JP2001131891A - 耐水紙およびその製造方法および紙容器 - Google Patents
耐水紙およびその製造方法および紙容器Info
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Abstract
重視した、紙自体の改質による優れた耐水性を有する機
能紙を提供することを目的とする。 【解決手段】原料パルプの基本骨格であるセルロース中
にある多数のカルビノール基を酸化することで高い電荷
極性と疎水性を有するカルボニル基に変換し、その酸化
改質パルプをそのまま、或いは非改質のパルプと混抄す
ることで、脱水・乾燥後、紙中に強固な水素結合や疎水
結合を生成させ、優れた耐水性を有する紙を得るもので
あり、これによりセルロース骨格のカルビノール基が部
分的にカルボニル基に変換された繊維を含む事を特徴と
する耐水紙を提供する。
Description
耐油性、撥油性、高乾燥強度、高湿潤強度等の各種機能
に優れ、且つ再生処理に適した各種包装用紙、建装用
紙、または保型性が必要な冷凍食品用やテイクアウト用
食品紙トレイ、紙カップ、段ボールライナー及び中芯原
紙、インスタント食品用紙容器、化粧紙、紙製育苗ポッ
ト等に使用される機能紙、および紙容器に関する。
境保全への技術転換が世界中で巻き起こっている。その
一つとして、有限な資源である石油由来のプラスチック
材料から、天然再生資源であり無尽蔵にある木材セルロ
ースが注目され、例えば、従来、発泡ポリスチレン等の
合成樹脂を使用した容器は環境ホルモンの問題解決も兼
ねて、紙容器へ移行し需要も増加してきている。
行われること、プラスチックに比べて燃焼熱が低いこと
から燃焼炉を傷めずにサーマルリサイクルによってエネ
ルギーに変換が可能である等の理由からその需要はます
ます増加している。
CO2 量削減による地球温暖化防止や2000年の紙
容器を対象とした容器包装リサイクル法の施行の伴い、
紙ゴミを回収し、原料として再利用することも望まれて
いる。
る物性があり、中でも紙はセルロース繊維が水素結合し
たものである為、繊維間に容易に水が入り込み耐水性が
低い課題がある。耐油性もプラスチックと比較して高く
ない。
する方法としては、(1)紙を抄紙・抄造する際に、機
能性を付与する薬剤をパルプ原料へ添加(内添)、或い
は機能材料(繊維)の混抄(2)抄紙・抄造された紙へ
機能性薬剤の塗工、或いは含浸(外添)、(3)紙表面
へポリエチレンやポエチレンテレフタレート等のプラス
チックフィルムのラミネート等の方法がある。
然物系のロジンやその誘導体、アルギン酸などを除い
て、ほとんど全て石油由来の合成高分子系の内添剤や外
添(含浸)剤、そしてプラスチックフィルムを使用する
場合が多く、省資源や環境保護の面から見ると改善する
ことが必要であり、近年、社会問題となっている環境ホ
ルモンやアトピー症などの人体への影響も懸念される。
またパルプモールド等の3次元成形体には、外添やラミ
ネートの工程が効率的でないという欠点を有している。
鑑みてなされたものである。即ち、従来の紙へ耐水性を
付与する方法である内添、外添(含浸)、塗工、貼り合
せ(ラミネート)などとは異なり、石油資源に依存しな
い省資源、環境保護の面を重視した、紙自体の改質によ
る優れた耐水性を有する機能紙および紙容器を提供する
ものである。
解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、原料パルプ自体を
改質し、それを製紙に応用することに至ったのである。
あるセルロース中にある多数のカルビノール基を酸化す
ることで高い電荷極性と疎水性を有するカルボニル基に
変換し、その酸化改質パルプをそのまま、或いは非改質
のパルプと混抄することで、脱水・乾燥後、紙中に強固
な水素結合や疎水結合を生成させ、優れた耐水性を有す
る紙および紙容器を得ることができた。
貝らが、パルプとアルキルケテンダイマー(AKD)と
の定着挙動について詳細な研究をされている。これによ
ればセルロース分子鎖は親水性と疎水性の両面を有し、
AKDはパルプ表面に定着後加水分解し、疎水性の高い
ケトンがパルプ表面上で均一な分布を形成し、パルプ
(セルロース分子)とケトンは水素結合および疎水結合
によって強固な定着が起こることを示唆しており、本発
明の耐水紙もカルボニル基含有セルロース繊維と未改質
セルロース繊維との間で類似の作用が起こっていると考
えられる。
の概念は、これまでの紙への機能化方法である内添、外
添(含浸)、塗工、貼り合せ(ラミネート)などとは異
なる全く別の紙自体の改質という発想によるものであ
る。
は、これまで多数の研究報告が有るが、例えば、次亜塩
素酸や塩素、二酸化塩素、過酸化水素、オゾンなどによ
るパルプの漂白剤に使用される酸化剤は、副反応が多く
グリコシド結合の開裂による重合度の低下もあるので余
り適当ではない。
選択的な酸化方法としては、四塩化炭素などの非極性溶
媒中で二酸化窒素(N2 O4 )によって酸化する方法
や最近、東京大学の磯貝らが開発した2,2,6,6−
テトラメチル−1−ピペリジニル・オキシラジカル(T
EMPO)を触媒としたアルカリ性水系媒体での次亜塩
素酸ナトリウムと臭化ナトリウムによる酸化方法が挙げ
られる。
ビノール基の選択的な酸化方法としては過ヨウ素酸や過
ヨウ素酸塩(過ヨウ素酸ナトリウムや過ヨウ素酸カリウ
ムなど)、四酢酸鉛、酢酸コバルト(II)と酸素の組
み合せ、ヨウ素と酸化水銀(II)の組み合せ、硝酸銀
とペルオキソ二硫酸カリウムの組み合せなどの触媒によ
る酸化方法で過ヨウ素酸と過ヨウ素酸塩以外の酸化剤
は、有機溶剤中で反応を行うか、毒性が強く安全性に問
題がある。
6位のいずれの位置にカルボニル基が導入されてもグリ
コシド結合は弱くなり、特にアルカリ条件下ではβ−脱
離により主鎖が切断し易く重合度の低下が起こると考え
られる。
セルロース繊維中の非晶領域で反応が進行し易いと考え
られる為、酸化基材となるパルプやセルロース粉末を非
晶化処理すると酸化率も高くなると考えられる。具体的
な非晶化処理法としては、水酸化ナトリウムによるマー
セル化や銅エチレンジアミン溶液による再生処理、或い
はSO2 −DEA−DMSOによる再生非晶処理が挙
げられる。
化では、1,2‐グリコール構造の2つのカルビノール
基を同時に酸化し、且つ炭素結合を開裂させる反応であ
り、多価アルコールや糖類などへ応用されている。
粉を過ヨウ素酸酸化したジアルデヒド澱粉が使用されて
いる。
内添用紙力増強剤としてカチオン性ポリアクリルアミド
を主成分とした水溶性高分子を保護コロイドとしたスチ
レンモノマーの乳化重合体エマルジョンにジアルデヒド
デンプンを付加したものを使用したり、特開昭58−3
1199号では紙力増強用組成物としてアニオン性ジア
ルデヒドデンプン分散液と、1級または2級アミノ基を
有するカチオン性ポリアミド樹脂とから成り、かつ、そ
れをパルプスラリーに添加し、乾燥工程中、紙および板
紙の構造上で反応させて用いることを特徴とする紙力増
強組成物、特開平3−185197号では弱カチオン性
ジアルデヒド澱粉を原料パルプに内添後、抄紙して得ら
れる水分散性のよいティシュペーパーが提案されてい
る。
ckson及びHudsonにより過ヨウ素酸或いは過
ヨウ素酸塩を使って澱粉を水中で酸化することが試みら
れグルコース基の2,3位の炭素間の結合が選択的に切
断されジアルデヒド型に酸化することが判った。この反
応は、その後多くの人々により研究され、同じ多糖類の
構成単位を持つセルロースもジアルデヒド化されること
が判っている。
戦後1950年代に活発に行われ、その後、石油由来合
成高分子の開発の隆盛に伴い、ほとんど研究されていな
い。
上用途として主に内添されていたジアルデヒド澱粉の特
性を、そのまま抄紙用原料パルプに付与することを考案
した。原料パルプの構成分子はセルロースであり、混抄
用途では、パルプ原料はもちろん粉末状のセルロースで
も可能である。即ち、ジアルデヒド澱粉と同様に水中で
過ヨウ素酸や過ヨウ素酸塩によってセルロースの構成単
位であるグルコース基の2位、3位の炭素間の結合が選
択的に酸化開裂し、ジアルデヒドセルロースが生成す
る。
一方、セルロースは水不溶性であるが、親水性の為不均
一反応であるが、反応は進行し重合度が幾らかあればジ
アルデヒドセルロースも水に溶けず単離精製が容易であ
る。
ースへの酸化は不均一反応であり、且つ結晶構造も有し
ている為、結晶領域では剛直なピラノース環は開裂し難
く2位、3位のカルビノール基は一部ケトンになったり
様々な副反応が起こっている実験結果及び考察が北海道
大学の渡辺らによって化繊月報(1954年、9月号、
P24)等に報告されている。
いることから、ジアルデヒドパルプ或いはジアルデヒド
セルロースと呼ぶのではなく以下は酸化改質パルプ或い
は酸化改質セルロースと呼称する。
て酸化された酸化改質パルプ或いは酸化改質セルロース
は、酸化度にも影響するが、水への分散状態はパルプ原
料やセルロースとほぼ同様である。
のまま抄紙・抄造することが可能で内添方法による定着
性の問題もない。
は内添、外添、塗工、貼り合せ等の方法とは異なる、紙
自体の改質による機能性付与と言える。電荷極性の高い
カルボニル基や疎水性の高いケトン基を有しているた
め、強固な水素結合と疎水結合を形成し、通常の紙より
も繊維間強度が高く、紙容器としても容器強度高く、保
形性も高い。
及び湿潤強度を有しており良好な耐水性が発現し、耐水
性紙容器として使用できる。また、ジアルデヒド澱粉と
同様に故紙再生処理におけるアルカリ雰囲気下での離解
にも問題がないと考えられ、酸化度の低い本発明の耐水
紙では、故紙再生処理による再利用も可能であると考え
られる。
された酸化改質パルプ、又は酸化改質セルロースは、そ
の興味深い構造を有しているにも関わらず、これまで製
紙分野での報告はほとんど見受けられず、特開昭62−
57556号で消臭剤として例示されている位である。
成により達成される。
カルビノール基が部分的にカルボニル基に変換された繊
維を含む事を特徴とする耐水紙である。
ルビノール基が部分的にカルボニル基に変換されていな
い繊維と、セルロース骨格のカルビノール基が部分的に
カルボニル基に変換されている繊維の両方を含む事を特
徴とする耐水紙である。
ロース骨格のカルビノール基を部分的にカルボニル基に
変換することを目的に酸化剤を使用して得た酸化改質パ
ルプを原料とし単体で抄紙・抄造、或いは非改質のパル
プと混抄したものである事を特徴とする耐水紙である。
セルロース骨格のカルビノール基を部分的にカルボニル
基に変換することを目的に酸化剤を使用して得た酸化改
質セルロースを非改質のパルプと混抄した耐水紙であ
る。
かに記載のカルボニル基含有パルプ繊維、又はカルボニ
ル基含有セルロース粉末の構成単位であるセルロース骨
格でピラノース環の第6位のカルビノール基が、酸化剤
によりカルボニル基に変換された構造を含んだ酸化改質
パルプ、及び酸化改質セルロースを原料とし抄紙・抄
造、或いは非改質のパルプと混抄した耐水紙である。
かに記載のカルボニル基含有パルプ繊維、又はカルボニ
ル基含有セルロース粉末の構成単位であるセルロース骨
格でピラノース環の第2位と第3位のカルビノール基
が、酸化剤により両方或いは片方がカルボニル基に変換
された構造を含んだ酸化改質パルプを原料とし抄紙・抄
造、或いは非改質のパルプと混抄した耐水紙である。
かに記載のカルボニル基含有パルプ繊維、又はカルボニ
ル基含有セルロース粉末の構成単位であるセルロース骨
格でピラノース環の第2位と第3位の炭素間が、酸化剤
により開裂し、第2位と第3位のカルビノール基が両方
或いは片方がカルボニル基に変換された構造を含んだ酸
化改質パルプを原料とし抄紙・抄造、或いは非改質のパ
ルプと混抄した耐水紙である。
何れかに記載のカルボニル基含有パルプ繊維又はカルボ
ニル基含有セルロース粉末の生成せしめる酸化剤とし
て、過ヨウ素酸、或いは過ヨウ素酸塩を用いる耐水紙で
ある。
トン基、アルデヒド基、カルボキシル基のうち1種もし
くは複数であるを特徴とする請求項1から8何れかに記
載の耐水紙である。
9記載のカルボニル基含有パルプ繊維又はカルボニル基
含有セルロース粉末のカルボニル基が特にアルデヒド基
である耐水紙である。
ルロース骨格のカルビノール基を部分的にカルボニル基
に変換することを目的に酸化剤を使用して得た酸化改質
パルプを原料とし単体で抄紙・抄造、或いは非改質のパ
ルプと混抄してセルロース骨格のカルビノール基が部分
的にカルボニル基に変換された繊維を含む事を特徴とす
る耐水紙を製造する事を特徴とする耐水紙の製造方法で
ある。
のセルロース骨格のカルビノール基を部分的にカルボニ
ル基に変換することを目的に酸化剤を使用して得た酸化
改質セルロースを非改質のパルプと混抄してセルロース
骨格のカルビノール基が部分的にカルボニル基に変換さ
れた繊維を含む事を特徴とする耐水紙を製造する事を特
徴とする耐水紙の製造方法である。
何れかに記載のカルボニル基含有パルプ繊維、又はカル
ボニル基含有セルロース粉末の構成単位であるセルロー
ス骨格でピラノース環の第6位のカルビノール基が、酸
化剤によりカルボニル基に変換された構造を含んだ酸化
改質パルプ、及び酸化改質セルロースを原料とし抄紙・
抄造、或いは非改質のパルプと混抄してセルロース骨格
のカルビノール基が部分的にカルボニル基に変換された
繊維を含む事を特徴とする耐水紙を製造する事を特徴と
する耐水紙の製造方法である。
何れかに記載のカルボニル基含有パルプ繊維、又はカル
ボニル基含有セルロース粉末の構成単位であるセルロー
ス骨格でピラノース環の第2位と第3位のカルビノール
基が、酸化剤により両方或いは片方がカルボニル基に変
換された構造を含んだ酸化改質パルプを原料とし抄紙・
抄造、或いは非改質のパルプと混抄してセルロース骨格
のカルビノール基が部分的にカルボニル基に変換された
繊維を含む事を特徴とする耐水紙を製造する事を特徴と
する耐水紙の製造方法である。
何れかに記載のカルボニル基含有パルプ繊維、又はカル
ボニル基含有セルロース粉末の構成単位であるセルロー
ス骨格でピラノース環の第2位と第3位の炭素間が、酸
化剤により開裂し、第2位と第3位のカルビノール基が
両方或いは片方がカルボニル基に変換された構造を含ん
だ酸化改質パルプを原料とし抄紙・抄造、或いは非改質
のパルプと混抄してセルロース骨格のカルビノール基が
部分的にカルボニル基に変換された繊維を含む事を特徴
とする耐水紙を製造する事を特徴とする耐水紙の製造方
法である。
ら15何れかに記載のカルボニル基含有パルプ繊維又は
カルボニル基含有セルロース粉末の生成せしめる酸化剤
として、過ヨウ素酸、或いは過ヨウ素酸塩を用いる耐水
紙の製造方法である。
ケトン基、アルデヒド基、カルボキシル基のうち1種も
しくは複数であるを特徴とする請求項11から16何れ
かに記載の耐水紙の製造方法である。
載のカルボニル基含有パルプ繊維又はカルボニル基含有
セルロース粉末のカルボニル基が特にアルデヒド基であ
る耐水紙の製造方法である。
10記載の酸化改質パルプ、或いは酸化改質セルロース
を含む原料から、湿式のパルプモールド成形手法により
成形した紙容器である。
細に説明する。
ン基やアルデヒド基、カルボキシル基;以下同様)含有
パルプの対象となるものは、カルボニル基含有パルプ単
体紙の場合、通常のパルプ原料、すなわち木材繊維で構
わない。
は未漂白状態の亜硫酸パルプ又はクラフトパルプ、砕木
パルプ、熱機械パルプ(TMP)又は化学熱機械パルプ
(CTMP)等を単独に、或いは2種類以上混ぜ合わせ
ても構わない。
混抄する場合においては、前述の木材パルプの他に紙の
剛性を考慮に入れながら、非木材繊維である麻類、綿
(リンター)、わら、竹、ケナフ、バカス、シオグサ、
エスパルト、楮、三椏、雁皮、ラミーなどでも良い。
の非晶領域で反応が進行し易いので、各種の非晶化処理
法、具体的には、水酸化ナトリウムによりマーセル化や
銅エチレンジアミン溶液による再生処理、SO2 ‐D
EM(ジエチルアミン)‐DMSO溶液による再生非晶
処理などによって部分的、或いは全体的に結晶化度を下
げたものでも良い。
ス骨格のカルビノール基を酸化する目的で酸化剤を使用
していることを特徴としており、パルプの脱リグニンを
目的とした漂白(晒し)で使用される酸化剤とは異な
る。
る次亜塩素酸塩や塩素、二酸化窒素、或いは過酸化水素
やオゾンなどで酸化漂白する場合には、リグニン等の着
色成分を分解除去するためセルロース骨格中のカルビノ
ール基の酸化の他に主鎖の切断など雑多な反応を伴い、
高晒しのパルプは繊維自体の強度が弱い。
ルプ中のセルロース骨格中のカルビノール基を選択的に
酸化するもの、言い換えればその目的の為のものを指し
ている。
は、リグニンやヘミセルロースなどの不純物をほとんど
含まないセルロース純度の高いものを示し、対象となる
のは、前記各種木材や非木材パルプや微生物産生セルロ
ース、バロニアセルロース、ホヤセルロースなどを高圧
ホモジナイザーや凍結粉砕機、ミル等で粉砕した粉末状
のもので、市販されている各種セルロース粉末や、酸加
水分解処理した微結晶セルロース粉末でも構わない。
mesh位が適当であり、これ以上に微細化すると単離
が困難になり、一部水溶性化して収率が悪い。酸化剤、
及び非晶化処理については、前述の請求項1の内容と同
様であり、レーヨンやテンセルなどの市販再生セルロー
スも含まれる。
ルプ、或いはカルボニル基含有セルロースは、第6位の
カルビノール基を選択的に酸化しカルボニル基にならし
めたものであり、酸化方法としては、例えばパルプやセ
ルロース粉末を四塩化炭素などの非極性溶媒中で二酸化
窒素(N2 O4 )によって酸化する方法や2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジニル・オキシラジ
カル(TEMPO)を触媒としたアルカリ性水系媒体で
の次亜塩素酸ナトリウムと臭化ナトリウムによる酸化方
法などである。
ルプ、或いはカルボニル基含有セルロースは、第2位と
第3位のカルビノール基が酸化剤により酸化され両方或
いは片方がカルボニル基に変換された構造を含んだ酸化
改質パルプ或いは酸化改質セルロースであり、請求項5
記載の酸化剤などによりパルプやセルロース中の結晶領
域中で主に起こる反応であることが知られている。
ルプ、或いはカルボニル基含有セルロースは、第2位と
第3位の炭素間で酸化開裂が起こり、カルビノール基が
両方或いは片方がカルボニル基に変換された構造を含ん
だ酸化改質パルプ或いはセルロースであり、酸化剤とし
ては、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩(過ヨウ素酸カリウ
ム、過ヨウ素酸ナトリウムなど)、四酢酸鉛、酢酸コバ
ルト(II)と酸素の組み合せ、ヨウ素と酸化水銀(I
I)の組み合せ、硝酸銀とペルオキソ二硫酸カリウムの
組み合せなどの酸化剤が挙げられ、パルプやセルロース
中の非晶領域中で主に起こる反応であることが知られて
いる。
酸化剤は、有機溶剤中で反応を行うか、毒性が強く安全
性にも問題がある。
が可能で毒性の低い酸化剤として限定したものである。
過ヨウ素酸塩としては、過ヨウ素酸ナトリウムや過ヨウ
素酸カリウムが挙げられるが水への溶解度が高い過ヨウ
素酸ナトリウムが好適である。
の反応では、セルロースのβ−1,4−グリコシド結合
の切断などの副反応が起こり、過ヨウ素酸ナトリウムな
どは光に対して不安定で分解するので、暗所のもと、室
温以下の温度で操作するのが望ましい。
たカルボニル基含有セルロースのβ−脱離による主鎖の
切断やover−oxidationが起こるので、出
来れば中性、若しくは酸性側で反応を行うことが望まし
い。好ましくは、p.H.=3.0から7.0、より好
ましくは、p.H.=3.3から5.0付近である。
ウ素酸ナトリウムは、その添加量や酸化反応時間は多い
程、或いは長い程、生成するカルボニル基量も多くなる
が、副反応によるパルプ繊維の劣化も起こるので、所望
する耐水性などの物性を考慮に入れて調整するのが望ま
しい。反応機構的には、パルプやセルロースのグルコー
ス単位当たり等モルの過ヨウ素酸、或いは過ヨウ素酸塩
が理論上反応するが、グルコース単位当たり1.0mo
l量以上添加すると、生成物の水分散性が悪くなり、パ
ルプ繊維間やセルロース分子間での凝集が起こってくる
と考えられる。
は過ヨウ素酸塩の添加量が少なければ影響は少ないが、
添加量が、グルコース単位当たり0.6mol量以上あ
れば、酸化反応時間72時間位から、反応生成物の水分
散性が低くなってくる。望ましくは、過ヨウ素酸、或い
は過ヨウ素酸塩の添加量がグルコース単位当たり0.1
から0.6mol量の添加量であり、反応時間は24か
ら65時間位が適当である。
合、叩解度が低ければ、パルプ表面積が大きく反応も均
一に進行し易いが、叩解によって生じるパルプ表面上の
毛羽立ち繊維(ミクロフィブリル)は、副反応によって
切断され易く、叩解度は高くなってくる。
が多ければ、その傾向も大きくなる。従って、過ヨウ素
酸酸化するパルプの叩解度は、過ヨウ素酸、或いは過ヨ
ウ素酸塩の添加量と所望する耐水性などの物性を考慮に
入れて調整するのが望ましい。
が進むと、セルロース構造中の結晶領域は非晶化されて
結晶化度が低下してくることがX線解析によって確認さ
れており、また、その単体紙や混抄紙、特に単体紙の耐
水性(低吸水率、高wet/dry)は向上してくる反
面、紙本来の靭性が低下して透明性が発現されてくる。
ルロース粉末のカルボニル基含有パルプ繊維で、そのカ
ルボニル基が特にアルデヒド基であることを特徴として
いる発明である。
2‐グリコール構造の選択的酸化開裂によるジアルデヒ
ド基の生成反応であり、均一反応系ではその傾向が強い
が、セルロースへの反応のような不均一反応系では多く
の副反応が起こる為、アルデヒド基以外にケトン基やカ
ルボキシル基も副生することからカルボニル基とした
が、副反応を抑制する反応条件下で、且つパルプやセル
ロースも非晶化処理によって結晶化度を下げれば、アル
デヒド基量も増大することが判っている。
ルビノール基を酸化しカルボニル基変換した酸化改質パ
ルプ、或いは酸化改質セルロース粉末を主にしている
が、カルボニル基の中でも特に高い電荷極性と反応活性
を有するアルデヒド基が望ましいと考えられる。
化改質セルロースの官能基の定量分析としては、北海道
大学の渡辺らが紙パルプ技術協会誌(1956年発刊、
10、524)に報告している定量方法で適当であり、
具体的にはカルボニル基をセミカルバジッド塩酸塩法、
カルボキシル基を酢酸カルシウム法、アルデヒド基を亜
塩素酸ソーダ法で定量分析している。簡易的には、セミ
カルバジッド塩酸塩法だけで良い。
は、従来の機能化薬剤の内添、外添、塗工またはプラス
チックフィルムのラミネート等の方法ではなく、ベース
基材である紙自体を改質することにより耐水性を付与し
たものである。
とにより、パルプ中のカルビノール基をカルボニル基
(ケトン基やアルデヒド基、カルボキシル基)、中でも
アルデヒド基に変換し、それを単体、或いは非改質パル
プとの混抄により、カルボニル基の高い電荷極性とケト
ン基の高い疎水性から強固な水素結合や疎水結合が生
じ、通常の紙よりも高い繊維間力が付与され、優れた耐
水性を有することができる。
化したしたものでも良い。
製造できる。即ち、カルボニル基含有パルプ繊維単体、
或いはそれと非改質のパルプとの混合、又はカルボニル
基含有セルロースと非改質のパルプとの混合した水分散
スラリーを、抄紙・抄造、プレス工程、乾燥工程を経て
作製できる。紙の坪量は、特に制限はないが、30から
200g/m2 位の紙から、600g/m2 位の厚紙
でも可能であると考えられる。また、本発明の耐水紙で
紙容器を作製する場合には、従来公知の方法が可能であ
り、例えば、プランジャー型製函機で打ち抜き4隅を貼
り合せる組み立て成形法や、専用のトレー成形機で熱圧
押付・成形できるプレス式成形法などが可能である。ま
た請求項19記載の発明によれば、酸化改質パルプ、或
いは酸化改質セルロースを含む原料から、従来法の湿式
のパルプモールド成形手法によりパルプモールド成形す
ることで、後工程なく紙容器を作製することが可能であ
る。
例に基づきさらに具体的に説明するが、これらは本発明
を限定するものではない。
フトパルプ(NBKP)抄紙用原料を、JIS−P82
09『パルプ試験用手漉き紙調整方法』に準拠して離解
し、JIS−P8121『パルプのろ水度試験方法』に
準拠したカナダ標準ろ水度試験方法で100csfの叩
解度のものを水で希釈して、1.0wt%濃度のパルプ
スラリーを調整した。
csfである以外、適用例1と同様のNBKPパルプス
ラリーである。これらを使用して、以下に示す製造例、
実施例、比較例で各内添紙を作製した。
NBKP(N.V.=1.0wt%、叩解度=100c
sf)水分散スラリ−6L(絶乾パルプ量=60g)に
対して、過ヨウ素酸ナトリウムをパルプ中のグルコース
単位(分子量=162)当たり0.2mol量に当たる
約16gを添加し、冷暗所中、攪拌機にて攪拌して酸化
反応を行い、24時間後、48時間後、72時間後の改
質パルプを各々取り出し、エチレングリコールを数ml
加えて未反応の過ヨウ素酸ナトリウムを分解後、メタノ
ールを同容量加えて微少な酸化改質パルプを再沈させ
て、約200meshの金網で濾過し、十分に水洗後、
約1.0wt%の酸化改質パルプ水分散スラリーを得
た。
=1.0wt%、叩解度=100csf)水分散スラリ
−6L(絶乾パルプ量=60g)に対して、過ヨウ素酸
ナトリウムをパルプ中のグルコース単位(分子量=16
2)当たり0.6mol量に当たる約48gを添加し、
冷暗所中、攪拌機にて攪拌して酸化反応を行い、24時
間後、48時間後、72時間後の酸化改質パルプを各々
取り出し、エチレングリコールを数ml加えて未反応の
過ヨウ素酸ナトリウムを分解後、メタノールを同容量加
えて微少な改質パルプを再沈させ、約200meshの
金網で濾過し、十分に水洗後、約1.0wt%の酸化改
質パルプ水分散スラリーを得た。
=1.0wt%、叩解度=100csf)水分散スラリ
−6L(絶乾パルプ量=60g)に対して、過ヨウ素酸
ナトリウムをパルプ中のグルコース単位(分子量=16
2)当たり1.3mol量に当たる約104gを添加
し、冷暗所中、攪拌機にて攪拌して酸化反応を行い、2
4時間後、48時間後、72時間後の酸化改質パルプを
各々取り出し、エチレングリコールを数ml加えて未反
応の過ヨウ素酸ナトリウムを分解後、メタノールを同容
量加えて微少な酸化改質パルプを再沈させ、約200m
eshの金網で濾過し、十分に水洗後、約1.0wt%
の改質パルプ水分散スラリーを得た。 しかし、48時
間後と72時間後の酸化改質パルプは、水分散性が悪
く、顕微鏡観察した所、酸化改質パルプ繊維同志の架橋
が起こっていた。
く、セルロース粉末の酸化改質を行った。セルロース粉
末としては、市販の200から300meshのコット
ンリンターセルロース粉末(商品名;ToyoRosh
i−B、アドバンテック東洋(株)製)の水分散液
(N.V.=2.0wt%)500mlに対して、過ヨ
ウ素酸ナトリウムをセルロース中のグルコース単位(分
子量=162)当たり1.3mol量に当たる約17.
15gを添加し、冷暗所中、攪拌機にて攪拌して酸化反
応を行い、65時間後の酸化改質セルロースを取り出
し、エチレングリコールを数ml加えて未反応の過ヨウ
素酸ナトリウムを分解後、メタノールを同容量加えて微
少な酸化改質セルロースを再沈させ、ろ紙上で吸引濾過
し十分に水洗後、約1.0wt%の酸化改質セルロース
水分散スラリーを得た。
質パルプ、及び酸化改質セルロースを利用した本発明の
耐水紙の実施例を示すが、これらは、本発明を限定する
ものではない。
に関わる酸化改質パルプスラリーの24時間、48時
間、72時間反応試料をそのまま、標準型手漉き角型抄
紙機で、坪量約80g/m2 の酸化改質パルプ紙を抄
紙し、脱水プレス(3.5kgf/cm2 )を5分間
行い、ヤンキードライヤー(表面温度=約120℃)で
乾燥させ酸化改質パルプ紙を作製した。
に関わる酸化改質パルプスラリーの24時間、48時
間、72時間反応試料をそのまま、実施例1と同様の手
順により酸化改質パルプ紙を作製した。
に関わる酸化改質パルプスラリーの24時間反応試料を
そのまま、実施例1と同様の手順により酸化改質パルプ
紙を作製した。
に関わる酸化改質パルプスラリーの48時間反応試料と
適用例2で調整した非改質のNBKP(N.V.=1.
0wt%、叩解度=350csf)水分散スラリ−を固
形分の混合比率=1:1で混ぜ合わせ、実施例1と同様
の手順により酸化改質パルプ混抄紙を作製した。
に関わる酸化改質パルプスラリーの48時間反応試料と
適用例2の非改質1のNBKP(N.V.=1.0wt
%、叩解度=350csf)水分散スラリ−を固形分の
混合比率=1:1で混ぜ合わせ、実施例1と同様の手順
により酸化改質パルプ混抄紙を作製した。
に関わる酸化改質セルローススラリーの65時間反応試
料と適用例2の非改質のNBKP(N.V.=1.0w
t%、叩解度=350csf)水分散スラリ−を固形分
の混合比率=1:2で混ぜ合わせ、実施例1と同様の手
順により酸化改質セルロース混抄紙を作製した。
のNBKP(N.V.=1.0wt%、叩解度=350
csf)水分散スラリ−をそのまま、実施例1と同様の
手順によりNBKP原紙を作製した。
適用例2で調整した非改質のNBKP(N.V.=1.
0wt%、叩解度=350csf)水分散スラリ−に、
市販湿潤紙力増強剤(商品;PY−410、ハリマ化成
(株)製)のN.V.=1.0wt%水溶液を対絶乾パ
ルプ重量比で1wt%混合し5分間攪拌定着後、実施例
1と同様の手順により湿潤強化紙を作製した。
応を行った際の過ヨウ素酸ナトリウムの消費量を過ヨウ
素酸ナトリウムの特性吸収域におけるUV吸光度の測定
により求めた結果を図2に示す。また、過ヨウ素酸ナト
リウムの消費量を求める際には、あらかじめ作成した検
量線を図1に示す。酸化改質パルプスラリーのカルボニ
ル基量をセミカルバジッド塩酸塩法により、定量分析を
行った結果を図3に示す。
に、JIS−P8111に基づいて、20℃−65%R
H環境下で24時間以上の調湿を行った。
水性を評価する目的として、吸水率を測定した。測定方
法は、各種改質パルプ紙を50×50mmの形状に裁断
し、蒸留水へ1時間浸水させ、浸水前の重量と浸水後の
重量差により、吸水率(含水重量率)を算出した。その
結果を表1に示す。 なお、(%)=(浸水前と後の重
量差(g)/浸水前の重量(g))×100である。
比較例1の原紙や比較例2の市販湿潤紙力剤による内添
紙に比べて非常に低い吸水率であることが判った。
を、JIS−8113に基づいて、オートグラフ(島津
製作所(株)製、島津オートグラフAG−500A)を
使用して、乾燥状態(20℃−65%RH)と湿潤状態
(試験片を蒸留水中へ1時間浸水)における各々の破断
強度を測定して、湿潤破断強度/乾燥破断強度(wet
/dry)を算出し、耐水性を評価した。また、各測定
サンプルの厚さを測定し、湿潤応力を求めた。その結果
を表2に示す。
は、比較例1の原紙や比較例2の市販湿潤紙力剤による
内添紙に比べて、非常高いwet/dryであることが
判った。但し、実施例2の72時間酸化品と実施例3の
24時間酸化品に関しては、過ヨウ素酸酸化によるパル
プ繊維の劣化の影響から物性が低くなった。また、紙断
面積当たりの紙力である湿潤応力は、市販湿潤紙力剤に
よる内添紙に優るものである。
ベース材料にした新規の耐水紙は、従来の湿潤強化紙よ
りも優れた耐水性(低吸水率、高wet/dry)を有
し、且つ紙自体を無機物の酸化剤によって改質した機能
性付与である為、石油資源に依存せず、再生処理も可能
であることから、省資源・環境保護の面でも優位性があ
る。
改質パルプ、及び酸化改質セルロースを利用した本発明
の紙容器の実施例を示すが、これらは、本発明を限定す
るものではなく、前記本発明の耐水紙より容器成形して
も構わない。
に関わる酸化改質パルプスラリーの24時間、48時
間、72時間反応試料をそのまま、湿式のパルプモール
ド成形機により、重量20gの紙容器を作製した。
に関わる酸化改質セルローススラリーの65時間反応試
料と適用例2の非改質のNBKP(N.V.=1.0w
t%、叩解度=350csf)水分散スラリ−を固形分
の混合比率=1:2で混ぜ合わせ、湿式のパルプモール
ド成形機により、重量20gの紙容器を作製した。
のNBKP(N.V.=1.0wt%、叩解度=350
csf)水分散スラリ−をそのまま、湿式のパルプモー
ルド成形機により、重量20gの紙容器を作製した。
適用例2で調整した非改質のNBKP(N.V.=1.
0wt%、叩解度=350csf)水分散スラリ−に、
市販湿潤紙力増強剤(商品;PY−410、ハリマ化成
(株)製)のN.V.=1.0wt%水溶液を対絶乾パ
ルプ重量比で1wt%混合し5分間攪拌定着後、湿式の
パルプモールド成形機により、重量20gの紙容器を作
製した。
性評価を行う前に、JIS−P8111に基づいて、2
0℃−65%RH環境下で24時間以上の調湿を行っ
た。
3、4の紙容器の容器としての耐水強度を求めるため以
下に記す試験を実施した。すなわち、先ず、オートグラ
フ(島津製作所社製 島津オートグラフAG−500
A)を用いて、乾燥状態(20°C−65%RH)にお
ける定速圧縮試験による座屈時の荷重を測定した。さら
に80℃熱水を紙容器に満たし、30分経過後、熱水を
捨てて、直ちに同様の定速圧縮試験を行い、湿潤状態で
の座屈時の荷重を測定した。結果を表3に示す。
は、比較例3の未添加パルプからなる紙容器や比較例4
の市販紙力増強剤内添パルプよりなる紙容器に比べて、
湿潤時の強度が極めて高く、特に容器の保形性に優れる
ことが判った。
中のカルビノール基を酸化してカルボニル基(ケトン基
やアルデヒド基、カルボキシル基)に改質したパルプを
そのまま、或いは非改質のパルプとの混合物、又はカル
ボニル基含有セルロースと非改質のパルプとの混合物の
水分散スラリーを抄紙・抄造した耐水紙であり、従来の
製紙技術による紙の高機能化とは異なる新規の機能紙と
言える。即ち、従来の紙の機能化方法は、機能性を付与
する薬剤を内添、外添(含浸)、塗工、或いはプラスチ
ックフィルムの貼り合せなどの方法であったが、本発明
の機能紙は、ベース基材である紙自体を改質することを
基本としている。
用のセルロース中のカルビノール基を酸化して、カルボ
ニル基(ケトン基やアルデヒド基、カルボキシル基)に
変換し、高い電荷極性とケトン基の高い疎水性から、強
固な水素結合や疎水結合を形成し、通常の紙よりも高い
繊維間力から、従来の湿潤強化紙以上の耐水性を付与す
ることが出来る。
(外添)剤、ラミネート用フィルムとは異なり石油資源
を全く使用せず、故紙再生処理も可能であり、自然界の
サイクルに沿った省資源、環境保全型の耐水紙と言え
る。
ロースを原料としてパルプモールド成形することによ
り、容器成形工程を必要とせず、また形状の自由度高
く、非効率的な外添やラミネートの工程が必要なく、耐
水性に優れた紙容器が得られる。
各種包装用紙、建装用紙、また保型性が必要な冷凍食品
用やテイクアウト用食品紙トレイ、紙カップ、段ボール
ライナー及び中芯原紙、インスタント食品用紙容器、化
粧紙、紙製育苗ポット等に使用が可能である。
リウムの消費量を過ヨウ素酸ナトリウムの特性吸収域に
おけるUV吸光度の測定により求めた消費曲線を示す図
である。
図である。
ミカルバジッド塩酸塩法により、定量分析を行った結果
を示す図である。
Claims (19)
- 【請求項1】セルロース骨格のカルビノール基が部分的
にカルボニル基に変換された繊維を含む事を特徴とする
耐水紙。 - 【請求項2】セルロース骨格のカルビノール基が部分的
にカルボニル基に変換されていない繊維と、セルロース
骨格のカルビノール基が部分的にカルボニル基に変換さ
れている繊維の両方を含む事を特徴とする耐水紙。 - 【請求項3】パルプ繊維中のセルロース骨格のカルビノ
ール基を部分的にカルボニル基に変換することを目的に
酸化剤を使用して得た酸化改質パルプを原料とし単体で
抄紙・抄造、或いは非改質のパルプと混抄したものであ
る事を特徴とする耐水紙。 - 【請求項4】セルロース粉末中のセルロース骨格のカル
ビノール基を部分的にカルボニル基に変換することを目
的に酸化剤を使用して得た酸化改質セルロースを非改質
のパルプと混抄した耐水紙。 - 【請求項5】請求項1から4何れかに記載のカルボニル
基含有パルプ繊維、又はカルボニル基含有セルロース粉
末の構成単位であるセルロース骨格でピラノース環の第
6位のカルビノール基が、酸化剤によりカルボニル基に
変換された構造を含んだ酸化改質パルプ、及び酸化改質
セルロースを原料とし抄紙・抄造、或いは非改質のパル
プと混抄した耐水紙。 - 【請求項6】請求項1から4何れかに記載のカルボニル
基含有パルプ繊維、又はカルボニル基含有セルロース粉
末の構成単位であるセルロース骨格でピラノース環の第
2位と第3位のカルビノール基が、酸化剤により両方或
いは片方がカルボニル基に変換された構造を含んだ酸化
改質パルプを原料とし抄紙・抄造、或いは非改質のパル
プと混抄した耐水紙。 - 【請求項7】請求項1から4何れかに記載のカルボニル
基含有パルプ繊維、又はカルボニル基含有セルロース粉
末の構成単位であるセルロース骨格でピラノース環の第
2位と第3位の炭素間が、酸化剤により開裂し、第2位
と第3位のカルビノール基が両方或いは片方がカルボニ
ル基に変換された構造を含んだ酸化改質パルプを原料と
し抄紙・抄造、或いは非改質のパルプと混抄した耐水
紙。 - 【請求項8】前記請求項1から7何れかに記載のカルボ
ニル基含有パルプ繊維又はカルボニル基含有セルロース
粉末の生成せしめる酸化剤として、過ヨウ素酸、或いは
過ヨウ素酸塩を用いる耐水紙。 - 【請求項9】カルボニル基が、ケトン基、アルデヒド
基、カルボキシル基のうち1種もしくは複数であるを特
徴とする請求項1から8何れかに記載の耐水紙。 - 【請求項10】前記請求項4かつ9記載のカルボニル基
含有パルプ繊維又はカルボニル基含有セルロース粉末の
カルボニル基が特にアルデヒド基である耐水紙。 - 【請求項11】パルプ繊維中のセルロース骨格のカルビ
ノール基を部分的にカルボニル基に変換することを目的
に酸化剤を使用して得た酸化改質パルプを原料とし単体
で抄紙・抄造、或いは非改質のパルプと混抄してセルロ
ース骨格のカルビノール基が部分的にカルボニル基に変
換された繊維を含む事を特徴とする耐水紙を製造する事
を特徴とする耐水紙の製造方法。 - 【請求項12】セルロース粉末中のセルロース骨格のカ
ルビノール基を部分的にカルボニル基に変換することを
目的に酸化剤を使用して得た酸化改質セルロースを非改
質のパルプと混抄してセルロース骨格のカルビノール基
が部分的にカルボニル基に変換された繊維を含む事を特
徴とする耐水紙を製造する事を特徴とする耐水紙の製造
方法。 - 【請求項13】請求項11、12何れかに記載のカルボ
ニル基含有パルプ繊維、又はカルボニル基含有セルロー
ス粉末の構成単位であるセルロース骨格でピラノース環
の第6位のカルビノール基が、酸化剤によりカルボニル
基に変換された構造を含んだ酸化改質パルプ、及び酸化
改質セルロースを原料とし抄紙・抄造、或いは非改質の
パルプと混抄してセルロース骨格のカルビノール基が部
分的にカルボニル基に変換された繊維を含む事を特徴と
する耐水紙を製造する事を特徴とする耐水紙の製造方
法。 - 【請求項14】請求項11、12何れかに記載のカルボ
ニル基含有パルプ繊維、又はカルボニル基含有セルロー
ス粉末の構成単位であるセルロース骨格でピラノース環
の第2位と第3位のカルビノール基が、酸化剤により両
方或いは片方がカルボニル基に変換された構造を含んだ
酸化改質パルプを原料とし抄紙・抄造、或いは非改質の
パルプと混抄してセルロース骨格のカルビノール基が部
分的にカルボニル基に変換された繊維を含む事を特徴と
する耐水紙を製造する事を特徴とする耐水紙の製造方
法。 - 【請求項15】請求項11、12何れかに記載のカルボ
ニル基含有パルプ繊維、又はカルボニル基含有セルロー
ス粉末の構成単位であるセルロース骨格でピラノース環
の第2位と第3位の炭素間が、酸化剤により開裂し、第
2位と第3位のカルビノール基が両方或いは片方がカル
ボニル基に変換された構造を含んだ酸化改質パルプを原
料とし抄紙・抄造、或いは非改質のパルプと混抄してセ
ルロース骨格のカルビノール基が部分的にカルボニル基
に変換された繊維を含む事を特徴とする耐水紙を製造す
る事を特徴とする耐水紙の製造方法。 - 【請求項16】前記請求項11から15何れかに記載の
カルボニル基含有パルプ繊維又はカルボニル基含有セル
ロース粉末の生成せしめる酸化剤として、過ヨウ素酸、
或いは過ヨウ素酸塩を用いる耐水紙の製造方法。 - 【請求項17】カルボニル基が、ケトン基、アルデヒド
基、カルボキシル基のうち1種もしくは複数であるを特
徴とする請求項11から16何れかに記載の耐水紙の製
造方法。 - 【請求項18】前記請求項17記載のカルボニル基含有
パルプ繊維又はカルボニル基含有セルロース粉末のカル
ボニル基が特にアルデヒド基である耐水紙の製造方法。 - 【請求項19】前記請求項1から10何れか記載の酸化
改質パルプ、或いは酸化改質セルロースを含む原料か
ら、湿式のパルプモールド成形手法により成形した紙容
器。
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