JPH11188971A - シール用熱転写受像シート - Google Patents

シール用熱転写受像シート

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JPH11188971A
JPH11188971A JP9366598A JP36659897A JPH11188971A JP H11188971 A JPH11188971 A JP H11188971A JP 9366598 A JP9366598 A JP 9366598A JP 36659897 A JP36659897 A JP 36659897A JP H11188971 A JPH11188971 A JP H11188971A
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JP
Japan
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layer
sheet
seal
image
sealing
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Application number
JP9366598A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Kawabata
和博 川端
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラベルやシールタイプの熱転写受像シートに
おいて、形成される画像が任意の可変情報であり、かつ
隠蔽層を合わせもち、隠蔽層を簡単に擦り取ることがで
きるシール用熱転写受像シートを提供することを目的と
する。 【解決手段】 本発明のシール用熱転写受像シート1
は、少なくとも、シール基材4、粘着剤層5がこの順に
積層されたシール部2と、離型シート3からなり、該粘
着剤層5と該離型シート3の離型面7とが剥離可能に貼
合されたもので、該シール基材4上にスクラッチ性を有
する隠蔽層13が形成されている。したがって、シール
用熱転写受像シート1は、シール基材4側に形成される
画像9、文字10が熱転写等による任意の可変情報であ
り、かつシール基材4上に隠蔽層13を合わせもち、隠
蔽層13を簡単に擦り取れるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写方法を応用
した、少なくともシール基材、粘着剤層がこの順に積層
されたシール部と、離型シートからなり、該粘着剤層と
該離型シートの離型面とが剥離可能に貼合されたシール
用熱転写受像シート上にスクラッチ性隠蔽層を有するシ
ール用熱転写受像シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が知られている
が、この方法は、基材シート上に着色転写層を形成した
熱転写シートにおいて、その背面からサーマルヘッドな
どにより、画像状に加熱して、上記の着色転写層を熱転
写受像シートの表面に熱転写して、画像形成するもので
ある。この熱転写方法は、その着色転写層の構成によっ
て、昇華転写型と熱溶融転写型の二方式に大別される。
両方式ともに、フルカラー画像の形成が可能であり、例
えば、イエロー、マゼンタ、シアンさらに必要に応じ
て、ブラックの三色ないし四色の熱転写シートを用意
し、同一の熱転写受像シートの表面に各色の画像を重ね
て熱転写して、フルカラー画像を形成するものである。
マルチメディアに関連した様々なハードおよびソフトの
発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフ
ィックス、衛星通信による静止画像そしてCDROMそ
の他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナロ
グ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その
市場を拡大している。
【0003】この熱転写方法による熱転写受像シートの
具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものと
しては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAM
などの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや
内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出
力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分
証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード
類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンタ
ー、博物館、水族館などのアミューズメント施設におけ
る合成写真、記念写真としての用途などをあげることが
できる。さらに、上記のような用途の多様化に伴い、任
意の対象物に貼り付けられるもので、例えば、画像が形
成される受容層と基材が、粘着剤層を介して、離型シー
トと剥離可能な構成の熱転写受像シートが使用されてい
る。いわゆる、ラベルやシールタイプと言われているも
のである。この熱転写受像シートは、受容層に所望の画
像を形成後、該受容層を有する基材を剥離して任意の対
象物に貼着する用途のものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のラベルやシール
タイプの熱転写受像シートでは、任意の可変情報の画像
を形成することができるが、一旦形成した画像を簡単に
隠蔽し、かつその隠蔽層を簡単に擦り取って、また画像
を見ることができるようなものが無いという問題があ
る。隠蔽層を擦り取って、その隠蔽層の下にある画像を
見ることができるようなシールを、スクラッチシールと
いう表現にするが、このスクラッチシールでは、隠蔽層
をグラビア印刷や、スクリーン印刷で形成できるが、そ
の隠蔽層と組み合わせる画像は、決められたものから選
択されるものであり、画像を自由に任意のものにできる
ものではなかった。
【0005】したがって、上記の問題を解決するため、
本発明は、ラベルやシールタイプの熱転写受像シートに
おいて、形成される画像が任意の可変情報であり、かつ
隠蔽層を合わせもち、隠蔽層を簡単に擦り取ることがで
きるシール用熱転写受像シートを提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のシール用熱転写受像シートは、少なくと
も、シール基材、粘着剤層がこの順に積層されたシール
部と、離型シートからなり、該粘着剤層と該離型シート
の離型面とが剥離可能に貼合されたシール用熱転写受像
シートにおいて、該シール基材上にスクラッチ性を有す
る隠蔽層が形成されていることを特徴とする。
【0007】また、前記のシール基材上に受容層が形成
されていることが好ましい。また、前記のシール基材が
透明であることが好ましい。さらに前記の隠蔽層がシー
ル基材上の全面に形成されていることが好ましい。ま
た、前記隠蔽層がシール基材上で部分的に形成されてい
ることが好ましい。また、前記のシール部にハーフカッ
ト処理が施されていることが好ましい。
【0008】
【作用】本発明のシール用熱転写受像シートは、少なく
とも、シール基材、粘着剤層がこの順に積層されたシー
ル部と、離型シートからなり、該粘着剤層と該離型シー
トの離型面とが剥離可能に貼合されたもので、該シール
基材上にスクラッチ性を有する隠蔽層が形成されてい
る。したがって、シール用熱転写受像シートは、シール
基材側に形成される画像が熱転写等による任意の可変情
報であり、かつシール基材上に隠蔽層を合わせもち、隠
蔽層を簡単に擦り取れるようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳しく説明する。図1〜図5はシー
ル用熱転写受像シートの断面図を示す。図1に示すシー
ル用熱転写受像シート1は、シール基材4、粘着剤層5
がこの順に積層されたシール部2と、離型シート3から
なり、該粘着剤層5と該離型シート3の離型面7とが剥
離可能に貼合された構成であり、該シール基材上にスク
ラッチ性を有する隠蔽層13が部分的に形成されてい
る。図2に示すシール用熱転写受像シート1は、図1の
構成に加えて、シール部2のシール基材4の上に、受容
層6を設け、さらにシール部にハーフカット8が形成さ
れたものである。
【0010】図3は、受容層6、シール基材4、粘着剤
層5がこの順に積層されたシール部2と、離型シート3
からなり、該粘着剤層5と該離型シート3の離型面7と
が剥離可能に貼合された構成であり、スクラッチ性を有
する隠蔽層13が該受容層6上の全面に形成されたシー
ル用熱転写受像シート1を示す。図4に示すシール用熱
転写受像シート1は、シール基材4、粘着剤層5がこの
順に積層されたシール部2と、離型シート3からなり、
該粘着剤層5と該離型シート3の離型面7とが剥離可能
に貼合された構成であり、該シール基材上にスクラッチ
性を有する隠蔽層13が部分的に形成され、さらに該隠
蔽層13の上に画像9、文字10が形成されたものであ
る。
【0011】図5に示す示すシール用熱転写受像シート
1は、受容層6、シール基材4、粘着剤層5がこの順に
積層されたシール部2と、離型シート3からなり、該粘
着剤層5と該離型シート3の離型面7とが剥離可能に貼
合された構成であり、該受容層6上にスクラッチ性を有
する隠蔽層13が部分的に形成され、さらに該隠蔽層1
3の上に文字10が形成され、また受容層6に画像9が
形成され、シール部にはハーフカット8が形成されてい
る。図6は、図5のシール部2をハーフカット8処理の
形に剥離し、予め画像9と文字10が形成されている物
品20上に貼着後の図である。図7は、図6の隠蔽層1
3を削りとった後の図である。この場合は、シール用熱
転写受像シートのシール基材4として透明シートを使用
しているので、隠蔽層13の下に隠れていた物品20上
の文字9や画像10をシール部2を介して見ることがで
きる。
【0012】図8に示すシール用熱転写受像シート1
は、シール基材4、粘着剤層5がこの順に積層されたシ
ール部2と、離型シート3からなり、該粘着剤層5と該
離型シート3の離型面7とが剥離可能に貼合された構成
であり、該シール基材上にスクラッチ性を有する隠蔽層
13が部分的に形成され、さらに該隠蔽層13の上に文
字10が形成され、またシール基材4上に画像9が形成
され、該画像9の一部は隠蔽層13で隠されている。図
9、図10は、隠蔽層転写シートの断面図を示し、図9
の隠蔽層転写シート11は、基材シート12上の全面に
剥離可能でスクラッチ性を有する隠蔽層13が形成され
た構成である。図10の隠蔽層転写シート11は、基材
シート12上にパターン状に剥離可能でスクラッチ性を
有する隠蔽層13が形成された構成である。
【0013】本発明の熱転写受像シートは、少なくと
も、シール基材、粘着剤層がこの順に積層されたシール
部と、離型シートからなり、該粘着剤層と該離型シート
の離型面とが剥離可能に貼合されて、該シール基材上に
スクラッチ性を有する隠蔽層が形成されている。
【0014】(離型シート)本発明において使用する離
型シート3は、従来公知のプラスチックフィルムまた
は、ポリラミ紙の基材表面にシリコーン等の公知の離型
剤で離型処理を施した材料であり、例えば、東レ株式会
社製のルミラーT−60(厚み50μm)や、ダイヤホ
イル株式会社製のW−400(厚み38μm)として入
手し、使用することができる。これらの離型シート3は
20μm〜188μmの厚みのものが好ましく、離型シ
ート3が薄すぎると得られる熱転写受像シートのいわゆ
るコシがなくなり、熱転写プリンターで搬送できなかっ
たり、熱転写受像シートにシワが発生したりする。一
方、離型シート3が厚すぎると、得られる熱転写受像シ
ートが厚くなりすぎ、熱転写プリンターで搬送駆動させ
る力が大きくなりすぎて、プリンターに故障が生じた
り、正常に搬送できなかったりする。
【0015】(粘着剤層)本発明において使用する粘着
剤層5は、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤
を用いて形成することができる。粘着剤として、例え
ば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アク
リル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然
ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどが挙げられ
る。但し、本発明の粘着剤層5は、せん断力がJIS
Z0237 3による測定で、9.0kg〜14.0k
gであることが好ましく、これによって粘着剤層5の凝
集力を高め、切り欠きから粘着剤がはみ出しことを防止
することができる。
【0016】JIS Z0237 3による測定のせん
断力は、具体的には粘着剤の動的せん断的力に対する抵
抗力を評価する測定で、図11に示すようにシール基材
4に粘着剤層5が設けられ、その粘着剤層5と被着体で
あるSUS304鋼板を280番耐水研磨紙にて研磨し
た面を、23℃65%RHにて2kg荷重のゴムローラ
ーで圧着する。但し、圧着され、貼付される面積は25
cm×25cmである。次に、23℃65%RHの条件
で、被着体を固定して、図11に示すような方向で30
0mm/minの速度でシール基材4を引張り、その力
を測定してせん断力とするものである。せん断力がJI
S Z0237 3による測定で、9.0kg〜14.
0kgに収めるには、粘着剤としてポリアクリル酸エス
テルをはじめとする種々のアクリル系ポリマーが好まし
く用いられる。具体的にはアクリル系ポリマーの末端に
水酸基、またはカルボキシル基等の官能基をもたせて重
合させることが挙げられる。
【0017】せん断力がJIS Z0237 3による
測定で、9.0kg未満であると、切り欠きから粘着剤
がはみ出しは防止できるが、シール部を離型シートから
剥がして、任意の物品に貼着する際の粘着力が低く、剥
がれやすくなる。また、せん断力がJIS Z0237
3による測定で14.0kgを越えると、任意の物品
に貼着する際の粘着力は高いが、切り欠きから粘着剤が
はみ出しやすくなる。粘着剤層5の塗工量は、約8〜3
0g/m2 (固形分)が一般的であり、従来公知の方
法、すなわち、グラビアコート、グラビアリバースコー
ト、ロールコート等の方法で、離型シート上に塗布し、
乾燥して粘着剤層5を形成する。
【0018】(シール基材)シール用熱転写受像シート
のシール基材4としては、従来公知のものでよく、例え
ば、東洋紡績株式会社製のトヨパールSS P4255
(厚み35μm)、モービルプラスチックヨーロッパ製
のMW247(厚み35μm)等の基材内部にミクロボ
イド(微細な空孔)を有するポリプロピレンフィルム、
ダイヤホイル株式会社製のW−900(50μm)、東
レ株式会社製のE−60(50μm)等の内部にミクロ
ボイドを有するポリエチレンテレフタレートフィルムが
好ましく使用される。又、本発明の別の好ましい実施形
態の熱転写受像シートの例は、シール基材4が、粘着剤
層5に接する側が、内部にミクロボイドを有さない樹脂
フィルムと受容層8に接する側が、内部にミクロボイド
を有する樹脂フィルムとの積層体からなる。このように
することによって、形成される画像、特に高濃度部分の
発色濃度を向上させて、高品質の画像を形成することが
でき、また、シール部を離型シートから剥離する際に、
上記の積層体のシール基材はシワの発生を防止すること
ができる。
【0019】上記において、有用な内部にミクロボイド
を有さない樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン等のミクロボイドを
有さないフィルムであり、従来公知のミクロボイドを有
さない樹脂フィルムはいずれも本発明において使用で
き、その厚みとしては約10〜100μmの範囲が好ま
しい。フィルム厚が薄すぎると、いわゆるコシがなく、
得られる熱転写受像シートにおいて、サーマルヘッド等
による画像形成時に熱収縮によるカールが発生し、一
方、厚すぎるとサーマルヘッド等による画像形成時にヒ
ートセットによるカールが発生し易くなる。好ましい一
例としては、例えば、東レ株式会社製のルミラーT−6
0(厚み38μm)が挙げられる。また、有用な内部に
ミクロボイドを有する樹脂フィルムとしては、ポリプロ
ピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム
等の従来公知のミクロボイドを有する樹脂フィルムが使
用でき、特にポリプロピレンフィルムがそのクッション
性と断熱性が優れており、サーマルヘッドとの圧接で、
均一に効率良く染料を受容層へ転移させるため、好まし
い。これらのフィルムの厚みは、30〜100μm程度
が好ましい。好ましいものとしては、例えば、東洋紡績
株式会社製のトヨパールP4255(厚さ35μm)や
トヨパールP4256(厚さ60μm)等が挙げられ
る。
【0020】上記のミクロボイドを有さない樹脂フィル
ムと、ミクロボイドを有する樹脂フィルムとの積層方法
としては、例えば、ドライラミネーション、ノンソルベ
ント(ホットメルト)ラミネーション、ECラミネーシ
ョン方法等の公知の積層方法が使用できるが、好ましい
方法はドライラミネーション及びノンソルベントラミネ
ーション方法である。ノンソルベントラミネーション方
法に好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業株式
会社製のタケネートA−720Lが挙げられ、ドライラ
ミネーションに好適な接着剤としては、例えば、武田薬
品工業株式会社製のタケラックA969/タケネートA
−5(3/1)等が挙げられる。これらの接着剤の使用
量としては、固形分で約1〜8g/m2 、好ましくは2
〜6g/m2 の範囲である。
【0021】(受容層)上記のシール基材の上に形成さ
れる受容層6は、シール基材の上に直接または、プライ
マー層を介して、形成することができる。受容層6は、
熱溶融転写記録と昇華転写記録の各記録方式の違いによ
り、受容層の構成が異なる。また、熱溶融転写記録では
受容層を設けずに、基材に直接、熱転写シートから着色
転写層を熱転写することもできる。熱溶融転写記録と昇
華転写記録の受容層は、加熱により熱転写シートから転
写される色材を受容する働きを有するもので、特に昇華
性染料の場合には、それを受容し、発色させると同時
に、一旦受容した染料を再昇華させないことが望まれ
る。
【0022】受容層6は、一般に熱可塑性樹脂を主体と
して構成される。受容層を形成する材料としては、例え
ば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポリエステル
系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチ
レンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマー
との共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセ
テート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂
等が挙げられ、中でも特に好ましいものはポリエステル
系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれら
の混合物である。
【0023】画像形成時において、着色転写層を有する
熱転写シートと、熱転写受像シートの受容層との融着若
しくは印画感度の低下等を防ぐ目的で、昇華転写記録で
は、受容層に離型剤を混合することができる。混合して
使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、
リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が
挙げられるが、中でもシリコーンオイルが望ましい。そ
のシリコーンオイルとしては、エポキシ変性、ビニル変
性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、ア
ルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエ
ーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテ
ル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
【0024】離型剤は1種若しくは2種以上のものが使
用される。また、離型剤の添加量は受容層形成用樹脂1
00重量部に対し、0.5〜30重量部が好ましい。こ
の添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シー
トと熱転写受像シートの受容層との融着若しくは印画感
度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型
剤を受容層に添加することによって、転写後の受容層の
表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成され
る。また、これらの離型剤は受容層に添加せず、受容層
上に別途塗工してもよい。受容層は、基材の上に上記の
如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えたものを適当
な有機溶剤に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散し
た分散体を適当な塗布方法で塗布及び乾燥することによ
って形成される。上記受容層の形成に際しては、受容層
の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める目
的で、白色顔料や蛍光増白剤等を添加することができ
る。以上のように形成される受容層は任意の厚さでよい
が、一般的には乾燥状態で1〜50μmの厚さである。
【0025】また、このような受容層は連続被覆である
のが好ましいが、樹脂エマルジョン若しくは水溶性樹脂
や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成して
もよい。更に、熱転写プリンターの搬送安定化を図るた
めに受容層の上に帯電防止剤を塗工してもよい。更に、
受容層と反対側の離型シートの表面には熱転写プリンタ
ーの給紙時のダブルフィードを防ぐために、適当なスリ
ップ層(不図示)を設けることができる。スリップ層と
しては、ブチラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポ
リメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビ
ニル等公知の樹脂の単独又はブレンドしたものに、各種
の微粒子やシリコーン等の滑剤を添加したものを用いる
ことができる。
【0026】本発明の熱転写受像シートは、少なくとも
受容層、基材、粘着剤層がこの順に積層されたシール部
と、離型シートからなり、該離型シートの離型面と粘着
剤層が剥離可能に貼合された構成であり、受像シートの
受容層面もしくは裏面、または両面の最表面に帯電防止
層を設けてもよい。帯電防止層は、帯電防止剤である、
脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミ
ド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、
アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物等を溶剤に
溶解又は分散させたものを塗工して、形成することがで
きる。形成手段は、上記の受容層の場合と同様のものが
あげられる。帯電防止層の塗工量は、乾燥時0.001
〜0.1g/m2 が好ましい。
【0027】受像シートのシール基材と受容層の間に各
種の樹脂からなる中間層を設けることができる。この中
間層に様々な役割をもたせることで、受像シートに優れ
た機能を付加させることができる。例えば、クッション
性を付与させる樹脂として、弾性変形や塑性変形の大き
な樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系共重
合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂など
を用いて、受像シートの印字感度を向上させたり、画像
のざらつきを防止することができる。さらに、中間層
に、帯電防止能力を付与させるために、上記のクッショ
ン性を付与させる樹脂に、前記の帯電防止剤を添加し、
溶剤に溶解又は分散させたものを塗工して、中間層を形
成することができる。
【0028】(ハーフカット)本発明の熱転写受像シー
トは、離型シートを除く部分にハーフカット8の処理が
施されている。このハーフカットの形成方法は、カッタ
ー刃を取り付けた上型と台座の間に、熱転写受像シート
を挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータ
イプのロータリーカッター方法等、ハーフカットできる
方法であれば特に制限はないが、レーザー加工手段によ
り熱処理を施すことにより、任意の形状及び深さにハー
フカット8を形成することが好ましい。レーザー加工手
段は、レーザー光として、YAGレーザー、炭酸ガスレ
ーザー、ルビーレーザーなどを用い、特にYAGレーザ
ーは、波長が短く、微小なスポットに集光できるため、
より微細な加工が可能であり、好ましく用いられる。
尚、図2、5に示したハーフカット8は、深さが一定し
ているが、部分的に、ハーフカットの加工深さを浅くし
たり、連続したハーフカットでなく、部分的に、アンカ
ット(全くカットがない)部分を設けたりして、熱転写
プリンター搬送中等取扱で、ハーフカットの部分が剥離
するトラブルを防ぐことができる。但し、上記の加工
は、ハーフカットの部分を手で剥離しようとする時は、
剥がせる程度に行う必要がある。
【0029】本発明のシール用熱転写受像シートにおい
て、シール基材上にスクラッチ性を有する隠蔽層が形成
されている。その隠蔽層の形成方法としては、シール基
材上にグラビア印刷等の印刷方法にて形成してもよい
し、隠蔽層転写シートから受像シートに転写することに
より形成してもよい。但し、グラビア印刷等の印刷で使
用するインクがウェットであり、印刷後の乾燥装置や、
印刷用の版が必要となり、手間がかかるため、隠蔽層転
写シートを使用して隠蔽層を形成することが好ましい。
【0030】(基材シート)隠蔽層転写シートの基材シ
ート12は、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有す
るものであれば、いずれのものでもよく、例えば、0.
5〜50μm、好ましくは3〜10μm程度の厚さの
紙、各種加工紙、ポリエステルフィルム、ポリスチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィ
ルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、
ポリビニルアルコールフィルム、セロファン等であり、
特に好ましいものは、ポリエステルフィルムである。
【0031】隠蔽層転写シート11は、図9、10に示
すように、隠蔽層13を基材シート12上に直接設けた
り、基材シートと隠蔽層との間に、隠蔽層が基材シート
から円滑に剥離するために、剥離層を設けることができ
る。さらに、転写時に隠蔽層と受像シートの接着性を向
上させるために、接着層を隠蔽層の上に設けることがで
きる。尚、隠蔽層転写シートは、その裏面に、サーマル
ヘッドの熱によるスティッキングや印字しわなどの悪影
響を防止するため、耐熱層を設けることが好ましい。隠
蔽層転写シート11は、少なくとも隠蔽層13を必須と
するが、剥離層、接着層、耐熱層は適宜省略することが
可能である。また、隠蔽層は、図9のようにシール用熱
転写受像シートの全面に形成してもよいし、図10のよ
うに部分的に形成してもよい。部分的に形成する方法と
しては、図9のように隠蔽層が全面に形成された隠蔽層
転写シートを選択的に加熱する方法と、図10のように
隠蔽層がパターン状に形成された隠蔽層転写シートを用
いる方法とがある。
【0032】(隠蔽層)隠蔽層13は、顔料または染料
と、バインダーを主成分として構成される。顔料として
は無機、有機の白色または有色の顔料、及び染料が使用
でき、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニ
ウム、二酸化チタン、二酸化珪素、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カ
オリン、ブロンズパウダー等の無機顔料、カーボンブラ
ック、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポ
リエチレンパウダー、フタロシアニン、フタロシアニン
の金属塩等の有機顔料や、メチルバイオレット等の染料
が挙げられる。尚、白色の顔料としては、例えば、シリ
カ、アルミナ、クレイ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム等の無機充填剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の白
色顔料が挙げられ、好ましく使用される。それは、隠蔽
層を白色にして、例えば隠蔽層の上に、画像を形成した
場合にコントラストで画像が目立つからである。また、
隠蔽層はえんぴつ、ボールペン、水性マジック、油性マ
ジック等の筆記用具により筆記可能な筆記性を有してい
てもよい。隠蔽層に筆記性をもたせるには、上記の顔料
により、隠蔽層表面を凹凸にし、また親水性の顔料粒子
等を用いれば良い。
【0033】隠蔽層の色相は、白色、黄色、水色、銀色
等、何色でもかまわないが、その上にカラ一画像を形成
する場合には、白色であることが好ましい。色再現性の
良い、鮮明な画像を形成することができる。バインダー
樹脂は、いずれの樹脂を用いてもよく、好ましい樹脂と
しては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂等が挙げられる。隠蔽層13は、上
記の顔料または染料と、バインダーを主成分とし、その
他必要に応じて添加剤を加え、従来公知の方法、すなわ
ち、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロール
コート等の方法で、塗工量を、乾燥時で2〜30μm程
度にして、形成する。
【0034】(剥離層)隠蔽層転写シート11で設ける
剥離層は、隠蔽層転写シート11からシール用熱転写受
像シート1へサーマルヘッドあるいはその他の手段で加
熱された時に、両者が融着することを防止し、隠蔽層転
写シート11の基材シート12が受像シート1からスム
ーズに剥離し、転写ムラをなくし、転写性を良好にする
ものである。剥離層は、ワックス、シリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、メチルメタアクリレート等のアクリル樹脂等
により形成することができ、例えば、耐溶剤性の高いカ
ルナバワックスを使用することができる。剥離層は、上
記の隠蔽層と同様な方法で形成することができ、その厚
さは、塗布乾燥後で、0.1〜2.0μmが好ましい。
【0035】(接着層)接着層は、隠蔽層とシール用熱
転写受像シートとの接着性が低い場合に用いることが好
ましい。接着層は受像シートのシール基材または受容層
との接着性が良好である材料が用いられる。接着層15
は、一般的には熱可塑性樹脂、天然樹脂、ゴム、ワック
スなどを用いることができる。
【0036】例えば、エチルセルロース、酢酪酸セルロ
ースなどのセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−
メチルスチレンなどのスチレン共重合体、ポリメチルメ
タクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチル
アクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポ
リビニルブチラールなどのビニル系樹脂、ポリエステル
樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹
脂、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチ
レンアクリル酸エステルなどの合成樹脂や、粘着付与剤
としてのロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステル
ゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブ
タジエンゴム、ブタジエンアクリルニトリルゴム、ポリ
アミド樹脂、ポリ塩素化オレフィンなどがあげられ、前
記の材料の1種または2種以上よりなる組成物から接着
層を構成することができる。
【0037】また、接着層には、上記の材料の他に、隠
蔽層であげた顔料を添加して、巻き形態での保管上、ブ
ロッキング防止の処置を施してもよい。この接着層の厚
さは、受容層との接着性能が良好になるように決定され
るが、通常は、乾燥状態で0.1〜20μmが好まし
い。さらに、接着層は、前記の隠蔽層と同様な方法で塗
布、乾燥し、形成することができる。
【0038】(耐熱層)上記の如き隠蔽層転写シート
は、その裏面に、サーマルヘッドの熱によるスティッキ
ングや印字しわなどの悪影響を防止するため、耐熱層を
設けることが好ましい。上記の耐熱層を形成する樹脂と
しては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹
脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン
/ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレ
タンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエ
ーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン
又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、
セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピ
オネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、
セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢
酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹
脂等が挙げられる。また、より耐熱性向上のために、各
種イソシアネート硬化剤や不飽和結合を有するモノマ
ー、オリゴマーとの反応生成物でもよく、硬化方法は加
熱、電離放射線の照射等、硬化手段は限定されない。
【0039】これらの樹脂からなる耐熱層に添加あるい
は上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シ
リコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系
グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリ
ルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、
アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられる
が、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール
高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸エス
テル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加する
ことがより好ましい。耐熱層は、上記に記載した樹脂、
滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解
又は分散させて、耐熱層形成用インキを調製し、これ
を、上記の基材シートの他方に面に、例えば、グラビア
印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバー
スコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して
形成することができる。
【0040】以上のような隠蔽層転写シートやグラビア
印刷等の印刷方法を用いて、シール用熱転写受像シート
上に隠蔽層を形成する。そして、その隠蔽層は、物品に
貼着されたスクラッチシールとして、削り落とされるも
ので、具体的には、爪やコイン等で隠蔽層を擦った際
に、容易に削り取れるものである。その意味で、隠蔽層
はスクラッチ性を有している。隠蔽層は、爪やコイン等
で擦れば削り取れるが、取扱上で物と擦れた程度では削
られるものではない。したがって、シール用熱転写受像
シートに形成された隠蔽層は、JIS K 5400の
手かき法で規定する鉛筆引っかき値が、2H以上の範囲
にすることが好ましく、それにより、シール基材との適
度な密着性と、爪やコイン等で擦った際の、削り落とさ
れる適度な脆さの両者のバランスをもったものである。
【0041】JIS K 5400の手かき法で規定す
る鉛筆引っかき値は、塗膜(今回は隠蔽層)の硬さを、
鉛筆のしんで塗膜を引っかいて調べ、鉛筆の濃度記号で
表したものである。具体的には、試験片を水平な台の上
に塗面を上向きに固定し、図12に示すように約45度
の角度で鉛筆を持ち、しんが折れない程度にできる限り
強く塗面に押し付けながら、試験者の前方に均一な速さ
で約1cm押し出して塗面を引っかく。押し出す速度は
約1cm/sとする。1回引っかくごとに鉛筆のしんの
先端を新たに研いで、同一の濃度記号の鉛筆で5回ずつ
試験を繰り返す。5回の試験で2回以上試験片の素地又
は下塗塗膜に届く破れが認められないときは、上位の濃
度記号の鉛筆に取り替えて同様に試験を行い、塗膜の破
れが2回以上になる鉛筆を見つけ、その鉛筆の濃度記号
より一段階下位の濃度記号を、その塗膜の鉛筆引っかき
値とする。
【0042】本発明のシール用熱転写受像シートは、シ
ール基材上や隠蔽層上に、文字および/または画像を形
成することができる。その文字および/または画像を形
成する手段は、昇華転写方式や、熱溶融転写方式が好ま
しく用いられ、具体的には基材シート上に昇華転写型や
熱溶融転写型の着色転写層を形成した熱転写シートを用
いて、サーマルヘッドによる加熱や、レーザー等の光照
射により着色転写層を転写して、文字、画像を形成する
ことができる。尚、文字、画像を形成する方法は熱溶融
転写方式、昇華転写方式等の熱転写方式に限定されず、
えんぴつ、ボールペン、油性マジック、水性マジック等
の筆記用具を用いて書いてもよい。昇華転写方式を利用
する場合には、隠蔽層、シール基材も染料染着性を有す
る材料を用いる必要がある。
【0043】また、本発明では、シール用熱転写受像シ
ートのシール基材上に受容層を形成し、該受容層及び/
または隠蔽層上に、文字及び/または画像を形成するこ
とが好ましく行われる。シール基材として、染料染着性
のない材料を使用する場合には、シール基材上に染料染
着性のある受容層を形成しておけばよい。また、筆記用
具を用いる場合には、用いる道具にあわせてシール基
材、隠蔽層の材料を選択したり表面処理を行う等、筆記
性を付与させておけばよい。
【0044】シール用熱転写受像シートが貼着される物
品14の上に、文字9や画像10を形成する方法は、従
来公知の印刷方式や、熱転写方式で任意の可変情報の文
字、画像を形成しても良いし、自由に選択することがで
きる。また、物品の上の、文字や画像を形成する個所
は、隠蔽層の真下のみならず、隠蔽層からずれた位置で
もかまわない。隠蔽層で隠す必要がある文字、画像であ
れば隠蔽層の下に設ければ良い。上記の文字、画像は、
任意の文字、画像であり、フルカラーやモノカラーでも
よく、また階調画像でも、ベタ画像でも、さらに文字、
マーク等でも良い。
【0045】さらに、シール用熱転写受像シートのシー
ル基材が透明であるものが好ましく使用される。それ
は、図7に示すように、シール用熱転写受像シートのシ
ール基材4として透明シートを使用しているので、隠蔽
層13の下に隠れていた物品14上の文字9や画像10
をシール部2を介して見ることができるからである。以
上のように形成されたスクラッチシールは、シール部を
離型シートから剥離して、任意の物品に貼着することが
できる。
【0046】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて、本発明を
さらに具体的に説明する。尚、文中部または%とあるの
は重量基準である。 (実施例1)まず、シール基材として、透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(厚み50μm)の一方の表
面に下記組成の受容層用塗工液を固形分で、4.5g/
2の割合で、塗工及び乾燥して受容層を形成した。
【0047】受容層用塗工液組成 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 40部 (電気化学工業株式会社製、#1000A) ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、バイロン600) 40部 塩化ビニル・スチレン・アクリル共重合体 20部 (電気化学工業株式会社製、デンカラック#400A) ビニル変性シリコーン 10部 (信越化学工業株式会社製 X−62−1212) 触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−PLR−5) 5部 触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−PL−50T) 6部 メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 400部
【0048】次に、上記のポリエチレンテレフタレート
フィルムの受容層を形成していない面に、下記組成の粘
着剤を固形分塗工量15g/m2 の割合で塗工し、温度
70℃にて1分間の加熱乾燥を行って粘着剤層を形成し
た。尚、実施例1の粘着剤層のせん断力はJIS Z0
237 3による測定で、10kgである。粘着剤層用塗工液組成 アクリル共重合体 48部 (綜研化学株式会社製 SKダイン1310L) エポキシ樹脂(綜研化学株式会社製 硬化剤E−AX) 0.36部 酢酸エチル 51.64部
【0049】別に離型シートである表面コロナ処理の二
軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名クリスパーG1
212、東洋紡績株式会社製、厚み100μm)の一方
に、信越化学工業株式会社製KS−847Hで離型処理
を行い、その表面に、前記の積層体の粘着剤層面を対向
させてラミネートした。そして、前記受容層面に帯電防
止剤として、第4級アンモニウム塩化合物(松本油脂製
薬株式会社製、TB−34の1/1000希釈液)を塗
布し、さらに、シール部にカッター刃を取り付けた上型
と台座とのプレス方式により、剥がすためのハーフカッ
トを形成して、シール用熱転写受像シートを作製した。
【0050】次に、一方の面に易接着処理を施した厚さ
6μmのPETを基材シートとして、その基材シートの
他方の面には、予め下記組成の耐熱層用塗工液を、グラ
ビア印刷機により、塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工
厚1μmの耐熱層を設け、さらに60℃にて5日間オー
ブン中で加熱熟成して、硬化処理を行っておく。その耐
熱層塗布済みの基材シートの易接着処理面の全面に、下
記組成の剥離層用塗工液をグラビア印刷機により、塗
布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚0.6μmの剥離層
を設け、さらに剥離層上に、下記組成の隠蔽層用塗工液
を、グラビア印刷機により、塗布、乾燥させて、乾燥状
態で塗工厚5.0μmの隠蔽層を設けた。さらに隠蔽層
上に、下記組成の接着層用塗工液を、グラビア印刷機に
より、塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚1.0μm
の接着層を設け、隠蔽層転写シートを作製した。
【0051】耐熱層用塗工液 ポリビニルブチラール樹脂: 3.6部 積水化学工業株式会社製 エスレックBX−1 ポリイソシアネート: 8.6部 大日本インキ株式会社製 バーノックD750 燐酸エステル系界面滑性剤: 2.8部 第一工業製薬株式会社製 プライサーフA208S タルク:日本タルク株式会社製ミクロエースP−3 0.7部 メチルエチルケトン 32.0部 トルエン 32.0部
【0052】剥離層用塗工液 アイオノマー水分散液(固形分35%) 4部 カルナバワックスエマルジョン(固形分40%) 1部 エチルアルコール/水(2/1) 10部
【0053】隠蔽層用塗工液 変性アクリル樹脂: 20部 大日本インキ株式会社製 アクリディック BZ−1160 酸化チタン(アナターゼ型): 40部 トーケムプロダクツ株式会社製 TCA888 トルエン/イソプロピルアルコール(重量比1/1) 40部
【0054】接着層用塗工液 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂: 20部 電気化学工業株式会社製 #1000ALK シリカ 1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80部
【0055】上記のシール用熱転写受像シートに、イエ
ロー、マゼンタ、シアンの染料層を面順次に設けた昇華
型熱転写シートを用いて、フルカラーの画像9を、図5
に示すように転写形成した。次に、上記のシール用熱転
写受像シートのシール部面に、図5に示すような配置
で、上記の隠蔽層転写シートから隠蔽層を転写した。さ
らに、その隠蔽層の上に、図5に示すような配置で、ブ
ラックの熱溶融性インキ層をもつ熱転写シートにより、
文字を転写形成した。そして、図6に示すように、予め
画像9と文字10を形成した物品14の表面に、上記の
シール用熱転写受像シートの離型シートを剥がして、シ
ール部2を貼着し、スクラッチシールを作成した。尚、
物品14の表面に形成した画像9と文字10は、シール
部2の隠蔽層13により、隠れる位置関係とする。(図
6の通り)
【0056】(実施例2)実施例1で使用したシール基
材を白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ3
8μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、シ
ール用熱転写受像シートと隠蔽層転写シートを作製し
た。上記のシール用熱転写受像シートに、イエロー、マ
ゼンタ、シアンの染料層を面順次に設けた昇華型熱転写
シートを用いて、フルカラーの画像9を、図8に示すよ
うに転写形成した。次に、上記のシール用熱転写受像シ
ートのシール部面に、図8に示すような配置で、上記の
隠蔽層転写シートから隠蔽層を転写した。さらに、その
隠蔽層の上に、図8に示すような配置で、ブラックの熱
溶融性インキ層をもつ熱転写シートにより、文字10を
転写形成した。そして、物品の表面に、上記のシール用
熱転写受像シートの離型シートを剥がして、シール部を
貼着し、スクラッチシールを作成した。
【0057】(比較例1)シール基材として、白色ポリ
エチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)の一
方の表面に実施例1で使用した粘着剤層用塗工液を固形
分塗工量15g/m2 の割合で塗工し、温度70℃にて
1分間の加熱乾燥を行って粘着剤層を形成した。尚、粘
着剤層のせん断力はJIS Z0237 3による測定
で、10kgである。また、離型シートは実施例1で使
用したものと同じものを使用して、離型シートの離型処
理表面に、前記の積層体の粘着剤層面を対向させてラミ
ネートした。そして、シール基材の上に、図8に示すよ
うな配置で、フルカラー画像9をオフセット印刷により
形成した。次に、図8に示すような配置で、隠蔽層をグ
ラビア印刷にて形成し、さらにその隠蔽層の上に、図8
に示すような配置で、文字を活版印刷により、形成し
た。そして、物品の表面に、上記のシール用受像シート
の離型シートを剥がして、シール部を貼着し、スクラッ
チシールを作成した。
【0058】(評価結果)実施例1及び実施例2で作成
したスクラッチシールは、任意の可変情報である画像や
文字を簡単に隠蔽し、かつその隠蔽層を簡単に擦り取っ
て、また画像、文字を見ることができる。詳しくは、実
施例1では、スクラッチシールの隠蔽層を擦り取ると、
その隠蔽層の下の、物品の上にある可変情報である文
字、画像を見ることができた。また、実施例2では、ス
クラッチシールの隠蔽層を擦り取ると、その隠蔽層の下
の、シール基材上に形成された可変情報である画像を見
ることができた。それに対し、比較例1で作成したスク
ラッチシールは、シール基材上に形成された画像が固定
情報であり、画像を自由に任意のものに変えることは困
難であった。
【0059】
【発明の効果】以上の通り、本発明のシール用熱転写受
像シートによれば、少なくとも、シール基材、粘着剤層
がこの順に積層されたシール部と、離型シートからな
り、該粘着剤層と該離型シートの離型面とが剥離可能に
貼合されたもので、該シール基材上にスクラッチ性を有
する隠蔽層が形成されている。したがって、シール用熱
転写受像シートは、シール基材側に形成される画像が熱
転写等による任意の可変情報であり、かつシール基材上
に隠蔽層を合わせもち、隠蔽層を簡単に擦り取れるよう
にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール用熱転写受像シートの一つの実
施形態を示す断面図である。
【図2】本発明のシール用熱転写受像シートの他の実施
形態を示す断面図である。
【図3】本発明のシール用熱転写受像シートの他の実施
形態を示す断面図である。
【図4】本発明のシール用熱転写受像シートの他の実施
形態を示す断面図である。
【図5】本発明のシール用熱転写受像シートの他の実施
形態を示す断面図である。
【図6】図5のシール部をハーフカット処理の形に剥離
し、予め画像と文字が形成されている物品上に貼着後の
断面図である。
【図7】図6の隠蔽層を削りとった後の断面図である。
【図8】本発明のシール用熱転写受像シートの他の実施
形態を示す断面図である。
【図9】本発明に使用する隠蔽層転写シートの一つの実
施形態を示す断面図である。
【図10】本発明に使用する隠蔽層転写シートの他の実
施形態を示す断面図である。
【図11】JIS Z 0237 3によるせん断力測
定を説明する概略図である。
【図12】JIS K 5400の手かき法で規定する
鉛筆引っかき値を求めることを説明する概略図である。
【符号の説明】
1 シール用熱転写受像シート 2 シール部 3 離型シート 4 シール基材 5 粘着剤層 6 受容層 7 離型面 8 ハーフカット 9 画像 10 文字 11 隠蔽層転写シート 12 基材シート 13 隠蔽層 14 物品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、シール基材、粘着剤層がこ
    の順に積層されたシール部と、離型シートからなり、該
    粘着剤層と該離型シートの離型面とが剥離可能に貼合さ
    れたシール用熱転写受像シートにおいて、該シール基材
    上にスクラッチ性を有する隠蔽層が形成されていること
    を特徴とするシール用熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】 前記のシール基材上に受容層が形成され
    ていることを特徴とする上記の請求項1に記載するシー
    ル用熱転写受像シート。
  3. 【請求項3】 前記のシール基材が透明であることを特
    徴とする上記の請求項1または2に記載するシール用熱
    転写受像シート。
  4. 【請求項4】 前記の隠蔽層がシール基材上の全面に形
    成されていることを特徴とする上記の請求項1〜3のい
    ずかに記載するシール用熱転写受像シート。
  5. 【請求項5】 前記隠蔽層がシール基材上で部分的に形
    成されていることを特徴とする上記の請求項1〜3のい
    ずかに記載するシール用熱転写受像シート。
  6. 【請求項6】 前記のシール部にハーフカット処理が施
    されていることを特徴とする上記の請求項1〜5のいず
    かに記載するシール用熱転写受像シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002103865A (ja) * 2000-10-02 2002-04-09 Dainippon Printing Co Ltd スクラッチシール、スクラッチシート、およびスクラッチカード
JP2017065193A (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 凸版印刷株式会社 画像形成体及び画像形成方法

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