JPH11185798A - 非水電解液系二次電池 - Google Patents

非水電解液系二次電池

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JPH11185798A
JPH11185798A JP9347623A JP34762397A JPH11185798A JP H11185798 A JPH11185798 A JP H11185798A JP 9347623 A JP9347623 A JP 9347623A JP 34762397 A JP34762397 A JP 34762397A JP H11185798 A JPH11185798 A JP H11185798A
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JP
Japan
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battery
negative electrode
positive electrode
active material
current collector
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JP9347623A
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English (en)
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Masaya Adachi
眞哉 足立
Kazuhiko Hashisaka
和彦 橋阪
Masayuki Kidai
聖幸 希代
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】充電状態で、電池缶に対する物理的な衝撃があ
っても、電池の破裂、発火を低減もしくは防止できる非
水電解液系二次電池を提供する。 【解決手段】正極活物質を含む正極シートおよび負極活
物質を含む負極シートをセパレーターを介して対向する
ように巻き込んだ捲回電極体の外周部分が、正極と等電
位の露呈金属と、負極と等電位の露呈金属が1周以上の
長さにわたって対向してなり、かつ負極である電池缶内
面と、絶縁体を介して正極と等電位の露呈金属部分の少
なくとも一部が対向してなる捲回電極体を有する非水電
解液系二次電池において、電解液が、電池蓋と電池缶に
よって囲まれた内部の体積の30〜42%を占めること
を特徴とする非水電解液系二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液系二次
電池に関するものであり、電池缶に対する物理的衝撃に
よる、破裂、発火を防止する安全性の高い非水電解液系
二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラやノート型パソコン
などのポータブル機器の普及に伴い、小型高容量の二次
電池に対する需要が高まっている。現在使用されている
二次電池のほとんどはアルカリ電解液を用いたニッケル
−カドミウム電池であるが、電池電圧が約1.2Vと低
く、エネルギー密度の向上は困難である。そのため、負
極にリチウム金属を使用するリチウム二次電池、および
リチウムイオン二次電池等の非水電解液系二次電池が検
討された。
【0003】しかし、これらの電池は、エネルギー量が
大きいため、充電状態で、電池缶に変形を伴うような物
理的な衝撃(圧壊、釘刺し等)や製造時のトラブルによ
る金属片の混入などで、正負極材や活物質層存在下での
正負極の集電体の短絡等が発生した場合、その短絡部分
に集中して電流が流れ、発熱による正負極材料の分解、
電解液の沸騰および分解などが瞬時に発生し、電池の破
裂、発火に至る場合があった。
【0004】電池の安全性に関して、特開平5−326
017号公報、特開平6−203827号公報、特開平
6−215749号公報、特開平6−325751号公
報、特開平6−333548号公報等などで、安全弁、
セパレーター、電解液、巻芯空間部等の改良が提案され
ている。しかしながら、この提案では、充電状態で電池
缶に対する物理的な衝撃、特に釘などの導電体が電池缶
内に突き刺さった場合に、電池の破裂、発火を防止する
効果が十分ではなかった。
【0005】また、特開平8−153542号公報で
は、電池缶外周部分に正極と等電位の露呈金属と、負極
と等電位の露呈金属が1周以上の長さにわたって対向し
てなる電池が提案されている。
【0006】この提案では、負極集電体から外周部に延
びる負極と等電位の露呈金属が短く、また、負極タブ
(リード)が負極活物質層終端部の直後に設置してあ
り、そのタブ(リード)の外側を正極と等電位の露呈金
属が積層されている構成になっているが、特に高容量で
あるNi系正極活物質を使用した電池の場合、該提案だ
けでは、電池の破裂、発火を防止する点で十分ではなか
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するものであり、充電状態で、電池缶に対する物理的
な衝撃があっても、電池の破裂、発火を低減もしくは防
止することが可能な非水電解液系二次電池を提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、以下の構成を採用する。
【0009】「シート状の正極およびシート状の負極を
セパレーターを介して対向するように巻き込んだ捲回電
極体の外周部分が、正極と等電位の露呈金属と、負極と
等電位の露呈金属が1周以上の長さにわたって対向して
なり、かつ負極と等電位である電池缶内面と、絶縁体を
介して正極と等電位の露呈金属部分の少なくとも一部が
対向してなる捲回電極体を有する非水電解液系二次電池
において、電解液が、電池蓋と電池缶によって囲まれた
内部の体積の30〜42%を占めることを特徴とする非
水電解液系二次電池。」
【0010】
【発明の実施の形態】上記構成を有する本発明の電池
は、電池缶外部からの圧力によって押しつぶされたり、
釘などが侵入し、複数の箇所で正負極間のセパレーター
がほぼ同時に破断した場合でも、まず最初に、正負活物
質層を形成していない、正極と等電位の露呈金属と、負
極と等電位の露呈金属が短絡し、その短絡部分は、高抵
抗の正極電極体と負極電極体の短絡部分と比較して、抵
抗値が充分に低い金属同士の短絡であることから、短絡
部分の抵抗値による電流の比例配分により、短絡電流
は、正負活物質層を形成していない、正極と等電位の露
呈金属と、負極と等電位の露呈金属の短絡部分を流れる
ため、正負活物質層の急激な発熱を抑えることができ、
電池の破裂、発火を低減できる。なお、本発明における
捲回電極体は、電池缶に挿入可能な、シート状の正極お
よびシート状の負極をセパレーターを介して対向するよ
うに捲回し、その終端部をテープなどで固定した円筒状
の構造体全体を示す。捲回電極体の最外周部分は、正極
と等電位の露呈金属と負極である電池缶の接触(短絡)
を防ぐため、セパレーターで捲回された状態をとってい
ても良いが、正極と等電位の露呈金属と負極と等電位で
ある電池缶が接触しなければ、どのような状態になって
いても差し支えない。
【0011】しかしながら、このような安全対策を施し
ていても、電解液量の不足や、捲回電極体内の電解液の
しみ込み方が不均一の場合、正極活物質と負極活物質の
充電深度が部分的に異なり、局部的に見れば、電解液の
よくしみ込んだ部分に大きな負荷がかかり、正負活物質
が不安定な状態となることがある。この場合、電池缶外
部からの圧力によって押しつぶされたり、釘などが侵入
し、複数の箇所で正負極間のセパレーターがほぼ同時に
破断した場合、電池缶の破裂、発火を押さえる効果が小
さいことを知見した。
【0012】本発明者らは、該現象を回避すべく研究を
重ねた結果、電解液を捲回電極体内の空隙に均一にしみ
込ませることにより、安全性の優れた電池が得られるこ
とを見出した。すなわち、電解液が電池缶内の閉鎖空間
内に十分存在することにより、何らかの異常で短絡して
も、正負のリチウムイオンの授受の反応が電極全体にお
いて均一となり、局部的な異常発熱を防ぐことができ、
発熱温度が徐々に上昇しても、電解液の蒸発などの吸熱
反応により、温度の急上昇を防ぎ、破裂、発火を防ぐこ
とができたと推測される。
【0013】上記効果が得られる、電解液の量として
は、電池蓋と電池缶によって囲まれた内部の体積の30
〜42%を占めることが重要であり、33〜38%がさ
らに好ましい。30%未満では、安全性向上に効果な
く、42%を越えると、充電時に電極が膨張するため、
電解液が電池蓋と電池缶のかしめ部分からの漏液する問
題がある。なお、本発明で述べる、電池蓋と電池缶によ
って囲まれた内部の体積は、捲回電極体や電解液以外の
挿入物の占める体積部分も含んでいる。すなわち、挿入
物(例えばセンターピンや上下絶縁板など)の体積は電
池蓋と電池缶によって囲まれた内部の体積から引かな
い。
【0014】電解液としては、特に限定されることなく
用いられる。例えば、LiClO4、LiBF4 、Li
AsF6 、CF3 SO3 Li、(CF3 SO2 2 NL
i、LiPF6 、LiI、LiAlCl4 およびこれら
の混合物等の金属塩からなる電解質をプロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、ジイソプロピルカーボ
ネート、γ- ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリ
ドン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルフォキシド、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、ギ酸メチル、スルホラン、オキ
サゾリドン、塩化チオニル、1,2−ジメトキシエタ
ン、ジメチルカーボネート、ジエチレンカーボネート、
ジメチルイミダゾリジノンおよびこれらの混合物、誘導
体等の有機溶媒に溶解して使用することができる。有機
溶媒中の電解質濃度は、電池性能の観点から0.1〜
2.5モル/lであることが好ましい。
【0015】電解液の注入方法は特に制限なく、通常公
知の方法が使用できるが、電解液を捲回電極体内の空隙
に均一にしみ込ませるためには、少なくとも、電池缶内
を減圧にして注入する工程があることが好ましい。
【0016】正極と等電位の露呈金属、および負極と等
電位の露呈金属は、それぞれ正負極活物質層を形成して
いない集電体部分であっても、集電体と同質または異な
る金属を抵抗溶接、あるいは超音波溶接などで溶接され
たものでも、テープで固定したり単なる積層して接触さ
せただけのものでも、低抵抗で電気的、機械的に接続し
ていれば差し支えないが、電池作製の容易さ、および製
造コストの点から、正負極活物質層を形成していない連
続した集電体部分である方が好ましい。
【0017】上記正極活物質層を形成していない集電体
部分の長さは、捲回電極体の外周長(L)以上であるこ
とが好ましく、L×2以上がさらに好ましい。上記負極
活物質層が形成されていない集電体部分の長さは、L×
0.8以上であることが好ましく、L以上がさらに好ま
しい。例えば、18650タイプの電池の場合、外周長
が約54mmであり、正極活物質層が形成されていない
集電体部分の長さは、55mm〜130mm、および負
極活物質層が形成されていない集電体部分の長さは、4
5mm〜80mmが、安全性と電池容量のバランスの観
点から好ましい。
【0018】さらに、電池缶の変形を伴う様な物理的な
衝撃があった場合、正極活物質層が形成されていない集
電体部分と、負極活物質層が形成されていない集電体部
分がより短絡しやすいように、負極活物質層が形成され
ていない集電体部分の両面に正極活物質層が形成されて
いない集電体部分の少なくとも一部分が対向しているこ
とが好ましい。すなわち、負極活物質層が形成されてい
ない集電体部分より正極活物質層が形成されていない集
電体部分が長く、負極活物質層が形成されていない集電
体部分を正極活物質層が形成されていない集電体部分が
はさみ込む様に対向されている方が好ましい。特に釘な
どが電池缶に侵入した場合、負極と等電位である電池
缶、正極活物質層が形成されていない集電体部分、負極
活物質層が形成されていない集電体部分、正極活物質層
が形成されていない集電体部分の順に貫くため、より高
い確率で、正極と等電位の露呈金属と、負極と等電位の
露呈金属を短絡させることができる。また、これらの正
負極と等電位の露呈金属部分は長いほど安全性は高まる
傾向にあるが、電池缶の容積も限られていることから、
正負極と等電位の露呈金属部分の長さは、製造者の目標
とする電池容量とのバランスで適宜決めることができ
る。
【0019】正極および負極の活物質層は、正極または
負極の活物質、結着剤、導電剤からなり、溶剤とともに
スラリーとして集電体上に塗布され、乾燥、プレス等の
工程を経て形成され、所定の長さ、幅にスリットし、本
発明のシート状正極、および負極が得られる。
【0020】本発明で使用する集電体としては、箔状、
繊維状、メッシュ状などとくに限定されるものではな
い。集電体として機能し得る必要最小限の電子伝導性と
機械的強度を保てる範囲で、極力膜厚の薄い金属箔を使
用することが好ましく、10〜25μmの厚さものが使
用される。正極用集電体としては、アルミニウム、ステ
ンレス、ニッケルなど、負極用集電体としては銅、ニッ
ケル、ステンレスなどが使用される。また、正極リー
ド、負極リードについても特に制限はないが、電池蓋や
電池缶等の外部電極と捲回電極体を電気的に接続するも
のであって、通常、幅2〜5mmで厚さ、50〜200
μmのシート状の金属であり、正負極と等電位の露呈金
属部分に対して抵抗溶接あるいは超音波溶接される。上
記リードの材質としては正負極の集電体と同様の金属を
用いることが可能であり、正極リードとしては、アルミ
ニウム、ステンレス、ニッケル、チタン等、負極リード
としては、銅、ステンレス、ニッケル等が挙げられる。
【0021】また、セパレーターについても特に制限は
なく、通常公知のセパレーターを使用できる。セパレー
ター材料としては、織布、不織布、微多孔質フィルムな
どが使用される。特にポリエチレン、ポリプロピレン、
またはこれらの積層体であるポリオレフィン系の微多孔
質フィルムが、厚み、強度、イオン透過性の点で好適で
ある。
【0022】また、正極と等電位の露呈金属部分と負極
と等電位の露呈金属部分が対向している部分は電子伝導
性がなく電解液などの有機溶剤に対して耐性があればイ
オン透過性がなくても差し支えない。特に、電池缶内面
と捲回電極体の最外周である正極と等電位の露呈金属部
分を絶縁している絶縁体は、電池缶内面と捲回電極体の
最外周である正極と等電位の露呈金属部分も絶縁が保て
れば、網状、粒状およびリング状のスペーサーでも良
い。外部からの圧力で電池缶が変形した場合、負極と等
電位の露呈金属部分の一つである電池缶と、正極と等電
位の露呈金属部分がより短絡しやすいようにする点と、
通常の電池の充放電時の短絡防止の観点から、網状の割
繊維不織布を好適に使用できる。割繊維不織布としては
強度、絶縁性、耐溶剤性の観点からポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン製で厚みは50〜200
μmが好ましい。また、捲回電極体の形態保持能力付与
の目的で、片方の面に粘着剤が塗布されていても差し支
えない。また、割繊維不織布の網状の程度を表す一つの
目安として坪量15〜50g/m2 が好ましい。
【0023】本発明で使用される正負電極活物質は、特
に限定されるものではない。例えば、負極活物質は、炭
素体が好適に用いられることが多い。本発明に用いられ
る炭素体としては、特に限定されるものではなく、一般
に有機物を焼成したものや黒鉛などが用いられる。炭素
体の形態としては、粉末状または繊維状の炭素体を粉末
化したものが好ましく用いられる。粉末状の炭素として
は、破砕状、鱗片状、球状等の天然黒鉛、人造黒鉛、フ
リュードコークスなどのコークス、メソカーボンマイク
ロビーズ、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニ
ルアルコール、リグニン、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリイミド、フェノール樹脂、フルフリルアルコー
ル樹脂、またはこれらの共重合体などの樹脂焼成体、石
炭もしくは石油などのピッチ、セルロースの焼成体など
が挙げられる。繊維状の炭素体としては、PANまたは
その共重合体から得られるPAN系炭素繊維、石炭もし
くは石油などのピッチから得られるピッチ系炭素繊維、
セルロースから得られるセルロース系炭素繊維、低分子
量有機物の気体から得られる気相成長炭素繊維などが挙
げられるが、その他に、上述のポリビニルアルコール、
リグニン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、
フェノール樹脂、フルフリルアルコール樹脂などを焼成
して得られる炭素繊維でも構わない。また、炭素体以外
にも、例えば特開平7―235293号公報に示される
ような金属酸化物やポリアセンなどの化合物、金属リチ
ウムおよびその合金なども負極活物質として用いること
もできる。
【0024】正極活物質としては、アルカリ金属を含む
遷移金属酸化物や遷移金属カルコゲンなどの無機化合
物、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニ
レンビニレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオ
フェンなどの共役系高分子、ジスルフィド結合を有する
高分子など、通常の二次電池において用いられる正極活
物質を挙げることができる。これらの中で、リチウム塩
を含む非水電解液を用いた二次電池の場合には、コバル
ト、マンガン、ニッケル、モリブデン、バナジウム、ク
ロム、鉄、銅、チタンなどの遷移金属酸化物や遷移金属
カルコゲンが好ましく用いられる。特に、Lix CoO
2 (0<x≦1.0)、Lix NiO2 (0<x≦1.
0)、またはこれらの金属元素の一部をアルカリ土類金
属元素および/または遷移金属元素で置換したリチウム
複合酸化物や、Lix MnO2 (0<x≦1.0)、L
x Mn2 4 (0<x≦1.3)などが好ましく用い
られる。本発明の構成は、特に、高容量電池が得られる
が一般的に安全性確保が困難であるLix NiO2 (0
<x≦1.0)や化学式Li1-X-a X Ni1-Y-b Y
2 (但し、Aはストロンチウムまたはバリウム、もし
くはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよび
バリウムの中から選ばれた少なくとも2種のアルカリ土
類金属元素のいずれかであり、BはNiを除く少なくと
も1種の遷移金属元素からなり、式中X、Yは0<X≦
0.10、0<Y≦0.30、a、bは、−0.10≦
a≦0.10、−0.15≦b≦0.15;但し、Xは
Aの総モル数を表し、Aが2種以上のアルカリ土類金属
元素からなる場合は、Xは全アルカリ土類金属元素の総
モル数であり、また、YはBの総モル数を表し、Bが2
種以上の遷移金属元素からなる場合は、YはNiを除く
全遷移金属元素の総モル数である)で表される化合物等
の金属元素の一部をアルカリ土類金属元素および/また
は遷移金属元素で置換したリチウム複合酸化物を使用し
た電池に有効である。
【0025】また、本発明の構成において正負極が全く
逆であっても本発明の主旨に反さなければ、なんら差し
支えなく、電池形状の制限もない。
【0026】本発明による電極を用いた二次電池の用途
としては、安全性に優れ、軽量かつ高容量で高エネルギ
ー密度の特徴を利用して、ビデオカメラ、パソコン、ワ
ープロ、ラジカセ、携帯電話、ハンディターミナル、C
Dプレーヤー、MDプレーヤー、電気髭剃り、液晶テレ
ビ、玩具、携帯用小型電子機器、電気自動車等に広く利
用可能である。
【0027】
【実施例】本発明の具体的実施態様を以下に実施例をも
って述べるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0028】図1は、本発明の非水電解液系二次電池の
態様を示す概略断面図である。
【0029】なお、便宜上セパレーターおよび正負極活
物質層は省略し、捲回電極体の外周部分の露呈金属部分
のみを示した。この非水電解液系二次電池は、負極と電
気的に接続されている電池缶1の内側から正極活物質層
の形成されていないアルミニウム箔集電体部分3、負極
活物質層の形成されていない銅箔集電体部分2、正極活
物質層の形成されていないアルミニウム箔集電体部分3
の順となるように捲回されているもので、負極活物質層
の形成されていない銅箔集電体部分2にニッケル製リー
ド4が溶接されている。なお、図示省略しているが、銅
箔集電体部分2、アルミニウム箔集電体部分3、に接続
している図示破線部分5、6には、それぞれ、負極活物
質層、正極活物質層が形成されている。
【0030】この態様の非水電解液系二次電池は、電池
缶外部から釘等が侵入した場合、電池缶1および/また
は銅箔集電体部分2とアルミニウム箔集電体部分3が短
絡し、大部分の短絡電流はこの短絡部を流れ、正負極活
物質層に短絡電流が流れにくく、熱分解などによる電池
の異常昇温を伴うことなく、ジュール熱が発生するだけ
で破裂、発火に至らない。
【0031】以下に電池の作製方法の一例をさらに詳し
く述べる。
【0032】(1)正極の作製 水酸化リチウム(Li(OH))、水酸化ニッケル(N
i(OH)2 )、水酸化ストロンチウム・8水塩(Sr
(OH)2 ・8H2 O)、水酸化コバルト(Co(O
H)2 )を酸化物換算でLi0.98Sr0.002 Ni0.90
0.102 となるように秤量し、650℃で16時間保
持し予備焼成した。室温まで冷却した後、再び自動乳鉢
で30分間粉砕し、二次粒子の凝集を解砕した。そし
て、予備焼成と同様の雰囲気下で、750℃で8時間保
持して本焼成し、室温まで冷却した後、再度自動乳鉢で
粉砕して正極活物質粉末とした。
【0033】この正極活物質を91重量%、ポリフッ化
ビニリデン(呉羽化学(株)製 KFポリマー#110
0)を6重量%、アセチレンブラック(“デンカブラッ
ク”、電気化学(株)製)を3重量%秤量し、これらの
固形分が60重量%となるようにN−メチル−2−ピロ
リドンを加え、混練して正極スラリーを作製した。
【0034】この正極スラリーを、厚さ20μm、幅1
00mm、長さ600mmのアルミニウム箔上の片面
に、電極部の幅80mm、長さ465mm、単位面積当
たりの正極活物質重量が200g/m2 になるように塗
布し、100℃で15分乾燥後、もう一方の面にも塗布
し、100℃で30分乾燥し、さらに180℃で15分
乾燥しシート状電極を作製した。このシート状電極を幅
65mmにスリットし、線圧約100kg/cmでロー
ラープレスしてアルミニウム集電体に圧着した後、幅5
4mmにスリットし、総厚み190μmの正極用電極を
得た。正極活物質層を形成していないアルミニウム集電
体部分を130mmとなるようにカットした。正極リー
ドは捲回電極体の中心部になる部分のアルミニウム集電
体にアルミニウム製リードを超音波溶接した。
【0035】(2)負極の作製 負極活物質として、人造黒鉛85重量%(“LB−B
G”日本黒鉛工業(株)製)、PVDF(前述)を10
重量%、アセチレンブラック(前述)を5重量%を秤量
し、これらの固形分が34重量%となるようにN−メチ
ル−2−ピロリドンを加え、混練して負極スラリーを作
製した。
【0036】この負極ペーストを、厚さ17μm、幅1
00mm、長さ600mmの銅箔上の片面に、電極部の
幅80mm、長さ500mm、単位面積当たりの負極活
物質重量が90g/m2 になるように塗布し、100℃
で30分乾燥後、もう一方の面には単位面積当たりの負
極活物質重量が80g/m2 になるように塗布し、10
0℃で30分乾燥し、さらに200℃で15分、窒素気
流中で乾燥しシート状電極を作製した。このシート状電
極を幅65mmにスリットし、線圧約100kg/cm
でローラープレスして銅箔集電体に圧着した後、幅56
mmにスリットし、総厚み200μmの負極用電極を得
た。負極活物質層を形成していない銅箔集電体部分を6
0mmとなるようにカットした。
【0037】(3)電解液 ECとDMCとの等容量混合溶媒中、LiPF6 を1モ
ル/Lの割合で溶解したものを作製した。
【0038】(4)電池作製 非水電解液系二次電池を以下のように作製した。上記正
極シートと負極シートを外周部分が図1と同様の態様に
なるように、ポリエチレン製セパレーターで絶縁を保ち
ながら捲回し、外径約17mmの捲回電極体を得た。次
に捲回電極体の上下両端面に絶縁板を配置した後、電池
缶に挿入した。負極リードを電池缶に抵抗溶接し、電池
缶上部に電池蓋や絶縁封口ガスケットを保持するための
くびれを入れ、正極リードを電池蓋に溶接し減圧注入機
で電解液を電池缶内の体積の35%を占める様に注入し
た。アスファルトで表面を塗布した絶縁封口ガスケット
を介して電池缶をかしめることによって電池蓋を固定
し、電池内の気密性を保持させ18650サイズの円筒
型非水電解液系二次電池を20個組み立てた。なお、本
実施例の電池缶内部の体積は、14.3cm3 で、注入
した電解液量は、5cm3 である。
【0039】図2に電池缶内に捲回電極体を挿入し電池
蓋によって密閉した電池の縦断面概略図を示した。この
図の電池蓋部分の詳細な構成は省略した。電池缶1に捲
回電極体9を挿入し、負極リード4を缶底に溶接し、正
極リード8を電池蓋7に溶接し、電池缶内上部をかしめ
ることによって、電池蓋で密閉した構造となっている。
図示中省略しているが、電池缶と電池蓋の間には短絡を
防止するためにガスケット、捲回電極体の上部および下
部には絶縁板も存在する。注入した電解液は、捲回電極
体の空隙および電池缶と捲回電極体間の隙間に存在す
る。
【0040】(5)評価 これらの電池を、充電終止電圧4.2V、充電電流1A
の条件で3時間定電流/定電圧充電を行った後、50℃
で2時間エージングした後、放電終止電圧2.8V、放
電電流0.2Aの条件で定電流放電して初期容量を求め
たところ1600mAhを示した。これらの電池を充電
状態で圧壊試験10本、釘刺し試験10本したところ、
圧壊試験において1本電池蓋が飛び出す程度の発煙を伴
う破裂が起こったが、釘刺し試験では破裂、発火が起こ
らなかった。なお、圧壊試験、釘刺し試験は、BAJ安
全性評価基準ガイドラインに則って行った。
【0041】比較例2 電解液注入量を25%にした以外は、実施例と同様に1
8650サイズの円筒型非水電解液系二次電池を20個
組み立てた。これらの電池を充電状態で圧壊試験10
本、釘刺し試験10本したところ、圧壊試験では10本
すべて破裂、発火し、釘刺し試験では7本破裂、発火し
3本のみ破裂、発火に至らなかった。
【0042】比較例3 電解液注入量を45%にした以外は、実施例と同様に1
8650サイズの円筒型非水電解液系二次電池を20個
組み立てた。これらの電池を充電したところ、すべての
電池において電解液の漏液が見られ、評価不可能となっ
た。
【0043】
【発明の効果】本発明による態様をとることによって、
充電状態で、電池缶に対する物理的な衝撃があっても、
電池の破裂、発火を低減もしくは防止できる非水電解液
系二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液系二次電池の捲回電極体の
外周部分の構成の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の非水電解液系二次電池の構成の一例を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・電池缶 2・・・負極と等電位の露呈金属部分 3・・・正極と等電位の露呈金属部分 4・・・負極リード 5・・・負極活物質層を含む負極シート 6・・・正極活物質層を含む正極シート 7・・・電池蓋 8・・・正極リード 9・・・捲回電極体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状の正極およびシート状の負極をセ
    パレーターを介して対向するように巻き込んだ捲回電極
    体の外周部分が、正極と等電位の露呈金属と、負極と等
    電位の露呈金属が1周以上の長さにわたって対向してな
    り、かつ負極と等電位である電池缶内面と、絶縁体を介
    して正極と等電位の露呈金属部分の少なくとも一部が対
    向してなる捲回電極体を有する非水電解液系二次電池に
    おいて、電解液が、電池蓋と電池缶によって囲まれた内
    部の体積の30〜42%を占めることを特徴とする非水
    電解液系二次電池。
  2. 【請求項2】請求項1記載の正極と等電位の露呈金属、
    および負極と等電位の露呈金属が、それぞれ正極活物質
    層が形成されていない集電体部分、および負極活物質層
    が形成されていない集電体部分であることを特徴とする
    非水電解液系二次電池。
  3. 【請求項3】正極活物質層が形成されていない集電体部
    分の長さが、捲回電極体の外周長(L)以上、および負
    極活物質層が形成されていない集電体部分の長さがL×
    0.8以上であることを特徴とする請求項2記載の非水
    電解液系二次電池。
  4. 【請求項4】負極活物質層が形成されていない集電体部
    分の両面に正極活物質層が形成されていない集電体の少
    なくとも一部分が対向していることを特徴とする請求項
    2または3記載の非水電解液系二次電池。
  5. 【請求項5】正極活物質がLix NiO2 (0<x≦
    1.0)、またはこれらの金属元素の一部をアルカリ土
    類金属元素および/または遷移金属元素で置換したリチ
    ウム複合酸化物であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の非水電解液系二次電池。
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