JPH11187005A - クロック抽出回路、通信システム及び送信装置 - Google Patents

クロック抽出回路、通信システム及び送信装置

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JPH11187005A
JPH11187005A JP9355452A JP35545297A JPH11187005A JP H11187005 A JPH11187005 A JP H11187005A JP 9355452 A JP9355452 A JP 9355452A JP 35545297 A JP35545297 A JP 35545297A JP H11187005 A JPH11187005 A JP H11187005A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】断続的に情報が伝送されるような場合であって
も、必要最小限の同期用パターンを使用して伝送可能情
報の増大を図ることができ、かつクロック信号を迅速か
つ安定に抽出できるようにする。 【解決手段】 受信装置2に、受信回路21から出力さ
れるデジタル信号に同期したクロック信号を抽出するデ
ジタルPLL回路22を設けるとともに、デジタルPL
L回路22のQ値を制御するQ値制御回路25と、受信
回路21が出力する受信レベル信号に基づいて高周波信
号における信号対雑音比を算出し、Q値制御回路25を
制御するとともに算出結果に基づく信号を送信装置1内
の同期用パターン設定回路12に向けて送出する信号対
雑音比測定回路24とを設ける。同期用パターン設定回
路12は、信号対雑音比に応じて同期用パターンのパタ
ーン長を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロック抽出回路
に関し、特に入力デジタル信号からこの信号に同期した
クロック信号を抽出するデジタルPLL回路構成のクロ
ック抽出回路と、このクロック抽出回路を用いた通信シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル信号を送信側から受信側に伝送
する通信システムでは、受信側において、伝送されてき
た信号からクロックを抽出し、抽出したクロックに基づ
いてデジタルデータの処理等が行われる。クロックを抽
出するためのクロック抽出回路として、デジタルPLL
(フェーズ・ロックド・ループ)回路を用いるものが広
く知られている。
【0003】特開平8−84137号公報には、同期パ
ターン部と情報ビット部とから構成されているバースト
データが伝送データである場合に、このような伝送デー
タに適したクロック抽出回路が開示されている。このク
ロック抽出回路は、図4に示すように、入力データと受
信装置の基準クロックとが入力して再生クロックを出力
するデジタルPLL回路81と、再生クロックに基づい
て入力データを復号し出力データを出力する復号器82
と、バーストデータの先頭を検出するデータ検出回路8
3と、このデータ検出回路83の出力によりビット同期
パターン部の入力中はデジタルPLL回路81のプログ
ラマブルデバイダの設定値を小さくし、ビット同期パタ
ーン部に続いて入力される情報ビット部ではデジタルP
LL回路81のプログラマブルデバイダの設定値を大き
くするプログラマブルデバイダ制御回路84とを備えて
いる。このように構成することにより、バーストデータ
の先頭部分で素早く同期を引込み、その後の情報ビット
部では同期が外れにくくするクロック抽出回路を実現し
ている。
【0004】また、本発明者による特開平7−3077
29号公報には、特定の同期用パターンが入力デジタル
信号中に含まれているとして、同期引込み時間を短縮で
きるとともに、同期保持能力を向上させるようにしたク
ロック抽出回路が開示されている。このクロック抽出回
路の構成を図5に示す。このクロック抽出回路は、入力
デジタル信号が入力して抽出クロック信号を出力するデ
ジタルPLL回路91と、抽出クロック信号に基づいて
入力デジタル信号の波形を整形して出力デジタル信号と
して出力する波形整形回路92と、入力デジタル信号を
受けて特定の同期用パターンを検出してパターン検出信
号(同期情報)を出力する同期用パターン検出回路93
と、パターン検出信号に応じてデジタルPLL回路91
のQ値を変化させるQ値制御回路94と、入力デジタル
信号を受けてこの入力デジタル信号中での伝送情報の有
無を判定して伝送情報がある場合には伝送情報有信号を
出力する伝送情報判定回路95と、パターン検出信号に
応じて動作するタイマ回路96と、Q値制御回路94を
リセットするためのリセット信号を発生するリセット信
号発生回路97と、を備えている。入力デジタル信号に
おいて特定の同期用パターンが検出されパターン検出信
号が出力されると、Q値制御回路94は、デジタルPL
L回路91のQ値を低値から高値に切換える。リセット
信号発生回路97は、タイマ回路96の出力信号がオン
(ON)である間に伝送情報判定回路95から伝送情報
有信号を受けた後にこの伝送情報有信号がなくなった時
に第1のリセット信号を発生してQ値制御回路94に与
えるから、このような条件が満たされたときに、Q値制
御回路94は、デジタルPLL回路91のQ値を高値か
ら低値に切換える。このようにして、同期用パターンを
検出するまではデジタルPLL回路91のQ値を低くし
て同期引込み時間を短縮させ、かつ、同期用パターンを
検出したときにはQ値を高くして同期保持能力を向上さ
せている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のクロッ
ク抽出回路は、いずれも、デジタルPLL回路に対して
制御を行うことにより、同期引込み時間の短縮及び同期
保持能力の向上を図っており、伝送されるべき信号に固
定長の同期用パターンを付与し、この固定長の同期用パ
ターンに基づいて制御を行っている。通信回線の信号対
雑音比(S/N)が低い場合には、クロック抽出回路に
入力するデジタル信号にジッタが多く含まれるため、長
い同期用パターンを必要とする。逆に、通信回線の信号
対雑音比が高い場合には、入力するデジタル信号のジッ
タは少ないため、比較的短い同期用パターンでクロック
抽出が可能である。従来のクロック回路では、確実に同
期引き込みが行えるようにするためにはジッタが多い場
合を考慮する必要があるので、固定長の同期用パターン
を使用している都合上、長い同期用パターンを使用する
のが一般的であった。そのため、送信側から受信側に伝
送される信号中での同期用パターンの割合が大きくなっ
て、伝送可能な情報量が低下するという問題点を生じ
る。断続的に情報が伝送されるような通信システム、す
なわちバーストデータが伝送される通信システムでは、
同期用パターンが高い頻度で用いられるので、この問題
点はより顕著になる。
【0006】本発明の目的は、断続的に情報が伝送され
るような通信システムにおいて用いられる場合であって
も、必要最小限の同期用パターンを使用して伝送可能情
報の増大を図ることができ、かつクロック信号を迅速か
つ安定に抽出可能なクロック抽出回路を提供するととも
に、このクロック抽出回路を用いた通信システムと、こ
の通信システムで使用される送信装置とを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のクロック抽出回
路は、送信側から伝送されてきた伝送信号を受信して変
換しデジタル信号として出力する受信回路と、デジタル
信号からデジタル信号に同期したクロック信号を抽出す
るデジタルPLL回路とを有するクロック抽出回路にお
いて、受信回路が伝送信号の受信レベルに応じた受信レ
ベル信号を出力し、デジタルPLL回路のQ値を制御す
るQ値制御手段と、受信レベル信号に基づいて伝送信号
における信号対雑音比を算出し、算出結果に基づいてQ
値制御手段を制御するとともに、算出結果に基づく信号
を送信側に送出する信号対雑音比測定手段と、を有す
る。
【0008】本発明の通信システムは、伝送情報を入力
として伝送情報を伝送信号に変換して送出する送信装置
と、伝送信号を受信して伝送情報を出力データとして取
り出す受信装置とを有する通信システムであって、送信
装置が、ビットレベルでの同期を確立するためのパター
ンである同期用パターンを伝送情報に先立つように伝送
情報に付加して伝送情報を伝送信号に変換して送出する
送信回路と、同期用パターンを設定する同期用パターン
設定回路とを有し、受信装置が、伝送信号を受信して変
換しデジタル信号として出力するとともに伝送信号の受
信レベルに応じた受信レベル信号を出力する受信回路
と、デジタル信号からデジタル信号に同期したクロック
信号を抽出するデジタルPLL回路と、デジタルPLL
回路のQ値を制御するQ値制御手段と、受信レベル信号
に基づいて伝送信号における信号対雑音比を算出し、算
出結果に基づいてQ値制御手段を制御するとともに、算
出結果に基づく信号を同期用パターン設定回路に向けて
送出する信号対雑音比測定手段と、を有する。
【0009】本発明の通信システムでは、同期用パター
ン設定回路によって、信号対雑音比が相対的に大きい場
合には同期用パターンが相対的に短く設定され、信号対
雑音比が相対的に小さい場合には同期用パターンが相対
的に長く設定されるようにすることが好ましい。
【0010】本発明の送信装置は、伝送情報を入力とし
て伝送情報を伝送信号に変換して受信側に送出する送信
装置において、ビットレベルでの同期を確立するための
パターンである同期用パターンを伝送情報に先立つよう
に伝送情報に付加して伝送情報を伝送信号に変換して送
出する送信回路と、同期用パターンを設定する同期用パ
ターン設定回路とを有し、受信側での信号対雑音比に対
する情報を受信側から受け取り、信号対雑音比が相対的
に大きい場合には同期用パターン設定回路が同期用パタ
ーンを相対的に短く設定し、信号対雑音比が相対的に小
さい場合には同期用パターン設定回路が同期用パターン
を相対的に長く設定する。
【0011】本発明において、伝送信号は、典型的に
は、伝送情報に基づいて変調された高周波信号である。
また、受信レベル信号をデジタルPLL回路に入力し
て、受信レベルが所定のしきい値以下の場合にはデジタ
ルPLL回路におけるクロック抽出処理の動作を停止す
るようにすることが、好ましい。
【0012】《作用》本発明によるクロック抽出回路で
は、無線などの受信回路における信号対雑音比を用い
て、デジタルPLL回路の動作及び同期用パターン長を
制御する。すなわち、初期状態(情報を受信していない
状態)では、雑音レベルを測定するとともにデジタルP
LL回路のQ値を低くしておき、情報受信後の同期引込
み時間を短縮させる。情報を受信した時(信号対雑音比
が上昇した時)から一定時間が経過しデジタルPLL回
路の同期引込みが完了した時点で、デジタルPLL回路
のQ値を高くし、同期保持能力を向上させる。情報の受
信中に受信状態が悪い場合(信号対雑音比が低い場合)
には、受信デジタル信号にジッタなどが多く含まれるた
め、送信側に対して制御を行って、同期用パターンを長
くし同期引込みを確実に行えるようにする。受信状態が
良い場合(信号対雑音比が高い場合)には、受信デジタ
ル信号のジッタは少ないため、同期用パターンを短く
し、同期引込みを迅速に行うようにする。このことによ
り、同期用パターン長を短縮することが可能となり、よ
り多い情報量を伝送可能となる。
【0013】本発明の通信システムでは、上述したよう
なクロック抽出回路を有する受信装置と、受信側での信
号対雑音比に応じて同期用パターンのパターン長を変化
させるパターン長設定回路が設けられた送信装置とを有
するので、受信側での信号対雑音比に適合した長さの同
期用パターンを有する伝送信号が送信側から受信側へ伝
送されることとなり、バーストデータの伝送時などに、
より多くの情報を伝送できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明
の実施の一形態の通信システムの構成を示すブロック図
である。
【0015】この通信システムは、送信装置1と受信装
置2とを回線3により接続した構成のものであって、回
線3では高周波信号によって情報が伝送される。ここで
は、バーストデータにより情報が伝送されるものとし、
各バーストデータの先頭には同期用パターンが付加され
ているものとする。回線3は、典型的には無線回線であ
る。送信装置1は、伝送情報信号を入力としてこれに対
して変調処理及び周波数変換処理を行って高周波信号に
変換し回線3に送出する送信回路11と、受信装置2側
からの制御信号により同期用パターン長を設定する同期
用パターン設定回路12とを具備している。回線3とし
て無線回線が用いられる場合、送信回路11は、無線送
信機としての機能も備えることになる。送信回路11で
は、同期用パターン設定回路12で設定されたパターン
長の同期用パターンが、伝送情報信号のデータ実体に先
立つように、伝送情報信号に付加される。
【0016】一方、受信装置2は、回線3を介して伝送
されてきた高周波信号を入力し周波数変換処理及び復調
処理を行ってデジタル信号を出力すると同時に、高周波
信号の強度に比例した受信レベル信号を出力する受信回
路21と、受信回路21が出力するデジタル信号からク
ロックを抽出して抽出クロック信号として出力するとと
もに同期が確立したかどうかを表す同期信号を出力する
デジタルPLL回路22と、抽出クロック信号に基づい
てデジタル信号の波形整形を行って出力デジタル信号と
して出力する波形整形回路23と、受信レベル信号を入
力として高周波信号における信号対雑音比を算出する信
号対雑音比測定回路24と、デジタルPLL回路21の
Q値を制御するためのQ値制御回路25とを備えてい
る。回線3が無線回線であれば、受信回路21は無線受
信機としての機能も備えることになる。後述するよう
に、信号対雑音比測定回路24で算出された信号対雑音
比は、Q値制御回路25に供給されるとともに、逆方向
の回線を介して送信装置1の同期用パターン設定回路1
2に送られ、同期用パターンのパターン長の制御に使用
される。Q値制御回路25は、Q値制御手段であって、
信号対雑音比測定手段である信号対雑音比測定回路24
からの制御によって初期状態ではデジタルPLL回路2
2のQ値を低く設定し、デジタルPLL回路22から同
期信号が出力されたのちはQ値を高く設定するものであ
る。
【0017】次に、この通信システムの動作を説明す
る。
【0018】受信装置2において、受信回路21から出
力されたデジタル信号は、デジタルPLL回路22へ入
力されてクロック成分が抽出されるとともに、この抽出
クロック信号に基づき波形整形回路23によりデジタル
信号が波形整形され、出力デジタル信号として出力され
る。さらにこの通信システムでは、バーストデータの伝
送に対応してデジタルPLL回路22のQ値の制御及び
デジタルPLL回路22の同期引込み処理を効率的に行
うために、以下の動作を実行する。
【0019】すなわち、送信装置1からの高周波信号を
受信する前に、信号対雑音比判定回路24は、受信回路
21からの受信レベル信号により雑音レベルを測定する
とともに、Q値制御回路25に対して制御を行い、デジ
タルPLL回路22のQ値が低く設定されるようにす
る。これにより、情報の受信を開始した時の同期引込み
時間を短縮させることが可能となる。また、受信レベル
信号はデジタルPLL回路22にも供給されており、こ
れにより、受信レベルが低く高周波信号を受信していな
い場合には、デジタルPLL回路22の動作が停止し、
空間ノイズによる誤動作が防止される。具体的には受信
レベルが所定のしきい値以下の場合には、デジタルPL
L回路の動作、少なくともクロック抽出処理の動作が停
止するようにする。
【0020】受信回路21からの受信レベル信号が上昇
した時、情報を受信したと判断し、デジタルPLL回路
22において、クロック抽出処理を開始する。この時、
Q値制御回路25から出力されるQ値制御信号は低値の
ままであり、デジタルPLL回路21のQ値は低く設定
されたままであるため、同期引込みを迅速に行うことが
可能となる。その後一定時間が経過し、デジタルPLL
回路22の同期引込みが完了した時点で、デジタルPL
L回路22から同期信号をQ値制御回路25に出力す
る。同期信号が入力したQ値制御回路25は、Q値制御
信号を高値に設定することによってデジタルPLL回路
22のQ値を高くし、同期保持能力を向上させる。
【0021】さらにこの通信システムでは、受信装置2
において情報の受信中に信号対雑音比測定回路24で測
定した信号対雑音比が低い場合は、受信状態が悪くてデ
ジタル信号にジッタが多く含まれている場合であるた
め、同期用パターンを長くし、同期引込みを確実に行え
るようにする。この時には、信号対雑音比測定回路24
から送信装置1の同期用バターン設定回路12に対して
制御を行い、送信装置1からこれ以降に送出される高周
波信号での同期用パターンのパターン長を大きくする。
【0022】一方、情報の受信中に信号対雑音比測定回
路24で測定した信号対雑音比が高い場合は、受信状態
が良くてデジタル信号に含まれるジッタが少ない場合で
あって、短時間で同期確立を行える場合であるため、同
期用パターンを短くし、同期引込みを迅速に行うことが
可能である。この時は、信号対雑音比測定回路24から
送信装置1の同期用パターン設定回路12に対して制御
を行い、送信装置1からこれ以降に送出される高周波信
号の同期用パターンを短くする。
【0023】以上の処理により、バーストデータの伝送
を行う際に同期用パターン長を必要最小限とすることが
可能となり、効率的な情報伝送を行うことが可能とな
る。
【0024】図2は、図1に示す通信システムの動作を
説明するタイミングチャートであって、バーストデータ
の高周波信号を受信装置2で受信しはじめた前後の状態
を示している。(a)は、受信装置2で受信する高周波信
号を示している。
【0025】最初は送信装置1側から高周波信号が送出
されておらず、受信装置2側で受信する信号は空間ノイ
ズだけであるが、送信装置1から高周波信号が送出され
はじめると、まず、同期用パターンを受信し、同期用パ
ターンに引き続いて伝送情報を受信する。このような高
周波信号に対し、受信回路21から出力される受信レベ
ル信号は(b)に示すもののようになる。すなわち、受信
装置2に送信側からの高周波信号が入力する以前は、受
信回路21の出力であるデジタル信号には空間ノイズが
出力され、受信レベル信号は低値に保持される。その
後、高周波信号を受信した時点で、デジタル信号には同
期用パターン及び伝送情報が順次出力される。また、受
信レベル信号は高値となり、これによって、デジタルP
LL回路22でのクロック抽出処理が開始される。この
時点では、デジタルPLL回路22のQ値は低値に設定
されており、迅速なクロック抽出(同期引込み)が行わ
れる。同期用パターンの入力中はデジタルPLL回路2
2において同期引込みが行われ、(c)に示すように、一
定時間が経過した後に、デジタルPLL回路22の同期
引込みが完了し、デジタルPLL回路22からQ値制御
回路25に対して、(d)に示すように同期信号が出力さ
れる。同期信号を受けたQ値制御回路5は、(e)に示す
ように、デジタルPLL回路22のQ値を高く設定す
る。このことにより、安定した同期保持が行われるよう
になる。以上の処理により、入力デジタル信号のジッタ
やパターンの偏りに影響されにくい安定したクロック抽
出を行うことが可能となる。
【0026】ここで、デジタルPLL回路22について
説明する。デジタルPLL回路のQ値制御については、
例えば特開平3−97318号公報等に開示されている
ように周知の技術を用いることができるが、図3は、デ
ジタルPLL回路22として使用可能であって、Q値制
御が可能なデジタルPLL回路の構成の一例を示すブロ
ック図である。このデジタルPLL回路には、一般に1
チップの汎用IC(集積回路)として市販されている回
路を用いることができる。例えば「CD74EC297
B」(ハリス社製:HARRIS社製)では、そのQ値
をlCの外部から設定できるようになっている。なお図
3では、受信レベル信号に応じてデジタルPLL回路の
動作の制御を行うための機構は図示していないが、例え
ば、受信レベル信号が表す受信レベルが所定のしきい値
以下の場合には、PLL回路全体あるいは分周回路など
への電源の供給を停止するような回路を設ければよい。
【0027】このデジタルPLL回路は、その内部で使
用するクロックを発生する基準クロック発振回路31
と、入力デジタル信号(図1の受信回路21が出力する
デジタル信号)と抽出クロックとの位相を比較してその
差分を求めて位相誤差信号として出力する位相比較回路
32と、基準クロック発振回路31からのクロックをア
ップカウント/ダウンカウントとしカウント値が所定の
範囲を上回るごと及び下回るごとに制御信号を出力する
アップダウン(U/D)カウンタ33と、アップダウン
カウンタ33からの制御信号によって制御され、基準ク
ロック発振回路31からのクロックを分周する分周回路
34とを有している。分周回路34の出力が抽出クロッ
クであり、この抽出クロックは、デジタルPLL回路の
外部に供給されるとともに、上述したように位相比較回
路32に入力する。
【0028】アップダウンカウンタ33でのアップカウ
ント/ダウンカウントの切換えは、位相比較回路32か
らの位相誤差信号(図示、「アップダウン制御」)に応
じて行われる。また、アップダウンカウンタ33には、
Q値制御回路25(図1)からQ値制御信号が入力し、
Q値制御信号が低値か高値かによって、上述した所定の
範囲が変化する。
【0029】分周回路34では、基準クロック発生回路
24からのクロックを分周することにより、入力デジタ
ル信号と同一周波数の抽出クロックが発生する。この分
周動作時に、アップダウンカウンタ33から入力する制
御信号により、出力する抽出クロックの位相が変化させ
られ、具体的には、制御信号に応じて抽出クロックのパ
ルス数が±1されるようになっている。
【0030】以上のような構成を採用することにより、
デジタルPLL回路に入力するQ値制御信号が低値の場
合、アップダウンカウンタ33における所定の範囲が小
さくなって分周回路34への制御信号が頻繁に発生し、
抽出クロックの位相変化が発生しやすくなる。これによ
って、デジタルPLL回路1の同期引込みが容易とな
る。また、Q値制御信号が高値の場合には、アップダウ
ンカウンタ33における所定の範囲が大きくなって制御
信号の発生が抑制され、これによって抽出クロックの位
相変化が発生しにくくなり、デジタルPLL回路の同期
保持能力が向上する。
【0031】さらに、このデジタルPLL回路は、同期
検出(同期引込みの判定)を行って同期信号を発生する
ために、抽出クロックがD入力端子に入力し入力デジタ
ル信号がクロック(C)端子に入力するD型フリップフ
ロップ35と、D型フリップフロップ35のQ出力を入
力としてパルスを発生するパルス発生回路36とを備え
ており、パルス発生回路36の出力が同期信号としてデ
ジタルPLL回路の外部に出力される。
【0032】デジタルPLL回路の同期引込みが完了し
た時点では、入力デジタル信号と抽出クロックは、同一
の周波数で位相がずれた信号となる。このため、D型フ
リップフロップ35の出力であるQ端子は、L(ロー)
レベルまたはH(ハイ)レベルのいずれかに固定され
る。パルス発生回路36は、その入力信号(D型フリッ
プフロップ35の出力)のエッジを検出し、一定時間の
パルスを出力する回路である。パルス発生回路28は、
その入力がLレベルまたはHレベルに固定されている場
合は、パルスを出力しない(Lレベル固定)ため、この
状態を同期状態とする。
【0033】一方、デジタルPLL回路の同期引込みが
完了していない時点では、入力デジタル信号と抽出クロ
ックの位相は変化するため、D型フリップフロップ35
の出力は、LレベルとHレベルとの間で変化する。この
ため、パルス発生回路36の出力は、Hレベルとなり、
この状態を非同期状態とする。上述したように、D型フ
リップフロップ35及びパルス発生回路36により、デ
ジタルPLL回路の同期検出を行い、同期信号として出
力する。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、受信装置
での受信状況(信号対雑音比)に基づき必要最小限の同
期用パターン長を送信装置で設定できるようにすること
により、同期用パターンを最小化し、伝送情報に関する
容量の増大を実現できるとともに、クロック信号を迅速
かつ安定に抽出できるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の通信システムの構成を
示すブロック図である。
【図2】図1の通信システムの動作の一例を示すタイミ
ングチャートである。
【図3】デジタルPLL回路の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図4】従来のクロック抽出回路の一例を示すブロック
図である。
【図5】従来のクロック抽出回路の別の例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 送信装置 2 受信装置 3 回線 11 送信回路 12 同期用パターン設定回路 21 受信回路 22 デジタルPLL回路 23 波形整形回路 24 信号対雑音比測定回路 25 Q値制御回路 31 基準クロック発振回路 32 位相比較回路 33 アップダウン(U/D)カウンタ 34 分周回路 35 D型フリップフロップ 36 パルス発生回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信側から伝送されてきた伝送信号を受
    信して変換しデジタル信号として出力する受信回路と、
    前記デジタル信号から前記デジタル信号に同期したクロ
    ック信号を抽出するデジタルPLL回路とを有するクロ
    ック抽出回路において、 前記受信回路が前記伝送信号の受信レベルに応じた受信
    レベル信号を出力し、 前記デジタルPLL回路のQ値を制御するQ値制御手段
    と、 前記受信レベル信号に基づいて前記伝送信号における信
    号対雑音比を算出し、算出結果に基づいて前記Q値制御
    手段を制御するとともに、算出結果に基づく信号を前記
    送信側に送出する信号対雑音比測定手段と、を有するこ
    とを特徴とするクロック抽出回路。
  2. 【請求項2】 前記伝送信号が、伝送すべき伝送情報に
    基づいて変調された高周波信号である請求項1に記載の
    クロック抽出回路。
  3. 【請求項3】 前記受信レベル信号が前記デジタルPL
    L回路に入力し、前記受信レベルが所定のしきい値以下
    の場合には前記デジタルPLL回路におけるクロック抽
    出処理の動作が停止する、請求項1または2に記載のク
    ロック抽出回路。
  4. 【請求項4】 伝送情報を入力として前記伝送情報を伝
    送信号に変換して送出する送信装置と、前記伝送信号を
    受信して前記伝送情報を出力データとして取り出す受信
    装置とを有する通信システムであって、 前記送信装置が、ビットレベルでの同期を確立するため
    のパターンである同期用パターンを前記伝送情報に先立
    つように前記伝送情報に付加し該伝送情報を前記伝送信
    号に変換して送出する送信回路と、前記同期用パターン
    を設定する同期用パターン設定回路とを有し、 前記受信装置が、 前記伝送信号を受信して変換しデジタル信号として出力
    するとともに前記伝送信号の受信レベルに応じた受信レ
    ベル信号を出力する受信回路と、 前記デジタル信号から前記デジタル信号に同期したクロ
    ック信号を抽出するデジタルPLL回路と、 前記デジタルPLL回路のQ値を制御するQ値制御手段
    と、 前記受信レベル信号に基づいて前記伝送信号における信
    号対雑音比を算出し、算出結果に基づいて前記Q値制御
    手段を制御するとともに、算出結果に基づく信号を前記
    同期用パターン設定回路に向けて送出する信号対雑音比
    測定手段と、を有する、通信システム。
  5. 【請求項5】 前記同期用パターン設定回路が、前記信
    号対雑音比が相対的に大きい場合には前記同期用パター
    ンを相対的に短く設定し、前記信号対雑音比が相対的に
    小さい場合には前記同期用パターンを相対的に長く設定
    する、請求項4に記載の通信システム。
  6. 【請求項6】 前記伝送信号が、高周波信号である請求
    項4または5に記載の通信システム。
  7. 【請求項7】 前記受信レベル信号が前記デジタルPL
    L回路に入力し、前記受信レベルが所定のしきい値以下
    の場合には前記デジタルPLL回路におけるクロック抽
    出処理の動作が停止する、請求項4乃至6いずれか1項
    に記載の通信システム。
  8. 【請求項8】 伝送情報を入力として前記伝送情報を伝
    送信号に変換して受信側に送出する送信装置において、 ビットレベルでの同期を確立するためのパターンである
    同期用パターンを前記伝送情報に先立つように前記伝送
    情報に付加し該伝送情報を前記伝送信号に変換して送出
    する送信回路と、 前記同期用パターンを設定する同期用パターン設定回路
    とを有し、 前記受信側での信号対雑音比に対する情報を前記受信側
    から受け取り、前記信号対雑音比が相対的に大きい場合
    には前記同期用パターン設定回路が前記同期用パターン
    を相対的に短く設定し、前記信号対雑音比が相対的に小
    さい場合には前記同期用パターン設定回路が前記同期用
    パターンを相対的に長く設定することを特徴とする送信
    装置。
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WO2018016854A3 (ko) * 2016-07-19 2018-05-03 주식회사 지엠케이 비동기 디지털 통신 모듈

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