JPH111895A - 衛生用品 - Google Patents

衛生用品

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Publication number
JPH111895A
JPH111895A JP10101397A JP10139798A JPH111895A JP H111895 A JPH111895 A JP H111895A JP 10101397 A JP10101397 A JP 10101397A JP 10139798 A JP10139798 A JP 10139798A JP H111895 A JPH111895 A JP H111895A
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JP
Japan
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antibacterial
water
antibacterial agent
cmc
silver
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Pending
Application number
JP10101397A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Minami
裕幸 南
Kyoko Akimoto
恭子 秋本
Kimiko Okahara
希好子 岡原
Shoji Yoshimura
昌治 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rengo Co Ltd
Original Assignee
Rengo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量で有効な抗菌性を発揮する抗菌剤を用い
ることにより、アンモニアの発生を抑制すると共に、焼
却や破棄の容易な衛生用品を提供することである。 【解決手段】 少なくとも一部が抗菌性金属イオンと置
換されている水不溶性のカルボキシメチルセルロースか
らなる抗菌剤を含有する物品を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抗菌性を有する
衛生用品に関し、詳しくは、抗菌剤を含有する物品をそ
の構成要素に含む衛生用品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、乳児や老人等の布のおむつに代わ
り、使い捨ての紙おむつが普及してきており、また、衛
生に対する社会的な要求が高まってきていることが相ま
って、水透過性不織布、水不透過性シート、及びこれら
の間に吸水層を構成させてなる使い捨て衛生用品が利用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな衛生用品等は、これに付着した体液、血液、排泄
物、老廃物等に含まれる雑菌が繁殖して悪臭を生じさせ
る。この悪臭は、衛生用品を使用している期間だけでな
く、廃棄するまでの期間が問題となるため、根本的な防
臭対策が必要となる。
【0004】また、上記の衛生用品等を着用している
と、着用者のかぶれがおこりやすい。これは、尿等に含
まれる尿素が、尿素分解酵素を産生する菌類によってア
ンモニアに分解され、これにより皮膚が刺激されたり、
尿のpHを高くすることがかぶれの原因の一つとなって
いる。
【0005】このような問題を解決するため、特開昭6
1−179155号公報には、尿素分解酵素破壊剤とア
ンモニア捕捉剤とからなるおむつ用悪臭防止剤が開示さ
れている。しかし、これは、根本原因であるアンモニア
の発生自体を抑制するものではない。
【0006】また、特公平4−17058号公報には、
アンモニアを吸収する機能に加えて、抗菌剤を添加する
ことにより尿素の分解を抑制することが開示されてい
る。しかし、ここで用いられている抗菌剤はその抗菌性
に劣るため、多量の抗菌剤の添加が必要となる。
【0007】さらに、特開平5−212094号公報に
は、抗菌剤としてスルホン基を導入したポリスチレン樹
脂からなる強カチオン交換樹脂に銀を担持させたものを
使用したものが記載されている。しかし、この抗菌剤
は、銀を担持する基体が疎水性であるために、菌体との
親和性が低く、抗菌性に劣るものであり、また廃棄後も
そのまま残存するため、焼却等の廃棄処理に問題を有す
る。
【0008】そこで、この発明の課題は、上記問題点を
解決し、少量で有効な抗菌性を発揮する抗菌剤を用いる
ことによりアンモニアの発生を抑制すると共に、焼却や
破棄の容易な衛生用品を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、少なくとも一部が抗菌性金属イオンと
置換されている水不溶性のカルボキシメチルセルロース
からなる抗菌剤を含有する物品を含む構成としたのであ
る。
【0010】さらに、上記抗菌性金属イオンを銀イオン
とすることができる。また、上記物品に対する上記銀イ
オンの量を、0.01〜10mg/m2 とすることがで
きる。さらにまた、上記抗菌剤を含有する物品をシート
状物とすることができる。また、上記抗菌剤が繊維状の
抗菌剤とすることができる。
【0011】少なくとも一部が抗菌性金属イオンと置換
されている水不溶性のカルボキシメチルセルロースから
なる抗菌剤を用いるので、少量で安全かつ強力に抗菌性
を発揮させることができる。そのうち、銀の場合には最
も少量で抗菌性を発揮することができる。この抗菌作用
によりアンモニアの発生を抑止する抗菌性能を有する衛
生用品を提供することが可能となる。
【0012】また、抗菌性金属を担持するものとしてカ
ルボキシメチルセルロースを使用するので、廃棄しても
自然に分解し、また、焼却しても高温とならないため、
焼却炉を傷めることがなく、焼却等の廃棄が容易とな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。
【0014】この発明にかかる衛生用品は、少なくとも
一部が抗菌性金属イオンと置換されている水不溶性のカ
ルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」と略す
る。)からなる抗菌剤を含有する物品を含んでなる。
【0015】上記のCMCは、セルロースの水酸基のH
の一部をカルボキシメチル基で置換したものである。こ
の発明で使用されるCMCとしては、セルロースの無水
グルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度
(以下、「DS」と略する。)が0.4〜1.0のもの
が使用される。このCMCは、水不溶性であれば、非架
橋型であっても架橋型であってもよく、また、粉末状、
粒子状、繊維状のいずれの形態でもよい。
【0016】また、上記のCMCは、少なくとも一部が
抗菌性金属イオンと置換されて、CMCの抗菌性金属塩
(以下、「CMC(Metal)」と略する。)を形成
し、抗菌剤を構成する。上記抗菌性金属としては、抗菌
性を有すれば特に限定されず、例えば、銀、銅、亜鉛等
があげられる。例えば、抗菌性金属イオンが銀イオンの
場合、CMCは、CMCの銀塩(以下、「CMC(A
g)」と略する。)を形成する。この場合、CMC(A
g)中の銀含有率は、0.01〜1.0重量%である。
【0017】上記CMC(Metal)のうちCMC
(Ag)では、そのDSが0.4未満の場合は、CMC
に結合している銀イオンに対する余剰のカルボキシル基
が少なくなって、銀イオンが遊離し易くなって好ましく
ない。また、DSが1.0を越えると、CMCが親水性
から疎水性に移行して抗菌性を十分に発揮できなくなる
傾向があると考えられると共に、製造工程が煩雑となる
ため、経済性及び実用性が低くなる。
【0018】上記CMC(Metal)のうちCMC
(Ag)では、銀含有率が0.01重量%未満のとき
は、DS値にかかわらず、減菌率40%を越える抗菌性
が得られにくい。また、1.0重量%を越えるときは、
銀イオンが遊離しやすくなって抗菌性が持続しないた
め、抗菌剤としての経済性及び安全性の面から好ましく
ない。
【0019】酸型のCMCを抗菌性金属塩にする場合、
水素イオンと抗菌性金属イオンとの交換反応が遅い。こ
のため、酸型のCMCの少なくとも一部の水素イオンを
ナトリウム塩等にしたものを用いると、抗菌性金属イオ
ンとの交換反応が早くなり、短時間で効率よくCMC
(Metal)を得ることができる。
【0020】上記CMC(Metal)のカルボキシメ
チル基の塩形式は、抗菌性金属塩以外にナトリウム塩や
酸型であってもよい。酸型の場合は、そのカルボキシル
基がアンモニア、アミン等の塩基性悪臭物質と中和反応
をおこすため、脱臭能力を付与することができる。この
ため、抗菌性金属塩と酸型を含有するCMCを使用する
と、抗菌作用と消臭作用とを同時に発揮することができ
る。
【0021】上記CMC(Metal)からなる抗菌剤
は、紙やその原料であるパルプ等、天然繊維等の繊維に
対する親和性に優れ、骨格が柔軟であり、また、不溶性
ではあるものの親水性であることから、菌体との接触、
親和性に富み、比較的少量の抗菌性金属イオンで効率よ
く抗菌効果を発揮し得る。
【0022】本発明で使用される物品は、衛生用品を構
成するものであれば、特に限定されるものではなく、シ
ート状物であっても、マット状物であってもよい。
【0023】上記シート状物としては、織物、編み物、
紙、不織布、フィルム等をあげることができる。織物、
編み物、紙、不織布等を構成する繊維としては、特に限
定されるものではないが、上記CMC(Metal)か
らなる抗菌剤との親和性を発揮するため、綿、絹、パル
プ、セルロース等の天然繊維を用いることが好ましい。
【0024】上記織物は、上記繊維を平織、斜文織、朱
子織等の通常の方法で織ったものを用いることができ、
上記編み物は、よこ編、丸編、たて編等の通常の方法で
編んだものを用いることができる。また、不織布は、湿
式法や、接着剤法、接着性繊維の熱圧着法、ホットメル
ト融着法等の乾式法及び乾式パルプ法によって製造した
ものを使用することができる。さらに、紙は、通常の抄
紙によって製造されたものを使用することができる。
【0025】上記の織物、編み物、不織布に上記の天然
繊維を用いる場合、必要に応じて、本発明の効果を阻害
しない範囲で、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維、
及びこれらの複合繊維を混合することができる。
【0026】これらの中でも、CMC(Metal)と
の親和性に特に優れている、パルプやセルロース繊維に
よる紙や不織布をシート状物として使用すると、CMC
(Metal)の脱落を防止することができる点でより
好ましい。
【0027】上記マット状物は、各種繊維を絡み合わせ
て、マット状の立体形状としたものである。用いられる
繊維としては、綿、絹、パルプ、セルロース等の天然繊
維をあげることができ、必要に応じて、本発明の効果を
阻害しない範囲で、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊
維、及びこれらの複合繊維を混合して絡み合わせること
ができる。
【0028】このマット状物の例としては、細い繊維の
パルプを絡み合わせた綿状パルプ等をあげることができ
る。
【0029】上記物品に上記抗菌剤を添加する方法とし
ては、上記抗菌剤をパルプやセルロース繊維、合成繊維
などの各種の繊維に抄紙時に添加して薄葉紙とする方
法、抄紙後に接着剤により接合させて湿式不織布とする
方法、上記抗菌剤をパルプやセルロース繊維及び合成繊
維などの各種の繊維に混和してウェブを形成させ融着或
いは接着剤により接合させて不織布とする乾式法及び乾
式パルプ法、抗菌剤を含有しないシート状物に上記抗菌
剤を噴霧したり、コーティングする方法、上記マット状
物の構成繊維を絡み合わせる際に上記抗菌剤を添加する
方法等があげられる。
【0030】上記の抄紙法や、湿式不織布法を用いる場
合、上記抗菌剤を繊維状とすると、抄紙時に添加するこ
とにより、容易に抄き込むことができ、紙や不織布等の
シート状物の構成繊維の一部となり得る。
【0031】また、上記のマット状物の構成繊維に抗菌
剤を添加して絡み合わせる場合は、上記抗菌剤を粉末状
又は粒子状とすると、抗菌剤の添加量を調節しやすいた
め好ましい。
【0032】上記物品としてパルプやセルロースを用
い、抗菌剤として繊維状CMC(Metal)を用いた
場合は、上記のように抄紙時に繊維状CMC(Meta
l)を抄き込むことができ、両繊維ともセルロースが主
構成繊維であることから、親和性が特に良くなり、抗菌
剤の上記物品からの脱落を防止することができる。
【0033】また、この場合は、抗菌剤の添加量も容易
に調節することができる。さらに、得られる紙や不織布
の厚みも容易に調節することができ、柔軟性を有する薄
葉紙等の薄い紙であっても、容易に抗菌剤を添加するこ
とができる。また、得られる紙や不織布は、吸水性の高
いセルロース及びセルロース系のCMC(Metal)
から構成されているので、全体として吸収性の高いもの
となる。
【0034】なお、抄紙時に上記繊維状CMC(Met
al)を抄き込む際、必要に応じて各種の製紙用添加剤
を添加しても、上記繊維状CMC(Metal)は、こ
れら製紙用添加剤と反応することなく安定に存在し、抗
菌性の発揮にいかなる影響をも与えない。
【0035】上記の物品に吸水機能を持たせる場合は、
上記物品を構成する繊維として、ポリアクリル酸又はそ
の塩、ポリアクリル酸エステル等の吸水性繊維を用いる
ことができる。また、上記抗菌剤との親和性を上げるた
めに、上記の天然繊維と吸水性繊維を混在して使用させ
てもよい。上記天然繊維は、ある程度の吸水性を有する
ので、この天然繊維を混在させても吸水機能を維持する
ことができる。
【0036】上記抗菌剤の物品への添加量は、CMC
(Ag)の場合、抗菌剤中の銀イオン量が、0.01〜
10mg/m2 がよく、0.05〜5mg/m2 が好ま
しい。0.01mg/m2 未満の場合は、十分な抗菌効
果を得ることができないことがある。また、10mg/
2 を越えても、抗菌効果に影響はないが、経済性及び
安全性の面から好ましくない。
【0037】次に、上記の抗菌剤を含有する物品を用い
た衛生用品について説明する。
【0038】衛生用品は、図1(a)に示すように、水
透過性シート1、水不透過性シート2、及びこれらの間
に設けられる吸水部3から構成される。
【0039】水透過性シート1は、吸水部3を保護する
と共に外部の水を吸水部3に誘導する役割をし、織布、
不織布、細孔を有する樹脂シート等、水分を透過できる
シートであれば、任意のシートを使用することができ
る。
【0040】水不透過性シート2は、吸水部3で吸水し
た水が外部にしみ出すのを防止する役割を有し、細孔の
ない樹脂シート等、防水性を有するシートが用いられ
る。
【0041】上記吸水部3は水を吸収する部分であり、
水分を吸収すれば、綿、絹、パルプ、セルロース等の天
然繊維や、ポリアクリル酸又はその塩、ポリアクリル酸
エステル等の合成樹脂を用いることができる。特に、ポ
リアクリル酸又はその塩、ポリアクリル酸エステル等は
高吸水性を有しており、多量の水分を吸収させたい場合
に好ましい。
【0042】上記抗菌剤を含有する物品は、この吸水部
3として用いることができ、また、吸水部3の一構成部
品として使用することもできる。すなわち、上記抗菌剤
を含有する物品が吸水性を有する場合は、これを吸水部
3として用い、水透過性シート1と水不透過性シート2
との間に挟み込むことにより、抗菌性を有する衛生用品
として使用することができる。また、上記抗菌剤を含有
する物品としてシート状物を用いる場合、水透過性シー
ト1と水不透過性シート2との間に、高吸水性の樹脂を
含有する層とこのシート状物の両者を挟み込むことによ
り、抗菌性を有する衛生用品とすることができる。
【0043】また、上記抗菌剤を含有する物品が粉末状
又は粒子状の抗菌剤を含むマット状物の場合は、これを
吸水部3として用いると、図1(b)に示すように、抗
菌剤4が吸水部3中に分散された状態となる。この場
合、この抗菌剤とマット状物とに親和性があれば、抗菌
剤の脱落を防止することができる。さらに、図1(b)
にかかる衛生用品において、粉末状又は粒子状の高吸水
性ポリマーを粉末状又は粒子状の抗菌剤と同時にマット
状物中に混在させると、マット状物自体が吸水性を有さ
なくても、上記高吸水性ポリマーによって、高吸水性の
機能を発揮することができる。上記高吸水性ポリマーと
しては、ポリアクリル酸又はその塩や、ポリアクリル酸
エステル等のアクリル系高吸水性ポリマー、あるいは、
デンプンアクリル酸グラフト共重体等のデンプン系高吸
水性ポリマー等をあげることができる。
【0044】さらに、図1(a)において、上記抗菌剤
を含有する物品、特に、抗菌剤を含有するシート状物を
用いる場合、この物品を水透過性シート1のかわりに用
いることができる。このようにすれば、吸水層3は、単
に吸水機能を有するものを配することにより、抗菌性を
有する衛生用品を得ることができる。
【0045】ところで、上記各衛生用品には、必要に応
じて、消臭剤も添加することもできる。
【0046】上記衛生用品に用いられる抗菌剤は、衛生
用品全体にその抗菌効果を発揮させるように配される必
要はなく、抗菌性を発揮させたい部位にのみ配すれば、
その目的を達成させることができる。
【0047】上記抗菌剤を有する衛生用品は、特に限定
されるものではなく、その例として、紙おむつ、失禁用
パッド、生理用ナプキン、使い捨て下着、ペット用トイ
レ用品、使い捨て雑巾等任意の衛生用品をあげることが
できる。
【0048】
【実施例】以下、この発明の実施例について示す。な
お、特に断らない限り、%は重量%を示す。
【0049】抗菌剤の製造 〔製造例1〕 架橋型CMC(Ag)の合成 カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(以下、
「CMC(Na)」と略する。)60.42g(DS=
0.62、重合度:約1200、水分率:7.95%、
無水物量:55.62g)をイソプロパノール208m
l、及び水114mlに懸濁後、エピクロルヒドリン
9.1g(7.7ml)を加えた。次いで、4N−Na
OH24.5ml滴下後に反応混液を80℃に加温し3
時間攪拌した。反応後濾過し、水洗して脱アルカリして
中性となし、メタノールで洗浄後、真空乾燥して架橋型
CMC(Na)59.4709g(水分率:10.52
%、無水物53.215g)を得た。なお、このときの
イオン交換容量は2.709meq/g、DSは0.5
6であった。
【0050】得られた架橋型CMC(Na)35.05
9g(無水物:31.3711g)を蒸留水200ml
に懸濁後、硝酸銀151.8mgを加えて遮光下に70
時間攪拌した。沈殿物を濾取し、50%メタノール、1
00%メタノールの順に洗浄し、真空乾燥して架橋型C
MC(Ag)32.9749g(水分率:4.68%、
無水物:31.432g)を得た。銀含有率を原子吸光
分析法で測定すると、銀含有率は0.29%(含水物で
0.27%)であった。
【0051】〔製造例2〕 繊維状CMC(Ag)の合
繊維状CMC(H)の叩解 酸型の繊維状CMC(以下、「CMC(H)」と略す
る。)247.82g(キッコレートHC−M、ニチリ
ン化学工業社製、DS=0.42、水分率:75.77
%)を10リットルの蒸留水に懸濁し、ナイヤガラテス
トビーターにて小粒子が無くなるまで叩解した。その
後、遠心分離機で遠心分離濾過し、蒸留水で3回洗浄し
て、叩解済み繊維状CMC(H)の湿潤体380.63
1g(水分率87.34%、無水物:48.18g)を
得た。
【0052】繊維状CMC(Ag)の合成 上記叩解済み繊維状CMC(H)78.74gを蒸留水
500mlで懸濁し、プロペラ攪拌下に4N−NaOH
0.56mlを添加し、約1時間攪拌した。その後、
硝酸銀57.8mgの水溶液を滴下し、攪拌を継続し
た。24時間後、遠心分離器で濾過し、蒸留水で洗浄
後、湿潤体の繊維状CMC(Ag)56.74g(白色
繊維状物質、水分率83.22%、無水物9.521
g)を得た。銀含有率を原子吸光分析法で測定すると、
銀含有率は0.32%(含水物で0.0536%)であ
った。
【0053】〔製造例3〕 繊維状CMC(Ag)の合
成 製造例2に記載の叩解済み繊維状CMC(H)を用い、
製造例2に記載の硝酸銀等の反応条件を調整して、銀含
有率が0.61%の繊維状CMC(Ag)を製造した。
【0054】〔製造例4〕 繊維状CMC(Ag)の合
成 繊維状CMC(Na)42.550g(キッコレートL
D−A、ニチリン化学工業社製、DS=0.42、水分
率:88.32%、固形物:4.970g)を30%M
eOH500mlに懸濁し、硝酸銀28.2mgを加
え、48時間振盪した。反応終了後、遠心分離器で分離
し30%MeOHで洗浄した。得られたゲル体を純Me
OHとミキサー中で攪拌して洗浄後、遠心分離し、減圧
乾燥して繊維状CMC(Ag)5.10g(水分率:
7.85%)を得た。銀含有率を原子吸光分析法で測定
すると、銀含有率は0.35%(含水物で0.32%)
であった。
【0055】〔製造例5〕 繊維状CMC(Ag)の合
成 繊維状CMC(Na)90.16g((キッコレートL
D−A、ニチリン化学工業社製、DS=0.42、水分
率:94.88%、固形物:4.615g)を水500
mlに懸濁し、硝酸銀30.7mgを加え、48時間振
盪した。反応終了後、遠心分離器で分離し、50%Me
OHで洗浄した。得られたゲル体を純MeOHとミキサ
ー中で攪拌して洗浄後、遠心分離し、減圧乾燥して繊維
状CMC(Ag)3.7745g(水分率:12.23
%)を得た。銀含有率を原子吸光分析法で測定すると、
銀含有率は0.33%(含水物で0.29%)であっ
た。
【0056】〔製造例6〕 繊維状CMC(Ag)の合
成 繊維状CMC(Na)5.6747g(水分率:10.
7%、固形物:4.999g)を80%MeOH500
mlに懸濁し、硝酸銀9.6mgを加え、46.9時間
振盪した。反応終了後、80%MeOH及び純MeOH
の順で洗浄後、遠心分離し、減圧乾燥して繊維状CMC
(Ag)5.274g(水分率:7.50%)を得た。
銀含有率を原子吸光分析法で測定すると、銀含有率は
0.100%(含水物で0.0925%)であった。
【0057】〔製造例7〕 ポリスチレンスルホン酸樹
脂銀塩の合成 本製造例7及び8において、特開平6−212094号
公報の実施例1に記載されたイオン交換ポリマーにスル
ホン酸を導入した強カチオン交換体(H型)の銀塩(銀
含有率:15.21%(固形分))の合成法に準じて合
成された類縁物質(銀含有率:0.42%、及び、1
2.7%(固形分))を示す。
【0058】ポリスチレンスルホン酸樹脂(H型)1
0.9649g(水分率:54.18%)を蒸留水17
0mlに懸濁し、硝酸銀32.3mgを添加して48.
6時間振盪した。反応後、濾過し、蒸留水で洗浄後、ポ
リスチレンスルホン酸樹脂銀塩11.3427g(水分
率:56.84%)を得た。銀含有率を原子吸光分析法
で測定すると、銀含有率は0.42%(含水物で0.2
0%)であった。
【0059】〔製造例8〕 ポリスチレンスルホン酸樹
脂銀塩の合成 製造例7に記載の硝酸銀等の反応条件を調整して、銀含
有率が12.71%のポリスチレンスルホン酸樹脂銀塩
を製造した。
【0060】〔製造例9〕 スルホエチルセルロース銀
塩の合成繊維状スルホエチルセルロースNa塩の合成 小型ニーダ(3L)中に20.55gのセルロースパル
プ(水分率:2.69%)を少量ずつ仕込み、NaOH
水溶液(13.72g/37.2ml)及びイソプロパ
ノール202mlの混液をピペットで滴下しながら全体
を湿して行く。付加終了後、約30分間混和する。次い
で64.3gのビニルスルホン酸ナトリウム(25%水
溶液)を滴下し30分間さらに混和し、その後70℃に
加温下に3時間、室温下に1昼夜、混和した。ニーダか
ら残渣を取り出し、ミキサー中に移し70〜80%メタ
ノール洗浄(500ml×6回)を繰り返して中性とな
し最後に純メタノール洗浄を行った。真空乾燥(P2
5 )に付した。
【0061】繊維状スルホエチルセルロースNa塩1
7.5g(水分率:1.44%)を得た。なお、このと
きのイオン交換容量は0.42meq/g、DSは0.
070であった。
【0062】繊維状スルホエチルセルロース銀塩の合成 硝酸銀33.4mgを80%メタノール600mlに溶
解させた溶液に前記の繊維状スルホエチルセルロースN
a塩6.6161g(水分率:1.44%、無水物6.
5208g)を懸濁し、29時間振盪を行った。その
後、80%メタノール、純メタノールの順で洗浄し、真
空乾燥して繊維状スルホエチルセルロース銀塩6.46
11g(水分率:2.00%)を得た。銀含有率を原子
吸光分析法で測定すると、銀含有率は0.284%(含
水物で0.278%)であった。
【0063】〔抗菌性試験〕製造例1〜2及び7〜8に
記載の各抗菌剤、及びリン酸緩衝液を用い、繊維製品衛
生加工協議会が規定するシェークフラスコ法に準拠し
て、30℃で抗菌性試験を行った。その試験条件は、振
盪速度180±10rpm、シェーク時間を1時間と
し、試験菌株は黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス
アウレウス(Staphylococcus aureus ))(IFO 1
2732)を用い、各抗菌剤の使用量は、測定銀濃度を
12.5ng/mlとした。その結果を表1に示す。
【0064】また、上記抗菌剤を使用せずに実施し(表
1において「ブランク」と略する。)、及び上記抗菌剤
のかわりに硝酸銀を測定銀濃度を12.5ng/mlと
して実施した(表1において「硝酸銀」と略する。)。
その結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】結果 製造例7又は8の抗菌剤を用いた場合において、菌体と
の親和性等の問題から、銀含有率の低い製造例7を用い
たサンプルでは抗菌性を発揮し難く、また、銀含有率の
高い製造例8を用いたサンプルでは、同一銀濃度(1
2.5ng/ml)においてその分散性が前者より劣る
ため、抗菌性の低下が更に加わった。
【0067】これに対し、基体がセルロースである製造
例1、2のCMC(Ag)は、可溶性のものを架橋した
もの、繊維状のものを問わず低い銀含有率のものであっ
ても良好な抗菌性を示した。
【0068】〔抗菌剤を添加した薄葉紙の製造〕セルロ
ースパルプに湿潤紙力剤を添加し、製造例2に記載のC
MC(Ag)を表2に記載の量を混合せしめ、地合向上
剤を添加して抄紙し、坪量20g/m2の抗菌剤を添加
した薄葉紙1〜4を製造した。
【0069】また、抗菌剤として製造例3に記載のCM
C(Ag)を用いた以外は、上記の方法にしたがい、抗
菌剤を添加した薄葉紙5〜7を製造した。
【0070】さらに、抗菌剤として製造例4に記載のC
MC(Ag)を用いた以外は、上記の方法にしたがい、
抗菌剤を添加した薄葉紙8を製造した。
【0071】さらにまた、抗菌剤として、製造例9に記
載のスルホエチルセルロース銀塩を表2に記載の量を混
合せしめ、地合向上剤を添加して抄紙し、坪量20g/
2の薄葉紙9を製造した。
【0072】上記の各薄葉紙1〜9を下記の各実施例及
び比較例に供した。
【0073】なお、比較のため、上記抗菌剤を添加しな
い以外は上記の条件と同様にして、抗菌剤を添加しない
薄葉紙を製造した。
【0074】
【表2】
【0075】〔実施例1、2〕 抗菌剤を添加した薄葉
紙の抗菌性 表2に記載の抗菌剤を添加した薄葉紙の抗菌性を、繊維
製品衛生加工協議会が規定する下記の方法に準拠して測
定した。
【0076】試験菌として、黄色ブドウ球菌(スタフィ
ロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus ))
(IFO 12732)を用い、普通寒天培地で35
℃、20〜24時間、前々培養及び前培養した後、普通
ブイヨン培地を蒸留水にて20倍に希釈した培地(以
下、「1/20普通ブイヨン培地」と略する。)に植菌
し、1ml当たりの菌数が5×104 〜5×105 とな
るように1/20普通ブイヨン培地にて適宜希釈して調
製した。上記の方法に従って製造した表3に記載の薄葉
紙を18mm×18mmの大きさに切断した試験片を作
成し、バイアル瓶に入れ、上記の菌液0.2mlを滴下
し、35℃で保存した。保存開始直後及び18時間後に
滅菌生理食塩水で試験片の表面及び内部の生残菌を洗い
出し、この洗い出し液を菌数測定用培地(日水製薬
(株)社製:標準寒天培地)を使用した混釈平板培養法
(35℃、48時間)により生菌数を測定した。その結
果を表3に示す。
【0077】〔比較例1〕上記の抗菌剤を添加しない薄
葉紙を用いた以外は実施例1と同様にして抗菌性を測定
した。その結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】結果 繊維状CMC(Ag)未添加の薄葉紙中の生菌数が大幅
に増大しているのに対し、実施例1及び2の試験片は、
その静菌効果が明確に発揮されていることがわかる。繊
維製品衛生加工協議会による規定では、未加工試験片の
18時間後の生菌数に対する加工紙の18時間後の生菌
数の比のLog値(以下、「静菌活性値」と略する。)
が1.6以上で抗菌性がありと判断されるが、実施例1
及び2では、静菌活性値が1.6を大幅に上回っている
ことからも、この抗菌剤を添加した薄葉紙が抗菌性に優
れていることがわかる。
【0080】〔実施例3〜7〕 抗菌剤を添加した薄葉
紙を用いた基本構造試験片の抗菌性本発明の抗菌剤を添
加した薄葉紙を上記抗菌性を有する物品として用い、こ
れを紙おむつや失禁用パッド、生理用ナプキン等の衛生
用品の吸水部として使用した場合の抗菌性について検討
した。
【0081】透水性の不織布と防水フィルムとの間に、
表2に記載の薄葉紙2〜6を18mm×18mmの大き
さに切断したものを挟みこむことにより、3層構造体を
作成した。
【0082】この3層構造体を用い、実施例1に記載の
方法にしたがって、抗菌性を測定した。その結果を表4
に示す。
【0083】〔比較例2〕透水性の不織布と防水フィル
ムとの間に、表2に記載の薄葉紙9を18mm×18m
mの大きさに切断したものを挟みこむことにより、3層
構造体を作成した。この3層構造体を用い、実施例1に
記載の方法にしたがって、抗菌性を測定した。その結果
を表4に示す。
【0084】〔比較例3〕透水性の不織布と防水フィル
ムとの間に、上記の抗菌剤を添加しない薄葉紙を18m
m×18mmの大きさに切断したものを挟みこむことに
より、3層構造体を作成した。この3層構造体を用い、
実施例1に記載の方法にしたがって、抗菌性を測定し
た。その結果を表4に示す。
【0085】
【表4】
【0086】結果 本発明の抗菌性薄葉紙を用いることにより、表4の如く
良好な抗菌性を示した。また、比較例2に示されるよう
に、特開平5−212094号公報で暗示されるものの
1例としてセルロースにスルホン酸基を導入したスルホ
エチルセルロース銀塩は、抗菌性自体は発揮するもの
の、本発明の抗菌剤を添加した薄葉紙に比べて劣るとい
う結果が得られた。これは、スルホエチルセルロース銀
塩を混合抄紙する際に銀イオンが溶出してしまうものと
考えられる。
【0087】〔実施例8〜19〕 抗菌剤を添加した薄
葉紙を用いた基本構造試験片の生理食塩水中での抗菌性 本試験の抗菌剤を添加した薄葉紙の使用形態を考えた場
合、汗や血液等の体液が付着する事が考えられる。そこ
で、これら体液が付着した後、又は付着する際の抗菌性
を考慮し、生理食塩水中での抗菌性を試験した。
【0088】表2に記載の薄葉紙1及び3〜7を上記抗
菌性を有する物品として用い、実施例3に記載の3層構
造体を作成した。この3層構造体を用い、実施例1に記
載の方法にしたがって、抗菌性を測定した。このとき、
使用した試験菌として、黄色ブドウ球菌(スタフィロコ
ッカス アウレウス(Staphylococcus aureus ))(I
FO 12732)及び大腸菌(エシェリキア コリ
(Escherichia coli))(K株)を用い、1/20普通
ブイヨン培地を調製する際に、普通ブイヨン培地を生理
食塩水にて20倍に希釈した培地を用いた。その結果を
表5に示す。
【0089】〔比較例4〜5〕比較例3に記載の3層構
造体を用い、実施例8に記載の方法にしたがって、抗菌
性を測定した。その結果を表5に示す。
【0090】
【表5】
【0091】結果 本発明の抗菌性薄葉紙を用いることにより、生理食塩水
中において、黄色ブドウ球菌と大腸菌に対し優れた抗菌
性を発揮した。
【0092】〔実施例20〜23〕 抗菌剤を添加した
薄葉紙を用いた基本構造試験片の人工尿中での抗菌性 本発明の抗菌剤を添加した薄葉紙の使用形態を考えた場
合、尿が付着する事が考えられる。そこで、付着した
後、ないしは付着する際の抗菌性を考慮し、人工尿中で
の抗菌性を試験した。
【0093】表2に記載の薄葉紙3及び6を上記抗菌性
を有する物品として用い、実施例3に記載の3層構造体
を作成した。この3層構造体を用い、実施例1に記載の
方法にしたがって、抗菌性を測定した。このとき、使用
した試験菌として、黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカ
ス アウレウス(Staphylococcus aureus ))(IFO
12732)及び大腸菌(エシェリキア コリ(Esch
erichia coli))(K株)を用い、1/20普通ブイヨ
ン培地を調製する際に、普通ブイヨン培地を下記の組成
を有する人工尿にて20倍に希釈した培地を用いた。そ
の結果を表6に示す。
【0094】人工尿の組成 尿素 19.4g/リットル NaCl 8.0g/リットル MgSO4 ・7H2 O 1.1g/リットル CaCl2 0.6g/リットル 〔比較例6〜7〕比較例3に記載の3層構造体を用い、
実施例20に記載の方法にしたがって、抗菌性を測定し
た。その結果を表6に示す。
【0095】
【表6】
【0096】結果 本発明の抗菌性薄葉紙を用いることにより、人工尿中に
おいて、黄色ブドウ球菌と大腸菌に対し優れた抗菌性を
発揮した。
【0097】〔実施例24〜27〕 抗菌剤を添加した
薄葉紙を用いた基本構造試験片の人工尿中での抗菌性 本発明の抗菌剤を添加した薄葉紙の使用形態を考えた場
合、尿が付着した後、又は付着する場合が考えられる。
そこで、尿中における抗菌性を考慮し、試験菌として尿
素分解酵素(ウレアーゼ)を産生する菌を使用して人工
尿中での抗菌性を試験した。
【0098】表2に記載の薄葉紙3及び6を上記抗菌性
を有する物品として用い、実施例3に記載の3層構造体
を作成した。この3層構造体を用い、実施例1に記載の
方法にしたがって、抗菌性を測定した。このとき、使用
した試験菌として、プロテウス ブルガリス(Proteus
vulgaris)(IFO 3851)及びプロビデンシアレ
トゲリ(Providencia rettgeri)(IFO 1350
1)を用い、1/20普通ブイヨン培地を調製する際
に、普通ブイヨン培地を実施例20に記載の人工尿にて
20倍に希釈した培地を用いた。その結果を表7に示
す。
【0099】〔比較例8〜9〕比較例3に記載の3層構
造体を用い、実施例24に記載の方法にしたがって、抗
菌性を測定した。その結果を表7に示す。
【0100】
【表7】
【0101】結果 本発明の抗菌性薄葉紙を用いることにより、尿素分解菌
に対しても優れた抗菌性を発揮した。
【0102】〔実施例28〜31〕 抗菌剤を添加した
薄葉紙を用いた基本構造試験片の人工尿中での防臭性 本発明の抗菌剤を添加した薄葉紙の使用形態を考えた場
合、尿が付着した後、又は付着する場合が考えられる。
そこで、尿中における抗菌性を考慮し、試験菌として尿
素分解酵素(ウレアーゼ)を産生する菌を使用して、発
生したアンモニアガスの濃度について検知管法にて測定
した。
【0103】表2に記載の薄葉紙3及び6を上記抗菌性
を有する物品として用い、実施例3に記載の3層構造体
を作成した。この3層構造体を用い、実施例24に記載
の方法にしたがって、抗菌性試験を実施した。保存開始
直後及び18時間後にアンモニアガスの濃度を測定し
た。その結果を表8に示す。
【0104】〔比較例10〜11〕比較例3に記載の3
層構造体を用い、実施例28に記載の方法にしたがっ
て、抗菌性を測定した。その結果を表8に示す。
【0105】
【表8】
【0106】結果 本発明の抗菌性薄葉紙を用いることにより、発生するア
ンモニアを検出限界以内(4ppm以下)まで抑えるこ
とができた。
【0107】〔実施例32〜33〕 抗菌剤を添加した
薄葉紙と吸水性不織布の両者を用いた基本構造試験片の
抗菌性 抗菌剤を添加した薄葉紙を紙おむつや失禁用パッド、生
理用ナプキン等の衛生用品の吸水部以外の内部に配して
使用した場合の抗菌性について検討した。
【0108】表2に記載の薄葉紙8及び主としてパルプ
からなる不織布(Dan−Web社製)とを2枚に重ね
て18mm×18mmの大きさに切断し、これを透水性
不織布と防水フィルムとの間に挟みこみ、4層構造体を
作成した。この4層構造体を用い、実施例1に記載の方
法にしたがって、抗菌性を測定した。このとき、1/2
0普通ブイヨン培地を調製する際に、普通ブイヨン培地
を蒸留水にて20倍に希釈した培地及び実施例20に記
載の人工尿にて20倍に希釈した培地の両培地について
試験を行った。その結果を表9に示す。
【0109】〔比較例12〜13〕実施例32の薄葉紙
8の代わりに上記の抗菌剤を添加しない薄葉紙を用い
て、実施例32記載と同様の4層構造体を作成し、実施
例32に記載の方法にしたがって、抗菌性を測定した。
その結果を表9に示す。
【0110】
【表9】
【0111】結果 抗菌剤を添加した薄葉紙を吸水部そのものではなく別の
吸水部に接する部位に配しても、優れた抗菌性を示し
た。その抗菌性は人工尿中においても発揮した。
【0112】〔実施例34〜36〕 マット状物に抗菌
剤を配した基本構造試験片の人工尿中での抗菌性 抗菌剤を紙おむつや失禁用パッド、生理用ナプキン等の
衛生用品の吸水部に配して使用した場合の抗菌性につい
て検討した。
【0113】紙おむつ等で用いられる綿状パルプに製造
例1に記載のCMC(Ag)を表10に記載の量を混合
し、実施例36については更に高吸水性ポリマー(三洋
化成社製サンウェットIM−1000)も混合し、これ
を18mm×18mmに切断して透水性不織布と防水フ
ィルムとの間に挟みこむことにより3層構造体を作成し
た。
【0114】この3層構造体を用い、実施例1に記載の
方法にしたがって、抗菌性を測定した。このとき、使用
した試験菌として、大腸菌(エシェリキア コリ(Esch
erichia coli))(K株)を用い、1/20普通ブイヨ
ン培地を調製する際に、普通ブイヨン培地を実施例20
に記載の人工尿にて20倍に希釈した培地を用いた。そ
の結果を表10に示す。
【0115】〔比較例14〕上記実施例34に記載の3
層構造体において抗菌剤を添加しないものを作成し、実
施例34と同様にして抗菌性を測定した。その結果を表
10に示す。
【0116】
【表10】
【0117】結果 抗菌剤を別の吸水部に配することにより人工尿中におい
て大腸菌に対し優れた抗菌性を示した。また、高吸水性
ポリマーを更に配しても抗菌性を発揮することが出来
た。
【0118】〔抗菌剤添加不織布の製造〕綿状パルプ、
バインダー用複合繊維(1〜3mm)、製造例5及び6
に記載の抗菌剤を表11に記載の重量比で乾燥状態で混
合し、ホットプレート上に堆積させ、150℃で3分加
熱することにより、抗菌剤を添加した不織布を製造し
た。
【0119】上記の不織布A〜Bを下記の各実施例に供
した。
【0120】
【表11】
【0121】〔実施例37〜39〕 抗菌剤を添加した
不織布の抗菌性 表11に記載の不織布A及びBを上記抗菌性を有する物
品として用い、実施例1に記載の方法にしたがって抗菌
性を測定した。このとき、使用した試験菌として、黄色
ブドウ球菌(スタフィロコッカス アウレウス(Staphy
lococcus aureus ))(IFO 12732)及び大腸
菌(エシェリキア コリ(Escherichiacoli))(K
株)を用いた。その結果を表12に示す。
【0122】〔比較例15〜16〕抗菌剤を添加した不
織布を用いずに、主としてパルプからなる不織布(Da
n−Web社製)を用いる以外は実施例37記載の方法
によって抗菌性を測定した。その結果を表12に示す。
【0123】
【表12】
【0124】結果 本発明の抗菌性不織布を用いることにより、黄色ブドウ
球菌と大腸菌に対し優れた抗菌性を発揮した。
【0125】〔実施例40〜41〕 抗菌剤を添加した
不織布の生理食塩水中及び人工尿中の抗菌性 本発明の抗菌剤を添加した不織布の使用形態を考えた場
合、血液や尿等の付着が考えられる。そこで、生理食塩
水中ならびに人工尿中での抗菌性を測定した。
【0126】表11に記載の不織布Bを上記抗菌性を有
する物品として用い、実施例1に記載の方法にしたがっ
て抗菌性を測定した。このとき、1/20普通ブイヨン
培地を調製する際に、普通ブイヨン培地を生理食塩水に
て20倍に希釈した培地及び実施例20に記載の人工尿
にて20倍に希釈した培地の両培地について試験を行っ
た。その結果を表13に示す。
【0127】〔比較例17〜18〕実施例40の不織布
Bの代わりに主としてパルプからなる不織布(Dan−
Web社製)を用いて、実施例40に記載の方法にした
がって、抗菌性を測定した。その結果を表13に示す。
【0128】
【表13】
【0129】結果 本発明の抗菌性不織布を用いることにより生理食塩水中
ならびに人工尿中において優れた抗菌性を発揮した。
【0130】〔実施例42〜44〕 抗菌剤を添加した
不織布を用いた基本構造試験片の抗菌性 抗菌剤を添加した薄葉紙の代わりに表11記載の抗菌剤
を添加した不織布を上記抗菌性を有する物品として用
い、実施例3に記載の3層構造体を作成した。この3層
構造体を用い、実施例1に記載の方法にしたがって抗菌
性を測定した。このとき、使用した試験菌として、黄色
ブドウ球菌(スタフィロコッカス アウレウス(Staphy
lococcus aureus ))(IFO 12732)及び大腸
菌(エシェリキア コリ(Escherichia coli))(K
株)を用いた。その結果を表14に示す。
【0131】〔比較例19〜20〕抗菌剤を添加した不
織布を用いずに、主としてパルプからなる不織布(Da
n−Web社製)を用いる以外は実施例42に記載の方
法によって抗菌性を測定した。その結果を表14に示
す。
【0132】
【表14】
【0133】結果 本発明の抗菌性不織布を用いることにより、3層構造体
においても黄色ブドウ球菌ならびに大腸菌に対し優れた
抗菌性を発揮した。
【0134】
【発明の効果】この発明によれば、少なくとも一部が抗
菌性金属イオンと置換されている水不溶性のカルボキシ
メチルセルロースからなる抗菌剤を用いるので、少量で
安全かつ強力に抗菌性を発揮させることができる。特に
銀イオンは、最も少量で抗菌性を発揮させることができ
る。これらにより、高機能な衛生用品を提供することが
できる。
【0135】また、この発明にかかる抗菌剤を有する物
品は、高い抗菌防臭性能を示すと共に、吸水部として紙
おむつ、失禁用パッド、生理用ナプキン等の従来の衛生
用品作成の工程に組み込むことが可能なので、従来の衛
生用品に容易に抗菌性を付与することができる。
【0136】さらに、抗菌性金属を担持するものとして
カルボキシメチルセルロースを使用するので、廃棄して
も自然に分解し、また、焼却しても高温とならないた
め、焼却炉を傷めることがなく、焼却等の廃棄が容易と
なる。
【0137】さらにまた、抗菌剤を有する物品としてパ
ルプやセルロースからなる紙や不織布を用いた場合は、
抗菌剤を有する物品全体を廃棄しても自然に分解し、ま
た、焼却しても高温とならないため、焼却炉を傷めるこ
とがなく、焼却等の廃棄がより容易となる。
【0138】また、パルプやセルロースと共に、抗菌性
金属の担体であるカルボキシメチルセルロースも親水性
の素材であるので、有効に抗菌力を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)この発明にかかる衛生用品の構成
例を示す断面図
【符号の説明】
1 水透過性シート 2 水不透過性シート 3 吸水部 4 抗菌剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D04H 1/42 A41B 13/02 B // A61L 2/16 A61F 13/18 381 (72)発明者 吉村 昌治 福井県坂井郡金津町自由ケ丘1丁目8番10 号 レンゴー株式会社福井研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が抗菌性金属イオンで置
    換されている水不溶性のカルボキシメチルセルロースか
    らなる抗菌剤を含有する物品を含む衛生用品。
  2. 【請求項2】 上記抗菌性金属イオンが銀イオンである
    請求項1に記載の衛生用品。
  3. 【請求項3】 上記物品に対する上記銀イオンの量が、
    0.01〜10mg/m2 である請求項2に記載の衛生
    用品。
  4. 【請求項4】 上記抗菌剤を含有する物品がシート状物
    である請求項1乃至3のいずれかに記載の衛生用品。
  5. 【請求項5】 上記抗菌剤が繊維状の抗菌剤である請求
    項1乃至4のいずれかに記載の衛生用品。
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