JPH11187798A - 防虫剤 - Google Patents
防虫剤Info
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- JPH11187798A JPH11187798A JP9360755A JP36075597A JPH11187798A JP H11187798 A JPH11187798 A JP H11187798A JP 9360755 A JP9360755 A JP 9360755A JP 36075597 A JP36075597 A JP 36075597A JP H11187798 A JPH11187798 A JP H11187798A
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Abstract
期保存、流通、使用時であっても有効成分がプラスチッ
クに吸収されない防虫剤を提供するにある。 【解決手段】 本発明の防虫剤1は、常温揮散性ピレス
ロイドを合成樹脂、パルプ、またはそれらからなる不織
布に含浸した薬剤含浸体としてのシート材10を、脂肪
族ポリケトンを用いて構成されたケースとしての薬剤容
器20に収納したことを特徴とする。これにより、薬剤
容器20へのシート材10の有効成分の吸着を完全に防
止することができ、結果として防虫効果を維持させるこ
とが可能となる。
Description
ロイドを含浸した薬剤含浸体を、ケースに収納した防虫
剤に関する。
虫効果の高い常温揮散性ピレスロイドを含浸したものを
収納するケースの防虫剤が種々提案されている。このよ
うな防虫剤には、例えば、洋服ダンス等に吊支されるも
のや、あるいはタンス・衣装箱等に納めて用いる防虫薬
剤の揮散具等があり、洋服ダンス用としては、実公昭6
3−8223号公報に記載されている考案がある。
二つ折りでき、内部に防虫剤含浸紙収納用の空間を有し
メッシュ状に多数の揮散孔を有する一対の、プラスチッ
ク成型された半収納体よりなり、該半収納体の開閉端部
中央に一対ずつの互に嵌合係止する嵌合片と嵌合孔を或
る間隔をおいて設け、上記半収納体の1個の表面にはヒ
ンジを介して引き上げ得る、外周に低い段差部を有する
吊支具をほぼ「面一」に埋没できる陥没溝中に収め得る
ように設け、該陥没溝のある半収納体のヒンジ近くに、
上記吊支具収納時にその低い段差部を係止する係止爪を
設け、かつ吊支具の引上げ時、これを固定するために吊
支具のヒンジより外側で半収納体上縁部相当位置に外方
に向かう放射状の切込みを伴った嵌入孔を設けるととも
に、他の一方の半収納体のこれと対称位置に上記嵌入孔
に嵌入する吊支具固定用突起を設け、また両半収納体の
内側には防虫剤含浸紙を挟持するための多数の突起を互
いに対向させて設けるとともに、上記含浸紙の位置規制
用のL一字形の枠片を一方の半収納体コーナー部に設け
て構成したことを特徴としている。
散具(以下、引き出し用防虫剤として説明する)として
は、実公平5−30622号公報に記載されている考案
がある。この考案による防虫剤は、台板上に蓋板を重な
るようにして開蓋可能とした台板の少なくとも対向し、
かつ殺虫マットの端面と対向する二側縁に、通気可能に
して多数の突条を各側縁に沿って配列配置し、かつ両側
縁の対向する突条間に、常温にて自然に殺虫成分が揮散
する液体状殺虫薬剤を含浸させた殺虫マットを納め、台
板及び蓋板の内側に殺虫マットを台板・蓋板に密接する
事なく支持する突起を設けるとともに、前記突状の長手
方向の長さを殺虫剤による衣類の変色を防止できる程度
の3〜15mmの範囲内に定めて構成したことを特徴と
している。
虫剤のケースには、常温揮散性ピレスロイドを例えば不
織布等に含浸することにより形成された殺虫機能を有す
る殺虫マットまたは殺虫シートが収容される。ところ
が、主にポリプロピレン、ポリエチレンからなるケース
タイプにおいては、上記殺虫マットや殺虫シートとの直
接の接触をなるべく避けるために、その接触面積を極力
低減可能なピン立て等の手段を設けて構成されてはいる
が、ケース材料として主にポリプロピレン、ポリエチレ
ン等が用いられていることから、密封で長期保存した場
合や使用中においては、有効成分がプラスチックに吸収
されてしまい、しかも吸収された有効成分はほとんど揮
散しないため、実質的な有効成分が減少してしまい、結
果として防虫効力の低下を招くといった問題点があっ
た。
虫剤では、常温揮散性ピレスロイドを含浸した殺虫シー
トにおける有効成分の吸着率を低減するために、ケース
は該殺虫シートとの直接の接触をなるべく避けるための
ピン立て等の手段を設けて構成されてはいるが、ケース
材料としてポリプロピレン、ポリエチレン等が用いられ
ていることから、長期保存、流通、使用時には有効成分
がプラスチックに吸収されてしまい、しかも吸収された
有効成分はほとんど揮散しないため、実質的な有効成分
が減少してしまい、結果として防虫効力の低下を招くと
いった問題点があった。
れたもので、長期保存、流通、使用時であってもプラス
チックケースへの有効成分の吸収がなく、有効成分の減
少を防止することにより、高い防虫効力を得ることので
きる防虫剤の提供を目的とする。
の防虫剤は、常温揮散性ピレスロイドを含浸した薬剤含
浸体を、脂肪族ポリケトンを用いたケースに収納したこ
とを特徴とするものである。
1に記載の防虫剤において、前記ケースは、それ自体が
少なくとも前記脂肪族ポリケトンを有する材料で構成さ
れ、または他のプラスチックからなる基材に脂肪族ポリ
ケトンでコーティングすることにより少なくとも前記薬
剤含浸体との接触部分を構成されたことを特徴とするも
のである。
1に記載の防虫剤において、前記ケースは、前記薬剤含
浸体を収納して保持する枠体と、この枠体を収納する収
納体とで構成され、該枠体が少なくとも脂肪族ポリケト
ンを有する材料で構成され、または他のプラスチックか
らなる基材に脂肪族ポリケトンでコーティングすること
により少なくとも前記薬剤含浸体との接触部分を構成さ
れたことを特徴とするものである。
3に記載の防虫剤において、前記収納体は、少なくとも
それ自体が前記脂肪族ポリケトンを有する材料で構成さ
れ、または他のプラスチックからなる基材の内外周面を
脂肪族ポリケトンでコーティングすることにより構成さ
れたことを特徴とするものである。
くとも前記脂肪族ポリケトンを有する材料でケースを構
成することによって、ケースへの薬剤含浸体の有効成分
の吸着を防止することが可能となり、防虫効果を維持さ
せることが可能となる。
が薬剤含浸体を収納して保持する枠体と、この枠体を収
納する収納体とで構成されているため、シート材との収
納体との直接の接触面積をなくすことが可能となり、有
効成分の吸着防止に寄与する。また、枠体が少なくとも
脂肪族ポリケトンを有する材料で構成され、または他の
プラスチックからなる基材に脂肪族ポリケトンでコーテ
ィングすることにより少なくとも前記薬剤含浸体との接
触部分を構成されていることから、上記発明と同様に動
作して同様の効果が得られ、また、コーティング処理を
採用した場合には、同様の効果が得られる他に、低コス
ト化を図ることが可能となる。
発明による防虫剤と同様に動作するとともに、この収納
体は少なくともそれ自体が脂肪族ポリケトンを有する材
料で構成され、または他のプラスチックからなる基材の
内外周面を脂肪族ポリケトンでコーティングすることに
より構成されていることから、確実に有効成分の吸着を
防止することができる。
おいては、使用する薬剤含浸体としては、合成樹脂、パ
ルプなどに含浸させたものが挙げられる。好ましくは、
合成樹脂、パルプから製造される不織布、フィルム、マ
ット等に含浸して用いられる。
は、一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物のコポリマー
を主体とする樹脂であり、特に一酸化炭素とエチレン性
不飽和化合物との比率が1:1に近いコポリマーが好ま
しい。もっとも好ましいものは、一酸化炭素とエチレン
性不飽和化合物が交互に共重合したコポリマーである。
ものが考えられるが、特に好ましいのは、α−オレフィ
ン、アリール置換基を含むアリール脂肪族炭化水素であ
る。
レン、プロピレン、1−ブデン、イソブチレン、1−ヘ
キセン、1−オクテン、1−ドデセン等が挙げられる
が、特に好ましいものは、エチレン、プロピレンであ
る。この場合、一酸化炭素と一種だけでなく二種以上の
α−オレフィンを含むコポリマーであっても良い。
炭化水素としては、スチレン、p−メチルスチレン、p
−エチルスチレン及びm−イソプロピルスチレンが挙げ
られる。
ンは、燃焼時に有害ガスを発生せず、使用後の廃棄の際
に環境問題を生じない。尚、本発明の脂肪族ポリケトン
樹脂には必要に応じ、ガラス繊維やタルク等の無機材
料、エラストマーや各種熱可塑性樹脂、その他酸化防止
剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、染顔料、帯電防止
剤等を添加することができる。シュルケミカルズ社から
販売されている脂肪族ポリケトン(商品名カリロン)
は、本発明の脂肪族ポリケトンの代表的なものである。
スロイドとしては、4−メチル−4−ヘプテン−1−イ
ン−3−イル d−シス,トランス−クリサンテマート
(以下エムペントリン)、dl−3−アリル−2−メチ
ル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス,
トランス−クリサンテマート(以下アレスリン)、(5
−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス,トランス
−クリサンテマート(以下レスメトリン)、2−メチル
−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペ
ンテン−1−イル 2,2,3,3−テトラメチルシク
ロプロパンカルボキシラート(以下テラレトリン)等が
挙げられ、中でも、エムペントリンは、常温揮散ピレス
ロイド防虫剤としてその高い防虫効果、低毒性を具備し
ていることから広く用いられている。また、エムペント
リン、アレスリン、レスメトリン、テラレトリン等を混
合して用いても良い。
菌剤、香料、忌避剤などの他の成分を配合することもで
き、合成樹脂、パルプなどに含浸させたものが得られ
る。好ましくは、合成樹脂、パルプから製造される不織
布、フィルム、マット等を用いて有効成分を含浸した薬
剤含浸体を得ることができる。
使用場所、使用期間によって特に限定されないが、例え
ば、5cm×12cmの大きさで、厚さが1mm程度の
パルプシートにエムペントリン0.03〜1.0g含浸
することにより、通常の洋服ダンス内で使用して6ヶ月
防虫効果を持続させることができる。
特に限定されないが、例えば洋服ダンス用として実公昭
63−8223号公報に記載の防虫剤入れによれば、内
部に防虫剤含浸紙収納用の空間を有しメッシュ状に多数
揮散孔を有する一対のプラスチック成形体からなり、吊
支具も設けたものや、引き出し用として実公平5−30
622号公報に記載の殺虫薬剤の揮散具によれば、台板
上に蓋板を重なるようにして閉蓋可能とした台板に通気
可能にして多数の突条を配列配置し、内部に殺虫マット
を収納したものが挙げられる。
発明のように薬剤含浸体を保持する脂肪族ポリケトンか
らなる枠体と、当該枠体を収納する収納体であっても良
い。この場合、収納体は、脂肪族ポリケトンであっても
良く、その他の材質であっても良く、その他の材質とし
て安価なポリエチレンやポリプロピレンを用いるのが好
ましい。
しては、上記薬剤含浸体との接触部分を脂肪族ポリケト
ンで形成しても良く、好ましくは、容器全体を脂肪族ポ
リケトンで形成した方が良い。この理由として、長期保
存、流通、使用時の際に、脂肪族ポリケトンと上記薬剤
含浸体が接触している部分の吸収は防げても、その他の
部分は、揮散した成分と接触するため、容器全体を脂肪
族ポリケトンで形成した方が好ましい。
ケースを構成する他のプラスチックからなる基材に脂肪
族ポリケトンでコーティングすることにより少なくとも
前記薬剤含浸体との接触部分を構成しても良い。
形、中空成形、押し出し成形、プレス成形等によって脂
肪族ポリケトンを用いて成形され、薬剤含浸体を収納す
ることにより本発明の防虫剤を得ることができる。
チックフィルムに収納し、密閉保存されるが、長期保
存、流通、使用時での保存においても有効成分が吸収さ
れず、使用開始後、洋服ダンス、引き出し等で、有効成
分を効率的に揮散し、衣類害虫、生活害虫に対し効果を
発揮することが可能となる。また、請求項3に記載の発
明によって、有効期間をすぎた場合に収納している枠体
を他の枠体に詰め替えることが可能であるため、ケース
自体を繰り返して使用することも可能となり、低コスト
化にも寄与する。さらに、請求項2乃至4に記載の発明
によって、例えば低コストなポリプロピレンやポリエチ
レン等で構成されるケースの面上に対し、上述の脂肪族
ポリケトンによってコーティングするという方法を採用
した場合でも、上記発明と同様の効果が得られる。
図面を参照しながら説明する。
実施形態例を示し、図1は洋服ダンス用防虫剤として構
成した場合の全体構成を示す構成斜視図、図2は該防虫
剤の断面図、図3は容器本体のA−A線断面図である。
剤である例えばエムペントリンが不織布等に均一に含浸
して形成されたシート材10と、このシート材10を収
納する薬剤容器20とで構成されている。
ムペントリン等の有効成分が揮散することにより防虫能
力の効果が得られるもので、薬剤容器20内の収納可能
な大きさでシート状に形成されている。薬剤容器20
は、薬剤収納体である容器本体21の上側に湾曲状のフ
ック部30と略山型のストッパー部31とを形成した構
造となっている。
を吸着しない脂肪族ポリケトン(シェルケミカルズ社
製:商品名カリロン)の材質で楕円状に形成された表側
筐体22と裏側筐体23とで表裏分割した構造になって
おり、上記エムペントリンが含浸したシート材10を内
部に収納できるようになっている。つまり、表側筐体2
2及び裏側筐体23は、それ自体が前記脂肪族ポリケト
ンで形成されるようになっている。
外部との間を連通させる連通部としての連通孔24が形
成され、またその面上の中央近傍にも、複数の開口部2
5が形成されるようになっている。また、裏側筐体23
についても同様に容器本体21の内部の外部との間を連
通させる連通部としての連通孔24が形成され、またそ
の面上の中央近傍にも、複数の開口部25が形成される
ようになっている。これらの連通孔24及び開口部25
は、容器本体21の内部と外部との間でシート材10の
有効成分の通過を可能にしている。また、連通孔24は
シート材10の所定位置に設けられた有効成分の有効期
間がすぎたことを示す表示(インジケータ部ともいう)
を覗けるようになっている。
方へ延設して先端部をこの容器本体21側へ向け、この
容器本体21との先端部との間に脱着口32を形成して
いる。ストッパー部31は、略山型に形成されており、
前記フック部30の先端部に対向させて前記脱着口32
を狭めるように容器本体21から突出して設けられてい
る。この場合、フック部30は、弾性を有する部材によ
り適宜肉厚を調整させており、適切な力で弾性変形可能
になっている。これと同様にストッパー部31も弾性を
有する部材により形成されており、適切な力で弾性変形
可能になっている。これにより、脱着口32の径は可変
となる。
面図に示すように、シート材10を表側筐体22の定位
置に固定するためのリブ37が複数形成されるようにな
っている。
本体21がシート材10の有効成分を吸着しない脂肪族
ポリケトン(シェルケミカルズ社製:商品名カリロン)
の材質を用いて形成されており、その実施様態が図2の
断面図に示されている。さらに分かりやすく説明する
と、図2中のA−A線断面図である図3に示すように、
容器本体21の裏側筐体23は、それ自体が前記脂肪族
ポリケトンで形成されたものであり、また表側筐体22
についても同様に脂肪族ポリケトンで形成されるように
なっている。
ンは課題解決するためには極めて有効なものである。こ
のような脂肪族ポリケトンの特性を知りうるために行っ
た試験例を下記に示す。
同様にしてシェルケミカルズ社製の脂肪族ポリケトン
(商品名カリロン)を用いて、プラスチックサンプルを
作成し試験例1とした。また、特性を比較するために試
験例2〜7として表1に記載の汎用的な樹脂(低密度ポ
リエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,高密度ポリエ
チレン,ポリプロピレン,AS樹脂及びポリメタクリル
酸メチル:以下、PMMAと称す)を用いてプラスチッ
クサンプルを作成した。
た上記のプラスチックサンプルを40℃恒温にしたエム
ペントリンに漬け込み、一ヶ月後取り出して重量を測定
した。プラスチックサンプル自体の吸湿、放湿等による
影響を補正するため、エムペントリンに漬け込まないコ
ントロールサンプルも用意した。このコントロールサン
プルの重量変化を測定し、プラスチックサンプルへの吸
着量に補正を加えて吸着率を算出した。尚、吸着率の算
出式は、 吸着率(%)=(浸漬後重量−初期重量−コントロール
重量変化)/初期重量 であり、またPMMAの減量は、エムペントリン中に溶
出したことによるものとする。このような試験方法で試
験した結果を下記の表1に示す。
も解るように、試験例2〜7に示されているような汎用
的なプラスチックは、エムペントリンの吸着がかなり認
められたが、これに対し、本発明に用いられる脂肪族ポ
リケトンの場合は、エムペントリンの吸着が全く認めら
れなかった。すなわち、この脂肪族ポリケトンを用いて
シート材10を収納する薬剤容器20を構成すれば、シ
ート材10に含浸したエムペントリンは該薬剤容器20
に吸着されることはなく、長期保存中には有効成分が吸
着されないので、防虫効果の低下を防止することがで
き、また使用時には、高い防虫効果を得ることが十分に
期待できる。
を用いて例えば図1に示すように薬剤容器20を実際に
形成し、図1に示す本実施形態例の洋服ダンス用防虫剤
として構成した場合の実験例を下記に示す。尚、この場
合の防虫剤の構成は、図1に示す防虫剤1と同様のもの
を用いている。
パルプ紙にエムペントリン500mgを均一に含浸さ
せ、この薬剤含浸体(シート材10)を洋服ダンスに用
いられる防虫剤として、シェルケミカルズ社製脂肪族ポ
リケトン(商品名カリロン、グレードDP P100
0)を用いて成形した6.5×12.5cm、厚み1.
2cm、重量25.135g、開口面積30cm2 のケ
ース(薬剤容器20)に収納し、塩化ビニリデンコート
したバリア性袋に入れ、40℃恒温槽内に1か月間放置
後のエムペントリンのプラスチックへの吸着量を測定し
た(実験例1)。
めの比較例1として、上記実験例1と同様に、薬剤含浸
体(シート材10)をポリプロピレンを用いて成形した
6.5×12.5cm、厚み1.2cm、重量14.9
43g、開口面積302 のケースに収納し、塩化ビニリ
デンコートしたバリア性袋に入れ、40℃恒温槽内に1
か月間放置後のエムペントリンのプラスチックへの吸着
量を測定した。
に、薬剤含浸体をポリエチレンを用いて成形した6.5
×12.5cm、厚み1.2cm、重量15.242
g、開口面積30cm2 のケースに収納し、塩化ビニリ
デンコートしたバリア性袋に入れ、40℃恒温槽内に1
か月間放置後のエムペントリンのプラスチックへの吸着
量を測定し、次の表2に示す結果を得ることができた。
に、一般的に用いられるポリプロピレンやポリエチレン
の場合、エムペントリンの吸着が認められたが、これに
対し、本実施形態例に用いられた脂肪族ポリケトンはエ
ムペントリンの吸着が全く認められなかった。
ようなシート材10の有効成分、つまりエムペントリン
を全く吸着しない脂肪族ポリケトンを用いて薬剤容器2
0(容器本体21)自体を構成しているので、袋体に収
容した状態で長期保存した場合や使用時においても、有
効成分の吸着による減少を防止することが可能となり、
高い防虫効果を得ることが可能となる。
剤容器20・容器本体21自体を脂肪族ポリケトンのみ
で形成するのではなく、この薬剤容器20を通常のポリ
プロピレンやポリエチレンで形成し、さらにこの容器本
体21を構成する表側筐体22及び裏側筐体23の内外
周面の面上、あるいは少なくともシート材10に対向配
置される内側の面上に対して、上記脂肪族ポリケトンの
コーティング処理を施して薬剤容器20を形成すること
により、防虫効果を得られる他に低コスト化を図ること
も可能である。このような実施形態例を図4に示す。
例を示し、図2に示す容器本体の内外周面に脂肪族ポリ
ケトンでコーティングした場合の容器のA−A線断面図
である。
に薬剤容器20自体を脂肪族ポリケトンで形成するので
はなく、容器本体を構成する表側筐体22及び裏側筐体
23の内外周の面上に対し前記脂肪族ポリケトンをコー
ティングすることにより、容器本体を構成したことが前
記実施形態例と異なる点である。
21の例えば裏側筐体23は、一般に使用されるポリプ
ロピレンやポリエチレン等のプラスチックで形成された
基材26を備え、この基材26の内外周面の両面に対し
脂肪族ポリケトンでコーティングすることにより形成し
たコーティング層33を有している。また、表側筐体2
2についても、同様にポリプロピレンやポリエチレン等
のプラスチックで形成された基材26の内外周面の両面
に脂肪族ポリケトンでコーティングすることによりコー
ティング層33を形成するようにしても良い。このコー
ティング層33については、前記表側筐体22及び裏側
筐体23の各基材26の少なくともシート材10に対向
配置する内側面上の少なくともシート材10との接触部
分に設けるように構成すれば良い。
ば、形成したコーティング層33によって、図4に示す
ように低価格のポリプロピレンやポリエチレンからなる
基材26を気密に被覆することができるため、前記実施
形態例と同様の効果が得られる。
以下に説明する。
実施形態例を示し、図5はシート材を収納した枠体を薬
剤容器に収納するように構成した洋服ダンス用防虫剤の
全体構成を示す構成斜視図、図6は図5に示す枠体の断
面図、図7はこの枠体のB−B線断面図である。
容器を改良したもので、さらに該薬剤容器とシート材1
0bとの接触面積をなくすための枠体43を設け、この
枠体43内に前記シート材10bを収納し、この枠体4
3を前記薬剤容器40内に収容するように構成するとと
もに、この枠体43自体を前記実施形態例と同様の脂肪
族ポリケトンを用いて構成し、さらに枠体43の収納体
としての薬剤容器40を構成する表側筐体41及び裏側
筐体42がポリプロピレンやポリエチレンからなるよう
に構成したことが、前記実施形態例とは異なる点であ
る。
ス用防虫剤3は、シート材10bと、このシート材10
bを所定位置に保持しながら収納可能な枠体43と、こ
の枠体43を収納する薬剤容器40とで構成されてい
る。
エムペントリン等の有効成分が揮散することにより防虫
能力の効果が得られるもので、枠体43内の収納可能な
大きさでシート状に形成されている。またシート材10
bの所定位置には、図示はしないが有効成分の有効期間
がすぎたことを表示可能なお取り替えサイン表示手段が
設けられている。
成分を吸着しない脂肪族ポリケトン(シェルケミカルズ
社製:商品名カリロン)の材質で形成された表側枠体部
43aと裏側枠体部43bとで表裏分割した構造になっ
ており、上記シート材10bを内部に収納できるように
なっている。この場合、シート材10bは、上記枠体部
内部のそれぞれの内周面に設けられた複数のリブ43c
によって挟持されることにより、枠体43内部の所定位
置に該シート材10bを保持し且つ固定することができ
るようになっている。
図のように、前記表側枠体部43aと裏側枠体部43b
とは、それ自体が前記脂肪族ポリケトンを用いて形成さ
れており、すなわち枠体43自体、この脂肪族ポリケト
ンで形成されたものとなる。したがって、前記裏側枠体
部43bの拡大断面を示すと、図7に示すB−B線断面
図のように脂肪族ポリケトンのみで構成されたものとな
る。また、前記表側枠体部43aについても同様にそれ
自体が脂肪族ポリケトンのみで構成されるようになって
いる。
3bのそれぞれの面上には、枠体43の内部と外部との
間を連通させる連通部としての連通孔43dが形成され
るようになっている。これらの連通孔43dは、枠体4
3の内部からのシート材10bの有効成分が薬剤容器4
0の揮散孔41b,42a及び覗き窓41aを介して外
部へと通過させることを可能にしている。
容器40は、例えば従来用いられていた低コストなポリ
プロピレンやポリエチレン等の材質で形成された表側筐
体41と裏側筐体42とで表裏分割した構造になってお
り、前記枠体43を内部に収納できるようになってい
る。表側筐体41と裏側筐体42とは、2つのヒンジ4
4を介して二つ折りにでき、またそれぞれの内面には、
枠体43内のシート材10bからの有効成分を外部へと
揮散するための揮散孔41b,42aが形成されてい
る。
bの前記お取り替えサイン表示手段によるお取り替えサ
インの表示を覗くための覗き窓41aが形成されてい
る。この覗き窓41aは、シート材10bの有効期間を
すぎたことを示す表示を見るためのものではあるが、薬
剤容器40の内部と外部との間でシート材10bの有効
成分を通過させる役割もある。
端部中央には、一対ずつの互いに係止する係止爪部45
aと係止片45bが所定間隔で形成されており、さらに
開閉基端部の両側には、一対ずつの互いに嵌合係止する
嵌合片46aと嵌合孔46bとが形成されている。した
がって、枠体43の収納後にヒンジ44を介して表側筐
体41,裏側筐体42のどちらか一方を閉じた場合に
は、嵌合片46a,嵌合孔46bによって嵌合係止する
とともに、係止爪部45a,係止片45bによって係止
することにより、表側筐体41と裏側筐体42との閉じ
た状態を確実に保持し且つ固定することが可能となり、
収納した枠体43が外部に出てしまうこともない。
上方へ延設して先端部をこの薬剤容器40側へ向け、こ
の薬剤容器40との先端部との間に脱着口32aを形成
している。尚、フック部30aは、弾性を有する部材に
より適宜肉厚を調整させており、適切な力で弾性変形可
能になっている。これにより、脱着口32aの径は可変
となる。 上記構成によれば、薬剤容器40の他にシー
ト材10bを収納する枠体43設けたことにより、シー
ト材10bと薬剤容器40との接触面積をなくすことが
可能となる。また、この枠体43自体が脂肪族ポリケト
ンを用いて形成されているため、シート材の有効成分で
あるエムペントリンの吸着を完全に防止することが可能
となり、高い防虫効果が得られる。さらに、薬剤容器4
0については、繰り返して使用することが可能である
他、シート材10bを収納した枠体43のみを詰め替え
用として実施すれば、使用上についても大変便利であ
り、また低コスト化にも寄与する。
虫剤3を実際に形成した場合の実験例を下記に示し、他
の比較例と比較しながら本実施形態例における効果を説
明する。
ケトン(商品名カリロン、グレードDP P1000)
を用いて成形した5.6×12cm、厚み1.0cm、
重量8.492g、開口面積28cm2 の表裏分割した
構造の枠体43の内部に5×11cm、厚さ0.5mm
のパルプ紙にエムペントリン500mgを均一に含浸さ
せた薬剤含浸体(シート材10b)を収納し、これを洋
服ダンスに用いられる防虫剤としてポリプロピレンで形
成した6.5×12.5cm、厚み1.2cm、重量1
4.943g、開口面積30cm2 の収納体(薬剤容器
40)に収納し、塩化ビニリデンコートしたバリア袋に
入れ、40℃恒温槽内に1か月放置後の前記枠体のエム
ペントリン吸着量を測定した(実験例2)。
めの比較例3として、実験例2と同様に、薬剤含浸体を
ポリプロピレンを用いた成形した5.6×12cm、厚
み1.0cm、重量5.382g、開口面積28cm2
の表裏分割した構造の枠体の内部に5×11cm、厚さ
0.5mmのパルプ紙にエムペントリン500mgを均
一に含浸させた薬剤含浸体(シート材10b)を収納
し、これを洋服ダンスに用いられる防虫剤としてポリプ
ロピレンで形成した6.5×12.5cm、厚み1.2
cm、重量14.943g、開口面積30cm2 の収納
体(薬剤容器40)に収納し、塩化ビニリデンコートし
たバリア袋に入れ、40℃恒温槽内に1か月放置後の前
記枠体のエムペントリン吸着量を測定した。
に、薬剤含浸体をポリエチレンを用いて成形した5.6
×12cm、厚み1.0cm、重量5.489g、開口
面積28cm2 の表裏分割した構造の枠体の内部に5×
11cm、厚さ0.5mmのパルプ紙にエムペントリン
500mgを均一に含浸させた薬剤含浸体(シート材1
0b)を収納し、これを洋服ダンスに用いられる防虫剤
としてポリプロピレンで形成した6.5×12.5c
m、厚み1.2cm、重量14.943g、開口面積3
0cm2 の収納体(薬剤容器40)に収納し、塩化ビニ
リデンコートしたバリア袋に入れ、40℃恒温槽内に1
か月放置後の前記枠体のエムペントリン吸着量を測定
し、次の表3に示す結果を得ることができた。
に、一般的に用いられるポリプロピレンやポリエチレン
の場合、エムペントリンの吸着が認められたが、これに
対し、本実施形態例に用いられた脂肪族ポリケトンはエ
ムペントリンの吸着が全く認められなかった。
ペントリンを全く吸着しない脂肪族ポリケトンを用いて
枠体43を構成するとともに、シート材10bと薬剤容
器40との接触を完全遮断しているので、袋体に収容し
た状態で長期保存した場合や使用時において、前記第1
実施形態例と同様に有効成分の吸着による減少を防止す
ることが可能となり、高い防虫効果を得ることが可能と
なる。
同様にコスト面を考慮し、枠体43自体を脂肪族ポリケ
トンのみで形成するのではなく、この薬剤容器40を通
常のポリプロピレンやポリエチレンで形成し、さらにこ
の枠体43を構成する表側枠体部43a及び裏側枠体部
43bの内外周面の面上、あるいは少なくともシート材
10bに対向配置される内側面上の少なくともシート材
10bとの接触部分に上記脂肪族ポリケトンのコーティ
ング処理を施して枠体43を形成することで、防虫効果
を得られる他に低コスト化を図ることも可能である。こ
のような実施形態例を図8に示す。
例を示し、図6に示す枠体の内外周面に脂肪族ポリケト
ンでコーティングした場合の枠体のB−B線断面図であ
る。
ように枠体43自体を脂肪族ポリケトンで形成するので
はなく、枠体43を構成する表側枠体部43a及び裏側
枠体部43bの内外周面の両面に対し前記脂肪族ポリケ
トンをコーティングすることにより、枠体を構成したこ
とが前記第3実施形態例とは異なる点である。
の例えば裏側枠体部43bは、一般に使用されるポリプ
ロピレンやポリエチレン等のプラスチックで形成された
基材47を備え、この基材47の内外周面の両面に対し
脂肪族ポリケトンでコーティングすることにより形成し
たコーティング層50を有している。また、表側枠体部
43aについても、同様にポリプロピレンやポリエチレ
ン等のプラスチックで形成された基材47の内外周面の
両面に脂肪族ポリケトンでコーティングすることにより
コーティング層50が形成されるようになっている。こ
のコーティング層50については、前記表側枠体部43
a及び裏側枠体部43bの各基材47のシート材10b
に対向配置する内側面上の少なくともシート材10bと
の接触部分に設けるように構成しても良い。
ば、形成したコーティング層50によって、図8に示す
ように低価格のポリプロピレンやポリエチレンからなる
基材47を気密に被覆することができるため、前記実施
形態例と同様の効果が得られる。
プロピレンやポリエチレン等のプラスチックで形成され
た基材47の内外周の面上に脂肪族ポリケトンでコーテ
ィングすることにより、枠体43として形成した場合に
ついて説明したが、これに限定されることはなく、例え
ば低価格であるポリプロピレンやポリエチレン等のプラ
スチックで形成される基材と脂肪族ポリケトンとを積層
するようにして枠体を形成しても良い。この場合、脂肪
族ポリケトン層がシート材に対向するように配置させ、
また、最適な防虫効果が得られるように上記脂肪族ポリ
ケトンの肉厚を変化させて形成するようにしても良い。
は、洋服ダンス用防虫剤3として構成する枠体43と薬
剤容器40のうち、枠体43のみが脂肪族ポリケトンを
用いて形成されたことについて説明したが、この場合薬
剤容器40についても同様に脂肪族ポリケトンを用いて
形成することも可能である。このような実施形態例を図
9乃至図11に示す。
5実施形態例を示し、図9は図5に示す薬剤容器自体を
脂肪族ポリケトンを用いて構成した場合の容器の断面
図、図10はこの容器のC−C線断面図である。
形態例において薬剤容器40が一般に使用されるポリプ
ロピレンやポリエチレン等のプラスチックで形成されて
いたのに対し、この薬剤容器40自体を脂肪族ポリケト
ンを用いて構成したことが異なる点である。
薬剤容器40を構成する表側筐体41と裏側筐体42と
は、それ自体が前記脂肪族ポリケトンを用いて形成され
ており、すなわち薬剤容器40自体、この脂肪族ポリケ
トンで形成されたものとなる。したがって、前記裏側筐
体42の拡大断面を示すと、図10に示すC−C線断面
図にように脂肪族ポリケトンのみで構成されたものとな
る。また、前記表側筐体41についても同様にそれ自体
が脂肪族ポリケトンのみで構成されるようになってい
る。
第3実施形態例、あるいは前記第4実施形態例にて使用
した枠体43を、脂肪族ポリケトンで形成された薬剤容
器40に収納することにより、さらに、シート材10b
の有効成分であるエムペントリンの非吸着作用を確実な
ものにでき、結果としてより高い防虫効果を得ることは
勿論である。
同様にコスト面、製造面を考慮し、薬剤容器40自体を
脂肪族ポリケトンのみで形成するのではなく、この薬剤
容器40を通常のポリプロピレンやポリエチレンで形成
し、さらにこの容器40を構成する表側筐体41及び裏
側筐体42の内外周面の少なくとも内面上に対して、上
記脂肪族ポリケトンのコーティング処理を施して薬剤容
器40を形成することで、防虫効果を得られる他に低コ
スト化を図ることも可能である。このような実施形態例
を図11に示す。
態例を示し、図9に示す薬剤容器の内外周面に脂肪族ポ
リケトンでコーティングした場合の薬剤容器のC−C線
断面図である。
ように薬剤容器40自体を脂肪族ポリケトンのみで形成
するのではなく、薬剤容器40を構成する表側筐体41
及び裏側筐体42の内外周面の両面に対し前記脂肪族ポ
リケトンをコーティングすることにより、薬剤容器40
を構成したことが前記第5実施形態例とは異なる点であ
る。
器40の例えば裏側筐体42は、一般に使用されるポリ
プロピレンやポリエチレン等のプラスチックで形成され
た基材48を備え、この基材48の内外周面の両面に対
し脂肪族ポリケトンでコーティングすることにより形成
したコーティング層60を有している。また、表側筐体
41についても、同様にポリプロピレンやポリエチレン
等のプラスチックで形成された基材48の内外周面の両
面上に脂肪族ポリケトンでコーティングすることにより
コーティング層60が形成されるようになっている。こ
のコーティング層60については、前記表側筐体41及
び裏側筐体42の各基材48のシート材10bに対向配
置する内側面上の少なくともシート材10bとの接触部
分に設けるように構成しても良い。
ば、形成したコーティング層60によって、図11に示
すように低価格のポリプロピレンやポリエチレンからな
る基材48を気密に被覆することができるため、前記実
施形態例と同様に高い防虫効果が得られる。
においては、それ自体が脂肪族ポリケトンで形成されま
たは基材の内外周面の少なくともシート材との接触部分
が脂肪族ポリケトンでコーティングされた枠体と、枠体
以外の容器をポリプロピレンやポリエチレン等のプラス
チックで形成され、またはそれ自体が脂肪族ポリケトン
で形成されまたは基材の内外周面が脂肪族ポリケトンで
コーティングされた薬剤容器との組み合わせは、自由に
構成することが可能であり、防虫効果やコスト面に応じ
て最適な防虫効果が得られるよう組み合わせれば良い。
形態例においては、一般のポリプロピレンやポリエチレ
ン等のプラスチックで形成された基材の内外周面の少な
くともシート材との接触部分を脂肪族ポリケトンでコー
ティングすることにより、薬剤容器や枠体として形成し
た場合について説明したが、これに限定されることはな
く、例えば低価格であるポリプロピレンやポリエチレン
等のプラスチックで形成される基材と脂肪族ポリケトン
とを積層するようにして形成しても良い。この場合、脂
肪族ポリケトン層がシート材に対向するように配置さ
せ、また、最適な防虫効果が得られるように上記脂肪族
ポリケトンの肉厚を変化させて形成するようにすれば効
果的である。
第1乃至第6実施形態例では、洋服ダンス用防虫剤とし
て構成した場合について説明したが、本発明では、上記
同様の実施形態を、タンスや衣装箱等に納める引き出し
用防虫剤についても適用することも可能であり、この場
合も前記洋服ダンス用防虫剤と同様な防虫効果を得るこ
とができる。
に容器自体が脂肪族ポリケトンのみで構成した場合の引
き出し用防虫剤と、前記第3実施形態例と同様に薬剤容
器が非晶性環状オレフィンポリマーで構成した枠体とこ
の枠体を収納する収納体とからなるように構成した場合
の引き出し用防虫剤とを用いて、それぞれ実験した場合
の実験結果を下記に示す。
構成した場合の引き出し用防虫剤の実験では、例えば、
2×5cm、厚さ0.5mmのパルプ紙にエムペントリ
ン100mgを均一に含浸させ、この薬剤含浸体(シー
ト材)を引き出しに用いられる防虫剤として、シェルケ
ミカルズ社製脂肪族ポリケトン(商品名カリロン、グレ
ードDP P1000)を用いて成形した3.0×6.
5cm、厚み0.7cm、重量4.784g、開口面積
8cm2 のケース(薬剤容器)に収納し、塩化ビニリデ
ンコートしたバリア性袋に入れ、40℃恒温槽内に1か
月間放置後のエムペントリンのプラスチックへの吸着量
を測定した(実験例3)。
めの比較例5として、実験例3と同様に、薬剤含浸体を
ポリプロピレンを用いて成形した3.0×6.5cm、
厚み0.7cm、重量3.165g、開口面積8cm2
のケースに収納し、塩化ビニリデンコートしたバリア性
袋に入れ、40℃恒温度槽内に1か月間放置後のエムペ
ントリンのプラスチックへの吸着量を測定した。
に、薬剤含浸体をポリエチレンを用いて成形した3.0
×6.5cm、厚み0.7cm、重量3.228g、開
口面積8cm2 のケースに収納し、塩化ビニリデンコー
トしたバリア性袋に入れ、40℃恒温槽内に1か月間放
置後のエムペントリンのプラスチックへの吸着量を測定
し、次の表4に示す結果を得ることができた。
に、一般的に用いられるポリプロピレンやポリエチレン
の場合、エムペントリンの吸着が認められたが、これに
対し、本実施形態例に用いられた脂肪族ポリケトンはエ
ムペントリンの吸着が全く認められなかった。
についても、前記第1実施形態例と同様にシート材の有
効成分、つまりエムペントリンを全く吸着しない脂肪族
ポリケトンを用いて引き出し用防虫剤の薬剤容器を構成
しているので、袋体に収容した状態で長期保存した場合
や使用時においても、有効成分の吸着による減少を防止
することが可能となり、高い防虫効果を得ることが可能
となる。これにより、引き出し用防虫剤を構成した場合
でも前記第1実施形態例と同様の効果が得られる。
脂肪族ポリケトンで構成した場合の引き出し用防虫剤の
実験では、例えば、シェルケミカルズ社製脂肪族ポリケ
トン(商品名カリロン、グレードDP P1000)を
用いて成形した2.3×5.5cm、厚み1.0mm、
重量2.942g、開口面積7.5cm2 の表裏分割し
た構造の枠体の内部に2×5cm、厚さ0.5mmのパ
ルプ紙にエムペントリン100mgを均一に含浸させた
薬剤含浸体(シート材)を収納し、これを引き出しに用
いられる防虫剤としてポリプロピレンで形成した3.0
×6.5cm、厚み0.7cm、重量3.165g、開
口面積8cm2 の収納体(薬剤容器)に収納し、塩化ビ
ニリデンコートしたバリア袋に入れ、40℃恒温槽内に
1か月放置後の前記枠体のエムペントリン吸着量を測定
した(実験例4)。
の比較例7として、実験例4と同様に、薬剤含浸体(シ
ート材)をポリプロピレンを用いて成形した2.3×
5.5cm、厚み1.0mm、重量1.863g、開口
面積7.5cm2 の表裏分割した構造の枠体の内部に2
×5cm、厚さ0.5mmのパルプ紙にエムペントリン
100mgを均一に含浸させた薬剤含浸体(シート材)
を収納し、これを引き出しに用いられる防虫剤としてポ
リプロピレンで形成した3.0×6.5cm、厚み0.
7cm、重量3.165g、開口面積8cm2 の収納体
に収納し、塩化ビニリデンコートしたバリア袋に入れ、
40℃恒温槽内に1か月放置後の前記枠体のエムペント
リン吸着量を測定した。
に、薬剤含浸体(シート材)をポリエチレンを用いて成
形した2.3×5.5cm、厚み1.0mm、重量1.
900g、開口面積7.5cm2 の表裏分割した構造の
枠体の内部に2×5cm、厚さ0.5mmのパルプ紙に
エムペントリン100mgを均一に含浸させた薬剤含浸
体(シート材)を収納し、これを引き出しに用いられる
防虫剤としてポリプロピレンで形成した3.0×6.5
cm、厚み0.7cm、重量3.165g、開口面積8
cm2 の収納体に収納し、塩化ビニリデンコートしたバ
リア袋に入れ、40℃恒温槽内に1か月放置後の前記枠
体のエムペントリン吸着量を測定し、次の表5に示す結
果を得ることができた。次の結果を得た。
に、一般的に用いられるポリプロピレンやポリエチレン
の場合、エムペントリンの吸着が認められたが、これに
対し、本実施形態例に用いられた脂肪族ポリケトンはエ
ムペントリンの吸着が全く認められなかった。
についても、前記第3実施形態例と同様にエムペントリ
ンを全く吸着しない脂肪族ポリケトンを用いて枠体を構
成するとともに、シート材と薬剤容器との接触を完全遮
断しているので、袋体に収容した状態で長期保存した場
合や使用時において、前記第3実施形態例と同様に有効
成分の吸着による減少を防止することが可能となり、高
い防虫効果を得ることが可能となる。
長期保存、流通、使用時であっても防虫剤の有効成分が
ケースに吸収されず、成分の有効利用と高い防虫効果を
維持することができる。また、一般に使用される低コス
トなプラスチックと脂肪族ポリケトンとを併用して製造
することができるため、防虫剤の低コスト化にも寄与す
ることができる。
洋服ダンス用防虫剤の全体構成を示す構成斜視図。
脂肪族ポリケトンでコーティングされた場合の図2の薬
剤容器のA−A線断面図。
枠体を用いて構成される洋服ダンス用防虫剤の全体構成
を示す構成斜視図。
脂肪族ポリケトンでコーティングされた場合の図6の枠
体のA−A線断面図。
一般のプラスチックで形成した場合の図5の薬剤筐体の
断面図。
し、脂肪族ポリケトンでコーティングされた場合の図9
の枠体のC−C線断面図。
層)、 26,47,48…基材。
Claims (4)
- 【請求項1】 常温揮散性ピレスロイドを含浸した薬剤
含浸体を、脂肪族ポリケトンを用いたケースに収納した
ことを特徴とする防虫剤。 - 【請求項2】 前記ケースは、それ自体が少なくとも前
記脂肪族ポリケトンを有する材料で構成され、または他
のプラスチックからなる基材に脂肪族ポリケトンでコー
ティングすることにより少なくとも前記薬剤含浸体との
接触部分を構成されたことを特徴とする請求項1に記載
の防虫剤。 - 【請求項3】 前記ケースは、前記薬剤含浸体を収納し
て保持する枠体と、この枠体を収納する収納体とで構成
され、該枠体が少なくとも脂肪族ポリケトンを有する材
料で構成され、または他のプラスチックからなる基材に
脂肪族ポリケトンでコーティングすることにより少なく
とも前記薬剤含浸体との接触部分を構成されたことを特
徴とする請求項1に記載の防虫剤。 - 【請求項4】 前記収納体は、少なくともそれ自体が前
記脂肪族ポリケトンを有する材料で構成され、または他
のプラスチックからなる基材の内外周面を脂肪族ポリケ
トンでコーティングすることにより構成されたことを特
徴とする請求項3に記載の防虫剤。
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---|---|---|---|
JP36075597A JP3872195B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 防虫剤 |
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---|---|---|---|
JP36075597A JP3872195B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 防虫剤 |
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JPH11187798A true JPH11187798A (ja) | 1999-07-13 |
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JP36075597A Expired - Fee Related JP3872195B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 防虫剤 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003238321A (ja) * | 2002-02-08 | 2003-08-27 | Dainippon Jochugiku Co Ltd | 防虫、抗菌エアゾール剤 |
JP2004254598A (ja) * | 2003-02-26 | 2004-09-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | 防虫材 |
JP2014014345A (ja) * | 2012-06-16 | 2014-01-30 | Dainippon Jochugiku Co Ltd | 薬剤揮散具 |
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-
1997
- 1997-12-26 JP JP36075597A patent/JP3872195B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003238321A (ja) * | 2002-02-08 | 2003-08-27 | Dainippon Jochugiku Co Ltd | 防虫、抗菌エアゾール剤 |
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