JPH11187794A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

魚釣用スピニングリール

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JPH11187794A
JPH11187794A JP36671097A JP36671097A JPH11187794A JP H11187794 A JPH11187794 A JP H11187794A JP 36671097 A JP36671097 A JP 36671097A JP 36671097 A JP36671097 A JP 36671097A JP H11187794 A JPH11187794 A JP H11187794A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ロータの逆転遊度の少ない制動装置を備えつ
つ、ロータ高速逆回転時においても確実にロータの逆転
に制動をかけることができる魚釣用スピニングリールの
提供を目的としている。 【解決手段】本発明は、一方向クラッチ20を介してロ
ータ8の回転軸に制動体31を連結し、ロータの逆回転
時にのみ制動体とロータとが一体的に回転するように構
成するとともに、リール本体に設けられた操作レバー5
の操作によって制動体の回転に制動力を付与してロータ
の回転を制御する制動装置を備えた魚釣用スピニングリ
ールにおいて、制動装置が、制動体に作用する制動力を
一方向クラッチを介してロータに伝達する第1の状態
と、制動体とロータとを結合して制動体に作用する制動
力を一方向クラッチを介すことなく直接にロータに伝達
する第2の状態とを有し、ロータの回転力が所定の大き
さを超えると、第1の状態から第2の状態に切り換わる
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚釣用スピニングリ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一方向クラッチを介してロータの
回転軸に制動体を連結し、ロータの逆回転時にのみ制動
体とロータとが一体的に回転するように構成するととも
に、リール本体の脚部に設けられた操作レバーの牽引操
作によって制動体の回転に制動力を付与して、魚種、魚
のファイト状況等、魚釣り状況に応じてロータの回転を
制御する制動装置を備えたスピニングリールが、実公平
1−20858号公報および実公平8−3270号公報
等において開示されている。
【0003】実公平1−20858号公報に開示された
スピニングリールは、ロータと一体回転する制動体の上
面の一側に設けた係止爪をロータの内周の凹凸部(ラチ
ェット歯)に係合させて、ロータ逆転時のみ回動する制
動体を操作レバーで制動する構成となっている。
【0004】また、実公平8−3270号公報に開示さ
れたスピニングリールは、ロータ回転軸筒と制動体との
間に転がり式一方向クラッチを設け、ロータ逆回転時の
み回転する制動体を操作レバーで制動する構成となって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実公平1−2
0858号公報に開示されたスピニングリールの場合、
制動体自体の回転がアンバランスで、制動ムラが生じ易
く、スムーズな釣糸の繰り出しが得られないとともに、
ラチェット歯の角度分のガタツキの影響により、ロータ
逆転時に瞬時に制動体を同方向に回転させることができ
ず、魚に対して確実なアワセができないといった問題が
ある。
【0006】また、実公平8−3270号公報に開示さ
れたスピニングリールの場合、大物の魚が掛かってロー
タが高速で逆回転すると、転がり式一方向クラッチの転
がり部材が滑ってクラッチの楔作用が働かなくなり、安
定してロータの逆転を制動できない。また、海水、砂、
ゴミ、異物等が転がり式一方向クラッチ部内に侵入して
付着し、正常に楔作用が働かなくなる場合がある。すな
わち、耐久性、寿命等の点で大きな課題を残している。
【0007】本発明は前記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、ロータの逆転遊度の
少ない制動装置を備えつつ、ロータ高速逆回転時におい
ても確実にロータの逆転に制動をかけることができる魚
釣用スピニングリールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、一方向クラッチを介してロータの回転軸
に制動体を連結し、ロータの逆回転時にのみ制動体とロ
ータとが一体的に回転するように構成するとともに、リ
ール本体に設けられた操作レバーの操作によって制動体
の回転に制動力を付与してロータの回転を制御する制動
装置を備えた魚釣用スピニングリールにおいて、前記制
動装置が、制動体に作用する制動力を一方向クラッチを
介してロータに伝達する第1の状態と、制動体とロータ
とを結合して制動体に作用する制動力を一方向クラッチ
を介すことなく直接にロータに伝達する第2の状態とを
有し、ロータの回転力が所定の大きさを超えると、第1
の状態から第2の状態に切り換わることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
一実施形態について説明する。
【0010】図1に示すように、本実施形態の魚釣用ス
ピニングリール1は、リール本体1aと、リール本体1
aから延出する脚部1bと、脚部1bの端部に形成され
且つ図示しない釣竿に取り付けられる竿取付部1cとを
有している。リール本体1a内にはハンドル軸2が回転
可能に支持されており、リール本体1aから突出するハ
ンドル軸2の端部には図示しないハンドルが固定されて
いる。
【0011】ハンドル軸2にはドライブギア3が取り付
けられており、このドライブギア3には、ハンドル軸2
に対して直交する方向に延在し且つ軸受け11を介して
回転可能に支持されたピニオンギア13が噛合してい
る。このピニオンギア13の先端部には、ベール6およ
び釣糸案内装置15を備えたロータ8が一体的に取り付
けられている。
【0012】また、ピニオンギア13の内部には、ハン
ドル軸2と直交する方向に摺動可能に支持されたスプー
ル軸9が挿通されており、スプール軸9の先端部には釣
糸が巻回されるスプール10が着脱可能に取付けられて
いる。また、ドライブギア3には、オシレーティング機
構19が係合している。このオシレーティング機構19
は、ハンドル軸2がハンドルの回転操作によって回転さ
れた時、スプール軸9を軸方向に沿って往復駆動する。
【0013】このような構成では、ハンドルを回転操作
してハンドル軸2を回転させると、オシレーティング機
構19を介してスプール軸9に取り付けられたスプール
10が前後に往復動するとともに、ドライブギア3およ
びピニオンギア13を介してロータ8が回転駆動する。
したがって、スプール10には、釣糸案内装置15を介
して、釣糸が均等に巻回される。
【0014】また、リール本体1aには、ロータ8の逆
回転に制動力を付与する制動機構と、ロータ8の逆回転
を防止する逆転防止機構とが設けられている。これらの
機構は、支軸7を介して脚部1bに回動可能に取り付け
られた操作レバー5によって操作される。操作レバー5
の一端部には指が引掛けられる操作部5aが形成されて
いる。また、リール本体1a内に位置する操作レバー5
の他端部には、ビス12を介して押圧プレート14が取
り付けられている。押圧プレート14の端部には、後述
する制動機構のブレーキシュー17を押圧する押圧部1
4aが形成されている。
【0015】なお、後述するが、操作レバ−5が図1に
示す初期位置からA方向に押し上げ操作されると、押圧
部14aによってブレーキシュー17が押圧されて制動
機構が働くとともに、操作レバー5が初期位置からB方
向に押し下げ操作されると、逆転防止機構が働くように
なっている。また、押圧プレート14とリール本体1a
のブラケット18との間には、操作レバー5を初期位置
に常時保持する引張りバネ16が設けられている。した
がって、操作レバー5を支軸7を中心にA方向(時計回
り)に押し上げ操作した後、その操作力を解除すると、
バネ16の付勢力によって操作レバー5が初期位置に復
帰される。
【0016】図2に拡大して示すように、ロータ8の逆
回転に制動力を付与する制動機構は、一方向クラッチ2
0を介してピニオンギヤ13に取り付けられたブレーキ
ロータ(制動体)31と、このブレーキロータ31の表
面にビスを介して取り付け固定されたリング状の制動板
(ブレーキディスク)33と、この制動板33を跨ぐよ
うに配され且つリール本体1aのフレーム1fに支持さ
れた圧接片35と、フレーム1fに移動可能に保持され
且つ制動板33と圧接可能な方向に摺動する例えば木製
のブレーキシュー17とを備えている。
【0017】一方向クラッチ20は、ピニオンギア13
に対して回り止め嵌合された内輪21と、内輪21の外
側に配された保持器27と、保持器27の外側に配され
た外輪25とを有している。保持器27は複数の転動部
材27aを保持しており、各転動部材27aは保持器2
7に設けられたバネ部材によって楔領域方向に付勢され
ている。また、外輪25の内周面には、各転動部材27
aがフリーに回転できるフリー回転領域と、各転動部材
27aの回転を阻止する楔領域とが形成されている。こ
のような構成の一方向クラッチ20は、ピニオンギア1
3とともに内輪21が正回転する(ロータ8が糸巻き取
り方向に回転する)と、保持器27の転動部材27aが
外輪25のフリー回転領域に位置され、内輪の21の回
転力が外輪25に伝達されない。しかし、ピニオンギア
13とともに内輪21が逆回転する(ロータ8が糸繰り
出し方向に回転する)と、保持器27の転動部材27a
が外輪25の楔領域に位置され、内輪21の回転力が外
輪25に伝達される。
【0018】外輪25の外周には保持体29が圧入嵌合
されている。また、保持体29の外周にはブレーキロー
タ31が回転不能に嵌合されている。具体的には、保持
体29の外周面には、保持体29の周方向に沿って互い
に所定の間隔で配置された複数の径方向突出部29a…
が形成されており、突出部29a,29a間には、ブレ
ーキロータ31からスプール軸9の軸方向に沿って延出
する複数の延出部31aのそれぞれが嵌合している。す
なわち、ブレーキロータ31は、突出部29aと延出部
31aとの噛み合いによって保持体29に対して回転不
能に嵌合されるとともに、保持体29に対して軸方向に
のみ移動できるようになっている。
【0019】なお、ブレーキロータ31は、操作レバー
5からブレーキシュー17を介して作用する押圧力が解
除されると、図示しないバネの付勢力により保持体29
に沿って軸方向に移動され、図1に示される初期位置に
戻されるようになっている。
【0020】一方向クラッチ20を介したピニオンギア
13とブレーキロータ31との以上のような連結構造に
よれば、ブレーキロータ31と保持体29は、ピニオン
ギア13が逆回転した時にのみ、一方向クラッチ20を
介してピニオンギア13(したがってロータ8)と直結
され、ロータ8と一体に回転する。
【0021】ブレーキロータ31の裏面の周縁部には、
周方向に互いに所定の間隔で配置された複数(例えば8
個)の係合突部40が突出形成されている。各係合突部
40には、ロータ8が逆回転した時に後述する係合爪4
3aを係合突部40間の隙間に案内するテーパ面40a
と、係合突部40間の隙間に位置した係合爪43aと当
接するストッパ面40bとが形成されている。
【0022】一方、ロータ8には、回動部材43がピン
42を介してブレーキロータ31側に向けて回動自在に
支持されている。回動部材43の一端には、係合突部4
0間の隙間に係合可能な係合爪43aが屈曲形成されて
いる。また、ロータ8には、ブレーキロータ31側に向
けて、回動部材43の各方向への回動を規制する2つの
ボスが突出形成されている。また、回動部材43にはU
字状に切り込まれた溝43bが形成されており、この溝
43bには、保持体29に抱き付くように巻回保持され
たリーフスプリング45の端部が固定されている。
【0023】ロータ8の逆転を防止する逆転防止機構
は、操作レバー5の他端部もしくは押圧プレート14に
突出形成された作動体50と、支軸52に回動可能に支
持され且つ作動体50によって回動される制御カム54
と、リール本体1aのフレーム1fに移動可能に保持さ
れ且つ制御カム54の回動によって制動板33に向けて
移動される係止爪56と、制動板33の内周面に形成さ
れ且つ係止爪56と噛み合う複数の係止溝33aとから
成る。制御カム54は、作動体50と当接する第1およ
び第2の当接部54a,54bと、係止爪56と当接す
る第3の当接部54cとを有している。第1の当接部5
4aと第2の当接部54bとの間には作動体50が位置
され、また、第3の当接部54cは係止爪56の端部か
ら側方に突出する突出部56aと当接している。制御カ
ム54は、制御カム54とブラケット18との間に設け
られた振り分けバネ58によって回動方向に常時付勢さ
れている。また、係止爪56は、支軸52に巻回保持さ
れたバネ57によって、制動板33の係止溝33aと噛
み合う方向に常時付勢されている。
【0024】前記構成では、操作レバー5が図1に示さ
れる初期位置に位置している場合、振り分けバネ58の
付勢力(制御カム54に対しこれを図中反時計回りに回
動させる方向に作用する)によって制御カム54の第1
の当接部54aが作動体50に当接されるとともに、係
止爪56の突出部56aと当接する第3の当接部54c
がバネ57の付勢力に抗して係止爪56を制動板33か
ら離間させた状態に保持する。また、操作レバー5が初
期位置からB方向に押し下げ操作される(図4参照)
と、作動体50が振り分けバネ58の付勢力に抗して制
御カム54を図中時計回りに回動させる。この時、振り
分けバネ58は、制御カム54の回動に伴って揺動する
が、そのデットポイントを超えた時点で制御カム54に
対しこれを時計回りに回動させる方向で付勢力を付与す
るようになる。したがって、その後、制御カム54は、
作動体50によらず、振り分けバネ58の付勢力によっ
て時計回りに回動することとなる。これにより、第1の
当接部54aが作動体50から離間するとともに、第3
の当接部54cに当接する係止爪56が制動板33に向
けて移動される。そして、制動板33の係止溝33aに
係止爪56が噛み合い、第2の当接部54bが作動体5
0と当接した時点で、制御カム54の回動が停止され
る。すなわち、係止溝33aと係止爪56との噛み合い
状態が保持され、また、操作レバー5がB方向に押し下
げられたロータ逆転防止位置に保持される。
【0025】次に、前記構成のスピニングリール1の動
作について説明する。
【0026】まず、操作レバー5が図1に示す初期位置
に保持された状態で、ハンドルを介してピニオンギア1
3を正回転させると、ピニオンギア13に取り付けられ
たロータ8も一体で正回転する(糸巻き取り方向に回転
する)。しかしながら、この時、ブレーキロータ31
は、一方向クラッチ20の前記連結作用により回転しな
い。また、ロータ8に支持されこれとともに正回転する
回動部材43は、リーフスプリング45の作用によって
逆回転方向に力を受け、ピン42を中心に回動してその
一端部がロータ8の前記ボスに当て付いて、係合爪43
aがブレーキロータ31の係合突部40から離間するよ
うに内側に退避される。したがって、回動部材43は、
ブレーキロータ31に何等規制されることなく、ロータ
8とともに自由に正回転する。よって、この状態で、操
作レバー5をA方向に押し上げ操作して、ブレーキシュ
ー17と圧接片35との間で制動板33を挟圧しても
(この場合、ブレーキロータ31はブレーキシュー17
による押圧力によって図3に示すように保持体29に沿
って軸方向に移動する)、ロータ8には制動力が全く作
用しない。
【0027】また、操作レバー5が初期位置に保持され
た状態で、ピニオンギア13が逆回転されると、ピニオ
ンギア13に取り付けられたロータ8も一体で逆回転す
る(糸繰り出し方向に回転する)。この時、ブレーキロ
ータ31も一方向クラッチ20の前記連結作用によりロ
ータ8とともに逆回転する。したがって、この状態で、
操作レバー5をA方向に押し上げ操作することにより、
ブレーキシュー17と圧接片35との間で制動板33を
挟圧し、ブレーキロータ31の回転に制動をかける(図
3参照)と、ブレーキロータ31と直結状態で一体に回
転するロータ8にも一方向クラッチ20を介して操作レ
バー5の回動量に応じた制動力がタイムラグを生じるこ
となく作用する。この場合、一方向クラッチ20の外輪
25の楔領域には、ブレーキロータ31に付与される制
動力とロータ8の回転力とが互いに反対方向に作用する
が、これらの力が一方向クラッチ20の許容荷重範囲内
であれば、ロータ8とブレーキロータ31は互いに対し
て回転しない。つまり、制動時でもロータ8とブレーキ
ロータ31とが一体に回転する。したがって、ロータ8
と一体に回転する回動部材43の係合爪43aはブレー
キロータ31と噛み合わず、ロータ8の回転力(例えば
魚が引く力)は全て一方向クラッチ20により受けられ
る。しかし、外輪25の楔領域に作用する力(ロータ8
の回転力およびブレーキロータ31に作用する制動力)
が一方向クラッチ20の許容荷重を超えると、一方向ク
ラッチ20が滑り、ブレーキロータ31に対してロータ
8が回転し始める。これにより、ロータ8と一体で逆回
転している回動部材43は、リーフスプリング45の作
用によって正回転方向に力を受け、ピン42を中心に回
動してその一端部がロータ8の前記ボスに当て付いて、
係合爪43aがブレーキロータ31の係合突部40間に
突出するようになる。その結果、ロータ8とブレーキロ
ータ31とが噛み合い、これらが一体となって逆回転す
る。したがって、その後、ブレーキロータ31に作用す
る制動力は、一方向クラッチ20を介することなく、直
接にロータ8に作用し、ロータ8の回転力(例えば魚が
引く力)は全てブレーキロータ31により受けられる。
【0028】一方、図4に示すように、操作レバー5を
B方向に押し下げ操作すると、前述したように、作動体
50を介して制御カム54が図中時計回りに回動され
る。これにより、第3の当接部54cに当接する係止爪
56が制動板33に向けて移動され、制動板33の係止
溝33aに係止爪56が噛み合ってブレーキロータ31
の回転が阻止される。したがって、この状態で、ハンド
ルを介してピニオンギア13を逆回転させようとして
も、一方向クラッチ20を介してピニオンギア13に直
結されたブレーキロータ31の回転が阻止されているた
め、ピニオンギア13したがってロータ8は逆回転しな
い。無論、この状態でピニオンギア13を正回転させれ
ば、一方向クラッチ20を介したブレーキロータ31と
ピニオンギア13との直結状態が解除されるため、ロー
タ8は正回転することができる。
【0029】なお、操作レバー5を初期位置に戻すと、
作動体50および振り分けバネ58によって制御カム5
4が図中反時計回りに回動され、制御カム54の第3の
当接部54cと当接する係止爪56がバネ57の付勢力
に抗して初期位置に戻される(図1参照)。これによ
り、制動板33の係止溝33aと係止爪56との噛み合
いが外れ、ブレーキロータ31の回転が可能となる。
【0030】以上説明したように、本実施形態のスピニ
ングリール1では、ロータ8の逆回転に制動をかける場
合、魚の引き等に伴うロータ8の回転力が一方向クラッ
チ20の許容荷重範囲内であれば、ブレーキロータ31
に付与される制動力が楔作用による逆転遊度の小さい転
がり式一方向クラッチ20を介してロータ8に作用し、
ロータ8の回転力が一方向クラッチ20の許容荷重を超
えると、ブレーキロータ31に付与される制動力が一方
向クラッチ20を介することなく直接にロータ8に作用
するようになっている。すなわち、本実施形態では、許
容荷重は大きいが制動力の伝達に若干の遅れが生じるブ
レーキロータ31とロータ8との噛み合い伝達機構(回
動部材43の係合爪43aとブレーキロータ31の係合
突部40との噛み合いによる力伝達機構)と、許容荷重
は小さいが制動力の伝達をリニアに行なうことができる
一方向クラッチ20による力伝達機構とを有機的に結合
させ、一方の機構の欠点とするところを他方の機構で補
うといった制動力伝達構成を採用している。
【0031】したがって、ロータ8の回転力が小さい場
合には、この力が一方向クラッチ20によって受けられ
るとともに制動力が一方向クラッチ20を介してロータ
8にリニアに伝達され、また、大物の魚が掛かる等して
ロータ8が高速で逆転し、一方向クラッチ20の転動部
材27aが滑った場合には、ブレーキロータ31とロー
タ8とが噛み合い、確実にロータ8の逆回転にブレーキ
ロータ31が追従して一体回転される(したがって、ブ
レーキロータ31に付与される制動力がロータ8に直接
に作用する)とともに、一方向クラッチに20にかかっ
ていたロータ回転力がブレーキロータ31によってその
まま受けられて、一方向クラッチ20の破損が防止され
る。これにより、咄嗟のロータ高速逆回転時においても
安定したロータ逆転制動が可能となり、実釣時のトラブ
ルを防止できる。すなわち、十分な許容荷重を確保しつ
つ、制動力の伝達の応答性を良好にすることができる。
【0032】また、このような構成において、転がり式
一方向クラッチ20の転動部材27aの滑りは、係合爪
43aが係合突部40と噛み合うまでの最小量(係合爪
43aの逆転許容範囲内の最小)に抑えられるため、転
動部材27aおよび外輪25の損傷・摩耗を極力防止で
き、楔作用の性能維持および寿命向上を図ることができ
る。
【0033】また、本実施形態のスピニングリール1に
よれば、ロータ8に正回転のみならず逆回転をも許容す
る第1の状態(初期状態)と、ロータ8に制動力を調節
しつつ付与し得る第2の状態(図3参照)と、ロータ8
の逆回転を防止する第3の状態(図4参照)とを1つの
操作レバー5によって切換えることができる。したがっ
て、前記3 つの状態間での切換操作を容易且つ迅速に行
なうことができ、実釣時の状況変化に迅速に対応するこ
とができる。そのため、魚との微妙なやりとりを確実に
行なうことができ、掛かった魚をバラシたり、瞬時に釣
糸が切られるといった事態を回避することができる。ま
た、操作レバー5以外の操作手段を操作する必要がない
ため、操作性に優れ、また、操作レバー5以外に操作手
段を設ける必要がないため、リール全体をコンパクトに
構成でき、携帯性に優れている。また、これにより、外
観デザインの自由度も増し、良好な外観に設計し得る。
【0034】また、本実施形態のスピニングリール1に
よれば、操作レバー5の切換え操作によって前記第1の
状態と第3の状態とが保持される。したがって、操作力
の加減によって前記2の状態が切換わって、意図しない
ロータ動作が行なわれることを防止できる。
【0035】また、本実施形態の逆転防止機構では、係
止爪56と噛み合う複数の係止溝33aが制動板33の
外周面ではなく内周面に形成されている。したがって、
係止爪56等の駆動要素がリール本体1aの内側に配設
されることとなり、リール全体を径方向に大型化するこ
となくコンパクトにすることが可能となる。
【0036】また、本実施形態のスピニングリール1で
は、ブレーキロータ31が、突出部29aと延出部31
aとの噛み合いによって保持体29に対して回転不能に
嵌合されるとともに、 保持体29に対して軸方向にの
み移動できるようになっている。本実施形態のように、
ブレーキロータ31(制動板33)の周辺部にブレーキ
シュー17を介して制動力が作用する構成では、ブレー
キシュー17からの押圧力によってブレーキロータ31
がスプール軸9の軸方向に対して角度を持って移動され
ることとなり、その場合には、スプール軸9に偏荷重が
作用して、ロータの8の正回転動作が重くなる等の不具
合が生じる。しかし、保持体29に対してブレーキロー
タ31が軸方向にのみ移動できるように構成すれば、ブ
レーキシュー17からの押圧力を軸方向で逃がすことが
できるため、前述したような不具合を解消できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の魚釣用ス
ピニングリールによれば、ロータの逆転遊度の少ない制
動装置を備えつつ、ロータ高速逆回転時においても確実
にロータの逆転に制動をかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスピニングリー
ルの一部断面を付した側面図である。
【図2】ロータ逆転時における図1のA−A線に沿う断
面図である。
【図3】ロータ正転時における図1のA−A線に沿う断
面図である。
【図4】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図5】図1のC−C線に沿う断面図である。
【図6】図1のD−D線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1…スピニングリール 1a…リール本体 8…ロータ 20…一方向クラッチ 31…ブレーキロータ(制動体)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向クラッチを介してロータの回転軸
    に制動体を連結し、ロータの逆回転時にのみ制動体とロ
    ータとが一体的に回転するように構成するとともに、リ
    ール本体に設けられた操作レバーの操作によって制動体
    の回転に制動力を付与してロータの回転を制御する制動
    装置を備えた魚釣用スピニングリールにおいて、 前記制動装置は、制動体に作用する制動力を一方向クラ
    ッチを介してロータに伝達する第1の状態と、制動体と
    ロータとを結合して制動体に作用する制動力を一方向ク
    ラッチを介すことなく直接にロータに伝達する第2の状
    態とを有し、ロータの回転力が所定の大きさを超える
    と、第1の状態から第2の状態に切り換わることを特徴
    とする魚釣用スピニングリール。
  2. 【請求項2】 前記第1の状態の時は転がり式一方向ク
    ラッチが作用し、前記第2の状態の時は、ラチェット式
    一方向クラッチが作用する構成であることを特徴とする
    請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1317947C (zh) * 2002-03-15 2007-05-30 株式会社岛野 纺车式渔线轮的转子制动装置
KR100923134B1 (ko) * 2001-10-25 2009-10-23 가부시키가이샤 시마노 스피닝 릴

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