JPH11186784A - 電磁波シールド性光透過窓材 - Google Patents

電磁波シールド性光透過窓材

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Publication number
JPH11186784A
JPH11186784A JP35320697A JP35320697A JPH11186784A JP H11186784 A JPH11186784 A JP H11186784A JP 35320697 A JP35320697 A JP 35320697A JP 35320697 A JP35320697 A JP 35320697A JP H11186784 A JPH11186784 A JP H11186784A
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JP
Japan
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transparent
conductive
window material
electromagnetic wave
wave shielding
Prior art date
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Pending
Application number
JP35320697A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Yoshikawa
雅人 吉川
Yasuhiro Morimura
泰大 森村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Filing date
Publication date
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Priority to US09/207,151 priority patent/US6150754A/en
Priority to DE69826235T priority patent/DE69826235T2/de
Priority to EP98310323A priority patent/EP0930637B1/en
Publication of JPH11186784A publication Critical patent/JPH11186784A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モアレ現象を防止すると共に、光透過性、電
磁波シールド性、熱線(近赤外線)カット性がいずれも
極めて良好な電磁波シールド性光透過窓材とするため
に、透明導電性膜フィルムと導電性複合メッシュとを2
枚の透明基板間に介在させて積層した電磁波シールド性
光透過窓材であって、窓材の組み立て、筐体への組み込
みが容易で、筐体に対して、均一かつ低抵抗の導通を図
ることができる電磁波シールド性光透過窓材を提供す
る。 【解決手段】 透明導電性フィルム4を有する透明基板
2Bと透明基板2Aとを線径200μm以下の金属繊維
及び/又は金属被覆有機繊維と透明繊維とを混編みし
た、開口率75%以上の導電性複合メッシュ5を介して
接合一体化してなる電磁波シールド性光透過窓材1。透
明導電性フィルム4の縁部から透明基板2Bの端面を経
てその表面の縁部にまで達するように導電性粘着テープ
7Aを貼り付け、導電性複合メッシュ5のはみ出し縁部
を透明基板2B側に折り返して導電性粘着テープ7Bで
留め付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はPDP(プラズマデ
ィスプレーパネル)の前面フィルタ等として有用な電磁
波シールド性光透過窓材に係り、特に、OA機器等の筐
体に容易に組み込むことができ、しかも、筐体に対して
良好な導通を図ることができる電磁波シールド性光透過
窓材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器や通信機器等の普及にと
もない、これらの機器から発生する電磁波が問題視され
るようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸
念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題
となっている。
【0003】そこで、従来、OA機器のPDPの前面フ
ィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性
の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓
材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護する
ために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材とし
ても利用されている。
【0004】従来の電磁波シールド性光透過窓材は、主
に、金網のような導電性メッシュ材又は透明導電性フィ
ルムをアクリル板等の透明基板の間に介在させて一体化
した構成とされている。
【0005】このような電磁波シールド性光透過窓材を
PDP等に組み込んで良好な電磁波シールド性を得るた
めには、電磁波シールド性光透過窓材とこれを組み込む
筐体との間、即ち、電磁波シールド性光透過窓材の導電
性メッシュと筐体の導電面との間に均一な導通を図る必
要がある。
【0006】従来、簡易な構造で電磁波シールド性光透
過窓材と筐体との導通を図るものとして、2枚の透明基
板間に介在させた導電性メッシュの周縁部を透明基板周
縁部からはみ出させ、このはみ出し部分を一方の透明基
板の表面側に折り曲げ、この折り曲げた導電性メッシュ
の周縁部を筐体との導通部とし、筐体側に圧接するよう
にしたものが提案されている(特開平9−147752
号公報)。
【0007】ところで、従来、金属箔の一方の面に導電
性粒子を分散させた接着剤層を設けた導電性接着テープ
が、各種電気機器の組み立てに当り、導通部ないし電極
取り出し部の形成等に用いられている。従来の導電性接
着テープの接着剤層は、一般にエポキシ系又はフェノー
ル系樹脂と硬化剤を主成分とする接着剤に導電性粒子を
分散させたもので構成され、特に、利便性等の点から接
着剤としては1液型の熱硬化型のものが主流になってき
ているが、エポキシ系又はフェノール系樹脂を接着剤と
する導電性接着テープでは、 粘着性が殆どなく、仮り止め等を行い難い。また、
貼り直しがきかない。このため、修整作業が殆ど不可能
である。 特に、フェノール樹脂では、耐湿・耐熱性が悪く、
長期耐久性に劣る。 特に、エポキシ系樹脂では、硬化のための加熱温度
が150℃以上と高く、接着が容易ではない。 接着強度が十分でない。 といった欠点があった。
【0008】このような導電性接着テープの代わりに導
電性粘着テープを用いることも考えられるが、従来の導
電性粘着テープは粘着層の厚みが大きく、また付着力が
弱く剥れ易いという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来用いられている導
電性メッシュは、一般に、メッシュを構成する導電性繊
維の線径が太いものは目が粗く、線径が細くなると目が
細かくなっている。これは線径の太い繊維であれば、目
の粗いメッシュとすることは可能であるが、線径の細い
繊維で目の粗いメッシュを形成することは非常に困難で
あることによる。
【0010】このため、このような導電性メッシュを用
いた従来の電磁波シールド性光透過窓材では、光透過率
の良いものでも、高々70%程度であり、良好な光透過
性を得ることができないという欠点があった。
【0011】また、従来の導電性メッシュでは、電磁波
シールド性光透過窓材を取り付ける発光パネルの画素ピ
ッチとの関係で、モアレ(干渉縞)が発生し易いという
問題もあった。
【0012】このような導電性メッシュと、透明導電性
フィルムとを併用することで光透過性と電磁波シールド
性とを両立させることが考えられるが、透明導電性フィ
ルムは、筐体との導通をとることが容易ではないという
不具合がある。
【0013】即ち、導電性メッシュであれば、上述の如
く、導電性メッシュの周縁部を透明基板周縁部からはみ
出させ、このはみ出し部分を折り曲げ、この折り曲げた
部分から筐体との導通を図ることができるが、透明導電
性フィルムでは、その周縁部を透明基板周縁部からはみ
出させて折り曲げると、この折り目部分でフィルムが裂
けてしまい、筐体との導通をとることができない。
【0014】また、透明導電性フィルムの代りに、一方
の透明基板の接着面に透明導電性膜を直接成膜すること
も考えられるが、この場合には、透明導電性膜が他方の
透明基板で覆われてしまい、透明導電性膜から筐体への
導通を図ることができない。
【0015】従って、透明導電性膜フィルムを用いる場
合には、例えば、透明基板に貫通孔を形成して透明導電
性フィルムとの導通路を設けるなどの設計変更が必要と
なり、電磁波シールド性光透過窓材の組み立てや筐体へ
の組み込み作業が複雑となる。
【0016】本発明は上記従来の問題点を解決し、モア
レ現象を防止すると共に、光透過性、電磁波シールド
性、熱線(近赤外線)カット性がいずれも極めて良好な
電磁波シールド性光透過窓材とするために、透明導電性
膜フィルムと導電性メッシュとを2枚の透明基板間に介
在させて積層した電磁波シールド性光透過窓材であっ
て、窓材の組み立て、筐体への組み込みが容易で、筐体
に対して、均一かつ低抵抗の導通を図ることができる電
磁波シールド性光透過窓材を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁波シールド
性光透過窓材は、第1の透明基板と、一方の板面に透明
導電性膜を有する第2の透明基板とを、該透明導電性膜
が接合面側となるように導電性メッシュを介在させて透
明接着剤により接合一体化してなる電磁波シールド性光
透過窓材であって、該導電性メッシュは、線径200μ
m以下の金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維と透明繊
維とを混編みしてなる、開口率75%以上の導電性複合
メッシュであり、該透明導電性膜の縁部から該第2の透
明基板の端面を経て該第2の透明基板の他方の板面の縁
部にまで達するように導電性粘着テープ(第1の導電性
粘着テープ)を貼り付け、該導電性メッシュの縁部を該
第1及び第2の透明基板の縁部からはみ出させ、該第2
の透明基板の縁部に沿って折り返して留め付けたことを
特徴とする。
【0018】本発明の電磁波シールド性光透過窓材で
は、2枚の透明基板の間に導電性複合メッシュと透明導
電性膜とが介在するため、モアレ現象を防止して良好な
光透過性、電磁波シールド性、熱線(近赤外)カット性
を得ることができる。即ち、本発明では、線径200μ
m以下の金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維と、透明
繊維とを混編みした導電性複合メッシュを用いるため、
透明繊維の介在で金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維
で形成される格子の開口率を大きくしてもメッシュ形状
を維持することが可能となる。このため、金属繊維及び
/又は金属被覆有機繊維間隔を大きくして光透過性を高
めるとともに、モアレ現象を防止することができる。そ
して、モアレ現象のない高光透過性の設計とした導電性
複合メッシュで不足する電磁波シールド性を透明導電性
膜で補うことにより、高い電磁波シールド性、熱線(近
赤外)カット性を得ることができる。
【0019】本発明ではまた、導電性複合メッシュを透
明接着剤を用いて透明基板間に接合一体化することによ
ってもメッシュのズレを防止できる。
【0020】なお、導電性複合メッシュに用いる透明繊
維の屈折率と、透明接着剤の屈折率が大きく異なると、
透明繊維と透明接着剤との間で反射が生じ、画像が乱れ
るため、透明繊維の屈折率は透明接着剤の屈折率に対し
て±0.15以下、特に±0.05以下の差とするのが
好ましい。
【0021】本発明によれば、透明導電性膜の縁部に第
1の導電性粘着テープを貼り、この第1の導電性粘着テ
ープと導電性複合メッシュの縁部とを第2の透明基板の
端面を回り込ませることにより、窓材の設計変更を行う
ことなく、容易に導通部を引き出すことができる。この
ため、電磁波シールド性光透過窓材を容易に組み立てる
ことができ、また、筐体に容易に組み込むことができる
ようになり、導電性粘着テープを介して電磁波シールド
性光透過窓材の透明導電性膜及び導電性複合メッシュと
筐体との間に良好な導通を得ることができる。
【0022】本発明では、第1の導電性粘着テープとは
別に、更に、第1及び第2の透明基板の端面から、第1
の透明基板の表面の縁部と第2の透明基板の表面の縁部
とに回り込んで第2の導電性粘着テープを貼り付けるの
が好ましく、これにより、電磁波シールド性光透過窓材
の接合強度が向上して、取り扱い性が良くなり、より一
層筐体への組み込みが容易になると共に、均一かつ安定
な導通を図ることができるようになる。
【0023】ところで、従来の導電性接着テープでは、
前述の如く、仮り止め、貼り直しができないために作業
性が悪く、接着部の耐久性や接着強度が十分でないとい
った不具合が生じる。
【0024】そこで、導電性粘着テープとしては特に架
橋型導電性粘着テープを用いるのが好ましい。
【0025】この架橋型導電性粘着テープ、特に、エチ
レン−酢酸ビニル系共重合体とその架橋剤を含む後架橋
型接着層よりなる粘着層を有する架橋型導電性粘着テー
プであれば、次のような特長を有し、効率的な組み立て
を行える。
【0026】(i) 優れた粘着性を有し、被貼着対象に
容易に、かつ適度な粘着力で仮り止めすることができ
る。 (ii) 架橋前の粘着力は仮り止めには十分であるが、さ
ほど強くないため、貼り直しが可能であり、修整作業を
容易に行える。 (iii) 架橋硬化させた後の接着力は極めて強固であるた
め、高い接着強度を得ることができる。 (iv) 耐湿・耐熱性が高く、長期耐久性に優れる。 (v) 熱架橋の場合でも、一般に、130℃以下の温度
で架橋硬化可能であり、また、光架橋性とすることもで
き、比較的低温で架橋硬化できるため、接着作業が容易
である。
【0027】本発明において、透明接着剤としてはエチ
レン−酢酸ビニル系共重合体樹脂を主成分とし、架橋剤
を含有する熱架橋型接着剤樹脂が好ましい。
【0028】なお、本発明の電磁波シールド性光透過窓
材は、透明基板間に導電性複合メッシュを介在させて透
明接着剤で接合一体化したものであるため、破損時の飛
散防止効果が得られ、安全性が高い。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の電
磁波シールド性光透過窓材の実施の形態を詳細に説明す
る。
【0030】図1(a)は本発明の電磁波シールド性光
透過窓材の実施の形態を示す模式的な断面図であり、図
1(b)は架橋型導電性粘着テープを貼り付けた透明導
電性フィルムを示す平面図である。図2は本発明に係る
導電性複合メッシュの繊維を拡大して示す模式図であ
る。
【0031】この電磁波シールド性光透過窓材1は、透
明基板(第1の透明基板)2Aと、一方の板面に透明導
電性フィルム4を接着用樹脂フィルム3Cで接着した透
明基板(第2の透明基板)2Bとを、導電性複合メッシ
ュ5を介して接着用樹脂フィルム3A,3Bを用いて、
接着一体化したものであり、透明基板2Bの透明導電性
フィルム4の4側辺の縁部から当該透明基板2Bの端面
を経て他方の板面の縁部にまで達するように、第1の架
橋型導電性粘着テープ7Aを貼り付けてある。本発明で
は、透明基板2A,2Bの周縁部からはみ出した導電性
複合メッシュ5の周縁部をこの架橋型導電性粘着テープ
7Aを貼り付けた透明基板2Bの周縁に沿って折り込ま
せ、更に、透明基板2A,2B及び導電性複合メッシュ
5、透明導電性フィルム4の積層体の全周において、端
面の全体に付着すると共に、この積層体の表裏の角縁を
回り込み、一方の透明基板2Aの表面の端縁部と他方の
透明基板2Bの表面の端縁部の双方に付着するように、
更に第2の架橋型導電性粘着テープ7Bが設けられてい
る。
【0032】本発明で用いる架橋型導電性粘着テープ7
A,7Bとしては、図示の如く、金属箔7aの一方の面
に、導電性粒子を分散させた粘着層7bを設けたもので
あって、この粘着層7bが、エチレン−酢酸ビニル系共
重合体を主成分とするポリマーとその架橋剤とを含む後
架橋型接着層であるものが好ましい。
【0033】粘着層7bに分散させる導電性粒子として
は、電気的に良好な導体であれば良く、種々のものを使
用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金
属粉体、このような金属で被覆された樹脂又はセラミッ
ク粉体等を使用することができる。また、その形状につ
いても特に制限はなく、りん片状、樹枝状、粒状、ペレ
ット状等の任意の形状をとることができる。
【0034】この導電性粒子の配合量は、粘着層7bを
構成する後述のポリマーに対し0.1〜15容量%であ
ることが好ましく、また、その平均粒径は0.1〜10
0μmであることが好ましい。このように、配合量及び
粒径を規定することにより、導電性粒子の凝縮を防止し
て、良好な導電性を得ることができるようになる。
【0035】粘着層7bを構成するポリマーは、下記
(I)〜(III )から選ばれる、エチレン−酢酸ビニル
系共重合体を主成分とし、メルトインデックス(MF
R)が1〜3000、特に1〜1000、とりわけ1〜
800であるものが好ましい。
【0036】このようにMFRが1〜3000で、かつ
酢酸ビニル含有率が2〜80重量%の下記(I)〜(II
I )の共重合体を使用することにより、架橋前の粘着性
が上がり、作業性が向上すると共に、架橋後の硬化物は
3次元架橋密度が高くなり、強固な接着力を発現し、耐
湿・耐熱性も向上する。
【0037】(I)酢酸ビニル含有率が20〜80重量
%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体 (II)酢酸ビニル含有率が20〜80重量%であり、ア
クリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーの含
有率が0.01〜10重量%であるエチレンと酢酸ビニ
ルとアクリレート系及び/又はメタクリレート系モノマ
ーとの共重合体 (III)酢酸ビニル含有率が20〜80重量%であり、
マレイン酸及び/又は無水マレイン酸の含有率が0.0
1〜10重量%であるエチレンと酢酸ビニルとマレイン
酸及び/又は無水マレイン酸との共重合体 上記(I)〜(III)のエチレン−酢酸ビニル系共重合
体において、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニ
ル含有率は20〜80重量%であり、好ましくは20〜
60重量%である。酢酸ビニル含有率が20重量%より
低いと高温時に架橋硬化させる場合に十分な架橋度が得
られず、一方、80重量%を超えると、(I),(II)
のエチレン−酢酸ビニル系共重合体では樹脂の軟化温度
が低くなり、貯蔵が困難となり、実用上問題であり、
(III )のエチレン−酢酸ビニル系共重合体では接着層
強度や耐久性が著しく低下してしまう傾向がある。
【0038】また、(II)のエチレンと酢酸ビニルとア
クリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーとの
共重合体において、アクリレート系及び/又はメタクリ
レート系モノマーの含有率は0.01〜10重量%であ
り、好ましくは0.05〜5重量%である。このモノマ
ーの含有率が0.01重量%より低いと接着力の改善効
果が低下し、一方、10重量%を超えると加工性が低下
してしまう場合がある。なお、アクリレート系及び/又
はメタクリレート系モノマーとしては、アクリル酸エス
テル又はメタクリル酸エステル系モノマーの中から選ば
れるモノマーが挙げられ、アクリル酸又はメタクリル酸
と炭素数1〜20、特に〜18の非置換又はエポキシ基
等の置換基を有する置換脂肪族アルコールとのエステル
が好ましく、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸グリシジル等が挙げられる。
【0039】また、(III)のエチレンと酢酸ビニルと
マレイン酸及び/又は無水マレイン酸との共重合体にお
いて、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸の含有率は
0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05〜5
重量%である。この含有率が0.01重量%より低いと
接着力の改善効果が低下し、一方、10重量%を超える
と加工性が低下してしまう場合がある。
【0040】本発明に係るポリマーは、上記(I)〜
(III)のエチレン−酢酸ビニル系共重合体を40重量
%以上、特に60重量%以上含むこと、とりわけ上記
(I)〜(III)のエチレン−酢酸ビニル系共重合体の
みから構成されることが好ましい。ポリマーがエチレン
−酢酸ビニル系共重合体以外のポリマーを含む場合、エ
チレン−酢酸ビニル系共重合体以外のポリマーとして
は、主鎖中に20モル%以上のエチレン及び/又はプロ
ピレンを含有するオレフィン系ポリマー、ポリ塩化ビニ
ル、アセタール樹脂等が挙げられる。
【0041】このポリマーの架橋剤としては、熱硬化型
接着層を形成するためには熱架橋剤としての有機過酸化
物が、また、光硬化型接着層を形成するためには光架橋
剤としての光増感剤を用いることができる。
【0042】ここで、有機過酸化物としては、70℃以
上の温度で分解してラジカルを発生するものであればい
ずれも使用可能であるが、半減期10時間の分解温度が
50℃以上のものが好ましく、粘着剤の塗工温度、調製
条件、貯蔵安定性、硬化(接着)温度、被貼着対象の耐
熱性等を考慮して選択される。
【0043】使用可能な有機過酸化物としては、例えば
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,
4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシアセテート、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキ
シベンゾエート、ブチルハイドロパーオキサイド、p−
メンタンハイドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイ
ルパーオキサイド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイ
ド、クロロヘキサノンパーオキサイド、オクタノイルパ
ーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、サク
シニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、t−ブチルバーオキシ(2−エチルヘキサノエー
ト)、m−トルオイルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシイソブチレート、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイド等が挙げられる。有機過酸化物としては、
これらのうちの少なくとも1種が単独で又は混合して用
いられ、通常前記ポリマーに対し0.1〜10重量%が
添加される。
【0044】一方、光増感剤(光重合開始剤)として
は、ラジカル光重合開始剤が好適に用いられる。ラジカ
ル光重合開始剤のうち、水素引き抜き型開始剤としては
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−
ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イ
ソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、
4−(ジエチルアミノ)安息香酸エチル等が使用可能で
ある。また、ラジカル光重合開始剤のうち、分子内開裂
型開始剤として、ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロ
ピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロ
キシアルキルフェノン型として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニル
グリオキシレート、ジエトキシアセトフェノンが、ま
た、α−アミノアルキルフェノン型として、2−メチル
−1− [4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォ
リノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミ
ノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1
が、またアシルフォスフィンオキサイド等が用いられ
る。光増感剤としては、これらのうちの少なくとも1種
が単独で又は混合して用いられ、通常前記ポリマーに対
し0.1〜10重量%が添加される。
【0045】本発明に係る粘着層は、接着促進剤として
シランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカ
ップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン等の1種又は2種
以上の混合物が用いられる。これらのシランカップリン
グ剤は、前記ポリマーに対し、通常0.01〜5重量%
程度用いられる。
【0046】更に接着促進剤としてはエポキシ基含有化
合物を配合しても良く、この場合、エポキシ基含有化合
物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチル
ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエー
テル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、p−
t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジ
グリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、
グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテル
等が挙げられる。また、エポキシ基を含有するポリマー
をアロイ化することによっても同様の効果を得ることが
できる。これらのエポキシ基含有化合物は、1種又は2
種以上の混合物として、前記ポリマーに対し、通常0.
1〜20重量%程度用いられる。
【0047】粘着層ないし接着層の物性(機械的強度、
接着性、光学的特性、耐熱性、耐湿性、耐候性、架橋速
度等)の改良や調節のために、粘着層には、アクリロキ
シ基、メタクリロキシ基又はアリル基を有する化合物を
配合することもできる。
【0048】この目的で用いられる化合物としては、ア
クリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステル
及びアミドが最も一般的であり、エステル残基としては
メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリルのよ
うなアルキル基のほかに、シクロヘキシル基、テトラヒ
ドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエ
チル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。また、エチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコール
とのエステルも同様に用いられる。アミドとしては、ダ
イアセトンアクリルアミドが代表的である。多官能架橋
助剤としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、グリセリン等のアクリル酸又はメタクリル酸
エステル、アリル基を有する化合物としては、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル
酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリ
ル等が挙げられる。これらの化合物は1種又は2種以上
の混合物として、前記ポリマーに対し、通常0.1〜5
0重量%、好ましくは0.5〜30重量%添加使用され
る。この添加量が50重量%を超えると粘着剤の調製時
の作業性や塗工性を低下させることがある。
【0049】更に、加工性や貼り合わせ等の向上の目的
で炭化水素樹脂を粘着層中に添加することができる。こ
の場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、合成樹
脂系のいずれでもよい。天然樹脂系としてはロジン、ロ
ジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジ
ンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用
いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれ
ぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金属塩化し
たものを用いることができる。テルペン系樹脂としては
α−ピネン、β−ピネン等のテルペン系樹脂の他、テル
ペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その
他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェラックを
用いてもよい。一方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェ
ノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石
油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂
環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、
純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂を用いる
ことができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノー
ル樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キ
シレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用
いることができる。これら炭化水素樹脂の添加量は適宜
選択されるが、ポリマーに対して1〜200重量%が好
ましく、更に好ましくは5〜150重量%である。
【0050】以上の添加剤のほか、本発明においては、
老化防止剤、紫外線吸収剤、染料、加工助剤等を本発明
の目的に支承をきたさない範囲で粘着層中に配合しても
よい。
【0051】本発明の架橋型導電性粘着テープ7A、7
Bの基材となる金属箔7aとしては、銅、銀、ニッケ
ル、アルミニウム、ステンレス等の箔を用いることがで
き、その厚さは通常の場合、1〜100μm程度とされ
る。
【0052】粘着層7bは、この金属箔7aに、前記エ
チレン−酢酸ビニル系共重合体、架橋剤及び必要に応じ
てその他の添加剤と導電性粒子とを所定の割合で均一に
混合したものをロールコーター、ダイコーター、ナイフ
コーター、マイカバーコーター、フローコーター、スプ
レーコーター等により塗工することにより容易に形成す
ることができる。
【0053】この粘着層7bの厚さは通常の場合5〜1
00μm程度とされる。
【0054】本発明において、透明基板2A,2Bの構
成材料としては、ガラス、ポリエステル、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、アクリ
ル板、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリ
アセテートフィルム、ポリビニルアルコール、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イ
オン架橋エチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリウレ
タン、セロファン等、好ましくは、ガラス、PET、P
C、PMMAが挙げられる。
【0055】透明基板2A,2Bの厚さは得られる窓材
の用途による要求特性(例えば、強度、軽量性)等によ
って適宜決定されるが、通常の場合、0.1〜10mm
の範囲とされる。
【0056】透明基板2A,2Bは、必ずしも同材質で
ある必要はなく、例えば、PDP前面フィルタのよう
に、表面側のみに耐傷付性や耐久性等が要求される場合
には、この表面側となる透明基板2Aを厚さ0.1〜1
0mm程度のガラス板とし、裏面側(電磁波発生源側)
の透明基板2Bを厚さ1μm〜10mm程度のPETフ
ィルム又はPET板、アクリルフィルム又はアクリル
板、ポリカーボネートフィルム又はポリカーボネート板
等とすることもできる。
【0057】本実施例の電磁波シールド性光透過窓材1
では、裏面側となる透明基板2Bの周縁部にアクリル樹
脂をベースとする黒枠塗装6が設けられている。
【0058】また、本実施例の電磁波シールド性光透過
窓材1では、表面側となる透明基板2Aの表面に反射防
止膜8が形成されている。この透明基板2Aの表面側に
形成される反射防止膜8としては、下記(1)の単層
膜、或いは、高屈折率透明膜と低屈折率透明膜との積層
膜、例えば、下記(2)〜(5)のような積層構造の積
層膜が挙げられる。
【0059】(1) 透明基板よりも屈折率の低い透明
膜を一層積層したもの (2) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を1層ずつ合
計2層に積層したもの (3) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を2層ずつ交
互に合計4層積層したもの (4) 中屈折率透明膜/高屈折率透明膜/低屈折率透
明膜の順で1層ずつ、合計3層に積層したもの (5) 高屈折率透明膜/低屈折率透明膜の順で各層を
交互に3層ずつ、合計6層に積層したもの 高屈折率透明膜としては、ITO(スズインジウム酸化
物)又はZnO、AlをドープしたZnO、TiO2
SnO2、ZrO等の屈折率1.8以上の薄膜、好まし
くは透明導電性の薄膜を形成することができる。また、
低屈折率透明膜としてはSiO2、MgF2、Al23
の屈折率が1.6以下の低屈折率材料よりなる薄膜を形
成することができる。これらの膜厚は光の干渉で可視光
領域での反射率を下げるため、膜構成、膜種、中心波長
により異なってくるが4層構造の場合、透明基板側の第
1層(高屈折率透明膜)が5〜50nm、第2層(低屈
折率透明膜)が5〜50nm、第3層(高屈折率透明
膜)が50〜100nm、第4層(低屈折率透明膜)が
50〜150nm程度の膜厚で形成される。
【0060】また、このような反射防止膜8の上に更に
汚染防止膜を形成して、表面の耐汚染性を高めるように
しても良い。この場合、汚染防止膜としては、フッ素系
薄膜、シリコン系薄膜等よりなる膜厚1〜1000nm
程度の薄膜が好ましい。
【0061】本発明の電磁波シールド性光透過窓材で
は、表面側となる透明基板2Aには、更に、シリコン系
材料等によるハードコート処理、或いはハードコート層
内に光散乱材料を練り込んだアンチグレア加工等を施し
ても良い。また、裏面側となる透明基板2Bには、金属
薄膜又は透明導電性膜等の熱線反射コート等を施して機
能性を高めることができる。透明導電性膜は表面側の透
明基板2Aに形成することもできる。
【0062】透明基板2Bに接着する透明導電性フィル
ム4としては、導電性粒子を分散させた樹脂フィルムを
用いることができ、この導電性粒子としては、導電性を
有するものであれば良く特に制限はないが、例えば、次
のようなものが挙げられる。
【0063】(i) カーボン粒子ないし粉末 (ii) ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウ
ム、すず、カドミウム、銀、プラチナ、アルミ、銅、チ
タン、コバルト、鉛等の金属又は合金或いはこれらの導
電性酸化物の粒子ないし粉末 (iii) ポリスチレン、ポリエチレン等のプラスチック粒
子の表面に上記(i), (ii) の導電性材料のコーティング
層を形成したもの これらの導電性粒子の粒径は、過度に大きいと光透過性
や透明導電性フィルム4の厚さに影響を及ぼすことか
ら、0.5mm以下であることが好ましい。好ましい導
電性粒子の粒径は0.01〜0.5mmである。
【0064】また、透明導電性フィルム4中の導電性粒
子の混合割合は、過度に多いと光透過性が損なわれ、過
度に少ないと電磁波シールド性が不足するため、透明導
電性フィルム4の樹脂に対する重量割合で0.1〜50
重量%、特に0.1〜20重量%、とりわけ0.5〜2
0重量%程度とするのが好ましい。
【0065】導電性粒子の色、光沢は、目的に応じ適宜
選択されるが、ディスプレーフィルタの場合は、黒、茶
等の暗色で無光沢のものが好ましい。この場合は、導電
性粒子がフィルタの光線透過率を適度に調整すること
で、画面が見やすくなるという効果もある。
【0066】なお、透明導電性フィルムのマトリックス
樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメ
チルメタクリレート(PMMA)、アクリル板、ポリカ
ーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテートフ
ィルム、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチ
レン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファ
ン等、好ましくは、PET、PC、PMMAが挙げられ
る。
【0067】このような透明導電性フィルム4の厚さ
は、電磁波シールド性光透過窓材の用途等によっても異
なるが、通常の場合1μm〜5mm程度とされる。この
透明導電性フィルム4の導電性層の厚さが0.01μm
未満では、電磁波シールドのための導電性層の厚さが薄
過ぎ、十分な電磁波シールド性を得ることができず、5
μmを超えると光透過性が損なわれる恐れがある。
【0068】本発明においては、このような透明基板2
A,2Bに介在させる導電性複合メッシュ5として、線
径200μm以下の金属繊維及び/又は金属被覆有機繊
維と、透明繊維とを混編みしたものを用いる。
【0069】この導電性複合メッシュにおいて、金属繊
維及び金属被覆有機繊維の線径が200μmを超えると
光透過率の低減やモアレの発生を引き起こす。しかし、
線径が過度に小さいと、メッシュ形状を維持することが
難しく、また、電磁波シールド性が低下してくるため、
特に線径は10〜200μmであることが好ましい。
【0070】本発明では、このような細径の金属繊維及
び/又は金属被覆有機繊維と、透明繊維とを混編みし、
金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維間に透明繊維を介
在させることでメッシュ形状を維持した上で、細径の金
属繊維及び/又は金属被覆有機繊維で形成される格子間
隔を大きくし、これにより光透過性を高めると共にモア
レ現象を防止する。
【0071】本発明に係る導電性複合メッシュにおい
て、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維が過度に多
く、透明繊維が少ないと、透明繊維を用いたことによる
効果が十分に得られず、逆に、透明繊維が過度に多く、
金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維が少ないと電磁波
シールド性が低下する。従って、金属繊維及び/又は金
属被覆有機繊維と透明繊維との割合は、金属繊維及び/
又は金属被覆有機繊維:透明繊維=1:1〜10(繊維
本数比)とするのが好ましい。
【0072】従って、導電性複合メッシュは、このよう
な割合で、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維と透明
繊維とが均一に分散するようにこれらを織り込んで製造
される。
【0073】例えば、図2において、次のような繊維配
置の導電性複合メッシュ5とすることができる。
【0074】a1,a2,a3…,am、とb1,b2
3,…,bn、の繊維の中でmが(k+1)[kは0以
上の整数]で、nが(l+1)[lは0以上の整数]で割
り切れる位置に金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維、
その他の位置に透明繊維(例えばm=1,5,9,1
3,…が金属系繊維、m=2,3,4,6,7,8,1
0,11,12,14,…が透明繊維) 本発明で用いる導電性複合メッシュは、このように透明
繊維を介在させることにより、金属繊維及び/又は金属
被覆有機繊維で形成される格子の開口率を75%以上の
目の粗いものとすることで光透過性の向上及びモアレ現
象の防止を図る。なお、本発明において、開口率とはメ
ッシュの線径と1インチ巾に存在する繊維数から計算で
求めたものである。ただし、この金属繊維及び/又は金
属被覆有機繊維の間隔が過度に大きいと、電磁波シール
ド性が低下するため、金属繊維及び/又は金属被覆有機
繊維で形成される格子のメッシュは線径が10μm程度
の場合300メッシュ以下、20μm程度の場合165
メッシュ以下、30μm程度の場合100メッシュ以
下、40μm程度の場合80メッシュ以下、50μm程
度の場合60メッシュ以下、100μm程度の場合30
メッシュ以下、200μm程度の場合15メッシュ以下
であることが好ましい。
【0075】なお、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊
維と透明繊維で形成される導電性複合メッシュの目開き
は5〜1000メッシュであることが好ましい。
【0076】本発明に係る導電性複合メッシュを構成す
る金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属としては、銅、
ステンレス、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタ
ン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、炭素或いはこれら
の合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用
いられる。
【0077】また、金属被覆有機繊維の有機材料及び透
明繊維の材料としては、ポリエステル、ナイロン、塩化
ビニリデン、アラミド、ビニロン、セルロース等が用い
られる。
【0078】本実施例においては、特に、導電性複合メ
ッシュ5の縁部を折り返すことから、靱姓の高い金属被
覆有機繊維と透明繊維よりなる導電性複合メッシュを用
いるのが好ましい。
【0079】ところで、導電性複合メッシュ5の透明繊
維の屈折率が接着用樹脂フィルムの屈折率と異なると、
透明繊維と接着用樹脂フィルムとの間で反射が生じ、画
像が乱れることから、透明繊維の屈折率は接着用樹脂フ
ィルムの透明接着剤の屈折率に対して±0.15以下、
特に±0.05以下の差で、屈折率がほぼ同等のものを
用いるのが好ましい。
【0080】従って、透明繊維としては、用いる透明接
着剤によっても異なるが、後述のEVA(屈折率:1.
47〜1.50)やPVB(屈折率:1.47〜1.4
8)を接着剤とする場合には、ポリトリフルオロエチル
アクリレート(屈折率:1.41)等のフッ素置換アク
リル系繊維、ポリオキシエチレン(屈折率:1.46)
等のポリエーテル系繊維、ポリブチルアクリレート(屈
折率:1.46)等のアクリル系繊維、EVA系繊維、
PVB系繊維、セルロース(屈折率:1.54)系繊
維、ポリプロピレン(屈折率:1.47)系繊維、ポリ
ビニルアセタール(屈折率:1.48〜1.50)系繊
維、ポリビニルアルコール(屈折率:1.49〜1.5
3)系繊維、ポリウレタン(屈折率:1.50)系繊
維、ポリ(1,2−ブタジエン)(屈折率:1.50)
系繊維、ポリエチレン(屈折率:1.51)系繊維、ポ
リ塩化ビニル(屈折率:1.52)系繊維、ポリアクリ
ロニトリル(屈折率:1.52)系繊維、NBR(屈折
率:1.52)系繊維、ポリアミド(6ナイロン、又は
6,6ナイロン)(屈折率:1.53)系繊維、ポリス
チレン(屈折率:1.59)系繊維、ポリエステル(ポ
リエチレンテレフタレート)(屈折率:1.63)系繊
維等が好適である。又、特に有機繊維に限定する必要は
なく、例えばガラスのような透明無機繊維でも用いるこ
とができる。
【0081】なお、透明繊維の線径はメッシュ形状の維
持等の面から10〜500μm程度とするのが好まし
い。
【0082】本発明において、透明基板2A,2Bを導
電性複合メッシュ5及び透明導電性フィルム4を介して
接着する接着樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共
重合体、カルボキシルエチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合
体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重
合体等のエチレン系共重合体が挙げられる(なお、
「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を
示す。)。その他、ポリビニルブチラール(PVB)樹
脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シ
リコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等も用い
ることができるが、性能面で最もバランスがとれ、使い
易いのはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)であ
る。また、耐衝撃性、耐貫通性、接着性、透明性等の点
から自動車用合せガラスで用いられているPVB樹脂も
好適である。
【0083】PVB樹脂は、ポリビニルアセタール単位
が70〜95重量%、ポリ酢酸ビニル単位が1〜15重
量%で、平均重合度が200〜3000、好ましくは3
00〜2500であるものが好ましく、PVB樹脂は可
塑剤を含む樹脂組成物として使用される。
【0084】PVB樹脂組成物の可塑剤としては、一塩
基酸エステル、多塩基酸エステル等の有機系可塑剤や燐
酸系可塑剤が挙げられる。
【0085】一塩基酸エステルとしては、酪酸、イソ酪
酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、n−オ
クチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−
ノニル酸)、デシル酸等の有機酸とトリエチレングリコ
ールとの反応によって得られるエステルが好ましく、よ
り好ましくは、トリエチレン−ジ−2−エチルブチレー
ト、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエ
ート、トリエチレングリコール−ジ−カプロネート、ト
リエチレングリコール−ジ−n−オクトエート等であ
る。なお、上記有機酸とテトラエチレングリコール又は
トリプロピレングリコールとのエステルも使用可能であ
る。
【0086】多塩基酸エステル系可塑剤としては、例え
ば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸
と炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルコールとのエス
テルが好ましく、より好ましくは、ジブチルセバケー
ト、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジ
ペート等が挙げられる。
【0087】燐酸系可塑剤としては、トリブトキシエチ
ルフォスフェート、イソデシルフェニルフォスフェー
ト、トリイソプロピルフォスフェート等が挙げられる。
【0088】PVB樹脂組成物において、可塑剤の量が
少ないと製膜性が低下し、多いと耐熱時の耐久性等が損
なわれるため、ポリビニルブチラール樹脂100重量部
に対して可塑剤を5〜50重量部、好ましくは10〜4
0重量部とする。
【0089】PVB樹脂組成物には、更に劣化防止のた
めに、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤が
添加されていても良い。
【0090】以下に、樹脂としてEVAを用いた場合を
例示して本発明に係る接着層についてより詳細に説明す
る。
【0091】EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜5
0重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用さ
れる。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと耐候性
及び透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械
的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィ
ルム相互のブロッキングが生ずる。
【0092】架橋剤としては加熱架橋する場合は、有機
過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯
蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物と
しては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジーt−ブ
チルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイ
ド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;
n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バ
レレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオ
キシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブ
チルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5
−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1
−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサ
イド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオ
キシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイ
ド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロル
ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソ
ブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロ
ルヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。これら
の過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通
常EVA100重量部に対して、10重量部以下、好ま
しくは0.1〜10重量部の割合で使用される。
【0093】有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、
ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニ
ルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法によ
り添加しても良い。
【0094】なお、EVAの物性(機械的強度、光学的
特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良
のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及
びアリル基含有化合物を添加することができる。この目
的で用いられる化合物としてはアクリル酸又はメタクリ
ル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般
的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデ
シル、ステアリル、ラウリル等のアルキル基の他、シク
ロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピ
ル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙
げられる。また、エチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールと
のエステルを用いることもできる。アミドとしてはダイ
アセトンアクリルアミドが代表的である。
【0095】より具体的には、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル又
はメタクリル酸エステル等の多官能エステルや、トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタ
ル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジア
リル等のアリル基含有化合物が挙げられ、これらは1種
を単独で、或いは2種以上を混合して、通常EVA10
0重量部に対して0.1〜2重量部、好ましくは0.5
〜5重量部用いられる。
【0096】EVAを光により架橋する場合、上記過酸
化物の代りに光増感剤が通常EVA100重量部に対し
て10重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部使用
される。
【0097】この場合、使用可能な光増感剤としては、
例えばベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジ
ベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサクロロシク
ロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p−ニトロア
ニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、1,2−ベ
ンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−
1,9−ベンズアンスロンなどが挙げられ、これらは1
種を単独で或いは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0098】また、この場合、促進剤としてシランカッ
プリング剤が併用される。このシランカップリング剤と
しては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β
−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニル
トリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシランなどが挙げられる。
【0099】これらのシランカップリング剤は通常EV
A100重量部に対して0.001〜10重量部、好ま
しくは0.001〜5重量部の割合で1種又は2種以上
が混合使用される。
【0100】なお、本発明に係る接着用樹脂フィルムに
は、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止
剤、塗料加工助剤を少量含んでいてもよく、また、フィ
ルター自体の色合いを調整するために染料、顔料などの
着色剤、カーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシ
ウム等の充填剤を適量配合してもよい。
【0101】また、接着性改良の手段として、シート化
された接着用樹脂フィルム面へのコロナ放電処理、低温
プラズマ処理、電子線照射、紫外光照射などの手段も有
効である。
【0102】本発明に係る接着用樹脂フィルムは、接着
樹脂と上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混
練した後カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレー
ション等の成膜法により所定の形状にシート成形するこ
とにより製造される。成膜に際してはブロッキング防
止、透明基板との圧着時の脱気を容易にするためエンボ
スが付与される。
【0103】なお、導電性複合メッシュ5及び透明導電
性フィルム4と接着樹脂とで形成される接着層の厚さ
は、電磁波シールド性光透過窓材の用途等によっても異
なるが、通常の場合2μm〜2mm程度とされる。従っ
て、接着用樹脂フィルム4A,4B,4Cは、このよう
な厚さの接着層が得られるような厚さに成形される。
【0104】図1に示す電磁波シールド性光透過窓材1
を製造するには、反射防止膜8を形成した透明基板2A
と、黒枠塗装6を設けた透明基板2Bと透明導電性フィ
ルム4及び導電性複合メッシュ5と接着用樹脂フィルム
3A,3B,3C及び架橋型導電性粘着テープ7A,7
Bを準備し、まず、透明導電性フィルム4の周辺に架橋
型導電性粘着テープ7Aを貼り付け、ヒートシーラー等
で加熱加圧して架橋しながらフィルムと架橋型導電性粘
着テープ7Aの間に導通を持たせる。次に接着性樹脂フ
ィルム3Cを介して透明基板2Bと積層し、その後、透
明基板2Aと透明基板2Bとの間に導電性複合メッシュ
5を接着用樹脂フィルム3A,3B間に挟んだものを積
層し、接着用樹脂フィルム3A〜3Cの硬化条件で加圧
下、加熱又は光照射して一体化した後、導電性複合メッ
シュ5の周縁部を折り返し、更に、透明基板2Aの表面
の縁部から透明基板2Bの表面の縁部に到るように架橋
型導電性粘着テープ7Bを貼り付ける。
【0105】架橋型導電性粘着テープ7A,7Bの貼り
付けに際しては、その粘着層7bの粘着性を利用して積
層体に貼り付け(この仮り止めは、必要に応じて、貼り
直しが可能である。)、その後、必要に応じて圧力をか
けながら加熱又は紫外線照射する。この紫外線照射時に
は併せて加熱を行っても良い。なお、この加熱又は光照
射を局部的に行うことで、架橋型導電性粘着テープの一
部分のみを接着させるようにすることもできる。
【0106】加熱接着は、一般的なヒートシーラーで容
易に行うことができ、また、加圧加熱方法としては、架
橋型導電性粘着テープを貼り付けた積層体を真空袋中に
入れ脱気後加熱する方法でも良く、接着はきわめて容易
に行える。
【0107】この接着条件としては、熱架橋の場合は、
用いる架橋剤(有機過酸化物)の種類に依存するが、通
常70〜150℃、好ましくは70〜130℃で、通常
10秒〜120分、好ましくは20秒〜60分である。
【0108】また、光架橋の場合、光源としては紫外〜
可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高
圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンラン
プ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カ
ーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。
照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概に
は決められないが、通常数十秒〜数十分程度である。架
橋促進のために、予め40〜120℃に加熱した後、こ
れに紫外線を照射してもよい。
【0109】また、接着時の加圧力についても適宜選定
され、通常5〜50kg/cm2、特に10〜30kg
/cm2の加圧力とすることが好ましい。
【0110】なお、架橋型導電性粘着テープ7Aの透明
導電性フィルム4の縁部における貼り付け幅(図1
(b)のW)は、電磁波シールド性光透過窓材1の面積
によっても異なるが、通常の場合、3〜20mm程度と
される。
【0111】このようにして架橋型導電性粘着テープ7
A,7Bを取り付けた電磁波シールド性光透過窓材1
は、筐体に単にはめ込むのみで極めて簡便かつ容易に筐
体に組み込むことができ、同時に、架橋型導電性粘着テ
ープ7A,7Bを介して透明導電性フィルム4と導電性
複合メッシュ5と筐体との良好な導通をその4側縁部に
おいて均一にとることができる。このため、良好な電磁
波シールド効果が得られる。
【0112】なお、図1に示す電磁波シールド性光透過
窓材は本発明の電磁波シールド性光透過窓材の一例であ
って、本発明は図示のものに限定されるものではない。
例えば、架橋型導電性粘着テープ7Aは透明導電性フィ
ルム4の4側縁部に取り付ける他、対向する2側縁部に
おいてのみ取り付けるようにしても良い。また、導電性
複合メッシュ5についてもその全周縁部において透明基
板2A,2Bからはみ出させて折り返すようにする他、
対向する2側縁部においてのみ透明基板2A,2Bから
はみ出させて折り返すようにしても良い。ただし、均一
導通性の面からは、図示の如く、いずれも4側縁部にお
いて取り付け又は折り返すのが好ましい。
【0113】また、本発明の電磁波シールド性光透過窓
材は、図1に示す如く、第2の透明基板に接着用樹脂フ
ィルムにより透明導電性フィルムを接着したものに限ら
ず、第2の透明基板に直接透明導電性膜を形成したもの
であっても良い。このような電磁波シールド性光透過窓
材としては、第2の透明基板に次のような透明導電性膜
を形成したものが挙げられる。
【0114】 透明基板の板面に、フォトレジストの
コーティング、パターン露光及びエッチングの工程によ
り所定パターンにエッチングして形成した格子状又はパ
ンチングメタル状の金属膜。 透明基板の板面に導電性インキをパターン印刷して
形成した格子状又はパンチングメタル状の印刷膜。
【0115】また、本発明の電磁波シールド性光透過窓
材は、図1に示す電磁波シールド性光透過窓材におい
て、透明導電性フィルムの代りに、パターンエッチング
により格子状又はパンチングメタル状とした金属箔を透
明基板に接着したものであっても良く、この場合におい
ても、折り返しにより切断し易い金属箔について、これ
を折り返すことなく、容易に導通を図ることができる。
【0116】このような本発明の電磁波シールド性光透
過窓材は、PDPの前面フィルタとして、或いは、病院
や研究室等の精密機器設置場所の窓材等としてきわめて
好適である。
【0117】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の電磁波シー
ルド性光透過窓材は、組み立てが容易で、また、設置対
象の筐体に対して容易に組み込むことができ、しかも筐
体に対して均一かつ低抵抗な導通を確実に得ることがで
きるため、高い電磁波シールド性能を得ることができ
る。
【0118】しかも、本発明の電磁波シールド性光透過
窓材にあっては、透明導電性膜と導電性複合メッシュを
併用することで、導電性複合メッシュについては、光透
過性を損なうことなく、また、モアレ現象のない細線の
目開きの大きいメッシュ設計とし、このような導電性複
合メッシュで不足する電磁波シールド性を透明導電性膜
で補うことにより、高電磁波シールド性、高光透過性で
鮮明な画像を得ることが可能となる。また、良好な熱線
(近赤外線)カット性も得ることができる。
【0119】また、本発明の電磁波シールド性光透過窓
材は、透明基板間に導電性複合メッシュを介在させて接
合一体化したものであるため、破損時の飛散防止効果が
得られ、安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の電磁波シールド性光透過
窓材の実施の形態を示す模式的な断面図であり、図1
(b)は架橋型導電性粘着テープを貼り付けた透明導電
性フィルムを示す平面図である。
【図2】本発明に係る導電性複合メッシュの繊維を拡大
して示す模式図である。
【符号の説明】
1 電磁波シールド性光透過窓材 2A,2B 透明基板 3A,3B,3C 接着用樹脂フィルム 4 透明導電性フィルム 5 導電性複合メッシュ 7A,7B 架橋型導電性粘着テープ 7a 金属箔 7b 粘着層 8 反射防止膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の透明基板と、一方の板面に透明導
    電性膜を有する第2の透明基板とを、該透明導電性膜が
    接合面側となるように導電性メッシュを介在させて透明
    接着剤により接合一体化してなる電磁波シールド性光透
    過窓材であって、 該導電性メッシュは、線径200μm以下の金属繊維及
    び/又は金属被覆有機繊維と透明繊維とを混編みしてな
    る、開口率75%以上の導電性複合メッシュであり、 該透明導電性膜の縁部から該第2の透明基板の端面を経
    て該第2の透明基板の他方の板面の縁部にまで達するよ
    うに導電性粘着テープを貼り付け、 該導電性メッシュの縁部を該第1及び第2の透明基板の
    縁部からはみ出させ、該第2の透明基板の縁部に沿って
    折り返して留め付けたことを特徴とする電磁波シールド
    性光透過窓材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該透明繊維の屈折率
    と該透明接着剤の屈折率との差が0.15以下であるこ
    とを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、更に、前記第
    1及び第2の透明基板の端面から第1の透明基板の非接
    合面側の板面の縁部と第2の透明基板の他方の板面の縁
    部とに回り込んで導電性粘着テープが貼り付けられてい
    ることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該導電性粘着テープが架橋型導電性粘着テープであ
    ることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、透明接着剤樹脂がエチレン−酢酸ビニル系共重合体
    樹脂を主成分とし、架橋剤を含有する熱架橋型接着剤樹
    脂であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓
    材。
JP35320697A 1997-12-22 1997-12-22 電磁波シールド性光透過窓材 Pending JPH11186784A (ja)

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JP35320697A JPH11186784A (ja) 1997-12-22 1997-12-22 電磁波シールド性光透過窓材
US09/207,151 US6150754A (en) 1997-12-22 1998-12-08 Electromagnetic-wave shielding and light transmitting plate and display panel
DE69826235T DE69826235T2 (de) 1997-12-22 1998-12-16 Abschirmung gegen elektromagnetischen Wellen, durchsichtige Platte sowie Anzeige
EP98310323A EP0930637B1 (en) 1997-12-22 1998-12-16 Electromagnetic-wave shielding and light transmitting plate and display panel

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006073789A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Nbc Inc 電磁波遮蔽用編物シート及び電磁波遮蔽用成型体
JP2011100137A (ja) * 2010-11-19 2011-05-19 Asahi Rubber Inc 電子機器の画像の視認性向上構造及びその構造を有する電子機器、当該構造に使用される透明部材

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