JP2017133135A - 消臭抗菌板紙、及び紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な消臭機能を有すると共に、生産が容易な消臭抗菌板紙、及び紙容器を提供する。【解決手段】表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属元素のイオンを含有してなる金属イオン含有セルロース繊維を含む消臭抗菌板紙である。【選択図】図1

Description

本発明は、消臭及び抗菌機能を有する消臭抗菌板紙、及び紙容器に関する。
ギョウザなどの匂いの強い食品を容器に収容した際の匂いを抑えたり、容器内の食品への菌の繁殖を抑制する方法として、容器となる板紙に消臭抗菌機能を付与することが種々行われている。例えば、板紙の原紙に抗菌物質を含むバインダー液を塗布したり(特許文献1)、抄紙工程で板紙中に消臭成分を配合する技術(特許文献2)が開示されている。
特開2005-179841号公報 特開平10-259595号公報
ところで、板紙に消臭機能を付与するには、消臭成分を紙中に含有させる必要がある。消臭成分を紙中に含有させる方法として、消臭成分を含む液を板紙に塗布する方法があるが、消臭液の調合工程、塗布工程、乾燥工程等が必要となり、生産性が低下するという問題がある。
又、抄紙工程で板紙中に消臭成分を配合する場合には、抄紙条件によっては消臭成分のパルプ繊維への歩留まりが低くなり、消臭効果が低下する場合がある。更に、食品容器用板紙においては、外観が白色である(色味がついていない)ことが好まれる場合があるが、板紙(表層)中に消臭成分を配合(内添)すると、紙の外観に色味が付くおそれがある。
又、食品を包装する板紙の場合、更に抗菌性を持つことが望ましいが、一般に板紙は多層からなり厚いため、抗菌性が低い層があるとその層で菌が増殖し、十分な抗菌性を得られないという問題がある。このため、板紙の全層に抗菌性を持たせる必要がある。
しかしながら、消臭成分を含む液を板紙に塗布する場合、板紙の中心の層まで抗菌成分が到達せず、十分な抗菌性を得られないおそれがある。又、抄紙工程で板紙中に抗菌成分を配合する場合、抗菌成分のパルプ繊維への歩留まりが低下し、抗菌効果が低下する場合がある。
このように、従来の板紙では十分な消臭機能と抗菌機能を共に付与することが困難である。
従って本発明は、十分な消臭機能と抗菌機能を共に有すると共に、生産が容易な消臭抗菌板紙、及び紙容器の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の消臭抗菌板紙は、表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属元素のイオンを含有してなる金属イオン含有セルロース繊維を含むことを特徴とする。
前記金属イオン含有セルロース繊維を1質量%以上含むことが好ましい。
前記金属イオンを0.4mg/g以上含むことが好ましい。
前記酸化セルロース繊維に対する前記金属イオンの含有量が10〜60mg/gであることが好ましい。
前記消臭抗菌板紙が2層以上の層を積層してなり、いずれの2つの隣接する層においても、少なくとも一方の層が前記金属イオン含有セルロース繊維を含むことが好ましい。
前記消臭抗菌板紙が内層、及び該内層の外側に積層されて表裏を形成する最外層を有し、前記最外層が前記金属イオン含有セルロース繊維を含まないことが好ましい。
本発明の紙容器は、前記消臭抗菌板紙から形成されてなる。
この発明によれば、十分な消臭機能と抗菌機能を共に有すると共に、生産が容易な消臭抗菌板紙、及び紙容器が得られる。
本発明の実施形態に係る消臭抗菌板紙の多層構造を示す断面図である。 実施例に用いた金属イオン含有セルロース繊維の透過型電子顕微鏡像を示す図である。
本発明の実施形態に係る消臭抗菌板紙は、表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属元素のイオンを含有してなる金属イオン含有セルロース繊維を含む。金属イオン含有セルロース繊維中の金属イオンは、悪臭成分(硫化水素、アンモニア等)と反応することで有効な消臭、抗菌機能を発揮する。金属イオン含有セルロース繊維については後述する。
消臭抗菌板紙は、上記金属イオン含有セルロース繊維と、他の繊維(パルプ繊維等)とを含む抄紙原料を抄紙してなる抄紙体であり、「抄紙体」であるとは、顕微鏡により繊維が絡み合った状態であることをいう。
他の繊維としては、例えば針葉樹パルプ(NBKP)又は広葉樹パルプ(LBKP)などのバージンパルプや、古紙から再生した古紙パルプを用いることができる。これらパルプは要求品質に合わせて、適宜所定の種類及び配合割合で適宜配合される。抄紙原料は、要求品質及び操業の安定のために様々な薬品を添加(内添)してもよく、これら薬品としては、柔軟剤、嵩高剤、染料、分散剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力剤、濾水向上剤、ピッチコントロール剤、歩留向上剤などが挙げられる。
そして、公知の抄紙法により消臭抗菌板紙を製造することができる。
消臭抗菌板紙が、上記金属イオン含有セルロース繊維を1質量%以上含むと、消臭抗菌性が向上するので好ましい。ここで、金属イオン含有セルロース繊維の含有量は、消臭抗菌板紙を構成する金属イオン含有セルロース繊維以外の成分に対する、金属イオン含有セルロース繊維の含有割合である。金属イオン含有セルロース繊維以外の成分は、通常はパルプである。
又、消臭抗菌板紙が多層である場合、各層中の金属イオン含有セルロース繊維の含有量を、各層の厚みで加重平均した値を金属イオン含有セルロース繊維の含有量とする。
消臭抗菌板紙中の金属イオン含有セルロース繊維の割合が1質量%未満であると、消臭機能が低下し、金属イオン含有セルロース繊維の割合が多すぎるとコストアップとなる場合がある。消臭抗菌板紙中の金属イオン含有セルロース繊維の含有割合の上限は、例えば20質量%である。
消臭抗菌板紙が、上記金属イオンを0.4mg/g以上含むと、消臭抗菌性が向上するので好ましい。ここで、「mg/g」は、消臭抗菌板紙1g当たりの金属イオンの含有である。
金属イオンの含有量の上限は、例えば4.0mg/gである。
消臭抗菌板紙は1層であっても多層であってもよい。図1に示すように、消臭抗菌板紙10が多層である場合には、1層以上の内層11、12、13、及び内層11、12、13の外側に積層されて表裏を形成する最外層14、15を有する。
ここで、消臭性は、板紙が多層であっても、単純に板紙全体の金属イオンの量によって影響される。これは、臭い成分はガスであるので繊維構造体の各層を通り抜け、この際に金属イオンと接触すると、化学反応によって別の物質となって消臭されるためである。
一方、板紙が多層の場合、金属イオンの含有量が少なくて(又は金属イオンを含有せずに)抗菌性が低い層があるとその層で菌が増殖し、板紙全体の抗菌性が低下する。但し、自身の抗菌性が低くとも、隣接する層が抗菌性を有している場合は、隣接層から抗菌成分が浸透するので板紙全体の抗菌性を維持することができる。
このため、板紙の全層に金属イオン含有セルロース繊維(金属イオン)を含有させることが望ましい。
このようなことから、消臭抗菌板紙が2層以上の多層である場合には、いずれの2つの隣接する層においても、少なくとも一方の層が金属イオン含有セルロース繊維を含むことが好ましい。つまり、隣接して連続する2つ以上の層が金属イオン含有セルロース繊維を含まない層でないことが好ましい。
この場合、金属イオン含有セルロース繊維を含む層は、金属イオン含有セルロース繊維を1質量%以上含むことが好ましく、金属イオンを0.4mg/g以上含むことが好ましい。
一方、高い抗菌性能を要求されない場合には、両最外層14、15が上記金属イオン含有セルロース繊維を含まないようにすると、金属イオン含有セルロース繊維中の金属イオンに起因する板紙(紙容器)表面の着色を抑制できる。このため、印刷面となる両最外層14、15の層を通常のセルロース繊維から構成することで、消臭性能を損なうことなく、表層の白色度、平滑性を確保できる。
従って、要求される抗菌性能、着色の抑制の必要性等に応じて各層のいずれに金属イオン含有セルロース繊維を含ませるかを決定すればよい。
消臭抗菌板紙の坪量を例えば100〜700g/m2とすることができる。又、消臭抗菌板紙の強度として、リングクラッシュ値(ヨコ方向)を600N以上とすることができる。
リンググラッシュ値は板紙の横方向の圧縮強さであり、JIS P8126に従って測定する。
金属イオン含有セルロース繊維は、セルロース繊維表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を導入した酸化セルロース繊維に対し、金属化合物水溶液を接触させることによって得ることができる。また、消臭抗菌板紙の製造方法としては、酸化セルロース繊維を含む原料を抄造したシートに上記金属化合物水溶液を接触させる方法の他、予め酸化セルロース繊維に金属イオンを含有させ、この金属イオン含有セルロース繊維を含む原料を抄造する方法を例示することできる。
上記酸化セルロース繊維は、N−オキシル化合物を触媒に用いて木材パルプなどのセルロース繊維を酸化することにより製造できる。この酸化反応により、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、表面にカルボキシル基またはカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維が得られる。原料のセルロースは天然セルロースが好ましい。上記酸化反応は、水中で行うことが好ましい。反応におけるセルロース繊維の濃度は特に限定されないが、5質量%以下が好ましい。N−オキシル化合物の量は、反応系に対し0.1〜4mmol/L程度であればよい。反応には公知の共酸化剤を用いてもよい。共酸化剤の例には、ジ亜ハロゲン酸またはその塩が含まれる。共酸化剤の量は、N−オキシル化合物1molに対して1〜40molが好ましい。
反応温度は4〜40℃が好ましく、室温がより好ましい。反応系のpHは8〜11が好ましい。酸化の度合いは、反応時間、N−オキシル化合物の量等により適宜調整できる。
このようにして得た酸化セルロース繊維は、表面に酸基が存在し、内部にはほとんど酸基は存在しない。これはセルロース繊維が結晶性であるため、酸化剤が繊維の内部にまで拡散しにくいためと考えられる。
カルボキシル基とは−COOHで表される基をいい、カルボキシレート基とは−COO−で表される基をいう。酸化セルロース繊維を製造する際のカルボキシレート基のカウンターイオンは特に限定されない。そして、後述する金属のイオンが上記カウンターイオンと置き換わってカルボキシレート基とイオン結合する。また、カルボキシル基は金属イオンとして銅イオンと配位すると思われる。カルボキシル基またはカルボキシレート基を合わせて「酸基」ともいう。
酸基の含有量は、特開2008−001728号公報の段落0021に開示されている方法によって測定できる。すなわち、精秤した乾燥セルロース試料を用いて0.5〜1質量%のスラリー60mLを調製し、0.1mol/Lの塩酸水溶液によってpHを約2.5とする。その後、0.05mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して電気伝導度測定を行う。測定はpHが約11になるまで続ける。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階を示すまでに消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下式を用いて酸基量X1を求める。
X1(mmol/g)=V(mL)×0.05/セルロースの質量(g)
上記セルロース繊維の酸基の量は、0.2〜2.2mmol/gが好ましい。酸基の量が0.2mmol/g未満であると、セルロース繊維表面に存在する金属イオンの量が十分でなく、消臭機能に劣る場合がある。酸基の量が2.2mmol/gを超えると、衛生薄葉紙の抄紙の際のろ水性が悪化し、脱水負荷が大きくなる場合がある。
次に、上記酸化セルロース繊維に対し、上記金属の化合物を含む水溶液を接触させ、金属化合物に由来する金属イオンが、カルボキシレート基とイオン結合を形成する。なお、カルボキシル基は電離してカルボキシレート基を経て金属イオンとイオン結合するか、上述のように金属イオンと配位すると思われる。
金属化合物水溶液とは、金属塩の水溶液である。金属塩の例には、錯体(錯イオン)、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、および酢酸塩が含まれる。金属塩は水溶性であることが好ましい。
金属化合物の接触方法に関しては、予め調製したセルロース繊維の分散液と金属化合物水溶液を混合してもよく、セルロース繊維を含む分散液を基材の上に塗布して膜とし、当該膜に金属化合物水溶液を添加して含浸させてもよい。このとき、膜は基板上に固定されたままであってもよいし、基板から剥離された状態であってもよい。
金属化合物水溶液の濃度は特に限定されないが、セルロース繊維100質量部に対して10〜80質量部が好ましく、30〜60質量部がより好ましい。
金属化合物を接触させる時間は適宜調整してよい。接触させる際の温度は特に限定されないが20〜40℃が好ましい。また、接触させる際の液のpHは特に限定されないが、pHが低いと、カルボキシル基に金属イオンが結合しにくくなるため、7〜13が好ましく、pH8〜12が特に好ましい。
酸化セルロース繊維が金属イオンを含有(配位)していることは、走査型電子顕微鏡像、及び強酸による抽出液のICP発光分析で確認できる。つまり、金属イオンは走査型電子顕微鏡像では存在を確認できず、一方でICP発光分析では金属を含有していることを確認できる。これに対し、例えば上記金属がイオンから還元されて金属粒子として存在している場合は、走査型電子顕微鏡像または透過型電子顕微鏡像でも金属粒子を確認することができるので、金属粒子の有無を判定できる。また、走査型電子顕微鏡像と元素マッピングによっても金属イオンの有無を判定できる。つまり、走査型電子顕微鏡像では金属イオンを確認できないが、元素マッピングをすることで金属イオンが存在することを確認できる。
金属イオンとして、上記金属元素のイオンを用いることにより、抗菌機能が付与される。一方、セルロース繊維の酸基のすべてに金属粒子が結合しなくても良く、残存した酸基も臭い成分であるアンモニア等を中和することができ、消臭機能が発揮される。
金属イオン含有セルロース繊維において、酸化セルロース繊維に対する金属イオンの含有量が10〜60mg/gであることが好ましい。
金属イオンの含有量が10mg/g未満であると、金属イオン含有セルロース繊維による抗菌/消臭性能が低下することがある。
金属イオンの含有量が60mg/gを超えるものを製造することは、金属イオン含有セルロース繊維の収率の低下につながり、コストアップとなることがある。
本発明の紙容器は、上記消臭抗菌板紙を箱型に折り込む等により形成することができる。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は勿論これらの例に限定されるものではない。
<金属イオン含有セルロース繊維の製造>
乾燥重量で5.00gの未乾燥の針葉樹漂白クラフトパルプ、39mgの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)及び514mgの臭化ナトリウムを水500mlに分散させた後、15質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1gのパルプ(絶乾)に対して次亜塩素酸ナトリウムの量が5.5mmolとなるように加えて反応を開始した。反応中は3MのNaOH水溶液を滴下してpHを10.0に保った。pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なし、反応物をガラスフィルターにてろ過した後、十分な量の水による水洗、ろ過を2回繰り返し、固形分量15質量%の水を含浸させたTEMPO酸化セルロース繊維を得た。
このTEMPO酸化セルロース繊維はその表面にカルボキシル基またはカルボキシレート基を有する。金属イオンを含有する前のTEMPO酸化セルロース繊維の酸基量(酸化セルロース繊維1g当たり)を表1に示す。
次に、得られたTEMPO酸化セルロース繊維(この時点では金属イオンを含有していない)を解繊(叩解)し、得られた叩解後のTEMPO酸化セルロース繊維に対し、表1に示すpHと濃度(TEMPO酸化セルロース繊維1g当たり)の金属塩水溶液を加えて撹拌した。これにより、TEMPO酸化セルロース繊維に金属イオンを担持させた。
なお、図2に、実施例に用いた金属イオン含有セルロース繊維の透過型電子顕微鏡像を示す。
<消臭抗菌板紙の抄紙>
次に、金属イオン(Cuイオン)の含有率が40mg/gである、金属イオン含有セルロース繊維と、パルプ(NBKP及びLBKP)とを、表2に示す配合比で配合したパルプスラリーを各紙層(表層、第2〜第4層)、裏層)別に調製し、多層抄きして各実施例、比較例の消臭抗菌板紙を製造した。消臭抗菌板紙の坪量を350g/m2とした。
なお、各実施例の消臭抗菌板紙を走査型電子顕微鏡で観察したところ、紙の繊維のみが確認された。また、各実施例の消臭抗菌板紙につき、強酸で溶解した後の抽出液のICP((高周波誘導結合プラズマ)発光分析を行い、いずれも金属が含有されていることが確認された。以上のことより、各実施例の消臭抗菌板紙は酸化セルロース繊維に金属イオンを含有していることがわかる。
得られた消臭抗菌板紙につき、以下の評価を行った。
<消臭性>
ガスバッグに10cm×10cmの消臭抗菌板紙サンプルを設置し、5ppmの硫化水素ガスを0.5L 注入後の消臭能力を官能評価した。比較として、ガスバッグに消臭抗菌板紙サンプルを設置しないブランク試験を行った。評価が◎、○であれば、実用上問題はない。
◎:まったく臭わない
△:臭気は低下しているが残臭がある
○:ほとんど臭気が気にならない
×:ブランクと同等の臭気が残る
<抗菌性>
JIS-L1902:2008に規定する「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果 定量試験(菌液吸収法)」に従って評価した。数値(静菌活性値)が2.0以上であれば問題ない。
○:静菌活性値が2.0以上である。
×:静菌活性値が2.0未満である。
<外観>
板紙表面の金属イオンに由来する着色の有無を、表層(金属イオン含有セルロース繊維を含まない)の原料配合から得た手抄きシートと比べて目視観察し、この手抄きシートよりも着色しているものを着色「有」とした。
得られた結果を表1、表2に示す。
表2から明らかなように、各実施例の場合、十分な消臭及び抗菌機能を有していた。なお、最外層である表層及び裏層に金属イオン含有セルロース繊維を含有させなかった実施例3の場合、板紙表に着色が見られず、外観も優れていた。
一方、金属イオン含有セルロース繊維の含有量が1質量%未満で、金属イオン(Cuイオン)の含有量が0.4mg/g未満である比較例3、4の場合、消臭機能が各実施例よりも大幅に劣った。
又、内層である第2〜第4層の隣接して連続する3層に金属イオン含有セルロース繊維を含有させなかった比較例1、2、4の場合、抗菌性が大幅に劣った。
2 消臭抗菌板紙
10 衛生紙ロール(紙容器)
10x シート(衛生紙シート)

Claims (7)

  1. 表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属元素のイオンを含有してなる金属イオン含有セルロース繊維を含むことを特徴とする消臭抗菌板紙。
  2. 前記金属イオン含有セルロース繊維を1質量%以上含む請求項1記載の消臭抗菌板紙。
  3. 前記金属イオンを0.4mg/g以上含む請求項1又は2記載の消臭抗菌板紙。
  4. 前記酸化セルロース繊維に対する前記金属イオンの含有量が10〜60mg/gである請求項1〜3のいずれか一項に記載の消臭抗菌板紙。
  5. 前記消臭抗菌板紙が2層以上の層を積層してなり、いずれの2つの隣接する層においても、少なくとも一方の層が前記金属イオン含有セルロース繊維を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の消臭抗菌板紙。
  6. 前記消臭抗菌板紙が内層、及び該内層の外側に積層されて表裏を形成する最外層を有し、前記最外層が前記金属イオン含有セルロース繊維を含まない請求項1〜5のいずれか一項に記載の消臭抗菌板紙。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の消臭抗菌板紙から形成されてなる紙容器。
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