JPH1118953A - 起立状態で缶を加熱する方法と加熱装置 - Google Patents
起立状態で缶を加熱する方法と加熱装置Info
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- JPH1118953A JPH1118953A JP20701697A JP20701697A JPH1118953A JP H1118953 A JPH1118953 A JP H1118953A JP 20701697 A JP20701697 A JP 20701697A JP 20701697 A JP20701697 A JP 20701697A JP H1118953 A JPH1118953 A JP H1118953A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 静止状態で短時間に缶体を傷めることなく、
加熱する方法と装置を提供する。 【解決手段】 缶を静止した起立状態で載置する支持基
板と、該基板に配置した缶接地径と同一か大きいコイル
径の高周波誘導加熱コイルと、缶内容物と内容量に応じ
た高周波発振出力と加熱時間を記憶する記憶装置と缶底
の温度を検出し高周波出力を制御して缶底の温度を12
0〜180℃に保つ制御装置とからなる、起立状態で缶
を加熱する加熱装置とこの装置を用いて缶を加熱する方
法である。
加熱する方法と装置を提供する。 【解決手段】 缶を静止した起立状態で載置する支持基
板と、該基板に配置した缶接地径と同一か大きいコイル
径の高周波誘導加熱コイルと、缶内容物と内容量に応じ
た高周波発振出力と加熱時間を記憶する記憶装置と缶底
の温度を検出し高周波出力を制御して缶底の温度を12
0〜180℃に保つ制御装置とからなる、起立状態で缶
を加熱する加熱装置とこの装置を用いて缶を加熱する方
法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は飲料や食品を内蔵し
た缶を高周波誘導加熱コイルにより加熱する方法と装置
に関する。さらに詳しくは飲料等を内蔵した缶を起立状
態で底部から加熱する方法と装置に関する。
た缶を高周波誘導加熱コイルにより加熱する方法と装置
に関する。さらに詳しくは飲料等を内蔵した缶を起立状
態で底部から加熱する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は飲料などを内蔵した缶は高周波誘
導加熱コイルを缶胴の一部を囲うか、もしくは全周を囲
う形状にして缶を回転しながら加熱されていた。缶を回
転するのは缶胴から加熱するため内容液の対流を促すこ
とと缶胴が加熱オーバーで焦げないようにするためであ
った。しかしながら、缶を回転しながら加熱すると缶胴
の仕上げ塗料や、印刷が擦れて特に加熱されて温度が高
いと剥げたり変色したりする問題が発生する。また、回
転装置が必要であり、装置が複雑となり大形化する欠点
があった。さらに、缶胴から高周波誘導加熱コイルで加
熱する場合缶胴の形状により加熱が不均一となる問題が
あった。
導加熱コイルを缶胴の一部を囲うか、もしくは全周を囲
う形状にして缶を回転しながら加熱されていた。缶を回
転するのは缶胴から加熱するため内容液の対流を促すこ
とと缶胴が加熱オーバーで焦げないようにするためであ
った。しかしながら、缶を回転しながら加熱すると缶胴
の仕上げ塗料や、印刷が擦れて特に加熱されて温度が高
いと剥げたり変色したりする問題が発生する。また、回
転装置が必要であり、装置が複雑となり大形化する欠点
があった。さらに、缶胴から高周波誘導加熱コイルで加
熱する場合缶胴の形状により加熱が不均一となる問題が
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】回転を必要とする装置
の複雑、大形化や印刷の剥がれを解消し、また、静止状
態で缶を加熱する方法及び装置を提供する。
の複雑、大形化や印刷の剥がれを解消し、また、静止状
態で缶を加熱する方法及び装置を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. 缶を載置する支持基板に缶接地径と同一か大き
いコイル径の高周波誘導加熱コイルを配置し、該コイル
の上の位置の支持基板に缶を底を下にして載置し、高周
波誘導加熱コイルに通電し高周波発振出力を制御して缶
底の接地部付近の温度を120〜180℃に保って静止
した起立状態の缶の底部より高周波誘導加熱することを
特徴とする、起立状態で缶を加熱する方法。 2. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
表面に配置した、1項に記載された起立状態で缶を加熱
する方法。 3. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
裏面に配置した、1項に記載された起立状態で缶を加熱
する方法。 4. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
内部に配置した、1項に記載された起立状態で缶を加熱
する方法。 5. 缶を載置する支持基板が加熱ケースに内蔵されて
いる、1項または2項に記載された起立状態で缶を加熱
する方法。 6. 缶内容物と内容量に応じた高周波発振出力と加熱
時間を記憶する記憶装置からの出力により、高周波出力
を制御して缶底の温度を120〜180℃に保つ、1項
ないし5項のいずれか1項に記載された起立状態で缶を
加熱する方法。 7. 缶を静止した起立状態で載置する支持基板と、該
基板に配置した缶接地径と同一か大きいコイル径の高周
波誘導加熱コイルと、缶内容物と内容量に応じた高周波
発振出力と加熱時間を記憶する記憶装置と缶底の温度を
検出し高周波出力を制御して缶底の温度を120〜18
0℃に保つ制御装置とからなる、起立状態で缶を加熱す
る加熱装置。 8. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
表面に配置した、7項に記載された起立状態で缶を加熱
する加熱装置。 9. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
裏面に配置した、7項に記載された起立状態で缶を加熱
する加熱装置。 10. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板
の内部に配置した、7項に記載された起立状態で缶を加
熱する加熱装置。 11. 缶を載置する支持基板が加熱ケースに内蔵され
ている、7項ないし10項のいずれか1項に記載された
起立状態で缶を加熱する加熱装置。 12. 缶を起立状態で載置する支持基板が複数段設置
された、7項ないし11項のいずれか1項に記載された
起立状態で缶を加熱する加熱装置。 13. 缶底の温度を検出する温度センサが缶底に接触
して配置されている、7項ないし12項のいずれか1項
に記載された起立状態で缶を加熱する加熱装置。」に関
する。
いコイル径の高周波誘導加熱コイルを配置し、該コイル
の上の位置の支持基板に缶を底を下にして載置し、高周
波誘導加熱コイルに通電し高周波発振出力を制御して缶
底の接地部付近の温度を120〜180℃に保って静止
した起立状態の缶の底部より高周波誘導加熱することを
特徴とする、起立状態で缶を加熱する方法。 2. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
表面に配置した、1項に記載された起立状態で缶を加熱
する方法。 3. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
裏面に配置した、1項に記載された起立状態で缶を加熱
する方法。 4. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
内部に配置した、1項に記載された起立状態で缶を加熱
する方法。 5. 缶を載置する支持基板が加熱ケースに内蔵されて
いる、1項または2項に記載された起立状態で缶を加熱
する方法。 6. 缶内容物と内容量に応じた高周波発振出力と加熱
時間を記憶する記憶装置からの出力により、高周波出力
を制御して缶底の温度を120〜180℃に保つ、1項
ないし5項のいずれか1項に記載された起立状態で缶を
加熱する方法。 7. 缶を静止した起立状態で載置する支持基板と、該
基板に配置した缶接地径と同一か大きいコイル径の高周
波誘導加熱コイルと、缶内容物と内容量に応じた高周波
発振出力と加熱時間を記憶する記憶装置と缶底の温度を
検出し高周波出力を制御して缶底の温度を120〜18
0℃に保つ制御装置とからなる、起立状態で缶を加熱す
る加熱装置。 8. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
表面に配置した、7項に記載された起立状態で缶を加熱
する加熱装置。 9. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板の
裏面に配置した、7項に記載された起立状態で缶を加熱
する加熱装置。 10. 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支持基板
の内部に配置した、7項に記載された起立状態で缶を加
熱する加熱装置。 11. 缶を載置する支持基板が加熱ケースに内蔵され
ている、7項ないし10項のいずれか1項に記載された
起立状態で缶を加熱する加熱装置。 12. 缶を起立状態で載置する支持基板が複数段設置
された、7項ないし11項のいずれか1項に記載された
起立状態で缶を加熱する加熱装置。 13. 缶底の温度を検出する温度センサが缶底に接触
して配置されている、7項ないし12項のいずれか1項
に記載された起立状態で缶を加熱する加熱装置。」に関
する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で缶を静止した起立状態で
加熱するのは缶胴の印刷等を損傷させないことと加熱を
均一に行うためである。缶を立てて静止した状態で缶底
から誘導加熱コイルで加熱すると、缶底の金属が加熱さ
れ、その熱が伝導して缶底近傍の内容液が加熱され、上
方の冷たい内容液との間で対流が生じて全体的に均一に
昇温する。
加熱するのは缶胴の印刷等を損傷させないことと加熱を
均一に行うためである。缶を立てて静止した状態で缶底
から誘導加熱コイルで加熱すると、缶底の金属が加熱さ
れ、その熱が伝導して缶底近傍の内容液が加熱され、上
方の冷たい内容液との間で対流が生じて全体的に均一に
昇温する。
【0006】誘導加熱コイルの大きさが小さい場合、加
熱面積が小さくなりすぎるためエネルギー密度が高くな
り、部分的に缶底の金属の温度が高くなりすぎることが
あり、極端に塗料が焦げたり、3ピース缶体の場合は巻
締め部のコンパウンドが溶け出したりする。また、コイ
ル径が小さいと効率が悪い上に缶の径により加熱条件の
差が大きくなる。そこで、加熱コイルの大きさは缶の接
地径とほぼ同径かそれより大きくすることが好ましい。
接地径とは缶体の缶底における最大円周凸部分を言う。
熱面積が小さくなりすぎるためエネルギー密度が高くな
り、部分的に缶底の金属の温度が高くなりすぎることが
あり、極端に塗料が焦げたり、3ピース缶体の場合は巻
締め部のコンパウンドが溶け出したりする。また、コイ
ル径が小さいと効率が悪い上に缶の径により加熱条件の
差が大きくなる。そこで、加熱コイルの大きさは缶の接
地径とほぼ同径かそれより大きくすることが好ましい。
接地径とは缶体の缶底における最大円周凸部分を言う。
【0007】加熱コイルに近い缶底の接地部付近が缶底
の中で最も加熱される部位となる。その部分の温度が例
えば180℃を超えると塗料は焦げやすくなり、ラミネ
ート缶であればフイルムが溶け始める。また120℃以
下では内容物の加温時間が悪くなる。したがって、缶底
の接地部付近の温度を監視してその温度を適切な範囲に
保つように高周波発振出力を制御すれば効率よく缶を加
熱することができる。したがって缶接地部付近の加熱温
度を120℃〜180℃に保つことが必要である。
の中で最も加熱される部位となる。その部分の温度が例
えば180℃を超えると塗料は焦げやすくなり、ラミネ
ート缶であればフイルムが溶け始める。また120℃以
下では内容物の加温時間が悪くなる。したがって、缶底
の接地部付近の温度を監視してその温度を適切な範囲に
保つように高周波発振出力を制御すれば効率よく缶を加
熱することができる。したがって缶接地部付近の加熱温
度を120℃〜180℃に保つことが必要である。
【0008】缶径や缶高さによる内容量が異なる場合
と、内容物特にミルク入りや粘度が異なる場合等により
温度上昇を同じとした場合、高周波発振出力と時間の関
係が変わる。そこで、内容量や内容物が決められれば高
周波発振出力と加熱時間が決まるように内容量、内容
物、高周波発振出力、加熱時間を組み合わせて定めた処
理条件を記憶させた記憶装置を組み込み使用時に処理条
件を選択することにより効率よく缶を加熱することがで
きる。
と、内容物特にミルク入りや粘度が異なる場合等により
温度上昇を同じとした場合、高周波発振出力と時間の関
係が変わる。そこで、内容量や内容物が決められれば高
周波発振出力と加熱時間が決まるように内容量、内容
物、高周波発振出力、加熱時間を組み合わせて定めた処
理条件を記憶させた記憶装置を組み込み使用時に処理条
件を選択することにより効率よく缶を加熱することがで
きる。
【0009】
【実施例】図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0010】図1は本発明の説明図であり、1は加熱さ
れる缶である。2は缶の底に配置された高周波誘導加熱
コイルである。加熱コイルの形状は偏平な渦巻き形コイ
ルが好適である。この形は製作しやすく小型にできる。
加熱コイルは接地径とほぼ同じかそれ以上の径が必要で
あり、この例では缶の接地径より径が大となっている。
3は高周波発振器であってその出力は200Wから2K
wが好ましい。また、高周波発振周波数はアルミ缶も考
慮して、5kHzから200kHzが好適である。4は
内容物量、内容物設定器であり、内容量と内容物を選択
することにより、パワー、加熱時間記憶装置の所定のデ
ータを選択する装置である。5はパワー、加熱時間記憶
装置であって、内容量、内容物設定器4から指定されて
その条件にあったパワーと加熱時間設定をパワーコント
ローラに出力する装置である。缶底温度も記憶する。6
は、パワーコントローラであり、パワー、加熱時間記憶
装置5からの指示によって作動し、所定の出力で所定の
時間だけ高周波発振器を作動させる装置である。温度セ
ンサ7は缶の缶底の最も加熱される部分の近傍に接触さ
せ、缶底の温度を監視するセンサである。温度センサは
熱電対やサーミスター、抵抗体素子等が好適である。温
度比較器8は温度センサ7が検出した温度と上限温度と
を比較し、それにより大きくなるときにはパワーコント
ローラ6へ信号を出力し、パワーを低下させるなどの制
御を行う装置である。上限温度は内容物等で若干変わる
ためパワー、加熱時間記憶装置5から缶底温度のデータ
が送り込まれる。上限温度は内容量、内容物により異な
るが120℃から200℃の範囲になる。これらの構成
からスタートさせることにより缶は自動的に缶体等を傷
めることなく適温、約55℃に加熱することができる。
この適温とは人の手で持つことができかつ飲み頃の温度
を言う。その温度範囲は55℃±5℃程度である。
れる缶である。2は缶の底に配置された高周波誘導加熱
コイルである。加熱コイルの形状は偏平な渦巻き形コイ
ルが好適である。この形は製作しやすく小型にできる。
加熱コイルは接地径とほぼ同じかそれ以上の径が必要で
あり、この例では缶の接地径より径が大となっている。
3は高周波発振器であってその出力は200Wから2K
wが好ましい。また、高周波発振周波数はアルミ缶も考
慮して、5kHzから200kHzが好適である。4は
内容物量、内容物設定器であり、内容量と内容物を選択
することにより、パワー、加熱時間記憶装置の所定のデ
ータを選択する装置である。5はパワー、加熱時間記憶
装置であって、内容量、内容物設定器4から指定されて
その条件にあったパワーと加熱時間設定をパワーコント
ローラに出力する装置である。缶底温度も記憶する。6
は、パワーコントローラであり、パワー、加熱時間記憶
装置5からの指示によって作動し、所定の出力で所定の
時間だけ高周波発振器を作動させる装置である。温度セ
ンサ7は缶の缶底の最も加熱される部分の近傍に接触さ
せ、缶底の温度を監視するセンサである。温度センサは
熱電対やサーミスター、抵抗体素子等が好適である。温
度比較器8は温度センサ7が検出した温度と上限温度と
を比較し、それにより大きくなるときにはパワーコント
ローラ6へ信号を出力し、パワーを低下させるなどの制
御を行う装置である。上限温度は内容物等で若干変わる
ためパワー、加熱時間記憶装置5から缶底温度のデータ
が送り込まれる。上限温度は内容量、内容物により異な
るが120℃から200℃の範囲になる。これらの構成
からスタートさせることにより缶は自動的に缶体等を傷
めることなく適温、約55℃に加熱することができる。
この適温とは人の手で持つことができかつ飲み頃の温度
を言う。その温度範囲は55℃±5℃程度である。
【0011】実施例1 使用した缶は接地部の径が46mmであるフイルムをラ
ミネートしたスチール製2ピース缶体に190gの水を
充填した缶である。加熱コイルは外径が59mm、内径
が18mmの4mm径銅パイプ製3.5ターンであっ
た。高周波発振器の発振周波数は約35kHzであっ
た。加熱コイルと缶底部との距離は約2mmである。発
振器出力は10A、87V、870Wであり、加熱時間
は60秒であった。加熱コイルの外径は缶接地部の径よ
り13mm大きい。この時缶の内容液の温度は18℃か
ら58℃に上昇した。缶体の缶底の温度は140℃であ
ったが、特に異常は見られなかった。
ミネートしたスチール製2ピース缶体に190gの水を
充填した缶である。加熱コイルは外径が59mm、内径
が18mmの4mm径銅パイプ製3.5ターンであっ
た。高周波発振器の発振周波数は約35kHzであっ
た。加熱コイルと缶底部との距離は約2mmである。発
振器出力は10A、87V、870Wであり、加熱時間
は60秒であった。加熱コイルの外径は缶接地部の径よ
り13mm大きい。この時缶の内容液の温度は18℃か
ら58℃に上昇した。缶体の缶底の温度は140℃であ
ったが、特に異常は見られなかった。
【0012】比較例1 加熱コイルは外径が37mm、内径が15mmの4mm
径銅パイプ製2ターンとし、発振器出力を8.5A、1
06V、900Wとし、加熱時間は120秒とした他は
実施例1と同様とした。加熱コイルの外径は缶接地部の
外径より9mm小さい。この例で缶の内容液の温度は2
7℃から60℃に上昇した。缶体の缶底の温度は120
℃であり、特に異常は見られなかった。しかしながら実
施例1に比較して高周波発振器のパワーは大きく、時間
は2倍かかった。コイルの径が小さいと効率が悪いこと
がわかった。
径銅パイプ製2ターンとし、発振器出力を8.5A、1
06V、900Wとし、加熱時間は120秒とした他は
実施例1と同様とした。加熱コイルの外径は缶接地部の
外径より9mm小さい。この例で缶の内容液の温度は2
7℃から60℃に上昇した。缶体の缶底の温度は120
℃であり、特に異常は見られなかった。しかしながら実
施例1に比較して高周波発振器のパワーは大きく、時間
は2倍かかった。コイルの径が小さいと効率が悪いこと
がわかった。
【0013】比較例2 発振器出力を10A、125V、1250Wとして加熱
した他は比較例2と同じとした。缶底からフイルムの焦
げた臭いと煙が発生した。したがって、この場合高周波
発振器の出力を大きくすると缶体に悪影響を与えるため
短時間で加熱することができなかった。
した他は比較例2と同じとした。缶底からフイルムの焦
げた臭いと煙が発生した。したがって、この場合高周波
発振器の出力を大きくすると缶体に悪影響を与えるため
短時間で加熱することができなかった。
【0014】比較例3 加熱コイル、高周波発振器、缶は実施例1と同条件にお
いて缶の加熱を行った。発振器出力は12A、105
V、1260Wであり、加熱時間は50秒であった。こ
の時、缶の内容液の温度は18℃から62℃に上昇し
た。缶体の缶底の温度は155℃であり、缶底の表面フ
イルムが溶けかかっており、この発振器出力が大きすぎ
た。
いて缶の加熱を行った。発振器出力は12A、105
V、1260Wであり、加熱時間は50秒であった。こ
の時、缶の内容液の温度は18℃から62℃に上昇し
た。缶体の缶底の温度は155℃であり、缶底の表面フ
イルムが溶けかかっており、この発振器出力が大きすぎ
た。
【0015】実施例2 内容液をミルク30%入り紅茶とした他は実施例1と同
様とした。発振器出力は8A、70V、560Wであ
り、加熱時間は90秒であった。この時、缶の内容液の
温度は20℃から60℃に上昇した。缶体の缶底の温度
は141℃であったが、缶体には特に異常は見られなか
った。
様とした。発振器出力は8A、70V、560Wであ
り、加熱時間は90秒であった。この時、缶の内容液の
温度は20℃から60℃に上昇した。缶体の缶底の温度
は141℃であったが、缶体には特に異常は見られなか
った。
【0016】比較例4 加熱コイル、高周波発振器、缶は実施例1と同条件にお
いて缶の加熱を行った。ただし、内容液はミルク30%
入りの紅茶であった。高周波発振器は10A、87V、
870Wであり、加熱時間は60秒であった。この時、
缶の内容液の温度は30℃から70℃に上昇した。缶体
の缶底の温度は163℃になり、缶底の表面フイルムが
溶けかかって缶はオーバーヒートされた。ミルク紅茶は
水より低い温度で長時間加熱する必要がある。
いて缶の加熱を行った。ただし、内容液はミルク30%
入りの紅茶であった。高周波発振器は10A、87V、
870Wであり、加熱時間は60秒であった。この時、
缶の内容液の温度は30℃から70℃に上昇した。缶体
の缶底の温度は163℃になり、缶底の表面フイルムが
溶けかかって缶はオーバーヒートされた。ミルク紅茶は
水より低い温度で長時間加熱する必要がある。
【0017】比較例5 加熱コイル、高周波発振器、缶は実施例1と同条件にお
いて缶の加熱を行った。ただし、内容液は牛乳100%
であった。高周波発振器は10A、70V、560Wで
あり、加熱時間は90秒であった。この時、缶の内容液
の温度は20℃から60℃に上昇した。缶体の缶底の温
度は185℃になり、缶底の表面フイルムが溶けかかっ
て缶はオーバーヒートされた。内容液が牛乳の場合はこ
の加熱条件より低く、時間を長くする必要があることが
わかる。
いて缶の加熱を行った。ただし、内容液は牛乳100%
であった。高周波発振器は10A、70V、560Wで
あり、加熱時間は90秒であった。この時、缶の内容液
の温度は20℃から60℃に上昇した。缶体の缶底の温
度は185℃になり、缶底の表面フイルムが溶けかかっ
て缶はオーバーヒートされた。内容液が牛乳の場合はこ
の加熱条件より低く、時間を長くする必要があることが
わかる。
【0018】実施例3 缶をフイルムをラミネートしたスチール製2ピース缶体
とし、水を340gとした他は実施例1と同条件におい
て缶の加熱を行った。発振器出力は12A、100V、
1200Wであり、加熱時間は60秒であった。この
時、缶の内容液の温度は20℃から55℃に上昇した。
缶体の缶底の温度は122℃になったが、缶体の缶底に
は特に異常は見られなかった。
とし、水を340gとした他は実施例1と同条件におい
て缶の加熱を行った。発振器出力は12A、100V、
1200Wであり、加熱時間は60秒であった。この
時、缶の内容液の温度は20℃から55℃に上昇した。
缶体の缶底の温度は122℃になったが、缶体の缶底に
は特に異常は見られなかった。
【0019】比較例6 加熱コイル、高周波発振器、缶は実施例3と同条件にお
いて缶の加熱を行った。高周波発振器は15A、128
V、1920Wであり、加熱時間は45秒であった。こ
の時、缶の内容液の温度は20℃から60℃に上昇し
た。缶体の缶底の温度は136℃になり、缶底の表面フ
イルムが溶けかかっており、この発振器出力が大きすぎ
た。
いて缶の加熱を行った。高周波発振器は15A、128
V、1920Wであり、加熱時間は45秒であった。こ
の時、缶の内容液の温度は20℃から60℃に上昇し
た。缶体の缶底の温度は136℃になり、缶底の表面フ
イルムが溶けかかっており、この発振器出力が大きすぎ
た。
【0020】実施例4 缶をアルミDI缶350g缶とし、内容物を水340g
とした他は実施例1と同条件において缶の加熱を行っ
た。発振器出力は20A、90V、1800Wであり、
加熱時間は70秒であった。この時、缶の内容液の温度
は20℃から58℃に上昇した。缶体の缶底の温度は1
22℃になったが、缶体には特に異常は見られなかっ
た。
とした他は実施例1と同条件において缶の加熱を行っ
た。発振器出力は20A、90V、1800Wであり、
加熱時間は70秒であった。この時、缶の内容液の温度
は20℃から58℃に上昇した。缶体の缶底の温度は1
22℃になったが、缶体には特に異常は見られなかっ
た。
【0021】実施例5 缶を3ピース缶体200g缶で巻締め蓋とし、内容物と
して水190gを充填した他は実施例1と同条件におい
て缶の加熱を行った。発振器出力は14A、114V、
1600Wであり、加熱時間は35秒であった。この
時、缶の内容液の温度は20℃から60℃に上昇した。
缶体の缶底の温度は130℃であったが、缶体には特に
異常は見られなかった。
して水190gを充填した他は実施例1と同条件におい
て缶の加熱を行った。発振器出力は14A、114V、
1600Wであり、加熱時間は35秒であった。この
時、缶の内容液の温度は20℃から60℃に上昇した。
缶体の缶底の温度は130℃であったが、缶体には特に
異常は見られなかった。
【0022】比較例7 加熱コイル、高周波発振器、缶は実施例5と同条件にお
いて缶の加熱を行った。発振器出力は15A、120
V、1800Wであり、加熱時間は28秒であった。こ
の時、缶の内容液の温度は20℃から55℃に上昇し
た。缶体の缶底の温度は137℃になり、缶体の缶底に
この塗料が焦げ始めたので、この発振器出力が大きすぎ
た。
いて缶の加熱を行った。発振器出力は15A、120
V、1800Wであり、加熱時間は28秒であった。こ
の時、缶の内容液の温度は20℃から55℃に上昇し
た。缶体の缶底の温度は137℃になり、缶体の缶底に
この塗料が焦げ始めたので、この発振器出力が大きすぎ
た。
【0023】比較例8 缶を3ピース缶体200g缶で巻締め蓋とし、内容物と
してミルク30%入り紅茶を充填した他は実施例5と同
条件において缶の加熱を行った。発振器出力は12A、
97V、1200Wであり、加熱時間は60秒であっ
た。この時、缶の内容液の温度は20℃から70℃に上
昇した。缶体の缶底の温度は140℃になり、缶体の缶
底にこの塗料が焦げ始めたので、この発振器出力が大き
すぎた。
してミルク30%入り紅茶を充填した他は実施例5と同
条件において缶の加熱を行った。発振器出力は12A、
97V、1200Wであり、加熱時間は60秒であっ
た。この時、缶の内容液の温度は20℃から70℃に上
昇した。缶体の缶底の温度は140℃になり、缶体の缶
底にこの塗料が焦げ始めたので、この発振器出力が大き
すぎた。
【0024】比較例9 内容物として牛乳100%入り紅茶190gを充填した
他は実施例5と同条件において缶の加熱を行った。発振
器出力は10A、80V、800Wであり、加熱時間は
60秒であった。この時、缶の内容液の温度は22℃か
ら63℃に上昇した。缶体の缶底の温度は144℃にな
り、缶体の缶底にこの塗料が焦げ始めたので、この発振
器出力が大きすぎた。
他は実施例5と同条件において缶の加熱を行った。発振
器出力は10A、80V、800Wであり、加熱時間は
60秒であった。この時、缶の内容液の温度は22℃か
ら63℃に上昇した。缶体の缶底の温度は144℃にな
り、缶体の缶底にこの塗料が焦げ始めたので、この発振
器出力が大きすぎた。
【0025】
【発明の効果】缶を立てかけた状態で缶底から缶体の接
地径より同じか大きい高周波コイルにより加熱すること
により短時間に缶体を傷めることなく55℃程度の適温
に温めることができる。さらに、内容量、内容物ごとの
加熱条件を設定することによりいずれの缶においても缶
体を傷めることなく最適な状態で加熱できる効果を奏す
る。
地径より同じか大きい高周波コイルにより加熱すること
により短時間に缶体を傷めることなく55℃程度の適温
に温めることができる。さらに、内容量、内容物ごとの
加熱条件を設定することによりいずれの缶においても缶
体を傷めることなく最適な状態で加熱できる効果を奏す
る。
【図1】本発明の缶加熱装置の説明図である。
1 加熱される缶 2 高周波誘導加熱コイル 3 高周波発振器 4 内容物設定器 5 パワー、加熱時間記憶装置 6 パワーコントローラ 7 温度センサ 8 制御装置
Claims (13)
- 【請求項1】 缶を載置する支持基板に缶接地径と同一
か大きいコイル径の高周波誘導加熱コイルを配置し、該
コイルの上の位置の支持基板に缶を底を下にして載置
し、高周波誘導加熱コイルに通電し高周波発振出力を制
御して缶底の接地部付近の温度を120〜180℃に保
って静止した起立状態の缶の底部より高周波誘導加熱す
ることを特徴とする、起立状態で缶を加熱する方法。 - 【請求項2】 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支
持基板の表面に配置した、請求項1に記載された起立状
態で缶を加熱する方法。 - 【請求項3】 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支
持基板の裏面に配置した、請求項1に記載された起立状
態で缶を加熱する方法。 - 【請求項4】 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支
持基板の内部に配置した、請求項1に記載された起立状
態で缶を加熱する方法。 - 【請求項5】 缶を載置する支持基板が加熱ケースに内
蔵されている、請求項1または2に記載された起立状態
で缶を加熱する方法。 - 【請求項6】 缶内容物と内容量に応じた高周波発振出
力と加熱時間を記憶する記憶装置からの出力により、高
周波出力を制御して缶底の温度を120〜180℃に保
つ、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された起立
状態で缶を加熱する方法。 - 【請求項7】 缶を静止した起立状態で載置する支持基
板と、該基板に配置した缶接地径と同一か大きいコイル
径の高周波誘導加熱コイルと、缶内容物と内容量に応じ
た高周波発振出力と加熱時間を記憶する記憶装置と缶底
の温度を検出し高周波出力を制御して缶底の温度を12
0〜180℃に保つ制御装置とからなる、起立状態で缶
を加熱する加熱装置。 - 【請求項8】 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支
持基板の表面に配置した、請求項7に記載された起立状
態で缶を加熱する加熱装置。 - 【請求項9】 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する支
持基板の裏面に配置した、請求項7に記載された起立状
態で缶を加熱する加熱装置。 - 【請求項10】 高周波誘導加熱コイルを缶を載置する
支持基板の内部に配置した、請求項7に記載された起立
状態で缶を加熱する加熱装置。 - 【請求項11】 缶を載置する支持基板が加熱ケースに
内蔵されている、請求項7ないし10のいずれか1項に
記載された起立状態で缶を加熱する加熱装置。 - 【請求項12】 缶を起立状態で載置する支持基板が複
数段設置された、請求項7ないし11のいずれか1項に
記載された起立状態で缶を加熱する加熱装置。 - 【請求項13】 缶底の温度を検出する温度センサが缶
底に接触して配置されている、請求項7ないし12のい
ずれか1項に記載された起立状態で缶を加熱する加熱装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20701697A JPH1118953A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 起立状態で缶を加熱する方法と加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20701697A JPH1118953A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 起立状態で缶を加熱する方法と加熱装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1118953A true JPH1118953A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16532811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20701697A Pending JPH1118953A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 起立状態で缶を加熱する方法と加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1118953A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10273095B2 (en) | 2014-10-29 | 2019-04-30 | Laitram, L.L.C. | Electromagnetic conveyor |
-
1997
- 1997-06-27 JP JP20701697A patent/JPH1118953A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10273095B2 (en) | 2014-10-29 | 2019-04-30 | Laitram, L.L.C. | Electromagnetic conveyor |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040407 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050301 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050315 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050816 |