JPH11191360A - 薄膜冷陰極 - Google Patents

薄膜冷陰極

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JPH11191360A
JPH11191360A JP36630797A JP36630797A JPH11191360A JP H11191360 A JPH11191360 A JP H11191360A JP 36630797 A JP36630797 A JP 36630797A JP 36630797 A JP36630797 A JP 36630797A JP H11191360 A JPH11191360 A JP H11191360A
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JP
Japan
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film
cold cathode
thin
intrinsic semiconductor
thin film
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JP36630797A
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English (en)
Inventor
Junji Ikeda
順司 池田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電界が印加される層として非晶質絶縁体の
代わりに基板と同種の単結晶真性半導体もしくは多結晶
真性半導体を用いることによって、電子加速層での平均
自由行程を向上させ、電子の放射効率を向上させた薄膜
冷陰極を提供する。 【解決手段】 本発明に係る薄膜冷陰極は、固体内で加
速されたホットエレクトロンを利用して、真空中に電子
を放射する薄膜冷陰極であって、n型半導体基板1と、
n型半導体基板1上に形成された真性半導体2と、真性
半導体2上に形成された薄膜電極3と、を具備し、真性
半導体2に印加される電界で電子が加速されることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子顕微鏡や電子
線露光装置などの電子線を用いる装置に使用する冷陰極
に関する。特には、ホットエレクトロンを利用する薄膜
冷陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の薄膜冷陰極を示す断面図
である。この薄膜冷陰極は、Journalof Vacuum Science
and Technology, vol. B11, pp. 429-432 (1993)に掲
載されたものであり、半導体−絶縁体−金属で構成され
ている。
【0003】図4に示すように、Si等のn型半導体か
らなる半導体基板11の表面上にはSiO2 等の絶縁体
12が形成されている。この絶縁体12は、全体的に厚
さが約500nmの絶縁体薄膜から構成されており、局所
的に厚さが約5〜20nmの部分を多数個有する。この厚
さ約5〜20nmの部分が電子放射部5となる。この絶縁
体12の上には厚さが約10〜30nmのアルミニウム等
からなる薄膜電極13が形成されている。また、n型半
導体基板11の裏面上には電極6が形成されている。
【0004】上記薄膜冷陰極において、半導体基板11
と薄膜電極13との間に、薄膜電極13の側を正極性に
して数Vの電圧を印加すると、電子放射部5からホット
エレクトロンと呼ばれる速度エネルギーを持った電子が
放射される。
【0005】図5は、図4に示す薄膜冷陰極に電圧を印
加した時のエネルギーバンドを示す図である。この図に
おいて、11、12、13はそれぞれ図4に示す半導体
基板11、絶縁体12、薄膜電極(金属)13のエネル
ギーバンド状態を示し、15は真空のエネルギーバンド
状態を示し、17は半導体基板のフェルミ準位を示す。
ここで、半導体基板11と薄膜電極13との間に、薄膜
電極13の側を正極性にして電圧Vg を印加すると、印
加電圧は図5に示すように、半導体基板11と絶縁体1
2に分配される。この状態では、半導体基板11の伝導
帯の電子は絶縁体12をトンネル効果で透過する。この
電子は絶縁体12の伝導帯における高電界によって加速
され、薄膜電極13を透過した後、薄膜電極13の仕事
関数を超えるエネルギーを持つ電子が真空中に放射され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ホットエレ
クトロンを利用した上記従来の薄膜冷陰極では、電子が
加速される層が非晶質絶縁体であり、電子が絶縁体の伝
導帯を走行する際に散乱を受けエネルギーを失う。この
ため、散乱による放射電子のエネルギーの広がりと放射
効率の低下が起こり、真空中へ放射される電子電流は薄
膜中を流れる電流に比べて非常に小さいという問題があ
った。
【0007】本発明は上記のような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、高電界が印加される層と
して非晶質絶縁体の代わりに基板と同種の単結晶真性半
導体もしくは多結晶真性半導体を用いることによって、
電子加速層での平均自由行程を向上させ、電子の放射効
率を向上させた薄膜冷陰極を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る薄膜冷陰極は、固体内で加速されたホ
ットエレクトロンを利用して、真空中に電子を放射する
薄膜冷陰極であって;n型半導体基板と、 該n型半導
体基板上に形成された真性半導体膜と、 該真性半導体
膜上に形成された電極と、 を具備し、該真性半導体膜
に印加される電界で電子が加速されることを特徴とする
薄膜冷陰極。
【0009】上記薄膜冷陰極では、電子が高電界により
加速を受ける領域を真性半導体膜により形成しているた
め、その平均自由行程を向上させることができる。した
がって、散乱によるエネルギーの損失を極めて低減する
ことができ、電子の放射効率を向上させることができ
る。
【0010】また、上記真性半導体膜がホモエピタキシ
ャル成長により形成されることが好ましい。また、上記
電極が、金属又は高濃度の不純物が導入された低抵抗半
導体により形成されていることが好ましい。また、上記
n型半導体基板の不純物濃度は1015〜1019cm-3であ
ることが好ましい。また、上記真性半導体膜は、そのキ
ャリア濃度が1012cm-3未満であることが好ましく、そ
の膜厚が10〜100nmであることが好ましい。また、
上記電極が1015cm-3以上の濃度の不純物が導入された
半導体により形成されていることが好ましく、該電極の
厚さが10〜30nmであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の
形態による薄膜冷陰極を示す断面図である。この薄膜冷
陰極は、n型半導体−真性半導体−金属で構成されたト
ンネル陰極である。n型Si半導体基板1の裏面上には
電極6が形成されている。また、n型Si半導体基板1
の表面上には厚さが10〜100nm程度のSi真性半導
体2が形成されている。このSi真性半導体2の上には
厚さが500nm程度の酸化膜からなる素子分離用絶縁体
4が形成されており、この素子分離用絶縁体4は電子放
射部5となる領域が開口されている。この開口部の内面
上及び素子分離用絶縁体4上には厚さが10〜30nmの
アルミニウム等からなる薄膜電極3が形成されている。
つまり、Si真性半導体2上に形成された薄膜電極3が
電子放射部5となり、隣り合う電子放射部5は素子分離
用絶縁体4により分離される。
【0012】図2(a)〜(d)は、図1に示す薄膜冷
陰極の作製プロセスを示す断面図である。先ず、図2
(a)に示すように、不純物濃度が1015〜1019cm-3
程度のn型Si半導体基板1を準備する。このn型Si
半導体基板1の上には例えばホモエピタキシャル成長に
より厚さが10〜100nm程度のSi真性半導体2が堆
積される。このSi真性半導体2のキャリア濃度は10
12cm-3未満である。
【0013】次に、図2(b)に示すように、Si真性
半導体2の上にはスパッタなどにより厚さ500nm程度
のSiO2 などの酸化膜からなる素子分離用絶縁体4が
成膜される。この素子分離用絶縁体4は隣り合う電子放
射部を分離するためのものでる。
【0014】この後、図2(c)に示すように、素子分
離用絶縁体4にはフォトリソグラフィ技術を用いて開口
部4aが形成される。
【0015】次に、図2(d)に示すように、この開口
部4aの内面上及び素子分離用絶縁体4の上には厚さが
10〜30nm程度のアルミにウム等からなる薄膜金属3
が形成される。この後、半導体基板1の裏面上には基板
1に電位を与えるための電極6が成膜される。
【0016】図3は、図1に示す薄膜冷陰極に電圧を印
加した時のエネルギーバンドを示す図である。この図に
おいて、1、2、3はそれぞれ図1に示す半導体基板
1、Si真性半導体2、薄膜電極(金属)3のエネルギ
ーバンド状態を示し、15は真空のエネルギーバンド状
態を示し、7はn型Si半導体基板1のフェルミ準位を
示す。
【0017】図3を用いて電子放射の機構について説明
する。n型Si半導体基板1と薄膜電極3との間に、薄
膜電極3の側を正極性にして電圧Vg を印加すると、n
型Si半導体基板1の伝導帯の電子は、n型Si半導体
基板1と真性Si半導体2との界面の障壁を超えるか、
もしくは量子力学的トンネル効果により真性Si半導体
2の伝導帯に注入される。この電子は真性Si半導体2
の伝導帯における高電界によって加速され、電子放射部
5にある薄膜電極3に到達する。この薄膜電極3は上述
したように極薄く形成されているのでトンネルした電子
は薄膜電極3を透過し、薄膜電極3の表面に到達する。
この表面に到達した電子のうち薄膜電極3の仕事関数を
超えるエネルギーを持つ電子が真空中に放射される。
【0018】上記実施の形態によれば、電子が高電界に
より加速を受ける領域を単結晶半導体であるSi真性半
導体2により形成している。このため、その平均自由行
程は従来の薄膜冷陰極のように非晶質絶縁体を用いた場
合よりはるかに大きくなる。したがって、散乱によるエ
ネルギーの損失を極めて低減することができ、電子が加
速を受ける部分に由来する電子エネルギーの広がりと放
射効率の低下を極力抑えることができる。よって、従来
の薄膜冷陰極によって生じる問題、即ち真空中へ放射さ
れる電子電流は薄膜中を流れる電流に比べて非常に小さ
いという問題が生じることはない。
【0019】尚、上記実施の形態では、真性半導体とし
てエピタキシャル成長による単結晶Siを用いている
が、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって
成膜される多結晶Siを用いることも可能である。多結
晶Siにおいても、非晶質絶縁体と比べれば電子の平均
自由行程ははるかに大きいので、単結晶Siの場合と同
様の効果を得ることができる。
【0020】また、薄膜冷陰極において、アルミニウム
等からなる薄膜電極3を用いているが、高濃度の不純物
が導入された低抵抗半導体からなる薄膜電極を用いるこ
とも可能である。この場合は、その不純物濃度が1015
cm-3以上であることが好ましく、薄膜電極の厚さは10
〜30nmであることが好ましい。
【0021】また、薄膜冷陰極において、基板としてS
i半導体を用いているが、基板として他の半導体又は金
属材料を用いることも可能である。
【0022】また、薄膜冷陰極において、酸化膜からな
る素子分離用絶縁体4を用いているが、他の絶縁材料か
らなる素子分離用絶縁体を用いることも可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
子が高電界により加速を受ける領域を真性半導体膜によ
り形成している。したがって、電子加速層での平均自由
行程を向上させ、電子の放射効率を向上させた薄膜冷陰
極を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による薄膜冷陰極を示す断
面図である。
【図2】図2(a)〜(d)は、図1に示す薄膜冷陰極
の作製プロセスの概要を示す断面図である。
【図3】図1に示す薄膜冷陰極に電圧を印加した時のエ
ネルギーバンドを示す図である。
【図4】従来の薄膜冷陰極を示す断面図である。
【図5】図4に示す薄膜冷陰極に電圧を印加した時のエ
ネルギーバンドを示す図である。
【符号の説明】
1…n型Si半導体基板 2…Si真性半
導体 3…薄膜電極(薄膜金属) 4…素子分離用
絶縁体 4a…開口部 5…電子放射部 6…電極 7…n型Si半導体基板のフェルミ準位 11…n型Si半導体基板 12…絶縁体 13…薄膜電極(金属) 15…真空のエ
ネルギーバンド 17…半導体基板のフェルミ準位

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体内で加速されたホットエレクトロン
    を利用して、真空中に電子を放射する薄膜冷陰極であっ
    て;n型半導体基板と、 該n型半導体基板上に形成された真性半導体膜と、 該真性半導体膜上に形成された電極と、 を具備し、該真性半導体膜に印加される電界で電子が加
    速されることを特徴とする薄膜冷陰極。
  2. 【請求項2】 上記真性半導体膜が単結晶真性半導体か
    らなることを特徴とする請求項1記載の薄膜冷陰極。
  3. 【請求項3】 上記真性半導体膜が多結晶真性半導体か
    らなることを特徴とする請求項1記載の薄膜冷陰極。
  4. 【請求項4】 上記真性半導体膜がホモエピタキシャル
    成長により形成されたことを特徴とする請求項1記載の
    薄膜冷陰極。
  5. 【請求項5】 上記電極が、金属又は高濃度の不純物が
    導入された低抵抗半導体により形成されていることを特
    徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項記載の薄膜
    冷陰極。
  6. 【請求項6】 上記n型半導体基板の不純物濃度は10
    15〜1019cm-3であることを特徴とする請求項1〜5の
    うちのいずれか1項記載の薄膜冷陰極。
  7. 【請求項7】 上記真性半導体膜は、そのキャリア濃度
    が1012cm-3未満であり、その膜厚が10〜100nmで
    あることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1
    項記載の薄膜冷陰極。
  8. 【請求項8】 上記電極が1015cm-3以上の濃度の不純
    物が導入された半導体により形成されており、該電極の
    厚さが10〜30nmであることを特徴とする請求項1〜
    5のうちのいずれか1項記載の薄膜冷陰極。
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Effective date: 20040720