JPH0722167A - 高周波誘導加熱方法及びその装置 - Google Patents

高周波誘導加熱方法及びその装置

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JPH0722167A
JPH0722167A JP16064093A JP16064093A JPH0722167A JP H0722167 A JPH0722167 A JP H0722167A JP 16064093 A JP16064093 A JP 16064093A JP 16064093 A JP16064093 A JP 16064093A JP H0722167 A JPH0722167 A JP H0722167A
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high frequency
induction heating
frequency induction
heating coil
power supply
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JP16064093A
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English (en)
Inventor
Fumitoshi Kimura
文俊 木村
Tetsuo Tomisato
哲夫 冨里
Tsuneo Hokimoto
恒生 保木本
Masami Matsunaga
正見 松長
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Can Co Ltd
DKK Co Ltd
Original Assignee
Denki Kogyo Co Ltd
Daiwa Can Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 飲料缶詰の缶等のようにインピーダンスの異
なる数種の被加熱体を高周波誘導加熱コイルにて加熱す
るに当たり、共振回路に供給する高周波電源の電源電圧
を変化させることなく、高周波誘導加熱コイルに供給さ
れる電力ひいては被加熱体で消費される電力をほぼ一定
に制御できるようにする。 【構成】 被加熱体(例えば、飲料缶詰13)と高周波
誘導加熱コイル5とを互いに対応配置し、この高周波誘
導加熱コイル5を構成要素として有する共振回路3に高
周波電源(例えば、高周波電源部2)から高周波電流を
供給して被加熱体13を高周波誘導加熱するようにした
高周波誘導加熱方法において、高周波誘導加熱コイル5
に流れる高周波電流が所定の設定電流値に達した時にこ
の高周波電流を遮断し、その後前記高周波電流を供給す
る動作を繰り返す遮断制御をすることにより、高周波誘
導加熱コイル5に供給される高周波電力をほぼ一定にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加熱体と高周波誘導
加熱コイルとを互いに対応配置し、この高周波誘導加熱
コイルを構成要素として有する共振回路に高周波電源か
ら高周波電流を供給して被加熱体を高周波誘導加熱する
ようにした高周波誘導加熱方法及びその装置に関し、特
に、高周波誘導加熱コイルを用いてインピーダンス中の
純抵抗成分の異なる多種の被加熱体(例えば、飲料缶詰
等)を高周波誘導加熱するのに適用して好適な高周波誘
導加熱方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、現在では、缶入りコーヒ
ーやココア等の飲料缶詰は、缶の構造,容量,形状,材
質等の違いにより、例えば下記の表1に示すような多種
類のものが存在している。
【0003】
【表1】
【0004】この種の飲料缶詰の缶としては、上記表1
に示すように鉄製の鉄缶やアルミニウム製のアルミ缶等
があり、また、缶胴部の大きさに応じて分類される太缶
や細缶、缶胴部の長さに応じて分類されるロング缶やシ
ョート缶等のようにいろいろな寸法・形状のものがあ
る。そして、缶の材質の違いや形状・寸法等の違いに応
じて、同一高周波誘導加熱コイルを用いて共振状態にし
た場合の電源側から見たインピーダンス中の純抵抗成分
が、図3に示すように大きく異なる。
【0005】従って、種類の異なる飲料缶詰を同一の高
周波誘導加熱コイルでそれぞれ高周波誘導加熱するに際
し、電源電圧が一定の場合には、インピーダンス中の純
抵抗成分が低い飲料缶ほど高周波誘導加熱コイルに大き
な高周波電流が流れてしまい、高周波誘導加熱コイルへ
の出力電力が変動することとなる。そのため、飲料缶に
過熱による焼けや飲料缶詰の内面部分における部分的沸
騰等の不具合を生じるという問題点がある。また、過熱
を防止するために出力電圧を低めに設定すると、電流が
流れにくい飲料缶詰に対しては加熱時間が長くなりす
ぎ、自動販売機に組み込んだ場合、利用者に不満を与え
てしまうという不具合がある。
【0006】このような問題点をなくすためには、一定
の電源電圧の下で高周波誘導加熱コイルへの出力電力を
一定にする方法を採用すれば良いと言う知見に基づい
て、従来では、入力電圧コントロールによる電力制御方
法や、インピーダンスマッチングトランスのタップ切換
による電力制御方式を採用するようにしている。
【0007】図4は、入力電圧コントロールによる電力
制御方法を採用する従来の高周波誘導加熱装置30を示
すものであって、同図において、31は高周波電源部、
32は高周波誘導加熱コイル33及び共振用コンデンサ
34を直列接続して成る共振回路、35は高周波誘導加
熱コイル33にて加熱すべき被加熱体(飲料缶詰等)で
ある。上述の高周波電源部31は、商用電源36と、整
流器37と、電力制御回路38にて制御される入力電圧
可変器39と、出力制御回路40にて制御されるインバ
ータ41とで構成されている。
【0008】かくして、図4に示す高周波電源部31に
おいては、商用電源36からの高周波電源が整流器37
にて整流されて入力電圧可変器39に供給され、この入
力電圧可変器39から出力される可変制御された電源が
インバータ41にて所要の高周波電流に変換されて共振
回路32に供給される。従って、この場合には、高周波
電源部31から共振回路32(高周波誘導加熱コイル3
3)に供給される高周波電流は、前記入力電圧可変器3
9の機能によりコントロールされ、これにより、高周波
誘導加熱コイル33に供給される高周波電力が一定に制
御されるようになっている。
【0009】また、図5はインピーダンスマッチングト
ランスのタップ切換による電力制御方式を採用する従来
の高周波誘導加熱装置30´を示すものであって、同図
において図4と同様の部分には共通の符号を付すことと
する。この装置30´の場合、高周波電源部31´は、
商用電源36と、整流器37と、出力制御回路40にて
制御されるインバータ41と、タップ切換スイッチ(タ
ップ切換用リレー)42にて巻数が変更される一次巻線
43及び巻数が固定の二次巻線44から成るインピーダ
ンスマッチングトランス45とで構成されている。
【0010】かくして、図5に示す高周波電源部31´
においては、商用電源36からの高周波電源が整流器3
7にて整流された後にインバータ41に入力されて高周
波電源に変換され、このインバータ41から出力される
高周波電源が、タップ切換スイッチ42にて変圧比が切
換えられるインピーダンスマッチングトランス45にて
変換されて共振回路32に供給される。従って、この場
合にも、高周波電源部31´から共振回路32(高周波
誘導加熱コイル33)に供給される高周波電流は、イン
ピーダンスマッチングトランス45の機能によりコント
ロールされ、これにより、高周波誘導加熱コイル33に
供給される高周波電力が一定に制御されるようになって
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】しかしながら、上述の如き従来の高周波誘
導加熱装置30,30´では、次のような問題点があ
る。すなわち、図4に示す従来の高周波誘導加熱装置3
0の場合は、高周波電源部31の構成要素として整流器
37及びインバータ41に加えて入力電圧可変器39を
必要とするため、高周波電源部31が大型化してしまう
不具合がある。一方、図5に示す従来の高周波誘導加熱
装置30´の場合は、高周波電源部31´の構成要素と
して整流器37及びインバータ41に加えてインピーダ
ンスマッチングトランス45及びタップ切換スイッチ
(タップ切換用リレー)42を必要とする上に、加熱す
べき飲料缶詰35の缶の種類に対応する数の巻線切換え
タップを必要とするため、上述の場合と同様に高周波電
源部31´が大型化してしまう不具合がある。
【0013】本発明は、このような問題点を解消すべく
なされたものであって、その目的は、飲料缶詰の缶等の
ようにインピーダンス中の純抵抗成分の異なる数種の被
加熱体を高周波誘導加熱コイルにて加熱するに当たり、
共振回路に供給する高周波電源の電源電圧を変化させる
ことなく、高周波誘導加熱コイルに供給される電力ひい
ては被加熱体で消費される電力をほぼ一定に制御できる
ような高周波誘導加熱方法、及び、その方法を実施でき
しかも小型の高周波誘導加熱装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る高周波誘導加熱方法では、被加熱体
と高周波誘導加熱コイルとを互いに対応配置し、前記高
周波誘導加熱コイルを構成要素として有する共振回路に
高周波電源から高周波電流を供給して前記被加熱体を高
周波誘導加熱するようにした高周波誘導加熱方法におい
て、前記高周波誘導加熱コイルに流れる高周波電流が所
定の設定電流値に達した時に前記高周波電流を遮断し、
その後前記高周波電流を供給する動作を繰り返す遮断制
御をすることにより、前記高周波誘導加熱コイルに供給
される高周波電力をほぼ一定にするようにしている。
【0015】また、本発明の高周波誘導加熱方法の好ま
しい実施態様においては、前記被加熱体が、種類によっ
てインピーダンス中の純抵抗成分が異なる複数種類の飲
料缶詰である。すなわち、高周波誘導加熱する被加熱体
は、缶の材質,構造,容量の1以上が異なる複数の飲料
缶詰であることが好ましい。
【0016】また、本発明に係る高周波誘導加熱装置で
は、(a)一定の高周波電源電圧を出力する高周波電源
部と、(b)被加熱体を高周波誘導加熱する高周波誘導
加熱コイルを有し、前記高周波電源から一定の高周波電
力が供給される共振回路と、(c)前記高周波電源部か
ら出力される高周波電源電圧の位相と前記高周波誘導加
熱コイルに流れる高周波電流の位相とをほぼ一致させて
前記共振回路を常に共振状態に保持すべく前記高周波電
源部の電源周波数を制御する位相制御回路と、(d)前
記高周波誘導加熱コイルに流れる高周波電流が所定の設
定電流値を越えたことを検知して前記高周波電源部に出
力停止信号を出力し、これにより前記高周波誘導加熱コ
イルに供給する高周波電流を遮断制御する遮断制御回路
と、をそれぞれ設け、共振状態の下で前記高周波誘導加
熱コイルに流れる高周波電流が所定の設定電流値を越え
た場合に、前記電流検出手段からの検出信号に基づいて
前記高周波電源部から前記共振回路への電源の供給を遮
断する動作を前記高周波電流の一定周期毎に繰返し行っ
て、前記高周波誘導加熱コイルに供給される高周波電力
をほぼ一定にするように構成している。
【0017】また、本発明の高周波誘導加熱装置の好ま
しい実施態様においては、前記高周波電源電圧の一定周
期が半周期である。
【0018】
【作用】高周波誘導加熱コイルに流れる高周波電流を所
定の設定電流値に達した時に遮断制御することにより、
高周波誘導加熱コイルに供給される高周波電流がほぼ一
定に制御されることとなる。このため、共振回路に供給
される電源電圧が一定の場合に、高周波誘導加熱コイル
に供給される高周波電力がほぼ一定に制御され、従っ
て、加熱すべき飲料缶詰等の被加熱体の材質や大きさ左
右されることなく、インピーダンス中の純抵抗成分の異
なる多種類の被加熱体を同一の高周波誘導加熱装置で所
要の高周波電力にて良好に高周波誘導加熱することが可
能となる。
【0019】また、従来の高周波誘導加熱装置に用いら
れていたような入力電圧可変器やインピーダンスマッチ
ングトランス等の構成要素を必要としないため、高周波
電源部ひいては高周波誘導加熱装置の小型化を図ること
ができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1及び図2
を参照して説明する。
【0021】図1は、本発明に係る高周波誘導加熱方法
を実施するのに用いられる高周波誘導加熱装置1を示す
ものであって、同図において、2は高周波電源部、3は
この高周波電源部2から高周波電力が供給される共振用
コンデンサ4及び高周波誘導加熱コイル5から成る共振
回路、6は高周波誘導加熱コイル5に流れる高周波電流
を検出する変流器(電流検出部)、7はこの変流器6に
流れる電流及び高周波電源部2の出力電圧とが比較信号
として入力され、その出力を高周波電源部2に周波数制
御信号として供給する位相制御回路、8はこの位相制御
回路7から前記高周波電源部2への周波数制御信号の供
給を遮断制御する遮断制御回路である。
【0022】上述の高周波電源部2は商用電源10と、
この商用電源10の出力を整流する整流器11と、この
整流器11から供給される整流電源を高周波電源に変換
するインバータ12とで構成されており、インバータ1
2から出力される高周波電流が共振回路3に供給される
ようになっている。
【0023】また、共振回路3は、高周波電源部2のイ
ンバータ12の出力端に接続された共振用コンデンサ4
と、この共振用コンデンサ4に直列接続された高周波誘
導加熱コイル5とで構成され、高周波誘導加熱コイル5
に流される高周波電流にて各種の飲料缶詰(被加熱体)
13が高周波誘導加熱されるようになっている。
【0024】一方、位相制御回路7は、PLL回路14
と第1のゲート回路15とから成り、このPLL回路1
4は、高周波電源部2のインバータ12からの高周波出
力電圧vの位相と高周波誘導加熱コイル5に流れる高周
波電流iの位相とを比較する位相比較器16と、この位
相比較器16の出力が通過されるローパスフィルタ17
と、このローパスフィルタ17からの制御電圧に基づい
て作動される電圧制御発振器18とで構成されている。
そして、PLL回路14の出力は、第1のゲート回路1
5に入力され、所定の期間においてはこの第1のゲート
回路15を介して高周波電源部2のインバータ12に周
波数制御信号として供給されるようになっている。
【0025】また、上述の遮断制御回路8は、前記変流
器6からの高周波電流iと電流設定器19からの設定電
流とを比較する電流比較用コンパレータ20と、このコ
ンパレータ20から出力される検知信号を保持する信号
保持回路21と、この信号保持回路21の出力が入力さ
れる第2のゲート回路22とで構成されている。そし
て、上述の第2のゲート回路22には、高周波誘導加熱
の切換えを行うための加熱オン・オフスイッチ23から
オン又はオフ信号が入力され、この信号及び前記信号保
持回路21からの出力信号に応じて制御信号が第2のゲ
ート回路22から第1のゲート回路15に出力停止信号
として入力されるようになっている。
【0026】次に、このような構成の高周波誘導加熱装
置1の動作について述べると、以下の通りである。
【0027】まず、加熱開始に際しては、被加熱体であ
る飲料缶詰13が高周波誘導加熱コイル5にて同軸状に
取り囲まれるように配置されると共に、加熱オン・オフ
スイッチ23がオン状態に切換えられる。これに伴い、
位相制御回路7の出力周波数が第1のゲート回路15を
通ってインバータ12に供給される状態に設定される。
【0028】この状態の下で、商用電源10から整流器
11に高周波電源が供給され、この整流器11にて整流
された電源がインバータ12に供給されて高周波電源に
変換される。この場合、インバータ12は第1のゲート
回路15から供給される制御信号により駆動され、この
インバータ12からは前記制御信号の周波数fと同じ周
波数の高周波電圧vが出力される。そして、この高周波
電圧vは共振回路3に供給され、これに応じて高周波誘
導加熱コイル5に高周波電流が流れ、高周波誘導加熱コ
イル5内の飲料缶詰13が高周波誘導作用にて加熱が開
始される。
【0029】この際、図1の回路において高周波誘導加
熱コイル5と共振用コンデンサ4とが共振状態で動作す
る。この回路が共振した状態では、インバータ12から
負荷回路を見たとき、高周波誘導加熱コイル5のインダ
クタンス成分(2πfL)は、共振用コンデンサ4のキ
ャパシタンス成分(1/2πfC)と相殺され、インバ
ータ12側から見た負荷インピーダンスは高周波誘導加
熱コイル5の純抵抗成分のみとなる。このような状態で
は、インバータ12の出力電圧と出力電流の位相が一致
し、いわゆる力率が1になり、無効電力が流れず、イン
バータ12の直流入力に対する高周波出力変換効率が最
大になり、インバータ12の損失が最少になる。
【0030】高周波誘導加熱時には、高周波誘導加熱コ
イル5に流れる高周波電流は変流器6を介してPLL回
路14の位相比較器16に入力される。この位相比較器
16においては、変流器6からの高周波電流iとインバ
ータ12からの出力電圧vとが互いに位相比較され、そ
の結果、位相比較器16からは前記高周波電流iと出力
電圧vの位相差に比例した電圧信号が出力される。次い
で、位相比較器16の出力電圧は、ローパスフィルタ1
7にて高調波が除去されて直流電圧に変換され、電圧制
御発振器18に供給される。
【0031】かくして、PLL回路14は、高周波電流
iの位相が出力電圧vの位相に対して進み位相の場合に
は電圧制御発振器18の発振出力の周波数fが高くなる
ように作動し、これとは逆に、高周波電流iの位相が出
力電圧vの位相に対して遅れ位相の場合には電圧制御発
振器18の発振出力の周波数fが低くなるように作動す
る。
【0032】一方、共振用コンデンサ4及び高周波誘導
加熱コイル5から成る共振回路3においては、インバー
タ12から供給される電源電圧の周波数f(すなわち、
電圧制御発振器18の発振周波数f)が高くなると高周
波電流iの位相が出力電圧vの位相に対して遅れ、これ
とは逆に、前記電源電圧の周波数fが低くなると高周波
電流iの位相が出力電圧vの位相に対して進む動作をす
る。そして、共振用コンデンサ4と高周波誘導加熱コイ
ル5とが共振して共振回路3が共振状態になると、前記
出力電圧v及び高周波電流iの位相差がなくなるように
作動する。
【0033】従って、PLL回路14における位相比較
器16の出力電圧は、電圧制御発振器18の発振周波数
fに対して負帰還の状態にあり、最終的に前記出力電圧
v及び高周波電流iの位相差が無い状態すなわち共振回
路3が常に共振状態となるように自動制御される。しか
して、位相制御回路8の働きにより、共振回路3ひいて
は高周波誘導加熱コイル5には図2(a)において破線
で示す如き正弦波の高周波電流が流れるように制御され
る。
【0034】しかし、この際には、遮断制御回路8の機
能により、共振回路3に供給される高周波電流は次のよ
うにして遮断制御される。
【0035】すなわち、上述のような動作にて共振回路
3が共振状態になっている時に、高周波誘導加熱コイル
5に流れる高周波電流iが変流器6からピックアップさ
れ、その高周波電流値と電流設定器19にて予め定めら
れた設定電流値とがコンパレータ20にて比較される。
そして、図2(a)で示す期間T1 (高周波電源の半周
期の開始時点Oから期間T1 の経過時点Pまでの期間)
において高周波誘導加熱コイル5の通電電流の絶対値が
徐々に大きくなって設定電流値に達した時点Pで、前記
コンパレータ20から所定の検出信号が信号保持回路2
1に出力されてこの信号保持回路21に保持されると共
に、この所定の電流検出信号に基づいて信号保持回路2
1から第2のゲート回路22に出力停止信号が出力され
る。
【0036】これに伴い、前記出力停止信号及び加熱オ
ン・オフスイッチ23からの直流電圧+Vに基づいて、
第2のゲート回路22からは、図2(b)に示すように
前記時点Pから高周波電流が0になる半周期経過時点Q
までの期間T2 に亘ってOFF信号(出力停止信号)が
出力される。すると、このOFF信号に基づいて第1の
ゲート回路15からは、図2(c)に示すように前記期
間T1 に亘ってON信号(出力停止信号)がインバータ
12に出力され、これにより、PLL回路14から第1
のゲート回路15を介して高周波電源部2のインバータ
12に供給されている周波数制御信号が遮断される。そ
の結果、高周波電源部2から共振回路3への電源共振が
前記時点Pから停止され、高周波誘導加熱コイル5への
高周波電流の供給が遮断される。
【0037】従って、高周波電力の遮断動作は、遮断制
御回路8による制御を行わない場合の非制御時の高周波
誘導加熱コイル5への高周波入力電流(図2の破線で示
す高周波電流)においてその半周期の開始後に行われ、
その後の半周期の経過時(電流値が0になる時)にPL
L回路14から信号保持回路21にリセット信号が入力
されるのに応じて、遮断制御回路8によるインバータ1
2の作動停止状態は解除される。そのため、インバータ
12が再び作動されて高周波誘導加熱コイル5に高周波
電流が再び供給され始めて飲料缶詰13の高周波誘導加
熱が再度開始される。従って、高周波誘導加熱コイル5
に供給される高周波電流の半周期毎に1回の遮断制御が
行われる。
【0038】なお、この場合、高周波誘導加熱コイル5
への高周波電流の供給が遮断された時点Pの直後には共
振回路3に蓄えられた電力により高周波誘導加熱コイル
5に流れる高周波電流は僅かに増大し、その後の半周期
の経過時点Qまでの期間T3(図2(a)参照)には高
周波誘導加熱コイル5に所定の過度電流I2 が流れ、こ
の過度電流I2 によっても高周波誘導加熱される。
【0039】かくして、高周波誘導加熱コイル5に供給
される高周波電流は、高周波電源部2から共振回路3に
供給される高周波電流の半周期毎に、その高周波電流が
設定電流値に達した時に遮断制御され、これにより高周
波誘導加熱コイル5に流れる高周波電流の最大値は図2
(a)に示す如く所定の制御電流値に設定制御される。
そして、このような電流供給動作が半周期毎に繰返し行
われて飲料缶詰13が所望の温度に高周波誘導加熱され
る。
【0040】このような本例の高周波誘導加熱装置1に
よれば、上述の如く高周波誘導加熱コイル5に供給する
高周波電流が所定の設定電流値を越えた時点Pで遮断制
御する動作を半周期毎に繰返し行うようにしたので、高
周波誘導加熱コイル5に流される高周波電流を任意に制
御することができて高周波誘導加熱コイル5に供給され
る高周波電力をほぼ一定に制御できる。よって、飲料缶
詰13にて消費される電力を制御でき、一定の電源容量
を有する同一の高周波誘導加熱装置1で飲料缶詰13を
高周波誘導加熱するに際し、加熱すべき飲料缶詰13の
インピーダンス中の純抵抗成分が異なる場合でも常にほ
ぼ一定の電力にて高周波誘導加熱することができ、ひい
ては過熱状態を招来することなく良好な加熱条件の下で
高周波誘導加熱することができる。
【0041】なお、加熱すべき飲料缶詰13のインピー
ダンス中の純抵抗成分や加熱すべき温度を勘案し、電流
設定器19の設定値を変えて高周波電流の遮断タイミン
グを変更することが可能である。また、制御電流値を高
めに設定し、加熱すべき飲料缶詰のうちインピーダンス
中の純抵抗成分の高い缶詰(例えば、前記の表1におけ
るE缶種等)を非制御で加熱するようにしてもよい。
【0042】また、本例によれば、従来のように入力電
圧可変器28(図4参照)やインピーダンスマッチング
トランス(図5参照)を用いることなく消費電力を一定
にできるので、高周波電源部2ひいては高周波誘導加熱
装置1の小型化を図ることができる。
【0043】次に、インピーダンス中の純抵抗成分の異
なる7種類の飲料缶詰を20℃から55℃まで加熱した
場合の具体例(実験例)を下記の表2に示す。なお、本
例では、20℃から55℃になるまでの加熱時間が飲料
缶詰の違いにより異なるため、予めそれぞれの飲料缶詰
の加熱時間をROMに記憶しておき、飲料缶詰が加熱位
置に配置されるまでの間に図外の検知センサにより缶
径,缶長,缶形状,缶材質を検知し、さらに配置後に出
力周波数を検知することにより缶種を識別し、識別信号
によりROM記憶加熱時間を決定する手段を採用した。
そして、このROM記憶加熱時間に従って加熱を行い、
加熱終了時間に到達したときに加熱オン・オフスイッチ
をオフに切換えて飲料缶詰の加熱を停止した。また、加
熱中は、飲料缶詰に600回転/分の回転を与えて加熱
を行った。
【0044】
【表2】
【0045】以上、本発明の一実施例につき述べたが、
本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明
の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能であ
る。例えば、遮断制御回路8は図1に示す構成に限定さ
れず、高周波誘導加熱コイル5に流れる高周波電流に基
づいて、共振回路3への高周波電源の供給を遮断し得る
ものであればどのような構成のものでもよい。また、加
熱停止方法について、既述の具体例では被加熱体が加熱
位置に配置されるまでの間に検知センサにより被加熱体
の形状,材質等を検知し、さらに、配置後に出力周波数
により識別して加熱時間を決定しているが、どちらか1
つの検知方法で加熱時間を決定してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上の如く、本発明に係る高周波誘導加
熱方法は、高周波誘導加熱コイルに流れる高周波電流が
所定の設定電流値に達した時に前記高周波電流を遮断
し、その後前記高周波電流を供給する動作を繰り返す遮
断制御をすることにより、高周波誘導加熱コイルに供給
される高周波電力をほぼ一定にするようにしたものであ
るから、高周波誘導加熱すべき飲料缶詰等の被加熱体の
サイズや材質(すなわちインピーダンス中の純抵抗成分
の違い)に左右されることなく、どのような種類のもの
であっても、高周波誘導加熱コイルに供給される高周波
電力ひいては被加熱体において消費される高周波電力を
ほぼ一定に制御できる。従って、共振回路に供給する高
周波電源の電源電圧が一定の場合に、インピーダンス中
の純抵抗成分の異なる被加熱体を加熱しても高周波電力
を常にほぼ一定に制御できるため、過大な供給電力によ
る過熱を防止でき、それぞれ異なるインピーダンス中の
純抵抗成分を有する各種の被加熱体を同一の高周波誘導
加熱装置にて良好な加熱条件の下で適宜に高周波誘導加
熱することができる。
【0047】しかも、本発明に係る高周波誘導加熱装置
は、従来用いていたような電源電圧可変回路やインピー
ダンスマッチングトランスを必要としないため、装置の
小型化を図り得て非常に実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波誘導加熱方法を実施するた
めの高周波誘導加熱装置を示す回路構成図である。
【図2】本発明に係る高周波誘導加熱装置の動作を説明
するためのものであって、(a)は高周波誘導加熱コイ
ルに供給される高周波電流の波形図、(b)は第2のゲ
ート回路から出力される遮断制御信号、(c)は第1の
ゲート回路から出力される遮断制御信号である。
【図3】各種の飲料缶詰の純抵抗の違いを示す特性図で
ある。
【図4】従来の高周波誘導加熱装置を示す回路構成図で
ある。
【図5】従来の別の高周波誘導加熱装置を示す回路構成
図である。
【符号の説明】
1 高周波誘導加熱装置 2 高周波電源部 3 共振回路 4 共振用コンデンサ 5 高周波誘導加熱コイル 6 変流器(電流検出部) 7 位相制御回路 8 遮断制御回路 12 インバータ 13 飲料缶詰(被加熱体) 14 PLL回路 15 第1のゲート回路 16 位相比較器 17 ローパスフィルタ 18 電圧制御発振器 19 電流設定器 20 電流比較用コンパレータ 21 信号保持回路 22 第2のゲート回路 23 加熱オン・オフスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保木本 恒生 神奈川県厚木市上荻野1098−3 (72)発明者 松長 正見 神奈川県相模原市二本松2−17−2

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱体と高周波誘導加熱コイルとを互
    いに対応配置し、前記高周波誘導加熱コイルを構成要素
    として有する共振回路に高周波電源から高周波電流を供
    給して前記被加熱体を高周波誘導加熱するようにした高
    周波誘導加熱方法において、前記高周波誘導加熱コイル
    に流れる高周波電流が所定の設定電流値に達した時に前
    記高周波電流を遮断し、その後前記高周波電流を供給す
    る動作を繰り返す遮断制御をすることにより、前記高周
    波誘導加熱コイルに供給される高周波電力をほぼ一定に
    するようにしたことを特徴とする高周波誘導加熱方法。
  2. 【請求項2】 前記被加熱体が、種類によってインピー
    ダンス中の純抵抗成分が異なる複数種類の飲料缶詰であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱方
    法。
  3. 【請求項3】(a)一定の高周波電源電圧を出力する高
    周波電源部と、(b)被加熱体を高周波誘導加熱する高
    周波誘導加熱コイルを有し、前記高周波電源から一定の
    高周波電力が供給される共振回路と、(c)前記高周波
    電源部から出力される高周波電源電圧の位相と前記高周
    波誘導加熱コイルに流れる高周波電流の位相とをほぼ一
    致させて前記共振回路を常に共振状態に保持すべく前記
    高周波電源部の電源周波数を制御する位相制御回路と、
    (d)前記高周波誘導加熱コイルに流れる高周波電流が
    所定の設定電流値を越えたことを検知して前記高周波電
    源部に出力停止信号を出力し、これにより前記高周波誘
    導加熱コイルに供給する高周波電流を遮断制御する遮断
    制御回路と、をそれぞれ設け、共振状態の下で前記高周
    波誘導加熱コイルに流れる高周波電流が所定の設定電流
    値を越えた場合に、前記電流検出手段からの検出信号に
    基づいて前記高周波電源部から前記共振回路への電源の
    供給を遮断する動作を前記高周波電流の一定周期毎に繰
    返し行って、前記高周波誘導加熱コイルに供給される高
    周波電力をほぼ一定にするようにしたことを特徴とする
    高周波誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】前記高周波電流の一定周期が半周期である
    ことを特徴とする請求項3に記載の高周波誘導加熱装
    置。
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