JP2006137462A - 消臭および抗菌機能を備えた収納ケース用板紙およびその製造方法 - Google Patents

消臭および抗菌機能を備えた収納ケース用板紙およびその製造方法 Download PDF

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雅三 吉川
Toshimasa Kaneko
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Abstract

【課題】段ボール箱や食品トレー等の収納ケースの素材となる板紙中に、消臭・抗菌繊維を添加混入して、該板紙を用いて製造される収納ケースに消臭および抗菌機能を付与する。
【解決手段】叩解したパルプ繊維3を用いて製造された収納ケース用板紙1において、木綿繊維、麻繊維またはレーヨン繊維にメタクリル酸をグラフト共重合されたセルロース繊維に銅イオンを吸着させることにより、消臭および抗菌機能を備えた消臭・抗菌繊維2を製造し、更に該消臭・抗菌繊維2を短繊維状として多数前記パルプ繊維3に添加混入して、収納ケース用板紙1を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、段ボール箱や卵や菓子等を載置する食品トレー等の収納ケースの素材となる消臭および抗菌機能を備えた収納ケース用板紙およびその製造方法に関し、特に、板紙の製造工程中において、パルプ繊維に消臭および抗菌機能を備えた消臭・抗菌繊維を添加混入した消臭および抗菌機能を備えた収納ケース用板紙およびその製造方法に関するものである。
従来、例えば、消臭および抗菌機能を備えた板紙で製造された収納ケースは、実用に供されていない。そして、過去の特許文献を遡及検索すると、下記の特許文献が公知である。
特開平10−181776号公報
前記特許文献1に開示されたものは、抗菌防虫成分としてのヒノキチオールと、ゲンノショウコ、ササ、ヨモギ等からの植物抽出消臭抗菌成分との有機質抗菌防虫消臭剤と、金属イオンを担体としたゼオライトまたはシリカである無機質抗菌剤とから成る抗菌防虫消臭薬剤を、ケースの内側および/または外側に散布または塗布して抗菌防虫消臭薬剤層を設けた収納ケースである。しかしながら、前記特許文献に開示された収納ケースは、その内側および/または外側に抗菌防虫消臭薬剤を散布または塗布しただけなので、抗菌防虫消臭薬剤層が使用状態によっては剥離して脱落してしまい、抗菌防虫消臭の機能を果たさないという課題があった。
本発明は、前記課題を解決すべくなされたもので、消臭および抗菌機能を備えた消臭・抗菌繊維が、段ボール箱や食品トレー等の収納ケースの素材となる板紙の製造工程中においてパルプ繊維中に添加混入されるので、該板紙を素材とする収納ケースにおいて、前記消臭・抗菌繊維が脱落することがなく、充分な消臭および抗菌機能を発揮すると共に、該消臭・抗菌繊維が多数板紙中に添加混入されることによって、前記消臭・抗菌繊維が板紙中のパルプ繊維と絡み合って補強の役目を果たすことができる消臭および抗菌機能を備えた収納ケース用板紙およびその製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、叩解したパルプ繊維を用いて製造された板紙を素材とする収納ケースにおいて、消臭および抗菌機能を備える消臭・抗菌繊維が、前記パルプ繊維に添加混入されるという手段を採用することにより、上記課題を解決した。
消臭・抗菌繊維が板紙中に添加混入されているので、該板紙を素材とする収納ケースは、前記消臭・抗菌繊維が脱落せず、充分な消臭および抗菌機能を発揮することができ、前記収納ケース内に収納された生鮮食料品等の収納物の消臭・抗菌を図ると共に、かびの発生を防止することができる。また、前記消臭・抗菌繊維が板紙中のパルプ繊維と絡み合って補強の役目を果たし、収納ケースの強度保持を図ることができる。更に、本発明板紙の消臭機能が低下しても、日光に当てる、乾燥する、等の方法により、消臭機能の回復が可能である。
本発明の実施例を詳細に説明する。段ボール箱や食品トレー等の収納ケースの素材となる板紙は、新聞、雑誌等の古紙をリサイクルした再生パルプ、または木材チップより成るバージンパルプのいずれからも製造することができる。
古紙をリサイクルする場合、新聞、雑誌など、回収された古紙を、離解装置を用いて水中で離解し、単繊維状とし、次いで製本に用いられたプラスチック、金属類や離解されにくく、紙片等の種々の夾雑物を除去し、更に脱墨工程で印刷インキを除いて再生パルプとする。以下、バージンパルプを使用する製紙工程と同様、前記再生パルプを水に浸し、パルプ繊維をほぐして叩き、擦り潰す作業(叩解)の後、該叩解した再生パルプに、必要に応じて、着色のための染料や、防湿のための樹脂等の添加物を添加混合して混合溶液とした後に、抄紙、乾燥、不要部分切断等の工程を経て板紙が製造される。なお、バージンパルプの場合も、前記叩解工程の後は、同一工程であるので、説明を省略する。
本発明は、前記叩解したパルプ(以下、「再生パルプ」および「バージンパルプ」を「パルプ」という)に、染料や樹脂等の添加物を添加混合して混合溶液とする工程において、消臭および抗菌機能を備える消臭・抗菌繊維を短繊維状に解砕して、添加混入して混抄することにより、板紙を製造し、その後、該板紙を素材として所定の段ボール箱や食品トレー等の収納ケースを製造する。
なお、卵等、食品の形状に合わせて収納する収納ケースである食品トレーは、前記パルプの混合溶液中に短繊維状の消臭・抗菌繊維を添加混入して、食品の形状に合わせて複数の凹部を設けた型に流し込んで成型して食品トレーを製造する。
前記解砕して短繊維状とした消臭・抗菌繊維は、特に限定する必要はないが、原料となるパルプ繊維、染料および樹脂等の添加物を添加混合した混合溶液に対して10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%、特に好ましくは20重量%を添加混入することが推奨される。そして、原料であるパルプ繊維、染料および樹脂等の混合溶液中に、前記消臭・抗菌繊維を添加混入した後、該消臭・抗菌繊維が前記混合溶液中に均等に分散するまで充分に攪拌して、混合溶液を抄紙することにより、収納ケースの素材となる板紙を製造する。
前記消臭および抗菌機能を備える消臭・抗菌繊維は、特に限定する必要はないが、好ましくは、特許第3239146号として開示された消臭機能を有するセルロース繊維に、抗菌性を保有するために、銅イオンを吸着させたものを使用することが推奨される。前記消臭機能を備えた繊維は、代表的には、木綿繊維、麻繊維またはレーヨン繊維にメタクリル酸をグラフト共重合されたセルロース繊維である。
前記消臭機能を備えた繊維は、カルボキシル基を導入するために、過酸化水素と二価鉄塩を含む水溶液中において、セルロース繊維にメタクリル酸をグラフト共重合させるという方法を用いることによって製造される繊維である。
そして、前記方法によって得られたセルロース繊維は、その分子中にカルボキシル基を導入したことから、親水性が向上すると共に、アンモニアやアミン、屎尿臭等の塩基性悪臭物質に対する吸着性に優れたもので、消臭性繊維としての作用を示す。更に、前記セルロース繊維は、種々の金属イオンを捕捉する効果を有するため、抗菌作用を有する銅イオンを吸着させることによって、本発明で使用する消臭および抗菌の両機能を備えた消臭・抗菌繊維を得ることができる。
而して、悪臭(アンモニア、アミン)は、蛋白質の分解から発生する。前記蛋白質はα−アミノ酸が酸アミド結合、いわゆるペプチド結合によって相互に結合した高分子含窒素化合物であり、その主成分のα−アミノ酸の化学構造式は、RCH(NH)COOHでアミノ基とカルボキシル基が共存している。
そして、前記α−アミノ酸は、生体内で一般に酸化的に脱アミノ化されてαケト酸とアンモニアに分解して悪臭を発生する。これを化学結合式で表せば、RCH(NH)COOH→RCOCOOH+NHとなる。また、あるバクテリアは、α−アミノ酸を脱炭酸せしめてアミンを形成して悪臭を発生する。これを化学結合式で表せば、RCH(NH)COOH+H→RCHNH+HCOとなる。
一方、前記α−アミノ酸は金属塩と錯塩を形成し、且つ両性化合物であるので、酸・アルカリいずれとも結合し塩を作る。前記製造方法によって得られたセルロース繊維は、これら蛋白質の分解から発生する悪臭(アンモニア、アミン)とよく化学結合(中和反応)して消臭効果を発揮する。アンモニアの中和反応を化学結合式で表せば、−COOH+NH→−COONHとなり、アンモニアを脱臭する。
また、前記消臭機能を備えたセルロース繊維に銅イオンを吸着させることにより抗菌機能が付与される。前記銅イオンは、黄色ぶどう球菌、大腸菌に対して抗菌効果があることが知られている。
図1は、本発明板紙1の縦断面図であり、短繊維状に形成された多数の消臭・抗菌繊維2がパルプ繊維3中に絡み合って混抄されている。
次に、本発明板紙を用いて段ボール箱を製造し、その抗菌性試験をした結果を表1・表2に示す。表1は、黄色ぶどう球菌に対するもので、表2は大腸菌に対するものである。試験は、「財団法人 日本紡績検査協会 近畿事業所」で行った。
前記抗菌性試験は、一般的にはJIS L 1902定量試験で評価する。この方法は、抗菌加工試料、無加工試料(標準白布)それぞれに一定量の黄色ぶどう球菌・大腸菌を接触し、37℃で18時間培養する。培養後、菌数を測定し、無加工試料と抗菌加工試料との差(静菌活性値という)で抗菌効果を評価する。
また、その評価基準値は、JAFET(繊維製品新機能評価協議会)では、抗菌加工の基準値を以下の通りとしている。
1.抗菌効果 JIS L 1902定量試験で静菌活性値が2.2以上(オリジナルと洗濯10回後)
すなわち、抗菌試験の結果、静菌活性値が2.2以上であれば、抗菌試験試料は、抗菌性ありと判定される。
Figure 2006137462
Figure 2006137462
前記表1・表2の抗菌性試験の結果、本発明板紙中に混抄されている消臭・抗菌繊維中の銅イオンの作用により、本発明板紙は、黄色ぶどう球菌および大腸菌に対して、抗菌性を有することが確認できた。前記抗菌性を有する結果、防かび性も当然有していると考えられる。なお、本発明板紙の消臭性については、原料となるセルロース繊維にカルボキシル基を導入してあるため、前記特許第3239146号公報にも記載されているように、当然消臭性を有しているため、消臭性試験は省略した。
本発明板紙の消臭機能は、悪臭物質との中和反応が進めば低下するが、日光に当てる、乾燥する、等の方法により機能回復が可能である。しかしながら、抗菌機能は、長期間使用すると消滅し、日光に当てたり、乾燥したり等しても回復しない。従って、本発明板紙は、前記機能を考慮して、収納物に応じて適宜使用すればよい。
本発明板紙の縦断面図である。
符号の説明
1: 板紙
2: 消臭・抗菌繊維
3: パルプ繊維

Claims (4)

  1. 叩解したパルプ繊維を用いて製造される板紙を素材とする収納ケースにおいて、消臭および抗菌機能を備える消臭・抗菌繊維が、前記パルプ繊維に添加混入されていることを特徴とする消臭および抗菌機能を備えた収納ケース用板紙。
  2. 前記消臭・抗菌繊維が、木綿繊維、麻繊維またはレーヨン繊維にメタクリル酸をグラフト共重合されたセルロース繊維であり、且つ該セルロース繊維に銅イオンを吸着させたことを特徴とする請求項1に記載の収納ケース用板紙。
  3. 前記消臭・抗菌繊維が、過酸化水素と二価鉄塩を含む水溶液中においてメタクリル酸をグラフト共重合されたセルロース繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の収納ケース用板紙。
  4. 叩解したパルプ繊維に染料や樹脂等の添加物を添加混合して混合溶液とする工程において、メタクリル酸をグラフト共重合すると共に、銅イオンを吸着させて製造された、消臭および抗菌機能を備える短繊維状に解砕したセルロース繊維を、前記パルプ繊維に対して10〜30重量%添加混入して製造された板紙を素材とすることを特徴とする消臭および抗菌機能を備えた収納ケース用板紙の製造方法。
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