JP2000036687A - 電磁波シールド性光透過窓材 - Google Patents

電磁波シールド性光透過窓材

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JP2000036687A
JP2000036687A JP10347234A JP34723498A JP2000036687A JP 2000036687 A JP2000036687 A JP 2000036687A JP 10347234 A JP10347234 A JP 10347234A JP 34723498 A JP34723498 A JP 34723498A JP 2000036687 A JP2000036687 A JP 2000036687A
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JP
Japan
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electromagnetic wave
wave shielding
conductive
window material
transparent
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Pending
Application number
JP10347234A
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English (en)
Inventor
Masahito Yoshikawa
雅人 吉川
Masato Sugimachi
正登 杉町
Toshiyuki Osaki
俊行 大崎
Tsutomu Nakao
務 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筐体に対して均一かつ低抵抗の導通を図るこ
とができ、しかも耐久性に優れ、高温多湿環境下での使
用においても電磁波シールド性等の特性の劣化の問題が
ない電磁波シールド性光透過窓材を提供する。透明基板
の機械的強度、化学的耐久性を高める。 【解決手段】 2枚の透明基板2A,2B間に導電性メ
ッシュ5を介在させた電磁波シールド性光透過窓材1。
導電性メッシュ5の縁部に導電性粘着テープ7Aを貼り
付けて透明基板2Bの縁部に沿って折り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はPDP(プラズマデ
ィスプレーパネル)の前面フィルタ等として有用な電磁
波シールド性光透過窓材に係り、特に、OA機器等の筐
体に容易に組み込むことができ、しかも、筐体に対して
良好な導通を図ることができる電磁波シールド性光透過
窓材に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】近年、OA機器や通信機器
等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波
が問題視されるようになっている。即ち、電磁波の人体
への影響が懸念され、また、電磁波による精密機器の誤
作動等が問題となっている。
【0003】そこで、従来、OA機器のPDPの前面フ
ィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性
の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓
材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護する
ために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材とし
ても利用されている。
【0004】従来の電磁波シールド性光透過窓材は、主
に、金網のような導電性メッシュ材又は透明導電性フィ
ルムをアクリル板等の透明基板の間に介在させて一体化
した構成とされている。
【0005】このような電磁波シールド性光透過窓材を
PDP等に組み込んで良好な電磁波シールド性を得るた
めには、電磁波シールド性光透過窓材とこれを組み込む
筐体との間、即ち、電磁波シールド性光透過窓材の導電
性メッシュと筐体の導電面との間に均一な導通を図る必
要がある。
【0006】従来、簡易な構造で電磁波シールド性光透
過窓材と筐体との導通を図るものとして、2枚の透明基
板間に介在させた導電性メッシュの周縁部を透明基板周
縁部からはみ出させ、このはみ出し部分を一方の透明基
板の表面側に折り曲げ、この折り曲げた導電性メッシュ
の周縁部を筐体との導通部とし、筐体側に圧接するよう
にしたものが提案されている(特開平9−147752
号公報)。
【0007】しかしながら、導電性メッシュの周縁部を
透明基板からはみ出させ、この部分を単に折り曲げて直
接筐体と圧接する構造では、 導電性メッシュにほつ
れが生じ、良好な導通が図れない場合がある。 導電
性メッシュの靭性が高いために、周縁を折り込み難く、
また位置ずれし易く、筐体側への圧接作業が容易ではな
い。といった問題があり、電磁波シールド性光透過窓材
の全周縁部において均一かつ低抵抗の導通を確実に得る
ことが難しいという欠点がある。
【0008】上記従来の問題点を解決し、筐体への組み
込みを容易とし、筐体に対して、均一かつ低抵抗の導通
を図るべく、本出願人は先に、2枚の透明基板間に導電
性メッシュを介在させてなり、該導電性メッシュの縁部
を透明基板の縁部からはみ出させ、且つ該透明基板の縁
部に沿って折り返してなる電磁波シールド性光透過窓材
において、該透明基板からはみ出した導電性メッシュの
縁部を導電性粘着テープで該透明基板に留め付けた電磁
波シールド性光透過窓材を提案した(特願平9−248
530号。以下「先願」という。)。なお、導電性メッ
シュは2枚の透明基板間に透明接着樹脂で接合一体化さ
れている。
【0009】先願に係る電磁波シールド性光透過窓材で
あれば、透明基板からはみ出した導電性メッシュの縁部
を導電性粘着テープで透明基板に留め付けることによ
り、導電性メッシュのほつれを防止することができ、ま
た、該縁部を安定に固定することができる。このため、
電磁波シールド性光透過窓材を筐体に容易に組み込むこ
とができるようになり、また、導電性粘着テープを介し
て電磁波シールド性光透過窓材の導電性メッシュと筐体
との間に良好な導通を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの研究により、導電性メッシュの縁部を折り曲げた
電磁波シールド性光透過窓材では、耐久性が十分でな
く、例えば、高温多湿環境(60℃,90%RH)下で
の耐湿熱テストや耐熱テスト(80℃)で、電磁波シー
ルド性が低下することが判明した。
【0011】従って、本発明の第1の目的は、このよう
な耐久性の問題を解決し、筐体に対して均一かつ低抵抗
の導通を図ることができ、しかも耐久性に優れ、高温多
湿環境下での使用においても電磁波シールド性等の特性
の劣化の問題がない電磁波シールド性光透過窓材を提供
することにある。
【0012】また、電磁波シールド性光透過窓材の透明
基板としては、剛性に優れ、PDPからの伝熱による変
形がなく、耐食性等にも優れることから、ガラス基板を
用いるのが好ましいが、通常のガラス基板の場合、強い
荷重をかけると割れるという機械的強度に大きな欠点を
持っている。また、化学的安定性が十分であるとは言え
ず、耐候性が不足し、高温高湿環境下に長期間晒される
と表面にヤケが発生するなどの欠点があった。
【0013】従って、本発明の第2の目的は、透明基板
としてのガラス基板の機械的強度及び化学的耐久性が著
しく改善された電磁波シールド性光透過窓材を提供する
ことにある。
【0014】ところで、PDPにはRGB各色に対応す
る蛍光体が各セルに塗布されているが、その発光効率は
必ずしも同じではないため、各色を合成した発光色例え
ば白色を表示させた場合、選択されている蛍光体の種類
等の影響により違った色度、色温度となる。これを所定
の設計値に合わせるためには複雑な処理が必要となる。
【0015】一般に、PDPの場合、青色発光が弱いた
め、青色輝度を補強する必要がある。また、色純度を向
上させ、優れた色再現性を得るには、別途カラーフィル
ターが必要となる。
【0016】しかしながら、無色透明の接着樹脂を用い
て導電性メッシュを接合一体化した電磁波シールド性光
透過窓材では、色調を変える作用は得られない。
【0017】従って、本発明の第3の目的は、電磁波シ
ールド性、光透過性に優れ、青色輝度を補強するなどし
て自然な表示が得られ、或いはカラーフィルター等を用
いることなく、色純度を向上させ優れた色再現性を得る
ことができる電磁波シールド性光透過窓材を提供するこ
とにある。
【0018】また、従来の電磁波シールド性光透過窓材
では、画面における光の反射で画像が見難く、視野角が
小さく、横からの入射光に対して画面内容を十分に視認
できないという欠点があった。
【0019】従って、本発明の第4の目的は、PDP用
電磁波シールドフィルター等として好適な、良好な電磁
波シールド性能を有し、かつ高視野角の電磁波シールド
性光透過窓材を提供することにある。
【0020】更に、従来の導電性メッシュを用いた電磁
波シールド性光透過窓材では、十分な電磁波シールド性
を得ることができず、また、メッシュの網目を相当細か
くしても、OA機器のPDPの前面に格子状のものを置
くことになることから、画像がにじんで見えるなどの現
象が起こり、鮮明な画像が得られず、PDPのドット数
と、メッシュの格子とで干渉縞(いわゆるモアレ)が発
生し、この現象によっても画像は見難いものとなるとい
った問題があった。また、OA機器本体からの熱で画面
が過熱するという問題もあった。
【0021】従って、本発明の第5の目的は、PDP用
電磁波シールドフィルター等として好適な、良好な電磁
波シールド性能を有し、かつ光透過性で鮮明な画像を得
ることができ、断熱性を備える電磁波シールド性光透過
窓材を提供するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の電磁波シール
ド性光透過窓材は、それぞれ主板面a,bを有した第1
及び第2の透明基板を該主板面a同士を対面させて配置
し、これらの透明基板の間に導電性メッシュを介在させ
てなる電磁波シールド性光透過窓材において、該導電性
メッシュの縁部に導電性テープAが貼着されており、該
導電性テープAは、該第1の透明基板の該主板面aから
端面に回り込んでいることを特徴とする。
【0023】この電磁波シールド性光透過窓材では、導
電性メッシュの縁部を折り曲げることなく、導電性メッ
シュの縁部に貼り付けた導電性粘着テープにより、導電
部を引き出すことで、電磁波シールド性光透過窓材を容
易に組み立てることができると共に、筐体に容易に組み
込むことができるようになり、導電性粘着テープを介し
て電磁波シールド性光透過窓材の導電性メッシュと筐体
との間に良好な導通を得ることができる。また、導電性
メッシュの縁部を折り曲げないことから、第1及び第2
の透明基板を導電性メッシュを介して極めて密着性良く
一体化することができ、従って、耐久性に優れ、高温多
湿環境下での使用に際しても、電磁波シールド性等の特
性の劣化の問題がない電磁波シールド性光透過窓材が提
供される。
【0024】また、本発明の電磁波シールド性光透過窓
材では、導電性メッシュの縁部を折り曲げても、導電性
メッシュの縁部に貼り付けた導電性粘着テープで該折り
曲げ部が保護されると共に、該導電性粘着テープにより
筐体との導通を図ることができるため、耐久性に優れた
ものとなる。
【0025】請求項2の電磁波シールド性光透過窓材
は、請求項1において、該導電性メッシュの縁部は、該
第1の透明基板の該主板面aから端面に回り込んでお
り、該導電性メッシュの縁部に導電性テープAが貼着さ
れていることを特徴とするものであり、また、請求項3
の電磁波シールド性光透過窓材は、請求項2において、
前記導電性メッシュの縁部は第1の透明基板の主板面b
にまで回り込んでおり、前記導電性テープAは、該第1
の透明基板の端面と両主板面a,bの縁部とにまたがる
領域の該導電性メッシュに貼着されていることを特徴と
するものであり、このようにすることで、より一層耐久
性を高めると共に安定した導通を確保することができ
る。
【0026】また、請求項4の電磁波シールド性光透過
窓材は、請求項1〜3において、前記第1及び第2の透
明基板の端面から第1の透明基板の主板面bの縁部と第
2の透明基板の主板面bの縁部とに回り込んで導電性粘
着テープBが貼り付けられていることを特徴とするもの
であり、このような構成とすることにより、筐体への組
み込みが容易になると共に、均一かつ安定な導通を図る
ことができるようになる。
【0027】請求項5の電磁波シールド性光透過窓材
は、請求項1〜4において、前記第1及び第2の透明基
板のうちの少なくとも一方が強化ガラスであることを特
徴とし、請求項6の電磁波シールド性光透過窓材は、強
化ガラスが化学強化ガラスであることを特徴とするもの
であり、この請求項5,6の電磁波シールド性光透過窓
材によれば、透明基板の機械的強度及び化学的安定性が
向上し、良好な耐候、耐久性が得られる。
【0028】請求項7の電磁波シールド性光透過窓材
は、請求項1〜6において、該導電性メッシュは第1及
び第2の透明基板間に接着樹脂で接合一体化してなるこ
とを特徴とするものであり、このように導電性メッシュ
を接着樹脂で接合一体化することにより、破損時の飛散
防止効果が得られ、安全性が高められる。
【0029】請求項8の電磁波シールド性光透過窓材
は、請求項7において、該接着樹脂が有色透明樹脂であ
ることを特徴とするものであって、接着樹脂として有色
透明のものを用いたことにより、光透過性を損なうこと
なく、青色輝度の補強又は色純度の向上を図ることがで
き、鮮明な画像を得ることができる。
【0030】請求項9の電磁波シールド性光透過窓材
は、請求項1〜8において、電磁波発生源側と反対側に
位置する透明基板の表面に、高屈折率透明膜と低屈折率
透明膜との積層膜よりなる反射防止膜が形成されている
ことを特徴とするものであって、電磁波発生源側と反対
側に位置する透明基板の表面に、高屈折率透明膜と低屈
折率透明膜との積層膜よりなる反射防止膜が形成されて
いるため、この反射防止膜の光の干渉作用で光の反射を
防止して高視野角とすることができる。
【0031】請求項10の電磁波シールド性光透過窓材
は、この高屈折率透明膜として透明導電膜を用いたこと
を特徴とするものであり、透明導電膜と導電性メッシュ
とで優れた電磁波シールド性を得ることができる。
【0032】請求項11の電磁波シールド性光透過窓材
は、請求項9又は10において、該反射防止膜が高屈折
率透明膜と低屈折率透明膜とを交互に積層した多層膜で
あることを特徴とするものであって、良好な反射防止効
果を得ることができる。
【0033】請求項12の電磁波シールド性光透過窓材
は、請求項9〜11において、該反射防止膜の上に汚染
防止膜が設けられていることを特徴とするものであっ
て、耐汚染性に優れる。
【0034】請求項13の電磁波シールド性光透過窓材
は、請求項1〜12において、電磁波発生源側に位置す
る透明基板の表面に、熱線反射性の透明導電膜が形成さ
れていることを特徴とするものであって、透明導電膜と
導電性メッシュとで優れた電磁波シールド性を得ること
ができる。また、この透明導電膜は熱線反射性であるた
め、OA機器本体からの熱を反射して、良好な断熱効果
を得ることができる。
【0035】請求項14の電磁波シールド性光透過窓材
は、請求項7〜14において、接着樹脂がエチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)であることを特徴とするも
のであり、接着性等において良好な性能を得ることがで
きる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の電
磁波シールド性光透過窓材の実施の形態を詳細に説明す
る。
【0037】図1,2は本発明の電磁波シールド性光透
過窓材の実施の形態を示す模式的な断面図であり、図
3,4は導電性粘着テープを貼り付けた導電性メッシュ
を示す平面図である。
【0038】図1の電磁波シールド性光透過窓材1は、
透明基板(第2の透明基板)2Aと、一方の板面(主板
面a)に近赤外線カットフィルム4を接着用樹脂フィル
ム3Cで接着した透明基板(第1の透明基板)2Bと
を、導電性メッシュ5を介して接着用樹脂フィルム3
A,3Bを用いて、接着一体化したものであり、導電性
メッシュ5の4側辺の縁部は、透明基板2Bの主板面a
から端面を経て他方の主板面bの縁部にまで達するよう
に回り込んでいる。この導電性メッシュ5の縁部には、
第1の導電性粘着テープ7Aが貼り付けてある。本実施
例では、導電性粘着テープ7Aは、透明基板2Bの両主
板面a,bの縁部にまたがる領域において、導電性メッ
シュ5に貼着されている。
【0039】図2の電磁波シールド性光透過窓材1A
は、透明基板(第2の透明基板)2Aと、一方の板面
(主板面a)に近赤外線カットフィルム4を接着用樹脂
フィルム3Cで接着した透明基板(第1の透明基板)2
Bとを、導電性メッシュ5を介して接着用樹脂フィルム
3A,3Bを用いて、接着一体化したものであり、導電
性メッシュ5Aの4側辺の縁部から透明基板2Bの端面
を経て他方の主板面bの縁部にまで達するように、第1
の導電性粘着テープ7Aが貼り付けてある。
【0040】また、図1,2の実施例では、更に、透明
基板2A,2B及び導電性メッシュ5,5A、近赤外線
カットフィルム4の積層体の全周において、端面の全体
に付着すると共に、この積層体の表裏の角縁を回り込
み、一方の透明基板2Aの表面(主板面b)の端縁部と
他方の透明基板2Bの表面(主板面b)の端縁部の双方
に付着するように、更に第2の導電性粘着テープ7Bが
設けられている。
【0041】導電性粘着テープ7A,7Bとしては、図
示の如く、金属箔7aの一方の面に、導電性粒子を分散
させた粘着層7bを設けたものであって、この粘着層7
bには、アクリル系、ゴム系、シリコン系粘着剤や、エ
ポキシ系、フェノール系樹脂に硬化剤を配合したものを
用いることができるが、特に架橋型導電粘着剤であるエ
チレン−酢酸ビニル系共重合体を主成分とするポリマー
とその架橋剤とを含む後架橋型接着層であるものが好ま
しい。
【0042】粘着層7bに分散させる導電性粒子として
は、電気的に良好な導体であれば良く、種々のものを使
用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金
属粉体、このような金属で被覆された樹脂又はセラミッ
ク粉体等を使用することができる。また、その形状につ
いても特に制限はなく、りん片状、樹枝状、粒状、ペレ
ット状等の任意の形状をとることができる。
【0043】この導電性粒子の配合量は、粘着層7bを
構成する後述のポリマーに対し0.1〜15容量%であ
ることが好ましく、また、その平均粒径は0.1〜10
0μmであることが好ましい。このように、配合量及び
粒径を規定することにより、導電性粒子の凝縮を防止し
て、良好な導電性を得ることができるようになる。
【0044】架橋型導電性粘着テープの場合、粘着層7
bを構成するポリマーは、下記(I)〜(III )から選
ばれる、エチレン−酢酸ビニル系共重合体を主成分と
し、メルトインデックス(MFR)が1〜3000、特
に1〜1000、とりわけ1〜800であるものが好ま
しい。
【0045】このようにMFRが1〜3000で、かつ
酢酸ビニル含有率が2〜80重量%の下記(I)〜(II
I )の共重合体を使用することにより、架橋前の粘着性
が上がり、作業性が向上すると共に、架橋後の硬化物は
3次元架橋密度が高くなり、強固な接着力を発現し、耐
湿・耐熱性も向上する。
【0046】(I)酢酸ビニル含有率が20〜80重量
%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体 (II)酢酸ビニル含有率が20〜80重量%であり、ア
クリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーの含
有率が0.01〜10重量%であるエチレンと酢酸ビニ
ルとアクリレート系及び/又はメタクリレート系モノマ
ーとの共重合体 (III) 酢酸ビニル含有率が20〜80重量%であり、
マレイン酸及び/又は無水マレイン酸の含有率が0.0
1〜10重量%であるエチレンと酢酸ビニルとマレイン
酸及び/又は無水マレイン酸との共重合体 上記(I)〜(III)のエチレン−酢酸ビニル系共重合
体において、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニ
ル含有率は20〜80重量%であり、好ましくは20〜
60重量%である。酢酸ビニル含有率が20重量%より
低いと高温時に架橋硬化させる場合に十分な架橋度が得
られず、一方、80重量%を超えると、(I),(II)
のエチレン−酢酸ビニル系共重合体では樹脂の軟化温度
が低くなり、貯蔵が困難となり、実用上問題であり、
(III )のエチレン−酢酸ビニル系共重合体では接着層
強度や耐久性が著しく低下してしまう傾向がある。
【0047】また、(II)のエチレンと酢酸ビニルとア
クリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーとの
共重合体において、アクリレート系及び/又はメタクリ
レート系モノマーの含有率は0.01〜10重量%であ
り、好ましくは0.05〜5重量%である。このモノマ
ーの含有率が0.01重量%より低いと接着力の改善効
果が低下し、一方、10重量%を超えると加工性が低下
してしまう場合がある。なお、アクリレート系及び/又
はメタクリレート系モノマーとしては、アクリル酸エス
テル又はメタクリル酸エステル系モノマーの中から選ば
れるモノマーが挙げられ、アクリル酸又はメタクリル酸
と炭素数1〜20、特に〜18の非置換又はエポキシ基
等の置換基を有する置換脂肪族アルコールとのエステル
が好ましく、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸グリシジル等が挙げられる。
【0048】また、(III)のエチレンと酢酸ビニルと
マレイン酸及び/又は無水マレイン酸との共重合体にお
いて、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸の含有率は
0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05〜5
重量%である。この含有率が0.01重量%より低いと
接着力の改善効果が低下し、一方、10重量%を超える
と加工性が低下してしまう場合がある。
【0049】本発明に係るポリマーは、上記(I)〜
(III)のエチレン−酢酸ビニル系共重合体を40重量
%以上、特に60重量%以上含むこと、とりわけ上記
(I)〜(III)のエチレン−酢酸ビニル系共重合体の
みから構成されることが好ましい。ポリマーがエチレン
−酢酸ビニル系共重合体以外のポリマーを含む場合、エ
チレン−酢酸ビニル系共重合体以外のポリマーとして
は、主鎖中に20モル%以上のエチレン及び/又はプロ
ピレンを含有するオレフィン系ポリマー、ポリ塩化ビニ
ル、アセタール樹脂等が挙げられる。
【0050】このポリマーの架橋剤としては、熱硬化型
接着層を形成するためには熱架橋剤としての有機過酸化
物が、また、光硬化型接着層を形成するためには光架橋
剤としての光増感剤を用いることができる。
【0051】ここで、有機過酸化物としては、70℃以
上の温度で分解してラジカルを発生するものであればい
ずれも使用可能であるが、半減期10時間の分解温度が
50℃以上のものが好ましく、粘着剤の塗工温度、調製
条件、貯蔵安定性、硬化(接着)温度、被貼着対象の耐
熱性等を考慮して選択される。
【0052】使用可能な有機過酸化物としては、例えば
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,
4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシアセテート、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキ
シベンゾエート、ブチルハイドロパーオキサイド、p−
メンタンハイドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイ
ルパーオキサイド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイ
ド、クロロヘキサノンパーオキサイド、オクタノイルパ
ーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、サク
シニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、t−ブチルバーオキシ(2−エチルヘキサノエー
ト)、m−トルオイルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシイソブチレート、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイド等が挙げられる。有機過酸化物としては、
これらのうちの少なくとも1種が単独で又は混合して用
いられ、通常前記ポリマーに対し0.1〜10重量%が
添加される。
【0053】一方、光増感剤(光重合開始剤)として
は、ラジカル光重合開始剤が好適に用いられる。ラジカ
ル光重合開始剤のうち、水素引き抜き型開始剤としては
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−
ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イ
ソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、
4−(ジエチルアミノ)安息香酸エチル等が使用可能で
ある。また、ラジカル光重合開始剤のうち、分子内開裂
型開始剤として、ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロ
ピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロ
キシアルキルフェノン型として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニル
グリオキシレート、ジエトキシアセトフェノンが、ま
た、α−アミノアルキルフェノン型として、2−メチル
−1− [4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォ
リノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミ
ノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1
が、またアシルフォスフィンオキサイド等が用いられ
る。光増感剤としては、これらのうちの少なくとも1種
が単独で又は混合して用いられ、通常前記ポリマーに対
し0.1〜10重量%が添加される。
【0054】本発明に係る粘着層は、接着促進剤として
シランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカ
ップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン等の1種又は2種
以上の混合物が用いられる。これらのシランカップリン
グ剤は、前記ポリマーに対し、通常0.01〜5重量%
程度用いられる。
【0055】更に接着促進剤としてはエポキシ基含有化
合物を配合しても良く、この場合、エポキシ基含有化合
物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチル
ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエー
テル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、p−
t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジ
グリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、
グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテル
等が挙げられる。また、エポキシ基を含有するポリマー
をアロイ化することによっても同様の効果を得ることが
できる。これらのエポキシ基含有化合物は、1種又は2
種以上の混合物として、前記ポリマーに対し、通常0.
1〜20重量%程度用いられる。
【0056】粘着層ないし接着層の物性(機械的強度、
接着性、光学的特性、耐熱性、耐湿性、耐候性、架橋速
度等)の改良や調節のために、粘着層には、アクリロキ
シ基、メタクリロキシ基又はアリル基を有する化合物を
配合することもできる。
【0057】この目的で用いられる化合物としては、ア
クリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステル
及びアミドが最も一般的であり、エステル残基としては
メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリルのよ
うなアルキル基のほかに、シクロヘキシル基、テトラヒ
ドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエ
チル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。また、エチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコール
とのエステルも同様に用いられる。アミドとしては、ダ
イアセトンアクリルアミドが代表的である。多官能架橋
助剤としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、グリセリン等のアクリル酸又はメタクリル酸
エステル、アリル基を有する化合物としては、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル
酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリ
ル等が挙げられる。これらの化合物は1種又は2種以上
の混合物として、前記ポリマーに対し、通常0.1〜5
0重量%、好ましくは0.5〜30重量%添加使用され
る。この添加量が50重量%を超えると粘着剤の調製時
の作業性や塗工性を低下させることがある。
【0058】更に、加工性や貼り合わせ等の向上の目的
で炭化水素樹脂を粘着層中に添加することができる。こ
の場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、合成樹
脂系のいずれでもよい。天然樹脂系としてはロジン、ロ
ジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジ
ンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用
いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれ
ぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金属塩化し
たものを用いることができる。テルペン系樹脂としては
α−ピネン、β−ピネン等のテルペン系樹脂の他、テル
ペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その
他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェラックを
用いてもよい。一方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェ
ノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石
油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂
環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、
純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂を用いる
ことができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノー
ル樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キ
シレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用
いることができる。これら炭化水素樹脂の添加量は適宜
選択されるが、ポリマーに対して1〜200重量%が好
ましく、更に好ましくは5〜150重量%である。
【0059】以上の添加剤のほか、本発明においては、
老化防止剤、紫外線吸収剤、染料、加工助剤等を本発明
の目的に支承をきたさない範囲で粘着層中に配合しても
よい。
【0060】架橋型導電性粘着テープ7A、7Bの基材
となる金属箔7aとしては、銅、銀、ニッケル、アルミ
ニウム、ステンレス等の箔を用いることができ、その厚
さは通常の場合、1〜100μm程度とされる。
【0061】粘着層7bは、この金属箔7aに、前記エ
チレン−酢酸ビニル系共重合体、架橋剤及び必要に応じ
てその他の添加剤と導電性粒子とを所定の割合で均一に
混合したものをロールコーター、ダイコーター、ナイフ
コーター、マイカバーコーター、フローコーター、スプ
レーコーター等により塗工することにより容易に形成す
ることができる。
【0062】この粘着層7bの厚さは通常の場合5〜1
00μm程度とされる。
【0063】本発明において、透明基板2A,2Bの構
成材料としては、ガラス、ポリエステル、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、アクリ
ル板、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリ
アセテートフィルム、ポリビニルアルコール、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イ
オン架橋エチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリウレ
タン、セロファン等、好ましくは、ガラス、PET、P
C、PMMAが挙げられる。
【0064】透明基板2A,2Bの厚さは得られる窓材
の用途による要求特性(例えば、強度、軽量性)等によ
って適宜決定されるが、通常の場合、0.1〜10mm
の範囲とされる。
【0065】透明基板2A,2Bは、必ずしも同材質で
ある必要はなく、例えば、PDP前面フィルタのよう
に、表面側のみに耐傷付性や耐久性等が要求される場合
には、この表面側となる透明基板2Aを厚さ0.1〜1
0mm程度のガラス板とし、裏面側(電磁波発生源側)
の透明基板2Bを厚さ1μm〜10mm程度のPETフ
ィルム又はPET板、アクリルフィルム又はアクリル
板、ポリカーボネートフィルム又はポリカーボネート板
等とすることもできる。
【0066】本発明において、この透明基板2A及び/
又は2Bを構成するガラスとしては、強化ガラス、とり
わけ化学強化ガラスを用いるのが好ましい。
【0067】この化学強化ガラスとしては、例えば、次
のようなものを用いることができる。
【0068】 アルカリ成分としてナトリウムイオン
を含有するガラスを、カリウムイオンを含有する溶融塩
に接触させてナトリウムイオンとカリウムイオンとのイ
オン交換により、ガラス表面に圧縮層を形成し、その後
ガラス表面をリチウム塩水溶液に接触させて、表面にリ
チウムイオンを固定したガラス。 アルカリ成分としてナトリウムイオンを含有するガ
ラスを、硝酸亜鉛と硝酸カリウムからなる混合溶融塩に
漬け、ガラス表面に亜鉛イオンを含むアルカリ溶出防止
層を形成したガラス。 アルカリ成分としてナトリウムイオンを含有するガ
ラスを、硝酸カルシウムと硝酸カリウムからなる混合溶
融塩に漬け、ガラス表面にガラス内部よりも少ないアル
カリ成分を含むアルカリ溶出防止層を形成したガラス。 アルカリ成分としてナトリウムイオンを含有するガ
ラスを、硝酸リチウムと硝酸カリウムからなる混合溶融
塩に漬け、ガラス表面にリチウムイオンを含有するアル
カリ溶出防止層を形成したガラス。
【0069】の強化ガラスでは、カリウムイオンを含
む溶融塩中でガラス表面近傍のナトリウムイオンをカリ
ウムイオンに置換した後、リチウム塩水溶液中で溶融塩
を溶解し、さらに、別のリチウム塩水溶液中に浸漬する
ことにより、ガラスの化学的耐久性が大幅に向上する。
用いるリチウム塩としては、硝酸リチウム、硫酸リチウ
ムが好んで用いられ、なかでも硝酸リチウムが好まし
い。硝酸リチウム水溶液の硝酸リチウム濃度は、10-4
モル/リットル以上とするのが好ましく、1モル/リッ
トル以上の濃度としても化学的耐久性は濃度に応じて増
大しないことから、特に10-4〜1モル/リットルの濃
度範囲、とりわけ10-2〜1モル/リットルの範囲とす
るのが好ましい。
【0070】このように溶融塩を用いたイオン交換反応
により化学強化されたガラス表面は、非常に高活性であ
り、水溶液に触れるとアルカリ金属イオンと水素イオン
とのイオン交換反応が行われ、一定量の水和層がガラス
表面に形成され表面が安定化する。この安定化がリチウ
ムイオンが存在する水溶液中で行われると、リチウムイ
オンがガラス表面に固定され、ガラス表面に耐候性の強
い層を形成する。これにより、ガラスの機械的強度を向
上させると共にガラス表面の高温高湿雰囲気下の化学的
耐久性が向上し、ガラス表面にヤケの発生が抑制され
る。
【0071】の強化ガラスは、硝酸亜鉛をモル濃度で
0.01〜0.5%含有する硝酸亜鉛と硝酸カリウムか
らなる混合溶融塩、或いは、硝酸亜鉛をモル濃度で20
〜50%含有する硝酸亜鉛と硝酸カリウムからなる混合
溶融塩を用いて製造される。硝酸亜鉛は単独で存在する
場合はその分解温度は350℃であるが、硝酸カリウム
中に上限値として0.5モル%までの量で含まれるとき
は、その分解温度以上であっても安定して存在するた
め、330℃〜450℃の混合溶融塩にガラスを漬ける
ことで溶融塩の安定性確保と処理時間の短縮化を図るこ
とができる。
【0072】また、硝酸亜鉛をモル濃度で20〜50%
含有する硝酸亜鉛と硝酸カリウムからなる混合溶融塩を
用いると硝酸リチウムと硝酸亜鉛の系が有する共融点近
傍の低い温度で処理することができ、混合溶融塩の共融
点以上350℃以下の比較的低温度域で強化処理を行う
ことができる。
【0073】この方法では、溶融した硝酸カリウムと硝
酸亜鉛との混合塩中にアルカリ成分としてナトリウムイ
オンを含むガラスを漬けると、ガラス中のナトリウムイ
オンと溶融塩中の亜鉛イオンがイオン交換により置換
し、表面近傍に亜鉛を含む層が形成され、この層により
機械的強度が向上すると共に高耐湿性が付与される。特
に、硝酸亜鉛を20〜50モル%含む混合塩では、その
共融点近傍の低い温度で、表面近傍に亜鉛を含む層を形
成することができ、この層により機械的強度が向上する
と共に高耐湿性が付与される。
【0074】の強化ガラスは、アルカリ成分としてナ
トリウムイオンを含有するガラスを、硝酸カルシウムを
モル濃度で10〜40%含有する硝酸カルシウムと硝酸
カリウムからなる混合溶融塩に漬け、ガラス表面近傍に
アルカリ溶出防止層を形成することにより製造される。
ここで混合溶融塩の温度は350〜470℃とするのが
好ましい。
【0075】この方法では、ガラス表面近傍にアルカリ
がガラス内部よりも減少した層が形成され、この層によ
り機械的強度が向上すると共に高耐湿性が付与される。
【0076】の強化ガラスは、アルカリ成分としてナ
トリウムイオンを含有するガラスを、硝酸リチウムをモ
ル濃度で1〜30%含有する硝酸リチウムと硝酸カリウ
ムからなるなる混合溶融塩に漬け、ガラス表面近傍にリ
チウムイオンを含有するアルカリ溶出防止層を形成する
ことにより製造される。ここで、混合溶融塩の温度は3
30〜450℃とするのが好ましい。
【0077】この方法では、ガラス中のナトリウムイオ
ンと溶融塩中のリチウムイオンがイオン交換により置換
し、表面近傍にリチウムを含む層が形成され、この層に
より機械的強度が向上すると共に高耐湿性が付与され
る。
【0078】なお、前記混合溶融塩にガラスを漬けるに
先立ち、硝酸カリウムのみからなる溶融塩に漬けてその
溶融塩中のカリウムイオンとガラス中のナトリウムイオ
ンとをイオン交換することが好ましい。
【0079】本実施例の電磁波シールド性光透過窓材1
では、裏面側となる透明基板2Bの周縁部にアクリル樹
脂をベースとする黒枠塗装6が設けられている。
【0080】また、本実施例の電磁波シールド性光透過
窓材1では、表面側(電磁波発生源側と反対側)となる
透明基板2Aの表面に反射防止膜8が形成されている。
この透明基板2Aの表面側に形成される反射防止膜8と
しては、下記(1)の単層膜や、高屈折率透明膜と低屈
折率透明膜との積層膜、例えば、下記(2)〜(5)の
ような積層構造の積層膜が挙げられる。
【0081】(1) 透明基板よりも屈折率の低い透明
膜を一層積層したもの (2) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を1層ずつ合
計2層に積層したもの (3) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を2層ずつ交
互に合計4層積層したもの (4) 中屈折率透明膜/高屈折率透明膜/低屈折率透
明膜の順で1層ずつ、合計3層に積層したもの (5) 高屈折率透明膜/低屈折率透明膜の順で各層を
交互に3層ずつ、合計6層に積層したもの 高屈折率透明膜としては、ITO(スズインジウム酸化
物)又はZnO、AlをドープしたZnO、TiO2
SnO2、ZrO等の屈折率1.8以上の薄膜、好まし
くは透明導電性の薄膜を形成することができる。また、
低屈折率透明膜としてはSiO2、MgF2、Al23
の屈折率が1.6以下の低屈折率材料よりなる薄膜を形
成することができる。これらの膜厚は光の干渉で可視光
領域での反射率を下げるため、膜構成、膜種、中心波長
により異なってくるが4層構造の場合、透明基板側の第
1層(高屈折率透明膜)が5〜50nm、第2層(低屈
折率透明膜)が5〜50nm、第3層(高屈折率透明
膜)が50〜100nm、第4層(低屈折率透明膜)が
50〜150nm程度の膜厚で形成される。
【0082】また、このような反射防止膜8の上に更に
汚染防止膜を形成して、表面の耐汚染性を高めるように
しても良い。この場合、汚染防止膜としては、フッ素系
薄膜、シリコン系薄膜等よりなる膜厚1〜1000nm
程度の薄膜が好ましい。
【0083】本発明の電磁波シールド性光透過窓材で
は、表面側となる透明基板2Aには、更に、シリコン系
材料等によるハードコート処理、或いはハードコート層
内に光散乱材料を練り込んだアンチグレア加工等を施し
ても良い。また、透明基板2Aに前述の反射防止フィル
ム、ハードコートフィルム、アンチグレアフィルム等を
透明粘着剤や透明接着剤で貼り付けることもできる。
【0084】一方、裏面側となる、即ち、電磁波発生源
側に位置する透明基板2Bには、金属薄膜又は透明導電
性膜等の熱線反射コート等を施して機能性を高めること
ができる。
【0085】この場合、透明基板2Bに形成される熱線
反射性の透明導電膜としては、ITO(スズインジウム
酸化物)、ATO(スズアンチモン酸化物)、ZnO、
AlをドープしたZnO、SnO2等の薄膜を形成する
ことができる。また、金、銀、銅、プラチナ等の金属薄
膜又はこれらの元素を含む合金薄膜を薄くコーティング
することでも可視光透過性を有し、赤外光を反射させる
ような熱線反射膜も用いることができる。その膜厚は、
要求される電磁波シールド性、光透過性、断熱性によっ
ても異なるが、通常の場合、金属酸化物薄膜の場合5Å
〜5μm程度、金属薄膜の場合2Å〜3000Å程度で
あることが好ましい。
【0086】これらの酸化物透明導電膜及び金属薄膜は
積層化することで導電性、熱線カット性を高めることが
できる。層数が多すぎると可視光領域の透明性が損なわ
れる。好ましい積層数は各々1〜20層、合計で2〜4
1層である。
【0087】これらの酸化物透明導電膜及び金属薄膜は
スパッタ法や真空蒸着法、イオンプレーティング法、C
VD法等、好ましくは膜厚制御が容易なスパッタ法によ
りベースとなる透明基板上に形成することができる。
【0088】従来の電磁波シールド性光透過窓材では、
ディスプレイからの熱で画面が加熱するという問題があ
ったが、電磁波発生源側に位置する透明基板2Bの表面
に、熱線反射性の透明導電膜を形成することにより、デ
ィスプレイからの熱を反射して、良好な断熱効果を得る
ことができる。また、特にPDPの場合、発光時に可視
光以外に近赤外線が放射されるため、PDP自体のリモ
コン操作ができなくなる場合もある。また、周囲の家電
製品の誤動作を引き起こす可能性もあるため、この近赤
外線領域の光を充分にカットする必要がある。
【0089】このような透明導電性膜は表面側の透明基
板2Aに形成することもできる。
【0090】近赤外線カットフィルム8としては、ベー
スフィルム上に酸化亜鉛や、ITO(酸化インジウム
錫)、銀薄膜等の近赤外(熱線)カットコートを施した
ものを用いることができ、このベースフィルムとして
は、好ましくは、PET、PC、PMMA等よりなるフ
ィルムを用いることができる。このフィルムは、得られ
る電磁波シールド性光透過窓材の厚さを過度に厚くする
ことなく、取り扱い性、耐久性を確保する上で10μm
〜20mm程度とするのが好ましい。またこのベースフ
ィルム上に形成される近赤外カットコートの膜厚は、通
常の場合、500〜5000Å程度である。
【0091】なお、本発明においては、近赤外線カット
フィルムの代りに、或いは、近赤外線カットフィルムと
共に、透明導電性フィルムを設けても良く、この場合、
透明導電性フィルムとしては、導電性粒子を分散させた
樹脂フィルム、又はベースフィルムに透明導電性層を形
成したものを用いることができる。
【0092】フィルム中に分散させる導電性粒子として
は、導電性を有するものであれば良く特に制限はない
が、例えば、次のようなものが挙げられる。 (i) カーボン粒子ないし粉末 (ii) ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウ
ム、すず、カドミウム、銀、プラチナ、アルミ、銅、チ
タン、コバルト、鉛等の金属又は合金或いはこれらの導
電性酸化物の粒子ないし粉末 (iii) ポリスチレン、ポリエチレン等のプラスチック粒
子の表面に上記(i),(ii)の導電性材料のコーティング
層を形成したもの これらの導電性粒子の粒径は、過度に大きいと光透過性
や透明導電性フィルムの厚さに影響を及ぼすことから、
0.5mm以下であることが好ましい。好ましい導電性
粒子の粒径は0.01〜0.5mmである。
【0093】また、透明導電性フィルム中の導電性粒子
の混合割合は、過度に多いと光透過性が損なわれ、過度
に少ないと電磁波シールド性が不足するため、透明導電
性フィルムの樹脂に対する重量割合で0.1〜50重量
%、特に0.1〜20重量%、とりわけ0.5〜20重
量%程度とするのが好ましい。
【0094】導電性粒子の色、光沢は、目的に応じ適宜
選択されるが、表示パネルのフィルタとしての用途か
ら、黒、茶等の暗色で無光沢のものが好ましい。この場
合は、導電性粒子がフィルタの光線透過率を適度に調整
することで、画面が見やすくなるという効果もある。
【0095】ベースフィルムに透明導電性層を形成した
ものとしては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、CVD等により、スズインジウム酸化物、亜鉛
アルミ酸化物等の透明導電層を形成したものが挙げられ
る。この場合、透明導電層の厚さが0.01μm未満で
は、電磁波シールドのための導電性層の厚さが薄過ぎ、
十分な電磁波シールド性を得ることができず、5μmを
超えると光透過性が損なわれる恐れがある。
【0096】なお、透明導電性フィルムのマトリックス
樹脂又はベースフィルムの樹脂としては、ポリエステ
ル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)、アクリル板、ポリカーボネート(PC)、ポリ
スチレン、トリアセテートフィルム、ポリビニルアルコ
ール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチ
ラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合
体、ポリウレタン、セロファン等、好ましくは、PE
T、PC、PMMAが挙げられる。
【0097】このような透明導電性フィルムの厚さは、
通常の場合、1μm〜5mm程度とされる。
【0098】透明導電性フィルムを設けることにより、
より一層優れた電磁波シールド性を得ることができる。
【0099】透明基板2A,2Bに介在させる導電性メ
ッシュ5,5Aとしては、金属繊維及び/又は金属被覆
有機繊維よりなるものを用いるが、本発明では、光透過
性の向上、モアレ現象の防止を図る上で、例えば、線径
1μm〜1mm、開口率40〜95%のものが好まし
い。この導電性メッシュにおいて、線径が1mmを超え
ると開口率が下がるか、電磁波シールド性が下がり、両
立させることができない。1μm未満ではメッシュとし
ての強度が下がり、取り扱いが非常に難しくなる。ま
た、開口率は95%を超えるとメッシュとして形状を維
持することが難しく、40%未満では光透過性が低く、
ディスプレイからの光線量が低減されてしまう。より好
ましい線径は10〜500μm、開口率は50〜90%
である。
【0100】導電性メッシュの開口率とは、当該導電性
メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合
を言う。
【0101】導電性メッシュ5,5Aを構成する金属繊
維及び金属被覆有機繊維の金属としては、銅、ステンレ
ス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、
錫、鉛、鉄、銀、クロム、炭素或いはこれらの合金、好
ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。
【0102】金属被覆有機繊維の有機材料としては、ポ
リエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビ
ニロン、セルロース等が用いられる。
【0103】本発明においては、特に、上記開口率及び
線径を維持する上で、メッシュ形状の維持特性に優れた
金属被覆有機繊維よりなる導電性メッシュを用いるのが
好ましい。
【0104】図1の電磁波シールド性光透過窓材1にお
いては、導電性メッシュ5としては、縁部が透明基板2
A,2Bの縁部からはみ出て、透明基板2Bの縁部に沿
って折り返すことができるように、透明基板2A,2B
よりも面積の大きいものを用いる。
【0105】また、図2の電磁波シールド性光透過窓材
1Aにおいては、導電性メッシュ5Aとしては、透明基
板2A,2Bとほぼ同程度或いは若干小さい面積のもの
を用いる。
【0106】本発明において、透明基板2A,2Bを導
電性メッシュ5,5A及び近赤外線カットフィルム4を
介して接着する接着樹脂としては、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体、部分鹸化エチレン−酢酸
ビニル共重合体、カルボキシルエチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸
共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレー
ト共重合体等のエチレン系共重合体が挙げられる(な
お、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリ
ル」を示す。)。その他、ポリビニルブチラール(PV
B)樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹
脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等
も用いることができるが、性能面で最もバランスがと
れ、使い易いのはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)である。また、耐衝撃性、耐貫通性、接着性、透明
性等の点から自動車用合せガラスで用いられているPV
B樹脂も好適である。
【0107】PVB樹脂は、ポリビニルアセタール単位
が70〜95重量%、ポリ酢酸ビニル単位が1〜15重
量%で、平均重合度が200〜3000、好ましくは3
00〜2500であるものが好ましく、PVB樹脂は可
塑剤を含む樹脂組成物として使用される。
【0108】PVB樹脂組成物の可塑剤としては、一塩
基酸エステル、多塩基酸エステル等の有機系可塑剤や燐
酸系可塑剤が挙げられる。
【0109】一塩基酸エステルとしては、酪酸、イソ酪
酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、n−オ
クチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−
ノニル酸)、デシル酸等の有機酸とトリエチレングリコ
ールとの反応によって得られるエステルが好ましく、よ
り好ましくは、トリエチレン−ジ−2−エチルブチレー
ト、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエ
ート、トリエチレングリコール−ジ−カプロネート、ト
リエチレングリコール−ジ−n−オクトエート等であ
る。なお、上記有機酸とテトラエチレングリコール又は
トリプロピレングリコールとのエステルも使用可能であ
る。
【0110】多塩基酸エステル系可塑剤としては、例え
ば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸
と炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルコールとのエス
テルが好ましく、より好ましくは、ジブチルセバケー
ト、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジ
ペート等が挙げられる。
【0111】燐酸系可塑剤としては、トリブトキシエチ
ルフォスフェート、イソデシルフェニルフォスフェー
ト、トリイソプロピルフォスフェート等が挙げられる。
【0112】PVB樹脂組成物において、可塑剤の量が
少ないと製膜性が低下し、多いと耐熱時の耐久性等が損
なわれるため、ポリビニルブチラール樹脂100重量部
に対して可塑剤を5〜50重量部、好ましくは10〜4
0重量部とする。
【0113】PVB樹脂組成物には、更に劣化防止のた
めに、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤が
添加されていても良い。
【0114】以下に、樹脂としてEVAを用いた場合を
例示して本発明に係る接着層についてより詳細に説明す
る。
【0115】EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜5
0重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用さ
れる。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと耐候性
及び透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械
的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィ
ルム相互のブロッキングが生ずる。
【0116】架橋剤としては加熱架橋する場合は、有機
過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯
蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物と
しては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジーt−ブ
チルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイ
ド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;
n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バ
レレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオ
キシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブ
チルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5
−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1
−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサ
イド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオ
キシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイ
ド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロル
ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソ
ブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロ
ルヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。これら
の過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通
常EVA100重量部に対して、10重量部以下、好ま
しくは0.1〜10重量部の割合で使用される。
【0117】有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、
ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニ
ルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法によ
り添加しても良い。
【0118】なお、EVAの物性(機械的強度、光学的
特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良
のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及
びアリル基含有化合物を添加することができる。この目
的で用いられる化合物としてはアクリル酸又はメタクリ
ル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般
的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデ
シル、ステアリル、ラウリル等のアルキル基の他、シク
ロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピ
ル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙
げられる。また、エチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールと
のエステルを用いることもできる。アミドとしてはダイ
アセトンアクリルアミドが代表的である。
【0119】より具体的には、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル又
はメタクリル酸エステル等の多官能エステルや、トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタ
ル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジア
リル等のアリル基含有化合物が挙げられ、これらは1種
を単独で、或いは2種以上を混合して、通常EVA10
0重量部に対して0.1〜2重量部、好ましくは0.5
〜5重量部用いられる。
【0120】EVAを光により架橋する場合、上記過酸
化物の代りに光増感剤が通常EVA100重量部に対し
て10重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部使用
される。
【0121】この場合、使用可能な光増感剤としては、
例えばベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジ
ベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサクロロシク
ロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p−ニトロア
ニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、1,2−ベ
ンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−
1,9−ベンズアンスロンなどが挙げられ、これらは1
種を単独で或いは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0122】また、この場合、促進剤としてシランカッ
プリング剤が併用される。このシランカップリング剤と
しては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β
−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニル
トリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシランなどが挙げられる。
【0123】これらのシランカップリング剤は通常EV
A100重量部に対して0.001〜10重量部、好ま
しくは0.001〜5重量部の割合で1種又は2種以上
が混合使用される。
【0124】なお、本発明に係る接着用樹脂フィルムに
は、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止
剤、塗料加工助剤を少量含んでいてもよく、また、フィ
ルター自体の色合いを調整するために染料、顔料などの
着色剤、カーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシ
ウム等の充填剤を適量配合してもよい。
【0125】特に、接着用樹脂フィルムとして、上述の
ような無色透明樹脂に顔料を添加して着色した有色透明
樹脂よりなるフィルムを用いることにより、前述の如
く、青色輝度を補強するなどして自然な表示を得ること
ができ、或いはカラーフィルター等を用いることなく、
色純度を向上させ優れた色再現性を得ることができる。
【0126】この場合、使用される顔料としては、特に
制限はなく、一般的なプラスチック用着色剤などを用い
ることができるが、例えば、黄色酸化鉄、黄鉛、カドミ
ウムイエロー、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、
モリブデートオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ベンガ
ラ、カドミウムレッド、レーキレッドC、ブリリアント
カーミン6B、キナクリドンレッド、マンガンバイオレ
ット、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオ
レット、群青、紺青、コバルトブルー、ビクトリアブル
ーレーキ、フタロシアニンブルー、クロムグリーン、酸
化クロム、フタロシアニングリーン等の1種を単独で或
いは2種以上を混合して用いることができる。
【0127】前述の如く、PDPの発光パネルでは青色
発光が弱く、青色輝度を補強することが望まれる点、及
び色純度向上のため、本発明では、 群青、紺青、コバルトブルー、ビクトリアブルーレ
ーキ、フタロシアニンブルーなどの青色顔料の1種又は
2種以上、或いはマンガンバイオレット、メチルバイオ
レットレーキ、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料
との組み合わせ等により青色に着色させる。或いは
RGB各種の色純度を向上するような顔料、クロムグリ
ーン、酸化クロム、フタロシアニングリーン等の緑色顔
料と紫色又は青色顔料とを混合して配合する。などの方
法を採用するのが好ましい。
【0128】顔料の配合量は、透明性を損なうことな
く、コントラスト等の特性を向上させるために、EVA
等のマトリックス樹脂100重量部に対して0.001
〜10重量部とするのが好ましい。
【0129】なお、このような有色透明樹脂フィルムを
用いる場合、電磁波シールド性光透過窓材に用いるすべ
ての接着用樹脂フィルムが有色透明樹脂フィルムであっ
ても良く、また、接着用樹脂フィルム3A〜3Cのうち
の1枚又は2枚のみが有色透明樹脂フィルムであって、
残りのものは無色透明樹脂フィルムであっても良い。
【0130】また、本発明で用いる接着用樹脂フィルム
は接着性改良の手段として、シート化された接着用樹脂
フィルム面へのコロナ放電処理、低温プラズマ処理、電
子線照射、紫外光照射などの手段を施したものであって
も良い。
【0131】本発明に係る接着用樹脂フィルムは、接着
樹脂と上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混
練した後カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレー
ション等の成膜法により所定の形状にシート成形するこ
とにより製造される。成膜に際してはブロッキング防
止、透明基板との圧着時の脱気を容易にするためエンボ
スが付与される。
【0132】なお、導電性メッシュ5,5A及び近赤外
線カットフィルム4と接着樹脂とで形成される接着層の
厚さは、電磁波シールド性光透過窓材の用途等によって
も異なるが、通常の場合2μm〜2mm程度とされる。
従って、接着用樹脂フィルム3A,3B,3Cは、この
ような厚さの接着層が得られるような厚さに成形され
る。
【0133】図1又は図2に示す電磁波シールド性光透
過窓材1又は1Aを製造するには、反射防止膜8を形成
した透明基板2Aと、黒枠塗装6を設けた透明基板2B
と近赤外線カットフィルム4及び導電性メッシュ5又は
5Aと接着用樹脂フィルム3A,3B,3C及び導電性
粘着テープ7A,7Bを準備し、まず、導電性メッシュ
5又は5Aの周辺に導電性粘着テープ7Aを貼り付け、
ヒートシーラー等で加熱加圧して架橋しながら導電性メ
ッシュ5又は5Aと導電性粘着テープ7Aの間に導通を
持たせる。
【0134】このとき、導電性メッシュ5縁部への導電
性粘着テープ7Aの貼り付け方法としては、導電性メッ
シュ5の周縁部を保護すると共に、良好な導通面を確保
できるものであれば良く、特に制限はないが、例えば、
図3(a)に示す如く、導電性メッシュ5の4側辺の縁
部のほぼ全域に導電性粘着テープ7Aを貼り付ける方法
の他、図3(b)に示す如く、これよりも貼り付け面積
を若干小さくしても、図3(c),(d)に示す如く導
電性粘着テープ7Aを点在させたもの、図3(e),
(f)に示す如く、導電性メッシュ5の対向する2側辺
にのみ導電性粘着テープ7Aを貼り付けたものなどが挙
げられる。
【0135】なお、導電性粘着テープ7Aの導電性メッ
シュ5の縁部における貼り付け幅(図3(a)のW1
は、電磁波シールド性光透過窓材の面積によっても異な
るが、通常の場合3〜20mm程度とされる。
【0136】また、導電性メッシュ5A縁部への導電性
粘着テープ7Aの貼り付け方法としては、導電性メッシ
ュ5Aの導通部を引き出せるものであれば良く、特に制
限はないが、例えば、図4(a)に示す如く、導電性メ
ッシュ5Aの4側辺の縁部のほぼ全域に導電性粘着テー
プ7Aを貼り付ける方法の他、図4(b)に示す如く、
これよりも貼り付け面積を若干小さくしても、図4
(c),(d)に示す如く導電性粘着テープ7Aを点在
させたもの、図4(e),(f)に示す如く、導電性メ
ッシュ5Aの対向する2側辺にのみ導電性粘着テープ7
Aを貼り付けたものなどが挙げられる。
【0137】なお、導電性粘着テープ7Aの幅(図3
(a)のW2)は、電磁波シールド性光透過窓材の面積
によっても異なるが、通常の場合3〜20mm程度とさ
れる。
【0138】次に、接着性樹脂フィルム3Cを介して近
赤外線カットフィルム4を透明基板2Bと積層し、その
後、透明基板2Aと透明基板2Bとの間に導電性メッシ
ュ5を接着用樹脂フィルム3A,3B間に挟んだものを
積層し、接着用樹脂フィルム3A〜3Cの硬化条件で加
圧下、加熱又は光照射して一体化した後、導電性粘着テ
ープ7Aを貼り付けた導電性メッシュ5の周縁部或い
は、導電性メッシュ5Aの周縁部に貼り付けた導電性粘
着テープ7Aを透明基板2Bの縁部に沿って折り返し、
更に、透明基板2Aの表面の縁部から透明基板2Bの表
面の縁部に到るように導電性粘着テープ7Bを貼り付け
る。なお、図3(a),図4(a)の一点鎖線Lは、こ
のときの導電性メッシュ5又は導電性粘着テープ7Aの
折り返し線を示す。
【0139】導電性粘着テープ7A,7Bに架橋型導電
性粘着テープを用いる場合、架橋型導電性粘着テープ7
A,7Bの貼り付けに際しては、その粘着層7bの粘着
性を利用して積層体に貼り付け(この仮り止めは、必要
に応じて、貼り直しが可能である。)、その後、必要に
応じて圧力をかけながら加熱又は紫外線照射する。この
紫外線照射時には併せて加熱を行っても良い。なお、こ
の加熱又は光照射を局部的に行うことで、架橋型導電性
粘着テープの一部分のみを接着させるようにすることも
できる。
【0140】加熱接着は、一般的なヒートシーラーで容
易に行うことができ、また、加圧加熱方法としては、架
橋型導電性粘着テープを貼り付けた積層体を真空袋中に
入れ脱気後加熱する方法でも良く、接着はきわめて容易
に行える。
【0141】この接着条件としては、熱架橋の場合は、
用いる架橋剤(有機過酸化物)の種類に依存するが、通
常70〜150℃、好ましくは70〜130℃で、通常
10秒〜120分、好ましくは20秒〜60分である。
【0142】また、光架橋の場合、光源としては紫外〜
可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高
圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンラン
プ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カ
ーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。
照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概に
は決められないが、通常数十秒〜数十分程度である。架
橋促進のために、予め40〜120℃に加熱した後、こ
れに紫外線を照射してもよい。
【0143】また、接着時の加圧力についても適宜選定
され、通常5〜50kg/cm2、特に10〜30kg
/cm2の加圧力とすることが好ましい。
【0144】このようにして導電性粘着テープ7A,7
Bを取り付けた電磁波シールド性光透過窓材1,1A
は、筐体に単にはめ込むのみで極めて簡便かつ容易に筐
体に組み込むことができ、同時に、導電性粘着テープ7
A,7Bを介して導電性メッシュ5,5Aと筐体との良
好な導通をその周縁部において均一にとることができ
る。このため、良好な電磁波シールド効果が得られる。
【0145】なお、図1,2に示す電磁波シールド性光
透過窓材は本発明の電磁波シールド性光透過窓材の一例
であって、本発明は図示のものに限定されるものではな
い。例えば、前述の如く、近赤外線カットフィルムの代
りに透明導電性フィルムを設けたものであっても良く、
また、透明基板2Bの板面に直接透明導電性膜を形成し
たものであっても良い。このような電磁波シールド性光
透過窓材としては、透明基板2Bに次のような透明導電
性膜を形成したものが挙げられる。
【0146】 透明基板の板面に、フォトレジストの
コーティング、パターン露光及びエッチングの工程によ
り所定パターンにエッチングして形成した格子状又はパ
ンチングメタル状の金属膜。 透明基板の板面に導電性インキをパターン印刷して
形成した格子状又はパンチングメタル状の印刷膜。
【0147】また、本発明の電磁波シールド性光透過窓
材は、透明導電性フィルムの代りに、パターンエッチン
グにより格子状又はパンチングメタル状とした金属箔を
透明基板に接着したものであっても良い。
【0148】このような本発明の電磁波シールド性光透
過窓材は、PDPの前面フィルタとして、或いは、病院
や研究室等の精密機器設置場所の窓材等としてきわめて
好適である。
【0149】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0150】なお、実施例及び比較例で用いた接着用樹
脂フィルム及び化学強化ガラスは、次のようにして製造
した。
【0151】[接着用樹脂フィルム]エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(東洋曹逹社製ウルトラセン634:酢酸
ビニル含量26%、メルトインデックス4)100重量
部に、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂社製パー
ヘキサ3M)1重量部、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン0.1重量部、ジアリルフタレート2
重量部、及び紫外線吸収剤としてスミソルブ130(住
友化学工業社製)0.5重量部とを混合し、40mm押
出機にて500μm厚さの両面エンボスの接着用樹脂フ
ィルムを作製した。
【0152】[強化ガラス板]硝酸亜鉛濃度が0.5%
となるように硝酸亜鉛6水和物Zn(NO3)2・6H2
Oと硝酸カリウムKNO3をステンレス容器に入れ、3
60℃に加熱して溶融塩とした。ソーダライムシリカ組
成のフロートガラスをこの溶融塩に1時間漬けてその後
除冷して化学強化ガラス板とした。
【0153】実施例1 表面側透明基板2Aとして厚さ2mmのフロートガラス
板を用い、裏面側透明基板2Bとして厚さ2mmの黒枠
塗装付きガラス板を用い、これらの間に、近赤外線カッ
トフィルム4と導電性メッシュ5を介在させて接着用樹
脂フィルム3A〜3C及び導電性粘着テープ7A,7B
を用いて一体化させることにより、図1に示す電磁波シ
ールド性光透過窓材1を作製した。
【0154】なお、近赤外線カットフィルム4として
は、PETフィルム上に酸化亜鉛膜の近赤外カットコー
トを施したものを用いた。また、導電性メッシュ5とし
ては、銀被覆ポリエステル繊維よりなるものを用いた。
【0155】得られた電磁波シールド性光透過窓材を6
0℃,90%RHの高温多湿環境下で150時間放置
し、放置前後の電磁波シールド性を下記方法により調
べ、結果を表1に示した。
【0156】[電磁波シールド性]KEC法(関西電子
工業振興センター)に準拠したアンリツ社製EMIシー
ルド測定装置(MA8602B)を用いて電界の減衰測
定を行った。サンプルの大きさは90mm×110mm
であった。
【0157】比較例1 実施例1において、導電性粘着テープ7Aを用いなかっ
たこと以外は同様にして電磁波シールド性光透過窓材を
作製し、実施例1と同様に高温多湿環境下での放置前後
の電磁波シールド性を調べ、結果を表1に示した。
【0158】
【表1】
【0159】表1により、導電性メッシュの折り返し縁
部に導電性粘着テープを貼り付けた本発明の電磁波シー
ルド性光透過窓材によれば、耐候性に優れた電磁波シー
ルド性光透過窓材が得られることがわかる。
【0160】なお、導電性メッシュとして、透明基板2
A,2Bとほぼ同程度の面積のものを用いたこと以外は
実施例1と同様にして図2に示す電磁波シールド性光透
過窓材1Aを作製し、また、この電磁波シールド性光透
過窓材において、導電性粘着テープを用いないこと以外
は同様にして比較例の電磁波シールド性光透過窓材を作
製し、実施例1及び比較例1と同様に高温多湿環境下で
の放置前後の電磁波シールド性を比較したところ、表1
とほぼ同等の結果が得られ、導電性粘着テープで導電部
を取り出す本発明の電磁波シールド性光透過窓材によれ
ば、耐候性に優れた電磁波シールド性光透過窓材が得ら
れることが確認された。
【0161】実施例2、比較例2 通常のフロートガラスと、上記の化学強化ガラスを用い
て機械的強度試験を行った。図1の構造において透明基
板2Aを厚さ2mmのフロートガラス板、透明基板2B
を厚さ1mmのフロートガラス板又は化学強化ガラス板
として、インストロン社製圧縮試験機を用いて3点曲げ
試験を行った。サンプル形状、試験条件を下記に示す。
また、試験結果を表2に示す。 サンプル形状 :50mm×150mm 3点曲げスパン :80mm クロスヘッド速度:2mm/min サンプル数 :n=5の平均値
【0162】
【表2】
【0163】表2より、化学強化ガラスを用いることで
破壊応力を向上させることができることがわかる。
【0164】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の電磁波シー
ルド性光透過窓材は、組み立てが容易で、また、設置対
象の筐体に対して容易に組み込むことができ、しかも筐
体に対して均一かつ低抵抗な導通を確実に得ることがで
きるため、高い電磁波シールド性能を得ることができ
る。
【0165】しかも、本発明の電磁波シールド性光透過
窓材にあっては、導電性メッシュを折り曲げることな
く、導電性メッシュの縁部に貼り付けた導電性粘着テー
プで導通部を引き出すため、第1及び第2の透明基板を
導電性メッシュを介して極めて密着性良く一体化するこ
とができ、従って、耐候性、耐久性に優れ高温多湿環境
下での使用に際しての、電磁波シールド性等の特性の劣
化の問題がない。或いは、導電性メッシュを折り曲げる
場合にあっては、導電性メッシュの折り曲げ部に導電性
粘着テープを貼り付けて導電性メッシュを保護すると共
に、導通を確保するため、耐候性、耐久性に優れ高温多
湿環境下での使用に際しての、電磁波シールド性等の特
性の劣化の問題がない。
【0166】請求項2,3の電磁波シールド性光透過窓
材によれば、より一層耐久性を高めると共に、安定な導
通を確保することができる。
【0167】請求項4の電磁波シールド性光透過窓材に
よれば、より一層筐体への組み込みが容易になると共
に、均一かつ安定な導通を図ることができるようにな
る。
【0168】請求項5,6の電磁波シールド性光透過窓
材によれば、透明基板の機械的強度が高く、化学的安定
性に富むため、高強度で良好な耐候、耐久性が得られ
る。
【0169】請求項7の電磁波シールド性光透過窓材に
よれば、破損時の飛散防止効果が得られ、安全性が高め
られる。
【0170】請求項8の電磁波シールド性光透過窓材に
よれば、光透過性を損なうことなく、青色輝度の補強又
は色純度の向上を図ることができ、鮮明な画像を得るこ
とができる。
【0171】請求項9,11の電磁波シールド性光透過
窓材によれば、反射防止膜の光の干渉作用で光の反射を
防止して高視野角とすることができる。
【0172】請求項10の電磁波シールド性光透過窓材
によれば、透明導電膜と導電性メッシュとで優れた電磁
波シールド性を得ることができる。
【0173】請求項12の電磁波シールド性光透過窓材
によれば、良好な耐汚染性が得られる。
【0174】請求項13の電磁波シールド性光透過窓材
によれば、透明導電膜と導電性メッシュとで優れた電磁
波シールド性を得ることができる上に、OA機器本体か
らの熱を反射して、良好な断熱効果を得ることができ
る。
【0175】請求項14の電磁波シールド性光透過窓材
によれば、接着性等において良好な性能を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁波シールド性光透過窓材の実施の
形態を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の電磁波シールド性光透過窓材の実施の
形態を示す模式的な断面図である。
【図3】導電性粘着テープを貼り付けた導電性メッシュ
を示す平面図である。
【図4】導電性粘着テープを貼り付けた導電性メッシュ
を示す平面図である。
【符号の説明】
1,1A 電磁波シールド性光透過窓材 2A,2B 透明基板 3A,3B,3C 接着用樹脂フィルム 4 近赤外線カットフィルム 5,5A 導電性メッシュ 7A,7B 導電性粘着テープ 7a 金属箔 7b 粘着層 8 反射防止膜

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ主板面a,bを有した第1及び
    第2の透明基板を該主板面a同士を対面させて配置し、
    これらの透明基板の間に導電性メッシュを介在させてな
    る電磁波シールド性光透過窓材において、 該導電性メッシュの縁部に導電性テープAが貼着されて
    おり、該導電性テープAは、該第1の透明基板の該主板
    面aから端面に回り込んでいることを特徴とする電磁波
    シールド性光透過窓材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該導電性メッシュの
    縁部は、該第1の透明基板の該主板面aから端面に回り
    込んでおり、 該導電性メッシュの縁部に導電性テープAが貼着されて
    いることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記導電性メッシュ
    の縁部は第1の透明基板の主板面bにまで回り込んでお
    り、 前記導電性テープAは、該第1の透明基板の端面と両主
    板面a,bの縁部とにまたがる領域の該導電性メッシュ
    に貼着されていることを特徴とする電磁波シールド性光
    透過窓材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、前記第1及び第2の透明基板の端面から第1の透明
    基板の主板面bの縁部と第2の透明基板の主板面bの縁
    部とに回り込んで導電性粘着テープBが貼り付けられて
    いることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、前記第1及び第2の透明基板のうちの少なくとも一
    方が強化ガラスであることを特徴とする電磁波シールド
    性光透過窓材。
  6. 【請求項6】 請求項5において、該強化ガラスは化学
    強化ガラスであることを特徴とする電磁波シールド性光
    透過窓材。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
    て、該導電性メッシュは第1及び第2の透明基板間に接
    着樹脂で接合一体化してなることを特徴とする電磁波シ
    ールド性光透過窓材。
  8. 【請求項8】 請求項7において、該接着樹脂が有色透
    明樹脂であることを特徴とする電磁波シールド性光透過
    窓材。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項におい
    て、電磁波発生源側と反対側に位置する透明基板の表面
    に、高屈折率透明膜と低屈折率透明膜との積層膜よりな
    る反射防止膜が形成されていることを特徴とする電磁波
    シールド性光透過窓材。
  10. 【請求項10】 請求項9において、高屈折率透明膜が
    透明導電膜であることを特徴とする電磁波シールド性光
    透過窓材。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10において、該反射防
    止膜は高屈折率透明膜と低屈折率透明膜とを交互に積層
    した多層膜であることを特徴とする電磁波シールド性光
    透過窓材。
  12. 【請求項12】 請求項9ないし11のいずれか1項に
    おいて、該反射防止膜の上に汚染防止膜が設けられてい
    ることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか1項に
    おいて、電磁波発生源側に位置する透明基板の表面に、
    熱線反射性の透明導電膜が形成されていることを特徴と
    する電磁波シールド性光透過窓材。
  14. 【請求項14】 請求項7ないし13のいずれか1項に
    おいて、該接着樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体で
    あることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
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