JPH11190595A - 熱交換器の構造 - Google Patents

熱交換器の構造

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JPH11190595A
JPH11190595A JP36675397A JP36675397A JPH11190595A JP H11190595 A JPH11190595 A JP H11190595A JP 36675397 A JP36675397 A JP 36675397A JP 36675397 A JP36675397 A JP 36675397A JP H11190595 A JPH11190595 A JP H11190595A
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JP
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porous metal
heat exchanger
air
heat
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JP36675397A
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Hideo Kawamura
英男 河村
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F13/00Arrangements for modifying heat-transfer, e.g. increasing, decreasing
    • F28F13/003Arrangements for modifying heat-transfer, e.g. increasing, decreasing by using permeable mass, perforated or porous materials
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D7/00Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall
    • F28D7/10Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits being arranged one within the other, e.g. concentrically
    • F28D7/106Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits being arranged one within the other, e.g. concentrically consisting of two coaxial conduits or modules of two coaxial conduits
    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は,ガス通路の多孔質金属部材で構成
して熱伝達面積を大きくして熱交換効率を向上させ,イ
ンタクーラ,ラジエータ,半導体回路の冷却装置に適用
して好ましい熱交換器の構造を提供する。 【解決手段】 この熱交換器の構造は,吸入空気IAを
通す空気通路4を構成するアルミニウムやその合金の高
熱伝導率の金属材料から成る多孔質金属部材1を配置
し,熱伝達面積を大きく形成する。多孔質金属部材1に
は,冷却水が流れるパイプ2を貫通させて配置する。多
孔質金属部材1は,多孔質ウレタンフォームの隙間に充
填して形成された塩中子を用いて,塩中子より低い融点
の金属材料を多孔質構造に構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,アルミニウム等
の高熱伝導率の金属材料から成る多孔質金属部材を通過
するガスと,該多孔質金属部材に対して配置された熱交
換物質との間で熱交換を行なう熱交換器の構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来,ガソリンエンジンやディーゼルエ
ンジンでは,ターボチャージャ等の過給機が設けられて
いる。エンジンに過給機を設け,過給機で空気を圧縮す
ると,空気は断熱圧縮によって温度が上昇する。エンジ
ンにおいて,吸入空気が上昇すると,空気充填効率が低
下すると共に混合気温度が上昇してノッキングが発生し
易くなる。これらの現象を防止するため,エンジンには
吸入空気を冷却するインタクーラが設けられている。イ
ンタクーラには,空冷式と水冷式がある。水冷式インタ
クーラは,本体に走行風を当てる必要がないため,その
搭載位置の制約が少ないが,ラジェータやポンプを必要
とする。
【0003】また,エンジンには,エンジンで熱せられ
た冷却水を冷却するため,放熱器即ちラジエータが設け
られている。ラジエータは,加圧や振動に対して強度を
有する小型で且つ冷却性能が良好なものが望まれてい
る。従来のラジエータは,冷却水がラジエータコアを流
れるとき,車両の速度や冷却ファンによって流入する外
気で冷却されるように構成されている。ラジエータコア
は,冷却水が流れるチューブと冷却用フィンから構成さ
れているが,冷却用フィン自体の伝達面積を大きくする
ためには自ずから大型にならざるを得ない。
【0004】また,従来,半導体回路において,大電流
を制御してサインカーブ等にする高出力インバータで
は,大抵の場合,大型サイリスタ又はパワートランジス
タが用いられている。このような半導体回路では,サイ
リスタやトランジスタ等での熱損失が大きく,作動中に
発熱によってサイリスタやトランジスタ等の電子部品の
機能が劣化することが度々発生する。そこで,半導体回
路での作動中の発熱を阻止するため,半導体回路を冷却
する種々の冷却装置が知られている。インバータは,直
流を交流に変換したり,電圧と周波数を変換させて速度
等を調節するものであり,例えば,周波数を10〜60
0サイクルの範囲で変換でき,インバータで周波数を変
換して発電機や回転軸の回転数を変換できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,エンジ
ンへの吸入空気を冷却するためのインタクーラやラジエ
ータとして,冷却するべき吸入空気がガス体であるの
で,ガス体を冷却する熱交換効率を大きく構成するに
は,インタクーラやラジエータを如何なる構造に構成す
れば小型で且つ熱交換効率を良好にできるかの課題があ
った。
【0006】また,基板の取り付けられた半導体回路
は,インバータの作動によって周波数を切り換えると
き,パワートタンジスタでは熱が発生し,その熱が半導
体の特性を劣化させるので,半導体回路には冷却装置が
設けられている。従来の冷却装置は,半導体回路を冷却
するため,大きなファンを持った極めて冷却効率の悪い
フィン型構造であり,大型構造のものである。半導体回
路から成る制御装置等の小型の機器では,アルミニウム
製の大型の冷却フィンを用いることができず,該冷却フ
ィンを用いた場合には制御機器を小型に構成できない。
そこで,半導体回路の冷却装置について,冷却性能が良
く,コンパクトな構造の冷却装置が望まれているのが現
状である。
【0007】ところで,金属材料の中でも,アルミニウ
ムやアルミニウム合金は,熱伝導率が大きいことが知ら
れている。これらの高熱伝導率の材料を用いて,多孔質
金属部材を作製することはできる。熱伝導率について,
アルミニウムは220W/m・Kであり,Si3 4
20W/m・Kであり,SiCは90W/m・Kであ
り,アルミニウムはSi3 4 やSiCと比較して熱伝
導率は大きいものである。そこで,アルミニウムの高い
熱伝導率を活かしてラジェータやインタクーラを作製す
ることが考えられる。
【0008】物質に対する熱伝導系について検討する
と,空気等の気体では,熱伝導率が小さいので,その伝
達面積を大きく構成すれば,熱は均一に良好に伝導され
る。本発明者は,多孔質セラミック部材を用いた熱交換
器を開発し,特願平9−118657号として先に出願
した。該出願の明細書にも説明されているように,物質
間で熱が伝達するプロセスでは,熱伝達量Qは次式で表
される。
【0009】Q=K・AS (TG −TS )・t 但し,K:熱通過率,AS :熱伝達経路平均面積,
G :高温ガス温度,TS:低温媒体温度,t:熱伝達
期間である。また,熱通過率Kは,次式で表される。 K=1/(X1 +X2 +X3 ) 但し,X1 =(1/αg )×(AS /Ag ) X2 =(δ1 /λ1 )×(AS /A1 ) X3 =(1/αc )×(AS /Ac ) 更に,αg :気体熱伝達率,λ1 :固体熱伝導率,
αc :液体熱伝達率,Ag,A1 ,Ac :熱移動部材の
接触面積,δ1 :壁体の壁厚である。
【0010】上記式で示されるように,熱通過率Kは,
αg の値が小さ過ぎるので,その逆数は大きくなり,全
体の熱伝導量が小さくなる。そこで,熱通過率Kの値に
影響する値を,小さくするためにはAg 及びAc の値を
大きくし,熱通過率Kへの寄与率を小さくする必要があ
る。即ち,アルミニウムを多孔質材に構成して熱伝達面
積を大きくし,受熱部分に連続的につながるように構成
すると,αg とAg とが相殺してX1 を大きくすること
ができ,その結果,熱放散が極めて大きくなることにな
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
のことを考慮し,空気等のガスと液体や固体の熱交換物
質との間での熱交換を行なうに当たって,ガスが通過す
る通路をアルミニウムやアルミニウム合金等の高熱伝導
材から多孔質材に作製し,ガス通路のガスの接触面積を
大きくし,熱通過率を大きくして熱交換効率を向上さ
せ,インタクーラ,ラジエータ或いは半導体回路が取り
付けられたトランジスタ基板の冷却装置に適用できる熱
交換器の構造を提供することである。
【0012】この発明は,気体を通すガス通路を構成す
る高熱伝導率の金属材料から成る多孔質金属部材,前記
多孔質金属部材を覆う前記多孔質金属部材と同一の金属
材料から成る隔壁部材,及び前記多孔質金属部材に接し
て配置され且つ前記多孔質金属部材を通過する前記気体
と熱交換される熱交換物質,から成る熱交換器の構造に
関する。
【0013】前記多孔質金属部材は,アルミニウム又は
アルミニウム合金から成り,多孔質ウレタンフォームの
隙間に充填して形成された塩中子を用いて多孔質構造に
形成されたものである。アルミニウムを熱伝導体にする
には,粒子を融着させた構造では不十分であり,アルミ
ニウム自体が連続していることが要件であるので,塩中
子を用いて,多孔質構造がオープンポアを形成すると共
に,金属自体を連続させて熱遮断面を作らない構造に構
成する。即ち,塩中子の融点は700℃であり,また,
アルミニウムの融点は600℃であり,アルミニウムの
融点が塩中子の融点より低いので,アルミニウムやアル
ミニウム合金に対して塩中子を用いれば,アルミニウム
製多孔質部材を作製することができる。従来のディーゼ
ルエンジン等で使用されている熱交換器は,大半が金属
材で作製されたフィン付きの熱交換器であるので,その
熱伝達面積は4倍程度であるが,フィンで4倍程度まで
大きくすれば,熱交換器自体が大型になり過ぎる。この
発明の熱交換器の構造は,多孔質構造に構成されている
ので,その熱伝達面積を6倍〜20倍程度にまで大きく
構成することができる。
【0014】前記熱交換物質は,前記多孔質金属部材を
貫通して配置され且つ液体通路を構成するパイプから成
り,前記多孔質金属部材のガス接触面積と前記パイプの
液体通路面積との単位面積当たりの比が20:1〜1
0:1に設定されている。
【0015】この熱交換器の構造において,前記熱交換
物質を構成する前記パイプを流れる液体は冷却水又は潤
滑油であり,前記多孔質金属部材の前記ガス通路を通過
する気体はエンジンへ吸入される吸入空気であり,前記
吸入空気が前記液体で冷却されるものである。この熱交
換器の構成は,前記多孔質金属部材と前記パイプとは吸
気マニホルドの上流に配置されたインタクーラに適用さ
れる。
【0016】或いは,この熱交換器の構造は,前記多孔
質金属部材に冷却空気を流して前記パイプにエンジンを
冷却する冷却水を流して前記冷却水を空冷するラジエー
タに適用される。
【0017】或いは,この熱交換器の構造は,前記熱交
換物質を半導体回路が取り付けら絶縁板から成るトラン
ジスタ基板に固定された高熱伝導率の金属材料から成る
金属本体で構成し,前記多孔質金属部材の前記ガス通路
に空気を流して空気流によって前記トランジスタ基板を
空冷できる半導体回路の冷却装置に適用されるものであ
る。また,前記冷却装置は,前記多孔質金属部材の前記
ガス通路の上流側には流入する空気を清浄にするダスト
フィルタが配置され,前記ガス通路の下流側には誘引フ
ァンが配置されている。更に,この熱交換器の構造は,
前記トランジスタ基板の前記多孔質金属部材への単位接
触面積当たり,気体が接触する前記多孔質金属部材の伝
熱面積を6倍以上に設定したことから成るものである。
【0018】この熱交換器の構造は,上記のように,ガ
スが通過する通路を多孔質金属部材で構成し,多孔質構
造自体はオープンポアを有するのでガスが通過するガス
通路を形成できると共に,しかも多孔質構造自体は金属
が連続しているので熱伝導体として利用でき,従って,
ガスとの接触面積即ち伝達面積を大きく構成できるの
で,熱通過率が大きくなり,熱交換効率をアップさせる
ことができる。即ち,この熱交換器をエンジンの吸気通
路の上流側に配設すれば,インタクーラやラジエータと
して機能させることができ,吸入空気を多孔質金属部材
に流し,その多孔質金属部材を貫通するパイプに冷却水
を流せば,吸入空気は冷却水によって高効率に冷却され
る。また,トランジスタ基板に対して多孔質金属部材を
配設し,多孔質金属部材に冷却風(空気流)を流せば,
トランジスタ基板は冷却風によって高効率に冷却され
る。
【0019】この熱交換器の構造をインタクーラに適用
した場合に,ターボチャージャ等の過給機で加圧された
吸入空気は,アルミニウム製多孔質金属部材に接触して
熱を放散し,吸入空気の熱は多孔質金属部材からパイプ
を流れる冷却水に伝熱される。この場合を熱通過率Kの
上記式に当てはめると,次のとおりである。水の熱伝達
率αc が1200/K,吸入空気IAの熱伝達率αg
58/K,アルミニウ製多孔質部材の熱伝導率λ1 が2
20W/m・K,その壁厚δ1 が0.005mであるの
で,X1 は吸入空気,X2 はアルミ製多孔質金属部材,
3は冷却水に係わる要件である。 X1 =(1/58)(AS /Ag )=1.7×10-2×
(AS /Ag ) X2 =(0.005 /220)(AS /A1 )=2.27×
10-5(AS /A1 ) X3 =(1/1200)(AS /Ac )=0.83×1
-3(AS /Ac ) ここで,X1 とX3 とを同一値にすると次のとおりであ
る。 0.83×10-3(AS /Ac )=1.7×10-2(A
S /Ag ) (Ag /Ac )=20.5 従って,吸入空気側の熱伝達面積を冷却水側の熱伝達面
積よりも20倍程度に大きくする必要がある。
【0020】ところで,熱交換器の構造を,従来の熱交
換器のように,吸入空気が通る空気通路にフィンを設け
たタイプに形成するとすれば,3mmのフィンを2mm
間隔で設置して上記のように熱伝達面積を20倍にする
と,冷却水側の熱伝達面の基板の幅の1/2の高さに設
定しなければならず,極めて大型の熱交換器になってし
ます。しかしながら,この発明の熱交換器の構造では,
気体の通過する通路を多孔質構造の金属部材で構成して
いるので,熱伝達面積を20倍にする構造を簡単に確保
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による熱交換器の構造の実施例を説明する。まず,図
1,図2及び図3を参照して,この発明による熱交換器
の構造の一実施例を説明する。図1はこの発明による熱
交換器の構造の一実施例を示す断面図,図2は図1の熱
交換器の構造の線A−A断面を示す断面図,及び図3は
図1の熱交換器の構造を吸気マニホルドに適用した状態
を示す説明図である。
【0022】この発明による熱交換器の構造は,例え
ば,インタクーラとして吸気マニホルド10に適用でき
る。吸気マニホルド10は,ターボチャージャ等の過給
機に接続されている吸気管に連通する吸気管12と吸気
管12に一体構造の分岐管11から構成されている。吸
気マニホルド10は,吸気管12からそれぞれ分岐する
分岐管11を通じて各気筒へ吸入空気を送り込むように
構成されている。従って,熱交換器を吸気マニホルド1
0に適用する場合には,吸気マニホルド10に連通する
上流側の吸気管12に組み込んで適用できる。
【0023】この熱交換器の構造は,吸気管12に配置
され,吸入空気を通す空気通路4を構成する高熱伝導率
の金属材料から成る多孔質金属部材1,多孔質金属部材
1を覆う多孔質金属部材1と同一の金属材料から成る隔
壁部材のパイプ3,パイプ3の両端にそれぞれ接続され
たパイプ5,6,及び多孔質金属部材1に接して配置さ
れ且つ多孔質金属部材1を通過する吸入空気と熱交換さ
れる熱交換物質から構成されている。熱交換物質は,多
孔質金属部材1を貫通して配置され且つ冷却水が流れる
液体通路9を構成するパイプ2から成り,パイプ2の両
端には,入口側パイプ7と出口側パイプ8がシール部材
13を介して連結されている。この熱交換器では,熱交
換物質を構成するパイプ2を流れる液体は冷却水W(場
合によっては潤滑油を利用する)であり,多孔質金属部
材1のガス通路を通過する気体はエンジンへ吸入される
吸入空気IAであり,吸入空気IAが冷却水Wで冷却さ
れるものである。
【0024】この熱交換器の構造は,多孔質金属部材1
の空気接触面積とパイプ2の液体通路9の面積との単位
面積当たりの比が20:1〜10:1に設定されること
が好ましい。即ち,この熱交換器の構造をインタクーラ
に適用した場合に,ターボチャージャ等の過給機で加圧
された吸入空気IAは,アルミニウム製多孔質金属部材
1に接触して熱を放散し,吸入空気IAの熱は多孔質金
属部材1からパイプ2を流れる冷却水Wに伝熱される。
この場合を熱通過率Kの上記式に当てはめると,吸入空
気IA側の熱伝達面積を冷却水W側の熱伝達面積よりも
20倍以上に大きくする必要があることが分かるが,こ
の条件は,吸入空気IAが通過する空気通路4をアルミ
製多孔質金属部材1で作製することによって達成でき
る。
【0025】この実施例では,多孔質金属部材1は,ア
ルミニウム又はアルミニウム合金から構成されている。
多孔質ウレタンフォームの隙間に充填して形成された塩
中子にアルミニウム溶湯を流し込めば,ウレタンフォー
ムは加熱焼却され,塩中子によってアルミニウムの多孔
質構造が作製される。
【0026】また,この熱交換器の構造をラジエータに
適用する場合には,従来のラジエータコアのチューブの
代わりにパイプ2を用い,また,ラジエータコアの冷却
用フィンの代わりに多孔質金属部材1を用いればよい。
従って,従来のラジエータのラジエータコアを多孔質金
属部材1とパイプ2とで大幅に小型に構成できると共に
熱交換効率を向上させることができる。
【0027】次に,図4,図5及び図6を参照して,こ
の発明による熱交換器の構造の実施例を説明する。図4
はこの発明による熱交換器の構造を組み込んだ半導体回
路の冷却装置の一実施例を示す概略断面図,図5の半導
体回路の冷却装置の側面図,及び図6は図4の半導体回
路の冷却装置についてトランジスタ基板と多孔質金属部
材との空気抵抗と倍数面積との関係を示すグラフであ
る。
【0028】この発明による熱交換器の構造は,半導体
回路の冷却装置20に適用されたものであり,セラミッ
クス等の絶縁板から成るトランジスタ基板25に固定さ
れたパワートランジスタ30は,大電力,大電流用に設
計されたものであり,制御機器に適用されているが,頻
繁な切り換え作動等によって熱を発生する。そこで,半
導体回路の冷却装置20は,熱伝導率が大きいアルミニ
ウム又はアルミニウム合金から成る多孔質金属部材21
に形成し,多孔質金属部材21に冷却空気を通すことに
よって多孔質金属部材21自体から熱を奪うという特性
を利用するものであり,多孔質金属部材21によって冷
却装置自体をコンパクトに構成し,多孔質金属部材21
に固定されたトランジスタ基板25を固定したアルミニ
ウム製本体22を多孔質金属部材21を通過する空気流
によって空冷し,トランジスタ基板25に固定されたパ
ワートランジスタ30,サイリスタ31,プリント回路
の回路素子29等の電子部品を冷却し,熱影響による各
種の電子部品の劣化を防止するものである。
【0029】半導体回路の冷却装置20は,主として,
作動によって発熱するような電子部品を取り付けたセラ
ミックス等の絶縁材から成るトランジスタ基板25に固
着された高熱伝導率のアルミニウム製本体22,アルミ
ニウム製本体22を介してトランジスタ基板25に取り
付けられた多孔質金属部材21,多孔質金属部材21を
覆うケーシング23,多孔質金属部材21内に冷却のた
め空気流を形成するファン27,及びファン27を駆動
する小型モータ28から構成されている。
【0030】この実施例では,多孔質金属部材21の空
気通路24の上流側には流入する空気を清浄にするダス
トフィルタ26が配置され,空気通路24の下流側には
モータ28で駆動されるファン27が配置されている。
特に,多孔質金属部材21へのトランジスタ基板25の
単位接触面積当たり,空気が接触する多孔質金属部材2
1の多孔質の伝熱面積を6倍以上に設定したものであ
る。図6に示すように,この実施例では,空気流れに対
して所定の空気抵抗(mmHg)を確保し,所望の伝熱
面積を確保できるように構成するには,面積倍数で6倍
以上であればよいことが分かる。多孔質金属部材21の
多孔質構造は,ポアの目が細かくなればなる程,空気が
接触する表面積は大きくなり,熱交換効率が良好にな
る。しかしながら,多孔質金属部材21の多孔質構造の
オープンポアに空気を通さなければならない。従って,
多孔質金属部材21として,目が細かく,空気が通り易
い多孔質構造が好ましいものである。
【0031】半導体回路の冷却装置20において,基板
25の一方の面の取付面32に電子部品を取り付け,取
付面32とは反対側の背面33にアルミニウム製本体2
5が密着して固着されている。多孔質金属部材21は,
熱伝導率が大きいアルミニウム又はアルミニウム合金か
ら構成され,多孔質構造体のオープンポアを備えた壁体
間で形成された空気通路24が形成されている。ケーシ
ング23は,多孔質金属部材21に流す空気の入口34
と出口35を残して多孔質金属部材21を覆うように構
成されている。多孔質金属部材21の入口34には,空
気清浄器のダストフィルタ26が設けられ,また,多孔
質金属部材21の出口35には,吸引ファンから構成さ
れているファン27が設けられている。ファン27は,
多孔質金属部材21内に入口34から出口35に向かっ
て冷却のため空気流を形成するように,小型モータ28
で駆動される。また,小型モータ28は,電子部品の作
動状態に応じて,ファン27の速度調節ができるように
作動される。
【0032】この半導体回路の冷却装置20は,上記の
ように構成されているので,トランジスタ等の電子部品
の作動状態に応じて電子部品は発熱を起こすが,その熱
はトランジスタ基板25からアルミニウム製本体22を
通じて多孔質金属部材21に伝達される。そこで,小型
モータ28が駆動されてファン27が回転すると,外部
の空気が入口34から多孔質金属部材21を通じて吸引
され,外部の空気は冷却空気となってダストフィルタ2
6を通って多孔質金属部材21に流入し,多孔質金属部
材21に伝達された熱を奪って出口35から流出し,多
孔質金属部材21を放熱する。多孔質金属部材21自体
は,空気の接触面積が極めて大きいので,多孔質金属部
材21からの放熱は盛んに行なわれるので,多孔質金属
部材21を通る空気の風量を余り大きくする必要がな
く,従って,モータ28自体を小型に形成することがで
き,冷却装置自体をシンプルな省スペースの構造に構成
することができる。
【0033】
【発明の効果】この発明による熱交換器の構造は,上記
のように構成されているので,気体が流れるガス通路の
伝熱面積を大幅に大きく構成することができ,熱交換効
率をアップできると共に,従来のフィン付き熱交換器に
比較して,伝熱面積を大きく構成できる分だけ熱交換器
自体をコンパクトに構成できる。例えば,この熱交換器
の構造を,ターボチャージャ等の過給機を備えたエンジ
ンの吸入空気を冷却するインタクーラや,外気で冷却水
を冷却するラジエータに適用すると,熱交換効率の優れ
且つ装置自体をコンパクトに小型に構成することができ
る。
【0034】或いは,この熱交換器の構造を,パワート
ランジスタを組み込んだ半導体回路を冷却する冷却装置
に適用すると,装置自体をコンパクトに構成することが
でき,冷却風を発生させるファンやそれを駆動するモー
タ自体を小型に構成でき極めて有効であり,例えば,半
導体回路の冷却装置をコージェネレーションシステムに
組み込まれる発電機の制御装置や,モータを使用するハ
イブリット自動車等の制御装置に適用して極めて有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による熱交換器の構造の一実施例を示
す断面図である。
【図2】図1の熱交換器の構造の線A−A断面を示す断
面図である。
【図3】図1の熱交換器の構造を吸気マニホルドに適用
した状態を示す説明図である。
【図4】この発明による熱交換器の構造を組み込んだ半
導体回路の冷却装置の一実施例を示す概略断面図であ
る。
【図5】図4の半導体回路の冷却装置の側面図である。
【図6】図4の半導体回路の冷却装置についてトランジ
スタ基板と多孔質金属部材との空気抵抗と面積との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1,21 多孔質金属部材 2 パイプ 3 吸気管 4 空気通路 5,6 吸気管 7,8 液体パイプ 9 液体通路 10 吸気マニホルド 11 分岐管 12 吸気管 13 シール部材 20 半導体回路の冷却装置 22 アルミニウム製本体 23 ハウジング 24 空気通路 25 トランジスタ基板 26 ダストフィルタ 27 ファン 28 モータ 29 回路素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02B 77/00 F02B 77/00 P F28F 1/10 F28F 1/10 A 21/08 21/08 A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体を通すガス通路を構成する高熱伝導
    の金属材料から成る多孔質金属部材,前記多孔質金属部
    材を覆う前記多孔質金属部材と同一の金属材料から成る
    隔壁部材,及び前記多孔質金属部材に接して配置され且
    つ前記多孔質金属部材を通過する前記気体と熱交換され
    る熱交換物質,から成る熱交換器の構造。
  2. 【請求項2】 前記多孔質金属部材は,アルミニウム又
    はアルミニウム合金から成り,多孔質ウレタンフォーム
    の隙間に充填して形成された塩中子を用いて多孔質構造
    に形成されたことから成る請求項1に記載の熱交換器の
    構造。
  3. 【請求項3】 前記熱交換物質は,前記多孔質金属部材
    を貫通して配置され且つ液体通路を構成するパイプ及び
    該パイプ内を流れる液体から成り,前記多孔質金属部材
    のガス接触面積と前記パイプの液体通路面積との単位面
    積当たりの比が20:1〜10:1に設定されている請
    求項1に記載の熱交換器の構造。
  4. 【請求項4】 前記熱交換物質を構成する前記パイプを
    流れる液体は冷却水又は潤滑油であり,前記多孔質金属
    部材の前記ガス通路を通過する気体はエンジンへ吸入さ
    れる吸入空気であり,前記吸入空気が前記液体で冷却さ
    れることから成る請求項3に記載の熱交換器の構造。
  5. 【請求項5】 前記多孔質金属部材と前記パイプとは吸
    気マニホルドの上流に配置されたインタクーラに適用さ
    れることから成る請求項4に記載の熱交換器の構造。
  6. 【請求項6】 前記多孔質金属部材に冷却空気を流して
    前記パイプにエンジンを冷却する冷却水を流して前記冷
    却水を空冷するラジエータに適用されることから成る請
    求項3に記載の熱交換器の構造。
  7. 【請求項7】 前記熱交換物質を半導体回路が取り付け
    ら絶縁板から成るトランジスタ基板に固定された高熱伝
    導の金属材料から成る金属本体で構成し,前記多孔質金
    属部材の前記ガス通路に空気を流して空気流によって前
    記トランジスタ基板を空冷する半導体回路の冷却装置に
    適用されることから成る請求項1に記載の熱交換器の構
    造。
  8. 【請求項8】 前記多孔質金属部材の前記ガス通路の上
    流側には流入する空気を浄化するダストフィルタが配置
    され,前記ガス通路の下流側にはモータで駆動されるフ
    ァンが配置されていることから成る請求項7に記載の熱
    交換器の構造。
  9. 【請求項9】 前記トランジスタ基板の前記多孔質金属
    部材への単位接触面積当たり,気体が接触する前記多孔
    質金属部材の伝熱面積を6倍以上に設定したことから成
    る請求項7に記載の熱交換器の構造。
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