JP2001309687A - モータ制御装置、および同装置で使用する、トルクリプルを抑制するための補正値の測定方法 - Google Patents

モータ制御装置、および同装置で使用する、トルクリプルを抑制するための補正値の測定方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルク(推力)リプルを測定・抑制するモー
タの制御装置において、制御対象の応答を考慮してトル
クリプルによる回転変動を完全に抑制することが出来る
モータ制御装置およびトルクリプルを抑制するための補
正値の測定方法を提供することを目的とするものであ
る。 【解決手段】 適当な速度指令値uを入力した状態での
回転速度出力のリプル周波数成分ydを求め、上記速度
指令値uと適当な速度補正値hとを加算したものを入力
した状態での回転速度出力のリプル周波数成分yhdを
求め、(G1・G2)=(yhd−yd)/hで伝達関
数(G1・G2)を求め、以上から、リプル抑制のため
の速度補正値hd=−yd/(G1・G2)を算出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転モータある
いはリニアモータの制御装置において、回転のトルクあ
るいは直動の推力の脈動を減少させるモータ制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転モータあるいはリニアモータにおい
ては、回転子あるいは可動子の位置によって、回転のト
ルクあるいは直動の推力が変動し、このため回転子の回
転に伴ってトルクが脈動する、あるいは可動子の移動に
伴って推力が脈動する現象が発生することが知られてお
り、トルクリプルあるいは推力リプルと呼ばれる。トル
クリプルあるいは推力リプルは、モータを使用している
装置の動作に悪影響を与える場合がある。そのため、こ
のトルクリプルあるいは推力リプルを測定し、この測定
値を利用した制御によりトルクリプルあるいは推力リプ
ルを減少させるようなモータの制御装置が提案されてい
る。図12〜図22は例えば特開平10−23774号
公報に示されたモータの回転制御装置を示すものであ
る。
【0003】以下、本従来例を図面によって説明する。
なお、例示した従来例の明細書では、トルクの脈動によ
り発生する速度の脈動をトルクリップルと称している
が、以下の説明では正確に表現するために、トルクリプ
ルはトルクの脈動を示し、速度リプルはトルクリプルに
より生じる速度の脈動を示し、また回転角度振動はトル
クリプルにより生じる回転角度の振動成分を示すことと
する。まず、モータのトルクリプルに起因した回転角度
振動を測定する方法について、図12のフローチャート
に従って説明する。尚、この説明は図13〜図16を参
照しながら行う。
【0004】図12は、本従来例でのモータの回転角度
振動の測定処理動作を示すフローチャートである。同図
に示すように、ステップS1において、先ずモータが予
め設定された所定の指令速度N(rpm)で回転制御さ
れる。この時、速度指令データに基づくモータ指令回転
角度と、エンコーダ等により測定されたモータ実回転角
度がデータとして保存される。図13(a)は速度指令
データに基づくモータ指令回転角度と、モータが理想的
に動作した場合の回転角度(モータ理想回転角度)との
関係を示し、図13(b)はその実回転角度データとの
関係を示したものである。モータが速度指令データ通り
に回転した場合には、図13(a)の理想データに示す
ように、モータ指令回転角度とモータ回転角度との関係
は直線になる。しかし、モータは実際にはトルクリプル
等により速度指令データ通りに回転せず、図13(b)
の実回転データに示すように、回転角度に振動成分を生
じる。
【0005】次に、ステップS2において、モータ1回
転分の理想回転角度データ及び実回転角度データが、そ
れぞれデータの起点がモータの回転角度にして例えば5
/3度ずつずれた各4種類の第1〜第4データDa1〜
Da4,Db1〜Db4として記憶される。ここでずら
す角度を5/3度に設定しているのは、本従来例での実
施例に用いられるモータが1回転に対してトルクリプル
が36回発生するモータであり、5/3度は回転角度振
動の1周期分のモータ回転角の1/6に相当するからで
ある。なお、このずらす角度が、回転角度振動のモータ
回転角に対する位相を算出する際の分解能に相当する。
【0006】次に、ステップS3において、先に作成さ
れた第1〜第4理想回転角度データDa1〜Da4及び
第1〜第4実回転角度データDb1〜Db4に、それぞ
れハニング窓関数が乗算される。図14(a),(b)
は、乗算の結果得られた各ハニングデータを示すもので
ある。続いて、ステップS4において、上記各ハニング
データを周波数成分に分解するために、各ハニングデー
タがFFT(高速フーリエ変換)処理される。ステップ
S5については、測定に直接関係がないため説明を省略
する。同時に、ステップS6において、対応する理想回
転角度のFFTデータと実回転角度のFFTデータとに
基づき、4種類の伝達関数が求められる。そして、ステ
ップS7において、求められた各伝達関数に基づき、4
種類のボード線図が作成される。図15は作成されたボ
ード線図の一例を示すものであるが、速度リプルの周波
数である36Hzの周波数におけるゲインが大きくなっ
ていることが判る。
【0007】次に、ステップS8において、4種類のボ
ード線図から、速度リプルの周波数におけるゲインが最
大のボード線図が選択され、そのゲインGが記憶され
る。この最大のゲインGを有するボード線図に対応する
データが、図16においてサイン波Wで示された回転角
度振動の波高値が最大のものに相当し、選択されたボー
ド線図に対応するデータの起点はサイン波Wの起点と一
致する。一方、速度リプルのサイン波の起点位置は、サ
イン波Wのマイナス側の最大波高値の位置に相当すると
考えられる。例えば、最大のゲインGを有するボード線
図に対応するデータがDa2,Db2であった場合に
は、データDa2,Db2の起点はモータ回転角の原点
から5/3度ずれた位置なので、速度リプルが発生する
基点の回転角度は、5/3度+7.5度となる。ここで
7.5度はずれが無い場合のサイン波Wのマイナス側の
最大波高値の角度である。
【0008】次に、ステップS9において、速度リプル
の周波数での理想回転角データの波高値Pが算出され
る。第1理想データDa1にハニング窓関数が乗算さ
れ、続いてFFT処理された後、下記の式(1)に従っ
て、速度リプル周波数での波高値Pが算出される。 P=2×√(Rl2+Im2)・・・(1) ここで、Rlは速度リプル周波数でのFFT結果の実軸
データの大きさを表し、Imは虚軸データの大きさを表
す。
【0009】次にステップS10において、前記ステッ
プS9で算出された理想回転角データの波高値Pと、前
記ステップS8で選択された最大ゲインGとに基づき、
下記の式(2)に従って、速度リプル周波数での振れ量
が算出される。 振れ量(degree)=P×(10(G/20)−1)・・・(2) 以上の様に、本従来例では上記の手順により、トルクリ
プルにより発生する回転角度振動の振幅と位相ずれ(モ
ータ回転角の原点に対する)を求めることが出来る。な
お、前記の回転角度振動の振幅と位相ずれは、同じモー
タであっても回転速度N(rpm)が変化するのに応じ
て変化する。そのため、回転角度振動の振幅と位相ずれ
のデータはモータを制御する各回転速度N毎に求めてお
く必要がある。
【0010】次に、上記測定結果に基づき、モータのト
ルクリプルに起因した回転角度振動を抑制する方法につ
いて、図17〜図20に従って説明する。先ず図17の
ステップS31において、モータで発生する回転角度振
動の振幅と位相ずれ量が、上記方法にてあらかじめ測定
・算出され記憶されている。この振幅及び位相ずれ量
は、前記のようにモータの回転速度N(rpm)の各回
転速度毎にそれぞれ算出されている。
【0011】次に、ステップS32において、モータの
トルクリプルに起因して発生する回転角度振動を表すサ
イン波が作成される。その波形f(i)は下記の式
(3)で表すことができる。 f(i)=1×sin(B・θi−Pi) ・・・(3) ここで、θiはモータの回転角度を表し、Piは回転角
度振動の位相ずれ量を表す。又、Bはモータが1回転中
に発生するトルクリプルの回数を表す。続いて、ステッ
プS33において、例えば図18のようなモータ速度制
御指令値データ(角度−速度データ)Hが時間で積分さ
れて、図19に示すような時間−角度データIが作成さ
れる。
【0012】次にステップS34において、積分の結果
得られた時間−角度データIに補正値が加えられて、図
20に示すような補正後の時間−角度データJが作成さ
れる。つまり、この補正後の時間−角度データJは、図
19に示す時間−角度データIに対して、トルクリプル
に起因して生じるモータの回転角度振動を打ち消すよう
な値を補正値として加えたものになる。具体的には、図
19の時間−角度データI上において、ある時間tiで
のモータ回転角度をθiとしたとき、その回転角度θi
でのモータ回転速度Niが図18に示すモータ速度制御
指令値データ(角度−速度データ)Hより求められる。
そして、その求められた回転速度Niでの回転角度振動
の振幅Siおよび位相ずれPiが得られ、前記式(3)
に従い、モータの回転角度がθiのときの値f(i)が
求められる。このように図19の時間−角度データI上
における時間tiを少しずつ変えながら、各時間tiで
の回転角度θiにそれぞれ対応する値Si,f(i)が
求められる。そして、このようにして求められた値S
i,f(i)に基づき、下記の式(4)に従って図20
に示すような補正後の時間−角度データJが作成され
る。 J=I−f(i)×Si ・・・(4)
【0013】次に、ステップS35において、補正後の
時間−角度データJが微分されて、図21に示すような
時間−速度データKが作成される。続いて、ステップS
36において、図20に示す補正後の時間−角度データ
Jと図21に示す時間−速度データKとに基づき、図2
2に示すような補正後の主軸速度制御データ(角度−速
度データ)Lが作成される。本従来例では、このデータ
をモータを回転制御するための指令値として使用すれ
ば、モータに生じるトルクリプルが発生する回転角度振
動をあらかじめ予想して指令値データを作成することに
より、モータにトルクリプルに起因した回転角度振動が
生じることなく制御する事が出来るとされている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来のトルクリプルを
測定・抑制するモータの制御装置は以上のように構成さ
れており、その方式の要点は、トルクリプルにより発生
する回転角度あるいは回転速度の振動の振幅と位相を測
定しておき、これらを回転角度指令あるいは回転速度指
令に補正量として加えることである。ところがこの従来
の方式では、制御対象の応答が考慮されていないためト
ルクリプルによる回転変動を完全に抑制することは出来
ない。
【0015】以下、上記の問題点を図23、24のトル
クリプルを発生するモータの速度フィードバック制御系
のブロック線図を用いて説明する。図23、24におい
て、1は速度指令値uとモータ回転速度yとの差である
速度エラーからモータ発生トルクまでの伝達関数G1a
を表すブロック、2は前記モータ発生トルクとトルクリ
プルdとの合計である出力トルクからモータ回転速度y
までの伝達関数G2aを表すブロックである。まず図2
3に示すように、速度指令値uとして一定値u0を入力
した場合に、発生する速度リプルがΔyであったとす
る。
【0016】従来の制御方式の場合、この速度リプルΔ
yを補正値として速度指令値uから減じるのであるが、
この補正値によって生じる速度リプルΔy’は図25の
ブロック線図より(5)式で表されることが分かる。 Δy’=Δy・G1a・G2a/(1+G1a・G2a)・・・(5) これより、補正後の速度リプルの合計は(6)式で表さ
れる。 Δyc=Δy−Δy’=Δy/(1+G1a・G2a) ・・・(6) このように、従来の制御方式では(6)式で示す速度リ
プルΔycが残り、トルクリプルの影響を完全に除くこ
とはできないという問題点があった。なお、上記の説明
では補正値を速度指令値に加える場合について説明して
いるが、角度指令値およびトルク指令値に補正値を加え
る場合でも、同様の問題があることは明らかである。
【0017】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、トルク(推力)リプルを測定・
抑制するモータの制御装置において、制御対象の応答を
考慮してトルクリプルによる回転変動を完全に抑制する
ことが出来るモータ制御装置およびトルクリプルを抑制
するための補正値の測定方法を提供することを目的とす
るものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るモータ制御装置は、位置、速度またはトルクに係る指
令値に基づき必要なトルクを発生し、モータの位置、速
度またはトルクを制御するものであって、上記モータが
発生するトルクリプルに起因する上記モータの位置、速
度またはトルクに係る出力におけるリプル成分を、上記
指令値に所定の補正値を加算することにより抑制するよ
うにしたモータ制御装置において、上記位置、速度また
はトルクに係る指令値入力から上記モータ発生トルクま
での伝達関数をG1、上記モータ発生トルクとトルクリ
プルとの和であるモータ出力トルクから上記位置、速度
またはトルクに係る出力までの伝達関数をG2、上記補
正値を加算しないときに上記位置、速度またはトルクに
係る出力に含まれるリプル周波数成分をddとしたと
き、上記補正値hdを下式により設定するものである。 hd=−dd/(G1・G2)
【0019】また、この発明の請求項2に係る補正値測
定方法は、請求項1に係るモータ制御装置において速度
指令値に補正値を加算して速度出力リプル成分を抑制す
る場合の当該速度補正値を測定により求める方法におい
て、任意の第1の速度指令値を入力した状態での速度出
力のリプル周波数成分ydを求め、速度指令値として上
記第1の速度指令値と上記リプル周波数の任意の速度補
正値hとを加算したものを入力した状態での速度出力の
リプル周波数成分yhdを求め、上記yd、h、yhd
から下式により伝達関数(G1・G2)を求め、 (G1・G2)=(yhd−yd)/h 上記伝達関数(G1・G2)に基づき求めるべき速度補
正値を算出するようにしたものである。
【0020】また、請求項3に係る補正値測定方法は、
請求項1に係るモータ制御装置においてトルク指令値に
補正値を加算してトルク出力リプル成分を抑制する場合
の当該トルク補正値を測定により求める方法において、
任意の第1のトルク指令値を入力した状態でのトルク出
力のリプル周波数成分yd’を求め、トルク指令値とし
て上記第1のトルク指令値と上記リプル周波数の任意の
トルク補正値h’とを加算したものを入力した状態での
トルク出力のリプル周波数成分yhd’を求め、上記y
d’、h’、yhd’から下式により伝達関数(G1’
・G2’)を求め、 (G1’・G2’)=(yhd’−yd’)/h’ 上記伝達関数(G1’・G2’)に基づき求めるべきト
ルク補正値を算出するようにしたものである。
【0021】また、請求項4に係る補正値測定方法は、
請求項1に係るモータ制御装置であって速度制御系を有
するものにおいてトルク指令値に補正値を加算してトル
ク出力リプル成分を抑制する場合の当該トルク補正値を
測定により求める方法において、任意の第1の速度指令
値を入力した状態でのトルク出力のリプル周波数成分y
d’を求め、速度指令値として上記第1の速度指令値を
入力しトルク指令値として上記リプル周波数の任意のト
ルク補正値h’を入力した状態でのトルク出力のリプル
周波数成分yhd’を求め、上記yd’、h’、yh
d’から下式により伝達関数(G1’・G2’)を求
め、 (G1’・G2’)=(yhd’−yd’)/h’ 上記伝達関数(G1’・G2’)に基づき求めるべきト
ルク補正値を算出するようにしたものである。
【0022】また、請求項5に係る補正値測定方法は、
請求項1に係るモータ制御装置であって速度制御系を有
するものにおいてトルク指令値に補正値を加算してトル
ク出力リプル成分を抑制する場合の当該トルク補正値を
測定により求める方法において、トルク指令値入力から
モータ発生トルクまでの応答が十分速く、かつ速度指令
値にリプル周波数成分が含まれていない場合、任意の第
1の速度指令値を入力した状態でのトルク出力のリプル
周波数成分yd’’を求め、速度指令値として上記第1
の速度指令値を入力しトルク指令値として上記リプル周
波数の任意のトルク補正値h’を入力した状態でのトル
ク出力のリプル周波数成分yhd’’を求め、上記y
d’’、h’、yhd’’から下式により伝達関数(G
1’・G2’)を求め、 (G1’・G2’)≒(G1’)=(yhd’’−y
d’’)/h’ 上記伝達関数(G1’・G2’)に基づき求めるべきト
ルク補正値を算出するようにしたものである。
【0023】また、請求項6に係る補正値測定方法は、
請求項5において、トルク出力のリプル周波数成分y
d’’およびyhd’’を、それぞれ下式により求める
ようにしたものである。 yd’’=((dy/dt)/Jm)−u’ yhd’’=((dy/dt)/Jm)−(u’+
h’) 但し、yは速度出力、Jmはモータの慣性モーメント、
u’は第1の速度指令値を入力したときのトルク指令値
を示す。
【0024】また、請求項7に係る補正値測定方法は、
モータ回転数の変動範囲をカバーするように異なる複数
の回転数を設定し、これら複数の設定回転数における補
正値を測定し、上記設定回転数と異なる回転数における
補正値は上記測定補正値から補間法により求めるように
したものである。
【0025】また、請求項8に係る補正値測定方法は、
モータ負荷量の変動範囲をカバーするように異なる複数
の負荷量を設定し、これら複数の設定負荷量における補
正値を測定し、上記設定負荷量と異なる負荷量における
補正値は上記測定補正値から補間法により求めるように
したものである。
【0026】また、請求項9に係る補正値測定方法は、
モータが、そのリプル周波数が異なる複数のトルクリプ
ルを発生する場合、補正値は各リプル周波数毎に測定す
るようにしたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
を実施するための実施の形態1によるモータ制御装置の
動作を説明するための図であり、トルクリプルが発生す
る回転(リニア)モータの速度制御系のブロック線図で
ある。なお、本願発明は、回転のトルクを直動の推力、
トルクリプルをこの推力のリプルと考えれば、回転モー
タだけでなくリニアモータにも全く同様に適用でき同等
の効果を奏する。従って、以下では、主に回転モータを
対象に説明するものとする。図1において、1は速度指
令値入力uからモータ発生トルクまでの伝達関数G1を
表すブロック、2は上記モータ発生トルクとトルクリプ
ルdとの和であるモータ出力トルクからモータ回転速度
yまでの伝達関数G2を表すブロックである。なお、図
1では速度フィードバックループが図示されていない
が、速度フィードバックループを図示した先の図23、
24との整合性を図るものとすると、 G1=G1a G2=G2a/(1+G1a・G2a) と考えればよい。また、hは速度リプルを抑制する補正
値である。
【0028】まず、実施の形態1によるモータ制御装置
の原理について図1を用いて詳しく説明する。はじめ
に、速度指令値uを与え、かつ補正値hを0とした状態
で速度制御装置を動作させた状態の、回転速度出力yに
ついて考えてみる。ここで、トルクリプルdがモータ回
転角度θm(=∫ydt)に同期して発生し、モータ回
転に対するトルクリプルの周期はあらかじめ明らかであ
るものとすれば、回転角度θmからトルクリプルdの周
波数ωdを知ることが出来る。速度指令値uに含まれる
トルクリプルdと同じ周波数ωdの成分をudとすれ
ば、回転速度出力yに含まれている周波数ωdの成分
は、速度指令値の周波数ωd成分udとトルクリプルd
とにより回転速度出力yに生じる速度リプルydであ
り、(7)式の伝達関数表現で表される。 yd=G1・G2・ud+G2・d ・・・(7) なお、速度リプルydを求めるには、回転速度出力yを
周波数分析して、トルクリプル周波数ωdの成分を抽出
すれば良い。また、以上の説明で、速度指令値uにトル
クリプル周波数ωd成分udが含まれ得るとしているの
は、例えば以下に示す場合が想定されるからである。即
ち、図1では図示していないが、速度制御系の外側に例
えば回転位置の制御系が存在し、その回転位置制御系の
フィードバック量に上記ωd成分が含まれ、結果とし
て、位置指令値と位置フィードバック量との差信号を入
力として作成される速度指令値にωd成分が含まれる場
合が想定されるからである。
【0029】次に、上記速度指令値uに、トルクリプル
周波数ωdの信号である補正値hを加えて速度制御系を
動作させた場合の、回転速度出力yについて考えてみ
る。この場合は、回転速度出力yの中のトルクリプル周
波数ωdの成分には、速度指令値udとトルクリプルd
とが回転速度出力yに発生させる速度リプルydの他
に、補正値hが回転速度出力yに発生させる速度リプル
分も含まれる。これより、この時の回転速度出力yに含
まれるトルクリプル周波数ωdの速度リプルyhdは式
(8)の伝達関数表現で表される。 yhd=G1・G2・(h+ud)+G2・d ・・・(8) 式(8)に式(7)を代入して整理し、式(9)を得
る。 G1・G2=(yhd−yd)/h ・・・(9)
【0030】式(9)より、補正値h=0の場合の測定
結果から求めた速度リプルyd、補正値h≠0の場合の
測定結果から求めた速度リプルyhd、および補正値h
から、伝達関数G1・G2を求めることが可能なことが
分かる。また式(9)より、補正値h≠0の速度リプル
yhdを0にするような補正値hdは式(10)の伝達
関数表現により求められる。 hd=−yd/(G1・G2) ・・・(10) 以上の説明より、上記の手順で作成された補正値hdを
速度指令値uに加えることにより、速度リプルydを0
にすることが出来るのが分かる。
【0031】それでは次に、以上の原理を用いて回転モ
ータのトルクリプルを抑制する制御を行う具体的な手順
を、図2を用いて説明する。図2はこの発明を実施する
ための実施の形態1によるモータ制御装置の動作の手順
を示すフローチャートである。なお図2において、S1
〜S3は図4で後述する第一の速度脈動測定手段の動作
であり、S4〜S6は第二の速度脈動測定手段の動作で
あり、S7は速度補正値算出手段の動作である。
【0032】まずS1では、モータの速度制御装置に適
当な速度指令値uを入力して、この時の回転速度出力y
をS2にて測定・記憶する。従って、後述するように、
ここで入力された速度指令値に相当するモータ回転速度
における補正値を求めることになる。次にS3では、S
2にて測定した回転速度出力yを周波数分析してトルク
リプル周波数ωdの成分を抽出して記憶する。この時、
トルクリプルdはモータ回転角度に同期して発生するの
で、回転速度出力yの周波数分析はモータ回転角度に対
して行う必要がある。具体的には、モータ1回転に対し
てトルクリプルがM回発生するとすれば、モータ回転角
度θmに対してトルクリプル周波数ωdは式(11)で
表される。 ωd=M・d(θm)/dt ・・・(11) 周波数分析には様々な計算方法があるが、回転速度出力
yからこのトルクリプル周波数ωdの成分である速度リ
プルydを抽出してその振幅とモータ回転角度に対する
位相を求めるには、例えば以下の計算を行えばよい。
【0033】まず、式(12)、(13)のa、bを計
算して、ある程度の時間(少なくとも一番周期の長い回
転数変動の一周期より長い間)の平均値を求める。これ
により、d(M・θm)/dt=ωd以外の周波数成分
を持つ信号は平均すると0になる。 a=y・cos(M・θm) ・・・(12) b=y・sin(M・θm) ・・・(13) 速度リプルydを式(14)で表した時、速度リプルの
振幅Rおよびθm=0での位相φは、平均されたa,b
より式(15)、(16)で求められるので、これを記
憶する。 yd=R・sin(M・θm+φ) ・・・(14) R=√(a2+b2) ・・・(15) φ=tan-1(a/b) ・・・(16)
【0034】次にS4では、S1で与えた速度指令値u
にトルクリプル周波数ωdの補正値hを加えた値を速度
指令値として入力し、この時の回転速度出力をS5にて
測定・記憶する。この場合の補正値hは、例えば式(1
7)に示した値を用いる。 h=H・sin(M・θm) ・・・(17) 式(17)においてHは適当な補正値の振幅である。次
にS6では、S5で測定した回転速度出力をS3同様に
処理して、速度変動yhdの振幅Rhおよび位相φhを
求めて記憶する。この時、速度変動yhdは式(18)
で表すことが出来る。 yhd=Rh・sin(M・θm+φh) ・・・(18)
【0035】そして次にS7において、速度リプルを0
にするような補正値を算出してテーブルを作成する。式
(10)に基づけば、速度リプルを0にする補正値hd
は式(19)の伝達関数表現で与えられる。 hd=−h・yd/(yhd−yd) ・・・(19) 式(19)は伝達関数表現であるため、それぞれが正弦
波である式(19)右辺の計算は、各正弦波を極座標表
示して合成したものに相当する。h、yhd、ydを式
(20)〜(22)のように極座標表示して考える。 h=H・ej(M ・θ m) ・・・(20) yd=R・ej(M ・θ m+ φ ) ・・・(21) yhd=Rh・ej(M ・θ m+ φ h) ・・・(22) 式(20)〜(22)を式(19)に代入し、整理して
式(23)を得る。 hd=−h・1/(Rh/R・ej( φ h- φ )−1) ・・・(23)
【0036】図3を用いて式(23)の補正値hdの計
算方法を説明する。極座標ベクトルAは振幅Rh/R、
位相φh−φの正弦波を表し、極座標ベクトルBはAか
ら1を減じたベクトルで、式(23)右辺の分母に相当
する。極座標ベクトルCはベクトルBの逆数であり、位
相は正負が反転してベクトルの大きさは逆数となる。h
は大きさH、位相0のM・θmで回転するベクトルであ
るが、これとベクトルCを合成して極座標ベクトルDを
得る。Dは位相がCと同じであり、大きさはHにCの振
幅を乗じたものとなる。
【0037】以上の手順により、大きさHd、位相φh
dの極座標ベクトルDが得られた。このベクトルにより
表される補正値hdは、式(24)で表される。 hd=Hd・sin(M・θm+φhd) ・・・(24) 実際の制御に用いるには、制御に必要なデータの処理時
間を短縮するため、式(24)により計算される補正値
hdを適当なモータ回転角度毎に計算しておいて、あら
かじめ補正テーブルを作成しておくほうが都合がよい場
合が多い。以上の作業により、モータ1回転に対してM
回発生するトルクリプルに対する補正テーブルの作成が
完了した。
【0038】実際に速度リプルを抑制する速度制御を行
うには、速度指令値に対して、現在のモータ回転角度に
より作成した補正テーブルを用いて速度指令値の補正値
を求め、この補正値を速度指令値に加えて速度制御装置
に与えればよい。なお、上記の実施の形態では補正デー
タをあらかじめ計算して補正テーブルの形で保存してい
るが、高速な処理が可能な制御装置の場合、S6の各デ
ータの形で保存しておいて、実際に制御する際に図3お
よび式(24)の計算を行って補正値を算出することが
可能であり、保存するデータ量が少なくてよいというメ
リットがある。
【0039】ところで、トルクリプルの発生要因として
は、例えば、集中巻コイルを採用した同期機におけるス
ロット通過に基づくもの、極数によって発生するもの、
各センサーのオフセット誤差に基づくもの等が考えられ
るが、対象とするトルクリプルが複数の周期で存在する
場合は、1)既に作成した補正テーブルを使用してこれ
らの速度リプルを消去した状態で、S1〜S7の手順に
よりその他の周波数の速度リプルのデータ測定を行う方
法、2)一つの速度リプルに対する補正テーブルを作成
した後に、速度リプルの消去は行わずにその他の速度リ
プルのデータ測定を行う方法、3)S3において複数の
トルクリプル周波数に対してR、φを求め、次にS4に
おいて複数の周波数成分を足しあわせたhを用いて測定
し、S6において複数のトルクリプル周波数に対してR
h、φhを求め、S7にてこれらのデータより複数の速
度リプルに対する補正テーブルを一度に作成する方法、
が考えられる。要は、各リプル周波数毎に補正値を求め
ればよい。
【0040】また、補正値hdのパラメータHd、φh
dはモータの回転速度によっても変化する。これは、以
上に述べた測定方法では、G1・G2の特性を、最初に
入力された速度指令値に相当するモータ回転速度におけ
る、トルクリプル周波数ωdにおいてのみ測定している
為である。そのため、モータ回転速度が変化する制御系
に対して本発明の制御装置を適用するためには、使用す
るそれぞれのモータ回転速度について補正値hdのパラ
メータを測定・用意する必要がある。ただし、モータ回
転速度の変化に対するパラメータHd、φhdの変化は
比較的緩やかであるため、ある程度の回転速度の間隔で
測定したデータにより途中の区間でのパラメータを補間
して使用する方法でも十分実用的である。
【0041】それでは次に、以上の機能を持つモータ制
御装置の具体的な構成について説明する。図4はモータ
制御装置の具体的な構成について説明した図である。以
下、図4の各部の働きを図2の動作手順を参照しながら
説明する。なお、以下の例では第一の速度脈動測定手段
と第二の速度脈動測定手段とを同一の装置により構成し
た場合について説明する。まず図2のS1の速度制御
は、適切な速度指令値が速度指令値発生手段3により発
生され、その指令値に基づきモータの回転速度を制御す
るモータ回転速度制御手段4により行われる。モータ回
転速度制御手段4は、エンコーダ等の回転センサを含ん
だモータ6と接続されて同モータ6の速度制御を行う装
置であり、具体的には例えばサーボアンプであって、速
度指令値発生手段3は、例えばサーボアンプのコントロ
ーラである。
【0042】次に図2のS2の回転速度の検出・記憶
は、モータの回転がモータ回転角度・速度測定手段7に
より行われる。モータ回転角度・速度の検出は、モータ
6に接続された回転の信号を用いても良いし、別の回転
センサあるいは速度センサ(モータの回転部分表面の速
度を測定する場合)を用いても良い。ただしこの場合で
も、モータ6に接続された回転センサの信号と別の回転
・速度センサの信号は、対応する信号が同時に測定され
る必要がある。モータ回転角度・速度測定手段7はこれ
らの信号を取り込み・保存する機能を有しており、具体
的には回転センサとの信号インターフェースを持ったデ
ータ処理装置などを含む。
【0043】次に図2のS3では、速度リプル算出手段
8により式(12)〜(16)の計算を行い、保存され
たモータ回転速度のデータからトルクリプル周波数成分
の信号を抽出して速度リプルの振幅と位相を算出して、
その結果がリプルデータ保存手段9に記憶される。速度
リプル算出手段8およびリプルデータ保存手段9は、具
体的にはデータ処理装置上のプログラムである。次に図
2のS4の補正値を含む速度制御では、補正指令値発生
手段5により発生された適当な補正値が速度指令値発生
手段3に送られ、これを加算した速度指令値によりモー
タ回転速度制御手段4がモータ6を制御する。速度指令
値発生手段3は、例えばサーボアンプのコントローラ上
のプログラムである。
【0044】次に図2のS4、5、6では、モータ回転
角度・速度測定手段7、速度リプル算出手段8、リプル
データ保存手段9により、S2、S3と同様に速度リプ
ルの振幅・位相が算出・保存される。そこで、次のS7
ではリプルデータ保存手段9に保存されたデータを用い
て、式(20)〜(24)および図3にて説明された計
算方法により補正指令値演算手段10が速度リプルを0
にするような補正指令値を算出し、補正指令値保存手段
11により保存される。補正指令値演算手段10および
補正指令値保存手段11は、例えばデータ処理装置上の
プログラムである。補正指令値は、例えばモータ回転角
度とそれに対応する速度指令値補正値が各モータ角度に
ついて記憶された補正テーブルの形式で納められる。以
上で速度リプルを0にするような補正指令値が作成さ
れ、補正指令値保存手段11上に保存された。速度リプ
ルを0にする制御を行う際には、補正データを補正指令
値発生手段5に移して、この補正速度指令値を速度指令
値に加えてモータを制御する。
【0045】ここで、図4に示した装置構成は、速度指
令値発生手段3、モータ回転速度制御手段4、補正指令
値発生手段5からなる速度制御装置12と、モータ回転
角度・速度測定手段7、速度リプル算出手段8、リプル
データ保存手段9からなる速度脈動測定手段13と、補
正指令値演算手段10、補正指令値保存手段11からな
る速度補正値算出手段17、およびモータ6に分けるこ
とが出来る。この内、速度脈動測定手段13および速度
補正値算出手段17は補正指令値を作成する際には必要
であるが、補正指令値作成後にモータ制御を行う際には
必要ではない。
【0046】ところで、モータが発生するトルクリプル
はモータが無負荷の場合でも発生するコギングトルク
と、負荷時に発生する通電リプルに大別される。図4に
示したモータ制御装置の構成ではモータ6単体にて測定
・制御を行っているため、この図の構成ではコギングト
ルクによる速度リプルは検出できるが、通電リプルは測
定できない。通電リプルを含めたトルクリプルを測定、
補償するには、モータ6に他のモータやブレーキなどの
適当な負荷を与える必要がある。一般に通電リプルの特
性は負荷の大きさにより変化するので、通電リプルを補
償するような補正指令値を作成するには、使用するそれ
ぞれの負荷状態に応じて補正テーブルを測定・用意する
必要がある。ただし、負荷状態の変化に対する補正デー
タの変化は比較的緩やかであるため、ある程度の負荷状
態の間隔で測定したデータにより途中の区間でのパラメ
ータを補間して使用する方法でも十分実用的である。
【0047】なお、以上では回転モータのトルクリプル
に対する制御装置について説明したが、リニアモータの
推力リプルに対する制御装置についても同様の装置が有
効であることは言うまでもない。後述の実施の形態につ
いても同様である。即ち、本願明細書の請求項に記載し
たトルクは、リニアモータでの推力をも意味し、トルク
リプルは推力リプルをも意味するものである。
【0048】実施の形態2.実施の形態1においては速
度指令値に補正値を加えたのに対して、以下に説明する
実施の形態2では、モータ電流制御系のトルク(電流)
指令値に補正値を加える方式について述べる。図5は、
この発明を実施するための実施の形態2によるモータ制
御装置を説明するための図であり、トルクリプルが発生
するモータの速度制御装置のブロック線図である。図5
は速度フィードバックを含む速度制御系のブロック線図
で、その意味で実施の形態1の図1と同等のものであ
り、更に、速度フィードバックを図示しているという点
では、先の図23、24と同じものである。但し、この
実施の形態2においては、トルクリプルを抑制するため
の補正値をトルク指令値に加えることを想定しているの
で、これを可能とするため、前掲の各図におけるブロッ
ク1を、図5では、速度指令値誤差からトルク指令値ま
での伝達関数G1a1を示すブロック、即ち、速度制御
器14と、トルク指令値からトルク出力までの伝達関数
G1a2を示すブロック、即ち、トルク制御器15とに
分割して示している。従って、 G1a1・G1a2=G1a が成立する。ブロック2は先の各図と同様のものであ
る。また、h’はトルクリプルを抑制する補正値であ
り、u、y、dは図1と同じ、u’は速度制御器14の
出力するトルク指令値、y’は出力トルクである。
【0049】まず、速度制御系の動作を含めたトルクの
入出力関係について考えてみる。図実施の形態1と同じ
ように速度指令値uに適当な信号を入力したとすると、
本形態の場合は速度(速度フィードバック)制御のため
にトルク指令値u’にトルクリプルdと同じ周波数の再
現性のない成分が含まれる可能性があるが、その影響を
検討する。
【0050】図5のブロック線図を等価変換して考える
と、トルクリプル周波数ωdの信号の入出力については
図6への等価変換が可能である。ここで図6において点
線で囲んだ部分を伝達関数G2bのブロック16にまと
めて考えれば、トルクリプル周波数ωdの信号について
図6のブロック線図は図7と同じものと考えることが出
来る。図7において、トルク指令u’からトルク出力
y’までの部分を取り出してみると、図1において、G
2=1とした場合のブロック図と同じ形となる。ここ
で、トルク出力y’を何らかの方法で検出することを考
えると、このトルク出力y’はその検出手段18の応答
性に関係するが、これを伝達関数G2’と表すものと
し、かつ、図7のトルク制御器15の伝達関数G1a2
をG1’と表すものとすると、図7のうち、トルク制御
に係る部分は図8に示す形に表現することができる。こ
れにより図8に示したトルクの入出力関係を用いれば、
実施の形態1と同様に補正値hd’を求めることが出来
ることが分かる。
【0051】それでは、実施の形態2によるモータ制御
装置の原理について説明する。はじめに、適当な速度指
令値uを与え(これによって、後述するように、速度制
御器14からトルク指令値u’が出力される)、かつ補
正値h’を0とした状態で速度制御系を動作させた状態
の、トルク指令値u’およびトルク出力y’に含まれて
いる周波数ωdの成分は、トルク指令値ud’およびト
ルクリプルdが回転トルク出力y’に生じるトルクリプ
ルyd’であり、式(25)の伝達関数表現で表され
る。 yd’=G1’・G2’・ud’+G2’・d ・・・(25)
【0052】次に、トルク指令値u’に、トルクリプル
周波数ωdの信号である補正値h’を加えて制御系を動
作させた場合の、第二の測定結果である回転トルク出力
y’に含まれるトルクリプル周波数ωdのトルクリプル
yhd’は式(26)の伝達関数表現で表される。 yhd’=G1’・G2’・(h’+ud’)+G2’・d ・・・(26) 式(26)に式(25)を代入して整理し、式(27)
を得る。 G1’・G2’=(yhd’−yd’)/h’ ・・・(27) 式(27)より、補正値h’=0の場合のトルクリプル
yd’、補正値h’≠0の場合のトルクリプルyh
d’、および補正値h’から、伝達関数G1’・G2’
を求めることが可能なことが分かる。また式(27)よ
り、補正値h’≠0のトルクリプルyhd’を0にする
ような補正値hd’は式(28)の伝達関数表現で与え
られる。 hd’=−yd’/(G1’・G2’) ・・・(28) 以上の説明より、上記の手順で作成された補正値hd’
をトルク指令値u’に加えることにより、トルクリプル
yhd’を0にすることが出来るのが分かる。
【0053】それでは次に、以上の原理を用いて回転モ
ータのトルクリプルを抑制する制御を行う具体的な手順
を、図9を用いて説明する。図9はこの発明を実施する
ための実施の形態2によるモータ制御装置の動作の手順
を示すフローチャートである。なお図9において、S
1’〜S3’は第一のトルク脈動測定手段の動作であ
り、S4’〜S6’は第二のトルク脈動測定手段の動作
であり、S7’はトルク補正値算出手段の動作である。
まずS1’では、モータの速度制御装置に適当な速度指
令値uを入力し、この時のトルク出力をS2’にて測定
・記憶する。トルク出力の測定には、トルクセンサをモ
ータに接続して測定する、あるいはモータの回転速度変
化からトルク出力を算出するオブザーバを用いるなどの
方法が考えられる。
【0054】次にS3’では、S1’にて測定したトル
ク出力を周波数分析してトルクリプル周波数を持つ成分
を抽出する。この時、トルクリプルはモータ回転角度に
同期して発生するので、トルク出力の周波数分析はモー
タ回転角度に対して行う必要がある。実施の形態1にお
いて回転速度出力に対して行ったのと同様の処理を行う
ことにより、トルクリプルyd’は式(29)で表すこ
とができる。 yd’=R’・sin(M・θm+φ’) ・・・(29) 次にS4’では、S1’での速度制御系が発生するトル
ク指令値u’にトルクリプル周波数ωdの補正値h’を
加えた値をトルク制御系のトルク指令値として入力し、
この時のトルクリプルyhd’を測定・記憶する。この
場合の補正値h’は、例えば式(30)に示した値を用
いる。 h’=H’・sin(M・θm) ・・・(30) 式(30)においてH’は適当な補正値の振幅である。
次にS5’では、S4’で測定したトルク出力をS2’
同様に処理して、トルクリプルyhd’の振幅Rh’お
よび位相φh’を求める。この時、トルクリプルyh
d’は式(31)で表すことが出来る。 yhd’=Rh’・sin(M・θm+φh’) ・・・(31)
【0055】そして次にS6’において、出力トルクリ
プルを0にするような補正値を算出してテーブルを作成
する。式(28)に基づけば、出力トルクリプルを0に
する補正値hd’は式(32)の伝達関数表現で与えら
れる。 hd’=−h’・yd’/(yhd’−yd’) ・・・(32) 式(32)は伝達関数表現であるため、それぞれが正弦
波である式(32)右辺の計算は、各正弦波を極座標表
示して合成したものに相当する。実施の形態1で示した
のと同様の方法で計算することにより、補正値hd’
は、式(33)で表すことが出来る。 hd’=Hd’・sin(M・θm+φhd’) ・・・(33) 以上の作業により、実施の形態1と同様にトルクリプル
を0にするトルク指令補正値を得ることが出来る。トル
クリプルの抑制制御を行う際には、上記の方法で求めた
トルク指令補正値を本来のトルク指令値に加えてトルク
制御装置に出力すればよい。
【0056】なお、複数の周期のトルクリプルに対する
補正の方法、およびモータ回転数による補正値の変化、
モータ負荷時に発生するトルクリプルの補正方法につい
ても、実施の形態1と同様の対策を行うことが出来る。
【0057】なお、以上の例では速度フィードバックを
行ったままトルク指令補正値を求める方法について説明
したが、図5、6のブロック図に示したように速度フィ
ードバックの有無は上記の制御方法には影響を与えな
い。このため、速度フィードバックの応答を遅くしてト
ルク指令値u’にトルクリプル周波数の成分が含まれな
いようにする、あるいは速度フィードバックを行わない
状態でも、上記の方法でトルク指令補正値を求めること
が勿論可能である。
【0058】ここで、トルク制御器15の応答G1’
(図8)について検討してみる。トルク制御器はモータ
電流をフィードバック制御しており、通常そのフィード
バック制御自体の応答はトルクリプル周波数に対して十
分高速である場合が多いが、サーボアンプのハードウェ
アにおいて速度制御器とトルク制御器とが別のマイコン
により構成されている場合は、信号伝送の遅れのために
トルク指令値が実際にトルク制御器に入力されるまでに
無駄時間が生じる場合がある。この無駄時間は、上記の
方法で計算されたトルク補正値においては位相の進み分
となって現れるが、無駄時間が一定であればこの位相の
進み量はトルクリプル周波数に比例する。
【0059】このため、トルク制御器の応答が単純な無
駄時間と考えられるような制御装置においては、無駄時
間により発生する補正値の位相進み量がトルクリプル周
波数より予想できるので、モータ回転速度に応じて補正
値の位相進み量を変化させることにより、それぞれのモ
ータ回転速度に対応した補正値を測定・保存することな
くトルクリプルを抑制するようなトルク指令補正値を得
ることが出来る。そのためには、少なくとも二つのモー
タ回転速度について上記の方法でトルク補正値を求め、
この二つの条件での補正値の位相差からトルク制御器の
無駄時間を算出すればよい。トルクリプル抑制制御を行
う際には、あらかじめ求めた無駄時間が制御時のトルク
リプル周波数において発生する位相ずれを計算し、トル
ク補正値の算出の際その分の位相進みを加算すればよい
ことが分かる。
【0060】実施の形態3.以下に説明する実施の形態
3では、実施の形態2においてトルク(電流)制御器の
応答が十分速く、かつ速度指令値にトルクリプル周波数
の信号が含まれていない場合の制御方式について述べ
る。まず、トルク(電流)制御器の応答が十分速い場合
の、速度制御系の動作を含めたトルクの入出力関係は図
6のブロック線図において伝達関数G1a2=1と考え
れば良く、図10のブロック線図で表すことが出来る。
図10における信号aはトルク出力であり、信号−bは
速度制御系が速度リプルに応答して発生するトルク指令
値に相当するが、速度指令値にトルクリプル周波数の信
号が含まれていない場合は、トルクリプル周波数の成分
は信号−bのみとなる。即ち、信号cはトルク出力から
トルク指令値を減じたものに等しいことが分かる。この
信号cを以下では外乱出力と呼ぶ。
【0061】これより、モータ電流制御系の応答が十分
速い場合には、外乱出力を出力信号と考えることによ
り、また、図8で説明した場合と同様、伝達関数G1a
2をG1’と表すと、図10のブロック図を図11のよ
うに簡略化して考えることが出来る。図11において、
信号y’’は、実際にトルクセンサ等で測定したトルク
出力からトルク指令値を減じて求めても良いが、モータ
の回転速度変動からトルク出力を算出するオブザーバの
出力からトルク指令値を減じたもの、即ちいわゆる外乱
オブザーバの出力を用いても良い。
【0062】それでは以下に、実施の形態3によるモー
タ制御装置の原理について説明する。はじめに、トルク
リプル周波数ωdの成分が含まれない速度指令値を与
え、かつ補正値h’を0とした状態で速度制御系を動作
させた状態での第一の測定結果である外乱出力yd’’
はトルクリプルdに等しい(式(34))。 yd’’=d ・・・(34) 次に、トルク指令値u’に、トルクリプル周波数ωdの
信号である補正値h’を加えて制御系を動作させた場合
の第二の測定結果である外乱出力yhd’’は式(3
5)の伝達関数表現で表される。 yhd’’=G1’・h’+d ・・・(35) なお、以上のyd’’、yhd’’は、上述したいわゆ
る外乱オブザーバの出力を用いて、式(36)(37)
により求めることができる。 yd’’=((dy/dt)/Jm)−u’ ・・・(36) yhd’’=((dy/dt)/Jm)−(u’+h’) ・・・(37) 但し、yは速度出力、Jmはモータの慣性モーメント、
u’はトルク指令値である。
【0063】式(34)(35)より式(38)を得
る。 G1’=(yhd’’−yd’’)/h’ ・・・(38)
【0064】式(38)より、補正値h’=0の場合の
外乱出力yd’’、補正値h≠0の場合の外乱出力yh
d’’、および補正値h’から、伝達関数G1’を求め
ることが可能なことが分かる。また式(35)より、補
正値h’≠0の外乱出力yhd’’を0にするような補
正値hd’は式(39)の伝達関数表現で与えられる。 hd’=−yd’’/G1’ ・・・(39)
【0065】以上の説明より、上記の手順で作成された
補正値hd’をトルク指令値u’に加えることにより、
トルク変動を0にすることが出来るのが分かる。なお、
トルクリプルの測定や制御方法の具体的な手順等につい
ては、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
【0066】また、以上では、トルクリプルを抑制する
ための補正値を、速度指令値に加算する場合(実施の形
態1)、トルク指令値に加算する場合(実施の形態2、
3)について説明したが、全く同様の考え方を踏襲し
て、(回転)位置指令値に補正値を加算してトルクリプ
ルによる影響を抑制することもできる。勿論、この場合
の補正値の測定も上述した方法を同様に適用することに
より可能である。
【0067】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1に係
るモータ制御装置は、位置、速度またはトルクに係る指
令値に基づき必要なトルクを発生し、モータの位置、速
度またはトルクを制御するものであって、上記モータが
発生するトルクリプルに起因する上記モータの位置、速
度またはトルクに係る出力におけるリプル成分を、上記
指令値に所定の補正値を加算することにより抑制するよ
うにしたモータ制御装置において、上記位置、速度また
はトルクに係る指令値入力から上記モータ発生トルクま
での伝達関数をG1、上記モータ発生トルクとトルクリ
プルとの和であるモータ出力トルクから上記位置、速度
またはトルクに係る出力までの伝達関数をG2、上記補
正値を加算しないときに上記位置、速度またはトルクに
係る出力に含まれるリプル周波数成分をddとしたと
き、上記補正値hdを下式により設定するので、制御装
置の応答を考慮した補正値が採用され、トルクリプルの
抑制効果が確実に得られる。 hd=−dd/(G1・G2)
【0068】また、この発明の請求項2に係る補正値測
定方法は、請求項1に係るモータ制御装置において速度
指令値に補正値を加算して速度出力リプル成分を抑制す
る場合の当該速度補正値を測定により求める方法におい
て、任意の第1の速度指令値を入力した状態での速度出
力のリプル周波数成分ydを求め、速度指令値として上
記第1の速度指令値と上記リプル周波数の任意の速度補
正値hとを加算したものを入力した状態での速度出力の
リプル周波数成分yhdを求め、上記yd、h、yhd
から下式により伝達関数(G1・G2)を求め、 (G1・G2)=(yhd−yd)/h 上記伝達関数(G1・G2)に基づき求めるべき速度補
正値を算出するようにしたので、速度出力リプル成分を
抑制するための速度補正値が簡便確実に得られる。
【0069】また、請求項3に係る補正値測定方法は、
請求項1に係るモータ制御装置においてトルク指令値に
補正値を加算してトルク出力リプル成分を抑制する場合
の当該トルク補正値を測定により求める方法において、
任意の第1のトルク指令値を入力した状態でのトルク出
力のリプル周波数成分yd’を求め、トルク指令値とし
て上記第1のトルク指令値と上記リプル周波数の任意の
トルク補正値h’とを加算したものを入力した状態での
トルク出力のリプル周波数成分yhd’を求め、上記y
d’、h’、yhd’から下式により伝達関数(G1’
・G2’)を求め、 (G1’・G2’)=(yhd’−yd’)/h’ 上記伝達関数(G1’・G2’)に基づき求めるべきト
ルク補正値を算出するようにしたので、トルクリプル成
分を抑制するためのトルク補正値が簡便確実に得られ
る。
【0070】また、請求項4に係る補正値測定方法は、
請求項1に係るモータ制御装置であって速度制御系を有
するものにおいてトルク指令値に補正値を加算してトル
ク出力リプル成分を抑制する場合の当該トルク補正値を
測定により求める方法において、任意の第1の速度指令
値を入力した状態でのトルク出力のリプル周波数成分y
d’を求め、速度指令値として上記第1の速度指令値を
入力しトルク指令値として上記リプル周波数の任意のト
ルク補正値h’を入力した状態でのトルク出力のリプル
周波数成分yhd’を求め、上記yd’、h’、yh
d’から下式により伝達関数(G1’・G2’)を求
め、 (G1’・G2’)=(yhd’−yd’)/h’ 上記伝達関数(G1’・G2’)に基づき求めるべきト
ルク補正値を算出するようにしたので、トルクリプル成
分を抑制するためのトルク補正値が簡便確実に得られ
る。
【0071】また、請求項5に係る補正値測定方法は、
請求項1に係るモータ制御装置であって速度制御系を有
するものにおいてトルク指令値に補正値を加算してトル
ク出力リプル成分を抑制する場合の当該トルク補正値を
測定により求める方法において、トルク指令値入力から
モータ発生トルクまでの応答が十分速く、かつ速度指令
値にリプル周波数成分が含まれていない場合、任意の第
1の速度指令値を入力した状態でのトルク出力のリプル
周波数成分yd’’を求め、速度指令値として上記第1
の速度指令値を入力しトルク指令値として上記リプル周
波数の任意のトルク補正値h’を入力した状態でのトル
ク出力のリプル周波数成分yhd’’を求め、上記y
d’’、h’、yhd’’から下式により伝達関数(G
1’・G2’)を求め、 (G1’・G2’)≒(G1’)=(yhd’’−y
d’’)/h’ 上記伝達関数(G1’・G2’)に基づき求めるべきト
ルク補正値を算出するようにしたので、トルクリプル成
分を抑制するためのトルク補正値が簡便確実に得られ
る。
【0072】また、請求項6に係る補正値測定方法は、
請求項5において、トルク出力のリプル周波数成分y
d’’およびyhd’’を、それぞれ下式により求める
ようにしたので、トルク出力リプル成分が、いわゆる外
乱オブザーバの出力を用いて簡便に求めることができ
る。 yd’’=((dy/dt)/Jm)−u’ yhd’’=((dy/dt)/Jm)−(u’+
h’) 但し、yは速度出力、Jmはモータの慣性モーメント、
u’は第1の速度指令値を入力したときのトルク指令値
を示す。
【0073】また、請求項7に係る補正値測定方法は、
モータ回転数の変動範囲をカバーするように異なる複数
の回転数を設定し、これら複数の設定回転数における補
正値を測定し、上記設定回転数と異なる回転数における
補正値は上記測定補正値から補間法により求めるように
したので、モータ回転数の変動範囲の全域にわたる補正
値を簡便に得ることができる。
【0074】また、請求項8に係る補正値測定方法は、
モータ負荷量の変動範囲をカバーするように異なる複数
の負荷量を設定し、これら複数の設定負荷量における補
正値を測定し、上記設定負荷量と異なる負荷量における
補正値は上記測定補正値から補間法により求めるように
したので、モータ負荷量の変動範囲の全域にわたる補正
値を簡便に得ることができる。
【0075】また、請求項9に係る補正値測定方法は、
モータが、そのリプル周波数が異なる複数のトルクリプ
ルを発生する場合、補正値は各リプル周波数毎に測定す
るようにしたので、複数のトルクリプル現象について
も、これらを確実に抑制するための補正値を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるモータ制御
装置の制御ブロックを示す構成図である。
【図2】 実施の形態1における補正値の測定方法を説
明するためのフローチャートである。
【図3】 補正値を計算する過程における各量をベクト
ル表示した図である。
【図4】 この発明に係るモータ制御装置を示す構成図
である。
【図5】 この発明の実施の形態2の前提となる制御ブ
ロックを示す構成図である。
【図6】 図5を等価的に変換した制御ブロック図であ
る。
【図7】 図6を等価的に変換した制御ブロック図であ
る。
【図8】 実施の形態2におけるモータ制御装置の制御
ブロックを示す構成図である。
【図9】 実施の形態2における補正値の測定方法を説
明するためのフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態3の前提となる制御
ブロックを示す構成図である。
【図11】 実施の形態3におけるモータ制御装置の制
御ブロックを示す構成図である。
【図12】 従来のモータ制御装置における、測定処理
動作を示すフローチャートである。
【図13】 図12のS2による、モータの回転角度の
指令値と出力値との関係を示す図である。
【図14】 図12のS3による、ハニングデータを示
す図である。
【図15】 図12のS7による、ボード線図である。
【図16】 トルクリプルに起因する速度変動の波を説
明する図である。
【図17】 トルクリプル抑制動作を示すフローチャー
トである。
【図18】 モータ速度制御指令(角度−速度データ)
を示す図である。
【図19】 図17のS33による、時間−角度データ
を示す図である。
【図20】 図17のS34による、補正後の時間−角
度データを示す図である。
【図21】 図17のS35による、時間−速度データ
を示す図である。
【図22】 図17のS36による、角度−速度データ
を示す図である。
【図23】 従来の問題点を説明するための制御ブロッ
ク図である。
【図24】 従来のトルクリプル抑制動作を説明するた
めの制御ブロック図である。
【符号の説明】
1,2,14〜16,18 それぞれ伝達関数で表され
るブロック、3 速度指令値発生手段、4 モータ回転
速度制御手段、5 補正指令値発生手段、6 モータ、
7 モータ回転角度・速度測定手段、8 速度リプル算
出手段、9 リプルデータ保存手段、10 補正指令値
演算手段、11 補正指令値保存手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 尚徳 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 安江 正徳 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H550 BB10 GG03 JJ03 JJ04 JJ17 KK05 LL01 5H570 BB20 JJ03 JJ04 JJ17 JJ25 KK05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置、速度またはトルクに係る指令値に
    基づき必要なトルクを発生し、モータの位置、速度また
    はトルクを制御するものであって、 上記モータが発生するトルクリプルに起因する上記モー
    タの位置、速度またはトルクに係る出力におけるリプル
    成分を、上記指令値に所定の補正値を加算することによ
    り抑制するようにしたモータ制御装置において、 上記位置、速度またはトルクに係る指令値入力から上記
    モータ発生トルクまでの伝達関数をG1、上記モータ発
    生トルクとトルクリプルとの和であるモータ出力トルク
    から上記位置、速度またはトルクに係る出力までの伝達
    関数をG2、上記補正値を加算しないときに上記位置、
    速度またはトルクに係る出力に含まれるリプル周波数成
    分をddとしたとき、上記補正値hdを下式により設定
    することを特徴とするモータ制御装置。 hd=−dd/(G1・G2)
  2. 【請求項2】 請求項1に係るモータ制御装置において
    速度指令値に補正値を加算して速度出力リプル成分を抑
    制する場合の当該速度補正値を測定により求める方法に
    おいて、 任意の第1の速度指令値を入力した状態での速度出力の
    リプル周波数成分ydを求め、 速度指令値として上記第1の速度指令値と上記リプル周
    波数の任意の速度補正値hとを加算したものを入力した
    状態での速度出力のリプル周波数成分yhdを求め、 上記yd、h、yhdから下式により伝達関数(G1・
    G2)を求め、 (G1・G2)=(yhd−yd)/h 上記伝達関数(G1・G2)に基づき求めるべき速度補
    正値を算出するようにしたことを特徴とする補正値測定
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に係るモータ制御装置において
    トルク指令値に補正値を加算してトルク出力リプル成分
    を抑制する場合の当該トルク補正値を測定により求める
    方法において、 任意の第1のトルク指令値を入力した状態でのトルク出
    力のリプル周波数成分yd’を求め、 トルク指令値として上記第1のトルク指令値と上記リプ
    ル周波数の任意のトルク補正値h’とを加算したものを
    入力した状態でのトルク出力のリプル周波数成分yh
    d’を求め、 上記yd’、h’、yhd’から下式により伝達関数
    (G1’・G2’)を求め、 (G1’・G2’)=(yhd’−yd’)/h’ 上記伝達関数(G1’・G2’)に基づき求めるべきト
    ルク補正値を算出するようにしたことを特徴とする補正
    値測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に係るモータ制御装置であって
    速度制御系を有するものにおいてトルク指令値に補正値
    を加算してトルク出力リプル成分を抑制する場合の当該
    トルク補正値を測定により求める方法において、 任意の第1の速度指令値を入力した状態でのトルク出力
    のリプル周波数成分yd’を求め、 速度指令値として上記第1の速度指令値を入力しトルク
    指令値として上記リプル周波数の任意のトルク補正値
    h’を入力した状態でのトルク出力のリプル周波数成分
    yhd’を求め、 上記yd’、h’、yhd’から下式により伝達関数
    (G1’・G2’)を求め、 (G1’・G2’)=(yhd’−yd’)/h’ 上記伝達関数(G1’・G2’)に基づき求めるべきト
    ルク補正値を算出するようにしたことを特徴とする補正
    値測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に係るモータ制御装置であって
    速度制御系を有するものにおいてトルク指令値に補正値
    を加算してトルク出力リプル成分を抑制する場合の当該
    トルク補正値を測定により求める方法において、 トルク指令値入力からモータ発生トルクまでの応答が十
    分速く、かつ速度指令値にリプル周波数成分が含まれて
    いない場合、 任意の第1の速度指令値を入力した状態でのトルク出力
    のリプル周波数成分yd’’を求め、 速度指令値として上記第1の速度指令値を入力しトルク
    指令値として上記リプル周波数の任意のトルク補正値
    h’を入力した状態でのトルク出力のリプル周波数成分
    yhd’’を求め、 上記yd’’、h’、yhd’’から下式により伝達関
    数(G1’・G2’)を求め、 (G1’・G2’)≒(G1’)=(yhd’’−y
    d’’)/h’ 上記伝達関数(G1’・G2’)に基づき求めるべきト
    ルク補正値を算出するようにしたことを特徴とする補正
    値測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、トルク出力のリプル
    周波数成分yd’’およびyhd’’を、それぞれ下式
    により求めるようにしたことを特徴とする補正値測定方
    法。 yd’’=((dy/dt)/Jm)−u’ yhd’’=((dy/dt)/Jm)−(u’+
    h’) 但し、yは速度出力、Jmはモータの慣性モーメント、
    u’は第1の速度指令値を入力したときのトルク指令値
    を示す。
  7. 【請求項7】 モータ回転数の変動範囲をカバーするよ
    うに異なる複数の回転数を設定し、これら複数の設定回
    転数における補正値を測定し、上記設定回転数と異なる
    回転数における補正値は上記測定補正値から補間法によ
    り求めるようにしたことを特徴とする請求項2ないし6
    のいずれかに記載の補正値測定方法。
  8. 【請求項8】 モータ負荷量の変動範囲をカバーするよ
    うに異なる複数の負荷量を設定し、これら複数の設定負
    荷量における補正値を測定し、上記設定負荷量と異なる
    負荷量における補正値は上記測定補正値から補間法によ
    り求めるようにしたことを特徴とする請求項2ないし7
    のいずれかに記載の補正値測定方法。
  9. 【請求項9】 モータが、そのリプル周波数が異なる複
    数のトルクリプルを発生する場合、補正値は各リプル周
    波数毎に測定するようにしたことを特徴とする請求項2
    ないし8のいずれかに記載の補正値測定方法。
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