JPH10236007A - 熱転写受像シート並びにその製造方法及び画像形成方法 - Google Patents

熱転写受像シート並びにその製造方法及び画像形成方法

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JPH10236007A
JPH10236007A JP9060127A JP6012797A JPH10236007A JP H10236007 A JPH10236007 A JP H10236007A JP 9060127 A JP9060127 A JP 9060127A JP 6012797 A JP6012797 A JP 6012797A JP H10236007 A JPH10236007 A JP H10236007A
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sheet
thermal transfer
transfer image
dye
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JP9060127A
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Kenichi Hagiwara
健一 萩原
Kenji Tsuda
健次 津田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写受像シート製造工程でのカットの際に
粘着剤が熱転写受像シートの端面からはみ出すこともな
く、プリンタ内で熱転写受像シートが搬送される際に2
枚以上のシートが送られることなく、良好な搬送性が得
られ、特に、種々の物品に対する粘着剤の接着力を高め
るために粘着剤のガラス転移点を低くしたとしても、粘
着剤のはみだしは生じないような熱転写受像シート並び
にその製造法を提供する。 【解決手段】 少なくとも離形シート1と、該離形シー
ト上に粘着剤層2と、該粘着剤層とともに剥離可能な支
持体3と、該支持体の上に形成された染料受容層4とが
この順序で設けられている熱転写受像シートにおいて、
前記離型シート上に、粘着剤層、支持体、及び染料受容
層が設けられている部分と、設けられていない部分とを
有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華熱転写シートから
移行してくる昇華性染料を受容する染料受容層を設けた
熱転写受像シートに関し、更に詳しくは画像が形成され
る染料受容層を離型シートの表面に剥離可能に形成し、
該染料受容層に所望の画像を形成後、該染料受容層を剥
離して任意の物品に貼着する用途に用いられる、いわゆ
るシールタイプの熱転写受像シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像撮影技術やカラー画像情報の
処理技術・処理能力の向上により、デジタルカラー画像
のハードコピーの作成に対するニーズが高まっている。
種々のデジタルカラー画像のハードコピー作成システム
の中でも、昇華性染料を記録剤として熱転写シートに熱
転写受像シートを重ね、画像データに応じてサーマルヘ
ッドで熱転写シートを加熱することにより染料を熱転写
受像シートに転写させてカラー画像を形成する方法は、
画像データの各ピクセルごとに階調性を付与できるため
中間色の階調再現性にすぐれ、銀塩写真に匹敵する画像
を得られることから注目されている。
【0003】このような熱転写受像シートの応用例とし
てシールタイプのものが従来より用いられている。これ
は、基材シートの一方の面に染料受容層を設けるととも
に、他方の面に粘着剤を介して離型シートを貼合して熱
転写受像シートとしたものであり、画像形成後、離型シ
ートと粘着剤との界面で剥離して、画像が設けられた側
のシートを他の任意の物品の表面に貼り付けることによ
り、枚葉状の物品だけでなく立体的な物品の表面にフル
カラー画像を設けることができる。熱転写受像シートの
染料受容層側のシートのみに切れ込みを入れる、いわゆ
るハーフカットと処理を施すことにより、一枚の熱転写
受像シートに複数の同一画像を配列して形成し、一画像
ごとにシールを剥がし物品に貼合することも行われてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなシールタイ
プの熱転写受像シートは、一般につぎのような工程を経
て製造されている。まず、基材シートの一方の面に染料
受容層塗工液を塗工・乾燥することにより染料受容層を
設けて染料受容層シートを形成する。次に、離型シート
を用意して、前記染料受容層シートの染料受容層が設け
られていない側と離型シートとを粘着剤を介して貼り合
わせる。離型シートの粘着剤と接する側の表面には離型
処理をされている場合もあることから、粘着剤塗工液の
コーティング適性を考慮して、通常は染料受容層シート
の染料受容層が設けられていない側に粘着剤塗工液を塗
工乾燥後、染料受容層シートと離型シートを貼り合せて
熱転写受像シートが製造される。以上の工程は例えば1
メートル程度の幅のシートで製造が行われ、次にプリン
タのサイズに応じて例えばJISA4、A5、A6とい
ったサイズにカットされる。ところが、往々にしてカッ
トの際に粘着剤が熱転写受像シートの端面からはみ出す
ことがあり、端面から粘着剤がはみ出た熱転写受像シー
トを数十枚重ねてプリンタにセットすると、端面にはみ
出た粘着剤同士がくっついてしまうため、プリンタ内で
熱転写受像シートが搬送される際に2枚以上のシートが
送られてしまうという不具合が生じることがあった。特
に、種々の物品に対する粘着剤の接着力を高めるために
粘着剤のガラス転移点を低いものを用いると、粘着剤の
流動性が高いために製造工程において粘着剤のはみ出し
が頻繁に生じていた。
【0005】また、プリンタ内では熱転写受像シートを
搬送させるために熱転写受像シートの表面をプリンタ内
の給紙ローラで押し上げると共に、熱転写受像シートの
給紙方向に設けられたツメで最表面の熱転写受像シート
のみを分離して給紙が行われるが、その際に最表面の熱
転写受像シートのみが分離されるためには熱転写受像シ
ート自体の剛性が適度の範囲であることが必要とされ
る。剛性が低すぎるとシートが給紙ローラでしなりすぎ
るために、複数のシートが一度に搬送されやすく、剛性
が高すぎるとプリンタ内のツメの部分でシートがはじか
れないために一枚も給紙されないということが生じるか
らである。ところが、上述のシールタイプのものは、染
料受容層シートと離型シートとを貼り合わせているた
め、通常の熱転写受像シートよりも厚くなりがちであ
り、剛性が高く給紙不良が生じやすかった。
【0006】更に、画像形成後に一画像ごとにシールを
剥離するには、ハーフカットの切れ目から手で剥がすこ
とになるが、まずハーフカットの一画像分のなかの一部
分(例えば一画像分のかどの部分)を数mm剥がしてか
ら一画像分を剥離する際、はじめの数mmの剥離のきっ
かけを作るのに時間がかかってしまう場合があった。特
に、ハーフカットのサイズよりも大きなサイズで画像を
形成した場合やハーフカット位置の画像位置にズレが生
じた場合には、カット部分にもサーマルヘッドでの加熱
がなされ、粘着剤が加熱溶融してカット部分が接着した
り、粘着剤が表面にはみ出したりして手作業での剥離が
やりにくくなることが多かった。
【0007】更に、シールタイプの熱転写受像シートに
おいては、予めハーフカット処理を施されている場合が
多く、カット位置に合わせて画像を形成する必要がある
が、ハーフカットのレイアウトによっては、熱転写受像
シートをプリンタにセットする場合に熱転写受像シート
の表裏だけでなく、左右の方向をも正しく装着しなけれ
ばならないこともある。熱転写受像シートの裏面に検知
マークや装着方向を示すマークを設けることにより正し
くプリンタに熱転写受像シートがセットされるようにす
ることもできるが、熱転写受像シートの染料受容層側を
上向きにしてプリンタにセットするようなプリンタの場
合には、セットの際、いちいち熱転写受像シートの裏面
を確認し、更に熱転写受像シートの表裏を反転させて熱
転写受像シートの染料受容層側を上に向けてプリンタに
セットしなければならず、非常に煩雑であった。染料受
容層上の画像を設けない部分に検知マーク等を設けるこ
ともできないわけではないが、染料受容層にはシリコー
ン等の離型剤が含まれているため、染料受容層と検知マ
ークとの間に十分な接着性を確保することができず、検
知マークが剥がれてしまったり、また、熱転写受像シー
ト製造工程において染料受容層形成後に黒色等の検知マ
ークを塗工することから、検知マーク塗工時に染料受容
層の画像形成部分にも検知マーク塗液が飛散して染料受
容層表面が汚れ、画像品質を劣化させることがある、と
いう不具合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも離
型シートと、該離型シート上に粘着剤層と、該粘着剤層
とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成され
た染料受容層とがこの順序で設けられている熱転写受像
シートにおいて、前記離型シート上に、粘着剤層、支持
体、及び染料受容層が設けられている部分(以下、場合
により「染料受容領域」という)と、設けられていない
部分(以下、場合により「非染料受容領域」という)と
を有することを特徴とする熱転写受像シート、に関す
る。また、本発明は、少なくとも離型シートと、該離型
シート上に粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な
支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とをこ
の順序で設け、前記染料受容層、前記支持体及び前記粘
着剤層(以下、場合により「支持体等」という)をカッ
トすることによりハーフカットを施し、前記染料受容
層、前記支持体及び前記粘着剤層の一部分を剥離するこ
とを特徴とする熱転写受像シートの製造方法、に関す
る。更に、本発明は、少なくとも離型シートと、該離型
シート上に粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な
支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とがこ
の順序で設けられている部分と、前記離型シート上に粘
着剤層、支持体、または染料受容層が設けられていない
部分とを有する熱転写受像シートを用いる画像形成方
法、特に、粘着剤層と支持体と染料受容層が設けられて
いる部分の大きさとサーマルヘッドにより加熱される部
分の大きさとが略同一であることを特徴とする画像の形
成方法、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳しく説明する。図1は、本発明の
熱転写受像シートの断面図であり、離型シート1上に、
粘着剤層2、支持体3、及び染料受容層4が設けられて
いる部分(染料受容領域5)と、設けられていない部分
(非染料受容領域6)とを有することを特徴とする熱転
写受像シートである。図2は、図1の熱転写受像シート
の平面図であり、図1は、図2のX―X断面図である。
【0010】図1、図2に示す例は単なる例示であり、
このような形態に限定されるものではない。図1では熱
転写受像シート一枚当たり6画面分の画像をそれぞれ独
立に設けられるように示されているが、例えば図3のよ
うに熱転写受像シートの外周部のみに非染料受容領域6
があっても良く、図4のように熱転写受像シートの長尺
方向若しくは単尺方向に平行にストライプ状の非染料受
容領域6があっても良く、またこれらの組み合わせでも
良い。また、熱転写受像シート一枚当たりの染料受容領
域は図3のようにひとつであってもよく、更には、図2
のように独立の領域が複数あっても、図5のように一領
域の中で更にハーフカット処理7が施されて複数画面が
設けられるようになっていてもよい。
【0011】次に、本発明の熱転写受像シートの製造プ
ロセスについて図6、図7をもとに概説する。図6はハ
ーフカット処理を施した熱転写受像シートの平面図で、
図7は図6のX−X断面図である。まず、支持体3の一
方の面にグラビアコーティング等の手段により染料受容
層塗工液を塗工後乾燥して染料受容層4を設ける。次
に、支持体3の染料受容層4を設けた面の反対面にグラ
ビアコーティング等の手段により粘着剤層2を塗工乾燥
し、支持体3の粘着剤層面と離型シート1とを重ね合わ
せて貼り合わせることにより、離型シート1/粘着剤層
2/支持体3/染料受容層4が積層された熱転写受像シ
ートが作製される。尚、粘着剤層2を離型シート1上に
設け、粘着剤層2と支持体3の染料受容層4を設けてい
ない方の面とを重ね合わせて貼り合わせることにより熱
転写受像シートを作成してもよいことはいうまでもな
い。更に、図7のように染料受容層4を設けた面からハ
ーフカット処理7を施す。本発明の熱転写受像シートを
シール用途に用いるためには、支持体等8が剥離する必
要があることから、カットの深さとしては、染料受容層
側からカットして、少なくとも支持体3は完全にカット
されていることが必要とされ、好ましくは粘着剤層2と
離型シート1の境界面まで、若しくは更に離型シート1
の内部に至るまでカットされる(図7)ような深さにハ
ーフカット処理7を行うことが必要である。最後に、画
像を設ける領域等以外の不要な領域については、支持体
等8を剥離することにより、染料受容領域5と非染料受
容領域6とを有することを特徴とする熱転写受像シート
を作製することができる(図8、図9)。離型シート側
ロール11には画像形成に必要な領域が残り、剥離側ロ
ール12には不要領域の支持体等が剥離されて取り除か
れることにより、本発明の熱転写受像シートが得られ
る。
【0012】本発明の熱転写受像シートには、図10に
示すようにミシン目13のようなカットラインを設ける
ことにより、画像形成後に複数個の画像片に切り分けて
用いることもできる。カットラインは波線状に熱転写受
像シートの表から裏まで打ち抜くようにカットしても良
く、熱転写受像シートの表から離型シートの途中まで切
り目を入れるハーフカットでも良く、両者を組み合わせ
てもよい。
【0013】次に、本発明の構成を更に具体的に説明す
る。 (離型シート)本発明において使用する離型シート1
は、従来公知のプラスチックフィルム(例えばポリエチ
レンレテフタレートフィルム)、または、ポリラミ紙の
表面にシリコーン等の公知の離型剤で離型処理を施した
材料であり、例えば、東レ株式会社製のルミラーT−6
0(厚み50μm)や、ダイヤホイル株式会社製のW−
400(厚み38μm)として入手し、使用することが
できる。これらの離型シートは20μm〜100μmの
厚みのものが好ましく、離型シートが薄すぎると得られ
る熱転写受像シートのいわゆるコシがなくなり、熱転写
プリンタで搬送できなかったり、熱転写受像シートにシ
ワが発生したりする。一方、離型シートが厚すぎると、
得られる熱転写受像シートが厚くなり、熱転写プリンタ
で搬送駆動させるのに必要とされる力が大きくなりすぎ
て、プリンタに故障が生じたり、正常に搬送できなかっ
たりする。
【0014】また、離型シート1は、表面無処理のポリ
オレフィンフィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンの延伸または無延伸のフィルムを用いてもよく、
特に、延伸または無延伸のポリプロピレンフィルムが好
ましい。本発明者の知見によれば、特に延伸または無延
伸のポリプロピレン樹脂フィルムは、その表面に、従来
技術の如き離型処理をほどこすことなく熱転写受像シー
トを作成した場合に、粘着剤の種類を選択することによ
って、上記離型シートと粘着剤層とのJISZ0237
準拠の180ー による剥離強度を100〜2,500
g、更には700〜2,000gの範囲に容易に調節す
ることが好ましい。剥離強度をこの範囲に調節すること
により、熱転写受像シート製造の際には不要領域の支持
体等の剥離がスムーズに行え、画像形成の際には染料受
容領域内にハーフカット処理が施されていたとしても画
像形成途中に支持体等の剥離が生じることもなく、その
うえ画像形成後の各画像部の剥離の際には、剥離のきっ
かけを作る手間がかからず、容易に剥離することができ
る。また、上記の離型シートの厚みは約20〜100μ
m、好ましくは、35〜75μmの範囲である。このよ
うな延伸若しくは無延伸のポリプロピレン樹脂フィルム
として、例えば、東洋紡績株式会社製のパイレンや東レ
株式会社製のトレファン等として市場から入手すること
ができる。
【0015】(粘着剤層)本発明において使用する粘着
剤層2は、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤
を用いて形成することができる。粘着剤としては、例え
ば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル・アク
リル共重合体、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチ
レン酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴ
ム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどが挙げられ
る。粘着剤層2の塗工量は、約8〜30g/m2 (固
形分)が一般的であり、従来公知の方法、すなわち、グ
ラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート
等の方法で、離型シート1上に塗工し、乾燥して粘着剤
層を形成する。本発明で用いられる粘着剤の種類として
は、後述する支持体に対する密着力が良好で、かつ離型
シート1に対する剥離強度が前述の範囲になるように選
択して使用することが好ましい。
【0016】(支持体)本発明の熱転写受像シートにお
ける支持体3としては、従来公知のものでよく、例え
ば、東洋紡績株式会社製のトヨパールSS P4255
(厚み35μm)、モービルプラスチックヨーロッパ製
のMW247(厚み35μm)等の発泡ポリプロピレン
フィルム、ダイヤホイル株式会社製のW−900(50
μm)、東レ株式会社製のE−60(50μm)等の発
泡ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく使用
される また、本発明の別の好ましい実施形態の熱転写受像シー
トの例は、図11にその拡大断面図にて示すように、支
持体(図11の符号で、14+15+16)が、粘着剤
層2に接する未発泡樹脂フィルム14と染料受容層4に
接する発泡樹脂フィルム16とを接着剤層15を介して
貼り合わせた積層体からなる。このようにすることによ
って、形成される画像、特に高濃度部分の発色濃度を向
上させて、高品質の画像を形成することができる。
【0017】上記において、有用な未発泡樹脂フィルム
14は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、
ポリプロピレン等の未発泡のフィルムであり、従来公知
の未発泡樹脂フィルムはいずれも本発明において使用で
き、その厚みとしては約10〜50μmの範囲が好まし
い。フィルム厚が薄すぎると、いわゆるコシがなく、得
られる熱転写受像シートにおいて、サーマルヘッド等に
よる画像形成時に熱収縮によるカールが発生し、一方、
厚すぎるとサーマルヘッド等による画像形成時にヒート
セットによるカールが発生し易くなる。好ましい一例と
しては、例えば、東レ株式会社製のルミラーS−10
(厚み12μm)が挙げられる。また、有用な発泡樹脂
フィルム16としては、発泡ポリプロピレンフィルムや
発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム等の従来公知
の発泡樹脂フィルムが使用でき、特に発泡ポリプロピレ
ンフィルムがそのクッション性と断熱性が優れており、
サーマルヘッドとの圧接で、均一に効率良く染料を受容
層へ転移させるため、好ましい。これらのフィルムの厚
みは、30〜60μm程度が好ましい。好ましいものと
しては、例えば、東洋紡績株式会社製のトヨパールP4
255(厚さ35μm)やトヨパールP4256(厚さ
60μm)等が挙げられる。
【0018】上記の未発泡樹脂フィルム14と、発泡樹
脂フィルム16との積層方法としては、例えば、ドライ
ラミネーション、ノンソルベントラミネーション、EC
ラミネーション方法等の公知の積層方法が使用できる
が、好ましい方法はドライラミネーション及びノンソル
ベントラミネーション方法である。ノンソルベントラミ
ネーション方法に好適な接着剤としては、例えば、武田
薬品工業株式会社製のタケネートA−720Lが挙げら
れ、ドライラミネーションに好適な接着剤としては、例
えば、武田薬品工業株式会社製のタケラックA969/
タケネートA−5(3/1)等が挙げられる。これらの
接着剤の使用量としては、固形分で約1〜8g/m2 、
好ましくは2〜6g/m2 の範囲である。
【0019】(染料受容層)図1に例示する本発明の熱
転写受像シートにおいては、染料受容層4の形成は、前
記支持体3に予め設けておいてもよいし、支持体3と離
型シート1とを積層した後に、支持体3上に設けてもよ
い。また、図11に例示する本発明の熱転写受像シート
においては、染料受容層4の形成は、前記発泡樹脂フィ
ルム16と未発泡樹脂フィルム14とを積層する前の発
泡樹脂フィルム16に予め設けてもよいし、発泡樹脂フ
ィルム16と未発泡樹脂フィルム14とを積層して構成
された支持体の発泡樹脂フィルム16の面に設けてもよ
いし、支持体3(図11の符号で、14+15+16)
と離型シート1とを積層した後に、支持体の発泡樹脂フ
ィルム16の面に設けてもよい。
【0020】上記の染料受容層4を形成する材料として
は、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポ
リマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポ
リエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニ
ルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロ
ースジ又はトリアセテート等のセルロース系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂等が挙げられ、中でも特に好ましい
ものはポリエステル系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体及びそれらの混合物である。
【0021】画像形成時において、染料層を有する昇華
型熱転写シートと、熱転写受像シートの染料受容層との
融着若しくは印画感度の低下等を防ぐ目的で、上記染料
受容層用樹脂に離型剤を混合することができる。混合し
て使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイ
ル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤
等が挙げられるが、中でもシリコーンオイルが望まし
い。そのシリコーンオイルとしては、エポキシ変性、ビ
ニル変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変
性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキル
ポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリ
エーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
【0022】離型剤は1種若しくは2種以上のものが使
用される。また、離型剤の添加量は染料受容層形成用樹
脂100重量部に対し、0.5〜30重量部が好まし
い。この添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転
写シートと熱転写受像シートの染料受容層との融着若し
くは印画感度の低下等の問題が生じる場合がある。この
ような離型剤を染料受容層4に添加することによって、
転写後の染料受容層4の表面に離型剤がブリードアウト
して離型層が形成される。また、これらの離型剤は染料
受容層用樹脂中に添加せず、染料受容層4上に別途塗工
してもよい。
【0023】染料受容層4は、発泡樹脂フィルムの表面
に、上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えた
ものを適当な有機溶剤に溶解したり、或いは有機溶剤や
水に分散した分散体を適当な塗工方法で塗工及び乾燥す
ることによって形成される。上記染料受容層の形成に際
しては、染料受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮
明度を更に高める目的で、白色顔料や蛍光増白剤等を添
加することができる。以上のように形成される染料受容
層は任意の厚さでよいが、一般的には乾燥状態で1〜5
0μmの厚さである。
【0024】また、このような染料受容層は連続被覆で
あるのが好ましいが、樹脂エマルジョン若しくは水溶性
樹脂や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成
してもよい。更に、熱転写プリンタの搬送安定化を図る
ために染料受容層の上に帯電防止剤を塗工してもよい。
更に、染料受容層と反対側の熱転写受像シートの面には
熱転写プリンタの給紙時のダブルフィードを防ぐため
に、適当なスリップ層(不図示)を設けることができ
る。スリップ層としては、ブチラール樹脂、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネ
ート、ポリ酢酸ビニル等公知の樹脂の単独又はブレンド
したものに、各種の微粒子やシリコーン等の滑剤を添加
したものを用いることができる。
【0025】(製造方法)本発明の熱転写受像シートの
製造方法は、少なくとも離型シートと、該離型シート上
に粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体
と、該支持体の上に形成された染料受容層とをこの順序
で設け、支持体等をカットすることによりハーフカット
を施し、前記支持体等の一部分を剥離することにより、
離型シート上に、支持体等が設けられている部分と、設
けられていない部分とを有する熱転写受像シートを製造
するものである。以下に、染料受容層、支持体、粘着剤
層、離型層が積層された熱転写受像シートに対して、ハ
ーフカットを施す方法、及び、支持体等の一部分を剥離
する方法について説明する。
【0026】(ハーフカット)熱転写受像シートにハー
フカット処理を施すには、カッター刃を取り付けた上型
と台座の間に、熱転写シートを挿入して、上型を上下動
させる方法や、シリンダタイプのロータリカッターによ
る方法のほか、レーザー光を用いる方法が用いられる。
【0027】本発明のレーザー加工手段は、レーザー光
として、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、ルビーレ
ーザーなどを用い、特にYAGレーザーは、波長が短
く、微小なスポットに集光できるため、より微細な加工
が可能であり、好ましく用いられる。
【0028】本発明のレーザー加工手段の例を、説明す
ると、まず、レンズによりレーザー光を集光して、熱転
写受像シートの染料受容層の面へ照射する。その際に、
レーザー光の照射時間または、レーザー出力値を変化さ
せることにより、ハーフカットラインの深さを調整する
ことができる。すなわち、レーザー光の照射時間が少な
め目の場合に、ハーフカットラインが浅くなり、レーザ
ー光の照射時間を少し多くして、ハーフカットラインを
深くすることができる。また、レーザー出力値が少なめ
目の場合に、ハーフカットラインが浅くなり、レーザー
出力値を少し多くして、ハーフカットラインを深くする
ことができる。このように、簡単に、精度が高く、再現
性良く、加工部分に非接触で、ハーフカット加工ができ
る。従って、従来のカッター刃によるハーフカット加工
と比べ、カッター刃に粘着剤が付着して、熱転写受像シ
ートの表面にその粘着剤が転移付着することがなく、更
に加工部分に応力がかからず、バリや歪みが生じない。
【0029】本発明のレーザー加工手段は、約0.9〜
11μmの赤外線領域のレーザー光線を使用することが
好ましく、レーザー光を照射された部分は、加熱される
ことになる。レーザー光を照射された部分は、局所的に
加熱され、その部分の融点を越えた状態の液相時に、そ
の部分を吹き飛ばすことにより切断され、ハーフカット
加工が行われる。本発明のレーザー加工手段は、以下に
説明するレーザー加工装置により、熱転写受像シートに
ハーフカットを形成する。レーザー加工装置は、図12
にその一例を示すように、レーザーヘッド21と加工光
学系(レンズ)22と、レーザー電源23とから構成さ
れるレーザー発振器20、被加工物である熱転写受像シ
ート30を搭載し、水平面内(XY平面内)に移動可能
なXYテーブル24、レーザーヘッド21と加工光学系
(レンズ)22を上下方向(Z軸方向)に移動させるZ
テーブル25、XYテーブル24の水平面内の移動動作
とZテーブル25の上下方向の移動動作とレーザー発振
器20の発振動作とを自動または手動で制御するメイン
コントローラ26を備える。このようなレーザー加工装
置のメインコントローラの制御により、図1に示すよう
な面付けのハーフカットを行うことができる。尚、後述
する図13の検知マーク31をハーフカット加工の開始
検知信号として利用することができることは、言うまで
もない。
【0030】ハーフカット終了後、熱転写受像シートの
不要領域の支持体等を剥離することにより、離型シート
上に、粘着剤層・支持体・染料受容層が部分的に残され
ている本願発明の熱転写受像シートが得られる。支持体
等の剥離は、例えば図9のように、剥離除去すべき支持
体を剥離側ロール12に巻き上げ、不要領域が除去され
て本発明の熱転写受像シートとなる方を離型シート側ロ
ール11に巻き上げることにより行われることから、熱
転写受像シートへのハーフカット処理のパターン形状
は、図6のように不要領域を連続剥離できるような形状
となっていることが望ましい。
【0031】(検知マーク)本発明の熱転写受像シート
には、図13に示すような検知マーク31を設けること
ができる。この検知マーク31は、熱転写画像形成の開
始位置を示すものである。また、この検知マーク31を
ハーフカット形成の開始位置として利用することもでき
る。例えば、図13では、検知マーク31を読み取り検
知して、12個の区画のハーフカットの加工を行う。次
に、その加工の進行方向の次の検知マークを、読み取り
検知して、また、同様にハーフカット加工を行い、その
動作を繰り返すことができる。検知マーク31の形状や
色は、検知器によって検知可能であればよく、限定され
るものではない。形状において、例えば、図13のよう
に楕円状でも、または、四角形でもよく、その他、丸形
やバーコード等の形状でもよい。また、ライン状の場合
では、熱転写受像シートの幅全体にわたって、形成して
もよい。検知マークの色は、検知器で検知可能であれば
よく、例えば、光透過型検知器であれば、隠蔽性の高い
銀色、黒色などがあげられる。また、光反射型検知器で
あれば、反射性の高い金属光沢の色調などがあげられ
る。
【0032】検知マーク31の形成方法は、熱転写受像
シートの表面から裏面に穴を貫通させることによって形
成してもよいし、グラビア印刷やオフセット印刷で形成
してもよい。また、蒸着フィルムを転写箔でホットスタ
ンプで設けたり、裏面に粘着剤付きの蒸着フィルムを貼
り付けることもでき、特に限定されるものではない。ま
た、検知マーク31の形成場所は、図13のように12
個の区画のハーフカットを一単位として、その一単位毎
の先頭部に形成する。更に、最初のハーフカット一単位
の先頭部にのみ形成してもよい。最初のハーフカット形
成位置を、検知マークを検知器により読み取ることによ
り検知して、レーザー加工装置での熱転写受像シートの
送り量を制御することによって、次以降もハーフカット
形成位置を正確に合わせことができる。検知マークの検
知手段については、検知マークを読み取ることができれ
ば何でもよく、特に限定されるものではない。検知マー
クとして、貫通穴の場合は、光透過型の検知器で読み取
ることができるため、光反射型の検知器に比べ、誤作動
が少ないため、好ましい。また、金属光沢の銀色の検知
マークを印刷で設けたり、蒸着フィルムの検知マークを
用いた場合は、光反射型の検知器で読み取ることができ
る。
【0033】本発明の検知マーク31は、図14に示す
ように、非染料受容領域の離型シート1の上に設けても
よい。この場合、検知マーク31は、不要領域の支持体
等を剥離した後に設けてもよく、離型シートと粘着剤層
の間に予め設けておき、不要領域の支持体等を剥離する
ことにより表面に現れるようにしてもよい。染料受容層
4には離型剤が含まれているため、染料受容層4の上に
は良好な接着力を保持させて検知マーク31を設けるこ
とは困難であるが、このような方法によれば、熱転写受
像シートの表面側にも検知マーク31を設けることがで
きる。
【0034】離型シートと粘着剤層の間にはプリンタで
検知するためのマークを設けるのではなく、図15のよ
うに、プリンタへの熱転写受像シートの装着方向を目視
で確認できるような装着方向マーク32を設けてもよ
い。装着方向マーク32は、図15のように非染料受容
領域にのみ設けてもよいが、図16のように離型シート
上に全くランダムに、連続パターンのマーク、文字、模
様、矢印等を設けてもよい。図17は図16のX―X断
面図である。装着方向マーク32は、不要領域の支持体
等を剥離することにより表れたマーク、文字、模様、矢
印等を観察することにより、プリンタ使用者が熱転写受
像シートの装着方向が判別できるものであればどのよう
な形状、色彩、パターンのものであってもよい。また、
図18のように離型シート1の表面に離型層33が設け
られ、離型層33と粘着剤層2との間で剥離できるよう
にされている場合には、離型層33の表面に装着方向マ
ーク32を設けてもよいが、図18に示すように離型層
33と離型シート1との間に装着方向マーク32を設け
てもよい。
【0035】以上のように形成された本発明の熱転写受
像シートに画像を形成する方法は、従来公知の昇華型熱
転写方式でよく、例えばイエロー、マゼンタ、及びシア
ンの3色の染料層を面順次に有する熱転写シートを用い
て、公知のサーマルヘッド方式の熱転写プリンタによっ
て所望のフルカラー画像を本発明の熱転写受像シートの
染料受容層に形成し、画像形成された染料受容層を含む
層を、支持体及び粘着剤層とともに離型シートから剥離
し、これを任意の物品に貼着することができる。また、
熱転写受像シートの染料受容領域が複数の独立区画に分
かれて形成されていたり、染料受容領域内に更にハーフ
カット処理がなされていて、複数の区画に分割されてい
る場合には、画像を形成し、一区画ごとに画像を剥離し
て、同様に任意の物品に貼着することができる。
【0036】染料受容領域の一区画又は染料受容領域内
のハーフカットの一区画と、サーマルヘッドにより加熱
される一画像の領域とは略同一にしておくのが好まし
い。ここで、略同一とは、染料受容領域の一区画又は染
料受容領域のハーフカットの一区画の面積を100とし
た場合に、サーマルヘッドにより加熱される一画像の領
域の面積が、70〜115、好ましくは80〜110、
更に好ましくは90〜105、の範囲であることをい
う。一区画の染料受容領域の周囲に非染料受容領域6が
存在する場合、すなわち、一枚の熱転写受像シートに複
数の染料受容領域5が独立に設けられているような場合
には、染料受容領域5よりもサーマルヘッドにより加熱
印画される一画像領域34の方が若干大きめとするの
が、染料受容領域と画像とが若干ずれても画像抜けが生
じないので好ましい(図19)。ハーフカット処理7を
施すことにより、一区画の染料受容領域が他の一区画の
染料受容領域と隣接する場合には、極力、一区画の染料
受容領域とサーマルヘッドにより加熱印画される一画像
領域34を同じくするか、加熱印画される一画像領域3
4を小さくする(図20)方が望ましい。
【0037】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて、本発明を
更に具体的に説明する。尚、文中部または%とあるのは
重量基準である。 (実施例1)まず、支持体である発泡ポリエチレンテレ
フタレートフィルム(商品名W−900、ダイヤホイル
株式会社製、厚み50μm)の一方の表面に下記組成の
染料受容層用塗工液を固形分で、4.0g/m2 の割合
で、塗工及び乾燥して染料受容層を形成した。
【0038】 〔染料受容層用塗工液組成〕 ・塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 40部 (電気化学工業株式会社製、#1000A) ・ポリエステル樹脂 40部 (東洋紡績株式会社製、バイロン600) ・塩化ビニル・スチレン・アクリル共重合体 20部 (電気化学工業株式会社製、デンカラック#400A) ・ビニル変性シリコーン 10部 (信越化学工業株式会社製 X−62−1212) ・触媒 5部 (信越化学工業株式会社製 CAT−PLR−5) ・触媒 6部 (信越化学工業株式会社製 CAT−PL−50T) ・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 400部
【0039】次に、上記の発泡ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの染料受容層を形成していない面に、下記
組成の粘着剤を固形分塗工量15g/m2 の割合で塗工
し、温度70℃にて1分間の加熱乾燥を行って粘着剤層
を形成した。 〔粘着剤層用塗工液組成〕 ・アクリル共重合体 48部 (総研化学株式会社製 SKダイン1310L) ・エポキシ樹脂 0.36部 (総研化学株式会社製 硬化剤E−AX) ・酢酸エチル 51.64部
【0040】別に離型シートである表面無処理の二軸延
伸ポリプロピレンフィルム(商品名パイレンP215
6、東洋紡績株式会社製、厚み30μm)の一方の表面
に、上記の積層体の粘着剤層面を対向させてラミネート
した。最後に、染料受容層面に帯電防止剤として、第4
級アンモニウム塩化合物(松本油脂製薬株式会社製、T
B−34の1/1000希釈液)を塗工して熱転写受像
シートを形成した。上記の熱転写受像シートを、離型シ
ートの厚み部分を残して、図2に示す形状に、YAGレ
ーザーを用いたレーザー加工手段(レーザー出力100
0W、照射時間0.1〜0.2ms)によりハーフカッ
ト処理し、更に、不要領域の支持体等を剥離して、実施
例1の熱転写受像シートを得た。熱転写受像シート一枚
のサイズは100mm×140mmであり、この1画面
内には40mm×40mmの小さい区画が、図2に示す
ように6個形成されている。
【0041】(実施例2)離型シートとして、表面無処
理の無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名太閤FC、
FA、二村化学製、厚み60μm)を使用した以外は、
実施例1と同様にして実施例2の熱転写受像シートを得
た。 (実施例3)支持体として、合成紙(商品名ユポFPU
60、王子油化株式会社製、厚み60μm)を使用した
以外は、実施例1と同様にして実施例3の熱転写受像シ
ートを得た。
【0042】(実施例4)まず、発泡ポリプロピレンフ
ィルム(Mobil製、MW846、厚み35μm)の
一方の表面に実施例1と同様にして染料受容層を形成し
た。次に、上記発泡ポリプロピレンフィルムの染料受容
層を形成していない面に、下記組成の接着剤を固形分塗
工量3g/m2 の割合で塗工し、その面にPETフィル
ム(東レ株式会社製、透明PET T−60、厚み25
μm)を貼り合わせた。 〔接着剤層用塗工液組成〕 ・ウレタン系樹脂 30部 (武田薬品工業株式会社製 タケラックA−969V) ・イソシアネート硬化剤 10部 (武田薬品工業株式会社製 タケネートA−5) ・酢酸エチル 80部
【0043】上記のように貼り合わせたPETフィルム
の表面に、下記組成の粘着剤を固形分塗工量15g/m
2 の割合で塗工し、温度70℃にて1分間の加熱乾燥を
行って、粘着剤層を形成した。 〔粘着剤層用塗工液組成〕 ・アクリル共重合体 48部 (総研化学株式会社製 SKダイン1310L) ・エポキシ樹脂 0・36部 (総研化学株式会社製 硬化剤E−AX) ・酢酸エチル 51.64部
【0044】別に離型シートである表面無処理の二軸延
伸ポリプロピレンフィルム(商品名パイレンP215
6、東洋紡績株式会社製、厚み30μm)の一方の表面
に、前記の積層体の粘着剤層面を対向させてラミネート
した。最後に、前記染料受容層面に帯電防止剤として、
第4級アンモニウム塩化合物(松本油脂製薬株式会社
製、TB−34の1/1000希釈液)を塗工して熱転
写受像シートを形成した。上記の熱転写受像シートを、
カッター刃を取り付けた上型と台座の間に挿入し、離型
シートの厚み部分を残して、図2の形状で、ハーフカッ
トの深さは粘着剤層まで均一になるようにハーフカット
処理し、不要領域の支持体等を剥離して、実施例4の熱
転写受像シートを得た。
【0045】(実施例5)実施例1において、離型シー
トの、粘着剤層と貼り合わせる側の面に、グラビア印刷
により黒インクを用いて図16のような熱転写受像シー
ト装着方向を示す矢印を印刷した以外は、実施例1と同
様にして実施例5の熱転写受像シートを得た。
【0046】(比較例1)実施例1において、ハーフカ
ットを行った後、支持体を剥離することなく、比較例1
の熱転写受像シートを得た。
【0047】イエロー、シアン及びマゼンタの3色の染
料層を面順次に有する昇華熱転写シート(大日本印刷株
式会社製)と前記の実施例及び比較例の熱転写受像シー
トとを、夫々の染料層と染料受容層とを対向させて重ね
合わせ、熱転写シートの裏面からヘッド印加電圧12.
0V、パルス幅16msec、印画周期33.3mse
c、ドット密度6ドット/lineの条件でサーマルヘ
ッドによる熱転写プリンタで記録を行い、熱転写受像シ
ートの染料受容層にフルカラーの顔写真を形成した。
尚、一画 像分の染料受容領域よりもサーマルヘッドに
より加熱される一画像の領域のほうが10%大きくなる
ように印画を行った。以上の画像形成において、熱転写
プリンタでの搬送性、シール剥離の評価を行った。評価
方法は、以下の通りであり、表1の結果が得られた。
【0048】<評価方法> (搬送性)各熱転写受像シートの100画面を連続で画
像形成した時の熱転写プリンタの停止回数で判定した。
尚、その停止は、熱転写受像シートのトラブルによるも
のとする。判断基準は以下の通りである。 ○:停止回数2回以下 ×:停止回数20回以上
【0049】(シール剥離)熱転写受像シート1枚に画
像形成後、6画面分の画像が設けられた各部分ごとに1
画像ずつ手で剥離した。判断基準は以下の通りである。 ○:極めて容易に各画像を剥離することができた。 ×:1画像を剥離するのに熱転写受像シートを折り曲げ
てきっかけを作ったり、指でハーフカットの切れ目の部
分をしごいたりして剥離しなければならず煩雑であっ
た。 (以下余白)
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明は、少なくとも離
型シートと、該離型シート上に粘着剤層と、該粘着剤層
とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成され
た染料受容層とがこの順序で設けられている熱転写受像
シートにおいて、前記離型シート上に、粘着剤層、支持
体、及び染料受容層が設けられている部分と、設けられ
ていない部分とを有することを特徴とする熱転写受像シ
ート、からなっている。従って、熱転写受像シート製造
工程でのカットの際に粘着剤が熱転写受像シートの端面
からはみ出すこともないので、プリンタ内で熱転写受像
シートが搬送される際に2枚以上のシートが送られるこ
となく、良好な搬送性が得られる。特に、種々の物品に
対する粘着剤の接着力を高めるために粘着剤のガラス転
移点を低くしたとしても、粘着剤のはみ出しは生じな
い。また、画像形成後に一画像ごとにシールを剥離する
ことも、極めて容易に行える。特に、ハーフカットのサ
イズよりも大きなサイズで画像を形成した場合であって
も、シールを容易に剥離することができる。また、本発
明の熱転写受像シートを複数枚積み重ねてプリンタ内に
装着した場合に、熱転写受像シート表面の非染料受容領
域と熱転写受像シート裏面のとが接触しないため、上下
の熱転写受像シート同士の接触面積が少なくなり2枚以
上の熱転写受像シートが搬送されてしまうという不具合
を回避することができる。
【0052】また、本発明は、前記離型シート上にプリ
ンタ検知マーク、またはプリンタへの熱転写受像シート
装着方向を肉眼で認識することのできるマークのような
可視情報が設けられている。従って、熱転写受像シート
の染料受容層側を上向きにして熱転写受像シートをセッ
トするようなプリンタの場合であっても、セットの際、
いちいち熱転写受像シートの裏面を確認し、次いで熱転
写受像シートの表裏を反転させて熱転写受像シートの表
面を上に向けてからプリンタにセットするというような
煩わしい作業も必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写受像シートを示す断面図であ
る。
【図2】本発明の熱転写受像シートを示す平面図であ
る。
【図3】別の例の熱転写受像シートである。
【図4】別の例の熱転写受像シートである。
【図5】別の例の熱転写受像シートである。
【図6】ハーフカット処理を施した熱転写受像シートの
平面図である。
【図7】ハーフカット処理を施した熱転写受像シートの
断面図である。
【図8】不要領域の支持体等の剥離を概略的に示す図で
ある。
【図9】不要領域の支持体等の剥離を示す別の図であ
る。
【図10】
【図11】積層体からなる支持体を用いる熱転写受像シ
ートの例である。
【図12】レーザー加工装置の構成の概略図である。
【図13】検知マークを有する熱転写受像シートであ
る。
【図14】離型シート上に検知マークを有する熱転写受
像シートである。
【図15】装着方向マークを有する熱転写受像シートの
平面図である。
【図16】装着方向マークを有する別の熱転写受像シー
トの平面図である。
【図17】装着方向マークを有する熱転写受像シートの
断面図である。
【図18】装着方向マークを有する別の熱転写受像シー
トの断面図である。
【図19】染料受容領域の一区画と加熱印画される一画
像領域の大きさの関係を示す図である。
【図20】染料受容領域の一区画と加熱印画される一画
像領域の大きさの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 離型シート 2 粘着剤層 3 支持体 4 染料受容層 5 染料受容領域 6 非染料受容領域 7 ハーフカット処理 8 支持体等 11 離型シート側ロール 12 剥離側ロール 13 ミシン目 14 未発泡樹脂フィルム 15 接着剤層 16 発泡樹脂フィルム 20 レーザー発振器 21 レーザーヘッド 22 加工光学系 23 レーザー電源 24 XYテーブル 25 Zテーブル 26 メインコントローラ 30 熱転写受像シート 31 検知マーク 32 装着方向マーク 33 離型層 34 加熱印画される一画像領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも離型シートと、該離型シート
    上に粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体
    と、該支持体の上に形成された染料受容層とがこの順序
    で設けられている熱転写受像シートにおいて、前記離型
    シート上に、粘着剤層、支持体、及び染料受容層が設け
    られている部分と、設けられていない部分とを有するこ
    とを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】 前記離型シート上に可視情報が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シ
    ート。
  3. 【請求項3】 前記可視情報が、プリンタ検知マーク、
    またはプリンタへの熱転写受像シート装着方向を肉眼で
    認識することのできるマーク、であることを特徴とする
    請求項2に記載の熱転写受像シート
  4. 【請求項4】 少なくとも離型シートと、該離型シート
    上に粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体
    と、該支持体の上に形成された染料受容層とをこの順序
    で設け、前記染料受容層、前記支持体及び前記粘着剤層
    をカットすることによりハーフカットを施し、前記染料
    受容層、前記支持体及び前記粘着剤層の一部分を剥離す
    ることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも離型シートと、該離型シート
    上に粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体
    と、該支持体の上に形成された染料受容層とがこの順序
    で設けられている部分と、前記離型シート上に粘着剤
    層、支持体、または染料受容層が設けられていない部分
    とを有する熱転写受像シートを用いる画像形成方法。
  6. 【請求項6】 粘着剤層と支持体と染料受容層が設けら
    れている部分の大きさとサーマルヘッドにより加熱され
    る部分の大きさとが略同一であることを特徴とする請求
    項5に記載の画像形成方法。
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