JPH11189569A - ジアルキルフタレートの製造方法 - Google Patents

ジアルキルフタレートの製造方法

Info

Publication number
JPH11189569A
JPH11189569A JP35737597A JP35737597A JPH11189569A JP H11189569 A JPH11189569 A JP H11189569A JP 35737597 A JP35737597 A JP 35737597A JP 35737597 A JP35737597 A JP 35737597A JP H11189569 A JPH11189569 A JP H11189569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
reactor
reaction
phthalic anhydride
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35737597A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Murase
和夫 村瀬
Nobuo Toratani
信雄 虎谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP35737597A priority Critical patent/JPH11189569A/ja
Publication of JPH11189569A publication Critical patent/JPH11189569A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無水フタル酸とアルコールとを反応させて可
塑剤であるジアルキルフタレートを製造するに際し、短
時間で且つ少ないエネルギー消費で反応を行う。 【解決手段】 無水フタル酸は溶融状態で、またアルコ
ールは反応器内での沸点ないしはこれよりも20℃低い
温度範囲まで予熱して、反応器に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無水フタル酸とアル
コールとから、可塑剤であるジアルキルフタレートを製
造する方法に関するものである。特に本発明はエネルギ
ー消費量が少なく、かつ生産性のよいジアルキルフタレ
ートの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂の代表的な可塑剤である
フタル酸エステル類、例えばジオクチルフタレート、ジ
イソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート等は、
無水フタル酸とそれぞれのアルコールとを原料に、回分
方式で大量に生産されている。例えば最も一般的な可塑
剤であるジオクチルフタレートは、反応器に無水フタル
酸とこれに対して2倍モルよりも多くの2−エチルヘキ
サノールとを仕込み、加熱して約220℃で反応させ
る。触媒としてはアルキルチタネート、例えばテトライ
ソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テト
ラオクチルチタネートなどが用いられる。反応により生
成した水は2−エチルヘキサノールと共に蒸発させて反
応器から除去する。この蒸気は反応器外で凝縮させて水
と2−エチルヘキサノールとに分離し、2−エチルヘキ
サノールは反応器に還流させる。無水フタル酸のジオク
チルフタレートへの転化が相当に進んだ時点、例えば転
化率が約80%に達した時点から、反応器内を徐々に減
圧にして水の除去を促進することにより反応を更に進行
させ、最終的に無水フタル酸のジオクチルフタレートへ
の転化率が99.9%以上、好ましくは99.95%以
上のジオクチルフタレートを製品として取得する。この
間に反応器から蒸発させて回収した2−エチルヘキサノ
ールは、新しい2−エチルヘキサノールと共に次回の反
応に用いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如くアルコール
と無水フタル酸とからのフタル酸エステルの製造は回分
式で行われているので、本来的にあまり生産性が良くな
い。従って反応時間及び反応に引続く後処理時間を如何
に短縮するかが重要な課題である。また、この反応は上
述の如くアルコールの還流下に高温で行われるので、反
応の間は外部からエネルギーを供給して反応温度を維持
しなければならない。このエネルギー消費を低減させる
ことも重要な課題である。従って本発明は、反応時間が
短く、かつエネルギー消費の少ないジアルキルフタレー
トの製造法を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、反応器
に無水フタル酸とこれに対して2倍モルより多くのアル
コールとを供給し、反応により生成する水をアルコール
と共に蒸発させて除去しつつ反応させ、最終的に過剰の
アルコールを蒸発させて回収すると共にジアルキルフタ
レートを製品として取得するジアルキルフタレートの製
造方法において、反応器に無水フタル酸を溶融状態で供
給し、かつアルコールを反応器内の圧力下における沸点
ないしはこれよりも20℃低い温度範囲まで加熱して供
給することにより、短時間で、かつ低減されたエネルギ
ー消費で、ジアルキルフタレートを製造することができ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において詳細に説明する
に、本発明では、従来法と同じく、無水フタル酸とこれ
に対し2倍モルより過剰のアルコールとを反応器に供給
し、アルコールの還流下に反応を行わせる。アルコール
としては2−エチルヘキサノール、イソノニルアルコー
ル、イソデシルアルコール等が用いられる。最も一般的
な2−エチルヘキサノールを用いる場合には、無水フタ
ル酸1モルにつき通常は2.2〜2.7モルの2−エチ
ルヘキサノールを仕込み、約220℃で反応を行わせ
る。反応温度が高いほど反応は速やかに進行するが、他
方において反応温度が高過ぎると生成するジオクチルフ
タレートの品質が低下するので、反応温度は220℃程
度が適当である。反応圧力は常圧ないしは若干の加圧、
例えば1000トール程度が適当である。但し反応の後
期では、水分の除去を促進して反応を完結させるため、
漸次減圧して行く。エステル化触媒としては、テトライ
ソプロピルチタネートなど常用のものを用いればよい。
【0006】本発明では反応器への無水フタル酸及びア
ルコールの供給を、無水フタル酸は溶融状態で、アルコ
ールは反応器の圧力下での沸点ないしはこれよりも20
℃低い温度範囲まで予熱して行う。本発明者らの検討に
よれば、ジアルキルフタレートの製造においては、反応
器内の温度をできるだけ速やかに反応温度にまで上昇さ
せることが、反応時間の短縮及びエネルギー消費の低減
にとって重要である。反応器内の温度が低いと、温度が
低いこと自体により反応速度が低下することに加えて、
反応により生成した水分の除去が遅延して反応器内の水
分濃度が高まり、反応の進行が阻害されるので、反応速
度はさらに低下する。本発明では反応器に仕込む原料を
予熱しておくことにより、反応器内の温度を速やかに反
応温度にまで上昇させる。無水フタル酸は溶融状態で反
応器に供給する。無水フタル酸は高温にさらされると着
色し易いので、無水フタル酸は150℃程度までの加熱
に止めるのが好ましい。これに対しアルコールは、反応
器の圧力下での沸点にできるだけ近くまで、すなわち沸
点ないしは沸点から20℃、好ましくは10℃低い温度
の範囲まで予熱する。エステル化反応は通常は撹拌槽型
反応器を用いて行われるので、反応器に付設されている
加熱装置を用いるよりも、外部の加熱装置の方が、一般
に大きな伝熱係数で加熱することができる。
【0007】前述の如く、ジアルキルフタレートの製造
ではアルコールは無水フタル酸に対して化学量論量より
過剰に用い、過剰のアルコールは回収して次回の反応に
用いるが、この回収アルコールは水その他の低沸点成分
を含んでいて、新しく反応に供給されるアルコールより
も沸点が相当に低い。従って回収アルコールと新たに供
給されるアルコールとは別々に予熱して反応器に供給す
るのが好ましい。反応器に供給されるアルコールの大部
分は新たに供給されるものなので、この新たに供給され
るアルコールを本発明で規定する温度範囲まで予熱して
供給し、回収アルコールは、水その他の低沸点成分の含
有量により沸点が変動するので、本発明で規定する温度
範囲に拘泥することなく、操作上の安定性を見込んで予
め定めた温度まで予熱して供給するようにしてもよい。
【0008】ジオクチルフタレートの製造に際して、2
−エチルヘキサノールの予熱温度により、反応時間及び
予熱を含めたエネルギー消費量がどのように変化するか
の1例を示すと、無水フタル酸に対して2.5倍モルの
2−エチルヘキサノールを供給して、常圧下、220℃
で反応させ、無水フタル酸のジオクチルフタレートへの
転化率が約80%に達した時点からほぼ0.1トール/
秒の速度で反応器内を減圧にして行き、最終的に転化率
99.98%以上の製品を取得する場合には、他の操作
条件によっても変化するが、無水フタル酸を148℃、
回収2−エチルヘキサノールを140℃で供給するもの
とすると、新たな2−エチルヘキサノールを175℃で
反応器に供給した場合に比し、新たな2−エチルヘキサ
ノールを150℃で供給した場合には、反応所要時間は
1.3%、反応器に供給するエネルギー量は、予熱温度
差に基づく分を除外しても、2%それぞれ増加する。同
じく、新たな2−エチルヘキサノールを120℃で供給
した場合には、反応所要時間は8.8%、反応器に供給
するエネルギーは13.2%それぞれ増加する。本発明
によれば、反応原料を許容範囲内でできるだけ高温に予
熱して、すなわち無水フタル酸は溶融状態で、アルコー
ルは反応器の圧力下での沸点から20℃低い温度範囲ま
で加熱して反応器に供給することにより、反応時間を短
縮し、かつ反応消費エネルギーを低減させることができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応器に無水フタル酸とこれに対して2
    倍モルより多くのアルコールとを供給し、反応により生
    成する水をアルコールと共に蒸発させて除去しつつ反応
    させ、最終的に過剰のアルコールを蒸発させて回収する
    と共にジアルキルフタレートを製品として取得するジア
    ルキルフタレートの製造方法において、反応器に無水フ
    タル酸を溶融状態で供給し、かつアルコールを反応器内
    の圧力下における沸点ないしはこれよりも20℃低い温
    度範囲まで加熱して供給することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 反応器に無水フタル酸とこれに対して2
    倍モルより多くのアルコールとを供給し、反応により生
    成する水をアルコールと共に蒸発させて除去しつつ反応
    させ、最終的に過剰のアルコールを蒸発させて除去する
    と共にジアルキルフタレートを製品として取得するジア
    ルキルフタレートの製造方法において、反応器に無水フ
    タル酸を溶融状態で供給し、かつ先の反応において回収
    されたアルコールと新たなアルコールとを、それぞれ反
    応器内の圧力下における沸点ないしはこれよりも20℃
    低い温度範囲まで加熱して供給することを特徴とする方
    法。
  3. 【請求項3】 アルコールが2−エチルヘキサノールで
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
JP35737597A 1997-12-25 1997-12-25 ジアルキルフタレートの製造方法 Pending JPH11189569A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35737597A JPH11189569A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 ジアルキルフタレートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35737597A JPH11189569A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 ジアルキルフタレートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11189569A true JPH11189569A (ja) 1999-07-13

Family

ID=18453813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35737597A Pending JPH11189569A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 ジアルキルフタレートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11189569A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6916950B2 (en) 2000-09-05 2005-07-12 Oxeno Olefinchemie Gmbh Process for preparing carboxylic esters
JP2007153814A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Mitsubishi Chemicals Corp ジカルボン酸ジエステルの製造方法
JP2010520902A (ja) * 2007-03-13 2010-06-17 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク エステルの製造方法
JP2012512231A (ja) * 2008-12-16 2012-05-31 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア アルコール蒸気によるストリッピング下にカルボン酸エステルを製造する方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6916950B2 (en) 2000-09-05 2005-07-12 Oxeno Olefinchemie Gmbh Process for preparing carboxylic esters
JP2007153814A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Mitsubishi Chemicals Corp ジカルボン酸ジエステルの製造方法
JP2010520902A (ja) * 2007-03-13 2010-06-17 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク エステルの製造方法
US8884048B2 (en) 2007-03-13 2014-11-11 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Process for producing esters
JP2012512231A (ja) * 2008-12-16 2012-05-31 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア アルコール蒸気によるストリッピング下にカルボン酸エステルを製造する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07165753A (ja) ラクチドの精製方法
JPS59106435A (ja) 高純度テレフタル酸の製法
JPH0331190B2 (ja)
JPH11189569A (ja) ジアルキルフタレートの製造方法
CN104529935B (zh) 2‑(3‑醛基‑4‑异丁氧基苯基)‑4‑甲基噻唑‑5‑甲酸乙酯的合成方法
EP0872470A3 (en) Process for producing 2,6-naphthalenedicarboxyl acid
JP2004115461A (ja) 3−メチルチオプロパナールの製造方法
JPS6013740A (ja) テトラカルボン酸の製造方法
JP2005306759A (ja) テレフタル酸ジエステルの製造方法
JP3986817B2 (ja) カプロラクタム製造工程で発生するアルカリ性廃液より炭素原子数4〜6のジカルボン酸のエステル類を製造する方法
JPS6157308B2 (ja)
JP2006028066A5 (ja)
CN104292121A (zh) 一种减少邻甲基-n-乙酰乙酰苯胺生产中副产物的方法
JPS58113173A (ja) 過カルボン酸の製造法
JPH11246486A (ja) ジアルキルフタレートの製造方法
JPS58105946A (ja) アミノブタノ−ルエステル誘導体の製法
JP2000072719A (ja) 2−ヒドロキシイソ酪酸アリルの製造方法
JPS6016436B2 (ja) ε−カプロラクトンの精製法
JPS61130282A (ja) ベンゾフラニルカ−バメ−トの製造法
JPH03181440A (ja) アクリル酸の蒸留精製方法
JPS6155501B2 (ja)
JP3963607B2 (ja) トリフルオロメタンスルホニルクロリドの製造方法
JPH055770B2 (ja)
JP2005089359A (ja) [4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]メチルアクリレート
JPH06263725A (ja) N−メチル−2−ピロリドンの精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20060418

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070109