JP4562765B2 - 飲料缶の誘導加熱装置及び誘導加熱方法 - Google Patents

飲料缶の誘導加熱装置及び誘導加熱方法 Download PDF

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Description

本発明は飲料が充填された缶を電磁誘導加熱により加熱する誘導加熱装置および誘導加熱方法に関する。
現在、コンビニエンスストアなどで多く使用される飲料缶の保温装置は、ガラスケース等の内部に複数の飲料缶を収容して所定の温度に加温および保温するように構成されている。したがって、顧客が暖かい飲料缶を欲する場合には、その保温装置から所望の飲料缶を取り出して購入することになる。この種の保温装置では、ガラスケースの内部などの内部雰囲気温度が所定温度にまで高くされ、その温度雰囲気中に飲料缶が収容される。そのため、その飲料缶の加熱昇温ならびに保温を行うため、その保温装置に設けられている発熱装置に常時通電する必要があり、継続的にエネルギーを消費するから、ランニングコストがかかる問題がある。また、所定の温度で保温された状態では、缶内の酸素と飲料中の成分(ビタミンC、デンプン等)との酸化反応が促進される(酸化変性する)ことにより、飲料缶に充填された飲料の色、香り、味等の劣化が進行する。したがって、保温状態で飲料缶を長時間陳列しておくことは、販売者にとっては好ましい状態とは言い得ない。そこで、顧客の要求に応じて、すなわち販売時点に素早く飲料缶を温める飲料缶加熱装置が提案されている。
このような加熱装置としては、飲料缶を保持するための缶保持体を備え、缶保持体の周囲に飲料缶を誘導加熱する加熱コイルを配置して缶を加熱する加熱装置が知られている(特開2002−245535号、特開平09−097379号、特開平07−325971号参照)。このようなタイプの加熱装置では、特開2002−245535号、特開平07−325971号に記載されているように、缶保持体への缶の投入および缶保持体からの缶の取り出しが容易となるように、缶の上部が缶保持体から突出する様に缶保持体の高さ(長さ)が定められているものがある。この場合、高さ(長さ)の異なる種々の缶容器に対応できるようにするために、缶保持体の高さ(長さ)は、加熱および販売の対象となる缶容器のうち、最も高さの低い(最も短い)缶容器に合わせて設定される。その場合、確実にかつ効率艮くしかも短時間で所望の缶温度に達するように加熱するため、缶保持体の周囲に設置する加熱体として、缶保持体の上部から下部にかけての高さ方向全域に亘って加熱コイルを設け、缶保持体によって保持された缶胴部分がその高さ方向のほぼ全域に亘って加熱されるように構成する場合が多い。また、特開平09−097379号に記載されているように、飲料缶排出用のアームにより加熱後の飲料缶を缶保持体から排出するように構成されている装置において、高さ(長さ)の異なる種々の飲料缶に対応できるようにするために、缶高さ(長さ)の高い(長い)飲料缶の缶胴部全体が加熱されるように加熱コイルを配置すると、缶高さ(長さ)の低い(短い)飲料缶を加熱する際に缶体の存在しない部分まで加熱することとなって加熱効率が低下する。そのため、加熱コイルは缶高さ(長さ)の低い(短い)飲料缶の缶胴部に合わせて配置されることが多い。すなわち、飲料缶誘導加熱装置においては、缶高さ(長さ)の低い(短い)飲料缶の缶胴部に合わせて配置された加熱コイルにより缶高さ(長さ)の高い(長い)飲料缶を加熱する必要があるため、加熱効率をできるだけ高くすることが望まれる。
このような飲料缶誘導加熱装置で加熱される飲料缶の缶容器として、近年、飲み口部分にネジ部が形成され、金属製のネジキャップを螺合することにより、一度開栓した後、再密封が可能なリシール缶が流通している。
このようなリシール缶は、種々の飲料の容器として用いられているが、特に、コーヒー飲料、茶飲料などを加熱して販売する場合の容器としての利便性が高い。これは、リシール缶の飲み口部の内径が、イージーオープンエンドが巻締められた従来の缶と比べて大きいため、加熱された飲料を飲み易いことや、このような飲料が加熱されて販売された場合、消費者が一度に飲みきる場合が少なく、再密封に対する要請が高いことによる。
このリシール缶は、主として流通過程の便宜から、すなわち、商品の箱詰め、梱包、輸送、店頭での商品棚への陳列等の際に商品を取扱い易くする為に、缶胴の外径が従来の缶とほぼ同じに設定されている。そして、その缶胴に繋がる部分として、テーパー状や半球面状に縮径された肩部と、ネジ部およびカール部が形成された口部とを有している。そして、その内面および外面に樹脂被膜や塗装による塗膜が形成され、さらに内容物が充填された状態で金属製のキャップが装着されて販売されている。
従って、リシール缶は従来から使用されている前記飲料缶加熱装置の缶保持体に保持することができるため、特に既存の飲料缶加熱装置を改造することなくリシール缶を加熱することが可能である。
しかし、上記の特開2002−245535号、特開平09−097379号、特開平07−325971号に記載されているような飲料缶誘導加熱装置においては、操作者が誤ってリシール缶のキャップ部が缶保持体の底部側に来るように缶を投入した場合(倒置状態)には、リシール缶のキャップ部が缶保持体の開口部側に来るように缶を投入した場合(正置状態)と比べて、加熱能力および加熱効率が低下する問題がある。すなわち、従来の缶においては缶体が略円柱状であるため、飲み口が缶胴保持部の開口側に来るように保持した状態(正置状態)でも缶胴保持部の底部側に来るように保持した状態(倒置状態)でも加熱能力および加熱効率にさほどの変化は生じないのに対して、リシール缶は、従来の缶のネック部と比べてその口部および肩部の縮径量が大きいため、これら口部や肩部において加熱コイルと缶表面との距離が大きくなる(図7参照)。なお、図7に示す構成については後述する。
加熱コイルと缶表面との距離が大きくなる程、電磁誘導の効果は小さくなり、発生する誘導電流が小さくなるので、倒置状態でリシール缶を加熱すると、リシール缶を所望の温度に加熱できなかったり、あるいは、加熱に時間がかかりすぎる等、加熱能力および加熱効率が低下する問題が生じる。
また、リシール缶が倒置状態で投入されると、そのネジ付きキャップ部が加熱されることとなる。その場合、ネジ付きキャップ部は、前述の通り、加熱コイルからの距離が離れているため、発生する誘導電流が小さく、発熱量は缶胴部に比べて大きくならない。しかしながら、キャップは、口部に螺合されていて、そのキャップの円筒状部分もしくは雌ネジが形成されている筒状の部分は、缶容器内部に充填されている飲料に、直接、接触していない。そのため、そのキャップ部の外周部で電磁誘導により発生した熱が周囲に伝わりにくく、発熱量が大きくなくても、過度に温度が上昇し易い。これが原因となって、キャップ部内面の樹脂被覆や塗膜を熱劣化させて損傷させたり、ネジ部外面とキャップ部内面の摩擦抵抗が増加してキャップを開栓しにくくさせたり、変色や焦げが生じて外観を悪くさせる不具合が生じ易い。また、リシール缶口部のネジ部はその内面が容器内の飲料に、直接、接触しているものの、過度に温度が上昇したキャップ部に接触している部分がキャップ部の熱による影響を受け易い。そのために、内容物のフレーバーを悪化させたり、キャップ部に接触している部分の樹脂被覆や塗膜を熱劣化させ、耐蝕性等の点で問題があり、前述のキャップ部の内面についての不具合と同様の不具合を生ずることとなる。
本発明の目的は、リシール缶が正置状態、倒置状態のいずれの状態で投入されても加熱効率や加熱能力を低下させることがなく、またキャップ部内面およびリシール缶口部のネジ部外面の過剰な温度上昇により樹脂被覆や塗膜が熱劣化して損傷したり、リシール缶口部のネジ部外面とキャップ部内面の樹脂同士が融着してキャップを開栓しにくくなったり、変色や焦げを生じて外観が悪くなる不具合が生ずるのを防止してリシール缶飲料を加熱することができ、しかも操作性に優れた飲料缶加熱装置および飲料缶の加熱方法を提供することである。なお、この明細書において、正置状態とは、誘導加熱装置の缶保持体の底部に対して、リシール缶の底部が対面する状態を言い、倒置状態とは、缶保持体の底部に対して、リシール缶のキャップ部が対面する状態を言う。
また、加熱して販売される商品には、粥、クリームシチュー、ポタージュスープなど、とろみのついた内容物がある。このような内容物は、内容物の液状部分の粘度が高く、また固形物が混合しているものもあるため、流動性が低くなっている。このような粘度の高い内容物、あるいは流動性の低い内容物が充填された飲料缶を誘導加熱により加熱すると、缶を回転しながら誘導加熱しても内容物が撹拌されにくいため、缶体から内容物へ熱が伝達しにくく、内容物が缶体の内面に焦げ付く場合がある。本発明では、上記のような粘性の高い内容物を加熱した場合でも、缶体の内面に焦げ付きが生じない加熱装置および加熱方法を提供することを目的とする。なお、本発明で対象とする飲料缶の内容物には、液体だけで構成される内容物の他に、上記した粥、クリームシチュー、ポタージュスープのような液体と固形物が混合した内容物を含む。
また、上記のような粘度の高い内容物は、缶を回転させながら誘導加熱しても内容物が撹拌されにくいため、誘導加熱により缶体で発生した熱が内容物へ急速には伝わりにくい。そのため、缶体表面の温度が高温になり、加熱が終了して缶保持体から飲料缶を取り出す際に熱くて素手で持てなかったり、手に火傷を負う場合もある。本発明では、粘性の高い内容物を加熱した場合でも、缶体の表面温度が過度に高くならず、加熱が終了して缶保持体から飲料缶を取り出し易い飲料缶加熱装置および加熱方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の飲料缶の誘導加熱装置は、飲料缶を保持する缶保持体と、その缶保持体の外周側に配置された誘導加熱コイルとを有している。前記缶保持体は、前記飲料缶の胴部外径以上の内径で、所定の高さを有する缶胴保持部と、前記缶保持体の内方へ突出する缶係止部を有している。前記缶保持体に投入される缶には、全体が金属製であって、缶胴部より縮径された口部にネジ部が形成され、そのネジ部にキャップが巻き締められてキャップ部が形成され、そのキャップ部によって再密封が可能なリシール缶が含まれる。前記缶係止部は、該リシール缶が正置状態となる向きで缶保持体に投入された場合には、前記リシール缶の底部に接触して前記リシール缶の缶胴部の通過を阻止するように構成されるとともに、前記缶係止部の前記缶保持体の内方への突出量が、前記缶胴部の外周半径と前記キャップ部の外周半径との差よりも小さくなるように形成され、また前記リシール缶が倒置状態となる向きで缶保持体に投入された場合には、前記キャップ部が通過できるように構成されている。その結果、本発明の加熱装置は、前記リシール缶が、正置状態あるいは倒置状態のいずれの状態で保持された状態でも、前記誘導加熱コイルがキャップ部を除く前記リシール缶の側面の外方にのみ位置するように配置されるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明の飲料缶の誘導加熱装置は、前記加熱コイルが、前記缶胴保持部の開口部側と缶係止部側とで相対的に密に巻かれ、これら開口部側と缶係止部側との間の中央部で相対的に粗となるように巻かれていることを特徴としている。
さらに、本発明の飲料缶の誘導加熱方法は、飲料缶を缶保持体によって保持した状態で回転機構によってその飲料缶を回転させつつ、缶保持体の外周側に配置した誘導加熱コイルによって前記飲料缶を誘導加熱する方法であって、前記飲料缶を、鉛直線に対し所定の角度だけ傾いた状態で保持して回転させるとともに、飲料缶の回転を開始してから回転を終了するまでの間に、飲料缶の回転速度の増加と、飲料缶の回転速度の減少とを交互に繰り返すことにより飲料缶を回転させることを特徴とする方法である。
また、本発明の飲料缶の誘導加熱方法は、上記のように回転速度の増加と減少とを交互に繰り返して飲料缶を回転させるとともに、飲料缶の回転を開始してから誘導加熱を開始し、飲料缶を加熱した後、誘導加熱を停止し、誘導加熱を行わない状態で飲料缶を所定時間回転させた後、飲料缶の回転を停止することを特徴とする方法である。
また、本発明の飲料缶の誘導加熱方法は、上述した構成に加えて、誘導加熱を断続的に行うことを特徴とする方法である。
上記のような構成を有することにより、本発明の飲料缶の誘導加熱装置によれば、従来の円筒形状の飲料缶または円筒形状の口部にキャップが螺着されているリシール缶のいずれであっても、前記飲料缶の中心軸と前記缶保持体の中心軸が同一となる向きで前記缶保持体に投入可能である。また、缶保持体に缶係止部が形成されていることにより、缶胴部は缶係止部より奥へは進入できず、缶胴保持部で保持され、したがって缶胴保持部の外側に設置された加熱コイルにより缶胴部が効率よく加熱される。また、缶係止部の突出量(缶胴保持部内面に対して垂直方向内方への突出量)が前記缶胴部の外周半径と前記キャップ部の外周半径との差よりも小さく形成されることにより、リシール缶が倒置状態に投入された場合には、キャップ部が缶係止部を通過して、缶胴保持部の下方に保持される。そのため、キャップ部の外方には前記誘導加熱コイルが位置していない。このように、前記誘導加熱コイルがキャップ部を除く前記リシール缶の側面の外方にのみ位置するように配置されているので、正置状態あるいは倒置状態のいずれの状態で飲料缶が保持されても、効率良く加熱することが可能である。また、リシール缶のキャップ部が必要以上に加熱されることがないため、リシール缶を倒置状態で投入した場合でも、キャップ部内面や口部のネジ部外面の樹脂被覆や塗膜が熱劣化して損傷したり、口部のネジ部外面とキャップ部内面との摩擦抵抗が増加することにより、またはキャップ部内面と口部のネジ部外面との間にある樹脂皮膜同士が融着することによりキャップを開栓しにくくなったり、変色や焦げを生じて外観を悪くさせる等の不具合の発生を回避することができる。
さらに、本発明の飲料缶の誘導加熱装置によれば、加熱コイルが開口部側と缶係止部側との間の中央部で粗となるように巻かれているため、開口側および缶係止部側のコイルから発生する磁束が中央部に達して中央部の加熱コイルから発生する磁束と干渉しても、中央部で磁束密度が最大となって缶胴保持部の中央付近で過大な発熱が生じることがない。したがって缶胴内面の樹脂被膜や塗膜が熱劣化して、樹脂被膜や塗膜の成分が内容物に溶出したり、樹脂被膜や塗膜がはがれ、もしくは亀裂が発生して、ここから缶の金属成分が内容物に溶出することにより内容物の品質を劣化させるなどの不具合が防止される。さらに、缶体外面の印刷や粘着フィルム、シュリンクフィルム等が熱劣化して、その変色やフィルムのはがれ等によって缶体の外観を悪化させたりする不具合が防止される。
また、本発明の誘導加熱方法によれば、前記飲料缶を、鉛直線に対し所定の角度だけ傾いた状態で保持して回転させることにより、内容物が乱流状態となって内容物の攪拌効果を高めることができる。さらに、飲料缶の回転を開始してから回転を終了するまでの間に、飲料缶の回転速度の増加と減少とを繰り返すから、内容物を撹拌する効果が高まる。すなわち、飲料缶が回転することにより内容物も回転するが、内容物は飲料缶の内面と接触する領域での内容物と缶内面との摩擦により回転し、その回転が内容物全体に伝わることにより、内容物全体が回転して撹拌される。したがって、内容物全体が一定の回転速度で回転するようになるまでには、飲料缶の回転開始からある程度の時間がかかる。したがって、飲料缶の回転速度を変化させると、飲料缶の内面近傍の内容物と、飲料缶の中央部の内容物との間で回転速度に差が生じるため、内容物が乱流状態となって、撹拌効果がより高められる。したがって、粘度の高い内容物が充填された飲料缶を加熱した場合でも内容物が缶内面に焦げ付くことがない。また、缶体で発生した熱が内容物に良好に伝達されるため、飲料缶表面が過度に高温となることがなく、加熱終了後に飲料缶を取り出し易くなる。
なお、本発明において、回転速度を増加させる区間および回転速度を減少させる区間では、回転速度を継続的に増加あるいは減少させる以外に、その区間の一部で回転数が一定となってもよい。
また、本発明の誘導加熱方法では、飲料缶の回転を開始してから誘導加熱を開始し、飲料缶を加熱した後、誘導加熱を停止し、誘導加熱を行わない状態で飲料缶を所定時間回転させるので、加熱された飲料缶の熱が内容物に伝達されて、飲料缶表面の温度が下がり、飲料缶と内容物の温度が均質化される。そのため、飲料缶の回転を停止した後、缶保持体から飲料缶を取り出し易くなる。
また、本発明の誘導加熱方法では、誘導加熱を断続的に行うことにより、内容物が缶内面に焦げ付くことを防止できる。すなわち、加熱開始から加熱を終了するまでの間に、飲料缶が誘導加熱される加熱区間と誘導加熱されない非加熱区間が交互に繰り返される。したがって、誘導加熱されている間に飲料缶の金属部分で発生した熱が、誘導加熱されていない間に内容物に伝達され、飲料缶の温度が下がるので、飲料缶の温度が過度に上昇して、内容物が缶内面に焦げ付くことを防止できる。また、飲料缶表面が過度に高温となることがなく、加熱終了後に缶保持体から飲料缶を取り出し易くなる。
図1は、本発明に係る飲料缶加熱装置の一例を示す図であって、リシール缶を倒置状態で保持している状態での内部構造を模式的に示す断面図である。
図2は、リシール缶を正置状態で保持している缶保持体を模式的に表す断面図である。
図3は、リシール缶を倒置状態で保持している缶保持体を模式的に表す断面図である。
図4(a)は、加熱コイルにおけるリッツ線の巻回構造の一例を示す部分断面図である。
図4(b)は、加熱コイルにおけるリッツ線の巻き線数と巻き線密度の状態を模式的に示す部分断面図である。
図5は、本発明の飲料缶の誘導加熱装置における缶保持体の回転の態様の一例を示す図である。
図6は、本発明の飲料缶の誘導加熱装置における加熱の態様の一例を示す図である。
図7は、従来の缶保持体を示し、リシール缶を倒置状態で保持している状態での断面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明に係る飲料缶の誘導加熱装置の実施の形態を示し、リシール缶を倒置状態に保持した状態での飲料缶加熱装置の内部の構造を模式的に示す断面図である。図2は本発明の缶保持体にリシール缶が正置状態で保持された状態を示す図、図3は本発明の缶保持体にリシール缶が倒置状態に保持された状態を示す図である。
また、図4(a)は本実施形態の飲料缶の誘導加熱装置の加熱コイルにおけるリッツ線の巻回構造の一例を示す部分断面図及び図4(b)は加熱コイルにおけるリッツ線の巻き線数と巻き線密度の状態を模式的に示す部分断面図である。また、図5は本実施形態の飲料缶の誘導加熱装置における缶保持体の回転の態様の一例を示す図であり、図6は誘導加熱の態様の一例を示す図である。
図1において、箱状の本体ケース1内には、リシール缶等の飲料缶2を保持する円筒状の缶保持体3が所定の角度に傾斜した状態で、缶保持体3の中心軸Aを中心に回転自在に設置され、その底部下方には、缶保持体3を回転駆動する回転機構としてモーター4が設置されている。缶保持体3の開口側には、保持される飲料缶2の缶胴外径よりも所定の長さだけ大きな内径を有する缶胴保持部5が設けられ、その外周に飲料缶2を誘導加熱する加熱コイル6が設置されている。缶胴保持部5の高さ(中心軸A方向での長さ)は、適用される飲料缶2の缶胴部高さの2分の1以上で飲料缶2の高さ(缶中心軸方向での長さ)以下が好ましい。缶胴部高さの2分の1未満では、缶胴保持部5を回転させたときに、飲料缶2が安定して回転出来ないため好ましくない。飲料缶2をより安定して回転させるためには、飲料缶2の缶胴部高さの3分の2以上とするのがより好ましい。また、缶胴保持部5の高さを飲料缶2の高さ以上とすると、飲料缶2の投入や取り出しが行いにくいという問題があり、好ましくない。
図4(a)および図4(b)に本発明で使用する加熱コイル6の構造の一例を示す。加熱コイル6には、電流を流す電線として複数の銅線を撚り合わせたリッツ線を使用するのが好ましい。また、図4(a)に示すように、加熱コイル6は缶胴保持部5の開口側に近い領域6A、中央付近の領域6B及び缶係止部7に近い領域6Cに分けることができる。図4(b)に示すように、開口側に近い領域6A及び缶係止部7に近い領域6Cの各領域では、電線の巻き線数(電線を缶胴保持部の外周に巻いた回数)を多くして密に巻くようにし、中央付近の領域6Bでは巻き線数を少なくし、粗に巻くようにして加熱コイル6を形成することが好ましい。銅線を均等に巻いて加熱コイル6を形成すると、開口側および缶係止部7側の加熱コイル6から発生する磁束が中央部にも達し、中央部の加熱コイル6から発生する磁束と干歩することにより、中央部で磁束密度が最大となるため、缶胴保持部5の中央付近の缶体に大きな誘導電流が生じることとなる。その結果、缶胴保持部5中央付近でより大きな熱が発生するため、中央付近の缶胴表面の樹脂被膜や塗膜が熱劣化して内容物の品質を劣化させたり、缶体の外観を悪化させる不具合が生じる。これに対して、缶胴保持部5の中央付近における加熱コイル6の巻き線数を減らすことにより、中央付近の加熱コイル6から生じる磁束を減少させ、缶胴保持部5の中央付近での過大な加熱を抑制して、均質な加熱を行うことができる。また缶胴表面の樹脂被膜や塗膜の熱劣化による内容物の品質劣化や外観の悪化を防止することができる。特に、缶外面に熱収縮性のシュリンクラベルが装着されている場合、加熱コイル6の中央付近における缶体の過大な発熱や、これに起因してシュリンクラベルが破れることを効果的に防止できる。
また、開口側または缶係止部7側から加熱コイル6の中央部に向かって徐々に巻き線数が減少するように構成することが好ましい。このように構成すれば、缶体に発生する誘導電流が均質化されるため、前記のような加熱コイル6の中央部付近の缶体で過大な発熱が生じたり、それに伴う不具合を防止する効果に加え、内部の飲料をムラなく加熱することができる。また、缶軸(缶体の中心軸線)方向の単位長さあたりの巻き線数(巻き線密度という)についても、缶胴保持部5の開口側に近い領域6aおよび缶係止部7に近い領域6cでは大きくし、缶胴保持部5の中央付近で小さくなるように構成することが好ましい。このとき、中央付近の巻き線密度(TB)に対する、缶胴保持部5の開口側に近い領域6aの巻き線密度(TA)および缶係止部7に近い領域の巻き線密度(TC)の比(TA/TB、TC/TB)は、1.2〜2.0の範囲となるように構成することが好ましい。1.2より小さい場合には、加熱コイル6の中央部への磁束の集中が十分に緩和されず、加熱コイル6の中央部付近の缶体で過大な発熱が生じることによる不具合を防止する効果が小さい。また、2.0よりも大きい場合には、中央部の加熱が不十分となって、加熱が不均質になる虞がある。また、缶胴保持部5の開口側に近い領域6aの巻き線密度よりも缶係止部7に近い領域6cの巻き線密度を大きくすることが好ましい。このように構成することで、缶下部側が相対的に強く加熱されることにより、内容液の対流が生じ、熱伝達の効率が高くなり、内部の飲料が均質に加熱される。このような構成の加熱コイル6は、缶係止部7を有する缶保持体3に限らず、従来のような缶係止部のない缶保持体3に適用しても同様の効果を生じる。
缶胴保持部5の下端部は、缶係止部7が缶胴保持部5の内方(缶胴保持部5の中心方向)に向かって突出し、中央にリシール缶2のキャップ部8が通過できる大きさの孔9が形成された環状の平面として形成されている。その下方には、缶胴保持部5の内径よりも小さな内径の円筒状の内面を有するキャップ保持部10が設けられている。正置状態で投入されたリシール缶2の缶胴部はこの缶係止部7によりキャップ保持部10への進入が阻止され、これに対して倒置状態で投入されたリシール缶2のキャップ部8はこの缶係止部7を通過して、キャップ保持部10により保持される。キャップ保持部10は倒置状態で投入されたリシール缶2のキャップ部8を保持できるようにその内径および深さが設定されている。その外周には加熱コイル6が設置されておらず、加熱コイル6は缶胴保持部5の外周に設置されている。すなわち、前記リシール缶2が前記缶保持体3に突き当たるように投入されて保持された状態では、その投入力向に関わらず、加熱コイル6がリシール缶2のキャップ部8を除く側面の外方にのみ位置するように配置されている。そのために、倒置状態で缶保持体3に投入されたリシール缶2のキャップ部8は必要以上に加熱されない。
缶保持体3は、磁束を通過させることができ、かつ耐熱性の高い材質、例えばポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネイト樹脂やMCナイロン(日本ポリペンコ株式会社の登録商標)樹脂等で作成されることが好ましい。また、キャップ保持部10は、磁束を遮蔽するような構成であることが好ましい。そのような構成であれば、キャップ保持部10に保持されたネジ付きキャップ部8に到達する磁束が減少し、誘導電流の発生が抑制されて不必要な加熱を防ぐことができる。具体的にはキャップ保持部10をフェライト等で覆うことにより磁束を遮蔽することができる。
モーター4の下側には、加熱コイル6に高周波電流を供給する高周波電源装置11が設けられている。本体ケース1の上面の一部は缶保持体3の開口部を覆うカバー12となっていて、その横には、操作パネル(図示せず)が設置されている。操作パネルには加熱を開始させるスタートボタン、加熱装置を途中で停止させるストップボタン、加熱の程度を調節する温度調節ボタン等が設けられている。
カバー12を開いて缶保持体3に飲料缶2を投入すると、缶保持体3に投入された飲料缶2は、その投入および取り出しを容易にするために、その上部が缶保持体3から突出した状態で保持される。再びカバー12を閉じた後、操作パネルを操作して加熱を開始する。本実施の形態では、安全のため、カバー12の開閉状態を検知するセンサー(図示せず)を設置して、カバー12が開いている場合には加熱コイル6に通電しないように制御される。
加熱が開始されると、モーター4の駆動により缶保持体3が中心軸Aを中心として回転を開始し、制御部13により制御された高周波電源装置11から加熱コイル6に高周波電流が供給され、飲料缶2が所定の時間加熱され、自動的に停止する。飲料缶2がその中心軸Aを中心として回転しながら誘導加熱されるため、飲料缶2がムラなく加熱される。また、内容物が撹絆される効果も生じるため、効率よく均質な加熱が行える。特に本実施の形態の場合には、飲料缶2が鉛直線に対して所定の角度だけ傾いた状態で保持されて回転するため、内容液が乱流状態となり、内容物の撹絆効果が高く、より短時間でムラなく加熱することができる。この場合、内容物の攪拌効果を高めるためには、鉛直線に対する傾斜角度を10°以上80°以下とするのが好ましく、また、30°以上60°以下の角度とするのがより好ましい。
図2に本発明の缶保持体3にリシール缶2が正置状態で投入された場合を示す。正置状態では、リシール缶2の缶胴部が、缶係止部7によって係止され、キャップ保持部10にまで達することがない。これにより、加熱コイル6によって効率よく缶胴部が加熱される。本発明における缶係止部7の突出量wは、缶胴保持部5の内周直径Dhと缶胴部の外周直径Ddとの差よりも大きく形成されていることが好ましい。缶係止部7の缶胴保持部5の内方への突出量wが缶胴保持部5の内周直径Dhと缶胴外周直径Ddとの差よりも小さいと、缶胴部の一方の側面が缶胴保持部5の内面に接するように保持される場合に、缶胴部の他方の側面が缶係止部7と接しない部分が生じて、缶の保持が不安定になるおそれがある。特に缶を回転させたり振動させながら加熱する場合には、缶を安定して保持する必要があるため、突出量wを大きくすることが有効である。突出量wを缶胴保持部5の内周直径Dhと缶胴外周直径Ddとの差よりも大きく形成した場合には、たとえ、缶胴部の一方の側面が缶胴保持部5の内面に接するように保持されても、その反対側の缶胴部が缶係止部7と当接することにより、缶係止部7に確実に係止されるので、缶胴部が安定して缶胴保持部5により保持される。特に、缶底側が縮径され、接地部の直径が缶胴外径よりも小さい場合には、図2に示すように、接地部半径(0.5Ds)と缶胴部半径(0.5Dd)との和を接地長さLsとした場合、突出量wは缶胴保持部5の内周直径Dhと接地長さLsとの差よりも大きくすることがより好ましい。このように構成することにより、接地部が缶係止部7に係止されるため、缶胴部が安定して缶胴保持部5により保持される。なお、本実施の形態においては、缶胴保持部5の内径を缶胴外径よりも大きくし、缶胴保持部5を回転させた際に、保持されたリシール缶2が缶胴保持部5の内面を転がり、自由に回転するように構成している。このように構成することにより、飲料缶2の回転による内容物の撹拌効果が得られることに加え、缶胴保持部5の内径が缶胴外径よりも大きいことから、飲料缶2の投入及び取り出しが容易になるため好ましい。この場合、缶胴保持部5の内径は、投入される飲料缶の高さ(缶中心軸方向での長さ)よりも小さくすることが好ましい。缶胴保持部5の内径を飲料缶の高さ以上とすると、飲料缶の側面と缶胴保持部5の内面との接触面積が小さくなるので飲料缶の回転が不安定になり易く、回転中に飲料缶の中心軸が缶胴保持部5の中心軸に対して傾いて回転し、飲料缶が缶胴保持部5の内面にぶつかって飲料缶の外面に傷がつく場合や、回転中に飲料缶の中心軸が缶胴保持部5の中心軸に対して大きく傾いて回転し、飲料缶の中心軸が缶胴保持部5の中心軸に直交して、すなわち、缶胴保持部5の中心軸方向に対して飲料缶が倒れたような状態で、飲料缶の側面が缶胴保持部5の缶係止部に接触して飲料缶が保持されてしまうことにより、飲料缶の加熱が不十分となる場合があるため好ましくない。また、このような実施の形態の他、缶胴保持部5の内径を缶胴外径と実質的に同一とし、リシール缶2が缶胴保持部5の内面で転がらないように、缶胴保持部5の内面と缶胴部外面を密着させて保持し、缶を回転させるように構成することも可能である。この場合、缶保持体5の内面はゴムやスポンジ等の耐熱性の弾性体で覆っておくことが好ましい。
図3にリシール缶2が倒置状態で投入された場合を示す。本発明における缶係止部7の突出量wが前記缶胴部の外周半径(0.5Dd)と前記キャップ部8の外周半径(0.5Dc)との差よりも小さく形成されることにより、リシール缶2が倒置状態に投入された場合には、キャップ部8が缶係止部7を通過して、缶胴保持部5の下方に保持されるので、ネジ付きキャップ部8が必要以上に加熱されることがない。そのため、キャップ部8の内面やネジ部外面の樹脂被覆や塗膜が熱劣化あるいは溶融して損傷したり、ネジ部外面とキャップ部8内面の摩擦抵抗が増加してキャップを開栓しにくくさせたり、変色や焦げが生じて外観を悪くさせたり、内容物の味や風味を悪くさせる等の不具合の発生を回避することができる。
また、キャップ部8がキャップ保持部10により保持されるため、キャップ部8が必要以上に加熱されない。そして、缶胴保持部5により缶胴部が保持されるので、正置状態とほぼ同じ効率で加熱することができる。なお、缶胴部の直径が異なる複数種類のリシール缶2を、本発明の誘導加熱装置により加熱する場合には、缶胴保持部5の内周直径Dhは、缶胴部の外周直径Ddが最も大きな缶を保持できる寸法を有するよう設定し、また、缶係止部7の突出量wは、缶胴部の外周直径Ddの最も小さな缶が、缶係止部7を通過しない寸法となるように設定するとともに、投入する全ての種類のリシール缶2のキャップ部8が缶胴保持部5を通過できるように設定する必要がある。
これに対し、図7に示すように、いわゆる缶胴保持部のみからなる従来の缶胴保持体30にリシール缶2を倒置状態で保持させると、肩部およびネジ付きキャップ部8の縮径量が大きく、缶胴部よりも小径に縮径されているため、キャップ部8と加熱コイル60との距離が大きくなることにより、発生する誘導電流が小さくなり、加熱効率が大幅に低下してしまう。
また、前述の通り、ネジ付きキャップ部8が加熱されることによりキャップ部8の内面の樹脂被覆や塗膜が溶融して損傷したり、口部のネジ部外面とキャップ部8の内面との間の樹脂同士が融着してキャップを開栓しにくくさせたり、変色や焦げを生じて外観が悪くなったり、内容物の味や風味が悪くなる等の不具合が生じるおそれがある。
このような不具合の発生を防止するため、加熱装置に缶の倒置状態を検知するセンサーを設けて、缶が倒置状態に投入された場合には、操作者に知らせることにより、正常な状態に入れ直すようにすることも可能である。しかし、この場合、センサーを設けなければならないため、装置のコストが増加し、また、倒置状態に投入した場合、操作者が缶を入れ直す必要が生じ、操作性が悪くなる問題がある。また、リシール缶2が倒置状態で投入された場合に、缶保持体30の底部側からキャップ部8に相当する高さまでは加熱コイル60を設置せず、それより上側に加熱コイル60を設置することによって、倒置状態でもリシール缶2の缶胴部のみを加熱するように構成することも考えられる。しかし、この場合には、リシール缶2を正置状態に投入した場合や、通常の円筒状の缶を加熱する場合に、加熱される領域が狭くなることにより、加熱が不十分となって、所望温度に加熱するのに必要な時間が長くなる等、加熱能力が低下する問題がある。本発明においては、このような問題を生じることなく、リシール缶2が倒置状態で投入されても良好に加熱できる。
また、図5に本発明の飲料缶の誘導加熱装置における缶保持体3の回転の態様、すなわち本発明による加熱方法での缶の回転の態様の一例を示す。本発明では、缶保持体3もしくは缶を回転させている間に、その回転数の増大と減少とを繰り返す。缶保持体3の回転の制御は、制御部13に内蔵されたコンピューターに、動作開始からの経過時間とその経過時間における回転速度を予めプログラミングしておいて、制御部13によりモーター4の回転速度を制御することにより行うことができる。図5では、最初の回転速度増加区間において、飲料缶2が投入された缶保持体3が停止している状態から、初めの1秒で毎分800回転まで回転速度を増加させ、その後の2秒間はその回転速度を維持する。続く回転速度減少区間において、初めの0.5秒の間に毎分800回転から毎分400回転まで回転速度を減少させ、その後の1.5秒間はその回転速度を維持する。そして、次の回転速度増加区間では、初めの0.5秒の間に毎分400回転から毎分800回転まで回転速度を増加させ、その後の1.5秒間はその回転速度を維持する。以降、同様の態様で、2秒毎に回転速度増加区間と回転速度減少区間を交互に繰り返し、所定の時間だけ加熱を行って加熱を停止する。このように回転速度を増減させることで、内容物の撹拌効果を高めることが可能となり、内容物が飲料缶2の内面に焦げ付くことを防止することができる。また、缶体で発生した熱が内容物に良好に伝達されるので、加熱の効率が高くなり、加熱時間を短縮することができる。ここで、回転開始から回転終了までの総回転時間の長さ、回転速度増加区間及び回転速度減少区間の時間の長さ、回転速度等は、加熱する飲料缶2の種類、内容物の種類、内容物の粘度、誘導加熱の態様等により適宜定めることができる。なお、図5には図示していないが、本実施の形態では、缶温が所望の温度に到達し、誘導加熱を停止した後、さらに20秒間、回転速度増加区間と回転速度減少区間を交互に繰り返して缶保持体の回転を停止する。このことにより、缶体の熱が内容物に良く伝達されて、缶表面の温度が下がるので、加熱された飲料缶を取り出し易くなる。
図6に、本発明における誘導加熱のパターンの一例を示す。誘導加熱パターンの制御は、制御部13に内蔵されたコンピューターに、動作開始からの経過時間とその経過時間において誘導加熱コイルにどの程度の大きさの出力で高周波電流を供給する(通電する)のかあるいは高周波電流の供給を停止する(通電を遮断する)のかを予めプログラミングしておいて、制御部13により高周波電源装置11を制御することにより行うことができる。本実施の形態では、缶保持体3の回転開始から1秒経過後に最初の加熱区間に入り、誘導加熱コイル6ヘ電力を供給して誘導加熱を開始し、1.0kWの出力で20秒間誘導加熱を行う。その後、誘導加熱コイル6ヘの電力の供給を停止して10秒間の非加熱区間を経た後、再び誘導加熱コイル6ヘ電力を供給して1.0kWで10秒間の誘導加熱を行う。その後は、10秒間の非加熱区間と10秒間の加熱区間を交後に繰り返す。このようにして、所定の時間、断続的に誘導加熱を行って、飲料缶2を所望の温度まで加熱する。このように断続的に誘導加熱を行うことにより、粘度が高く、また流動性が低い内容物を加熱しても、飲料缶2の内面に焦げ付きが発生することを防止できる。ここで、缶保持体3の回転開始から1秒経過後に誘導加熱を開始するのは、回転開始時には飲料缶2の回転が不安定で、回転速度が不十分であり、内容物が十分に撹拌されない状態になっているため、このような状態で加熱してしまうと、内容物の焦げ付きを生じるおそれがあるので、回転開始から所定の時間が経過し、飲料缶の回転が安定してから加熱する必要があるからである。また、最初の加熱区間における誘導加熱時間が、その後の加熱区間における加熱時間よりも長いのは、飲料缶が常温以下の温度で保存された状態から加熱を開始するので、最初の加熱区間においては加熱時間を長くしても飲料缶の内面に焦げ付きを生じにくいからである。このように最初の加熱区間における加熱時間を長くすることにより、内容物の昇温が促進されるので、飲料缶誘導加熱装置の動作開始から動作終了までの時間を短縮することができる。本実施の形態においては、前述の通り、誘導加熱を停止した後、さらに20秒間、飲料缶2を回転させて缶保持体3の回転を停止する。このことにより、缶体の熱が内容物に良く伝達されて、缶表面の温度が下がるので、加熱された飲料缶2を取り出し易くなる。なお、誘導加熱コイル6ヘ供給する電力、加熱区間及び非加熱区間の時間の長さは加熱する飲料缶2の種類、内容物の種類や粘度等により適宜定めることができる。尚、加熱終了後に加熱された飲料缶2を取り出す際には、加熱された飲料缶2を直接手で掴むように構成する以外に、缶保持体3の底部に、飲料缶2を押し上げて、飲料缶2の先端部を缶保持体3から突出させ、突出した先端部を手で掴むことにより取り出すように構成することも可能である。
本発明の第1の実施例として、前述の実施の形態の缶保持体3を有する飲料缶の誘導加熱装置を使用して、リシール缶2が正置状態の場合と倒置状態の場合の加熱状態を比較した。
加熱するリシール缶2として、缶胴部外周直径が約52mm、接地部直径が約46mm、キャップ部8の外周直径が約38mm、缶高さが約124mmで、内容物として約190gのコーヒー飲料を充填したスチール製のリシール缶2を用いた。
実施例として、図1に示したような缶胴保持部5、缶係止部7、キャップ保持部10が形成されたリシール缶2を保持する円筒状の缶保持体3を有する飲料缶加熱装置において、缶胴保持部5の内周直径を55mm、缶胴保持部5の高さ(開口端から缶係止部7までの高さ)を75mmとし、キャップ保持部10の内径を42mm、キャップ保持部10の高さ(缶係止部7から底部までの高さ)を20mmとして、リシール缶2が倒置状態で保持される場合にはキャップ部8頂面がキャップ保持部10の底面に当接するように構成した。また、保持されるリシール缶2の中心軸Aが水平面に対して45°の角度で傾斜するように缶保持体3を構成した。本実施例においては、缶保持体3はMCナイロン(日本ポリペンコ株式会社の登録商標)樹脂を使用して作成した。
缶係止部7の突出量wは、缶胴保持部5の内周直径と前記缶胴部の外周直径との差が3mmであり、缶胴保持部5の内周直径と接地長さLsとの差が6mmであり、缶胴部の外周半径と前記キャップ部8の外周半径との差が7mmであることから、6.5mmとした。缶胴保持部5の外周には加熱コイル6が巻回され、開口端から底部に向かって5mmの位置から缶係止部7までの範囲の外周に設置されるよう構成した。加熱コイル6には、直径0.12mmの銅線2本を撚り合わせたリッツ線を使用した。缶胴保持部5の開口側に近い領域および缶係止部7に近い領域では、リッツ線の巻き線数を多くして中央付近に対して密となるように、缶胴保持部5の中央付近では巻き線数を少なくして開口側および缶係止部7側に近い領域に対して粗となるようにして、加熱コイル6を形成した。
本実施例の加熱コイル6の片側断面を図4(a)、図4(b)に示す。本実施例では、加熱コイル6の構成を、開口側、中央部、缶係止部側の3つの領域6A,6B,6Cに区分して異ならせた。先ず、開口側領域6Aでは、リッツ線を缶胴の周りに巻回した巻き線数を18回とした。このとき、リッツ線が巻かれる開口側領域6Aの缶中心軸方向の距離を28mmとし、巻き線密度TAを0.64回/mmとした。さらに、開口側領域6Aのうち、開口側寄りの14mmの区間では巻き線数を10回、中央寄りの14mmの区間では8回として、中央側に近づく程巻き線数および巻き線密度が増加するように形成した。また、中央部領域6Bでは、開口側領域6Aの下端から所定の隙間を形成し、巻き線数を6回とし、中央部領域6Bの缶中心軸方向の距離を12mmとして巻き線密度TBを0.5回/mmとした。さらに、缶係止部側領域6Cでは、中央部側領域6Bの下端から所定の隙間をあけ、巻き線数を14回とし、缶係止部側領域6Cの缶中心軸方向の距離を16mmとして、巻き線密度TCを0.88回/mmとした、缶係止部側領域6Cにおいても、中央寄りの8mmの区間では、巻き線数を6回、缶係止部寄りの区間では8回として、缶係止部側に近づく程、巻き線数および巻き線密度が増加するように形成した。中央部領域6Bの巻き線密度に対する開口側領域6Aの巻き線密度の比(TA/TB)は約1.3、中央部領域6Bの巻き線密度に対する缶係止部側領域6Cの巻き線密度の比(TC/TB)は約1.7とした。缶係止部側領域6Cの巻き線密度を開口側領域6Aよりも大きくなるように構成し、相対的に缶下部が強く加熱されるように構成した。なお、缶胴保持部5と加熱コイル6との間には、絶縁体として厚さ1mmのフッ素樹脂(例えばテフロン(デュポン社の登録商標))製の絶縁層14を形成した。
そして、高周波電源装置11により、20kHzの高周制波電流を発生して加熱コイル6に供給し、缶保持体3を毎分1000回転で回転させながら2.5kWの出力で誘導加熱する飲料缶の誘導加熱装置を使用してリシール缶2の正置状態、倒置状態の場合の缶温度の上昇を測定した。
また、比較例として、缶係止部7およびキャップ保持部10を形成しない缶胴保持部5のみの缶保持体30を有する以外は実施例と同一の構成を有する飲料缶の誘導加熱装置(図7参照)を使用して、実施例と同様にリシール缶2の正置状態、倒置状態の場合の缶温度の上昇を測定した。正置状態、倒置状態でそれぞれ5缶ずつ測定し、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
25℃の缶温から10秒間加熱した場合の温度の上昇は、実施例、比較例のいずれの装置でも、正置状態ではいずれも温度が加熱前の温度から26℃上昇して51℃に達したが、実施例では、倒置の場合に23.3℃の温度上昇が得られたのに対し、比較例では倒置の場合で15.5℃の温度上昇しか得られなかった。
Figure 0004562765
比較例では倒置状態で保持した場合、正置状態に対して十分な温度上昇が得られないのに対し、実施例においては、倒置状態でも正置状態に近い電流値および温度上昇が得られ、実用上問題ない程度の加熱ができている。
以上、本発明の実施の形態および第1の実施例について説明したが、本発明の飲料缶の誘導加熱装置は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、リシール缶2の中心軸Aが水平面に対して所定の角度に傾斜して保持するように構成したが、中心軸Aが水平面に対して垂直となるよう保持する構成とすることも可能である。この場合には、飲料缶の誘導加熱装置において適用する飲料缶のうち、最も小さい外径の飲料缶を投入した場合でも、缶係止部に缶胴部が確実に当接し、飲料缶が係止されるように缶胴保持部5の内径及び缶係止部の突出量を設定することが好ましい。飲料缶が缶係止部に当接せず、缶係止部を通過してその下側に缶が落ちてしまうと加熱効率が低下し、また、飲料缶が取り出しにくくなるためである。
また、本実施の形態では、缶係止部7を、中央に孔9を有する環状の板として形成したが、缶胴保持部5の内方(中心側)に向かって突出する突起として形成することも可能である。この場合、缶保持体3の材料の節減を図れるので、装置の低コスト化が可能である。またこの場合、缶を安定して保持するために、円周方向に等間隔で3箇所以上の突起を設けることが好ましい。また、本実施の形態では、突出量wが周方向の全域に亘って一定となるように構成したが、突出量wが周方向で異なる量となるように構成してもよい。
また、キャップ保持部10に底側へ向かって内径が小さくなるテーパー部を形成することもできる。このように形成することにより、倒置状態で投入されたリシール缶2が缶係止部7の内周の角部に出たって損傷するようなことがなく、キャップ部8がスムーズにキャップ保持部10に案内される。
また、本実施の形態では、リシール缶2が倒置状態で投入された場合に、キャップ部8の頂面がキャップ保持部10の底面に当接して保持するよう構成したが、肩部を缶係止部7に当接させることにより保持するよう構成することも可能である。この場合には、リシール缶2の肩部と当接する缶係止部7の内周に耐熱性の弾性体を設けることが好ましい。これにより、肩部が缶係止部7に当接することにより缶体に傷がついたりすることがなく、缶を回転させて加熱する場合には、安定した姿勢で缶を保持することが可能となる。
また、肩部を缶係止部7に当接させて保持するよう構成した場合には、キャップ保持部10を設けずに、キャップ部8が缶保持体3の係止部から底側外部に突出するように構成することも可能である。この場合、キャップ保持部10を形成しないため、缶保持体3の作成が容易となり、また、材料費を節減できるため装置の低コスト化が可能である。この場合、缶保持体3を回転させるように構成するためには、キャップ保持部10の底部にモーター4の駆動軸を接合させて回転させることはできないので、缶保持体3の側方に駆動用のローラーを当接させて回転させる等、適宜の手段を用いることができる。
また、本実施の形態では、リシール缶2を保持した缶保持体3を回転させて加熱するように構成したが、必ずしも回転させる必要はなく、加熱時間や加熱コイル6の制御等の加熱条件を適切に設定することにより、缶保持体3を振動させた状態や静止した状態で加熱することも可能である。また、本実施の形態では、スチール缶を対象としたが、アルミ缶に対しても適用可能である。アルミ缶の場合には、スチール缶と比べて、誘導加熱による発熱量が小さく、加熱効率が劣るため、加熱能力や加熱効率を高める適宜の手段を用いることが好ましい。また、加熱コイルとして、缶胴保持部の外部にリッツ線を巻いた断面が円周状のコイルを用いたが、コイルの形状は断面が円周状に限られるものではなく、断面がC字状あるいは半円状等の円弧状断面を有するもの等、種々の形状のコイルを適用することができる。
次に、第2の実施例として、本発明の加熱パターン及び缶保持体の回転パターンを用いた場合と、用いない場合とについて飲料缶の加熱状態を比較した。加熱するリシール缶2としては、第1の実施例と同様、缶胴部外周直径が約52mm、接地部直径が約46mm、キャップ部8の外周直経が約38mm、缶高さが約124mmのリシール缶を用い、内容物として約190gの粥を充填したスチール製のリシール缶2を用いた。そして、第1の実施例の飲料缶の誘導加熱装置を使用し、図5に示す缶胴保持部の回転パターン及び図6に示す誘導加熱パターンにより飲料缶を加熱した。具体的には、制御部13のコンピュータに対し、以下のようにモーター4および高周波電源装置11を制御するようにプログラミングを行って、飲料缶の誘導加熱装置を動作させた。缶胴保持部の回転については、まず、動作開始とほぼ同時にモーター4の回転を開始し、動作開始から1秒経過後に毎分800回転まで回転速度を増加させ、その後の2秒間は毎分800回転の回転速度を維持する。そして、その後の0.5秒間で毎分800回転の回転速度から毎分400回転の回転速度まで回転速度を減少させ、その後、1.5秒間は毎分400回転の回転の速度を維持する。続く0.5秒間で毎分400回転の回転速度から毎分800回転の回転速度まで回転速度を増加させ、その後の1.5秒間は毎分800回転の回転速度を維持する。それ以降は、0.5秒間で毎分800回転の回転速度から毎分400回転の回転速度まで回転速度を減少させて、その後の1.5秒間は毎分400回転の回転速度を維持する回転速度減少区間と、0.5秒間で毎分400回転の回転速度から毎分800回転の回転速度まで回転速度を増加させ、その後の1.5秒間は毎分800回転の回転速度を維持する回転速度増加区間とを2秒毎に交互に繰り返し、動作開始から121秒後に回転を停止するように制御した。また、高周波電源装置11については、飲料缶誘導加熱装置の動作開始すなわち缶保持体の回転の開始から1秒後に誘導加熱コイルへ通電し20秒間誘導加熱を行う。その後の10秒間は誘導加熱コイルへの通電を停止し、その後の10秒間は誘導加熱コイルへ再び通電し誘導加熱を行う。以降は、誘導加熱コイルへの通電を10秒間停止する非加熱区間と、誘導加熱コイルへ通電し10秒間誘導加熱を行う加熱区間を10秒毎に交互に繰り返し、動作開始から101秒後に最後の加熱区間が終了するように制御した。加熱開始から最後の加熱区間が終了するまでの加熱区間の合計は60秒、非加熱区間の合計は40秒、回転開始から回転終了までの総回転時間は121秒とし、最後の加熱区間の終了から20秒間は、誘導加熱を行わずに飲料缶を回転させて、その後回転を停止した。加熱の出力は1.0kWとし、20kHzの高周波電流を発生して加熱コイル6に供給した。比較例として、回転開始から1秒経過後に誘導加熱を開始し、加熱終了まで非加熱区間を経ることなく、継続して加熱を行った。缶保持体の回転は、回転開始から1秒で毎分800回転まで回転速度を増加させた後は、加熱終了までその回転速度を維持した。加熱開始から加熱が終了するまでの加熱時間の合計は60秒、非加熱区間は設けず、回転開始から回転終了までの総回転時間は61秒とし、加熱終了の直後に回転を停止させた。加熱の出力は、実施例と同様、1.0kWとし、20kHzの高周波電流を発生して加熱コイル6に供給した。実施例、比較例ともに10缶ずつのサンプルを作成し、回転停止直後の飲料缶の表面温度を測定し、飲料缶の内面に内容物の焦げ付きが無いか確認した。
第2の実施例の飲料缶の表面温度の平均値は53.5℃となり、飲料缶を素手で保持しても熱すぎることはなく、缶保持体から取り出す際も、容易に取り出すことができた。これに対し、比較例の飲料缶の表面温度の平均値はは67.4℃となり、飲料缶を素手で保持すると熱すぎて、加熱終了直後は素手で缶保持体から飲料缶を取り出すことは困難だった。
また、第2の実施例によれば、飲料缶の内面の焦げ付きが全く発生しなかったのに対し、比較例では全ての飲料缶で内面の焦げ付きが発生した。
以上、第2の実施例について説明したが、本発明の飲料缶の誘導加熱装置は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、加熱区間、非加熱区間の時間の長さや加熱の出力、回転速度増加区間、回転速度減少区間の時間の長さや回転数は、飲料缶の形状や材質、内容物の種類等に応じて、適宜変更が可能である。
本発明は、温めた状態で飲んだり食べたりする内容物を充填した缶を誘導加熱する装置の製造・販売を行う産業分野で利用することができる。

Claims (12)

  1. 缶胴部よりも縮径された口部にネジ部が形成されるとともにそのネジ部にキャップが巻締められてキャップ部が形成され、かつ該キャップ部により再密封が可能な金属製飲料缶を保持する缶保持体を有し、その缶保持体の外周側に誘導加熱コイルが配置された飲料缶の誘導加熱装置において、
    前記缶保持体は、前記飲料缶の胴部外径以上の内径で、所定の高さを有する缶胴保持部と、前記缶保持体の内方へ突出する缶係止部とを有し、
    前記缶係止部の突出量は、前記缶保持体に前記飲料缶をその底部側から正置状態で投入した場合には前記飲料缶の底部に接触して缶胴部の通過を阻止し、かつ前記口部側から倒置状態で前記缶保持体に前記飲料缶を投入した場合には前記キャップ部を通過させる突出量に設定され、
    前記飲料缶が、正置状態あるいは倒置状態のいずれの状態で保持された場合でも、前記誘導加熱コイルがキャップ部を除く前記飲料缶の側面の外方にのみ位置するように配置されていることを特徴とする飲料缶の誘導加熱装置。
  2. 前記缶係止部の突出量は、前記缶胴部の外周半径と前記キャップ部の外周半径との差よりも小さい量であることを特徴とする請求項1に記載の飲料缶の誘導加熱装置。
  3. 前記誘導加熱コイルは、前記缶保持体における前記缶胴保持部の外周側にのみ配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料缶の誘導加熱装置。
  4. 前記誘導加熱コイルは、前記缶胴保持部の開口部側と缶係止部側とに対し、これら開口部側と缶係止部側との間の中央部で粗となるように巻かれていることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料缶の誘導加熱装置。
  5. 前記誘導加熱コイルは、前記缶胴保持部の開口部側と缶係止部側とに対し、これら開口部側と缶係止部側との間の中央部で粗となるように巻かれていることを特徴とする請求項3に記載の飲料缶の誘導加熱装置。
  6. 前記缶保持体に保持されている前記飲料缶を、その中心軸線を中心にして回転させる回転機構が更に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料缶の誘導加熱装置。
  7. 缶胴部よりも縮径された口部にネジ部が形成されるとともにそのネジ部にキャップが巻締められてキャップ部が形成され、かつ該キャップ部により再密封が可能な金属製飲料缶を前記飲料缶の胴部外径以上の内径で、所定の高さを有する缶胴保持部と、前記缶保持体の内方へ突出する缶係止部とを有する缶保持体によって保持した状態で回転機構によってその飲料缶を回転させつつ、缶保持体の外周側に配置した誘導加熱コイルによって前記飲料缶を誘導加熱する飲料缶の誘導加熱方法において、
    前記飲料缶がその底部側から正置状態あるいは倒置状態のいずれの状態で保持された場合でも、キャップ部を除く前記飲料缶の側面の外方にのみ位置するように配置された誘導加熱コイルにより前記飲料缶を加熱し、かつ、前記飲料缶を、鉛直線に対し所定の角度だけ傾いた状態で保持して回転させるとともに、前記飲料缶の回転を開始してから回転を終了するまでの間に、前記飲料缶の回転速度の増加と飲料缶の回転速度の減少とを交互に繰り返すことにより前記飲料缶を回転させることを特徴とする飲料缶の誘導加熱方法。
  8. 前記飲料缶の回転を開始してから誘導加熱を開始し、前記飲料缶を加熱した後に誘導加熱を停止し、誘導加熱を行わない状態で前記飲料缶を所定時間回転させた後、前記飲料缶の回転を停止することを特徴とする請求項7に記載の飲料缶の誘導加熱方法。
  9. 前記飲料缶の誘導加熱を断続的に行うことを特徴とする請求項7または8に記載の飲料缶の誘導加熱方法。
  10. 最初の誘導加熱時間が、それ以降の誘導加熱時間より長いことを特徴とする請求項9に記載の飲料缶の誘導加熱方法。
  11. 前記誘導加熱コイルに対して所定時間毎に通電し、かつその通電を遮断することにより前記飲料缶を断続的に誘導加熱することを特徴とする請求項9に記載の飲料缶の誘導加熱方法。
  12. 前記誘導加熱コイルに対して所定時間毎に通電し、かつその通電を遮断することにより前記飲料缶を断続的に誘導加熱することを特徴とする請求項10に記載の飲料缶の誘導加熱方法。
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