JPH11187830A - 粒状ゲル体の製造装置及び方法 - Google Patents

粒状ゲル体の製造装置及び方法

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JPH11187830A
JPH11187830A JP9359345A JP35934597A JPH11187830A JP H11187830 A JPH11187830 A JP H11187830A JP 9359345 A JP9359345 A JP 9359345A JP 35934597 A JP35934597 A JP 35934597A JP H11187830 A JPH11187830 A JP H11187830A
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憲輔 古山
Kazuo Takemura
加州男 竹村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の粒状ゲル体を低コストで量産するこ
とができ、その成形寸法の自由度も高い粒状ゲル体の製
造装置及び方法を提供する。 【解決手段】 冷却油Aを充填した成型槽1と、溶融原
料ゲル搬送用のチューブ式ローラーポンプ4を有する搬
送経路5と、搬送経路5から冷却油中に溶融原料ゲルを
滴下させるノズル6とを備えている。成型槽1は、断熱
構造を有するとともに、冷却油を所定温度に維持する冷
却プレート7を有し、冷却油の下部には水Wが充填され
ている。冷却油中で球状に固化した成形品Bは、成型槽
1の底部から水と共に抜き出され、固液分離部9で水と
分離して製品回収槽10に回収される。固液分離部9で
分離した水及び含有される油は、水回収槽11から水循
環経路12及び油循環経路13を経て成型槽1に戻され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒状ゲル体の製造
装置及び方法に関し、詳しくは、ゼリー,寒天等のゲル
体食品を、外観や食感に優れた粒状に効率よく成型する
ことができる粒状ゲル体の製造装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】粒状の
ゲル体食品は、一般に、ゼラチン等のゲル体を加熱溶融
して球状の型に流し込み、冷却固化した後、型から取出
すことによって製造されている。この製造方法は、所望
の大きさのものが均一に得られるという利点はあるもの
の、型の開閉,成型品の冷却,ゲル体食品の取出し等に
手間や時間がかかり、製造コストが高くなっていた。特
に、直径2〜12mm程度の小さな球状のゲル体食品を
作る場合には労力がかかり、生産効率が悪かった。さら
に、球状の型は高価であり、コストが高くなる要因とな
っていた。
【0003】また、型を使用しないで粒状のゲル体食品
を製造する方法として、例えば、特開昭48−1037
70号公報には、加熱した溶融原料ゲルを流出孔から所
定温度の油中に滴下し、油中で冷却して球状ゲル化物と
した後、静置水中に落下させて付着した油類を除去する
ことにより球状ゲル食品を製造する方法が記載されてい
る。この方法は、労力があまりかからず、球形のゲル体
を均一に連続して生産することができるという利点はあ
るが、従来の方法・装置は、生産性が悪いという問題が
あった。
【0004】すなわち、加熱溶融されたゲルを油中で球
状化させるには、溶融状態で油中に落下したゲルが、油
中を落下する間に球状化しながら固化することが必要と
なる。つまり、加熱溶融されたゲルが冷めない一定時間
内に、一定量が断続的に滴下されて油中で球状化する必
要がある。ところが、自然落下による滴下の場合、滴下
量を多くするために流量を増加させると、ゲルが連続的
に流下する状態となってしまい、円柱状の固形化物が形
成されてしまうことがあった。また、滴下量を増やした
断続的な滴下であっても、滴下速度が遅くなると、油中
で球状化する前に固化してしまい、品質の低い異形のゲ
ル体が形成されてしまうことがあった。このため、自然
落下による滴下で品質の高い球形の粒を製造できる範囲
は、直径が4mm程度か、それ以下のものに限られてい
た。
【0005】また、ゲルを冷却するための油は、所定の
温度範囲に冷却しておく必要があるとともに、球状の成
形品を得るためには、対流等の乱れのない状態が好まし
い。しかし、油を充填した槽の外周をジャケットで覆う
のみの従来のものでは、油層全体に大きな対流が発生す
るため、形状の安定性が損なわれていた。さらに、成形
したゲル体食品から油分を除去する水層は、成形したゲ
ル体食品が水層内を自由落下することによって脱油され
るので、深い静水層が必要となり、装置が大型化してい
た。
【0006】一方、特開昭63−12253号公報に
は、ゼリー原液を硬化液(固化剤)中に流出させ、これ
を所定の時間間隔で切断することにより、所定の体積の
ゼリー粒を製造する方法が記載されている。この方法
は、比較的小さい球体でも連続的に製造することができ
るが、固化剤が大量にゲル体食品に入り込むため、食感
が本来のものとはかけ離れたものとなり、品質の低下を
招くおそれがあった。特に、保存や流通のために氷結さ
せた場合や急速凍結させた場合は、その食感の変化が著
しくなる欠点があった。
【0007】そこで本発明は、高品質の粒状ゲル体を低
コストで量産することができ、その成形寸法の自由度も
高い粒状ゲル体の製造装置及び方法を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の粒状ゲル体の製造装置は、所定温度の冷却
油を充填した成型槽と、該成型槽に溶融原料ゲルを搬送
するためのチューブ式ローラーポンプを有する搬送経路
と、該搬送経路から前記冷却油中に溶融原料ゲルを滴下
させるノズルとを備えていることを特徴としている。
【0009】さらに、本発明の粒状ゲル体の製造装置
は、前記成型槽に、冷却油を所定温度に維持するための
複数枚の冷却プレートを浸漬配置するとともに、前記ノ
ズルを、隣接する冷却プレート間に溶融原料ゲルを滴下
させる位置に設けたこと、前記成型槽内の冷却油の下部
に水が充填されていること、前記成型槽が断熱構造を有
していることを特徴としている。加えて、成型槽の底部
から水と共に前記冷却油中で固化した成形品を抜き出す
回収経路と、該回収経路に抜き出された成形品と水とを
分離する固液分離部と、該固液分離部で分離した成形品
を回収する製品回収槽と、固液分離部で分離した水を回
収する水回収槽と、該水回収槽内の水を前記成型槽の水
層部分に戻す水循環経路と、水回収槽の上部に比重差で
浮上した油分を成型槽の油層部分上方に戻す油循環経路
とを備えたことを特徴としている。
【0010】また、本発明の粒状ゲル体の製造方法は、
冷却油と水とを上下二層に充填した成型槽上部の油層中
に、溶融原料ゲルをチューブ式ローラーポンプにより搬
送して間欠的に滴下し、油層中で球状に固化させて成型
槽下部の水層に沈降させた後、成型槽底部から固化した
成形品を水と共に抜き出して固液分離を行い、分離した
成形品を製品として回収するとともに、分離した水を前
記成型槽に戻して循環させることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明の粒状ゲ
ル体の製造装置の一形態例を示すもので、図1は概略系
統図、図2は要部の断面側面図である。
【0012】この粒状ゲル体の製造装置は、冷却油Aと
水Wとを充填した成型槽1と、ゼリー,寒天等のゲル体
に、必要に応じて甘味成分をはじめとする各種添加剤や
果肉等の固形分を加えた原料を調製する原料調製槽2
と、該原料槽2で調製した溶融原料ゲルを一次貯留する
原料貯留槽3と、該原料貯留槽3内の溶融原料ゲルを前
記成型槽1に搬送するためのチューブ式ローラーポンプ
4を有する搬送経路5と、該搬送経路5により搬送され
た溶融原料ゲルを成型槽1の油層中に滴下するノズル6
と、成型槽内の冷却油Aを所定温度に維持するための複
数枚の冷却プレート7と、成型槽1の底部から水と共に
成形品(製品)Bを抜き出すための回収経路8と、回収
経路8に抜き出された成形品Bと水とを分離するための
固液分離部9と、該固液分離部9で分離した成形品Bを
回収する製品回収槽10と、固液分離部9で分離した水
を回収する水回収槽11と、該水回収槽11内の水を前
記成型槽1の水層部分に戻す水循環経路12と、水回収
槽11の上部に比重差で浮上した油分を成型槽1の油層
部分上方に戻す油循環経路13と、前記冷却プレート7
に冷媒を導入・導出するために冷媒経路14a,14b
とを有している。
【0013】以下、球状ゲル体を製造する方法に基づい
て前記装置を詳しく説明する。まず、ゲル原料や所望の
添加剤が原料調製槽2に投入され、所定温度に加熱され
るとともに撹拌機15によって撹拌され、溶融原料ゲル
が調製される。溶融原料ゲルは、ポンプ16によって経
路17を通り、前記原料貯留槽3に一次貯留された後、
前記チューブ式ローラーポンプ4によって吸引され、搬
送経路5を通って前記ノズル6に導かれる。前記原料調
製槽2からノズル6に至る間の原料貯留槽3及びチュー
ブ式ローラーポンプ4を含む経路は、溶融原料ゲルの温
度やその固化温度、経路における温度低下等を考慮し、
全体を所定温度の室内に設置したり、適宜な加温手段や
保温手段、例えば、原料調製槽2や原料貯留槽3の外周
に保温ジャケット2a,3aを設けたりして、経路内で
溶融原料ゲルが固化しないようにする。
【0014】前記チューブ式ローラーポンプ4は、可撓
性を有するチューブをロータリー素子の回転で蠕動運動
させることによってチューブ内の流体を間欠的に搬送す
るポンプであって、このチューブ式ローラーポンプ4で
溶融原料ゲルをノズル6に向けて搬送することにより、
ノズル6から溶融原料ゲルを間欠的に滴下することがで
きる。前記チューブには、弾力性を有するとともに耐熱
性を有する素材のもの、例えばシリコンゴム製のチュー
ブが用いられる。また、チューブ式ローラーポンプ4
は、チューブの径やロータリー素子の回転数を適当に設
定することにより、ノズル6からの滴下量や滴下間隔を
任意に設定することが可能である。
【0015】溶融原料ゲルを冷却油A内に滴下投入する
ノズル6は、製品粒状ゲル体、即ち成形品Bに求められ
る大きさや、原料の種類,組成及び温度、チューブ式ロ
ーラーポンプ4の吐出量及び吐出速度等の条件に応じて
最適な径や肉厚のものが用いられる。なお、ノズル6
は、搬送経路5の先端に別体のノズル部品を装着するよ
うにしてもよく、搬送経路5の先端をそのままノズルと
して用いるようにしてもよい。また、ノズル6は、冷却
油Aの中に没していても、油面から離れていてもよい
が、良好な球状ゲル体を得るためには、油面上から10
〜50mm離して設置することが好ましい。
【0016】ノズル6から滴下した溶融原料ゲルは、隣
接する冷却プレート7,7間の冷却油中を比重差によっ
て降下する間に、表面張力によって粒状となり、冷却さ
れて固化し、冷却油中から水中に落下する。このノズル
6は、図2に示すように、隣接する冷却プレート7,7
間に複数個を並べて設けることができる。これらのノズ
ル6に接続される搬送経路5は、チューブ式ローラーポ
ンプ4の下流で各ノズル6に対応させて分岐させてもよ
いが、安定した状態で溶融原料ゲルを滴下させるために
は、各ノズル6毎にそれぞれ搬送経路5を設けることが
好ましい。
【0017】図2に示すように、冷却油Aを所定温度に
維持する冷却プレート7は、2枚の金属薄板間に冷媒流
路7aを設けたものであって、各冷却プレート7は、所
定間隔で平行に配置されている。前記冷媒流路7aに
は、導入側の冷媒経路14aから導出側の冷媒経路14
bに向かって流れる冷媒が供給されており、この冷媒に
よって冷却プレート7の表面が所定温度に冷却されてい
る。このように、冷却油Aを複数枚の冷却プレート7で
所定温度に維持するように形成することにより、従来の
ように成型槽1の外周に設けた冷却ジャケットで冷却油
Aを所定温度に維持するものに比べて、冷却油Aの全体
を効率よく冷却できるとともに、油層全体の温度を均一
にすることができる。さらに、ノズル6から冷却油Aの
中に落下した溶融原料ゲルが、各冷却プレート7により
区画された部分を降下するので、溶融原料ゲル同士が付
着する確率も少なくなる。
【0018】冷却油Aの温度は、溶融原料ゲルの種類や
滴下温度等によって適当に設定することができるが、通
常は、−2〜35℃、好ましくは0〜25℃の範囲に設
定され、冷却プレート7に供給する冷媒の温度及び流量
は、冷却油Aを設定温度に維持できるように設定すれば
よい。また、冷媒には、任意のものを使用することがで
きるが、通常は、冷水を用いることができる。
【0019】また、成型槽1の外周、少なくとも油層に
相当する部分に、二重構造の断熱壁18を設けておくこ
とが好ましい。この断熱壁18には、冷却プレート7と
同様の冷媒を供給して油層の冷却効果を促進することも
できるが、空気断熱,真空断熱あるいはウレタン発泡樹
脂等を充填した断熱構造を採用することができる。この
ような断熱構造に形成することにより、成型槽1の壁面
からの熱侵入を抑えることができるので、油層温度を均
一に保ち易く、外周面に結露が発生することも防止でき
る。
【0020】成型槽1の冷却油中で球状に固化したゲル
体(成形品B)は、冷却油Aから成型槽下部の水Wの中
に降下していく。成形品Bに付着している油分の一部
は、水層中で成形品Bの表面から離れて水中に移行し、
さらに、比重差で上部の油層に上昇する。成型槽1の底
部に沈降した成形品Bは、水Wと共に回収経路8に抜き
出され、ポンプ19によって固液分離部9に送られる。
このように回収経路8を介して水Wと共に成形品Bを固
液分離部9に送ることにより、回収経路中でも成形品表
面の油分を除去できるので、成型槽1内の水層の長さ
(深さ)を小さくすることができ、設備の小型化が図れ
る。
【0021】固液分離部9は、成形品Bより小さな間隔
のすだれ状あるいは細かい網目のフィルター9aを有し
ており、このフィルター9aで分離した成形品Bは、シ
ュート9bを経て製品回収槽10のざる状容器10a内
に回収される。また、フィルター9aを通過した水及び
少量の油は、水回収槽11内に流下する。
【0022】水回収槽11内の水Wは、水回収槽11と
成型槽1とのヘッド差により、水循環経路12を通って
成型槽1の下部に戻り、水回収槽11の上部に浮上した
冷却油Aは、油循環経路13を通って成型槽1の上部に
戻される。このように冷却油Aや水Wを循環使用するこ
とにより、冷却油や水が無駄に排出されることがなくな
り、運転コストの低減が図れる。なお、油循環経路13
の成型槽1側の接続部は、成型槽1内の冷却油が油循環
経路13を通って水回収槽11に逆流しないように、成
型槽1の油面より僅かに上方に位置させておく。
【0023】製品回収槽10は、底部の配管20から水
洗水を供給して槽上部からオーバーフローさせることに
より、成形品Bの表面に残存する油分を必要に応じて水
洗することができるように形成されている。ざる状容器
10a内の成形品Bは、適宜取出されて次の工程に送ら
れる。すなわち、そのままの状態で梱包したり、シロッ
プ溶液に浸漬したり、凍結したりする工程を経て保存さ
れ、出荷される。
【0024】このようにして粒状ゲル体を製造すること
により、ゼリー,寒天等のゲル体食品を効率よく粒状に
成型することができる。特に、チューブ式ローラーポン
プ4を使用して溶融原料ゲルを脈動状態で搬送するよう
にしたので、自然落下方式に比べて滴下量を任意に設定
することが可能となり、所望量の溶融原料ゲルをノズル
6から冷却油A中に間欠的に滴下させることができる。
これにより、チューブ式ローラーポンプ4の送液能力や
ノズル6の形状を適当に設定することにより、直径が
0.5〜30mmの粒状ゲル体を効率よく製造すること
ができる。また、従来よりも大粒のものを得ることがで
きるので、溶融原料ゲルに果肉等の固形物を添加するこ
とにより、例えばイチゴ様の菓子を製造することも可能
である。さらに、溶融原料ゲルに氷砂糖の粉末を添加
し、氷砂糖がゲル中に溶解する前に成型することによ
り、歯応えのある菓子を製造することもできる。
【0025】
【実施例】実施例1 増粘多糖類からなるゲル化剤と砂糖と水とを、重量比で
1:10:30程度の割合で混合した主原料をパステラ
イザーで高速撹拌して分散させ、80℃に加熱した後、
酸味料,香料,着色料及び果汁を重量比で30:1:
1:30程度の割合で混合した添加物を、主原料6重量
部に対して1重量部程度添加し、溶融ゼリー(溶融原料
ゲル)とした。この溶融ゼリーを、保温ジャケットに8
0℃の湯を供給して保温した内容量80リットルの原料
貯留槽に貯留した。
【0026】チューブ式ローラーポンプは、3本のロー
タリー素子を有するととに、内径4mmのシリコン製チ
ューブを20本有するものを2台使用し、毎分約100
ショットの速さで回転するように設定した。ノズルは、
内径4mmであり、その先端を油面から約20mm上方
にして5mm間隔でセットした。
【0027】成型槽は、600mm×300mmの箱型
で、下部を角錐台状に絞った形状のものを使用し、油層
の深さは約800mm、水層の深さは約400mmとし
た。冷却油には、いわゆるサラダ油を使用し、温度は約
4℃に設定した。冷却プレートは、500mm×750
mmの大きさのものを30mm間隔で5枚設置し、各冷
却プレートには、1〜4℃の水を流して冷却油を前記温
度に維持できるようにした。なお、水層の温度は室温
(約20℃)とした。また、成型槽の側面は断熱構造と
した。
【0028】上記条件で運転を行った結果、固液分離部
から製品回収槽に回収した成形品(粒状ゼリー)に付着
している油分は、従来の自然落下方式と変わらない0.
1重量%程度であった。この成形品を、製品回収槽で毎
分2リットルの流量の水で洗浄し、表面の油分を除去し
た。得られた成形品は、直径が約8mmの略球形であ
り、1時間当たり約24万個を製造することができた。
なお、内径4mmのノズルを使用した従来の自然落下方
式の場合は、直径3〜4mm程度のものしかできず、2
0本のノズルでの生産量も1時間当たり6万個程度が限
界である。
【0029】水洗後の成形品(製品)に残留した油分は
僅かに0.02重量%程度であり、実際に食したときに
も、サラダ油の臭いや味は全く感じられなかった。さら
に、従来のカルシウム製法による同種のゼリーとは比較
にならないほど、食感,食味,外観のいずれも優れてい
た。また、急速凍結させて保管し、解凍した後の食感,
食味,外観のいずれも、製造時の品質を保っていた。
【0030】実施例2 ゲル化剤(増粘多糖類)と砂糖と水とを、重量比で1:
20:60程度の割合で混合し、80℃加熱にした主原
料を70℃に冷却した後、酸味料,香料,着色料,果汁
及び果肉を重量比で30:1:1:30:5程度の割合
で混合した添加物を、主原料6重量部に対して1重量部
程度加え、溶融ゼリーとした。この溶融ゼリーを使用
し、滴下温度を60℃とした以外は、実施例1と同じ条
件で粒状ゼリーを製造した。得られた粒状ゼリーは、歯
応えがあり、味もよいものであった。
【0031】実施例3 ゲル化剤としてゼラチンを使用し、このゲル化剤と砂糖
と水とを重量比で1:20:60程度の割合で混合した
主原料を70℃に加熱し、香料及び粉乳を重量比で2:
15程度の割合で混合した添加物を、主原料8重量部に
対して2重量部程度加えて溶融ゼリーとし、原料貯留槽
で60℃に保温した。
【0032】チューブ式ローラーポンプには、内径6m
mのシリコン製チューブを16本有するものを2台使用
し、毎分約100ショットの速さで回転するように設定
した。ノズルの内径も6mmとした。
【0033】以下、実施例1と同様の条件で操作を行っ
たところ、直径13mmの白い球形のゼリーが得られ
た。実際に食したところ、ミルク味であり、油の味等を
感じることはなく、味覚,食感共に良好なものであっ
た。なお、生産量は、1時間当たり18万個であった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、チュー
ブ式ローラーポンプを使用して溶融原料ゲルを搬送・滴
下するようにしたので、直径が0.5〜30mm程度の
球形のゲル体を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の粒状ゲル体の製造装置の一形態例を
示す概略系統図である。
【図2】 要部の断面側面図である。
【符号の説明】
1…成型槽、2…原料調製槽、3…原料貯留槽、4…チ
ューブ式ローラーポンプ、5…搬送経路、6…ノズル、
7…冷却プレート、8…回収経路、9…固液分離部、1
0…製品回収槽、11…水回収槽、12…水循環経路、
13…油循環経路、14a,14b…冷媒経路、18…
断熱壁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定温度の冷却油を充填した成型槽と、
    該成型槽に溶融原料ゲルを搬送するためのチューブ式ロ
    ーラーポンプを有する搬送経路と、該搬送経路から前記
    冷却油中に溶融原料ゲルを滴下させるノズルとを備えて
    いることを特徴とする粒状ゲル体の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記成型槽は、前記冷却油中に、冷却油
    を所定温度に維持するための複数枚の冷却プレートが浸
    漬配置されるとともに、前記ノズルは、隣接する冷却プ
    レート間に溶融原料ゲルを滴下させる位置に設けられて
    いることを特徴とする請求項1記載の粒状ゲル体の製造
    装置。
  3. 【請求項3】 前記成型槽内には、前記冷却油の下部に
    水が充填されていることを特徴とする請求項1又は2記
    載の粒状ゲル体の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記成型槽は、断熱構造を有しているこ
    とを特徴とする請求項1,2又は3記載の粒状ゲル体の
    製造装置。
  5. 【請求項5】 成型槽の底部から水と共に前記冷却油中
    で固化した成形品を抜き出す回収経路と、該回収経路に
    抜き出した成形品と水とを分離する固液分離部と、該固
    液分離部で分離した成形品を回収する製品回収槽と、固
    液分離部で分離した水を回収する水回収槽と、該水回収
    槽内の水を前記成型槽の水層部分に戻す水循環経路と、
    水回収槽の上部に比重差で浮上した油分を成型槽の油層
    部分上方に戻す油循環経路とを備えたことを特徴とする
    請求項3記載の粒状ゲル体の製造装置。
  6. 【請求項6】 冷却油と水とを上下二層に充填した成型
    槽上部の油層中に、溶融原料ゲルをチューブ式ローラー
    ポンプにより搬送して間欠的に滴下し、油層中で球状に
    固化させて成型槽下部の水層に沈降させた後、成型槽底
    部から固化した成形品を水と共に抜き出して固液分離を
    行い、分離した成形品を製品として回収するとともに、
    分離した水を前記成型槽に戻して循環させることを特徴
    とする粒状ゲル体の製造方法。
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