JPH1118760A - 1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵素を産生する細菌株及びその大量増殖方法 - Google Patents
1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵素を産生する細菌株及びその大量増殖方法Info
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- JPH1118760A JPH1118760A JP17571197A JP17571197A JPH1118760A JP H1118760 A JPH1118760 A JP H1118760A JP 17571197 A JP17571197 A JP 17571197A JP 17571197 A JP17571197 A JP 17571197A JP H1118760 A JPH1118760 A JP H1118760A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 1,5−アンヒドログルシトールに特異的に
作用する1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵素を
産生する新しい細菌株と、これら細菌株を効率よく、か
つ、安価に培養し、菌体内から1,5−アンヒドログル
シトール脱水素酵素を効率よく得ることのできる大量増
殖方法を提供する。 【解決手段】 1,5−アンヒドログルシトールに特異
的に作用する1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵
素を産生するラフネラ・アクアティリス(Rahnella aqu
atitlis )474(FERM P−16158)、エン
テロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)3
40(FERM P−16157)、セラチア・マルセ
ッセンス(Serratia marcescens )825(FERM
P−16159)、及び上記細菌株を、ペプトンを1〜
10重量%含有する培地で培養することを特徴とする上
記細菌株の大量増殖方法。
作用する1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵素を
産生する新しい細菌株と、これら細菌株を効率よく、か
つ、安価に培養し、菌体内から1,5−アンヒドログル
シトール脱水素酵素を効率よく得ることのできる大量増
殖方法を提供する。 【解決手段】 1,5−アンヒドログルシトールに特異
的に作用する1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵
素を産生するラフネラ・アクアティリス(Rahnella aqu
atitlis )474(FERM P−16158)、エン
テロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)3
40(FERM P−16157)、セラチア・マルセ
ッセンス(Serratia marcescens )825(FERM
P−16159)、及び上記細菌株を、ペプトンを1〜
10重量%含有する培地で培養することを特徴とする上
記細菌株の大量増殖方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,5−アンヒド
ログルシトール(以下1,5−AGと略記する)に特異
的に作用する1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵
素(以下1,5−AGDHと略記する)を産生する新規
な細菌株と、これら細菌株の大量増殖方法に関するもの
である。
ログルシトール(以下1,5−AGと略記する)に特異
的に作用する1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵
素(以下1,5−AGDHと略記する)を産生する新規
な細菌株と、これら細菌株の大量増殖方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】1,5−AGはヒト髄液及び血漿中に存
在する化合物であるが、ある種の疾患、特に糖尿病の際
には血漿中の1,5−AGレベルが低下することから、
糖尿病の診断マーカーとして有効であることが知られて
いる。従来、1,5−AGは、ガスクロマトグラフィー
による分離方法やピラノースオキシダーゼまたはL−ソ
ルボースオキシダーゼを利用した酵素法により測定され
ていた(特公平5−41238号公報)。その後、1,
5−AGに作用する1,5−AG酸化酵素(以下、1,
5−AGODと略記する)や補酵素をNAD+に限定し
た1,5−AGDHが見い出され、それぞれの酵素を利
用した酵素法による測定方法が開発された(特公平3−
24200号公報、特開平2−268679号公報)。
ピラノースオキシダーゼの生産菌としては、ポリポラス
・オブッサス(Polyporus obtusus )、バシジオマイセ
タウス・フンギ(Basidiomycetous fungi )等が挙げら
れる。L−ソルボースオキシダーゼの生産菌としては、
トラメテスサングイネア(Trametessanguinea )IFO
−4923が挙げられる。また、1,5−AGODの生
産菌としては、ピクノポラス・コクシネウム(Pycnopor
us coccineus)IFO−4923、同IFO−649
0、コリオラス・コンソルス(Coriolus consors)IF
O−9078、シュードモナス(Pseudomonas )sp.NK
−85001 (FERM P−8100)が挙げられている
(特公平3−24200号公報)。さらに、1,5−A
GDHの生産菌としては、オイペニシリウム・クルスタ
セウム(Eupenicillium crustaceum)IFO−893
8、ハンセヌラ・カリホニア(Hansenura carifonia )
HUT−7321、ピチア・シュードポリモルファ(Pi
chia pseudopolymorha)HUT−7330等の各種真菌
(特開平2−268679号公報)が挙げられる。ま
た、シュードモナス属に属する微生物を代表とする各種
1,5−AGOD生産菌を、1,5−AGを含有する培
地で培養することにより、1,5−AGOD活性の高い
酵素を取得していたが、これらの酵素は菌体の膜画分に
存在しており、抽出操作が容易でなかった(特公平7−
12306号公報)。さらに、従来の1,5−AGDH
生産菌からの1,5−AGDHの生産性は、0.6U/
g湿菌体程度と低かった(特開平2−268679号公
報)。
在する化合物であるが、ある種の疾患、特に糖尿病の際
には血漿中の1,5−AGレベルが低下することから、
糖尿病の診断マーカーとして有効であることが知られて
いる。従来、1,5−AGは、ガスクロマトグラフィー
による分離方法やピラノースオキシダーゼまたはL−ソ
ルボースオキシダーゼを利用した酵素法により測定され
ていた(特公平5−41238号公報)。その後、1,
5−AGに作用する1,5−AG酸化酵素(以下、1,
5−AGODと略記する)や補酵素をNAD+に限定し
た1,5−AGDHが見い出され、それぞれの酵素を利
用した酵素法による測定方法が開発された(特公平3−
24200号公報、特開平2−268679号公報)。
ピラノースオキシダーゼの生産菌としては、ポリポラス
・オブッサス(Polyporus obtusus )、バシジオマイセ
タウス・フンギ(Basidiomycetous fungi )等が挙げら
れる。L−ソルボースオキシダーゼの生産菌としては、
トラメテスサングイネア(Trametessanguinea )IFO
−4923が挙げられる。また、1,5−AGODの生
産菌としては、ピクノポラス・コクシネウム(Pycnopor
us coccineus)IFO−4923、同IFO−649
0、コリオラス・コンソルス(Coriolus consors)IF
O−9078、シュードモナス(Pseudomonas )sp.NK
−85001 (FERM P−8100)が挙げられている
(特公平3−24200号公報)。さらに、1,5−A
GDHの生産菌としては、オイペニシリウム・クルスタ
セウム(Eupenicillium crustaceum)IFO−893
8、ハンセヌラ・カリホニア(Hansenura carifonia )
HUT−7321、ピチア・シュードポリモルファ(Pi
chia pseudopolymorha)HUT−7330等の各種真菌
(特開平2−268679号公報)が挙げられる。ま
た、シュードモナス属に属する微生物を代表とする各種
1,5−AGOD生産菌を、1,5−AGを含有する培
地で培養することにより、1,5−AGOD活性の高い
酵素を取得していたが、これらの酵素は菌体の膜画分に
存在しており、抽出操作が容易でなかった(特公平7−
12306号公報)。さらに、従来の1,5−AGDH
生産菌からの1,5−AGDHの生産性は、0.6U/
g湿菌体程度と低かった(特開平2−268679号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のガスクロマトグラフィー法は、試料の前処理及
び分析機器の維持・管理に高度な技術が必要であったた
め、一般的に用いられる方法ではなかった。ピラノース
オキシダーゼまたはL−ソルボースオキシダーゼを利用
した酵素法では、1,5−AGのみならずグルコースを
酸化するという性質を有することから、測定の際、血漿
中に正常で1,5−AGの約40倍、糖尿病時で更に多
量に存在するグルコースを除去する必要があった。ま
た、1,5−AGOD及び1,5−AGDHを利用した
酵素法では、その基質特異性がそれ程厳密でなかった。
さらに、1,5−AGODの生産菌の培養には、炭素源
として高価な1,5−AGを使用していたため、製造コ
ストが高くなるという欠点があった。また、上記酵素は
菌体の膜画分に存在していたため、可溶化等による酵素
の抽出操作が必要であった。さらに、従来の1,5−A
GDH生産菌の培地では、培地中に窒素源であるペプト
ンや酵母エキスを1重量%未満しか含有していなかった
ため、1,5−AGDH活性を有する菌体を十分に得る
ことができなかった。本発明は、1,5−AGに特異的
に作用する1,5−AGDHを産生する新しい細菌株
と、これら細菌株を効率よく、かつ、安価に培養し、菌
体内から1,5−AGDHを効率よく得ることのできる
大量増殖方法を提供することを目的とするものである。
た従来のガスクロマトグラフィー法は、試料の前処理及
び分析機器の維持・管理に高度な技術が必要であったた
め、一般的に用いられる方法ではなかった。ピラノース
オキシダーゼまたはL−ソルボースオキシダーゼを利用
した酵素法では、1,5−AGのみならずグルコースを
酸化するという性質を有することから、測定の際、血漿
中に正常で1,5−AGの約40倍、糖尿病時で更に多
量に存在するグルコースを除去する必要があった。ま
た、1,5−AGOD及び1,5−AGDHを利用した
酵素法では、その基質特異性がそれ程厳密でなかった。
さらに、1,5−AGODの生産菌の培養には、炭素源
として高価な1,5−AGを使用していたため、製造コ
ストが高くなるという欠点があった。また、上記酵素は
菌体の膜画分に存在していたため、可溶化等による酵素
の抽出操作が必要であった。さらに、従来の1,5−A
GDH生産菌の培地では、培地中に窒素源であるペプト
ンや酵母エキスを1重量%未満しか含有していなかった
ため、1,5−AGDH活性を有する菌体を十分に得る
ことができなかった。本発明は、1,5−AGに特異的
に作用する1,5−AGDHを産生する新しい細菌株
と、これら細菌株を効率よく、かつ、安価に培養し、菌
体内から1,5−AGDHを効率よく得ることのできる
大量増殖方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこのような
課題を解決するために鋭意研究した結果、土壌より分離
したラフネラ属、エンテロバクター属、セラチア属に属
する微生物が、NAD + の存在下、1,5−AGを酸化
する酵素を産生すること、かつ、その酵素が血中に存在
するグルコース等の糖類と全く反応しない1,5−AG
DHであること、及び上記微生物を培養する場合、培地
に1,5−AGを含有させなくても、1,5−AGDH
を得ることができ、また、ペプトンを1〜10重量%含
有する培地で培養することで効率よく1,5−AGDH
を生産でき、さらに、酵素が菌体内から得られることを
見い出し、本発明に到達した。
課題を解決するために鋭意研究した結果、土壌より分離
したラフネラ属、エンテロバクター属、セラチア属に属
する微生物が、NAD + の存在下、1,5−AGを酸化
する酵素を産生すること、かつ、その酵素が血中に存在
するグルコース等の糖類と全く反応しない1,5−AG
DHであること、及び上記微生物を培養する場合、培地
に1,5−AGを含有させなくても、1,5−AGDH
を得ることができ、また、ペプトンを1〜10重量%含
有する培地で培養することで効率よく1,5−AGDH
を生産でき、さらに、酵素が菌体内から得られることを
見い出し、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、1,5−アンヒドロ
グルシトールに特異的に作用する1,5−アンヒドログ
ルシトール脱水素酵素を産生するラフネラ・アクアティ
リス(Rahnella aquatitlis )474(FERM P−
16158)、エンテロバクター・クロアカエ(Entero
bacter cloacae)340(FERM P−1615
7)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescen
s )825(FERM P−16159)、及び上記細
菌株を、ペプトンを1〜10重量%含有する培地で培養
することを特徴とする上記細菌株の大量増殖方法を要旨
とするものである。
グルシトールに特異的に作用する1,5−アンヒドログ
ルシトール脱水素酵素を産生するラフネラ・アクアティ
リス(Rahnella aquatitlis )474(FERM P−
16158)、エンテロバクター・クロアカエ(Entero
bacter cloacae)340(FERM P−1615
7)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescen
s )825(FERM P−16159)、及び上記細
菌株を、ペプトンを1〜10重量%含有する培地で培養
することを特徴とする上記細菌株の大量増殖方法を要旨
とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明に用いる微生物は上記1,5−AG
DHを産生し得るものであって、その種類には特に限定
はないが、例えば、ラフネラ属、エンテロバクター属、
セラチア属に属する微生物が挙げられる。これらの微生
物の中でも、好適な例として、ラフネラ・アクアティリ
ス474、エンテロバクター・クロアカエ340、セラ
チア・マルセッセンス825が挙げられる。以下に、ラ
フネラ・アクアティリス474、エンテロバクター・ク
ロアカエ340、セラチア・マルセッセンス825の菌
学的性質を以下に示す。
DHを産生し得るものであって、その種類には特に限定
はないが、例えば、ラフネラ属、エンテロバクター属、
セラチア属に属する微生物が挙げられる。これらの微生
物の中でも、好適な例として、ラフネラ・アクアティリ
ス474、エンテロバクター・クロアカエ340、セラ
チア・マルセッセンス825が挙げられる。以下に、ラ
フネラ・アクアティリス474、エンテロバクター・ク
ロアカエ340、セラチア・マルセッセンス825の菌
学的性質を以下に示す。
【0008】 試験項目 試験結果 菌 株 474 340 825 形態 桿菌 桿菌 桿菌 グラム染色性 − − − 胞子 − − − 運動性 + + + 酸素に対する態度 通性嫌気性 通性嫌気性 通性嫌気性 オキシダーゼ − − − カタラーゼ + + + OF F F F 乳糖からのガスの生成 + + − 集落の色調 NP NP NP (NP:特徴的集落色素を生成せず)
【0009】上記性状試験の結果から、いずれの菌株も
腸内細菌であることが示唆されたので、自動細菌検査装
置ATB Expression(ビオメリュー)による同定試験を行
った。なお、試験には腸内細菌同定キットID 32E(ビオ
メリュー)を用いた。
腸内細菌であることが示唆されたので、自動細菌検査装
置ATB Expression(ビオメリュー)による同定試験を行
った。なお、試験には腸内細菌同定キットID 32E(ビオ
メリュー)を用いた。
【0010】 試験項目 試験結果 菌 株 474 340 825 オルニチンデカルボキシラーゼ − + + アルギニンジヒドラーゼ − + − ウレアーゼ − − − 酸の生成 L−アラビトール − − − D−ガラクツロン酸 + + − 5−ケトグルコン酸カリウム + − + リパーゼ ? − + 酸の生成 ピルビン酸ナトリウム − − − β−グルコシダーゼ + + + 酸の生成 D−マンニトール + + + D−マルトール + + + インドールの生成 − − − N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ − − + β−ガラクトシダーゼ + + + 酸の生成 グルコース + + + シュークロース + + − L−アラビノース + + − D−アラビトール − − − α−グルコシダーゼ − − − α−ガラクトシダーゼ + + − 酸の生成 トレハロース + + + L−ラムノース + + − イノシトール − + + アドニトール − − + パラチノース − + − β−グルクロニダーゼ + − − 酸の生成 D−セロビオース + + − D−ソルビトール + + + α−マルトシダーゼ − ? − マロン酸塩の利用 + + − L−アスパラギン酸アリルアミダーゼ − − + (?:判定保留)
【0011】菌学的性質から、バージィのマニュアル・
オブ・システマティック・バクテリオロジー(Bargey's
mannual of Systematic Bacteriology )に基き検索し
た結果、474株、340株、825株は、それぞれラ
フネラ・アクアティリス、エンテロバクター・クロアカ
エ、セラチア・マルセッセンスに属する細菌と判明し、
それぞれラフネラ・アクアティリス474、エンテロバ
クター・クロアカエ340、セラチア・マルセッセンス
825と命名し、平成9年3月26日に通産省工業技術
院生命工学工業技術研究所に寄託した。その寄託番号は
それぞれ、FERM P−16158、FERM P−
16157、FERM P−16159である。
オブ・システマティック・バクテリオロジー(Bargey's
mannual of Systematic Bacteriology )に基き検索し
た結果、474株、340株、825株は、それぞれラ
フネラ・アクアティリス、エンテロバクター・クロアカ
エ、セラチア・マルセッセンスに属する細菌と判明し、
それぞれラフネラ・アクアティリス474、エンテロバ
クター・クロアカエ340、セラチア・マルセッセンス
825と命名し、平成9年3月26日に通産省工業技術
院生命工学工業技術研究所に寄託した。その寄託番号は
それぞれ、FERM P−16158、FERM P−
16157、FERM P−16159である。
【0012】本発明における微生物を培養する際に用い
られる栄養培地は、炭素源として、1,5−AG、グリ
セロール、コハク酸、グルコース、シュークロース、マ
ルトース、ラクトース等が使用できるので、高価な1,
5−AGは必ずしも使用しなくてもよい。窒素源はペプ
トンに限定されるのではなく、その他、硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム等の無機窒素、肉エキス、酵母エ
キス、カザミノ酸、コーンスチープリカー等の有機窒素
が使用できる。さらに、無機塩類としては、カリウム、
ナトリウム、亜鉛、鉄、マグネシウム、マンガン等の各
塩類、必要に応じて微量金属塩、ビタミン類等を使用し
てもよい。
られる栄養培地は、炭素源として、1,5−AG、グリ
セロール、コハク酸、グルコース、シュークロース、マ
ルトース、ラクトース等が使用できるので、高価な1,
5−AGは必ずしも使用しなくてもよい。窒素源はペプ
トンに限定されるのではなく、その他、硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム等の無機窒素、肉エキス、酵母エ
キス、カザミノ酸、コーンスチープリカー等の有機窒素
が使用できる。さらに、無機塩類としては、カリウム、
ナトリウム、亜鉛、鉄、マグネシウム、マンガン等の各
塩類、必要に応じて微量金属塩、ビタミン類等を使用し
てもよい。
【0013】本発明では、微生物を培養する培地にペプ
トンを1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、さら
に好ましくは4〜6重量%含有させることにより、上記
細菌株を効率よく、大量増殖することができる。培地中
のペプトンの量が1重量%未満では、細菌株が大量増殖
しないことがあり、また、10重量%を越えるとペプト
ンが十分に培地中に溶解しないことがある。
トンを1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、さら
に好ましくは4〜6重量%含有させることにより、上記
細菌株を効率よく、大量増殖することができる。培地中
のペプトンの量が1重量%未満では、細菌株が大量増殖
しないことがあり、また、10重量%を越えるとペプト
ンが十分に培地中に溶解しないことがある。
【0014】したがって、本発明の細菌株から1,5−
AGDHを得る際、培地中に1,5−AGを含有させ
ず、かつ、ペプトンを1〜10重量%含有させて培養す
ることにより、1,5−AGに特異的に作用する1,5
−AGDHを、安価で効率よく得ることができる。
AGDHを得る際、培地中に1,5−AGを含有させ
ず、かつ、ペプトンを1〜10重量%含有させて培養す
ることにより、1,5−AGに特異的に作用する1,5
−AGDHを、安価で効率よく得ることができる。
【0015】培養は通常、微好気的な条件下で行う。培
養温度は20〜40℃、好ましくは25〜37℃、最適
には30℃で行う。このような条件下で10〜80時
間、好ましくは20〜70時間培養することにより、菌
体内に1,5−AGDHが生成、蓄積される。本発明で
は、1,5−AGDHが菌体内に蓄積されるので、菌体
の膜画分から抽出するよりも、容易に、効率よく、1,
5−AGDHを抽出することができる。
養温度は20〜40℃、好ましくは25〜37℃、最適
には30℃で行う。このような条件下で10〜80時
間、好ましくは20〜70時間培養することにより、菌
体内に1,5−AGDHが生成、蓄積される。本発明で
は、1,5−AGDHが菌体内に蓄積されるので、菌体
の膜画分から抽出するよりも、容易に、効率よく、1,
5−AGDHを抽出することができる。
【0016】本発明の細菌株から1,5−AGDHを得
るためには、まず、例えば、上記のごとく微生物を培養
し、培養終了後、遠心分離や濾過等の操作で培養液から
菌体を回収する。次に、菌体から粗酵素液を抽出し、精
製すればよい。具体的には、酵素の抽出法は、自己消
化、超音波破砕、フレンチプレス、界面活性剤処理、リ
ゾチーム処理等いずれの方法を用いてもよく、こうした
処理後、遠心分離により細胞片を除去し、粗酵素液が得
られる。粗酵素液は、イオン交換クロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィー、疎水クロマトグラ
フィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等のクロマトグラ
フィーを組み合わせ、処理することにより、本発明の
1,5−AGDHを精製することができる。
るためには、まず、例えば、上記のごとく微生物を培養
し、培養終了後、遠心分離や濾過等の操作で培養液から
菌体を回収する。次に、菌体から粗酵素液を抽出し、精
製すればよい。具体的には、酵素の抽出法は、自己消
化、超音波破砕、フレンチプレス、界面活性剤処理、リ
ゾチーム処理等いずれの方法を用いてもよく、こうした
処理後、遠心分離により細胞片を除去し、粗酵素液が得
られる。粗酵素液は、イオン交換クロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィー、疎水クロマトグラ
フィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等のクロマトグラ
フィーを組み合わせ、処理することにより、本発明の
1,5−AGDHを精製することができる。
【0017】イオン交換樹脂としては、Q−セファロー
スFF(ファルマシア社製)、DEAE−セファロース
(ファルマシア社製)等が挙げられる。アフィニティー
クロマト用樹脂としては、ブルーセファロースCL−6
B、レッドセファロースCL−6B(ファルマシア社
製)等やプロシオンブルーH−ERD(ICI社製)ま
たはチバクロンイエローHE−3G(チバガイギー社
製)等のトリアジン色素から作製した樹脂が用いられ
る。疎水クロマト用樹脂としては、オクチル−セファロ
ースCL−4B(ファルマシア社製)等が挙げられる。
ゲル濾過用担体または樹脂としては、セファデックスG
−100等が挙げられる。
スFF(ファルマシア社製)、DEAE−セファロース
(ファルマシア社製)等が挙げられる。アフィニティー
クロマト用樹脂としては、ブルーセファロースCL−6
B、レッドセファロースCL−6B(ファルマシア社
製)等やプロシオンブルーH−ERD(ICI社製)ま
たはチバクロンイエローHE−3G(チバガイギー社
製)等のトリアジン色素から作製した樹脂が用いられ
る。疎水クロマト用樹脂としては、オクチル−セファロ
ースCL−4B(ファルマシア社製)等が挙げられる。
ゲル濾過用担体または樹脂としては、セファデックスG
−100等が挙げられる。
【0018】また、これらのカラムクロマトグラフィー
に加え、硫酸ストレプトマイシンや硫酸プロタミン処理
による除核酸、硫酸アンモニウム処理によるタンパク質
の塩析を行ってもよい。
に加え、硫酸ストレプトマイシンや硫酸プロタミン処理
による除核酸、硫酸アンモニウム処理によるタンパク質
の塩析を行ってもよい。
【0019】このようにして得られた1,5−AGDH
の理化学的性質を以下に示す。 (1)作用:電子受容体の存在下、1,5−AGを酸化
する。 本発明で用いられる電子受容体としては、1,5−AG
を脱水素による酸化反応に関与するものであれば特に制
限はなく、例えば、酸素、フェナンジンメトサルフェー
ト、ジクロルフェノールインドフェノール、フェリシア
ン化カリウム、フェリシアン化ナトリウム等のフェリシ
アン化化合物、チトクロムC、NAD+、NADP+ 、
FMN等の補酵素が挙げられる。電子受容体としてNA
D+ またはNADP+ を用いた場合には、生成したNA
DHまたはNADPHを基質としてニトロブルーテトラ
ゾリウム等のテトラゾリウム塩や2,6−ジクロロフェ
ノールインドフェノール等を還元発色させ、可視部で測
定することもできる。 (2)分子量:約6万5千〜7万(ゲルろ過クロマトグ
ラフィー法) (3)基質特異性:1,5−AGに特異的に作用する。
D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、
D−アラビノース、D−キシロース、D−フルクトー
ス、D−ソルビトース、キシリトール、ミオイノシトー
ル、マルトース、ラクトースに全く作用しない。 (4)至適pH:8.5(温度30℃) (5)安定pH:6.0〜7.5 (6)作用適温の範囲:20〜40℃(リン酸緩衝液p
H6.0)
の理化学的性質を以下に示す。 (1)作用:電子受容体の存在下、1,5−AGを酸化
する。 本発明で用いられる電子受容体としては、1,5−AG
を脱水素による酸化反応に関与するものであれば特に制
限はなく、例えば、酸素、フェナンジンメトサルフェー
ト、ジクロルフェノールインドフェノール、フェリシア
ン化カリウム、フェリシアン化ナトリウム等のフェリシ
アン化化合物、チトクロムC、NAD+、NADP+ 、
FMN等の補酵素が挙げられる。電子受容体としてNA
D+ またはNADP+ を用いた場合には、生成したNA
DHまたはNADPHを基質としてニトロブルーテトラ
ゾリウム等のテトラゾリウム塩や2,6−ジクロロフェ
ノールインドフェノール等を還元発色させ、可視部で測
定することもできる。 (2)分子量:約6万5千〜7万(ゲルろ過クロマトグ
ラフィー法) (3)基質特異性:1,5−AGに特異的に作用する。
D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、
D−アラビノース、D−キシロース、D−フルクトー
ス、D−ソルビトース、キシリトール、ミオイノシトー
ル、マルトース、ラクトースに全く作用しない。 (4)至適pH:8.5(温度30℃) (5)安定pH:6.0〜7.5 (6)作用適温の範囲:20〜40℃(リン酸緩衝液p
H6.0)
【0020】なお、活性の測定は、400mMの1,5−
AG、10mMのNAD+ 、50μMのニトロテトラゾ
リウムブルー及び10U/mlのジアホラーゼ(Bacill
us stearothermophilus 由来、生化学工業社製)を含む
0.2Mのトリス塩酸緩衝液(pH8.5)に酵素溶液
を加え、緩やかに混和した後、分光光度計で550nm
における吸光度変化を測定した。測定は、30℃で行っ
た。1分間に1マイクロモルのフォルマザンを生成する
酵素量を1単位(U)とした。
AG、10mMのNAD+ 、50μMのニトロテトラゾ
リウムブルー及び10U/mlのジアホラーゼ(Bacill
us stearothermophilus 由来、生化学工業社製)を含む
0.2Mのトリス塩酸緩衝液(pH8.5)に酵素溶液
を加え、緩やかに混和した後、分光光度計で550nm
における吸光度変化を測定した。測定は、30℃で行っ
た。1分間に1マイクロモルのフォルマザンを生成する
酵素量を1単位(U)とした。
【0021】本発明の1,5−AGDHは、1,5−A
Gに特異的に作用し、血液等の体液中に存在する他の糖
類、例えば、D−グルコース、D−マンノース、D−ガ
ラクトース、D−アラビノース、D−キシロース、D−
フルクトース、D−ソルビトース、キシリトール、ミオ
イノシトール、マルトース、ラクトース等には全く作用
しないので、体液を試料とした1,5−AGの測定にお
いて、測定誤差が生じにくい。このため、体液を試料と
した1,5−AGの測定用試薬に好適に利用できる。
Gに特異的に作用し、血液等の体液中に存在する他の糖
類、例えば、D−グルコース、D−マンノース、D−ガ
ラクトース、D−アラビノース、D−キシロース、D−
フルクトース、D−ソルビトース、キシリトール、ミオ
イノシトール、マルトース、ラクトース等には全く作用
しないので、体液を試料とした1,5−AGの測定にお
いて、測定誤差が生じにくい。このため、体液を試料と
した1,5−AGの測定用試薬に好適に利用できる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例中の%はいずれも重量%を示す。
する。なお、実施例中の%はいずれも重量%を示す。
【0023】実施例1 グリセロール0.5%、ペプトン5.0%、酵母エキス
0.05%、リン酸水素二カリウム0.1%、硫酸マグ
ネシウム・七水和物0.025%、pH7.0よりなる
培地18リットルを30リットル容のジャーファーメン
ターに仕込み、121℃で15分間滅菌した後、ラフネ
ラ・アクアティリス474(FERMP−16158)
を接種した。30℃で60時間、100rpmで撹拌
し、通気しない条件下培養し、遠心分離により約180
gの湿菌体を得た。得られた菌体は凍結で保存した。次
に、凍結菌体約100gをEDTA及び2−メルカプト
エタノールを2mMずつ含む25mMリン酸緩衝液(p
H8.0)500mlに懸濁し、超音波処理により、菌
体を破砕後、遠心分離により細胞片を除去し、1,5−
AGDHを含む粗酵素液を得、菌体中の1,5−AGD
H含量を測定したところ、43U/g湿菌体の値を示し
た。この粗酵素液を25mMリン酸緩衝液(pH7.
0)で平衡化したDEAE−セファロース−FFカラム
(ファルマシア社製)に通じ、KClの濃度勾配により
溶出せしめると、KCl濃度0.15〜0.2Mで1,
5−AGDH活性画分を得た。続いて、得られた画分を
25mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したブル
ーセファロースCL−6Bカラム(ファルマシア社製)
に通じ、KClの濃度勾配により溶出せしめると、KC
l濃度0.4〜0.5Mに1,5−AGDH活性画分を
得た。このようにして得られた1,5−AGDHの収率
は約20%で、酵素蛋白質1mg当たり約40単位の比
活性を示し、その精製度は粗酵素液を1とすると約30
0倍であった。得られた酵素は、上記の理化学的性質を
示した。
0.05%、リン酸水素二カリウム0.1%、硫酸マグ
ネシウム・七水和物0.025%、pH7.0よりなる
培地18リットルを30リットル容のジャーファーメン
ターに仕込み、121℃で15分間滅菌した後、ラフネ
ラ・アクアティリス474(FERMP−16158)
を接種した。30℃で60時間、100rpmで撹拌
し、通気しない条件下培養し、遠心分離により約180
gの湿菌体を得た。得られた菌体は凍結で保存した。次
に、凍結菌体約100gをEDTA及び2−メルカプト
エタノールを2mMずつ含む25mMリン酸緩衝液(p
H8.0)500mlに懸濁し、超音波処理により、菌
体を破砕後、遠心分離により細胞片を除去し、1,5−
AGDHを含む粗酵素液を得、菌体中の1,5−AGD
H含量を測定したところ、43U/g湿菌体の値を示し
た。この粗酵素液を25mMリン酸緩衝液(pH7.
0)で平衡化したDEAE−セファロース−FFカラム
(ファルマシア社製)に通じ、KClの濃度勾配により
溶出せしめると、KCl濃度0.15〜0.2Mで1,
5−AGDH活性画分を得た。続いて、得られた画分を
25mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したブル
ーセファロースCL−6Bカラム(ファルマシア社製)
に通じ、KClの濃度勾配により溶出せしめると、KC
l濃度0.4〜0.5Mに1,5−AGDH活性画分を
得た。このようにして得られた1,5−AGDHの収率
は約20%で、酵素蛋白質1mg当たり約40単位の比
活性を示し、その精製度は粗酵素液を1とすると約30
0倍であった。得られた酵素は、上記の理化学的性質を
示した。
【0024】実施例2 実施例1と同様の培地、条件により、エンテロバクター
・クロアカエ340(FERM P−16157)を培
養し、約390gの湿菌体を得た。得られた菌体は、凍
結で保存した。次に、これらの菌体から実施例1と同様
の方法で粗抽出液を得、菌体中の1,5−AGDH含量
を測定したところ、28U/g湿菌体の値を示した。さ
らに、実施例と同様の方法で粗抽出液から精製酵素標品
を得た。このようにして得られた1,5−AGDHの収
率は約30%で、酵素蛋白質1mg当たり約20単位の
比活性を示し、その精製度は粗酵素液を1とすると約2
00倍であった。
・クロアカエ340(FERM P−16157)を培
養し、約390gの湿菌体を得た。得られた菌体は、凍
結で保存した。次に、これらの菌体から実施例1と同様
の方法で粗抽出液を得、菌体中の1,5−AGDH含量
を測定したところ、28U/g湿菌体の値を示した。さ
らに、実施例と同様の方法で粗抽出液から精製酵素標品
を得た。このようにして得られた1,5−AGDHの収
率は約30%で、酵素蛋白質1mg当たり約20単位の
比活性を示し、その精製度は粗酵素液を1とすると約2
00倍であった。
【0025】実施例3 実施例1と同様の培地、条件により、セラチア・マルセ
ッセンス825(FERM P−16159)を培養
し、約410gの湿菌体を得た。得られた菌体は、凍結
で保存した。次に、これらの菌体から実施例1と同様の
方法で粗抽出液を得、菌体中の1,5−AGDH含量を
測定したところ、56U/g湿菌体の値を示した。さら
に、実施例と同様の方法で粗抽出液から精製酵素標品を
得た。このようにして得られた1,5−AGDHの収率
は約25%で、酵素蛋白質1mg当たり約45単位の比
活性を示し、その精製度は粗酵素液を1とすると約25
0倍であった。得られた酵素は、上記の理化学的性質を
示した。
ッセンス825(FERM P−16159)を培養
し、約410gの湿菌体を得た。得られた菌体は、凍結
で保存した。次に、これらの菌体から実施例1と同様の
方法で粗抽出液を得、菌体中の1,5−AGDH含量を
測定したところ、56U/g湿菌体の値を示した。さら
に、実施例と同様の方法で粗抽出液から精製酵素標品を
得た。このようにして得られた1,5−AGDHの収率
は約25%で、酵素蛋白質1mg当たり約45単位の比
活性を示し、その精製度は粗酵素液を1とすると約25
0倍であった。得られた酵素は、上記の理化学的性質を
示した。
【0026】実施例4 本発明の増殖方法における1,5−AGの影響について
試験した。ペプトン含量を0.1%、グリセロール含量
を0.1%とした以外は実施例1と同一の組成からなる
培地各々4mlに、ラフネラ・アクアティリス474
(FERM P−16158)及びエンテロバクター・
クロアカエ340(FERMP−16157)及びセラ
チア・マルセッセンス825(FERM P−1615
9)を各々接種し、30℃で2日間培養した。
試験した。ペプトン含量を0.1%、グリセロール含量
を0.1%とした以外は実施例1と同一の組成からなる
培地各々4mlに、ラフネラ・アクアティリス474
(FERM P−16158)及びエンテロバクター・
クロアカエ340(FERMP−16157)及びセラ
チア・マルセッセンス825(FERM P−1615
9)を各々接種し、30℃で2日間培養した。
【0027】一方、実施例1で用いた培地組成におい
て、ペプトン含量を0.1%とし、さらに、グリセロー
ルの代わりに1,5−AG含量を0.1%とした培地
1、及び実施例1で用いた培地組成において、ペプトン
含量を0.1%、グリセロール含量を0.1%とした培
地2を各々4ml調製し、これらの培地に上記の条件で
培養したラフネラ・アクアティリス474、エンテロバ
クター・クロアカエ340、セラチア・マルセッセンス
825の培養液を0.5mlずつ接種し、30℃で2日
間、通気しない条件下で培養した後、遠心分離により湿
菌体を得た。また、回収した菌体から、実施例1と同様
の方法で粗抽出液を調製し、1,5−AGDH活性を測
定した。結果を表1に示す。
て、ペプトン含量を0.1%とし、さらに、グリセロー
ルの代わりに1,5−AG含量を0.1%とした培地
1、及び実施例1で用いた培地組成において、ペプトン
含量を0.1%、グリセロール含量を0.1%とした培
地2を各々4ml調製し、これらの培地に上記の条件で
培養したラフネラ・アクアティリス474、エンテロバ
クター・クロアカエ340、セラチア・マルセッセンス
825の培養液を0.5mlずつ接種し、30℃で2日
間、通気しない条件下で培養した後、遠心分離により湿
菌体を得た。また、回収した菌体から、実施例1と同様
の方法で粗抽出液を調製し、1,5−AGDH活性を測
定した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】炭素源が1,5−AG、グリセロールのい
ずれの場合でも、培養菌体収量及びその湿菌体1g当た
りの1,5−AGDH活性は同程度であった。このこと
から、1,5−AGDHを得る際は、1,5−AGに代
えてグリセロールを炭素源として使用できることが確認
された。
ずれの場合でも、培養菌体収量及びその湿菌体1g当た
りの1,5−AGDH活性は同程度であった。このこと
から、1,5−AGDHを得る際は、1,5−AGに代
えてグリセロールを炭素源として使用できることが確認
された。
【0030】実施例5 本発明の大量増殖方法におけるペプトンの効果について
試験した。ペプトン含量を0.1%とした以外は実施例
1と同一の組成からなる培地各々4mlに、ラフネラ・
アクアティリス474(FERM P−16158)及
びエンテロバクター・クロアカエ340(FERM P
−16157)及びセラチア・マルセッセンス825
(FERM P−16159)を各々接種し、30℃で
2日間培養した。
試験した。ペプトン含量を0.1%とした以外は実施例
1と同一の組成からなる培地各々4mlに、ラフネラ・
アクアティリス474(FERM P−16158)及
びエンテロバクター・クロアカエ340(FERM P
−16157)及びセラチア・マルセッセンス825
(FERM P−16159)を各々接種し、30℃で
2日間培養した。
【0031】一方、ペプトン含量を0.1%、1%また
は5%とした以外は実施例1と同一の組成からなる培地
3〜5を各々4ml調製し、これらの培地に上記の条件
で培養したラフネラ・アクアティリス474、エンテロ
バクター・クロアカエ340、セラチア・マルセッセン
ス825の培養液0.5mlずつを接種し、30℃で2
日間、通気しない条件下で培養した後、遠心分離により
湿菌体を得た。また、回収した菌体から、実施例1と同
様の方法で粗抽出液を調製し、1,5−AGDH活性を
測定した。結果を表2に示す。
は5%とした以外は実施例1と同一の組成からなる培地
3〜5を各々4ml調製し、これらの培地に上記の条件
で培養したラフネラ・アクアティリス474、エンテロ
バクター・クロアカエ340、セラチア・マルセッセン
ス825の培養液0.5mlずつを接種し、30℃で2
日間、通気しない条件下で培養した後、遠心分離により
湿菌体を得た。また、回収した菌体から、実施例1と同
様の方法で粗抽出液を調製し、1,5−AGDH活性を
測定した。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2から、いずれの培養菌体もその湿菌体
1g当たりの1,5−AGDH活性は同程度であった
が、培地中のペプトン濃度の上昇に伴う菌体収量の増加
が認められた。このことから、1,5−AGDHを大量
に得る場合、すなわち、細菌株を大量増殖させる場合に
は、ラフネラ・アクアティリス474、エンテロバクタ
ー・クロアカエ340、セラチア・マルセッセンス82
5の培養培地中のペプトンを5%程度含量させるとよい
ことが確認された。
1g当たりの1,5−AGDH活性は同程度であった
が、培地中のペプトン濃度の上昇に伴う菌体収量の増加
が認められた。このことから、1,5−AGDHを大量
に得る場合、すなわち、細菌株を大量増殖させる場合に
は、ラフネラ・アクアティリス474、エンテロバクタ
ー・クロアカエ340、セラチア・マルセッセンス82
5の培養培地中のペプトンを5%程度含量させるとよい
ことが確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明の新規な細菌株は、1,5−AG
に特異的に作用する1,5−AGDHを産生することが
できる。得られた1,5−AGDHは、1,5−AGの
測定用試薬に利用可能である。また、本発明の大量増殖
方法は、効率よく本発明の新規な細菌株を大量増殖する
ことができ、さらに、1,5−AGを使用せずに安価に
細菌株を培養することができる。さらにまた、1,5−
AGDHを菌体内から効率よく得ることができる。その
結果、1,5−AGの測定用試薬に利用可能な1,5−
AGDHを、安価に、効率よく生産することができる。
に特異的に作用する1,5−AGDHを産生することが
できる。得られた1,5−AGDHは、1,5−AGの
測定用試薬に利用可能である。また、本発明の大量増殖
方法は、効率よく本発明の新規な細菌株を大量増殖する
ことができ、さらに、1,5−AGを使用せずに安価に
細菌株を培養することができる。さらにまた、1,5−
AGDHを菌体内から効率よく得ることができる。その
結果、1,5−AGの測定用試薬に利用可能な1,5−
AGDHを、安価に、効率よく生産することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 1,5−アンヒドログルシトールに特異
的に作用する1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵
素を産生するラフネラ・アクアティリス(Rahnella aqu
atitlis )474(FERM P−16158)。 - 【請求項2】 請求項1記載のラフネラ・アクアティリ
ス474を、ペプトンを1〜10重量%含有する培地で
培養することを特徴とする上記細菌株の大量増殖方法。 - 【請求項3】 1,5−アンヒドログルシトールに特異
的に作用する1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵
素を産生するエンテロバクター・クロアカエ(Enteroba
cter cloacae)340(FERM P−16157)。 - 【請求項4】 請求項4記載のエンテロバクター・クロ
アカエ340を、ペプトンを1〜10重量%含有する培
地で培養することを特徴とする上記細菌株の大量増殖方
法。 - 【請求項5】 1,5−アンヒドログルシトールに特異
的に作用する1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵
素を産生するセラチア・マルセッセンス(Serratia mar
cescens )825(FERM P−16159)。 - 【請求項6】 請求項5記載のセラチア・マルセッセン
ス825を、ペプトンを1〜10重量%含有する培地で
培養することを特徴とする上記細菌株の大量増殖方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17571197A JPH1118760A (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵素を産生する細菌株及びその大量増殖方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17571197A JPH1118760A (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵素を産生する細菌株及びその大量増殖方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1118760A true JPH1118760A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16000910
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17571197A Pending JPH1118760A (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵素を産生する細菌株及びその大量増殖方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1118760A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008072702A1 (ja) | 2006-12-14 | 2008-06-19 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | 全血中の1,5-アンヒドログルシトールの測定方法、それに用いるセンサーチップ及び測定キット |
WO2010024440A1 (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-04 | タムネットワーク株式会社 | 活性酸素耐性菌及びその利用方法 |
US8753832B2 (en) | 2005-06-13 | 2014-06-17 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Method of assaying 1,5 anhydroglucitol by using whole blood and measurement kit |
CN109576194A (zh) * | 2018-09-26 | 2019-04-05 | 湖北大学 | 一株多功能水拉恩氏菌mem40及其应用 |
CN112961807A (zh) * | 2021-03-30 | 2021-06-15 | 中国科学院成都生物研究所 | 一种微生物组合物及在促进青稞种子发芽和生长上的应用 |
-
1997
- 1997-07-01 JP JP17571197A patent/JPH1118760A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8753832B2 (en) | 2005-06-13 | 2014-06-17 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Method of assaying 1,5 anhydroglucitol by using whole blood and measurement kit |
WO2008072702A1 (ja) | 2006-12-14 | 2008-06-19 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | 全血中の1,5-アンヒドログルシトールの測定方法、それに用いるセンサーチップ及び測定キット |
US8465940B2 (en) | 2006-12-14 | 2013-06-18 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Method for electrochemically measuring 1,5-anhydroglucitol in whole blood |
WO2010024440A1 (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-04 | タムネットワーク株式会社 | 活性酸素耐性菌及びその利用方法 |
CN109576194A (zh) * | 2018-09-26 | 2019-04-05 | 湖北大学 | 一株多功能水拉恩氏菌mem40及其应用 |
CN109576194B (zh) * | 2018-09-26 | 2021-11-05 | 湖北大学 | 一株多功能水拉恩氏菌mem40及其应用 |
CN112961807A (zh) * | 2021-03-30 | 2021-06-15 | 中国科学院成都生物研究所 | 一种微生物组合物及在促进青稞种子发芽和生长上的应用 |
CN112961807B (zh) * | 2021-03-30 | 2023-01-20 | 中国科学院成都生物研究所 | 一种微生物组合物及在促进青稞种子发芽和生长上的应用 |
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