JPH11183468A - 環境衛生検査用の検体採取容器 - Google Patents
環境衛生検査用の検体採取容器Info
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- JPH11183468A JPH11183468A JP9350302A JP35030297A JPH11183468A JP H11183468 A JPH11183468 A JP H11183468A JP 9350302 A JP9350302 A JP 9350302A JP 35030297 A JP35030297 A JP 35030297A JP H11183468 A JPH11183468 A JP H11183468A
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Abstract
添加することができ、検査作業を簡単し、かつ、正確な
汚染度の判定が可能な環境衛生検査用の検体採取容器を
提供する。 【解決手段】 合成樹脂製の筒状の容器本体1と、綿球
部2及びスティック3を容器本体内に挿入した状態で容
器本体の開口部内に密に嵌合する嵌合部4aと筒状部4
bを有する合成樹脂製の蓋体4と、第1の液体が内部に
充填され、蓋体4内の空間と薄膜16で仕切られた第1
の液室5及び第2の液体が内部に充填され、第1の液室
5と仕切り部材15で仕切られた第2の液室6の2室を
形成する液室形成手段7と、薄膜16を外力により開口
させる第1の開口手段8と、仕切り部材を外力により開
口させる第2の開口手段9とを備える。第1の開口手段
により薄膜を開口させると第1の液室5内の第1の液体
が検体に添加され、第2の開口手段により仕切り部材の
壁部を開口させると第2の液室6内の第2の液体が検体
に添加される。
Description
び医薬品製造所等で使用される検体採取容器、特に、2
種類以上の試薬等の液体を用いて検査対象物の汚染を検
査するのに適した環境衛生検査用の検体採取容器に関す
るものである。
微生物による汚染度を判定できる試薬を使う方法があ
る。この方法では、所定の拭き取り具(通常綿棒が使用
される)で検査対象物を拭き取って検体を採取し、この
後、検体に試薬等の液体を添加し、検査のための次の工
程に進む。一般的には、検体に添加する試薬等の液体が
2種類以上ある場合、各試薬を対応する容器からピペッ
ト等で一定量ずつ採取して検体に順次添加する。しか
し、この方法では、各試薬をピペット等を用いて検体に
順次添加する作業が煩雑であり、かつ、その作業の過程
で検体が検査対象物の汚染物質とは別の物質により汚染
されてしまう可能性が高く、汚染度を正確に判定できな
いという問題があった。
るために、図12及び図13に示すような検体採取容器
が考えられている。図12に示す容器は、一端に綿球1
00が固定され、他端を栓101で密封された細長いパ
イプ状の綿棒軸102と、内部に試薬が充填された軟質
の合成樹脂でできたボトル103と、容器本体104
と、ボトル103及び容器本体104を保持すると共に
容器本体104を密封する保持部材105とを備えてい
る。綿棒軸102を保持部材105の中心孔に挿通させ
てその他端側(栓101がある側)をボトル103内に
入れ、綿棒軸102の一端側及び綿球100を容器本体
104内に挿入した状態で、ボトル103及び容器本体
104を保持部材105で接続してある。この容器で
は、ボトル103を押圧して綿棒軸102の他端側を破
損させると、ボトル103内の試薬が綿棒軸102内を
通って綿球100に添加される。
10が固定された綿棒軸111と、綿球110及び綿棒
軸111が挿入された容器本体112と、内部に試薬が
充填されたガラスカプセル113と、ガラスカプセル1
13を収納した軟質の合成樹脂でできたボトル114
と、ボトル114及び容器本体112を保持すると共に
容器本体112を密封する保持部材115とを備えてい
る。ボトル114を押圧してガラスカプセル113を破
損すると、ガラスカプセル113内の試薬がボトル11
4内に流出し、さらに保持部材115の連通路115a
を通って容器本体112内に流入し、綿球110に添加
される。
つの従来例のいずれも、検体を採取した綿球100、1
10には、容器内部において1種類の試薬しか添加する
ことができない。そのため、検体に2種類以上の試薬等
の液体を添加するような検査を行なう場合には、容器内
部において1番目の試薬を検体に添加した後に、保持部
材105、115を容器本体104、112から外し、
試薬が検体に添加されてできた検液の一定量をその容器
本体から滴下させて他の容器に移し、これとは別の容器
から2番目の試薬をピペットで一定量採取して前記他の
容器内の検液に添加しなければならず、作業が依然とし
て煩雑であり、かつ、2番目以降の試薬の添加を容器の
外部で行なうために検体(検液)が検査対象物の汚染物
質とは別の物質により汚染されてしまう可能性が依然と
して高く、汚染度を正確に判定できないという問題があ
った。
てなされたもので、その課題は、2種類以上の試薬等の
液体を容器内部で順次添加することができ、検査作業を
簡単し、かつ、正確な汚染度の判定が可能な環境衛生検
査用の検体採取容器を提供することである。
請求項1記載の発明は、一端側が開口した合成樹脂製の
筒状の容器本体と、拭き取り部材付きのスティックを保
持し、該スティック及び拭き取り部材を容器本体内に挿
入した状態で容器本体の開口部内に密に嵌合する嵌合部
と拭き取り部材が臨む空間に連通する筒状部とを有する
合成樹脂製の蓋体と、第1の液体が内部に充填され、蓋
体の筒状部内の空間と第1の壁部で仕切られた第1の液
室、及び第2の液体が内部に充填され、第1の液室と第
2の壁部で仕切られた第2の液室を含む少なくとも2つ
の独立した液室を形成する液室形成手段と、第1の壁部
を外力により開口させる第1の開口手段と、第2の壁部
を外力により開口させる第2の開口手段とを備えている
ことを特徴とする。
き取り部材及びスティックを容器本体内に挿入して容器
本体の開口部内に蓋体の嵌合部を嵌合させた状態で、第
1の開口手段により第1の壁部を開口させると、第1の
液室が蓋体の筒状部内の空間と連通するので、第1の液
体がその筒状部内の空間及び拭き取り部材が臨む空間を
通って拭き取り部材に付着した検体に添加される。この
後、第2の開口手段により第2の壁部を開口させると、
第2の液室が第1の液室と連通するので、第2の液体が
第1の液室、蓋体の筒状部内の空間及び拭き取り部材が
臨む空間を通って検体に添加される。また、試薬等の液
体を容器外部でピペット等を使って検体に添加する必要
がなく、検体が検査対象物の汚染物質とは別の物質で汚
染されることはない。
は、前記蓋体の筒状部内に軸方向に摺動自在に密に嵌合
した筒体で、一端側の開口が前記第1の壁部をなす薄膜
で塞がれかつ他端が開口した合成樹脂製の第1の筒体
と、一端側が開口した有底の筒体で、その開口端を第1
の筒体の開口端と合致させて第1の筒体に固定された押
圧により変形可能な合成樹脂製の第2の筒体と、前記両
筒体により形成される1つの空間内を前記第1の液室と
第2の液室に仕切る前記第2の壁部をなす合成樹脂製の
仕切り部材とからなり、前記第1の開口手段は、蓋体の
嵌合部と一体に形成されて薄膜を破る針状部と、第1の
筒体を、薄膜が針状部の先端から所定距離だけ離れた位
置に位置決めすると共に針状部側へのみ変位可能に保持
する保持部とを含み、かつ、前記第2の開口手段は、第
2の筒体を介して外力を受けると第2の壁部を開口する
ように仕切り部材の一部に形成された開口形成部を含む
ことを特徴とする。
部分が合成樹脂でできており、ガラスのような廃棄や焼
却がしにくい材質のものを含んでいないので、その構成
部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、薄膜が
針状部の先端で破られると第1の液体が検体に添加され
ると共に、合成樹脂製の仕切り部材の開口形成部が外力
を受けて第2の壁部を開口すると第2の液体が検体に添
加されるので、作業者にとって危険な破片が発生しな
い。さらに、第1の液体の添加時には第1の筒体を針状
部側へ変位させればよく、第2の液体の添加時には第2
の筒体を押圧して変形させればよいので、かつ、液体の
添加作業を簡単に行なうことができる。
段は、前記蓋体の筒状部と第1の筒体を螺合するねじ結
合部を含んでいることを特徴とする。このような構成か
ら、第1の筒体をねじ結合部の締め方向又は緩め方向の
いずれか一方へ回転させると、第1の筒体が針状部側へ
変位して薄膜が針状部により破られるので、第1の液体
の添加時に第1の筒体に力を加え易い。
開口形成部は、第2の壁部から軸方向に延びた突部と、
該突部の根元に設けられた薄肉の脆弱部とから構成され
ていることを特徴とする。このような構成から、第2の
液体の添加時には、第2の筒体を押圧して突部に外力を
加えると、突部がその根元に設けられた薄肉の脆弱部の
箇所で折れて第2の壁部が開口するので、突部のできる
だけ先端に近い箇所に外力を加えることにより、突部を
より小さい力で折ることができる。
は、前記蓋体の筒状部内に軸方向に摺動自在に密に嵌合
した筒体で、一端側の開口が前記第1の壁部をなす第1
の薄膜で塞がれかつ他端が開口した合成樹脂製の第1の
筒体と、該筒体の他端側開口部内に嵌合する嵌合部及び
第1の筒体内の空間と連通する空間を形成しかつ他端が
開口した筒状部を有する合成樹脂製の第2の蓋体と、該
蓋体の筒状部内に軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体
で、前記第1の薄膜との間に前記第1の液室を形成する
ように一端側の開口が前記第2の壁部をなす第2の薄膜
で塞がれかつ該薄膜との間に前記第2の液室を形成する
ように他端が閉塞した合成樹脂製の第2の筒体とからな
り、前記第1の開口手段は、前記蓋体の嵌合部と一体に
形成されて前記第1の薄膜を破る第1の針状部と、第1
の筒体を、第1の薄膜が第1の針状部の先端から所定距
離だけ離れた位置に位置決めすると共に第1の針状部側
へのみ変位可能に保持する第1の保持部とを含み、か
つ、前記第2の開口手段は、第2の蓋体の嵌合部と一体
に形成されて第2の薄膜を破る第2の針状部と、第2の
筒体を、第2の薄膜が第2の針状部の先端から所定距離
だけ離れた位置に位置決めすると共に第2の筒体を第2
の針状部側へのみ変位可能に保持する第2の保持部とを
含むことを特徴とする。
別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、第1の薄膜が第
1の針状部の先端で破られると第1の液体が検体に添加
されると共に、第2の薄膜が第2の針状部の先端で破ら
れると第2の液体が検体に添加されるので、作業者にと
って危険な破片が発生しない。さらに、第1の液体の添
加時には第1の筒体を針状部側へ、第2の液体の添加時
には第2の筒体を針状部側へそれぞれ変位させればよい
ので、液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
は、両端が開口した筒体で、一端側開口端が前記蓋体の
筒状部の外周に密に嵌合した押圧により変形可能な合成
樹脂製の第1の筒体と、一端側が開口した有底の筒体
で、その開口端を前記第1の筒体の他端側開口端と合致
させて第1の筒体に固定された押圧により変形可能な合
成樹脂製の第2の筒体と、前記第1の壁部を有する合成
樹脂製の第1の仕切り部材と、前記第2の壁部を有し、
第1の仕切り部材で仕切られて前記両筒体内にできる1
つの空間を前記第1の液室と第2の液室に仕切る合成樹
脂製の第2の仕切り部材とからなり、前記第1の開口手
段は、第1の筒体を介して外力を受けると第1の壁部を
開口するように第1の仕切り部材の一部に形成された開
口形成部を含み、かつ、前記第2の開口手段は、第2の
筒体を介して外力を受けると第2の壁部を開口するよう
に第2の仕切り部材の一部に形成された開口形成部を含
むことを特徴とする。
別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、合成樹脂製の第
1の仕切り部材の開口形成部が外力を受けて第1の壁部
を開口すると第1の液体が検体に添加され、合成樹脂製
の第2の仕切り部材の開口形成部が外力を受けて第2の
壁部を開口すると第2の液体が検体に添加されるので、
作業者にとって危険な破片が発生しない。さらに、第1
の液体の添加時には第1の筒体を押圧して変形させ、第
2の液体の添加時には第2の筒体を押圧して変形させれ
ばよいので、液体の添加作業を簡単に行なうことができ
る。
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施
の形態に係る環境衛生検査用の検体採取容器を示す縦断
面図、図2は図1の一部を拡大して示す断面図、図3は
図1の外観を示す平面図である。この検体採取容器は、
図1及び図3に示すように、一端側が開口し、試験管状
に形成された筒状の容器本体1と、調理器具等の検査対
象物を拭う綿球部(拭き取り部材)2が先端に取り付け
られた細長い棒状のスティック3とを備えている。この
スティック3はABS等の硬質の合成樹脂でできてい
る。
部が取り外し可能に固定され、綿球部2及びスティック
3を容器本体1内に挿入した状態で容器本体1の開口端
に取り付けられる蓋体4と、第1の液体(例えばATP
除去試薬)が内部に充填された第1の液室5及び第2の
液体(例えばATP抽出試薬)が内部に充填された第2
の液室6の2つの独立した液室を形成する液室形成手段
7と、第1の液室5の一部を外力により開口させる第1
の開口手段8と、第2の液室6の一部を外力により開口
させる第2の開口手段9とを備えている。
質の合成樹脂製であり、透明、不透明のいずれであって
もよいが、内部を確認できるという点から透明のものが
好ましい。容器本体1の底部先端には吐出口10が設け
てある。11は吐出口10を開閉する吐出口開閉用蓋体
であり、吐出口10の先端部の汚染を防止するために吐
出口10の外側に被せてある。この吐出口開閉用蓋体1
1は連結紐12を介して容器本体1と一体に成形されて
おり、吐出口開閉用蓋体11を外した際の紛失が防止で
きるようになっている。また、容器本体1の胴部には、
押圧によって変形する蛇腹状に形成された絞り部1aが
形成されている。
BS等の硬質の合成樹脂でできており、容器本体1の開
口部内に密に嵌合する嵌合部4aと、該嵌合部4aより
大きな外径を有し、容器本体1内の空間(綿球部2が臨
む空間)に連通する筒状部4bとを有する。嵌合部4a
の先端側中央には軸方向にスティック3の先端を挿入す
る取付穴4cが形成されている。嵌合部4aに形成され
た取付穴4cの外側には、容器本体1内と筒状部4b内
を連通する複数の連通路(この連通路は1つであっても
よい)4dが形成されている。取付穴4cには、スティ
ック3の端部が取外し可能に固定されている。さらに、
蓋体4の筒状部4bの外周面のほぼ中央部には突起4e
が、その外周面の突起4eより後端部側に寄った位置に
は雄ねじ4fがそれぞれ設けられている。突起4eは、
周方向にほぼ等間隔に複数個配置されている。
bに軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、一端側の
開口が蓋体4の筒状部4b内と第一の液室5を仕切る第
1の壁部をなす薄膜16で塞がれかつ他端が開口した第
1の筒体13と、一端側が開口した有底の筒体で、その
開口端を第1の筒体13の開口端と合致させて第1の筒
体13に接着或いは溶着により固定された押圧により変
形可能な第2の筒体14と、両筒体13,14の間に挟
持され、該両筒体により形成される1つの空間内を第1
の液室5と第2の液室6に仕切る第2の壁部をなす仕切
り部材15とから構成されている。第1の筒体13及び
第2の筒体14は、共に低密度ポリエチレン等の軟質の
合成樹脂製であり、仕切り部材15はABS,PS等の
硬質の合成樹脂でできている。
筒部13bを有し、両筒部がスティック3とは反対側の
端部で連続した2重筒構造のものである。第1の筒体1
3の内側筒部13aは、蓋体4の筒状部4b内周に摺動
自在に密に嵌合しており、内側筒部13aの一端側の開
口は薄膜16で塞がれている。一方、第1の筒体13の
外側筒部13bの内周面には、蓋体4の突起4eと係合
する位置決め用の係止部13cと、蓋体4の雄ねじ4f
と螺合する雌ねじ13dとが形成されている。また、外
側筒部13bの外周面には、第1の筒体13を回転させ
る際のすべり止めのためのローレットが切られている
(図3参照)。
凹部と、この凹部の左右に形成された左側凸部及び右側
凸部とからなる。この係止部13cと、蓋体4の複数個
の突起4eとの係合関係は次のようになっている。係止
部13cの凹部を突起4eに係合させると、第1の筒体
13が、薄膜16が針状部17の先端から所定距離だけ
離れた基準位置(図1の位置)に位置決めされて蓋体4
に保持されるようになっている。また、その基準位置
で、第1の筒体13を雄ねじ4fと雌ねじ13dからな
るねじ結合部の緩み方向へ回そうとしても、係止部13
cの右側凸部が突起4eに当たり、第1の筒体13の後
退方向(図1で左方向)への変位が阻止されるので、同
筒体13を緩み方向へ回すことができず、筒体13が蓋
体4から抜けないようになっている。一方、その基準位
置で、第1の筒体13を一定の大きさ以上の力でねじ結
合部の締め方向へ回転させると、外側筒部13bの弾性
変形により係止部13cの左側凸部13が突起4eを乗
り越え、この突起4eが係止部13cの凹部から外れる
ので、第1の筒体13が基準位置から針状部17側への
み変位できるようになっている。このように、第1の筒
体13を前記基準位置に位置決めすると共に針状部17
側へのみ変位可能に保持する保持部が、突起4eと係止
部13cにより構成されている。
筒部13aの他端側の開口を塞いでこの筒部13a内に
密閉した第1の液室5を形成していると共に、第2の筒
体14の開口を塞いでこの筒体14内に密閉した第2の
液室6を形成している。前記第1の開口手段8は、内側
筒部13aの一端側の開口を塞ぐ薄膜16と、先端を薄
膜16側へ向けて蓋体4の嵌合部4aの後端側中央に一
体に形成されて薄膜16を破る針状部17と、突起4e
と係止部13cからなる前記保持部とから構成されてい
る。このように、第1の筒体13を一定の大きさ以上の
外力で締め方向へ回転(例えば右回転)すると、第1の
筒体13が蓋体4に対して図1の位置から右方へ移動す
るので、針状部17が薄膜16を破って第1の液室5が
開口する。
に、外力により折れる脆弱部15eを形成することによ
り構成されている。すなわち、仕切り部材15は、第1
の筒体13の内側筒部13aの内周及び第2の筒体14
の内周にそれぞれ気密に嵌合する環状の筒部15aと、
この筒部の外周に形成された環状突部15bと、筒部1
5aの左端部から中央へ向かって鋭角に折れ曲がって延
びた仕切り壁部15cと、該壁部15cの中心部から鋭
角に折れ曲がって軸方向に延びた棒状の突出部15dと
が一体に形成されたものである。この突出部15dの根
元すなわち突出部15dと仕切り壁部15cとの境界部
が薄肉の脆弱部15eになっている。このように、AB
S,PS等の硬質で脆い材質の合成樹脂でできた仕切り
部材15は、軟質の合成樹脂でできた第2の筒体14に
外力を加え、この筒体14を押圧により変形させて仕切
り部材15の突出部15dを軸方向にほぼ垂直な方向
(図1の矢印で示す方向)に押すと、突出部15dが脆
弱部15eの箇所で折れて破損し(開口し)、この破損
により開口した箇所を介して両液室5,6が連通するよ
うになっている。
検体採取容器は、例えば、次のように使用される。保管
や搬送時には、容器本体1に蓋体4が取り付けられ、滅
菌された状態で適宜包装されている。検体採取現場で、
容器本体1から蓋体4を外し、容器本体1内からスティ
ック3を抜き、予め湿らせてある綿球部2で検査対象物
を拭いて検体を採取する。この後、検体を拭き取った綿
球部2及びスティック3を容器本体1に挿入し、蓋体4
で容器本体1内を密封する。
さ以上の外力で締め方向へ回転(例えば右回転)する
と、第1の筒体13が蓋体4に対して図1の位置から右
方へ移動し、薄膜16が針状部17で破られて第1の液
室5が開口する。これによって、第1の液室5が蓋体4
内の空間及び連通路4dを介して容器本体1内の空間
(拭き取り部材である綿球部2が臨む空間)と連通す
る。このとき、容器本体1の絞り部1aを押圧して変形
させる動作とその押圧を解除する動作を繰り返すことに
よるポンピング作用により、第1の液室5内の第1の液
体が蓋体4の筒状部4b内の空間、連通路4d及び容器
本体1内の空間を通って綿球部2で採取した検体に添加
される。この添加から第1の液体が検体に作用する所定
時間が経過するまでに、必要な場合には容器全体を振動
させることにより、第1の液体が検体に効率よく添加さ
れる。第1の液体の添加から所定時間が経過した後、第
2の筒体14を押圧して変形させることにより仕切り部
材15の突出部15dを軸方向にほぼ垂直な方向に押す
と、突出部15dがその根元にある脆弱部15eの箇所
で折れて破損する。これによって、その破損により開口
した箇所を介して両液室5,6が連通する。
すことにより、第2の液室6内の第2の液体が第1の液
室5、蓋体4の筒状部4b内の空間、連通路4d、及び
容器本体1内の空間を通って綿球部2に付いた検体(こ
こでは、第1の液体が添加された検液)に添加される。
この添加から第2の液体が検体に作用するまでの所定時
間が経過するまでに、必要な場合には容器全体を振動さ
せることにより、第2の液体が検体に効率よく添加され
る。この後、吐出口開閉用蓋体11を外し、綿球部2で
拭き取った検体に第1の液体及び第2の液体を順次添加
してできた検液を、絞り部1aの押圧動作を繰り返すこ
とにより、吐出口10から一定量だけ他の容器上に滴下
させ、次の検査工程に移る。
2種類の試薬等の液体を容器内部で順次添加することが
できる。したがって、図12及び図13に示す上記従来
例のように、2番目に添加する試薬等の液体を容器外部
でピペット等を使って検体に添加する必要がなく、検体
が検査対象物の汚染物質とは別の物質で汚染されること
はない。したがって、検査作業が簡単になり、正確な汚
染度の判定が可能となる。また、第1の実施の形態によ
れば、容器の構成部材の大部分すなわちスティック3お
よび綿球2を除く容器の構成部材の全てが合成樹脂でで
きており、ガラスのような廃棄や焼却がしにくい材質の
ものを含んでいないので、容器の構成部材を分別せずに
廃棄や焼却を行なえる。また、薄膜16が針状部17の
先端で破られると第1の液体が検体に添加される構成で
あり、かつ、合成樹脂製の仕切り部材15が外力を受け
てその脆弱部15eの箇所で破損して開口すると第2の
液体が検体に添加される構成であるので、作業者にとっ
て危険な破片が発生しない。そのため、図13に示す上
記従来例のように、作業者が破損したガラスカプセル1
13の破片により怪我をしたり、その破片が試薬に混入
したりする恐れがなく、かつ、廃棄する際に破損したガ
ラスカプセル113を他の部材と分別する必要がない。
したがって、取り扱いが安全で、廃棄や焼却がし易く、
かつ、破片が試薬に混入したりしない。また、第1の液
体の添加時には第1の筒体13をねじ結合部の締め方向
へ回転させると、第1の筒体13が針状部17側へ変位
して薄膜16が針状部17により破られるので、第1の
液体の添加作業を簡単に行なうことができる。また、第
2の液体の添加時には第2の筒体14を押圧して変形さ
せることにより、仕切り部材15の突部15dに力を加
えればよいので、第2の液体の添加作業を簡単に行なう
ことができる。
種類以上、例えば3種類の試薬を容器内部で順次添加で
きるようにするためには、例えば、前記第2の筒体14
の閉塞端を開口端とし、この開口端に第2の筒体14と
同様に一端側が開口した有底の筒体である第3の筒体の
開口端を取り付ける共に、これら両筒体の間に、両筒体
内にできる1つの空間を第2の液室と第3の液室とに仕
切る仕切り部材15と同様の仕切り部材を配置すればよ
い。また、上記第1の実施の形態において、綿球部2に
代えて、拭き取り部材として、液体を含浸できる材質の
もの例えばスポンジやガーゼを使用してもよい。
の嵌合部4aが容器本体1の開口部内に密に嵌合してい
るが、その嵌合部4aを容器本体1の開口部内に螺合さ
せるようにしてもよい。
り部材15の変形例を、図4、図5に基づいて説明す
る。まず、図4に基づいて仕切り部材15の変形例を説
明する。この変形例の仕切り部材15Aは、上記仕切り
部材15と同様の環状の筒部15a及び環状突部15b
と、筒部15aから鈍角で折れ曲がって延びた仕切り壁
部15fと、該壁部15fの中心部から鈍角で折れ曲が
って軸方向に延びた板状の突出部15gとが一体に形成
されたものである。この突出部15gの根元すなわち突
出部15gと仕切り壁部15fとの境界部には、薄肉部
の外周を切り欠いてさらに折れ易くした脆弱部15eが
設けられている。この脆弱部15eは、断面が長方形の
突出部15gの全周にわたって形成されている。この仕
切り部材15Aも、上記仕切り部材15と同様に、AB
S,PS等の硬質で脆い材質の合成樹脂でできている。
は、突出部15gの長辺を含む面に図4の矢印で示す方
向の力が加わると、突出部15gが脆弱部15eの箇所
で折れて破損し(開口し)、この破損により開口した箇
所を介して前記両液室5,6が連通する。この仕切り部
材15Aによれば、板状の突出部15gの根元に、薄肉
部の外周を切り欠いて折れ易くした脆弱部15eを設け
ているので、上記仕切り部材15と比べてより小さい力
で突出部15gを破損させることができる。
示している。この変形例の仕切り部材15Bは、上記仕
切り部材15と同様の環状の筒部15a及び環状突部1
5bと、筒部15aから径方向に延び、中心部に貫通孔
15iを有する仕切り壁部15hと、その貫通孔15i
を開閉するためのコマ15jとからなる。コマ15j
は、仕切り壁部15hの面に当接する板部15kと、板
部15kの一端面の中心から僅かに突出し、貫通孔15
iに嵌合してこの孔を塞ぐ栓となる短軸部15mと、板
部15kの他端面の中心からこの面に垂直な方向に十分
な長さだけ突出した長軸部15nとから構成されてい
る。仕切り部材15Bは、ABS等の硬質の合成樹脂で
できている。
は、図5で示すようにコマ15jの短軸部15mが貫通
孔15iを塞いだ状態で、コマ15jの長軸部15nに
同図の矢印で示す方向の力が加わると、短軸部15mが
貫通孔15iから外れて貫通孔15iが開き(開口
し)、この貫通孔15iを介して前記両液室5,6が連
通する。この仕切り部材15Bによれば、コマ15jの
短軸部15mにより貫通孔15ikを開閉する形式であ
り、上述した仕切り部材15,15Aとは異なり、外力
を受けて破損する構成ではないので、再利用に適し、資
源の節約及びコストの低減を図ることができる。
生検査用の検体採取容器の変形例を図6に基づいて説明
する。この変形例の検体採取容器は、蓋体4の筒状部4
bの外周面には、突起4eのみが設けられ、前記雄ねじ
4fが設けられていない点、及び、第1の筒体13の外
側筒部13bの内周面には、突起4eと係合する位置決
め用の係止部13cのみが設けられ、前記雌ねじ13d
が設けられていない点でのみ上記第1の実施の形態のも
のと異なる。なお、図6では、図1で示す第2の筒体1
4及び仕切り部材15を省略してある。
cの形状及び両部材の係合関係は、上記第1の実施の形
態のものとほぼ同じで、次のようになっている。係止部
13cの凹部を突起4eに係合させると、第1の筒体1
3が、薄膜16が針状部17の先端から所定距離だけ離
れた基準位置(図6の位置)に位置決めされて蓋体4に
保持されるようになっている。また、その基準位置で、
第1の筒体13を後退方向(図6で左方向)へ変位させ
ようとしても、係止部13cの右側凸部13c1が突起4
eに当たり、筒体13の後退方向への変位が阻止される
ので、筒体13が蓋体4から抜けないようになってい
る。さらに、その基準位置で、第1の筒体13を一定の
大きさ以上の力で前進方向(図6で右方向)へ変位させ
ると(押し込むと)、外側筒部13bの弾性変形により
係止部13cの左側凸部13c2が突起4eを乗り越え、
この突起4eが係止部13cの凹部から外れるので、第
1の筒体13が基準位置から針状部17側へのみ変位で
きるようになっている。
採取容器では、第1の筒体13を一定の大きさ以上の力
で前進方向へ押し込むと、第1の筒体13が蓋体4に対
して図69で示す基準位置から右方へ変位し、薄膜16
が針状部17で破られて第1の液室5が開口する。これ
によって、第1の液室5が、蓋体4の筒状部4b内の空
間及び連通路4dを介して容器本体1内の空間と連通す
る。この変形例によれば、上記第1の実施の形態におけ
る雄ねじ4fと雌ねじ13dを設けていないので、その
分だけ構成が簡単になり、製造が容易となり、コストを
低減できる。
生検査用の検体採取容器の別の変形例を図7及び図8に
基づいて説明する。図8は図7の一部拡大図である◎ この変形例の検体採取容器は、上記第1の実施の形態に
おいて、前記蓋体4及び第1の筒体13の構成のみを変
更したものである。なお、図7では、図1で示す第2の
筒体14及び仕切り部材15を省略してある。この変形
例では、第1の実施の形態における蓋体4に相当する蓋
体4Aには雄ねじ4fが設けられておらず、蓋体4Aの
筒状部4bの開口端近くの内周面にV字形の突起4gが
設けられている。一方、第1の筒体13Aは、第1の実
施の形態における第1の筒体13を外側筒部13bのな
い構造に変形したもので、この筒体13Aには前記雌ね
じ13dが設けられていない。第1の筒体13Aの筒状
部13fの外周面には、突起4gと係合する位置決め用
の係止部13gが設けられている。この係止部13gは
V字形の溝であり、この溝の右側傾斜面はその左側傾斜
面より勾配が急になっている(図8参照)。
gの係合関係は、次のようになっている。蓋体4Aの突
起4gが第1の筒体13Aの係止部13gと係合するよ
うに第1の筒体13Aを蓋体4Aに嵌合させると、第1
の筒体13Aが、薄膜16が針状部17の先端から所定
距離だけ離れた基準位置(図7の位置)に位置決めされ
て蓋体4Aに保持されるようになっている。また、その
基準位置で、第1の筒体13Aを後退方向(図7で左方
向)へ変位させようとしても、係止部13gの右側傾斜
面が突起4gに当たり、筒体13Aの後退方向への変位
が阻止されるので、筒体13Aが蓋体4Aから抜けない
ようになっている。さらに、その基準位置で、第1の筒
体13Aを一定の大きさ以上の力で前進方向(図7の矢
印で示す方向)へ変位させると、蓋体4Aの筒状部4b
の開口端側が弾性変形により拡径し、突起4gが係止部
13gの左側傾斜面を乗り越え、この突起4gがV字形
の溝である係止部13gから外れるので、第1の筒体1
3Aが基準位置から針状部17側へのみ変位できるよう
になっている。
13Aを一定の大きさ以上の力で前進方向へ押し込む
と、第1の筒体13Aが蓋体4Aに対して図7の基準位
置から右方へ変位し、薄膜16が針状部17で破られて
第1の液室5の一部が開口する。これによって、第1の
液室5が蓋体4Aの筒状部4b内の空間及び連通路4d
を介して容器本体1内の空間と連通する。
す第1の実施の形態では、前記第1の開口手段8は保持
部(突起4e及び係止部13c)とねじ結合部(雄ねじ
4fと雌ねじ13d)を含み、第1の筒体13を締め方
向へ回転すると同筒体13が針状部17側へ変位する構
成(ねじ式の開口手段)である。これに対して、図6に
示す変形例では、第1の開口手段8は、突起4eと係止
部13cとからなる保持部を含み、第1の筒体13Aを
右方へ押し込むと同筒体が針状部17側へ変位する構成
(押し込み式の開口手段)であり、かつ図7に示す別の
変形例では、第1の開口手段8は、突起4gと係止部1
3gとからなる保持部を含み、第1の筒体13Aを右方
へ押し込むと同筒体が針状部17側へ変位する構成(押
し込み式の開口手段)である。
境衛生検査用の検体採取容器を図9及び図10に基づい
て説明する。図9は第2の実施の形態に係る検体採取容
器を、図1に示す第1の実施の形態に係る検体採取容器
と同じ構成を有する容器本体1及びスティック3の途中
から先端側を省略して示しており、図10は図9の一部
拡大図である。この検体採取容器は、上記第1の実施の
形態において、第1の筒体13に僅かな変更を加えると
共に、第2の開口手段9として、仕切り部材15を含む
折り欠き式の開口手段に代えて、第1の開口手段8と同
様の前記ねじ式の開口手段を用いたものである。すなわ
ち、第1の実施の形態では、第1の開口手段8にねじ式
の構造を、第2の開口手段9に折り欠き式の構造を採用
しているのに対して、第2の実施の形態では、第1の開
口手段8と第2の開口手段9の両方にねじ式の構造を採
用している。
容器では、液室形成手段7が、蓋体4の筒状部4b内に
軸方向に摺動自在に密に嵌合し、一端側の開口が薄膜1
6で塞がれかつ他端が開口した第1の筒体13Bと、こ
の筒体13Bの開口部内に密に嵌合した嵌合部40aと
嵌合部40aより大きい外径を有する筒状部40bとを
有する第2の蓋体40と、この第2の蓋体40の筒状部
40b内に軸方向に摺動自在に密に嵌合し、一端側の開
口が前記第2の壁部をなす薄膜16aで塞がれかつ他端
が栓20で閉塞された第2の筒体130とから構成され
ている。第2の蓋体40は、蓋体4と同様にABS等の
硬質の合成樹脂でできており、第1の筒体13B及び第
2の筒体130は、前記第1の筒体13と同様に低密度
ポリエチレン等の軟質の合成樹脂でできている。
体13の一部を変更したもので、内側筒部13aの開口
端近くの内周面に溝13hが設けられている(図10参
照)と共に、外側筒部13bをこの筒部13bと内側筒
部13aの連結部よりも後方へ延ばし、この延長部の後
端部内周に突起13iが設けられている。第1の筒体1
3Bのその他の構成は,前記第1の筒体13と同じであ
る。
は、薄膜16aを破る針状部17aがその先端を薄膜1
6a側へ向けて一体に形成されている。嵌合部40aの
針状部17aの外側には、第1の筒体13Bの内側筒部
13a内と筒状部40b内とを連通する複数の連通路
(この連通路は1つであってもよい)40dが形成され
ている。また、嵌合部40aの外周には、第1の筒体1
3Bの内側筒部13aの溝13hと係合する突起40g
(図10参照)が形成されている。さらに、筒状部40
bの外周面には、そのほぼ中央部にある突起40eと、
突起40eより後端部側に寄った位置にある雄ねじ40
fと、突起40eより前方にあり第1の筒体13Bの突
起13iと係合する突起40hとが設けられている。突
起40eは、蓋体4の突起4eと同様に周方向にほぼ等
間隔に複数個配置されている。第2の蓋体40の嵌合部
40aを第1の筒体13Bの内側筒部13a内に嵌合し
て、突起40hと突起13iを係合させると共に突起4
0gと溝13hを係合させることにより、第2の蓋体4
0が第1の筒体13Bに固定されている。
の筒体13とほぼ同じ構成を有するもので、内側筒部1
30aと外側筒部130bを有し、両筒部が後端側で連
続した2重筒構造のものである。内側筒部130aは、
第2の蓋体40の筒状部40b内に気密にかつ摺動自在
に嵌合しており、内側筒部130aの一端側の開口は薄
膜16aで塞がれている。一方、外側筒部130bの内
周面には、第2の蓋体40の突起40eと係合する位置
決め用の係止部130cと、第2の蓋体40の雄ねじ4
0fと螺合する雌ねじ130dとが形成されている。ま
た、外側筒部130bの外周面には、第2の筒体130
を回転させる際のすべり止め用のローレット130eが
切られている。
部13cと同様の構成を有し、係止部130cと突起4
0eの結合関係は上述した第1の筒体13Bの係止部1
3cと蓋体4の突起4eの結合関係と同じである。すな
わち、第2の筒体130が、係止部130cと突起40
eの係合により、基準位置(図9の位置)に位置決めさ
れかつこの位置から針状部17a側へのみ変位可能に第
2の蓋体40に保持されるようになっている。
は、蓋体4の筒状部40b内の空間と第1の筒体13B
の内側筒部13a内の空間とが薄膜(第1の薄膜)16
で仕切られていると共に、内側筒部13a内の空間と連
通路40dを介して連通した第2の蓋体40の筒状部4
0b内の空間と、第2の筒体130の内側筒部130a
内の空間とが薄膜(第2の薄膜)16aで仕切られてい
る。そして、両薄膜16,16aの間の密閉された空間
が第1の液室5になっており、薄膜16aと栓20の間
の密閉された空間が第2の液室6になっている。
球部2及びスティック3を容器本体1内に挿入して蓋体
4の嵌合部4aを容器本体1の開口部内に密に嵌合した
状態で、第1の筒体13Bを一定の大きさ以上の外力で
締め方向へ回転(例えば右回転)すると、第1の筒体1
3Bが蓋体4に対して図9で示す基準位置から右方へ変
位し、薄膜16が針状部17で破られて第1の液室5の
一部が開口する。これによって、第1の液室5が蓋体4
内の空間及び連通路4dを介して容器本体1内の空間と
連通する。この後、容器本体1の絞り部1aを押圧する
動作を繰り返すことにより、第1の液体が第1の液室5
内から蓋体4の筒状部4b内の空間、連通路4d及び容
器本体1内の空間を通って綿球部2で採取した検体に添
加される。第1の液体の添加から所定時間が経過した
後、第2の筒体130を一定の大きさ以上の外力で締め
方向へ回転(例えば右回転)すると、第1の筒体130
が第2の筒体40に対して図9で示す基準位置から右方
へ変位し、薄膜16aが針状部17aで破られて第2の
液室6の一部が開口する。これによって、第2の液室6
が既に開口している第1の液室5、蓋体4の筒状部4b
内の空間、及び連通路4dを介して容器本体1内の空間
と連通する。この後、絞り部1aを押圧する動作を繰り
返すことにより、第1の液体が第2の液室6内から第1
の液室、蓋体4内の空間、連通路4d及び容器本体1内
の空間を通って検体に添加される。第2の実施の形態に
よれば、第1の筒体13Bを締め方向へ回転(例えば右
回転)させ、さらに第3の筒体130を締め方向へ回転
(例えば右回転)させるという、熟練を必要としない簡
単な操作により、第1の液体及び第2の液体を、密閉さ
れた容器内部において綿球部2で拭き取った検体に順次
添加することができる。そのため、2種類の試薬等の液
体を検体に添加するような検査を行う場合に、操作が簡
単になり、検体(検液)が検査対象物に付いた汚染物質
以外の物質で汚染される可能性が極めて低くなり、正確
な汚染度の判定を行うことができる。
2及びスティック3を除く容器の構成部材の全てを合成
樹脂で作っており、ガラスのように廃棄や焼却がしにく
く、その破片により怪我をしたりする恐れのある材質の
ものを使っていないので、破片により怪我をすることも
なく、安全に扱うことができ、廃棄や焼却がし易く、か
つ、検体に添加される試薬に破片等が混入しない。
液体を添加する際には第1の筒体13Bを締め方向に回
転(右回転)させ、かつ、第2の液体を添加する際には
第2の筒体130を緩み方向に回転(左回転)させるよ
うに構成してもよい。
境衛生検査用の検体採取容器を図11に基づいて説明す
る。この検体採取容器は、第1の開口手段8及び第2の
開口手段9の両方に前記折り欠き式の構造を採用してい
る点で図1に示す第1の実施の形態と異なる。
は、ABS等の硬質の合成樹脂でできており、容器本体
1の開口部内に密に嵌合した嵌合部41aと、該嵌合部
41aより大きな外径を有する筒状部41bとから構成
されている。嵌合部41aの先端側中央には取付穴41
cが形成されており、かつ、嵌合部41aの取付穴41
cの外側には、嵌合部41aの後端側内部にできる空間
と容器本体1内の空間とを連通する複数の連通路(この
連通路は1つであってもよい)41dが形成されてい
る。取付穴41cには、スティック3の端部が挿入され
て取外し可能に固定されている。
した液室を形成する液室形成手段7が、両端が開口した
筒体で一端側が蓋体41に固定された第1の筒体131
と、一端側が開口した有底の筒体で、その開口端を第1
の筒体131の他端側の開口端と合致させて第1の筒体
131に固定された第2の筒体14と、蓋体41と第1
の筒体131の間に固定された前記第1の壁部をなす第
1の仕切り部材15Eと、両筒体131,14の間に固
定された前記第2の壁部をなす第2の仕切り部材15F
とから構成されている。第1の仕切り部材15Eは、容
器本体1内の空間に連通する蓋体41内の空間と、両筒
体131,14により形成される1つの空間とを仕切っ
ている。一方、第2の仕切り部材15Fは、両筒体13
1,14により形成される1つの空間を、第1の液室5
と第2の液室6に仕切っている。
1bの外周に密に嵌合する大径筒部131aと、該筒部
より外径の小さい小径筒部131bと、両筒部を接続す
る段差部とを備えている。第1の仕切り部材15Eは、
蓋体41の筒状部41bの内周全体及び第1の筒体13
1の内周にそれぞれ気密に嵌合する環状の筒部15s
と、この筒部の外周に形成された環状突部15bと、筒
部15sの左端部から鋭角に折れ曲がって延びた仕切り
壁部15cと、該壁部15cの中心部から鋭角に折れ曲
がって軸方向に延びた棒状の突出部15dとが一体に形
成されたものである。この突出部15dの根元が薄肉の
脆弱部15eになっている。第2の仕切り部材15Fは
第1の仕切り部材15Eと同じ構成を有する。なお、両
筒体131,14は、それぞれ低密度ポリエチレン等の
軟質の合成樹脂でできている。また、両仕切り部材15
E,15FはABS等の硬質の合成樹脂でできている。
1の筒状部41bの間で仕切り部材15Eの環状突部1
5bを挟み、大径筒部131bを筒状部41bにきつく
嵌合させることにより蓋体41に固定されている。一
方、第2の筒体14は、その開口を第1の筒体131の
開口に合致させ、両筒体131,14間で仕切り部材1
5Fの環状突部15bを挟んだ状態で、両筒体のフラン
ジ部を溶着することにより、第1の筒体131に固定さ
れている。
検体を採取した綿球部2及びスティック3を容器本体1
に挿入して蓋体41の嵌合部41aを容器本体1の開口
部内に密に嵌合した後、第1の筒体131を押圧して変
形させることにより仕切り部材15Eの突出部15dを
軸方向にほぼ垂直な方向(図11の矢印で示す方向)に
押すと、突出部15dがその根元にある脆弱部15eの
箇所で折れて破損し、第1の液室5が開口する。これに
よって、第1の液室5が、仕切り部材15Eの筒部15
s内及び蓋体41の筒状部41b内の空間及び連通路4
1dを介して容器本体1内の空間と連通する。この後、
絞り部1aの押圧動作を繰り返すことにより、第1の液
体が綿球部2で採取した検体に添加される。この添加か
ら所定時間が経過した後、第2の筒体14を押圧して変
形させることにより仕切り部材15Fの突出部15dを
軸方向にほぼ垂直な方向に押すと、突出部15dがその
根元にある脆弱部15eの箇所で折れて破損し、第2の
液室6が開口する。これによって、第2の液室6が、既
に開口した第1の液室5、筒部15s内及び蓋体41の
筒状部41b内の空間、及び連通路41dを介して容器
本体1内の空間と連通する。この後、絞り部1aの押圧
動作を繰り返すことにより、第2の液体が綿球部2で採
取した検体に添加される。このように、第3の実施の形
態によれば、第1の液体の添加時には第1の筒体131
を押圧して変形させると共に、第2の液体の添加時には
第2の筒体14を押圧して変形させるという、熟練を必
要としない簡単な操作により、第1の液体及び第2の液
体を、密閉された容器内部において検体に順次添加する
ことができる。そのため、2種類の試薬等の液体を検体
に添加するような検査を行う場合に、操作が簡単にな
り、検体(検液)が検査対象物に付いた汚染物質以外の
物質で汚染される可能性が極めて低くなり、正確な汚染
度の判定を行うことができる。
実施の形態と同様に、破片により怪我をすることもな
く、安全に扱うことができ、廃棄や焼却がし易く、破片
が試薬に混入したりしない、という効果が得られる。
1の嵌合部41aに複数の連通路41dを設ける代わり
に、取付穴41cを貫通孔に変更し、スティック3を一
端側が開口したパイプ状に形成することにより、蓋体4
1内の空間をスティック3内の空間(綿球部2が臨む空
間)と直接連通するように構成してもよい。なお、上記
各実施の形態において、3種類以上の試薬を容器内部で
検体に添加できるようにするために、液室形成手段7が
3つ以上の液室を形成するように構成する場合、各液室
に対応する各開口手段を、前記ねじ式の構造、押し込み
式の構造、折り欠き式の構造及び図8に示すようなコマ
式の構造のいずれか1つを適宜選択して構成することが
できる。
明によれば、検体を拭き取った拭き取り部材及びスティ
ックを容器本体内に挿入して蓋体の嵌合部を容器本体の
開口部内に密に嵌合した状態で、第1の開口手段により
第1の壁部を開口させると、第1の液室が蓋体の筒状部
内の空間と連通するので、第1の液体が蓋体の筒状部内
の空間及び拭き取り部材が臨む空間を通って拭き取り部
材に付着した検体に添加され、この後、第2の開口手段
により第2の壁部を開口させると、第2の液室が第1の
液室と連通するので、第2の液体が第1の液室、蓋体の
筒状部内の空間及び拭き取り部材が臨む空間を通って検
体に添加される。したがって、2種類以上の試薬等の液
体を容器内部で順次添加することができる。また、試薬
等の液体を容器外部でピペット等を使って検体に添加す
る必要がなく、検体が検査対象物の汚染物質とは別の物
質で汚染されることはない。したがって、検査作業が簡
単になり、かつ、正確な汚染度の判定が可能となる。
部材の大部分が合成樹脂でできており、ガラスのような
廃棄や焼却がしにくい材質のものを含んでいないので、
その構成部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。ま
た、薄膜が針状部の先端で破られると第1の液体が検体
に添加されると共に、合成樹脂製の仕切り部材の開口形
成部が外力を受けて第2の壁部を開口すると第2の液体
が検体に添加されるので、作業者にとって危険な破片が
発生しない。そのため、図13に示す上記従来例のよう
に、作業者が破損したガラスカプセル113の破片によ
り怪我をしたり、その破片が試薬に混入したりする恐れ
がなく、かつ、廃棄する際に破損したガラスカプセル1
13を他の部材と分別する必要がない。したがって、取
り扱いが安全で、廃棄や焼却がし易く、かつ、破片が試
薬に混入したりしない。また、第1の液体の添加時には
第1の筒体を針状部側へ変位させればよく、第2の液体
の添加時には第2の筒体を押圧して変形させればよいの
で、液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
をねじ結合部の締め方向又は緩め方向のいずれか一方へ
回転させると、第1の筒体が針状部側へ変位して薄膜が
針状部により破られるので、第1の液体の添加時に第1
の筒体に力を加え易く、第1の筒体を針状部側へ容易に
変位させることができる。
の添加時には、第2の筒体を押圧して突部に外力を加え
ると、突部がその根本に設けられた薄肉の脆弱部の箇所
で折れて第2の壁部が開口するので、突部のできるだけ
先端に近い箇所に外力を加えることにより、突部をより
小さい力で折ることができ、第2の液体の添加を容易に
行なえる。
部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、第1の
薄膜が第1の針状部の先端で破られると第1の液体が検
体に添加されると共に、第2の薄膜が第2の針状部の先
端で破られると第2の液体が検体に添加されるので、作
業者にとって危険な破片が発生しない。したがって、取
り扱いが安全で、廃棄や焼却がし易く、かつ、破片が試
薬に混入したりしない。さらに、第1の液体の添加時に
は第1の筒体を針状部側へ、第2の液体の添加時には第
2の筒体を針状部側へそれぞれ変位させればよいので、
液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、合成樹
脂製の第1の仕切り部材の開口形成部が外力を受けて第
1の壁部を開口すると第1の液体が検体に添加され、合
成樹脂製の第2の仕切り部材の開口形成部が外力を受け
て第2の壁部を開口すると第2の液体が検体に添加され
るので、作業者にとって危険な破片が発生しない。した
がって、取り扱いが安全で、廃棄や焼却がし易く、か
つ、破片が試薬に混入したりしない。さらに、第1の液
体の添加時には第1の筒体を押圧して変形させ、第2の
液体の添加時には第2の筒体を押圧して変形させればよ
いので、液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
用の検体採取容器を示す縦断面図。
変形例を示す断面図。
別の変形例を示す断面図。
を省略して示した縦断面図。
一部を省略して示した縦断面図。
用の検体採取容器を示す縦断面図。
査用の検体採取容器を示す縦断面図。
Claims (6)
- 【請求項1】 一端側が開口した合成樹脂製の筒状の容
器本体と、拭き取り部材付きのスティックを保持し、該
スティック及び拭き取り部材を容器本体内に挿入した状
態で容器本体の開口部内に密に嵌合する嵌合部と前記拭
き取り部材が臨む空間に連通する筒状部とを有する合成
樹脂製の蓋体と、第1の液体が内部に充填され、前記蓋
体の筒状部内の空間と第1の壁部で仕切られた第1の液
室、及び第2の液体が内部に充填され、前記第1の液室
と第2の壁部で仕切られた第2の液室を含む少なくとも
2つの独立した液室を形成する液室形成手段と、前記第
1の壁部を外力により開口させる第1の開口手段と、前
記第2の壁部を外力により開口させる第2の開口手段と
を備えていることを特徴とする環境衛生検査用の検体採
取容器。 - 【請求項2】 前記液室形成手段は、前記蓋体の筒状部
内に軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、一端側の
開口が前記第1の壁部をなす薄膜で塞がれかつ他端が開
口した合成樹脂製の第1の筒体と、一端側が開口した有
底の筒体で、その開口端を前記第1の筒体の開口端と合
致させて第1の筒体に固定された押圧により変形可能な
合成樹脂製の第2の筒体と、前記両筒体により形成され
る1つの空間内を前記第1の液室と第2の液室に仕切る
前記第2の壁部をなす合成樹脂製の仕切り部材とからな
り、前記第1の開口手段は、前記蓋体の嵌合部と一体に
形成されて前記薄膜を破る針状部と、前記第1の筒体
を、前記薄膜が前記針状部の先端から所定距離だけ離れ
た位置に位置決めすると共に前記針状部側へのみ変位可
能に保持する保持部とを含み、かつ、前記第2の開口手
段は、前記第2の筒体を介して外力を受けると前記第2
の壁部を開口するように前記仕切り部材の一部に形成さ
れた開口形成部を含むことを特徴とする環境衛生検査用
の検体採取容器。 - 【請求項3】 前記第1の開口手段は、前記蓋体の筒状
部と前記第1の筒体を螺合するねじ結合部を含んでいる
ことを特徴とする請求項2記載の環境衛生検査用の検体
採取容器。 - 【請求項4】 前記仕切り部材の開口形成部は、前記第
2の壁部から軸方向に延びた突部と、該突部の根元に設
けられた薄肉の脆弱部とから構成されていることを特徴
とする請求項2又は3記載の環境衛生検査用の検体採取
容器。 - 【請求項5】 前記液室形成手段は、前記蓋体の筒状部
内に軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、一端側の
開口が前記第1の壁部をなす第1の薄膜で塞がれかつ他
端が開口した合成樹脂製の第1の筒体と、該筒体の他端
側開口部内に嵌合する嵌合部及び第1の筒体内の空間と
連通する空間を形成しかつ他端が開口した筒状部を有す
る合成樹脂製の第2の蓋体と、該蓋体の筒状部内に軸方
向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、前記第1の薄膜と
の間に前記第1の液室を形成するように一端側の開口が
前記第2の壁部をなす第2の薄膜で塞がれかつ該薄膜と
の間に前記第2の液室を形成するように他端が閉塞した
合成樹脂製の第2の筒体とからなり、前記第1の開口手
段は、前記蓋体の嵌合部と一体に形成されて前記第1の
薄膜を破る第1の針状部と、前記第1の筒体を、前記第
1の薄膜が前記第1の針状部の先端から所定距離だけ離
れた位置に位置決めすると共に第1の針状部側へのみ変
位可能に保持する第1の保持部とを含み、かつ、前記第
2の開口手段は、前記第2の蓋体の嵌合部と一体に形成
されて前記第2の薄膜を破る第2の針状部と、前記第2
の筒体を、前記第2の薄膜が前記第2の針状部の先端か
ら所定距離だけ離れた位置に位置決めすると共に前記第
2の筒体を第2の針状部側へのみ変位可能に保持する第
2の保持部とを含むことを特徴とする請求項1記載の環
境衛生検査用の検体採取容器。 - 【請求項6】 前記液室形成手段は、両端が開口した筒
体で、一端側開口端が前記蓋体の筒状部の外周に密に嵌
合した押圧により変形可能な合成樹脂製の第1の筒体
と、一端側が開口した有底の筒体で、その開口端を前記
第1の筒体の他端側開口端と合致させて第1の筒体に固
定された押圧により変形可能な合成樹脂製の第2の筒体
と、前記第1の壁部を有する合成樹脂製の第1の仕切り
部材と、前記第2の壁部を有し、前記第1の仕切り部材
で仕切られて前記両筒体内にできる1つの空間を前記第
1の液室と第2の液室に仕切る合成樹脂製の第2の仕切
り部材とからなり、前記第1の開口手段は、前記第1の
筒体を介して外力を受けると前記第1の壁部を開口する
ように前記第1の仕切り部材の一部に形成された開口形
成部を含み、かつ、前記第2の開口手段は、前記第2の
筒体を介して外力を受けると前記第2の壁部を開口する
ように前記第2の仕切り部材の一部に形成された開口形
成部を含むことを特徴とする請求項1記載の環境衛生検
査用の検体採取容器。
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JPH11183468A true JPH11183468A (ja) | 1999-07-09 |
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