JPH1191253A - 熱転写受像シート及びその使用方法 - Google Patents

熱転写受像シート及びその使用方法

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JPH1191253A
JPH1191253A JP9271945A JP27194597A JPH1191253A JP H1191253 A JPH1191253 A JP H1191253A JP 9271945 A JP9271945 A JP 9271945A JP 27194597 A JP27194597 A JP 27194597A JP H1191253 A JPH1191253 A JP H1191253A
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JP
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sheet
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receiving sheet
image
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JP9271945A
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English (en)
Inventor
Kenji Tsuda
健次 津田
Wataru Oyama
渉 大山
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール部にハーフカットが施され、簡易な構
成にて、熱転写プリンターに供給する際の搬送方向の間
違いや表裏逆に装填することを防止することができる熱
転写受像シート及びその使用方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 少なくとも受容層、基材、粘着剤層がこ
の順に積層されたシール部と離型シートからなり、該離
型シートの離型面とシール部の粘着剤層が剥離可能に貼
合された熱転写受像シート1で、任意の大きさの枚葉で
あり、該シール部に剥がすためのハーフカットが施さ
れ、かつ、左右非対称又は上下非対称の形状の切り欠き
3が形成されている。また、給紙トレー10に該切り欠
き3と嵌合する凸部4を形成し、該凸部4に熱転写受像
シートの切り欠き3を嵌合させ、熱転写受像シート1を
給紙トレー10に設置することにより、熱転写プリンタ
ーに供給する際の搬送方向の間違いや表裏逆に装填する
ことを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写により画像が
形成される、少なくとも受容層、基材及び粘着剤層から
なるシール部と、そのシール部の粘着剤層面に剥離可能
に貼合された離型シートからなる構成の熱転写受像シー
トにおいて、シール部にハーフカットが施され、熱転写
プリンターに供給する際の間違いを防止できる熱転写受
像シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が知られている
が、この方法は、基材シート上に着色転写層を形成した
熱転写シートにおいて、その背面からサーマルヘッドな
どにより、画像状に加熱して、上記の着色転写層を熱転
写受像シートの表面に熱転写して、画像形成するもので
ある。この熱転写方法は、その着色転写層の構成によっ
て、昇華転写型と熱溶融転写型の二方式に大別される。
両方式ともに、フルカラー画像の形成が可能であり、例
えば、イエロー、マゼンタ、シアンさらに必要に応じ
て、ブラックの三色ないし四色の熱転写シートを用意
し、同一の熱転写受像シートの表面に各色の画像を重ね
て熱転写して、フルカラー画像を形成するものである。
マルチメディアに関連した様々なハードおよびソフトの
発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフ
ィックス、衛星通信による静止画像そしてCDROMそ
の他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナロ
グ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その
市場を拡大している。
【0003】この熱転写方法による熱転写受像シートの
具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものと
しては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAM
などの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや
内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出
力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分
証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード
類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンタ
ー、博物館、水族館などのアミューズメント施設におけ
る合成写真、記念写真としての用途などをあげることが
できる。さらに、上記のような用途の多様化に伴い、任
意の対象物に貼り付けられるもので、例えば、画像が形
成される受容層と基材が、粘着剤層を介して、離型シー
トと剥離可能な構成の熱転写受像シートが使用されてい
る。いわゆる、ラベルやシールタイプと言われているも
のである。この熱転写受像シートは、受容層に所望の画
像を形成後、該受容層を有する基材を剥離して任意の対
象物に貼着する用途のものである。
【0004】図4及び図5は、上記の用途に使用されて
いる従来技術の熱転写受像シートの1例を示すもので、
図5は図4のY−Y拡大断面図である。図4に示す熱転
写受像シート1は、枚葉であり、図示していない熱転写
シートがその表面に重ねられ、該熱転写シートをその背
面からサーマルヘッド等により画像状に加熱して、熱転
写シートの着色転写層を熱転写受像シートの受容層に転
写させ、熱転写受像シートの表面に任意の画像11を形
成するものである。上記の熱転写受像シートは、図4に
示すように任意の形状に多数個の領域にハーフカット2
が形成されており、その断面の詳細を拡大して図5に示
す。その多数個の領域には、例えば、各領域に対応して
画像11が形成され、1枚の受像シートに複数の画像1
1が配置される。
【0005】尚、ハーフカット2の形成方法はカッター
刃を取り付けた上型と台座の間に、熱転写受像シート1
を挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータ
イプのロータリーカッター方法でもよい。ハーフカット
2によって区画された領域に形成された画像11、例え
ば、顔写真画像は、図5に示すようにハーフカット2に
沿って、その粘着剤層6とともに離型シート5から剥離
され、剥離されたシール部9は、図6に示すように任意
の物品12、例えば、ノート、手帳、鞄、その他の物品
に貼着される。以上の如く、従来のハーフカット入り熱
転写受像シートは、受容層8、基材7及び粘着剤層6が
積層されたシール部9と、離型シート5が、その離型シ
ート5の離型面と粘着剤層が接して重ね合わされた構成
になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の如き熱
転写受像シートを用いて画像形成する場合には、まず受
像シートを熱転写プリンター内に搬送させ、熱転写プリ
ンター内の検知センサーにて受像シートの端を検知す
る。プリンターにはハーフカット位置があらかじめ記憶
されているので、受像シートのハーフカット処理部がサ
ーマルヘッドの下の位置になるように、受像シートを移
動させて、画像形成を行っている。しかし、図4に示す
通り、受像シートの端からハーフカットまでの長さが、
aとbとでは異なっているため、受像シートの搬送方向
を間違えると、画像の位置とハーフカットの位置が合わ
ずに、ずれたものとなるという問題がある。また、図4
に示すように、受像シートの端からハーフカットまでの
長さが、cとdとでは異なっているため、受像シートの
搬送方向を間違えると、その搬送方向と直角方向で、画
像の位置とハーフカットの位置が合わずに、ずれたもの
となるという問題がある。
【0007】さらに、図2(j)に示すように、シール
部に設けてある剥がすためのハーフカット2が左右非対
称である場合、受像シートの搬送方向を間違えると、例
えば右側の楕円の中に形成されるべき画像が、四角形の
ほうに形成され、画像の位置とハーフカットの位置が合
わずに、ずれたものとなるという問題がある。これに対
して、受像シート上に検知マークを付け、プリンターに
設けられた検出手段により、そのマークを検出すること
により、受像シートの搬送方向の間違いを防止すること
が行われている。しかし、この受像シートの構成では、
マークを検出するために、受像シート上へ検知マークを
印刷する点、プリンターにマーク検出手段を設置する
点、さらにマーク検出結果により記録の可否をプリンタ
ーに制御させる点が必要であり、工程が複雑となる。
【0008】特開平8−72418には、記録紙に非軸
対称な形状とする面取り部を設け、その面取り部の形状
に合わせた給紙トレーを形成し、記録紙を表裏逆に装填
することができず、記録紙の誤挿入を防止できることが
開示されている。しかし、上記の面取り部を、受容層、
基材及び粘着剤層からなるシール部と、そのシール部の
粘着剤層面に剥離可能に貼合された離型シートからなる
構成の熱転写受像シートに形成すると、その面取り部か
ら粘着剤がはみ出し、多数枚の熱転写受像シートをプリ
ンターで画像形成すると、プリンター内のガイドロール
等に粘着剤が付着し、時にはその付着した粘着剤が熱転
写受像シートの画像形成する受容層に転移して、画質劣
化の原因にもなる。
【0009】したがって、上記の問題を解決するため、
本発明は、少なくとも受容層、基材及び粘着剤層からな
るシール部と、そのシール部の粘着剤層面に剥離可能に
貼合された離型シートからなる構成の熱転写受像シート
において、シール部にハーフカットが施され、簡易な構
成にて、熱転写プリンターに供給する際の搬送方向の間
違いや表裏逆に装填することを防止することができる熱
転写受像シート及びその使用方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、少なくとも受容層、基材、粘着剤層がこ
の順に積層されたシール部と、離型シートからなり、該
離型シートの離型面とシール部の粘着剤層が剥離可能に
貼合された熱転写受像シートにおいて、任意の大きさに
切り取られた枚葉であり、該シール部に剥がすためのハ
ーフカットが施され、かつ、左右非対称又は上下非対称
の形状の切り欠きが形成されていることを特徴とする。
また、前記の切り欠きがレーザー加工により形成されて
いることが好ましい。また、前記の粘着剤層のせん断力
がJIS Z0237 3による測定で、9.0kg〜
14.0kgであることが好ましい。
【0011】また、少なくとも受容層、基材、粘着剤層
がこの順に積層されたシール部と、離型シートからな
り、該離型シートの離型面と粘着剤層が剥離可能に貼合
され、任意の大きさに切り取られた枚葉であり、該シー
ル部に剥がすためのハーフカットが施され、かつ、左右
非対称又は上下非対称の形状の切り欠きが形成されてい
る熱転写受像シートの使用方法において、給紙トレーに
該切り欠きと嵌合する凸部を形成し、該凸部に熱転写受
像シートの切り欠きを嵌合させて、熱転写受像シートを
給紙トレーに設置することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の熱転写受像シートは、少なくとも受容
層、基材、粘着剤層がこの順に積層されたシール部と、
離型シートからなり、該離型シートの離型面とシール部
の粘着剤層が剥離可能に貼合された熱転写受像シートに
おいて、任意の大きさに切り取られた枚葉であり、該シ
ール部に剥がすためのハーフカットが施され、かつ、左
右非対称又は上下非対称の形状の切り欠きが形成されて
いる。この熱転写受像シートの使用方法において、給紙
トレーに該切り欠きと嵌合する凸部を形成し、該凸部に
熱転写受像シートの切り欠きを嵌合させて、熱転写受像
シートを給紙トレーに設置することにより、熱転写プリ
ンターに供給する際の搬送方向の間違いや表裏逆に装填
することを防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳しく説明する。図1は、本発明の
熱転写受像シートの切り欠きの実施形態を示す平面図で
あり、図1(a)は熱転写受像シートの角を斜めに直線
状に切り落とした例で、図1(b)は熱転写受像シート
の角を円弧状に切り落とした例である。また、図1
(c)は熱転写受像シートの隅に(外辺と接しないで、
内側の位置で)貫通孔を設けた例で、図1(d)及び
(e)、(f)、(g)、(h)は熱転写受像シートの
外辺に曲線状に切り欠きを設けた例である。また、図2
(i)及び(j)は本発明の熱転写受像シートのハーフ
カットと切り欠きが形成された実施形態を示す平面図で
あり、(j)は一つの熱転写受像シートに四角形と楕円
の形状の異なるハーフカットが形成されている例であ
る。
【0014】また、図3は、図2(i)のX−X拡大断
面図であり、受容層8、基材7、粘着剤層6がこの順に
積層されたシール部9に剥がすためのハーフカット2が
施されたものである。そのハーフカット2は、受容層8
から粘着剤層6までを切断している。図7は、本発明の
熱転写受像シートの使用方法を説明する斜視図であり、
左右非対称又は上下非対称の形状の切り欠き3が形成さ
れている熱転写受像シート1の使用方法において、給紙
トレー10にその切り欠き3と嵌合する凸部4を形成
し、その凸部4に熱転写受像シート1の切り欠き3を嵌
合させて、熱転写受像シート1を給紙トレー10に設置
している例を示すものである。
【0015】(離型シート)本発明において使用する離
型シート5は、従来公知のプラスチックフィルムまた
は、ポリラミ紙の表面にシリコーン等の公知の離型剤で
離型処理を施した材料であり、例えば、東レ株式会社製
のルミラーT−60(厚み50μm)や、ダイヤホイル
株式会社製のW−400(厚み38μm)として入手
し、使用することができる。これらの離型シート5は2
0μm〜188μmの厚みのものが好ましく、離型シー
ト5が薄すぎると得られる熱転写受像シートのいわゆる
コシがなくなり、熱転写プリンターで搬送できなかった
り、熱転写受像シートにシワが発生したりする。一方、
離型シート5が厚すぎると、得られる熱転写受像シート
が厚くなりすぎ、熱転写プリンターで搬送駆動させる力
が大きくなりすぎて、プリンターに故障が生じたり、正
常に搬送できなかったりする。
【0016】(粘着剤層)上記の本発明において使用す
る粘着剤層6は、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの
粘着剤を用いて形成することができる。粘着剤として、
例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−
アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、
天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどが挙げ
られる。但し、本発明の粘着剤層6は、せん断力がJI
S Z0237 3による測定で、9.0kg〜14.
0kgであることが好ましく、これによって粘着剤層6
の凝集力を高め、切り欠きから粘着剤がはみ出しことを
防止することができる。
【0017】JIS Z0237 3による測定のせん
断力は、具体的には粘着剤の動的せん断的力に対する抵
抗力を評価する測定で、図9に示すように基材に粘着剤
が設けられ、その粘着剤と被着体であるSUS304鋼
板を280番耐水研磨紙にて研磨した面を、23℃65
%RHにて2kg荷重のゴムローラーで圧着する。但
し、圧着され、貼付される面積は25cm×25cmで
ある。次に、23℃65%RHの条件で、被着体を固定
して、図9に示すような方向で300mm/minの速
度で基材を引張り、その力を測定してせん断力とするも
のである。せん断力がJIS Z0237 3による測
定で、9.0kg〜14.0kgに収めるには、粘着剤
としてポリアクリル酸エステルをはじめとする種々のア
クリル系ポリマーが好ましく用いられる。具体的にはア
クリル系ポリマーの末端に水酸基、またはカルボキシル
基等の官能基をもたせて重合させることが挙げられる。
【0018】せん断力がJIS Z0237 3による
測定で、9.0kg未満であると、切り欠きから粘着剤
がはみ出しは防止できるが、シール部を離型シートから
剥がして、任意の物品に貼着する際の粘着力が低く、剥
がれやすくなる。また、せん断力がJIS Z0237
3による測定で14.0kgを越えると、任意の物品
に貼着する際の粘着力は高いが、切り欠きから粘着剤が
はみ出しやすくなる。粘着剤層6の塗工量は、約8〜3
0g/m2 (固形分)が一般的であり、従来公知の方
法、すなわち、グラビアコート、グラビアリバースコー
ト、ロールコート等の方法で、離型シート上に塗布し、
乾燥して粘着剤層6を形成する。
【0019】(基材)本発明の熱転写受像シートにおけ
る基材7としては、従来公知のものでよく、例えば、東
洋紡績株式会社製のトヨパールSS P4255(厚み
35μm)、モービルプラスチックヨーロッパ製のMW
247(厚み35μm)等の基材内部にミクロボイド
(微細な空孔)を有するポリプロピレンフィルム、ダイ
ヤホイル株式会社製のW−900(50μm)、東レ株
式会社製のE−60(50μm)等の内部にミクロボイ
ドを有するポリエチレンテレフタレートフィルムが好ま
しく使用される。又、本発明の別の好ましい実施形態の
熱転写受像シートの例は、基材7が、粘着剤層6に接す
る、内部にミクロボイドを有さない樹脂フィルムと受容
層8に接する、内部にミクロボイドを有する樹脂フィル
ムとの積層体からなる。このようにすることによって、
形成される画像、特に高濃度部分の発色濃度を向上させ
て、高品質の画像を形成することができ、また、シール
部を離型シートから剥離する際に、上記の積層体の基材
はシワの発生を防止することができる。
【0020】上記において、有用な内部にミクロボイド
を有さない樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン等のミクロボイドを
有さないフィルムであり、従来公知のミクロボイドを有
さない樹脂フィルムはいずれも本発明において使用で
き、その厚みとしては約10〜100μmの範囲が好ま
しい。フィルム厚が薄すぎると、いわゆるコシがなく、
得られる熱転写受像シートにおいて、サーマルヘッド等
による画像形成時に熱収縮によるカールが発生し、一
方、厚すぎるとサーマルヘッド等による画像形成時にヒ
ートセットによるカールが発生し易くなる。好ましい一
例としては、例えば、東レ株式会社製のルミラーT−6
0(厚み38μm)が挙げられる。また、有用な内部に
ミクロボイドを有する樹脂フィルムとしては、ポリプロ
ピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム
等の従来公知のミクロボイドを有する樹脂フィルムが使
用でき、特にポリプロピレンフィルムがそのクッション
性と断熱性が優れており、サーマルヘッドとの圧接で、
均一に効率良く染料を受容層へ転移させるため、好まし
い。これらのフィルムの厚みは、30〜100μm程度
が好ましい。好ましいものとしては、例えば、東洋紡績
株式会社製のトヨパールP4255(厚さ35μm)や
トヨパールP4256(厚さ60μm)等が挙げられ
る。
【0021】上記のミクロボイドを有さない樹脂フィル
ムと、ミクロボイドを有する樹脂フィルムとの積層方法
としては、例えば、ドライラミネーション、ノンソルベ
ント(ホットメルト)ラミネーション、ECラミネーシ
ョン方法等の公知の積層方法が使用できるが、好ましい
方法はドライラミネーション及びノンソルベントラミネ
ーション方法である。ノンソルベントラミネーション方
法に好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業株式
会社製のタケネートA−720Lが挙げられ、ドライラ
ミネーションに好適な接着剤としては、例えば、武田薬
品工業株式会社製のタケラックA969/タケネートA
−5(3/1)等が挙げられる。これらの接着剤の使用
量としては、固形分で約1〜8g/m2 、好ましくは2
〜6g/m2 の範囲である。
【0022】(受容層)上記の基材の上に形成される受
容層8は、基材の上に直接または、プライマー層を介し
て、形成することができる。受容層8は、熱溶融転写記
録と昇華転写記録の各記録方式の違いにより、受容層の
構成が異なる。また、熱溶融転写記録では受容層を設け
ずに、基材に直接、熱転写シートから着色転写層を熱転
写することもできる。熱溶融転写記録と昇華転写記録の
受容層は、加熱により熱転写シートから転写される色材
を受容する働きを有するもので、特に昇華性染料の場合
には、それを受容し、発色させると同時に、一旦受容し
た染料を再昇華させないことが望まれる。
【0023】受容層8は、一般に熱可塑性樹脂を主体と
して構成される。受容層を形成する材料としては、例え
ば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポリエステル
系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチ
レンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマー
との共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセ
テート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂
等が挙げられ、中でも特に好ましいものはポリエステル
系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれら
の混合物である。
【0024】画像形成時において、着色転写層を有する
熱転写シートと、熱転写受像シートの受容層との融着若
しくは印画感度の低下等を防ぐ目的で、昇華転写記録で
は、受容層に離型剤を混合することができる。混合して
使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、
リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が
挙げられるが、中でもシリコーンオイルが望ましい。そ
のシリコーンオイルとしては、エポキシ変性、ビニル変
性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、ア
ルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエ
ーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテ
ル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
【0025】離型剤は1種若しくは2種以上のものが使
用される。また、離型剤の添加量は受容層形成用樹脂1
00重量部に対し、0.5〜30重量部が好ましい。こ
の添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シー
トと熱転写受像シートの受容層との融着若しくは印画感
度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型
剤を受容層に添加することによって、転写後の受容層の
表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成され
る。また、これらの離型剤は受容層に添加せず、受容層
上に別途塗工してもよい。受容層は、基材の上に上記の
如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えたものを適当
な有機溶剤に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散し
た分散体を適当な塗布方法で塗布及び乾燥することによ
って形成される。上記受容層の形成に際しては、受容層
の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める目
的で、白色顔料や蛍光増白剤等を添加することができ
る。以上のように形成される受容層は任意の厚さでよい
が、一般的には乾燥状態で1〜50μmの厚さである。
【0026】また、このような受容層は連続被覆である
のが好ましいが、樹脂エマルジョン若しくは水溶性樹脂
や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成して
もよい。更に、熱転写プリンターの搬送安定化を図るた
めに受容層の上に帯電防止剤を塗工してもよい。更に、
受容層と反対側の離型シートの表面には熱転写プリンタ
ーの給紙時のダブルフィードを防ぐために、適当なスリ
ップ層(不図示)を設けることができる。スリップ層と
しては、ブチラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポ
リメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビ
ニル等公知の樹脂の単独又はブレンドしたものに、各種
の微粒子やシリコーン等の滑剤を添加したものを用いる
ことができる。
【0027】本発明の熱転写受像シートは、少なくとも
受容層、基材、粘着剤層がこの順に積層されたシール部
と、離型シートからなり、該離型シートの離型面と粘着
剤層が剥離可能に貼合された構成であり、受像シートの
受容層面もしくは裏面、または両面の最表面に帯電防止
層を設けてもよい。帯電防止層は、帯電防止剤である、
脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミ
ド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、
アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物等を溶剤に
溶解又は分散させたものを塗工して、形成することがで
きる。形成手段は、上記の受容層の場合と同様のものが
あげられる。帯電防止層の塗工量は、乾燥時0.001
〜0.1g/m2 が好ましい。
【0028】受像シートの基材と受容層の間に各種の樹
脂からなる中間層を設けることができる。この中間層に
様々な役割をもたせることで、受像シートに優れた機能
を付加させることができる。例えば、クッション性を付
与させる樹脂として、弾性変形や塑性変形の大きな樹
脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系共重合体
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを用
いて、受像シートの印字感度を向上させたり、画像のざ
らつきを防止することができる。さらに、中間層に、帯
電防止能力を付与させるために、上記のクッション性を
付与させる樹脂に、前記の帯電防止剤を添加し、溶剤に
溶解又は分散させたものを塗工して、中間層を形成する
ことができる。
【0029】(切り欠き)本発明の熱転写受像シート
は、少なくとも受容層、基材、粘着剤層がこの順に積層
されたシール部と、離型シートからなり、該離型シート
の離型面とシール部の粘着剤層が剥離可能に貼合され、
任意の大きさに切り取られた枚葉であり、該シール部に
剥がすためのハーフカットが施され、かつ、左右非対称
又は上下非対称の形状の切り欠きが形成されている。本
発明の切り欠き3は、左右非対称又は上下非対称の形状
を有している。すなわち、図1(a)〜(e)の熱転写
受像シートを例として、説明する。熱転写受像シートの
長辺方向(図では縦方向)に給紙、搬送される場合、切
り欠き3が右側上部にあり、左右対称位置の左側上部と
左側下部に切り欠きがないため、切り欠き3は左右非対
称を有している。また、図1では熱転写受像シートの隣
り合う辺の長さが異なるが、その隣り合う辺の長さが同
じである場合、熱転写受像シートを図の横方向に給紙、
搬送される時に、切り欠き3が右側上部にあり、上下対
称位置の右側下部と左側下部に切り欠きがないため、切
り欠き3は上下非対称を有している。
【0030】切り欠き3は、図1(a)のように熱転写
受像シートの角を斜めに直線状に切り落としたり、図1
(b)のように熱転写受像シートの角を円弧状に切り落
としたり、図1(d)〜(h)のように熱転写受像シー
トの外辺に曲線状に切り欠きを設けても良い。また、図
1(f)〜(h)のように、熱転写受像シートの搬送方
向の後ろの辺に切り欠き3を設けると、トレイから熱転
写受像シートが搬送しやすく好ましい。このように、熱
転写受像シートの外辺を直線、及び、又は曲線で加工し
て切り欠きを形成することができ、給紙トレーにその切
り欠きと嵌合する凸部を形成し、その凸部に熱転写受像
シートの切り欠きを嵌合させて、熱転写受像シートを給
紙トレーに設置することができ、また、熱転写受像シー
トに画像形成する際の画像に欠けが生じなければ、その
切り欠きの形状は、自由に選択することができる。但
し、切り欠きから粘着剤がはみ出して、プリンター内の
ガイドロール等に粘着剤が付着し、時にはその付着した
粘着剤が熱転写受像シートの画像形成する受容層に転移
して、画質劣化の原因にもなるため、切り欠きは、図1
(b)〜(h)のように、角が尖った形状ではなく、滑
らかな曲線状に加工して、切り欠きから粘着剤がはみ出
しにくい形状にすることが好ましい。
【0031】また、切り欠き3は、図7に示すように給
紙トレーの先端部10aの近くにない方が良い。それは
切り欠きが給紙トレーの先端部10aの近くにあると、
搬送時に熱転写受像シートの先端に働く摩擦抵抗が左右
不均一となり、受像シートが斜めに搬送される等、搬送
トラブルの原因となりやすいからである。好ましくは搬
送方向の後ろの辺に切り欠きを設ける。さらに、図1
(c)のように、外辺と接しないで、熱転写受像シート
の隅で、内側の位置に貫通孔の切り欠きを設けても良
い。貫通孔の形状は図1(c)のように楕円でも、四角
形でも、その他、三角形や円形等の形状が挙げられる。
給紙トレーにその切り欠きである貫通孔と嵌合する凸部
を形成し、その凸部に熱転写受像シートの貫通孔を嵌合
させて、熱転写受像シートを給紙トレーに設置すること
ができ、また、熱転写受像シートに画像形成する際の画
像に欠けが生じなければ、その貫通孔の形状は、自由に
選択することができる。但し、貫通孔から粘着剤がはみ
出して、プリンター内のガイドロール等に粘着剤が付着
し、時にはその付着した粘着剤が熱転写受像シートの画
像形成する受容層に転移して、画質劣化の原因にもなる
ため、貫通孔は、角が尖った形状ではなく、滑らかな曲
線状に加工され、貫通孔から粘着剤がはみ出しにくい形
状にすることが好ましい。
【0032】熱転写受像シートの切り欠きの形成方法
は、カッター刃を取り付けた上型と台座の間に、熱転写
受像シートを挿入して、上型を上下動させる方法や、シ
リンダータイプのロータリーカッター方法等、切り欠き
できる方法であれば特に制限はないが、レーザー加工手
段により熱処理を施すことにより、任意の形状に切り欠
きを形成することが好ましく、行われる。レーザー加工
手段により切り欠きを形成することについて、以下に説
明する。本発明のレーザー加工手段は、レーザー光とし
て、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、ルビーレーザ
ーなどを用い、特にYAGレーザーは、波長が短く、微
小なスポットに集光できるため、より微細な加工が可能
であり、好ましく用いられる。
【0033】本発明のレーザー加工手段の例を、説明す
ると、まず、レンズによりレーザー光を集光して、熱転
写受像シートの受容層の面へ照射する。レーザー加工手
段により、簡単に、位置精度が高く、再現性良く、加工
部分に非接触で、切り欠きの加工ができる。したがっ
て、従来のカッター刃による切り欠きの加工と比べ、カ
ッター刃に粘着剤が付着して、熱転写受像シートの表面
にその粘着剤が転移付着することがなく、さらに加工部
分に応力がかからず、バリや歪みが生じない。本発明の
レーザー加工手段は、約0.9〜11μmの赤外線領域
のレーザー光線を使用することが好ましく、レーザー光
を照射された部分は、加熱されることになる。レーザー
光を照射された部分は、局所的に加熱され、その部分の
融点を越えた状態の液相時に、その部分を吹き飛ばすこ
とにより切断され、切り欠きの加工が行われる。
【0034】レーザー加工手段は、以下に説明するレー
ザー加工装置により、熱転写受像シートに切り欠きを形
成する。レーザー加工装置は、図8にその一例を示すよ
うに、レーザーヘッド14と加工光学系(レンズ)15
と、レーザー電源16とから構成されるレーザー発振器
13、被加工物である熱転写受像シート1を搭載し、水
平面内(XY平面内)に移動可能なXYテーブル17、
レーザーヘッド14と加工光学系(レンズ)15を上下
方向(Z軸方向)に移動させるZテーブル18、XYテ
ーブル17の水平面内の移動動作とZテーブル18の上
下方向の移動動作とレーザー発振器13の発振動作とを
自動または手動で制御するメインコントローラ19を備
える。このようなレーザー加工装置のメインコントロー
ラの制御により、種々の面付けの指定された位置に切り
欠きを行うことができる。
【0035】(ハーフカット)本発明の熱転写受像シー
トは、離型シートを除く部分にハーフカット2の処理が
施されている。このハーフカットの形成方法は、カッタ
ー刃を取り付けた上型と台座の間に、熱転写受像シート
を挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータ
イプのロータリーカッター方法等、ハーフカットできる
方法であれば特に制限はないが、レーザー加工手段によ
り熱処理を施すことにより、任意の形状及び深さにハー
フカット2を形成することが好ましい。尚、図3、図5
に示したハーフカット2は、深さが一定しているが、四
隅等の部分的に、ハーフカットの加工深さを浅くした
り、連続したハーフカットでなく、四隅等の部分的に、
アンカット(全くカットがない)部分を設けたりして、
熱転写プリンター搬送中等取扱で、ハーフカットの部分
が剥離するトラブルを防ぐことができる。但し、上記の
加工は、ハーフカットの部分を手で剥離しようとする時
は、剥がせる程度に行う必要がある。
【0036】ハーフカットをレーザー加工手段により、
形成する方法は、前記の熱転写受像シートの切り欠きを
形成するときのレーザー加工手段と同様であり、詳細な
説明は省略する。本発明の熱転写受像シートはシール部
に剥がすためのハーフカットが施されていて、そのハー
フカットが左右非対称又は上下非対称であっても、熱転
写プリンターに供給する際の搬送方向の間違いにより、
熱転写画像の位置とハーフカットの位置が合わずに、ず
れたものとなることを防止することができる。ここで、
ハーフカットが、上下非対称又は左右非対称であると
は、以下の意味のことである。図2(j)で示すよう
に、一つの熱転写受像シートで、ハーフカットの形状が
左右で異なっている。すなわち、例えば、四角形と楕円
の左右非対称の形状のハーフカットが形成されているも
のである。また、図4に示すように、ハーフカットの形
状は左右、上下とも対称であっても、受像シートの端か
らハーフカットまでの長さが、aとb、またはcとdと
で異なっている場合のことも、本発明ではハーフカット
が左右非対称又は上下非対称であることを意味してい
る。
【0037】(使用方法)本発明の熱転写受像シートの
使用方法は、少なくとも受容層、基材、粘着剤層がこの
順に積層されたシール部と、離型シートからなり、該離
型シートの離型面と粘着剤層が剥離可能に貼合され、任
意の大きさに切り取られた枚葉であり、該シール部に剥
がすためのハーフカットが施され、かつ、左右非対称又
は上下非対称の形状の切り欠きが形成されている熱転写
受像シートで、給紙トレーに該切り欠きと嵌合する凸部
を形成し、該凸部に熱転写受像シートの切り欠きを嵌合
させて、熱転写受像シートを給紙トレーに設置するもの
である。
【0038】図7に示すように、左右非対称又は上下非
対称の形状の切り欠き3が形成されている熱転写受像シ
ート1の使用方法において、給紙トレー10にその切り
欠き3と嵌合する凸部4を形成し、その凸部4に熱転写
受像シートの切り欠き3を嵌合させて、熱転写受像シー
ト1を給紙トレー10に設置し、搬送ロール(図示せ
ず)等により、その熱転写受像シート1を矢印方向へ、
プリンター内に送り出すものである。もし、熱転写受像
シートを正しい搬送方向へ給紙トレーに設置しないと、
切り欠きと給紙トレーの凸部とが嵌合しないため、給紙
トレーの中に受像シートが収納されず、プリンター中に
搬送されないことになる。熱転写受像シートの切り欠き
と嵌合する、給紙トレーに形成する凸部は、給紙トレー
のプラスチック等の成形時に同時に形成したり、給紙ト
レーを予め形成し、その後に凸部の部材を接着させたり
して、形成することができる。
【0039】以上のように形成された本発明の熱転写受
像シートに画像を形成する方法は、従来公知の昇華型熱
転写方式または熱溶融型熱転写方式でよく、例えばイエ
ロー、シアン及びマゼンタの3色の着色転写層を面順次
に有する熱転写シートを用いて、公知のサーマルヘッド
方式の熱転写プリンターによって所望のフルカラー画像
を熱転写受像シートの受容層に形成する。次に、その画
像形成された受容層を含み、基材と粘着剤層も含有した
シール部を離型シートから剥離して、任意の物品に貼着
することができる。
【0040】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて、本発明を
さらに具体的に説明する。尚、文中部または%とあるの
は重量基準である。 (実施例1)まず、基材である内部にミクロボイドを有
するポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名ルミ
ラーE63#50、東レ株式会社製、厚み50μm)の
一方の表面に下記組成の受容層用塗工液を固形分で、
4.5g/m2 の割合で、塗工及び乾燥して受容層を形
成した。
【0041】受容層用塗工液組成 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 40部 (電気化学工業株式会社製、#1000A) ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、バイロン600) 40部 塩化ビニル・スチレン・アクリル共重合体 20部 (電気化学工業株式会社製、デンカラック#400A) ビニル変性シリコーン 10部 (信越化学工業株式会社製 X−62−1212) 触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−PLR−5) 5部 触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−PL−50T) 6部 メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 400部
【0042】次に、上記のミクロボイドを有するポリエ
チレンテレフタレートフィルムの受容層を形成していな
い面に、下記組成の粘着剤を固形分塗工量15g/m2
の割合で塗工し、温度70℃にて1分間の加熱乾燥を行
って粘着剤層を形成した。尚、実施例1の粘着剤層のせ
ん断力はJIS Z0237 3による測定で、10k
gである。粘着剤層用塗工液組成 アクリル共重合体 48部 (綜研化学株式会社製 SKダイン1310L) エポキシ樹脂(綜研化学株式会社製 硬化剤E−AX) 0.36部 酢酸エチル 51.64部
【0043】別に離型シートである表面コロナ処理の二
軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名クリスパーG1
212、東洋紡績株式会社製、厚み100μm)の一方
に、信越化学工業株式会社製KS−847Hで離型処理
を行い、その表面に、前記の積層体の粘着剤層面を対向
させてラミネートした。そして、前記受容層面に帯電防
止剤として、第4級アンモニウム塩化合物(松本油脂製
薬株式会社製、TB−34の1/1000希釈液)を塗
布し、さらに、図2(j)に示すような配置で、シール
部にカッター刃を取り付けた上型と台座とのプレス方式
により、剥がすためのハーフカットを形成した。次に、
図2(j)に示すような切り欠きを、YAGレーザーを
用いたレーザー加工手段(レーザー出力1000W、照
射時間0.2〜0.4ms)により形成して、実施例1
の熱転写受像シートを作製した。
【0044】(実施例2)実施例1で使用した粘着剤層
を下記組成にして、塗工量を固形分で10g/m2 にて
粘着剤層を形成した以外は、実施例1で使用した熱転写
受像シートの受容層、基材、離型シート及び帯電防止剤
を同様に用いて、熱転写受像シートを用意する。そし
て、図2(j)に示すような配置で、シール部にカッタ
ー刃を取り付けた上型と台座とのプレス方式により、剥
がすためのハーフカットを形成した。次に、図2(j)
に示すような切り欠きを、カッター刃を取り付けた上型
と台座とのプレス方式により、形成して、実施例2の熱
転写受像シートを作製した。尚、実施例2の粘着剤層の
せん断力はJIS Z0237 3による測定で、1
3.5kgである。
【0045】粘着剤層用塗工液組成 アクリル共重合体 48部 (綜研化学株式会社製 SKダイン1259) イソシアネート(綜研化学株式会社製 硬化剤L−45) 1.45部 溶剤(酢酸エチル) 50.55部
【0046】(比較例1)実施例1で使用した熱転写受
像シートの受容層、基材、粘着剤層、離型シート及び帯
電防止剤を同様に用いて、熱転写受像シートを用意す
る。そして、図2(j)に示すような配置で、シール部
にカッター刃を取り付けた上型と台座とのプレス方式に
より、剥がすためのハーフカットを形成し、比較例1の
熱転写受像シートを得た。尚、比較例1の熱転写受像シ
ートは切り欠きは形成していない。
【0047】(比較例2)実施例1で使用した粘着剤層
を下記組成にして、塗工量を固形分で20g/m2 にて
粘着剤層を形成した以外は、実施例1で使用した熱転写
受像シートの受容層、基材、離型シート及び帯電防止剤
を同様に用いて、熱転写受像シートを用意する。そし
て、図2(j)に示すような配置で、シール部にカッタ
ー刃を取り付けた上型と台座とのプレス方式により、剥
がすためのハーフカットを形成した。次に、図2(j)
に示すような切り欠きを、カッター刃を取り付けた上型
と台座とのプレス方式により、形成して、比較例2の熱
転写受像シートを作製した。尚、比較例2の粘着剤層の
せん断力はJIS Z0237 3による測定で、8k
gである。
【0048】粘着剤層用塗工液組成 アクリル共重合体 48部 (綜研化学株式会社製 SKダイン1491H) イソシアネート(綜研化学株式会社製 硬化剤L−45) 1部 溶剤(酢酸エチル) 51部
【0049】以上の実施例と比較例の熱転写受像シート
において、以下の条件にて熱転写による画像を形成し
た。イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の着色転写層
である染料層を面順次に有する熱転写シート(大日本印
刷株式会社製)と上記の各熱転写受像シートとを、各々
の着色転写層と受容層とを対向させて重ね合わせ、熱転
写シートの裏面からヘッド印加電圧12.0V、パルス
幅16msec、印画周期33.3msec、ドット密
度6ドット/lineの条件でサーマルヘッドによる熱
転写プリンターで記録を行い、熱転写受像シートの受容
層にフルカラーの顔写真の画像を形成した。尚、1枚の
熱転写受像シートに、図2(j)の配置のハーフカット
で囲まれた領域の中に、すなわち左側の四角形の中、及
び右側の楕円の中に、図2(j)の上辺が搬送方向の先
端になるように、それぞれ顔写真の画像が収まるような
条件でプリントを行う。尚、上記の熱転写プリンターの
給紙トレーには、図2(j)に示す熱転写受像シートの
切り欠きと嵌合する凸部を形成してある。
【0050】(評価結果)実施例1及び実施例2の熱転
写受像シートは、少なくとも受容層、基材、粘着剤層が
この順に積層されたシール部と、離型シートからなり、
該離型シートの離型面とシール部の粘着剤層が剥離可能
に貼合され、任意の大きさに切り取られた枚葉であり、
該シール部に剥がすためのハーフカットが施され、か
つ、左右非対称又は上下非対称の形状の切り欠きが形成
されている。したがって、給紙トレーに該切り欠きと嵌
合する凸部が形成されているので、該凸部に熱転写受像
シートの切り欠きを嵌合させて、熱転写受像シートを給
紙トレーに設置することにより、熱転写プリンターに供
給する際の搬送方向の間違いや表裏逆に装填することを
防止することができた。すなわち、良好な顔写真の画像
をハーフカットの領域に形成することができた。また、
実施例1及び実施例2の熱転写受像シートは、切り欠き
から粘着剤のはみ出しがなく、プリンター内のガイドロ
ール等に粘着剤が付着することがなかった。そして、任
意の物品(ハガキ、手帳、机等)にシール部を貼着して
も、剥がれることがなかった。
【0051】それに対し、比較例1の熱転写受像シート
は、シール部に剥がすためのハーフカットが施されてい
るが、左右非対称又は上下非対称の形状の切り欠きが形
成されていないため、給紙トレーに熱転写受像シートを
収納することができず、熱転写プリンターに熱転写受像
シートを搬送することができず、結局熱転写受像シート
に画像を形成することができなかった。比較例2の熱転
写受像シートは、シール部に剥がすためのハーフカット
が施され、かつ、左右非対称又は上下非対称の形状の切
り欠きが形成されているので、給紙トレーに該切り欠き
と嵌合する凸部が形成されているので、該凸部に熱転写
受像シートの切り欠きを嵌合させて、熱転写受像シート
を給紙トレーに設置することにより、顔写真の画像をハ
ーフカットの領域に形成することができた。しかし、任
意の物品(ハガキ、手帳、机等)にシール部を貼着する
と、ハガキ等の貼着される表面が平滑でないものは、粘
着性が低く、剥がれてしまった。また、印字時にも剥が
れ、印字トラブルを起こした。
【0052】
【発明の効果】以上の通り、本発明の熱転写受像シート
は、少なくとも受容層、基材、粘着剤層がこの順に積層
されたシール部と、離型シートからなり、該離型シート
の離型面とシール部の粘着剤層が剥離可能に貼合された
熱転写受像シートにおいて、任意の大きさに切り取られ
た枚葉であり、該シール部に剥がすためのハーフカット
が施され、かつ、左右非対称又は上下非対称の形状の切
り欠きが形成されているため、プリンターに供給する際
の搬送方向の間違いや表裏逆に装填することを防止する
ことができる。
【0053】また、本発明の熱転写受像シートの使用方
法は、少なくとも受容層、基材、粘着剤層がこの順に積
層されたシール部と、離型シートからなり、該離型シー
トの離型面と粘着剤層が剥離可能に貼合され、任意の大
きさに切り取られた枚葉であり、該シール部に剥がすた
めのハーフカットが施され、かつ、左右非対称又は上下
非対称の形状の切り欠きが形成された熱転写受像シート
を用いて、給紙トレーに該切り欠きと嵌合する凸部を形
成し、該凸部に熱転写受像シートの切り欠きを嵌合させ
て、熱転写受像シートを給紙トレーに設置することがで
きる。すなわち、例えば検知マークを用いる場合のよう
な、熱転写受像シートに検知マークを印刷したり、プリ
ンターにマーク検出手段を設置したり、さらにマーク検
出結果により記録の可否をプリンターに制御させるよう
な複雑な工程が必要でなく、給紙トレーの凸部と、熱転
写受像シートの切り欠きを嵌合させる、簡易な構成に
て、プリンターに供給する際の搬送方向の間違いや表裏
逆に装填することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写受像シートの切り欠きの実施形
態を示す平面図である。
【図2】本発明の熱転写受像シートのハーフカットと切
り欠きの実施形態を示す平面図である。
【図3】図2のX−X拡大断面図である。
【図4】シール部に剥がすためのハーフカットが施さ
れ、熱転写画像が形成された熱転写受像シートを説明す
る平面図である。
【図5】図4のY−Y拡大断面図である。
【図6】剥離したシール部を他物品に貼着した状態を説
明する図である。
【図7】本発明の熱転写受像シートの使用方法を説明す
る斜視図である。
【図8】レーザー加工装置の構成の概略図である。
【図9】JIS Z0237 3によるせん断力測定を
説明する概略図である。
【符号の説明】
1 熱転写受像シート 2 ハーフカット 3 切り欠き 4 凸部 5 離型シート 6 粘着剤層 7 基材 8 受容層 9 シール部 10 給紙トレー 10a 先端部 11 画像 12 物品 13 レーザー発振器 14 レーザーヘッド 15 加工光学系 16 レーザー電源 17 XYテーブル 18 Zテーブル 19 メインコントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも受容層、基材、粘着剤層がこ
    の順に積層されたシール部と、離型シートからなり、該
    離型シートの離型面とシール部の粘着剤層が剥離可能に
    貼合された熱転写受像シートにおいて、任意の大きさに
    切り取られた枚葉であり、該シール部に剥がすためのハ
    ーフカットが施され、かつ、左右非対称又は上下非対称
    の形状の切り欠きが形成されていることを特徴とする熱
    転写受像シート。
  2. 【請求項2】 前記の切り欠きがレーザー加工により形
    成されたことを特徴とする上記の請求項1に記載する熱
    転写受像シート。
  3. 【請求項3】 前記の粘着剤層のせん断力がJIS Z
    0237 3による測定で、9.0kg〜14.0kg
    であることを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転
    写受像シート。
  4. 【請求項4】 少なくとも受容層、基材、粘着剤層がこ
    の順に積層されたシール部と、離型シートからなり、該
    離型シートの離型面と粘着剤層が剥離可能に貼合され、
    任意の大きさに切り取られた枚葉であり、該シール部に
    剥がすためのハーフカットが施され、かつ、左右非対称
    又は上下非対称の形状の切り欠きが形成されている熱転
    写受像シートの使用方法において、給紙トレーに該切り
    欠きと嵌合する凸部を形成し、該凸部に熱転写受像シー
    トの切り欠きを嵌合させて、熱転写受像シートを給紙ト
    レーに設置することを特徴とする熱転写受像シートの使
    用方法。
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Cited By (5)

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