JP2015078000A - 混合容器、及び、混合容器の製造方法 - Google Patents

混合容器、及び、混合容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検体採取具の挿入によって複数の試薬液が混合される混合容器において、検体採取具による試薬液の混合を容易に行うことが可能な混合容器及び混合容器の製造方法を提供する。【解決手段】混合容器10は、第1液を貯留する第1容器11と、第1容器11に挿入された状態で第2液を貯留する第2容器20と、を備える。第2容器20は、頂部開口22と底部開口23とを有する樹脂製の筒状部材21、筒状部材21よりも脆弱な材質で形成され底部開口23を封止する封止膜30と、を備える。筒状部材21は、頂部開口22と底部開口23との間に内周面21aに支持され、頂部開口22から挿入された検体採取具に押圧されることで屈曲し、封止膜30を突き破る屈曲部35を備え、屈曲部35は、封止膜30に対向する対向面に、封止膜30に向かって突出し、屈曲時に封止膜30に初期破れを生じさせる先鋭の突出片50を備える。【選択図】図1

Description

本開示の技術は、複数の試薬液を混合する混合容器、及び、混合容器の製造方法に関する。
従来から、医療現場では、複数の試薬液を混合させた混合液を用いて検体の検査が行われている。こうした検査には、検体採取具の挿入によって互いに異なる試薬液が混合される混合容器が使用される。例えば特許文献1の混合容器は、第1液を貯留する有底筒状の第1容器と、第1容器に挿入された状態で第2液を貯留する有底筒状の第2容器と、を備えている。これらの第1容器及び第2容器は、射出成形法により成形されている。第2容器は、筒状部分と第2液を封止する封止部分であって筒状部分の底部開口を閉塞する底部分とが一体的に形成されている。この底部分は、底部開口における筒状部分の内周面に沿って環状の薄膜状部を備えており、この薄膜状部を介して筒状部分に一体的に形成されている。
上記混合容器を使用する際には、第2容器に挿入した検体採取具で底部分を押圧し、薄膜状部の一部を破断させる。この破断によって、第1容器への第2液の流入が開始される。そして、第2容器の底部分を検体採取具でさらに押圧することで薄膜状部の破断を進行させ、底部分で封止されていた底部開口を開通させる。これにより、検体採取具は、底部開口を通じて、第1液と第2液との混合液に到達する。
特開2011−247851号公報
ところで、底部分の薄膜状部には、第2液を封止する封止性が要求される。また、同薄膜状部には、第1液と第2液とを混合するために検体採取具による破断が必要とされることから、検体採取具の押圧による破断のしやすさである破断容易性も要求される。そして、封止性及び破断容易性を両立させるべく薄膜状部の薄肉化が図られたとしても、成形時における寸法誤差を含めたうえで封止性を確保するためには、ある程度の膜厚が必要とされる。そのため、特許文献1の混合容器は、底部分を破断させるために必要な力が大きくなってしまい、第1液と第2液とを混合させるのが容易ではなかった。
本開示の技術は、検体採取具の挿入によって複数の試薬液が混合される混合容器において、検体採取具による試薬液の混合を容易に行うことが可能な混合容器及び混合容器の製造方法を提供することを目的とする。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決する混合容器は、第1液を貯留する有底筒状の第1容器と、前記第1容器に挿入された状態で第2液を貯留する有底筒状の第2容器と、を備える混合容器であって、前記第2容器は、2つの開口が筒端に形成された樹脂製の筒状部材であって、前記2つの開口の中で頂部側の開口が頂部開口であり、底部側の開口が底部開口である前記筒状部材と、前記筒状部材よりも脆弱な材質で形成され前記底部開口を封止する封止膜と、を備え、前記筒状部材は、前記頂部開口と前記底部開口との間に位置し、前記筒状部材の内周面に支持され、前記頂部開口から挿入された検体採取具によって前記頂部開口から前記底部開口に向けて押圧されて前記封止膜に向けて屈曲し、前記屈曲することによって前記封止膜を突き破る屈曲部を備え、前記屈曲部は、前記封止膜に対向する対向面を有し、前記対向面から前記封止膜に向かって突出し、前記屈曲するときに前記封止膜に初期破れを生じさせる先鋭の突出片を備える。
上記構成の混合容器では、検体採取具が第2容器に挿入されると、検体採取具に押圧された屈曲部が屈曲することによって、突出片の先端が封止膜に到達する。これにより、検体採取具から屈曲部が受けている押圧力が突出片の先端を介して封止膜に集中的に作用することで封止膜には初期破れが生じる。検体採取具の挿入にともなって屈曲部がさらに屈曲すると、封止膜には、上記初期破れに連続する破れが生じる。これにより、封止膜には、検体採取具を挿通させる挿通孔が形成される。
上記構成の混合容器によれば、第2液の封止部分については、筒状部材よりも脆弱な材質で形成することによって、筒状部材に一体的に形成される場合に比べて破れやすくすることができる。すなわち、筒状部材とは異なる材質で封止膜が形成されていることから、第2液を封止する封止部分の膜厚や機械的性質に関する自由度が高い。また、筒状部材には、検体採取具の押圧によって屈曲することで封止膜を破る屈曲部が一体的に形成されている。屈曲部については、第2液を封止する機能が要求されないことから、形状や形成位置に関する自由度が高い。そのため、屈曲部は、検体採取具の押圧によって屈曲しやすく、且つ、その屈曲によって封止膜を破りやすい形状とすることができる。
すなわち、上記構成の混合容器によれば、筒状部材に封止部分が一体的に形成されている場合に比べて、検体採取具を用いた第2液の封止部分の破れに関する設計の自由度が飛躍的に向上する。その結果、封止部分を破くために必要な力が軽減されることから、検体採取具を用いた第1液と第2液との混合を容易に行うことが可能である。
上記混合容器において、前記屈曲部は、前記対向面を有し前記検体採取具によって押圧される被押圧部と、前記対向面を前記内周面に接続する接続部と、を有し、前記内周面に片持ち状に支持されていることが好ましい。
上記構成によれば、屈曲部は、筒状部材の内周面に対して片持ち状に支持されていることから、被押圧部が検体採取具で押圧されることによって屈曲しやくなるとともに屈曲の径路が規定されやすくなる。そのため、被押圧部の周縁部が全周にわたって筒状部材の内周面に接続される場合に比べて、屈曲時における屈曲部の径路についての再現性が高められる。その結果、封止膜に初期破れが生じやすい形状及び形成位置に突出片を形成することができる。
上記混合容器において、前記突出片は、前記突出片の先端である食い込み点と、前記食い込み点から前記対向面に向けて延びる2つの斜辺と、を備え、前記2つの斜辺の各々は、前記対向面に向けて凹曲していることが好ましい。
上記構成によれば、突出片の先端が先鋭化することから、封止膜に初期破れが生じやすくなる。また、屈曲部が屈曲すればするほど、封止膜に対して斜辺が食い込む方向である食い込み方向が封止膜の面方向に近づくとともに単位量だけ屈曲したときに突出片によって破られる封止膜の長さである破れ長さが長くなる。すなわち、封止膜に初期破れが生じやすくなるとともに初期破れに連続する破れが進行しやすくなる。その結果、封止部分を破くために必要な力がさらに軽減される。
上記混合容器において、前記突出片は、前記2つの斜辺を含んで前記対向面の周縁から延びる外側面を有することが好ましい。
上記構成によれば、被押圧部の対向面と突出片の外側面との間に段差が形成されないことから、混合容器から引き抜かれる検体採取具が屈曲後の屈曲部に引っ掛かりにくくなる。その結果、検体採取具の引き抜きを円滑に行うことができる。
上記混合容器において、前記被押圧部は、前記対向面と、前記検体採取具によって押圧される面であって、前記内周面に対して前記対向面の周縁よりも内側に配置される周縁を有する被押圧面と、前記被押圧面の周縁と前記対向面の周縁とを繋ぐ面であって、前記対向面に近い部位ほど前記対向面の周縁に近づく周側面と、を備えることが好ましい。
上記構成によれば、被押圧面の周縁が対向面の周縁が内周面に対して内側に配置される場合に比べて、混合容器から引き抜かれる検体採取具が被押圧部に引っ掛かりにくくなる。
上記混合容器において、前記周側面は、前記被押圧部の側方に向かって張り出すように湾曲していることが好ましい。
上記構成によれば、混合容器から引き抜かれる検体採取具が被押圧部の周側面に引っ掛かりにくくなる。
上記混合容器において、前記突出片の前記外側面は、前記封止膜に近い部位ほど前記内周面に近づくように拡がっていることが好ましい。
上記構成によれば、屈曲部の屈曲時における外側面の径路が斜辺の径路の内側に配置される。そのため、屈曲部の屈曲時に外側面が封止膜に接触しにくくなることから、屈曲部の屈曲、すなわち検体採取具の挿入が円滑に行われる。
上記混合容器において、前記突出片は、前記2つの斜辺の各々から前記筒状部材の中心方向に向かって延びる先端面を有することが好ましい。
上記構成によれば、封止膜のうちで突出片によって破られた部分が、先端面によって屈曲部の屈曲する方向に引っ張られる。そのため、後続する斜辺が食い込んだときに封止膜の破れが進行しやすくなる。
上記混合容器において、前記筒状部材は、射出成形品であって前記屈曲部に樹脂ゲート跡を有することが好ましい。
上記構成によれば、屈曲部の形状に関する精度が高められる。
上記課題を解決する混合容器の製造方法は、第1液を貯留する有底筒状の第1容器と、前記第1容器に挿入された状態で第2液を貯留する有底筒状の第2容器とを備える混合容器を製造する混合容器の製造方法であって、前記第2容器は、2つの開口が筒端に形成された樹脂製の筒状部材であって、前記2つの開口の中で頂部側の開口が頂部開口であり、底部側の開口が底部開口である前記筒状部材と、前記筒状部材よりも脆弱な材質で形成され前記底部開口を封止する封止膜と、を備え、前記筒状部材は、前記頂部開口と前記底部開口との間に位置し、前記筒状部材の内周面に支持され、前記頂部開口から挿入された部材によって前記頂部開口から前記底部開口に向けて押圧されて前記封止膜に向けて屈曲し、前記屈曲することによって前記封止膜を突き破る屈曲部を備え、前記屈曲部は、前記封止膜に対向する対向面を有し、前記対向面から前記封止膜に向かって突出し、前記屈曲するときに前記封止膜に初期破れを生じさせる先鋭の突出片を備え、前記筒状部材を射出成形するためのキャビティに溶解樹脂を注入するとき、前記キャビティの中で前記屈曲部を成形するための部分から前記溶解樹脂が注入される。
屈曲部の屈曲によって封止膜が突き破られることから、筒状部材には、屈曲部の形状について高い精度が求められる。上記構成によれば、ゲートから注入される溶解樹脂は、屈曲部を成形するためのキャビティを通じて、屈曲部以外の部位を成形するためのキャビティへと充填される。すなわち、屈曲部を成形するためのキャビティでは、ゲートから新たに注入された溶解樹脂が通過し続けることで、先行して注入された溶解樹脂の冷却が抑えられる。これにより、屈曲部を成形するためのキャビティでは、溶解樹脂の充填過程における溶解樹脂の固化が抑えられることから、キャビティの細部にまで溶解樹脂が充填される確率が高められる。その結果、屈曲部の形状に関する精度が高められ、検体採取具を用いた第1液と第2液との混合を容易に行うことが可能である。しかも、屈曲部の形状に関する精度が高められることで、屈曲部の屈曲によって封止膜の突き破るために必要な力のばらつきも抑えられる。
本開示の技術によれば、検体採取具の挿入によって複数の試薬液が混合される混合容器において、検体採取具による試薬液の混合を容易に行うことが可能である。
本開示の技術における混合容器を具体化した一実施形態の概略構成を示す断面図であって、使用前の混合容器の概略構成を示す断面図。 屈曲部付近における筒状部材の部分断面図であって、屈曲部の基端と突出片の食い込み点とを含む部分断面図。 先端側からの屈曲部の側面視を示す側面図。 被押圧部の被押圧面を含む屈曲部の斜視構造を示す斜視図。 被押圧部の対向面を含む屈曲部の斜視構造を示す斜視図。 検体採取具の押圧によって屈曲部が撓んだ状態を模式的に示す断面図。 封止膜に初期破れが生じた状態を示す斜視図。 封止膜に挿通孔が形成された状態を示す斜視図。 検体採取具が引き抜かれる状態を示す図。 筒状部材を成形する金型の一例を模式的に示す図。 (a)(b)屈曲部付近のおける寸法の表記を示す図。 封止膜に初期破れが生じた状態を模式的に示す断面図であって、屈曲時における食い込み点の径路とともに示した図。 変形例における屈曲部の斜視構造を示す斜視図。 変形例における屈曲部の斜視構造を示す斜視図。 変形例における屈曲部の斜視構造を示す斜視図。 変形例における屈曲部の斜視構造を示す斜視図。
以下、図1〜図12を参照して、本開示における混合容器及び混合容器の製造方法の一実施形態について説明する。なお、各図においては、試薬液である第1液及び第2液を省略している。
図1に示されるように、混合容器10を構成する第1容器11は、頂部開口12を有した有底筒状に成形された射出成形品である。第1容器11には、混合液を生成する試薬液の1つである第1液が貯留されている。第1容器11の頂部には、頂部の全周にわたってフランジ13が形成されている。フランジ13の上面には、フランジ13の外径よりも小さい外径を有するシール部14が形成されている。
混合容器10を構成する第2容器20は、射出成形法品である筒状部材21を備えている。筒状部材21は、筒端の2つの開口として頂部側の開口である頂部開口22と底部側の開口である底部開口23とを有し、底部開口23寄りの部位が第1容器11に挿入されている。
筒状部材21には、頂部開口22寄りの部位に、筒状部材21の外周面の全周にわたって取付部24が形成されている。取付部24は、筒状部材21の外周面の全周から側方に向かって延びるフランジ部25と、フランジ部25の外周端部から下方に向かって延びて第1容器11のフランジ13を収容可能な収容筒部26とを備えている。
フランジ部25には、上下方向にてフランジ部25を貫通する4つの貫通孔27が形成されている。貫通孔27は、筒状部材21の周方向に沿って等間隔で形成されている。貫通孔27の近辺では、収容筒部26が弾性変形しやすくなる。
収容筒部26の下端部には、中心方向に向かって突出する複数の係止爪28が形成されている。係止爪28は、貫通孔27の各々に対して上下方向にて対向する位置に位置している。
また、筒状部材21には、取付部24よりも底部開口23側の部位に、中心方向とは反対方向へ突出する接触シールリブ29が外周面の全周にわたって形成されている。接触シールリブ29は、収容筒部26に第1容器11のフランジ13が収容された状態にて第1容器11内に位置する。
第1容器11に第2容器20が取り付けられる際には、第1容器11に第2容器20が挿入される。この際、第1容器11のフランジ13と第2容器20のフランジ部25との間に第1容器11のシール部14が位置するとともに、筒状部材21の接触シールリブ29が第1容器11の周壁に圧接する。そして、第1容器11のフランジ13が第2容器20の収容筒部26に収容されると係止爪28がフランジ13にスナップ係合する。これにより第2容器20は、第1容器11の周壁に対する接触シールリブ29の圧着部分と第1容器11のシール部14に対するフランジ部25の圧着部分とにおいて第1容器11に対する隙間が封止された状態で第1容器11に取り付けられる。
筒状部材21の底部開口23は、封止膜30によって封止されている。封止膜30は、筒状部材21よりも脆弱な材質で形成された膜であって、筒状部材21の下端面に接合されている。第2容器20は、封止膜30によって底部開口23が封止されることによって有底筒状に形成され、試薬液の1つである第2液を貯留する。一方、筒状部材21の頂部開口22は、剥離膜31によって封止されている。剥離膜31は、頂部に対して剥離可能に接合された膜であって筒状部材21から剥離されることで頂部開口22を開放する。
筒状部材21の内周面21aには、屈曲部35が一体的に形成されている。屈曲部35は、頂部開口22と底部開口23との間に位置して、内周面21aに片持ち状に支持されている。屈曲部35は、頂部開口22から挿入された検体採取具70に押圧されることで封止膜30に向かって屈曲し、封止膜30を突き破る。
図2〜図5を参照して、上記屈曲部35について説明する。
図2〜図5に示されるように、屈曲部35は、筒状部材21の頂部開口22から挿入される検体採取具70によって押圧される被押圧部36と、内周面21aから筒状部材21の中心方向へと直線状に延びて被押圧部36を内周面21aに接続する接続部37と、を備えている。屈曲部35は、内周面21aに対する接続部37の連結部分を基端部として有し、被押圧部36のうちで中心方向に沿う方向において前記基端部に対して最も遠い部位を先端部として有する。
被押圧部36は、底部開口23よりも小さな径を有する円板状をなしており、検体採取具70によって押圧される被押圧面38と、封止膜30に対向するとともに接続部37が連結された対向面39とを備えている。被押圧部36は、頂部開口22側から封止膜30を覆うように配置されている。被押圧部36は、接続部37に対する連結部分を含む基端部寄りの部位に、被押圧面38から接続部37の上面40に向けて傾斜する平面であって、基端部に近づくほど被押圧部36の肉厚を薄くする傾斜面41を備えている。傾斜面41と接続部37の上面40との境界である直線状の折れ線42は、検体採取具70によって押圧された屈曲部35が折れ曲がる際の被押圧部36の起点として機能する。
接続部37は、被押圧部36の肉厚よりも小さな肉厚を有する板状をなしており、被押圧部36の対向面39と筒状部材21の内周面21aとを接続している。接続部37は、被押圧部36との連結部分の肉厚を基端部から離れるほど薄くするとともに被押圧部36の傾斜面41に平行な平行面43を備えている。接続部37は、検体採取具70によって被押圧部36が押圧されるまでは被押圧部36を待機位置に保持する。接続部37の板厚や形状は、シミュレーションやサンプル品を用いた実験に基づいて、接続部37が破断することなく屈曲部35が屈曲するように設計される。
被押圧面38の周縁38aは、内周面21aに対して対向面39の周縁39aよりも内側に配置されている。被押圧部36は、被押圧面38の周縁38aと対向面39の周縁39aとを繋ぐ面であって、対向面39に近い部位ほど対向面39の周縁に近づく周側面44を備えている。周側面44は、被押圧面38の周縁38aから対向面39の周縁39aに向かって被押圧部36の側方へ張り出すように湾曲している。
図2〜図5に示されるように、被押圧部36における先端側の部位には、対向面39から封止膜30に向かって突出する先鋭の突出片50が形成されている。突出片50は、内周面21aに対向する外側面51を有している。
外側面51は、対向面39の周縁39aから延びており、被押圧部36の周側面44に連続している。外側面51は、封止膜30に近い部位ほど内周面21aに近づくように側方へ拡がっている。外側面51は、互いに異なる位置で対向面39の周縁39aに連続する下端縁である一対の斜辺52a,52bを備えている。
一対の斜辺52a,52bの各々は、周縁39aに連続する連続端54a,54bから屈曲部35の先端部へ互いに近づくほど封止膜30に近い位置に配置されており、互いに交差することで突出片50の先端である食い込み点53を形成する。一対の斜辺52a,52bの各々は、被押圧部36の対向面39に向けて凹曲しており、屈曲部35の先端側からの側面視にて円弧状に形成されている。これにより、食い込み点53付近において斜辺52a,52bがなす角度は、屈曲部35の先端側からの側面視にて食い込み点53と各斜辺52a,52bの連続端54a,54bとが直線状に結ばれる場合よりも鋭角化される。
突出片50は、一対の斜辺52a,52bの各々から筒状部材21の中心方向に向かって一定の幅を有する先端面55a,55bを備えている。先端面55a,55bは、中心方向側の縁である内側縁56a,56bが互いに交差することによって内側端57を形成するとともに、食い込み点53と内側端57とを結ぶ縁であって封止膜30に対して平行に配置される先端縁58を形成する。
上記内側端57からは、斜辺52aの連続端54aと斜辺52bの連続端54bとを結ぶ連結縁59の中央に向かって稜縁60が延びている。稜縁60は、被押圧部36の対向面39に向けて凹曲している。突出片50には、稜縁60、内側縁56a、及び連結縁59に囲まれる湾曲面61aと、稜縁60、内側縁56b、及び連結縁59に囲まれる湾曲面61bとが形成されている。これら稜縁60、湾曲面61a,61bの各部位は、一対の内側縁56a,56bと連結縁59とによって囲まれる仮想面よりも被押圧部36の対向面39寄りに位置している。
図6〜図9を参照して、上記混合容器10の作動態様について説明する。
上記構成の混合容器10を用いた検体の検査が行われる際には、まず、筒状部材21の頂部開口22を封止している剥離膜31が剥離される。これにより第2容器20の頂部開口22が開放される。そして、第2容器20に対して頂部開口22から、棒状をなす軸部材71と軸部材71の端部に形成されて検体を付着させるための採取部72とを備えた検体採取具70が挿入される。
図6に示されるように、第2容器20に挿入された検体採取具70は、やがて被押圧部36の被押圧面38に採取部72が到達する。被押圧部36の被押圧面38に到達した検体採取具70が封止膜30に向かって押圧されると、待機位置に保持されていた屈曲部35は、筒状部材21の内周面21aに対する接続部37の連結部分を固定端として封止膜30に向かって撓む。こうした屈曲部35の撓みによって、検体採取具70の採取部72が屈曲部35の先端側へと案内されるとともに、接続部37には、被押圧部36の傾斜面41と接続部37の上面40との境界である折れ線42付近にせん断応力が集中的に作用する。
図7に示されるように、検体採取具70によって屈曲部35がさらに押圧されると、屈曲部35では、接続部37の変形にともなって、被押圧部36が折れ線42を起点として封止膜30に向かって回動する。これにより屈曲部35は、屈曲する。屈曲部35が屈曲すると、やがて突出片50の食い込み点53が封止膜30に食い込む。食い込み点53が食い込んだ部分には、検体採取具70の押圧力に基づくせん断力が集中的に作用する。これにより、封止膜30には、初期破れ65が生じる。
そして、図8に示されるように、屈曲部35の屈曲にともなって外側面51の斜辺52a,52bが連続的に食い込むと、封止膜30には、斜辺52a,52bの径路に沿うように初期破れ65に連続する破れが生じる。これにより、封止膜30には、検体採取具70の採取部72が挿通する挿通孔66が形成される。
封止膜30に挿通孔66が形成され始めると、第1容器11に対する第2液の流入が開始される。そして、検体採取具70の採取部72は、封止膜30の挿通孔66を通じて第1容器11内へと進入し、第1液と第2液との混合液に浸される。
図9に示されるように、混合容器10に挿入された検体採取具70が引き抜かれる際には、検体採取具70の採取部72は、屈曲後の屈曲部35と第1容器11との間の隙間、封止膜30の挿通孔66、第2容器20の頂部開口22を通過することで、混合容器10から引き抜かれる。
次に、図10を参照して、上述した混合容器10の製造方法のうち、混合容器10を構成する第2容器20の筒状部材21の成形方法について説明する。
ここで、上述した筒状部材21は、被押圧部36及び接続部37の形状、特に被押圧部36の突出片50の形状が低い精度の下で成形されるとなれば、屈曲部35の屈曲によって封止膜30が破れにくくなったり、屈曲部35の屈曲時に接続部37が破断してしまったりする。そのため、接続部37を破断させることなく屈曲部35を屈曲させること、及び、屈曲部35の屈曲によって封止膜30が破られること、これらを確実に実現するうえでは、被押圧部36及び接続部37の形状、特に被押圧部36の突出片50の形状について高い精度が求められる。
図10に示されるように、筒状部材21を成形するための金型80は、固定金型81、可動金型82を含む複数の金型によって構成されている。この金型80には、筒状部材21の成形するための空間であるキャビティ83が形成されている。キャビティ83には、図示されないノズルから射出された所定圧力の溶解樹脂がゲート84を通じて注入される。ゲート84は、被押圧部36の対向面39を成形する面に開口している。すなわち、筒状部材21は、内周面21aに対して一体的に形成されるとともに内周面21aによって囲まれる空間に位置する屈曲部35を有し、その屈曲部35から溶解樹脂が注入される。そして、キャビティ83に溶解樹脂が充填された金型80は、一定時間保圧及び冷却されたのちに型開される。
こうした成形方法によれば、ゲート84を通じて新たな溶解樹脂が注入され続けることで、キャビティ83のうちで屈曲部35を成形するためのキャビティ85では、先行して注入された溶解樹脂の冷却が抑えられる。これにより、キャビティ85では、充填工程中における溶解樹脂の固化が抑えられることから、キャビティ85の細部にまで溶解樹脂が充填される確率が高められる。その結果、被押圧部36、接続部37、及び被押圧部36の突出片50、これらの形状が高い精度の下で成形される。すなわち、筒状部材21は、高い精度が要求される部位ほど形状に関する精度が高められる。こうした方法で成形された筒状部材21には、対向面39にゲート跡84aが残る(図5参照)。
上述した構成の混合容器10においては、第1容器11、第2容器20の筒状部材21、これらの材質としては、例えば、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、エンジニアリングプラスチック、AS樹脂が挙げられる。封止膜30としては、ポリプロピレン層とアルミ層とよりなる二層構造の複合材料を用いた封止膜、アルミ層とアルミ層を挟む一対のポリエチレン層とよりなる三層構造の複合材を用いた封止膜、これらが適用可能である。また、封止膜30の厚みとしては0.035mm〜0.05mmであることが好ましい。
なお、図1、図11(a)、及び図11(b)を参照して、筒状部材21がポリプロピレンからなる場合における屈曲部35付近の好適な寸法値の一例を以下に記載する。
図1に記載された混合容器10の全長Lの好適な寸法値は以下の通りである。
・全長L=30mm〜90mm
図11(a)に記載された表記のうちで設計時の基準となる表記の好適な寸法値は以下の通りである。
・接続部37の連結部分における外径φDout=5mm〜15mm
・接続部37の厚みt1=0.3mm〜1.2mm
・接続部37と封止膜30との距離D1=0mm〜13mm
・食い込み点53と封止膜30との距離D2=0mm〜13mm
図11(b)に記載された表記のうちで設計時の基準となる表記の好適な寸法値は以下の通りである。
・斜辺52a,52bの丸み半径R2=3.5mm〜6.5mm
なお、その他の表記の寸法値については上記表記の寸法値に応じて適宜設定される。
上記実施形態の混合容器10及び混合容器10の製造方法によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)第2容器20においては、第2液を封止する封止部分が筒状部材21よりも脆弱な材質で形成されている。そのため、第2容器20の封止部分は、筒状部材21に封止部分が一体的に形成される場合に比べて破れやすくなる。すなわち、封止膜30が筒状部材21とは異なる材質で形成されることで、第2液を封止する封止部分の厚みや機械的性質に関する自由度が高くなる。また、筒状部材21には、検体採取具70の押圧によって屈曲することで封止膜30を破き、挿通孔66を形成する屈曲部35が一体的に形成されている。この屈曲部35は、第2液を封止する機能が要求されないことで、形状や形成位置に関する自由度が高くなる。そのため、屈曲部35は、検体採取具70の押圧によって屈曲しやすく、且つ、その屈曲によって封止膜30を破りやすい形状とすることができる。
すなわち、筒状部材21に封止部分が一体的に形成されている場合に比べて、検体採取具70を用いた第2液の封止部分の破れに関する設計の自由度が飛躍的に向上する。その結果、封止膜30を破くために必要な力が軽減されることから、検体採取具70を用いた第1液と第2液との混合を容易に行うことが可能である。
(2)屈曲部35は、筒状部材21の内周面21aに対して片持ち状に支持されている。こうした構成によれば、被押圧部36が検体採取具70で押圧されることによって屈曲部35が屈曲しやくなるとともに屈曲するときの径路が規定されやすくなる。そのため、被押圧部の周縁部が全周にわたって筒状部材21の内周面21aに接続される場合に比べて、屈曲時における屈曲部35の径路についての再現性が高められる。その結果、封止膜30に初期破れが生じやすい形状及び形成位置に突出片50を形成することができる。
(3)接続部37が被押圧部36の対向面39と筒状部材21の内周面21aとを接続している。そのため、屈曲部35には、接続部37と被押圧部36との間の境界である折れ線42が形成される。これにより、屈曲部35が屈曲する際の被押圧部36の起点の位置に関する再現性が高められ、ひいては屈曲部35の屈曲径路の再現性が高められる。
(4)一対の斜辺52a,52bが被押圧部36の対向面39に向けて凹曲している。そのため、先端側からの突出片50の側面視において食い込み点53と各斜辺52a,52bの連続端54a,54bとが直線状に結ばれる構成に比べて、食い込み点53付近において斜辺52a,52bのなす角度が鋭角化される。これにより、封止膜30には、突出片50の食い込み点53が食い込む部分に大きなせん断力が生じやすくなる。その結果、封止膜30に初期破れ65が生じやすくなる。
(5)一対の斜辺52a,52bが被押圧部36の対向面39に向けて凹曲していることで、封止膜30に対して斜辺52a,52bが食い込む方向である食い込み方向は、屈曲部35が屈曲するほど、封止膜30の面方向であって封止膜30の破れが進行する方向へと近づく。そのため、斜辺52a,52bの食い込みによって封止膜30の破れが進行しやすくなる。そして、屈曲部35が屈曲するほど、屈曲部35が単位量だけ屈曲したときに封止膜30のうちで斜辺52a,52bによって破られる部分の長さである破れ長さが長くなる。
(6)上記(4)(5)により、一対の斜辺52a,52bが被押圧部36の対向面39に向けて凹曲していることで、食い込み点53が先鋭化されるとともに封止膜30の破れが進行しやすいときほど斜辺52a,52bによる破れ長さが長くなる。その結果、封止膜30の破れを円滑に行うことができることから、封止膜30を破くために必要な力が軽減される。
(7)突出片50は、一対の斜辺52a,52bと対向面39の周縁39aとを結ぶ外側面51を有している。すなわち、被押圧部36の対向面39と突出片50の外側面51との間に段差が形成されない。その結果、混合容器10から引き抜かれる検体採取具70が屈曲後の屈曲部35に引っ掛かりにくくなることから、検体採取具の引き抜きを円滑に行うことができる。
(8)屈曲部35は、接続部37が破断しない状態で屈曲する。このことから、屈曲後の屈曲部35では、接続部37における弾性力に基づく力であって、屈曲部35の屈曲時とは反対方向へ被押圧部36を回動させようとする力が生じる。そのため、屈曲後の屈曲部35は、被押圧部36の先端部における周側面44が検体採取具70に当接した状態、あるいは、当該周側面44が検体採取具70に最も近い位置に配置された状態となる。そして、検体採取具70は、混合容器10から引き抜かれる過程において、被押圧部36の周側面44を高い確率の下で摺動する。
これに関し、上記構成の混合容器10では、被押圧部36の周側面44は、対向面39に近い部位ほど対向面39の周縁39aに近づく面であって、屈曲前の屈曲部35において、被押圧部36の側方に向かって張り出すように湾曲している。そのため、被押圧部36の先端部における周側面44は、図9にも示したように、屈曲部35が屈曲することによって検体採取具70に向かって張り出すように配置されることから、検体採取具70の採取部72を封止膜30の挿通孔66へ案内する曲面を形成する。その結果、検体採取具70は、混合容器10から引き抜かれる過程において屈曲部35に引っ掛かりにくくなる。すなわち、検体採取具70の引き抜きが円滑に行われる。
(9)混合容器10から引き抜かれる過程において、検体採取具70の採取部72は、突出片50の外側面51を摺動してから周側面44を摺動する場合もある。
これに関し、上記構成の混合容器10では、突出片50の外側面51は、屈曲前の屈曲部35において、筒状部材21の内周面21aに向けて拡がっている。そのため、突出片50の外側面51は、図9にも示したように、屈曲部35が屈曲することによって採取部72を封止膜30の挿通孔66に案内する傾斜面を形成するとともに、上述した内周面21aへの拡がりを有していない外側面に比べて、検体採取具70の引き抜き方向に対する傾斜角が小さくなる。その結果、検体採取具70は、採取部72が突出片50の外側面51を摺動したとしても、混合容器10から引き抜かれる過程において屈曲部35に引っ掛かりにくくなる。そして、突出片50の外側面51と被押圧部36の周側面44とが連続していることから、外側面51から周側面44への摺動面の移行が円滑に行われる。
(10)図12に示されるように、突出片50の外側面51は、屈曲前の屈曲部35において、筒状部材21の内周面21aに向けて拡がっている。そのため、屈曲部35の屈曲時における外側面51の径路は、食い込み点53の径路68及び一対の斜辺52a,52bの径路よりも内側に配置される。すなわち、封止膜30を通過する際に外側面51が封止膜30に接触しにくくなることから、屈曲部35の屈曲、すなわち検体採取具70の挿入が円滑に行われる。
(11)同図12に示されるように、突出片50には、食い込み点53から中心方向に向かって延びる先端縁58が形成されている。この先端縁58は、封止膜30のうちで食い込み点53によって破られた部分である初期破断部分69を屈曲部35の屈曲する方向へ押し込む。すなわち、封止膜30の初期破断部分69は、先端縁58が形成されていない場合に比べて、屈曲部35の屈曲時における挙動の自由度が少なくなるとともに先端縁58によって屈曲部35の屈曲する方向へと強制的に引っ張られる。これにより、食い込み点53に連なる斜辺52a,52bが食い込む部分において封止膜30の張力が高められる。その結果、初期破れ65に連続する破れが生じやすくなる。
(12)突出片50には、一対の斜辺52a,52bから中心方向に向かって延びる先端面55a,55bが形成されている。これらの先端面55a,55bも、封止膜30のうちで斜辺52a,52bによって破られた部分である破断部分を屈曲部35の屈曲する方向へ押し込む。すなわち、封止膜30の破断部分は、先端面55a,55bが形成されていない場合に比べて挙動の自由度が少なくなることで、先端面55a,55bによって屈曲部35の屈曲する方向へ強制的に引っ張られる。これにより、後続の斜辺52a,52bが食い込む部分において封止膜30の張力が高められる。その結果、封止膜30の破れが進行しやすくなる。
(13)一対の斜辺52a,52bは、対向面39の周縁39aに連続している。そのため、対向面39の周縁39aが封止膜30に食い込む構成にしたとしても、封止膜30に食い込む部位を斜辺52a,52bから周縁39aへ円滑に移行させることができる。
(14)金型80においては、被押圧部36の対向面39を成形する面にゲート84が開口している。そのため、キャビティ85の細部にまで溶解樹脂が充填される確率が高められる。その結果、筒状部材21は、高い精度が要求される部位ほど形状に関する精度が高められる。
(15)屈曲部35の形状に関する精度が高められることで、屈曲部35の屈曲によって封止膜30の突き破るために必要な力のばらつきも抑えられる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・筒状部材21の成形方法において、屈曲部35を成形するキャビティ85を構成する面にゲート84を開口させるうえでは、ゲート84は、被押圧面38を成形する面、外側面51を成形する面、及び、接続部37を成形する面、これらの面のいずれに開口していてもよい。すなわち、筒状部と筒状部の内周面に一体的に形成される筒内部とを有する筒状の部材を形成する際には、筒内部を成形する面にゲートを開口させることによって、筒内部の成形精度を高めることができる。
・一対の斜辺52a,52bと連結縁59は、先端面55a,55bを介して繋がっている。これに限らず、一対の斜辺52a,52bと連結縁59は、食い込み点53が稜縁60の起点となるように先端面55a,55bを介すことなく繋がっていてもよい。こうした構成によれば、食い込み点53がさらに先鋭化される。
・突出片50の外側面51は、封止膜30に近い部位ほど内周面21aから離れるように筒状部材21の中心方向に向かって傾斜していてもよいし、内周面21aと平行であってもよい。
・被押圧部36の周側面44は、被押圧部36の側方に向かって張り出すように湾曲している面に限らず、被押圧面38の周縁38aと対向面の周縁39aとを直線的に結ぶように傾斜した傾斜面であってもよい。また、図13に示されるように、被押圧部36の周側面44は、先端側の部位にのみ上述した傾斜面である傾斜面91を有していてもよい。こうした構成であっても、検体採取具70の引き抜き時に屈曲部35に対して検体採取具70が引っ掛かりにくくなる。
・被押圧部36は、対向面39の周縁39aが被押圧面38の周縁38aよりも内周面21aに対して内側に位置していてもよい。
・突出片50の外側面51は、対向面39のうちで周縁39aよりも内側の部位に連結されていてもよい。すなわち、突出片50の外側面51と被押圧部36の周側面44との間に段差が形成されていてもよい。
・一対の斜辺52a,52bの各々は、対向面39の周縁39aに連続する連続端54a,54bから屈曲部35の先端側へ周縁39aに沿うように互いに近づくほど封止膜30に近い位置に配置され、互いに交差することで食い込み点53を形成すればよい。そのため、一対の斜辺52a,52bは、先端側からの側面視において、対向面39に向けて凹曲している形状に限らず、食い込み点53と連続端54a,54bとを直線状で結ぶ形状であってもよい。なお、上述のように一対の斜辺52a,52bが食い込み点53と連続端54a,54bとを直線状で結ぶ形状である場合、突出片50は、先端面55a,55bが形成されていない形状、すなわち一対の斜辺52a,52bが外側面51の縁及び湾曲面61a,61bの縁として設定される形状であることが好ましい。
・屈曲部35は、筒状部材21の内周面21aに片持ち状に支持されているものに限らず、検体採取具70に押圧することによって屈曲し、その屈曲によって封止膜30を突き破る構成であればよい。そのため、被押圧部36を内周面21aに接続する接続部は、被押圧部36の全周にわたって形成されていてもよい。こうした構成であっても、第2液を封止する機能が接続部に要求される場合に比べて、接続部の形状、特に肉厚に関する自由度が向上することで屈曲部を屈曲しやすくすることができる。
・また、第2液を封止する機能が接続部に要求される場合には、第2容器20において屈曲部と封止膜との間の空間に第1液及び第2液とは異なる第3液を封止可能である。その結果、混合容器10の用途に関する自由度が高められる。
・図14に示されるように、突出片は、一対の斜辺52a,52bによって食い込み点53が形成されていればよい。そのため、突出片は、対向面39から封止膜30に向かって延びる壁状の突出片92であってもよい。また、傾斜面41が割愛された構成であってもよい。
・図15に示されるように、突出片は、壁状の突出片92に対してリブ93が形成された突出片94であってもよい。
・図16に示されるように、一対の斜辺52a,52bは、互いに交差することによって食い込み点53を形成すればよい。そのため、突出片は、一対の斜辺52a,52bの各々に第2の食い込み点95a,95bが形成された突出片96であってもよい。こうした構成によれば、封止膜30には、初期破れ65に連続する破れが進行しているときに、第2の食い込み点53によって、上記初期破れには連続しない第2の初期破れが形成される。そして、屈曲部35の屈曲にともなって初期破れ65と第2の初期破れとが連続することで封止膜30に挿通孔66が形成される。そのため、検体採取具70による被押圧部36の押圧から封止膜30に挿通孔66が形成されるまでの間における検体採取具70の移動量を少なくすることができる。
・第1容器11、及び、第2容器20の筒状部材21は、円筒形状に限らず、多角筒状であってもよい。また、被押圧部36の形状も円板状に限らず、第1容器11及び第2容器20の筒状部材21の形状に応じて適宜変更可能である。
・屈曲部35は、検体採取具70によって被押圧部36が押圧されることによって封止膜30に向かって屈曲する構成であればよい。そのため、屈曲部35は、屈曲時に折れ線42に沿うような亀裂が接続部37に生じてもよい。
10…混合容器、11…第1容器、12…頂部開口、13…フランジ、14…シール部、20…第2容器、21a…内周面、21…筒状部材、22…頂部開口、23…底部開口、24…取付部、25…フランジ部、26…収容筒部、27…貫通孔、28…係止爪、29…接触シールリブ、30…封止膜、31…剥離膜、35…屈曲部、36…被押圧部、37…接続部、38…被押圧面、38a…周縁、39…対向面、39a…周縁、40…上面、41…傾斜面、42…折れ線、43…平行面、44…周側面、50…突出片、51…外側面、52a,52b…斜辺、53…食い込み点、54a,54b…連続端、55a,55b…先端面、56a,56b…内側縁、57…内側端、58…先端縁、59…連結縁、60…稜縁、61a,61b…湾曲面、66…挿通孔、68…径路、69…初期破断部分、70…検体採取具、71…軸部材、72…採取部、80…金型、81…固定金型、82…可動金型、83…キャビティ、84…ゲート、85…キャビティ、91…傾斜面、92…突出片、93…リブ、94…突出片、95a,95b…食い込み点、96…突出片。

Claims (10)

  1. 第1液を貯留する有底筒状の第1容器と、
    前記第1容器に挿入された状態で第2液を貯留する有底筒状の第2容器と、
    を備える混合容器であって、
    前記第2容器は、
    2つの開口が筒端に形成された樹脂製の筒状部材であって、前記2つの開口の中で頂部側の開口が頂部開口であり、底部側の開口が底部開口である前記筒状部材と、
    前記筒状部材よりも脆弱な材質で形成され前記底部開口を封止する封止膜と、を備え、
    前記筒状部材は、前記頂部開口と前記底部開口との間に位置し、前記筒状部材の内周面に支持され、前記頂部開口から挿入された検体採取具によって前記頂部開口から前記底部開口に向けて押圧されて前記封止膜に向けて屈曲し、前記屈曲することによって前記封止膜を突き破る屈曲部を備え、
    前記屈曲部は、前記封止膜に対向する対向面を有し、前記対向面から前記封止膜に向かって突出し、前記屈曲するときに前記封止膜に初期破れを生じさせる先鋭の突出片を備える
    混合容器。
  2. 前記屈曲部は、
    前記対向面を有し前記検体採取具によって押圧される被押圧部と、
    前記対向面を前記内周面に接続する接続部と、を有し、
    前記内周面に片持ち状に支持されている
    請求項1に記載の混合容器。
  3. 前記突出片は、
    前記突出片の先端である食い込み点と、
    前記食い込み点から前記対向面に向けて延びる2つの斜辺と、を備え、
    前記2つの斜辺の各々は、
    前記対向面に向けて凹曲している
    請求項2に記載の混合容器。
  4. 前記突出片は、
    前記2つの斜辺を含んで前記対向面の周縁から延びる外側面を有する
    請求項2または3に記載の混合容器。
  5. 前記被押圧部は、
    前記対向面と、
    前記検体採取具によって押圧される面であって、前記内周面に対して前記対向面の周縁よりも内側に配置される周縁を有する被押圧面と、
    前記被押圧面の周縁と前記対向面の周縁とを繋ぐ面であって、前記対向面に近い部位ほど前記対向面の周縁に近づく周側面と、を備える
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の混合容器。
  6. 前記周側面は、
    前記被押圧部の側方に向かって張り出すように湾曲している
    請求項5に記載の混合容器。
  7. 前記突出片の前記外側面は、
    前記封止膜に近い部位ほど前記内周面に近づくように拡がっている
    請求項4〜6のいずれか一項に記載の混合容器。
  8. 前記突出片は、
    前記2つの斜辺の各々から前記筒状部材の中心方向に向かって延びる先端面を有する
    請求項4〜7のいずれか一項に記載の混合容器。
  9. 前記筒状部材は、
    射出成形品であって前記屈曲部に樹脂ゲート跡を有する
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の混合容器。
  10. 第1液を貯留する有底筒状の第1容器と、前記第1容器に挿入された状態で第2液を貯留する有底筒状の第2容器とを備える混合容器を製造する混合容器の製造方法であって、
    前記第2容器は、
    2つの開口が筒端に形成された樹脂製の筒状部材であって、前記2つの開口の中で頂部側の開口が頂部開口であり、底部側の開口が底部開口である前記筒状部材と、
    前記筒状部材よりも脆弱な材質で形成され前記底部開口を封止する封止膜と、を備え、
    前記筒状部材は、
    前記頂部開口と前記底部開口との間に位置し、前記筒状部材の内周面に支持され、前記頂部開口から挿入された部材によって前記頂部開口から前記底部開口に向けて押圧されて前記封止膜に向けて屈曲し、前記屈曲することによって前記封止膜を突き破る屈曲部を備え、
    前記屈曲部は、
    前記封止膜に対向する対向面を有し、前記対向面から前記封止膜に向かって突出し、前記屈曲するときに前記封止膜に初期破れを生じさせる先鋭の突出片を備え、
    前記筒状部材を射出成形するためのキャビティに溶解樹脂を注入するとき、前記キャビティの中で前記屈曲部を成形するための部分から前記溶解樹脂が注入される
    混合容器の製造方法。
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