手段に代えて、上記
回転角度情報に基づいて、トルクリプル補正信号を生成
するトルクリプル補正信号生成手段と、上記トルクリプ
ル補正信号の位相を進ませて、上記モータのトルクリプ
ルと上記トルクリプル補正信号との位相差を補償する位
相補償手段とを備えていることを特徴としている。
【0021】上記構成によれば、請求項1と同様に、モ
ータの回転位置基準に対するモータトルクリプルの位相
ずれを調整するための手段を省略でき、個々のモータ毎
に補正データ列を用意する手間を省くことができる。こ
の結果、モータトルクリプルに起因するモータ回転速度
の変動を確実に補正、除去可能なモータ速度制御装置を
容易に提供できる。
【0022】さらに、請求項3記載の発明の構成では、
位相補償手段が、トルクリプル補正信号の位相を進める
ので、トルクリプル補正信号と実際のモータトルクリプ
ルとの間の位相差が低減されるので、モータ速度制御装
置は、高精度かつ安定してモータの回転速度を制御でき
る。
【0023】なお、位相補償手段が位相を進める量は、
例えば、予め定められた一定量でもよいが、例えば、安
価なモータを使用した場合のように、パルス間の位相差
に起因する位相遅れや、零次ホールド遅れに起因する位
相遅れにバラツキがある場合には、十分に上記位相遅れ
を削減できない。
【0024】これに対して、請求項4の発明に係るモー
タ速度制御装置は、請求項3記載の発明の構成におい
て、上記位相補償手段は、上記ロータ磁極位置パルス信
号のパルスが入力されてから、上記回転パルス信号のパ
ルスが入力されるまでの位相差を検出する位相差検出手
段を備えていることを特徴としている。
【0025】上記構成によれば、位相差検出手段が、上
記両パルス間の位相差に起因する位相遅れを検出するの
で、例えば、安価なモータや小型のモータを制御する場
合のように、パルス間の位相差にバラツキがある場合で
あっても、当該位相差に起因する位相遅れを確実に補償
できる。この結果、モータ速度制御装置は、さらに、高
精度かつ安定してモータの回転速度を制御できる。
【0026】一方、請求項5の発明に係るモータ速度制
御装置は、請求項3または4記載の発明の構成におい
て、上記位相補償手段は、上記回転パルス信号のパルス
間隔の0.5倍の位相を算出する位相遅れ演算手段を備
えていることを特徴としている。
【0027】上記構成によれば、上記位相補償手段は、
上記回転パルス信号のパルス間隔の0.5倍の位相を算
出するので、例えば、安価なモータや小型のモータを制
御する場合のように、零次ホールド遅れに起因する位相
遅れにバラツキがある場合であっても、当該位相遅れを
確実に補償できる。この結果、モータ速度制御装置は、
さらに、高精度かつ安定してモータの回転速度を制御で
きる。
【0028】ところで、上記ロータ磁極位置パルス信号
は、例えば、駆動磁極位置を検出するセンサなどによっ
て生成してもよいが、この場合は、センサを別に設ける
必要がある。
【0029】これに対して、請求項6の発明に係るモー
タ速度制御装置は、請求項1、2、3、4または5記載
の発明の構成において、上記ロータ磁極位置パルス信号
は、上記モータの駆動に使用される複数の励磁切り換え
タイミング検出信号のうちの1つから求められることを
特徴としている。なお、励磁切り換えタイミング検出信
号の波形が十分に整形されていなければ、励磁切り換え
タイミング検出信号を波形整形すればよいし、十分に整
形されていれば、そのままロータ磁極位置パルス信号と
して使用できる。
【0030】上記構成によれば、多相ブラシレスモータ
を駆動する際に必要な励磁切り換えタイミング検出信号
を用いて、ロータ磁極位置パルス信号を生成できる。し
たがって、ロータ磁極位置パルス信号の生成用に新たな
センサを設ける必要がなくなり、モータ速度制御装置の
回路部品を削減できる。
【0031】また、請求項7の発明に係るモータ速度制
御装置は、請求項1、2、3、4または5記載の発明の
構成において、上記モータの駆動に使用される複数の励
磁切り換えタイミング検出信号を合成して、上記ロータ
磁極位置パルス信号を生成する合成器を備えていること
を特徴としている。
【0032】ところで、モータトルクリプルは、モータ
の1回転あたり、ロータ磁極数とモータコイル数の最小
公倍数回だけ発生する成分が、大きな振幅を持っている
ことが多い。ここで、上記構成によれば、各励磁切り換
えタイミング検出信号を合成することによって、当該成
分に同期し、かつ、同一周期のロータ磁極位置パルス信
号を生成できる。この結果、互いに周期が異なる場合に
比べて容易に、当該成分を除去可能なトルクリプル補正
信号を生成でき、モータ速度制御装置は、さらに高精度
かつ安定してモータの回転速度を制御できる。
【0033】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕本発明の一実
施形態について図1ないし図10に基づいて説明すると
以下の通りである。すなわち、本実施形態に係るモータ
速度制御装置は、図1に示すように、多相ブラシレスモ
ータ1(以下では、モータ1と略称する)を高精度に制
御するモータ速度制御装置であって、例えば、ビデオテ
ープレコーダ(VTR)をはじめとする磁気記録再生装
置のキャプスタンモータ、あるいは、ドラムモータなど
を制御するために使用されている。
【0034】上記モータ速度制御装置は、モータ1の回
転を検出する回転検出センサ2と、当該回転検出センサ
2の出力波形を整形して、回転数に比例したパルス数を
有する回転パルス信号aを生成する波形整形回路3と、
当該回転パルス信号aのパルス周期に基づいて、モータ
の回転速度を示すモータ速度情報を算出する周期算出器
4と、外部から指示されたモータ速度目標から当該モー
タ速度情報を減算する加算器5aと、当該加算器5aが
出力する速度誤差信号dを増幅および位相補償する増幅
器6と、当該増幅器6が出力するモータ制御信号に基づ
いて、上記モータ1を駆動するブラシレスモータ駆動回
路7とを備えており、これらの各回路1ないし7によっ
て、モータ1の回転速度は、フィードバック制御されて
いる。なお、増幅器6は、速度誤差信号を積算する積分
補償も同時に行う、いわゆる速度/積分制御(PI制
御)の構成でもよいし、他の構成であっても構わない。
【0035】上記モータ1は、例えば、図2に示すモー
タステータ駆動コイルパターンおよびモータロータ駆動
磁極パターンを備えた6コイル8極の3相面対向型ブラ
シレスモータであって、3相各コイルヘの励磁切り換え
および駆動電流によって、回転あるいはトルクがコント
ロールされる。
【0036】また、上記回転検出センサ2は、例えば、
図示しないモータ回転部に着磁された磁気パターンを検
出するMRセンサなどであって、モータ1の回転を示す
回転情報を、回転数に比例した周波数情報として検出で
きる。上記波形整形回路3aは、アンプやコンパレータ
で構成されており、上記周波数をパルス信号へと整形す
る。これにより、モータ1の1回転あたりにm個のパル
ス数を持つ回転パルス信号aが生成される。この個数m
は、後述するロータ磁極位置パルス信号bのパルス数n
よりも大きく、より好ましくは、パルス数nの整数倍に
設定される。
【0037】さらに、上記ブラシレスモータ駆動回路7
は、多相ブラシレスモータ1の各コイルへの励磁を切り
換えると共に、入力値に応じて駆動電流の大きさを制御
し、これにより、多相ブラシレスモータ1が回転し、モ
ータトルクが発生する。ここで、通常、励磁切り換えタ
イミングは、モータ1のロータ磁極位置に同期している
必要があるが、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動
回路7は、図示しないホール素子などのセンサからの信
号によってロータの位置を検出し、ロータ磁極位置に同
期したタイミングで、各コイルへの通電を切り換えてい
る。
【0038】一方、本実施形態に係るモータ速度制御装
置には、モータトルクリプルを除去するために、モータ
1のロータの駆動磁極位置を検出する位置検出センサ8
と、当該位置検出センサ8の出力信号を波形整形する波
形整形回路3bと、当該波形整形回路3bが出力するロ
ータ磁極位置パルス信号bおよび上記回転パルス信号a
に基づいて、トルクリプル補正信号eを生成する補正デ
ータ出力部21と、上記増幅器6が出力するモータ制御
信号から当該トルクリプル補正信号eを減算して、ブラ
シレスモータ駆動回路7へ印加する加算器(加減算器)
5bとが設けられている。したがって、トルクリプル補
正信号eがモータ1のトルクリプルを補正可能な周期、
位相および振幅を有していれば、モータ1のトルクリプ
ルを完全に除去できる。
【0039】上記位置検出センサ8は、例えば、MRセ
ンサやホールセンサなど位置センサであって、モータ1
のロータの駆動磁極位置を検出できる。さらに、上記波
形整形回路3bは、上記波形整形回路3aと同様の構成
であり、当該駆動磁極位置に同期したロータ磁極位置パ
ルス信号bを生成できる。当該ロータ磁極位置パルス信
号bにおいて、モータ1の1回転あたりのパルス数m
は、1より大きく、モータ1の駆動磁極数の整数倍に設
定される。
【0040】ここで、本発明の発明者は、先に出願した
特願平8−345652号において、モータトルクリプ
ルの主成分が、モータコイルの励磁切り換え周期の整数
倍であり、モータコイルの励磁切り換えに同期して発生
することに着目し、上記ロータ磁極位置パルス信号bを
基準にして、トルクリプル補正信号eを生成する構成を
開示している。
【0041】具体的には、上記モータトルクリプルは、
例えば、モータ励磁切り換え時の励磁電流の不均一さ、
ロータ磁極切り換わり点での磁束密度の不均一さから生
じるものであり、通常はモータ1回転あたりに、コイル
数とロータ磁極数との最小公倍数の変動成分が最も大き
く発生し、このほかにロータ磁極数の整数倍の成分が発
生する。例えば、駆動コイル数が6、駆動磁極の着磁極
数が8極の3相ブラシレスモータでは、モータ1回転あ
たり24回の速度変動成分が大きく発生してしまう。
【0042】したがって、ロータ磁極位置パルス信号b
を基準にして、トルクリプル補正信号eを生成すれば、
モータ磁極位置に同期して発生するモータトルク変動
(モータトルクリプル)に起因する速度変動と、トルク
リプル補正信号eとの位相を概ね一致させることができ
るので、従来のように、例えば、モータ毎に補正データ
列を測定するなどの特別な作業を行う必要がなくなる。
さらに、トルクリプル補正信号eの周期は、ロータ磁極
位置パルス信号bのパルス間隔を越えないので、モータ
1が1回転する間のトルクリプル補正信号eを格納する
場合に比べて、メモリ容量を削減できる。また、モータ
1の1回転における回転角度を検出する必要がないの
で、専用の位置検出センサも不要である。
【0043】この結果、上述の特別な作業が必要な従来
技術と比較して、極めて効率的かつ効果的にモータの速
度変動を除去できる。特に、高価なモータ、あるいは、
大きなモータを制御する場合など、回転パルス信号aお
よびロータ磁極位置パルス信号bの誤差が少ない場合に
は、極めて高精度にモータ1の回転速度を制御できる。
【0044】しかしながら、当該構成では、例えば、安
価なモータを使用する場合などには、ロータ磁極位置パ
ルス信号bにおける各パルス間隔の誤差によって、トル
クリプルの削減効果が低下する虞れがある。すなわち、
安価なモータを使用した場合などには、モータ磁極の着
磁精度が低いことが多い。したがって、図2に示すモー
タ駆動磁極パターンのように、各磁極間の角度θ0 〜θ
n-1 のバラツキが大きくなりがちである。また、着磁の
中心位置とロータの中心位置との誤差が大きいことも多
い。さらに、このようなモータに適用されるモータ速度
制御装置では、ロータ磁極位置センサの検出誤差や、ロ
ータ磁極位置パルス信号bを生成する波形整形回路3b
のしきい値レベルの誤差なども大きいことが多い。これ
らの結果、図3に示すロータ磁極位置パルス信号bのパ
ルス間隔の誤差は、大きくなってしまう。
【0045】なお、図3において、ロータ磁極位置パル
ス信号bは、立ち上がり時点と立ち下がり時点との双方
でロータ磁極位置の変化を示しているので、パルス間隔
は、例えば、θ0 で示すように、各エッジ間隔となる。
また、回転パルス信号aは、立ち上がりから次の立ち上
がりまでの間隔をパルス間隔としている。ただし、ロー
タ磁極位置パルス信号bのパルス間隔の設定方法は、ロ
ータ磁極位置が変化するタイミングを指示可能であれ
ば、上記方法に限定されるものではない。同様に、モー
タの回転数に比例した数のパルスが入力されるのであれ
ば、回転パルス信号aの印加方法も上記方法に限定され
ない。
【0046】この結果、ロータ磁極位置パルス信号bの
パルスのエッジ毎にリセットされ、所定の時間間隔でカ
ウントアップする回転角度情報cの最大値も、各パルス
毎にバラついてしまう。例えば、着磁が正確であれば、
ロータ磁極位置パルス信号bの変動毎に与えられる回転
パルス信号aのパルス数が15個であったとしても、上
記パルス間隔の誤差によって、あるエッジからエッジま
での期間θ0 におけるパルス数は、例えば、17個にな
ったりする。
【0047】一方、トルクリプル補正信号eを生成する
際、トルクリプル補正信号eを示す補正データ列をトル
クリプル補正メモリに格納し、回転角度に応じて、当該
補正データ列を構成する補正データが読み出される場
合、トルクリプル補正メモリに格納されている補正デー
タの数は、着磁が正確な場合に合わせて15個に設定さ
れる。ここで、トルクリプル補正メモリから補正データ
列を読み出す場合、読み出したデータの個数が、予め格
納されたデータの個数を越えると、通常は、巡回して0
番目、1番目のデータが読み出される。
【0048】したがって、トルクリプル補正信号eは、
一定の波形を繰り返した信号とはならない。さらに、実
際のモータトルクリプルの波形と、トルクリプル補正信
号の波形との間で周期が一致しなくなるので、位相が徐
々にズレてしまう。これらの結果、実際のモータトルク
リプルによる速度変動と、補正データ列との間に誤差が
発生し、モータ速度制御装置がモータトルクリプルを効
果的に補正できなくなる虞れがある。なお、上記図3で
は、図を判りやすくするために、モータトルクリプル成
分がモータ磁極位置間を1周期とする正弦波の場合を示
している。
【0049】これに対して、本実施形態に係る補正デー
タ出力部21は、トルクリプル補正信号eの周期を、回
転角度情報cの最大値に応じて調整できるので、ロータ
磁極位置パルス信号bのパルス間隔が変動した場合であ
っても、モータ1に発生するモータトルクリプルを確実
の補正して除去できる。
【0050】具体的には、上記補正データ出力部21
は、ロータ磁極位置パルス信号bのパルスが入力された
時点を基準にして、回転パルス信号aがパルス入力され
る毎に増加する回転角度情報cを生成する回転角度検出
器(回転角度検出手段)9と、互いに異なる数の補正デ
ータからなる複数の補正データ列が予め格納されたトル
クリプル補正メモリ21aと、各ロータ磁極位置パルス
信号bのパルス間隔毎に、これらの補正データ列のうち
から、当該パルス間隔中に印加される回転角度情報cの
個数と同じ個数の補正データからなる補正データ列を選
択する繰り返しデータ設定部(選択手段)21bと、補
正データ列が選択されていない期間、補正データ出力部
21の出力を遮断する補正データ読み出し部(補正デー
タ読み出し手段)21cとを備えている。上記構成によ
れば、補正データ出力部21は、ロータ磁極位置パルス
信号bのパルス間隔同志で、印加される回転角度情報c
の個数が変動する場合であっても、それぞれの個数と同
じ長さの補正データ列をトルクリプル補正信号eとして
出力する。この結果、上述したロータ磁極位置パルス信
号bのパルス間隔変動に起因する誤差を削減でき、モー
タ速度制御装置の補正精度をさらに向上できる。
【0051】具体的には、回転角度検出器9は、図4に
示すように、ロータ磁極位置パルス信号bのパルス入力
を待ち受け、パルス入力を検出した場合(立ち上がり、
あるいは、立ち下がりのエッジが入力された場合)、フ
ラグPGinをオンに設定する(S401)。また、回
転角度検出器9は、図5に示すように、回転パルス信号
aの立ち上がりエッジが入力されると、カウンタFGc
ountを1つ増加させる(S501)。なお、カウン
タFGcountは、ハードウェアでもソフトウェアで
も実現できるが、ここでは、ソフトウェアで実現した場
合を例にして説明している。また、フラグPGinをチ
ェックして、ロータ磁極位置パルス信号bのパルスが入
力されたか否かを判定する(S502)。フラグPGi
nがオンであった場合(S502にて、パルス入力あり
の場合)、回転角度検出器9は、S503において、カ
ウンタFGcountを0にリセットすると共にS60
4において、フラグPGinをオフへリセットする。さ
らに、S605において、回転角度検出器9は、カウン
タFGcountに蓄積された値を回転角度情報cとし
て出力する。上記S502においてフラグPGinがオ
フであった場合は、そのままS505の処理を行い、カ
ウンタFGcountに蓄積された値を回転角度情報c
として出力する。この結果、回転角度検出器9が出力す
る回転角度情報cは、回転パルス信号aのパルス入力毎
に増加し、かつ、ロータ磁極位置パルス信号bのパルス
入力毎にリセットされる。
【0052】一方、繰り返しデータ設定部21bは、図
6に示す処理を行い、モータが1回転する期間のロータ
磁極位置パルス信号bに基づいて、各パルス間隔毎に印
加される回転パルス信号aのパルス数、すなわち、回転
角度情報cの個数を検出し、検出値を順次記憶する。そ
して、ロータ磁極位置パルス信号bのパルス間隔毎に、
対応する検出値を、繰り返しデータ列選択信号Msel
として出力する。例えば、モータ1回転中に励磁切り換
えがn回行われる場合、ロータ磁極位置パルス信号bの
パルス間隔は、1回転あたりn個である。したがって、
各パルス間隔に印加される回転角度情報cの個数を示す
データl(0)、l(1)、…、l(n−1)がメモリ
に格納され、繰り返しデータ設定部21bは、パルス間
隔毎に、対応する個数データl(0)、l(1)、…、
l(n−1)を繰り返しデータ列選択信号Mselとし
て出力する。
【0053】具体的には、対応するパルス間隔を示すカ
ウンタiが0にリセットされ、後述するフラグCenお
よびSfinがオフに初期化された後、S601におい
て、繰り返しデータ設定部21bは、フラグSfinを
チェックして、モータ1回転中の全てのパルス間隔につ
いて、対応する個数データが既に検出されたか否かを判
定する。当該フラグSfinがオフのときは、上記各個
数データの検出が終了していないと判定して、S602
以降の処理を行い、上記各個数データの確定作業を行
う。
【0054】当該確定作業では、S602において、メ
モリl(i)には、回転角度情報cに1加算した値が格
納される。ここで、ロータ磁極位置パルス信号bのパル
スが入力された場合、回転角度情報cは、当該パルスが
入力されるまでのパルス間隔における最大値を示してい
る。ただし、回転角度情報cは、0から始まっているた
め、回転パルス信号aのパルス数、すなわち、補正デー
タの個数は、回転角度情報cに1加算した値となる。し
たがって、加算結果を格納することによって、1パルス
前のパルス間隔に対応する個数データを格納できる。
【0055】さらに、S603では、次のパルス間隔に
対応する個数データを確定するために、カウンタiが1
増加され、S604にて、モータが1回転する間に印加
されるロータ磁極位置パルス信号bのパルス数nと比較
される。上記S601ないしS604の工程は、カウン
タiの値が、最大値nを越えるまで繰り返され、各パル
ス間隔に対応する個数データl(0)、l(1)、…、
l(n−1)が順次確定される。モータが1回転して、
上記カウンタiの値が最大値nより大きくなると、繰り
返しデータ設定部21bは、1回転分の個数データが確
定されたと判定して、フラグSfinをオンに設定する
(S605)。
【0056】ところで、補正データ読み出し部21c
は、図8に示すように、トルクリプル補正が行える状態
であるか否かを示すフラグCenをチェックして、トル
クリプル補正メモリ21aから与えられる補正データ
を、トルクリプル補正信号eとして出力するか否かを判
定している(S801)。ここで、トルク個数データの
確定中、上記フラグCenは、初期化された状態のま
ま、オフに保たれているので、補正データ読み出し部2
1cは、補正データの出力を遮断し続けている。
【0057】これに対して、図6に示すS605にて、
フラグSfinがオンとなると、上述のS601にて、
モータが1回転経過したと判定され、S606以降の処
理が行われる。すなわち、S606において、繰り返し
データ設定部21bは、フラグCenをオンに設定し
て、トルクリプル補正が可能な状態であることを指示す
る。また、S607において、カウンタiに1加算し、
加算結果が最大値nよりも大きい場合(S608にてYE
S の場合)には、S609の処理が行われ、カウンタi
の値は0にリセットされる。この結果、カウンタiの値
は、現在のパルス間隔を示す番号になる。さらに、S6
10では、当該カウンタiに対応する個数データl
(i)が読み出され、繰り返しデータ列選択信号Mse
lとして出力される。
【0058】ここで、上記トルクリプル補正メモリ21
aは、例えば、ROM( Read-OnlyMemory )などで構
成されており、図9に示すように、補正データの個数が
0個、l1 個、…、lk-1 個の補正データ列M
(l0 )、M(l1 )、…、M(lk-1 )を格納してい
る。これらの各補正データ列Mは、モータ1のトルクリ
プルを補正可能な波形を示しており、正弦波や余弦波で
あることが多い。ただし、各補正データ列Mは、例え
ば、予測されるトルクリプル成分を合成して生成しても
よいし、実際のトルクリプルをサンプリングして生成し
てもよい。トルクリプル補正信号eが補正データ列Mと
して格納されているので、トルクリプル補正信号eの波
形を任意に設定できる。
【0059】上記個数l0 、l1 、…、lk-1 は、上記
各パルス間隔に対応する各個数データl(i)全てを含
んでいれば、どのように設定してもよいが、通常は、以
下のように設定される。すなわち、モータの構造から、
基準となる個数を選択し、個数l0 、l1 、…、lk-1
は、上記基準値を中心に所定の幅を持つように設定され
る。例えば、上述の構成では、基準値は、120/8=
15に設定される。したがって、個数l0 、l1 、…、
k-1 は、例えば、12個から18個までのように、1
5個を中心にした範囲に設定される。
【0060】また、トルクリプル補正メモリ21aは、
図7に示すS701において、これらの補正データ列の
なかから、現パルス間隔の補正に使用される補正データ
列が、繰り返しデータ設定部21bの出力する繰り返し
データ列選択信号Mselによって選択され、S702
において、トルクリプル補正メモリ21aは、選択され
た補正データ列のうち、回転角度情報cに対応する補正
データを出力する。
【0061】一方、この状態では、上記フラグCenが
オンになっているので、図8に示すS801の判定がYE
S となり、補正データ読み出し部21cは、トルクリプ
ル補正メモリ21aが出力した補正データを、トルクリ
プル補正信号eとして出力する(S802)。
【0062】この結果、補正データ出力部21は、ロー
タ磁極位置パルス信号bのパルス間隔が変動する場合で
あっても、適切な補正データ列を選択して、トルクリプ
ル補正信号eを出力できる。この結果、図10に示すよ
うに、パルス間隔に拘わらず、モータ速度制御装置は、
常に正確に補正し続けることができる。
【0063】なお、複数の補正データ列を記憶するた
め、トルクリプル補正メモリ21aに必要な記憶容量
は、単一の補正データ列を記憶する場合に比べれば、大
きくなるが、従来のモータ1回転分の補正データ列を記
憶する場合に比べれば、十分小さい。
【0064】また、上記の説明では、図7に示すS70
1およびS702の処理を別々に説明したが、実際に
は、これらの両ステップは、以下に示すように同時に行
われる。すなわち、繰り返しデータ列選択信号Msel
と回転角度情報cとの組み合わせで特定される補正デー
タを、トルクリプル補正メモリ21a内の当該組み合わ
せに応じたアドレスに格納しておく。そして、両信号M
sel・cが与えられた場合、両者を組み合わせて生成
したアドレスから、補正データが読み出される。これに
よって、上記両ステップを同時に実行できる。なお、個
数データl(i)に代えて、個数データl(i)をデコ
ードした値を格納しておき、上記繰り返しデータ列選択
信号Mselとしてデコード値を出力すれば、両信号M
sel・cの組み合わせから、対応するアドレスを作成
し易くなる。
【0065】〔第2の実施形態〕ところで、上記第1の
実施形態では、トルクリプル補正メモリ21aに格納さ
れた補正データ列を用いて、トルクリプル補正信号eが
生成されているが、トルクリプル補正信号eの生成方法
は、これに限らず、以下に示す本発明の第2の実施形態
のように、数値演算によって生成してもよい。
【0066】すなわち、本実施形態において、上記補正
データ出力部21に代えて設けられた補正データ出力部
22は、図11に示すように、上記第1の実施形態と同
様の回転角度検出器9と、回転角度情報cとロータ磁極
位置パルス信号bとに基づいて、ロータ磁極位置パルス
信号bの各パルス間隔に応じた周期を持つトルクリプル
補正信号eを生成する補正データ演算部(補正データ演
算手段)22aとを備えている。なお、以下では、トル
クリプル補正信号eが、ロータ磁極位置パルス信号bの
パルス間隔を1周期とする正弦波の場合を例にして説明
する。この場合、トルクリプル補正信号eの周期は、上
記各パルス間隔と同一になるように設定される。
【0067】当該補正データ演算部22aは、フラグS
finがオフの場合、すなわち、1回転分の個数データ
が確定されていない場合、図12に示すS1201〜S
1205において、図6に示すS601〜S605と同
様に個数データの確定処理を行い、1回転分の個数デー
タl(0)、l(1)、…、l(n−1)を記憶する。
【0068】1回転分の個数データが確定されると、図
6に示すS607〜S609と同様に、カウンタiの値
が、現在のパルス間隔を示す番号に設定される(S12
06〜S1208)。さらに、本実施形態に係る補正デ
ータ演算部22aは、S1209において、上記回転角
度情報cと、カウンタiに対応する個数データl(i)
とに基づいて、予め定められた演算手順にて、トルクリ
プル補正信号eを算出する。ここでは、トルクリプル補
正信号eが、上記各パルス間隔と同一周期の正弦波とし
ているので、トルクリプル補正信号eは、以下の式
(1)に示すように、 e=Sin(2×π×c/l(i)) …(1) となる。上記S1209は、回転角度情報cが与えられ
る毎に繰り返され、補正データ演算部22aは、トルク
リプル補正信号eとして、ロータ磁極位置パルス信号b
のパルス入力時点における位相が0〔rad〕で、か
つ、各パルス間隔と同一周期の正弦波を出力できる。
【0069】なお、ここでは、説明の便宜上、モータト
ルクリプルの周期がロータ磁極位置パルス信号bのパル
ス間隔と一致している場合を例示しているが、実際に
は、上述したように、モータトルクリプルは、モータ1
回転あたりに、コイル数とロータ磁極数との最小公倍数
回だけ繰り返す成分が最も大きい。したがって、モータ
1回転あたりのコイル数とロータ磁極数との最小公倍数
回繰り返すような周期の正弦波あるいは余弦波として、
トルクリプル補正信号eを算出する方が効果的である。
【0070】このように、補正データ演算部22aは、
予め検出された上記各パルス間隔に対応する個数データ
に基づいて、トルクリプル補正信号eの周期を調整す
る。これにより、ロータ磁極位置パルス信号bのパルス
間隔にバラツキがある場合でも、それぞれのパルス間隔
に応じたトルクリプル補正信号eを生成できる。この結
果、上記第1の実施形態と同様、モータ速度制御装置
は、図10に示すように、パルス間隔に拘わらず、常に
正確に補正し続けることができる。
【0071】なお、本実施形態では、演算によってトル
クリプル補正信号eを生成しているので、複数の補正デ
ータ列Mを記憶する必要がなくなり、第1の実施形態に
比べて、補正データ出力部に要する記憶容量を削減でき
る。
【0072】〔第3の実施形態〕ところで、上記第1お
よび第2の実施形態では、回転角度情報cは、回転パル
ス信号aのパルス入力時点で更新される。ここで、図1
3に示すように、ロータ磁極位置パルス信号bのパルス
が入力された時点から回転パルス信号aのパルスが入力
される時点までには、通常、θtの時間差がある。した
がって、上記回転角度情報cに基づいて生成されるトル
クリプル補正信号eは、ロータ磁極位置パルス信号bの
パルス入力に同期して発生するモータトルクリプルに比
べて、θtだけ位相が遅れてしまい、トルクリプルの補
正精度を低下させる要因となる。
【0073】当該位相誤差θtは、回転パルス信号aの
パルス間隔が長くなる程、あるいは、モータ1回転中の
回転パルス信号aのパルス数が小さくなる程、大きくな
る。したがって、特に、多数の回転パルスパターンを形
成しにくい小型のモータなどで、位相誤差θtに起因す
る補正精度の低下を無視できなくなる場合がある。
【0074】これに対して、以下に示す本発明の第3の
実施形態では、図14ないし図16を参照しながら、上
記位相誤差θtを補正可能で、補正の精度をさらに向上
できるモータ速度制御装置について説明する。すなわ
ち、図14に示すように、本実施形態に係る補正データ
出力部(トルクリプル補正信号生成手段)23には、図
1に示す構成に加えて、回転パルス信号aとロータ磁極
位置パルス信号bとの間の位相誤差θtを検出して、ト
ルクリプル補正メモリ21aの出力を補正する補正デー
タ位相差演算部(位相差検出手段;位相補償手段)23
aが設けられている。なお、図1に示す構成と同一の機
能を有する部材には、同一の参照符号を付して説明を省
略する。
【0075】上記補正データ位相差演算部23aは、両
パルス信号の位相誤差θtを検出するために、時間計測
用のタイマを備えており、図15に示すように、ロータ
磁極位置パルス信号bのパルスが入力されると、0から
カウントを開始する。当該タイマのカウント周期は、回
転パルス信号aのパルス間隔よりも十分短く設定されて
おり、上記パルス入力の後、タイマのカウント値は、当
該カウント周期にて増加する。
【0076】上記パルス入力の後、回転パルス信号aの
最初のパルスが入力されると、図16のS1601に示
すように、当該タイマは、カウント動作を停止する。こ
の結果、ロータ磁極位置パルス信号bのパルス入力時点
から、回転パルス信号aのパルス入力時点までの時間
差、すなわち、位相誤差θtが、タイマのカウント値と
して検出される。なお、タイマのカウント値は、ロータ
磁極位置パルス信号bの次のパルスが入力されるまで保
持される。
【0077】さらに、補正データ位相差演算部23a
は、S1602にて、トルクリプル補正メモリ21aが
出力する補正データを上記位相誤差θtで補正した後、
S1603にて、補正データ読み出し部21cへ出力す
る。
【0078】以下では、補正データ列Mがロータ磁極位
置パルス信号bのパルス間隔を1周期とする正弦波で近
似できる場合を例にして、上記S1602での補正処理
を、さらに詳細に説明する。すなわち、上記カウント値
で示される位相誤差をθt、ロータ磁極位置パルス信号
bの現パルス間隔における上記タイマのカウント値の総
数をθとすると、位相誤差〔rad〕は、2×π×(θ
t/θ)となる。したがって、補正データ列Mを正弦波
で近似すると、位相誤差によって発生する補正データの
誤差Δeは、以下の式(2)に示すように、 Δe=Sin〔2×π×{c/l(i)+(θt/θ)}〕 −Sin〔2×π×{c/l(i)}〕 …(2) となる。さらに、補正データ位相差演算部23aは、上
記補正データ誤差Δeを加算して、補正データを補正す
る。
【0079】上記θは、例えば、上記繰り返しデータ設
定部21bから現パルス間隔に対応する個数データl
(i)を読み出し、上記タイマのカウント幅に対する回
転パルス信号aのパルス間隔の比率と、当該個数データ
l(i)とを乗算するなどして算出できる。また、個数
データl(i)と同様、ロータ磁極位置パルス信号bの
各パルス間隔毎にθを測定して記憶してもよい。θを実
測した方が、各パルス間隔に対応するθをより正確に検
出できるので、さらに補正精度を向上できる。なお、θ
の測定は、例えば、個数データの確定処理時などと同時
に実施できるので、θを測定しても、モータ速度制御装
置がトルクリプルを補正可能になるまでの時間は変化し
ない。
【0080】上記ステップS1602およびS1603
は、回転パルス信号aのパルス入力毎に繰り返され、補
正データ位相差演算部23aは、ロータ磁極位置パルス
信号bの現パルス間隔における上記タイマのカウント総
数θと、位相誤差θtと、回転角度情報cとに基づい
て、補正データを補正する。これにより、図15に示す
ように、上記両パルス信号a・b間の位相誤差θtに拘
わらず、位相誤差補正後のトルクリプル補正信号eの位
相を、モータトルクリプルの位相に合わせることがで
き、モータ速度制御装置は、さらに高精度にモータの回
転速度を制御できる。
【0081】〔第4の実施形態〕ところで、上記第3の
実施形態では、トルクリプル補正信号eは、トルクリプ
ル補正メモリ21aに格納された補正データ列を用いて
生成されているが、トルクリプル補正信号eの生成方法
は、これに限るものではない。以下に示す本発明の第4
の実施形態のように、上述の第2の実施形態と同様、数
値演算によって生成してもよい。
【0082】すなわち、図17に示すように、本実施形
態に係る補正データ出力部(トルクリプル補正信号生成
手段)24は、図1と同様の回転角度検出器9と、上記
位相誤差θtを検出する補正データ位相差演算部(位相
差検出手段)24aと、位相誤差θtを補正した後のト
ルクリプル補正信号eを算出する補正データ演算部(位
相補償手段)24bとを備えている。
【0083】上記補正データ位相差演算部24aは、ロ
ータ磁極位置パルス信号bのパルスが入力される毎に、
図18に示す処理を行い、時間計測用のタイマのカウン
トを開始する。当該タイマのカウント周期は、回転パル
ス信号aのパルス間隔よりも十分短く設定されており、
タイマのカウント値は、ロータ磁極位置パルス信号bの
パルス入力時点を0として、上記カウント周期にて増加
する。
【0084】上記パルス入力の後、回転パルス信号aの
最初のパルスが入力されると、図18のS1801に示
すように、当該タイマは、カウント動作を停止する。こ
の結果、ロータ磁極位置パルス信号bのパルス入力時点
から、回転パルス信号aのパルス入力時点までの時間
差、すなわち、位相誤差θtが、タイマのカウント値と
して検出される。さらに、補正データ位相差演算部24
aは、上記補正データ位相差演算部23aと同様に、現
パルス間隔におけるタイマのカウント総数θを算出する
(S1802)。これらの値θおよびθtは、S180
3にて、補正データ演算部24bへ出力される。なお、
上記タイマがカウント開始および停止を行うのは、ロー
タ磁極位置パルス信号bのパルスが入力されてから、そ
の直後の回転パルス信号aのパルスが入力されるまでで
あり、回転パルス信号aの残余のパルス入力時には、既
に検出されたカウント値に基づいて、位相誤差θtなど
が求められる。
【0085】一方、補正データ演算部24bは、図19
に示すように、図12と略同様の処理を行い、トルクリ
プル補正信号eを算出する。ただし、本実施形態に係る
補正データ演算部24bは、位相誤差θtを補正してい
るので、図12に示すS1209に代えて、S1909
の処理が行われる。上述したように、トルクリプル補正
信号eが、ロータ磁極位置パルス信号bのパルス間隔と
同一周期の正弦波の場合を例にしている。したがって、
現パルス間隔に対応する個数データをl(i)とする
と、上記S1909にて、回転角度情報cの入力毎に算
出されるトルクリプル補正信号eは、以下の式(3)に
示すように、 e=Sin〔2×π×{c/l(i)+θt/θ}〕 …(3) となる。
【0086】この結果、本実施形態に係る補正データ出
力部24は、上記両パルス信号a・b間の位相誤差θt
に拘わらず、図13に示すように、トルクリプル補正信
号eの位相を、モータトルクリプルの位相に合わせて補
正して出力できる。したがって、上記第3の実施形態と
同様に、精度のよいトルクリプル補正を実現できる。
【0087】なお、上記第3(第4)の実施形態におい
て、上記補正データ位相差演算部23a(24a)は、
位相誤差θtを実測しているが、これに限らず、予め定
められた一定量を位相誤差θtとして使用してもよい。
補正データ位相差演算部23a(補正データ演算部24
b)が、位相誤差θtによって発生する誤差を打ち消す
方向に、大きさが補正されたトルクリプル補正信号eを
出力できれば、略同様の効果が得られる。ただし、上記
両実施形態に係る補正データ位相差演算部23a(24
a)のように、位相誤差θtを実測した方が、より正確
に補正データを補正できる。したがって、モータ速度制
御装置は、さらに精度よく、モータの回転速度を制御で
きる。
【0088】〔第5の実施形態〕ところで、上述の第3
および第4の実施形態では、ロータ磁極位置パルス信号
bのパルス入力時点と、回転パルス信号aのパルス入力
時点との時間差に起因する位相誤差θtを補正可能なモ
ータ速度制御装置について説明した。
【0089】しかしながら、上記補正データ出力部21
ないし24は、デジタル的に動作して、回転角度情報c
が与えられる毎に、トルクリプル補正信号eの大きさを
更新している。したがって、上記位相誤差θtが存在し
ない場合であっても、図20に示すように、生成される
トルクリプル補正信号eは、トルクリプルに対して、θ
lだけ位相が遅れてしまう。
【0090】具体的には、トルクリプル補正信号eが時
間方向に離散的に生成されるため、補正データ出力部2
1ないし24を伝達関数で表記した場合、データの零次
ホールド遅れに起因する遅れ要素が含まれ、上記位相遅
れθlが発生する。当該位相遅れθlの大きさは、トル
クリプル補正信号eのホールド期間(回転パルス信号a
のパルス間隔)の1/2となる。したがって、位相遅れ
θlは、回転パルス信号aのパルス間隔が長くなる程、
あるいは、モータ1回転中の回転パルス信号aのパルス
数が小さくなる程、大きくなる。この結果、特に、多数
の回転パルスパターンを形成しにくい小型のモータなど
で、位相遅れθlに起因する補正精度の低下を無視でき
なくなる虞れがある。
【0091】これに対して、以下に示す本発明の第5の
実施形態では、図20ないし図22を参照しながら、上
記位相遅れθlを補正可能で、補正の精度をさらに向上
できるモータ速度制御装置について説明する。すなわ
ち、図21に示すように、本実施形態に係る補正データ
出力部(トルクリプル補正信号生成手段)25には、図
1に示す構成に加えて、回転パルス信号aのパルス間隔
から算出した位相遅れθlに基づいて、トルクリプル補
正メモリ21aの出力を補正する補正データ位相遅れ演
算部(位相遅れ演算手段;位相補償手段)25aが設け
られている。なお、図1に示す構成と同一の機能を有す
る部材には、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0092】上記補正データ位相遅れ演算部25aは、
図22に示すように、回転角度情報cが入力され、トル
クリプル補正メモリ21aが新たな補正データを出力す
る毎に、上記位相遅れθlに起因する補正データの誤差
Δeを補正データに加算して補正データを補正し(S2
201)、補正された補正データを出力する(S220
2)。上記位相遅れθlは、回転パルス信号aのパルス
間隔の0.5倍として算出される。
【0093】以下では、上述の第3の実施形態と同様
に、補正データ列Mがロータ磁極位置パルス信号bのパ
ルス間隔を1周期とする正弦波で近似できる場合を例に
して、上記S2201での補正処理を、さらに詳細に説
明する。すなわち、ロータ磁極位置パルス信号bの現パ
ルス間隔に対応した個数データをl(i)とすると、位
相遅れθl〔rad〕は、以下の式(4)に示すよう
に、 θl=2×π/{2×l(i)} …(4) となり、当該位相遅れθlに起因する補正データ列の誤
差Δeは、以下の式(5)に示すように、 Δe=Sin〔2×π×{c/l(i)}+θl〕 −Sin〔2×π×{c/l(i)}〕 …(5) となる。さらに、補正データ位相遅れ演算部25aは、
上記補正データ誤差Δeを加算して、補正データを補正
する。なお、補正データ誤差Δeは、上記近似式にて算
出せずに、上記c、l(i)およびθlの組み合わせに
対応する数値をメモリに格納しておき、その数値を読み
出してもよい。
【0094】上記ステップS2201およびS2202
は、回転パルス信号aのパルス入力毎に繰り返され、補
正データ位相遅れ演算部25aは、ロータ磁極位置パル
ス信号bの現パルス間隔に対応する個数データl(i)
から位相遅れθlを算出し、当該位相遅れθlと回転角
度情報cとに基づいて、補正データを補正する。これに
より、図20に示すように、データの零次ホールド遅れ
に起因する位相遅れθlを除去して、位相遅れ補正後の
トルクリプル補正信号eの位相を、モータトルクリプル
の位相に合わせることができる。この結果、モータ速度
制御装置は、さらに精度よく、モータの回転速度を制御
できる。
【0095】〔第6の実施形態〕上記第5の実施形態で
は、補正データ列Mから、トルクリプル補正信号eを生
成する場合を例にして説明したが、以下の第6の実施形
態では、上述の第4の実施形態と同様に、演算によって
トルクリプル補正信号eを生成する場合について説明す
る。
【0096】すなわち、図23に示すように、本実施形
態に係る補正データ出力部(トルクリプル補正信号生成
手段)26は、図1と同様の回転角度検出器9と、上記
位相遅れθlを検出する補正データ位相遅れ演算部(位
相遅れ演算手段)26aと、位相遅れθlを補正した後
のトルクリプル補正信号eを算出する補正データ演算部
(位相補償手段)26bとを備えている。
【0097】上記補正データ位相遅れ演算部26aは、
回転パルス信号aのパルスが入力されると、図24に示
す処理を行い、位相遅れθlを算出し(S2401)、
当該位相遅れθlを出力する(S2402)。
【0098】一方、上記補正データ演算部24bは、図
25に示すように、図12と略同様の処理を行い、トル
クリプル補正信号eを生成する。ただし、本実施形態で
は、図12に示すS1209に代えて設けられたS25
09において、上記位相遅れθlを補正した後のトルク
リプル補正信号eが出力される。
【0099】ここで、上述の各実施形態と同様に、トル
クリプル補正信号eが、ロータ磁極位置パルス信号bの
パルス間隔と同一周期の正弦波の場合を例にすると、上
記S2401およびS2509の演算は、以下の式
(6)および式(7)に示すように、 θl’=1/{2×l(i)} …(6) e=Sin〔2×π×{c/l(i)+θl’}〕 …(7) となる。なお、上述の式(6)および(7)では、演算
量を削減するため、位相遅れθlに代えて、位相遅れθ
lの1/(2×π)倍の値θl’を算出している。
【0100】この結果、本実施形態に係る補正データ出
力部26は、図20に示すように、データの零次ホール
ド遅れに起因する位相遅れθlを除去して、位相遅れ補
正後のトルクリプル補正信号eの位相を、モータトルク
リプルの位相に合わせることができる。この結果、モー
タ速度制御装置は、さらに精度よく、モータの回転速度
を制御できる。
【0101】なお、上記第5および第6の実施形態にお
いて、補正データ位相遅れ演算部25a(26a)は、
ロータ磁極位置パルス信号bの各パルス間隔に対応する
個数データl(i)に基づいて、回転パルス信号aのパ
ルス間隔の1/2にあたる位相遅れθlを算出している
が、例えば、位相遅れθlとして、予め定められた一定
の値を用いてもよい。データの零次ホールド遅れに起因
する位相遅れを削減する方向に、トルクリプル補正信号
eの位相を進めることができれば、本実施形態と略同様
の効果が得られる。ただし、上記両実施形態のように、
位相遅れθlを算出した方が、より正確に、当該モータ
の位相遅れθlを検出できる。この結果、モータ速度制
御装置は、さらに精度よく、モータの回転速度を制御で
きる。
【0102】また、両実施形態では、第1および第2の
実施形態の構成に加えて、補正データ位相遅れ演算部2
5a(26a)などの位相遅れ補正用の部材を設けた場
合について説明しているが、これらの部材は、第3およ
び第4の実施形態の構成に追加することもできる。この
場合は、位相誤差θtおよび位相遅れθl双方に起因す
る補正データの誤差を削減できるので、モータ速度制御
装置は、さらに精度よく、モータの回転速度を制御でき
る。なお、この場合は、演算量を削減するために、位相
誤差θtおよび位相遅れθlの合計を算出した後、両者
の合計に起因する誤差を相殺するように、補正データあ
るいはトルクリプル補正信号eを補正する方がよい。
【0103】さらに、上記第1ないし第6の実施形態で
は、説明の便宜上、トルクリプル補正信号e自体、ある
いは、その近似式として、ロータ磁極位置パルス信号b
の各パルス間隔と同一の周期を持つ正弦波を例示した
が、これに限らず、任意の式を用いることができる。こ
の場合は、所望の式に合わせて、上述の式(1)ないし
式(7)を変更すれば、本実施形態と同様の効果が得ら
れる。
【0104】〔第7の実施形態〕ところで、上記第1な
いし第6の実施形態では、トルクリプル補正信号eの振
幅を特に調整しない場合を例にして説明したが、これに
限るものではない。例えば、以下に示す本発明の第7の
実施形態のように、トルクリプル補正信号eの振幅を、
実際のトルクリプルに合わせて調整可能であってもよ
い。
【0105】すなわち、本実施形態に係るモータ速度制
御装置には、図26に示すように、上記第1ないし第6
の実施形態のいずれかの構成に加えて、実際のトルクリ
プルの振幅の大きさを算出するトルクリプル算出器11
と、上記補正データ出力部21(22〜26)が出力す
るトルクリプル補正信号eへ、上記トルクリプル算出器
11の指示に応じた係数(振幅情報)を乗算する乗算器
12と、トルクリプル算出器11の指示に応じて、乗算
器12と加算器5bとの間を導通/遮断するスイッチ1
3とが設けられている。
【0106】上記構成において、上記トルクリプル算出
器11は、モータ1の製造時や、モータ1の回転開始直
後などの時点において、モータ1が数回転する間、スイ
ッチ13を遮断させる。さらに、トルクリプル算出器1
1は、スイッチ13が遮断している期間中、モータトル
クを示すモータトルク情報や速度誤差信号dなど、モー
タトルクリプルに応じて変動するモータ情報を監視し、
当該モータ情報の振幅によって、モータ1に実際に発生
しているモータトルクリプルの振幅を推定し、モータト
ルクリプルを除去可能な振幅のトルクリプル補正信号e
を生成するために必要な振幅情報を算出する。
【0107】モータ1が数回転するなどして、十分正確
な振幅情報が算出できると、トルクリプル算出器11
は、当該振幅情報を乗算器12へ指示すると共に、スイ
ッチ13を導通させる。これにより、加算器5bへ印加
されるトルクリプル補正信号eの振幅は、実際のモータ
トルクリプルを相殺可能な大きさに自動的に調整され
る。この結果、モータ速度制御装置は、さらに高精度に
モータ1の回転速度を制御できる。
【0108】なお、モータトルクリプルの振幅を推定す
る方法は、例えば、上記モータ情報の周波数成分のう
ち、トルクリプル補正信号eの周波数と同一の周波数成
分を抽出してもよいし、例えば、トルクリプル補正信号
eの最大あるいは最小振幅時など、トルクリプル補正信
号eの位相が、所定の位相になった時点におけるモータ
情報の大きさを複数回、サンプリングし、サンプリング
値を積算および平均して算出してもよい。また、モータ
1の回転速度を変化させる場合には、それぞれの回転速
度に応じて、振幅情報を算出すればよいし、トルクリプ
ル補正信号eの印加中も、モータトルクリプルを測定
し、測定結果に応じて、上記振幅情報を調整してもよ
い。いずれの方法であっても、モータトルクリプルの振
幅を推定できれば、本実施形態と同様の効果が得られ
る。ただし、速度誤差情報dには、モータトルクリプル
による速度誤差が直接現れ、かつ、速度誤差情報は、回
路を追加することなく検出できる。したがって、モータ
トルク情報を基づいて、トルクリプル補正信号の振幅を
調整する方が好ましい。加えて、積算および平均によっ
て振幅情報を算出した場合は、加算および平均という簡
単な演算で振幅情報を算出できるので、トルクリプル振
幅算出器の構成あるいは処理を、さらに簡略化できる。
【0109】なお、上記各実施形態では、加算器5bに
て、トルクリプル補正信号を減算しているが、トルクリ
プル補正信号eの減算は、加算器5aでモータ速度情報
とモータ速度目標の減算結果に更に減算するようにして
もよい。トルクリプル補正信号eの振幅を設定する際、
増幅器6の伝達関数も考慮して、実際のモータトルクを
相殺可能なように設定すれば、同様の効果が得られる。
【0110】〔第8の実施形態〕ところで、上述の第1
ないし第7の各実施形態では、位置検出センサ8を設け
て、ロータ磁極位置パルス信号bを生成しているが、ロ
ータ磁極位置パルス信号bの生成方法は、これに限るも
のではない。例えば、モータ1のモータコイルに発生す
る逆起電圧に基づいて、ロータ磁極位置パルス信号bを
生成すれば、位置検出センサ8を省くことができる。
【0111】同様に、図27に示すように、ブラシレス
モータ駆動回路7がモータ1の励磁を切り換える際に使
用する励磁切り換えタイミング検出信号を用いれば、位
置検出センサ8を設けることなく、ロータ磁極位置パル
ス信号bを生成できる。
【0112】具体的には、多相ブラシレスモータ1の駆
動時には、駆動磁極位置を検出し、当該駆動磁極位置と
同期したタイミングで、モータコイルの励磁を切り換え
る必要がある。したがって、ブラシレスモータ駆動回路
7は、例えば、図示しないホールセンサなどを用いて生
成され、励磁切り換えタイミングに同期した励磁切り換
えタイミング検出信号に基づいて、モータコイルの励磁
を切り換えている。当該励磁切り換えタイミング検出信
号は、モータ相数と同数あるのが普通であるが、本実施
形態に係る波形整形回路3bは、励磁切り換えタイミン
グ検出信号のうちの1つを波形整形して、ロータ磁極位
置パルス信号bを生成する。
【0113】ここで、励磁切り換えタイミング検出信号
は、駆動磁極位置に同期しているので、当該信号に基づ
いて、ロータ磁極位置パルス信号bを生成しても、モー
タ速度制御装置は、何ら支障なく、モータトルクリプル
の位相を特定できる。また、当該励磁切り換えタイミン
グ検出信号は、多相ブラシレスモータ1を駆動する際に
必須の信号であり、位置検出センサ8のように、新たな
センサを設けることなく作成される。したがって、モー
タトルクリプルの補正効果を低減することなく、モータ
速度制御装置の回路部品を削減できる。
【0114】また、ブラシレスモータ駆動回路7内で
は、励磁切り換えタイミング検出信号は、パルス波形に
整形されていることが多い。したがって、ロータ磁極位
置パルス信号bとして、波形整形後の励磁切り換えタイ
ミング検出信号を使用すれば、さらに、波形整形回路3
bを省略でき、モータ速度制御装置の回路規模をさらに
縮小できる。
【0115】さらに好ましくは、図28の変形例に示す
ように、図27の構成に加えて、複数の励磁切り換えタ
イミング検出信号を合成して、波形整形回路3bへ印加
する合成器31を設ける方がよい。
【0116】上述したように、モータトルクリプルは、
モータの1回転あたり、ロータ磁極数とモータコイル数
の最小公倍数回だけ発生する成分が、大きな振幅を持っ
ていることが多い。ここで、上記励磁切り換えタイミン
グ検出信号は、通常、モータの相数と同数設けられてい
る。したがって、上記合成器31は、各励磁切り換えタ
イミング検出信号を合成することによって、モータトル
クリプルの上記成分と同一の周期のパルス間隔を持った
ロータ磁極位置パルス信号bを生成できる。この結果、
モータ速度制御装置は、さらに効果的に、モータトルク
リプルを除去できる。
【0117】なお、図28の構成において、合成器31
の出力信号の波形が十分に整形されていれば、これらの
信号を、そのままロータ磁極位置パルス信号bとして使
用できる。この場合は、波形整形回路3bを削除でき、
モータ速度制御装置の回路部品をさらに削減できる。
【0118】なお、上記各実施形態では、加算器5bに
て、トルクリプル補正信号を減算しているが、トルクリ
プル補正信号の減算は、加算器5aでモータ速度情報と
モータ速度目標の減算結果に更に減算するようにしても
よい。この時には前記正規化定数Rc0として増幅器6
の伝達関数も考慮すれば、同様の効果が得られる。また
ロータ磁極位置パルス信号bは、モータ駆動用センサ、
モータコイル端子から求めても何ら構わない。
【0119】
【発明の効果】請求項1の発明に係るモータ速度制御装
置は、以上のように、上記ロータ磁極位置パルス信号に
同期し、かつ、上記回転パルス信号のパルス入力毎に値
が変化する回転角度情報を出力する回転角度検出手段
と、互いに異なる個数の補正データで構成された複数の
補正データ列を格納するトルクリプル補正メモリと、上
記ロータ磁極位置パルス信号の現パルス間隔に基づい
て、上記各補正データ列の中から、トルクリプル補正信
号として出力する補正データ列を選択する選択手段と、
選択された上記補正データ列のうち、上記回転角度情報
に対応する補正データを読み出す補正データ読み出し手
段と、上記モータの回転速度を制御するモータ制御信号
から、上記トルクリプル補正信号を加減算して、上記モ
ータ制御信号を補正する加減算器とを備えている構成で
ある。
【0120】上記構成では、ロータ磁極位置パルス信号
に基づいて、トルクリプル補正信号が生成されるので、
モータ毎に、トルクリプル補正信号を算出する際の手間
を省き、モータトルクリプルのみを確実に除去できる。
さらに、選択手段が補正データ列を選択するので、ロー
タ磁極位置パルス信号のパルス間隔にバラツキが存在す
る場合であっても、それぞれのパルス間隔に応じて、ト
ルクリプル補正信号の周期を調整できる。この結果、ト
ルクリプル補正メモリに単一の補正データ列を格納する
場合にくらべて、さらに高精度かつ安定してモータ速度
を制御できるという効果を奏する。
【0121】請求項2の発明に係るモータ速度制御装置
は、以上のように、請求項1記載のトルクリプル補正メ
モリ、選択手段および補正データ読み出し手段に代え
て、上記ロータ磁極位置パルス信号の現パルス間隔中に
入力される上記回転角度情報の総数と、与えられた回転
角度情報とに基づいて、当該回転角度情報に対応するト
ルクリプル補正信号の大きさを演算する補正データ演算
手段とを備えている構成である。
【0122】上記構成では、トルクリプル補正信号の周
期は、ロータ磁極位置パルス信号の現パルス間隔中に入
力される上記回転角度情報の総数に応じて調整される。
したがって、請求項1の発明に係るモータ速度制御装置
と同様に、ロータ磁極位置パルス信号のパルス間隔にバ
ラツキが存在する場合であっても、安定して高精度にモ
ータ速度を制御可能なモータ速度制御装置を実現できる
という効果を奏する。
【0123】請求項3の発明に係るモータ速度制御装置
は、以上のように、トルクリプル補正信号の位相を進ま
せて、上記モータのトルクリプルと上記トルクリプル補
正信号との位相差を補償する位相補償手段を備えている
構成である。
【0124】上記構成によれば、位相補償手段が、トル
クリプル補正信号の位相を進めるので、トルクリプル補
正信号と実際のモータトルクリプルとの間の位相差が低
減される。したがって、モータ速度制御装置は、高精度
かつ安定してモータの回転速度を制御できるという効果
を奏する。
【0125】請求項4の発明に係るモータ速度制御装置
は、以上のように、請求項3記載の発明の構成におい
て、上記位相補償手段は、上記ロータ磁極位置パルス信
号のパルスが入力されてから、上記回転パルス信号のパ
ルスが入力されるまでの位相差を検出する位相差検出手
段を備えている構成である。
【0126】上記構成によれば、位相差検出手段が、上
記両パルス間の位相差に起因する位相遅れを検出する。
したがって、当該位相差に起因する位相遅れを確実に補
償でき、さらに、高精度かつ安定してモータの回転速度
を制御できるという効果を奏する。
【0127】請求項5の発明に係るモータ速度制御装置
は、以上のように、請求項3または4記載の発明の構成
において、上記位相補償手段は、上記回転パルス信号の
パルス間隔の0.5倍の位相を算出する位相遅れ演算手
段を備えている構成である。
【0128】上記構成によれば、上記位相補償手段は、
上記回転パルス信号のパルス間隔の0.5倍の位相を算
出するので、零次ホールド遅れに起因する位相遅れを確
実に補償できる。この結果、モータ速度制御装置は、さ
らに、高精度かつ安定してモータの回転速度を制御でき
るという効果を奏する。
【0129】請求項6の発明に係るモータ速度制御装置
は、以上のように、請求項1、2、3、4または5記載
の発明の構成において、上記ロータ磁極位置パルス信号
は、上記モータの駆動に使用される複数の励磁切り換え
タイミング検出信号のうちの1つから求められることを
特徴としている。
【0130】上記構成によれば、新たなセンサを設ける
ことなく、ロータ磁極位置パルス信号を生成でき、モー
タ速度制御装置の回路部品を削減できるという効果を奏
する。
【0131】請求項7の発明に係るモータ速度制御装置
は、以上のように、請求項1、2、3、4または5記載
の発明の構成において、上記モータの駆動に使用される
複数の励磁切り換えタイミング検出信号を合成して、上
記ロータ磁極位置パルス信号を生成する合成器を備えて
いる構成である。
【0132】上記構成によれば、モータの1回転あたり
のパルス数が、ロータ磁極数とモータコイル数との最小
公倍数と同一のロータ磁極位置パルス信号を生成でき
る。この結果、モータトルクリプルの各成分のうち、大
きな振幅を持つ成分を確実に除去でき、さらに、高精度
かつ安定してモータの回転速度を制御できるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであり、モ
ータ速度制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記モータ速度制御装置が制御する多相ブラシ
レスモータの駆動コイルパターンおよび駆動磁極パター
ンの一例を示す説明図である。
【図3】本発明の比較例を示すものであり、実際のモー
タトルクリプルとトルクリプル補正信号との間に、周期
および位相の相違が発生した場合を示す波形図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るモータ速度制御
装置を示すものであり、ロータ磁極位置パルス信号のパ
ルス入力時における回転角度検出器の動作を示すフロー
チャートである。
【図5】上記モータ速度制御装置において、回転パルス
信号のパルス入力時における回転角度検出器の動作を示
すフローチャートである。
【図6】上記モータ速度制御装置において、繰り返しデ
ータ設定部の動作を示すフローチャートである。
【図7】上記モータ速度制御装置において、トルクリプ
ル補正メモリの動作を示すフローチャートである。
【図8】上記モータ速度制御装置において、補正データ
読み出し部の動作を示すフローチャートである。
【図9】上記モータ速度制御装置において、トルクリプ
ル補正メモリに格納された補正データ列を示す説明図で
ある。
【図10】上記モータ速度制御装置の動作を示す波形図
である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るモータ速度制
御装置を示すものであり、補正データ出力部を示すブロ
ック図である。
【図12】上記モータ速度制御装置において、補正デー
タ演算部の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3および第4の実施形態に係るモ
ータ速度制御装置の動作を示す波形図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係るモータ速度制
御装置を示すものであり、補正データ出力部を示すブロ
ック図である。
【図15】本発明の第3および第4の実施形態に係るモ
ータ速度制御装置を示すものであり、ロータ磁極位置パ
ルス信号のパルス入力時における補正データ位相差演算
部の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るモータ速度制
御装置を示すものであり、回転パルス信号のパルス入力
時における補正データ位相差演算部の動作を示すフロー
チャートである。
【図17】本発明の第4の実施形態に係るモータ速度制
御装置を示すものであり、補正データ出力部を示すブロ
ック図である。
【図18】上記モータ速度制御装置において、回転パル
ス信号のパルス入力時における補正データ位相差演算部
の動作を示すフローチャートである。
【図19】上記モータ速度制御装置において、補正デー
タ演算部の動作を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第5および第6の実施形態に係るモ
ータ速度制御装置の動作を示す波形図である。
【図21】本発明の第5の実施形態に係るモータ速度制
御装置を示すものであり、補正データ出力部を示すブロ
ック図である。
【図22】上記モータ速度制御装置において、補正デー
タ位相遅れ演算部の動作を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第6の実施形態に係るモータ速度制
御装置を示すものであり、補正データ出力部を示すブロ
ック図である。
【図24】上記モータ速度制御装置において、補正デー
タ位相遅れ演算部の動作を示すフローチャートである。
【図25】上記モータ速度制御装置において、補正デー
タ演算部の動作を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第7の実施形態を示すものであり、
モータ速度制御装置の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図27】本発明の第8の実施形態を示すものであり、
モータ速度制御装置の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図28】上記モータ速度制御装置の一変形例を示すも
のであり、モータ速度制御装置の要部構成を示すブロッ
ク図である。
【図29】従来例を示すものであり、モータ速度制御装
置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
5b 加算器(加減算器) 9 回転角度検出器(回転角度検出手段) 21a トルクリプル補正メモリ 21b 繰り返しデータ設定部(選択手段) 21c 補正データ読み出し部(補正データ読み出し手
段) 22a 補正データ演算部(補正データ演算手段) 24〜26 補正データ出力部(トルクリプル補正信号
生成手段) 23a 補正データ位相差演算部(位相差検出手段;位
相補償手段) 24a 補正データ位相差演算部(位相差検出手段) 24b 補正データ演算部(位相補償手段) 25a 補正データ位相差演算部(位相遅れ検出手段;
位相補償手段) 26a 補正データ位相遅れ演算部(位相遅れ演算手
段) 26b 補正データ演算部(位相補償手段) 31 合成器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多相ブラシレスモータの回転速度を制御す
    るモータ速度制御装置であって、 上記モータ1回転あたりに、駆動磁極数の整数倍個のパ
    ルスを有するロータ磁極位置パルス信号と、上記モータ
    1回転あたりに、ロータ磁極位置パルス信号よりも多い
    数のパルスを有する回転パルス信号とに基づいて、上記
    ロータ磁極位置パルス信号に同期し、かつ、上記回転パ
    ルス信号のパルス入力毎に値が変化する回転角度情報を
    出力する回転角度検出手段と、 互いに異なる個数の補正データで構成された複数の補正
    データ列を格納するトルクリプル補正メモリと、 上記ロータ磁極位置パルス信号の現パルス間隔に基づい
    て、上記各補正データ列の中から、トルクリプル補正信
    号として出力する補正データ列を選択する選択手段と、 選択された上記補正データ列のうち、上記回転角度情報
    に対応する補正データを読み出す補正データ読み出し手
    段と、 上記モータの回転速度を制御するモータ制御信号から、
    上記トルクリプル補正信号を加減算して、上記モータ制
    御信号を補正する加減算器とを備えていることを特徴と
    するモータ速度制御装置。
  2. 【請求項2】多相ブラシレスモータの回転速度を制御す
    るモータ速度制御装置であって、 上記モータ1回転あたりに、駆動磁極数の整数倍個のパ
    ルスを有するロータ磁極位置パルス信号と、上記モータ
    1回転あたりに、ロータ磁極位置パルス信号よりも多い
    数のパルスを有する回転パルス信号とに基づいて、上記
    ロータ磁極位置パルス信号に同期し、かつ、上記回転パ
    ルス信号のパルス入力毎に値が変化する回転角度情報を
    出力する回転角度検出手段と、 上記ロータ磁極位置パルス信号の現パルス間隔中に入力
    される上記回転角度情報の総数と、与えられた回転角度
    情報とに基づいて、当該回転角度情報に対応するトルク
    リプル補正信号の大きさを演算する補正データ演算手段
    と、 上記モータの回転速度を制御するモータ制御信号から、
    上記トルクリプル補正信号を加減算して、上記モータ制
    御信号を補正する加減算器とを備えていることを特徴と
    するモータ速度制御装置。
  3. 【請求項3】多相ブラシレスモータの回転速度を制御す
    るモータ速度制御装置であって、 上記モータ1回転あたりに、駆動磁極数の整数倍個のパ
    ルスを有するロータ磁極位置パルス信号と、上記モータ
    1回転あたりに、ロータ磁極位置パルス信号よりも多い
    数のパルスを有する回転パルス信号とに基づいて、上記
    ロータ磁極位置パルス信号に同期し、かつ、上記回転パ
    ルス信号のパルス入力毎に値が変化する回転角度情報を
    出力する回転角度検出手段と、 当該回転角度情報に基づいて、トルクリプル補正信号を
    生成するトルクリプル補正信号生成手段と、 上記モータの回転速度を制御するモータ制御信号から、
    上記トルクリプル補正信号を加減算して、上記モータ制
    御信号を補正する加減算器と、 上記トルクリプル補正信号の位相を進ませて、上記モー
    タのトルクリプルと上記トルクリプル補正信号との位相
    差を補償する位相補償手段とを備えていることを特徴と
    するモータ速度制御装置。
  4. 【請求項4】上記位相補償手段は、上記ロータ磁極位置
    パルス信号のパルスが入力されてから、上記回転パルス
    信号のパルスが入力されるまでの位相差を検出する位相
    差検出手段を備えていることを特徴とする請求項3記載
    のモータ速度制御装置。
  5. 【請求項5】上記位相補償手段は、上記回転パルス信号
    のパルス間隔の0.5倍の位相を算出する位相遅れ演算
    手段を備えていることを特徴とする請求項3または4記
    載のモータ速度制御装置。
  6. 【請求項6】上記ロータ磁極位置パルス信号は、上記モ
    ータの駆動に使用される複数の励磁切り換えタイミング
    検出信号のうちの1つから求められることを特徴とする
    請求項1、2、3、4または5記載のモータ速度制御装
    置。
  7. 【請求項7】上記モータの駆動に使用される複数の励磁
    切り換えタイミング検出信号を合成して、上記ロータ磁
    極位置パルス信号を生成する合成器を備えていることを
    特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のモータ
    速度制御装置。
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