JP3714381B2 - 缶飲料の自動販売機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーヒー等の缶飲料を電磁誘導加熱して販売する自動販売機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の缶飲料の自動販売機では、缶飲料を目標温度まで加熱するのに、缶の円筒状缶壁に沿うように巻設された加熱コイル上に、缶飲料を倒置姿勢のまま保持し、加熱コイルの電磁誘導作用により缶表面にうず電流を発生させ、缶飲料を最短の時間で加熱していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の缶飲料の自動販売機では、缶飲料を最短時間で加熱しようとするため、中身飲料が急激に加熱されることになる。
しかしながら、飲料によってはゆっくり加熱した方がおいしいものもあり、飲料が本来持っている味覚を充分に引き出せずに販売されてしまうという不都合があった。
また、缶飲料を誘導加熱する場合に、利用者は加熱が終わるまで何の情報も与えられないまま待たなければならず、いらいらするといった不都合があった。
【０００４】
そこで本発明は、上記不都合を解決する缶飲料の自動販売機を提供しようとするものである。
【０００５】
【解決を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項１記載の発明は、複数の金属片とともに水が入れられている貯水タンクと、貯水タンク内の金属片および水を電磁誘導作用により加熱する手段と、貯水タンクの底に取付けられ、缶を回転させるとともに金属片および水を撹拌させる円板を有する缶回転機構と、前記水の温度を測定する温度計を備え、缶飲料を前記加熱手段により温められた温水に浸漬し、所定温度まで温めることを特徴とする。
【０００６】
請求項２記載の発明は、請求項１記載の缶飲料の自動販売機において、缶飲料を適温に加熱するための時間を選択できることを特徴とする。
【０００７】
請求項３記載の発明は、請求項１または２記載の缶飲料の自動販売機において、前面にディスプレイを備え、前記缶飲料を温めている時に、時系列に変化する画像を前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図１は実施形態の構成図、図２は実施形態の外観図である。
先ず、利用者が商品選択ボタン１（図１では４種類のボタン１ａ〜１ｄを示してある。）を押すと、操作内容が押しボタン入力部３を介してマスタ制御部４に入力される。
マスタ制御部４は、ＨＯＴ商品が選択された場合、長時間加熱選択ボタン２を受付可能とする。
長時間加熱選択ボタン２の操作内容は、マスタ制御部４を介して加熱方式選択機構６に入力される。
加熱方式選択機構６は、長時間加熱選択ボタン２が押されたことを確認すると、商品搬出制御機構５および加熱装置制御機構７に対して、販売する商品の加熱方式を長時間加熱とするように指令を出す。
また、加熱方式選択機構６は、長時間加熱した方がおいしい商品のコラム番号を予め記憶しておくことにより、当該記憶された特定商品についてのみ長時間加熱選択ボタン２の操作を有効とすることもできる。
【０００９】
長時間加熱を行う場合、加熱装置制御機構７は長時間加熱用の加熱装置１２ａにて商品を加熱する。
また、本実施形態では選択により、最短時間の加熱を行うこともできる。１２ｂは最短時間加熱用の加熱装置である。
最短時間加熱用の加熱装置１２ｂは、缶飲料を、缶の外周面に沿って湾曲した楕円形若しくは長方形のリング状電磁誘導コイル上に倒置姿勢で載せ、缶表面に発生する渦電流の発熱により直接温めるものである。なお、図１において、９ｂは缶回転機構、１０ｂは誘導加熱機構、１１ｂは温度センサである。
【００１０】
図３は、長時間加熱用加熱装置１２ａの外観図である。
貯水タンク３０には、缶が充分浸かるだけの水が予め入れられている。
また、貯水タンク３０の周囲には、誘導加熱機構（インバータ）１０ａに接続された加熱コイル３１が密接して取り付けてある。
貯水タンク３０の中には、複数の金属片３２が入っている。
誘導加熱機構１０ａにより加熱コイル３１に高周波電流を流すと、金属片３２が加熱され、その結果として貯水タンク３０中の水が温められる。
【００１１】
水、及び缶の攪拌を行うため、貯水タンク３０の底には、缶回転機構９ａの円盤が取り付けられている。
水温は温度センサ１１ａにより測定される。
なお、缶飲料の加熱時間を短縮するため、水は缶飲料の販売前にある程度温められている。
【００１２】
長時間加熱する商品が、商品搬出制御機構５によって搬出されると、商品搬出制御機構５は缶搬送装置１３を用いて缶３３を貯水タンク３０内の温水中に浸漬する（図３（ａ））。
その後、加熱装置制御機構７は缶回転機構９ａを駆動して缶３３及び水を回転する（図３（ｂ））。
回転開始後、加熱装置制御機構７は、さらに誘導加熱機構１０ａを駆動して水と缶を加熱する。
加熱装置制御機構７は、温度センサ１１ａによる水温と加熱時間に基づいて飲料の温度を推定し、飲料が適温になった時点で加熱を終了する。すなわち、飲料を間接的に加熱し、缶および飲料の温度が一定レベルを超えないようにする。
加熱の終了は、加熱装置制御機構７から商品搬出制御機構５に伝えられる。
商品搬出制御機構５は、缶搬送装置１３を駆動して貯水タンク３０から缶を取り出し、商品取出口２１（図２参照）に搬出する。
本実施形態によれば、缶飲料を除々に温めるため、飲料の味覚を最大限に引き出す加熱を行うことができる。
【００１３】
商品の加熱中において、マスタ制御部４は、表示制御装置１４に対して自動販売機の前面に設けられたディスプレイ１６を用いて利用者に見せる画面を表示するように指示する。
表示制御装置１４は、表示データ記憶装置１５から表示データを取り出し、ディスプレイ１６に表示する。
図４は表示例である。図４（ａ）はニュース表示の例、図４（ｂ）はアニメーション表示の例、図４（ｃ）はコマーシャル表示の例である。
これらの画像は、加熱終了を待つ利用者を飽きさせないように、時系列に変化する画像であることが望ましい。
【００１４】
【発明の効果】
以上のように請求項１、２、または３記載の発明によれば、自動販売機内の貯水タンクに蓄えられた温水で缶飲料を間接的に温めるので、飲料が本来持っている味覚を充分に引き出すことができる。
【００１５】
請求項２記載の発明によれば、加熱するまでの時間の長短を選択することができる。すなわち、直接加熱により短い時間で購入したいか、または間接加熱により多少時間がかかってもおいしい飲料を購入したいかの選択をすることができ、利用者にとって便利である。
【００１６】
請求項３記載の発明によれば、自動販売機前面に配置されたディスプレイにより、缶飲料の加熱中に時系列に変化する画像を表示するようにしたので、利用者は待ち時間を感じることなく、商品を購入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施形態の構成図である。
【図２】実施形態の外観図である。
【図３】加熱装置の概念図である。
【図４】表示画面の例である。
【符号の説明】
２ 長時間加熱選択ボタン
６ 加熱方式選択機構
９ 缶回転機構
１０ 誘導加熱機構
１１ 温度センサ
１３ 缶搬送装置
３０ 貯水タンク
３１ 加熱コイル
３２ 金属片
３３ 缶

Claims (3)

1. 複数の金属片とともに水が入れられている貯水タンクと、貯水タンク内の金属片および水を電磁誘導作用により加熱する手段と、貯水タンクの底に取付けられ、缶を回転させるとともに金属片および水を撹拌させる円板を有する缶回転機構と、前記水の温度を測定する温度計を備え、
   缶飲料を前記加熱手段により温められた温水に浸漬し、所定温度まで温めることを特徴とする缶飲料の自動販売機。
2. 請求項１記載の缶飲料の自動販売機において、
   缶飲料を適温に加熱するための時間を選択できることを特徴とする缶飲料の自動販売機。
3. 請求項１または２記載の缶飲料の自動販売機において、
   前面にディスプレイを備え、
   前記缶飲料を温めている時に、時系列に変化する画像を前記ディスプレイに表示することを特徴とする缶飲料の自動販売機。

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